JP3637582B2 - 静電荷像現像用トナーの製法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、新規にして有用なるトナーの製造方法に関する。さらに詳細には、本発明は、自己水分散性樹脂と、着色剤とを含有する、とりわけ、静電潜像を現像するために使用するトナーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
静電荷像現像用トナーの製法としては、乾式法として、結着用樹脂と着色剤を混練し粉砕、分級する粉砕法、ならびに湿式法として、重合時に着色剤等を包含させてトナーを得る重合法などがあるが、これらと全く異なる新しい湿式法として、特開平5−66600号公報などに記載されているいわゆる転相乳化法がある。
【0003】
これは、自己水分散性樹脂と着色剤等を有機溶剤中に溶解、分散させておき攪拌しながら適量の水を加えることにより転相乳化させて、微粒子を生成させて乾燥して乾式トナーとする方法である。
【0004】
この製法では、例えば酸基を含有する自己水分散性樹脂となりうる樹脂に、塩基を添加することで自己水分散性樹脂とし、転相乳化で粒子を形成した後、酸によりもとの自己水分散性樹脂となりうる樹脂に戻している。
【0005】
この時、同時に副生成する微粒子や水溶性樹脂が粒子表面に酸析され、粒子の粉体流動性を向上させていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この製法では副生成する微粒子や、水溶性樹脂を粒子表面に酸析しているため、その生成量によっては粒子の粉体流動性が不十分であったり、あるいは帯電量が環境により振れたりすることがあった。また、これらの副生成物の生成と同時に、着色剤が流出してくる場合があり、それも同時に粒子表面に固着され、帯電量が低下するという現象も生じていた。
【0007】
すなわち、本発明の目的とするところは、前記した従来のトナーに比べて、安定な粉体流動性が得られるとともに、帯電特性の劣化や環境変動を生じないカプセル型トナーの製造方法を提供することにある。
【0008】
【発明が解決するための手段】
そこで、本発明者らは、上述した如き発明が解決しようとする課題に照準を合わせて、鋭意、検討を重ねた結果、着色剤が内包された自己水分散性樹脂粒子の分散液に、それと同一極性であって、前記分散粒子よりも粒子径の小さい自己水分散性樹脂の水性分散液、又は同一極性の水溶性性樹脂の水溶液を、別途加えて、分散粒子表面にその樹脂成分を付着させる様にすることで、前記課題が解決されることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち本発明は、次の発明を提供するものである。中和により自己水分散性となりうる樹脂(A)を中和剤(B1)で中和して得られる自己水分散性樹脂(C)と、着色剤(D)と、有機溶剤(E)とを必須成分とする混合物を、水性媒体中に加えて転相乳化するか、当該混合物に水性媒体を加えて転相乳化することにより、着色剤(D)が内包された自己水分散性樹脂からなる粒子(G)の分散液を得る第一工程、この第一工程で得られた分散液に、前記樹脂(C)と同一極性であって、前記粒子(G) よりも平均粒子径が小さく、中和剤(B1)により中和されている自己水分散性樹脂(F)の水性分散液、及び/又は前記樹脂(C)と同一極性であって、中和剤(B1)により中和されている水溶性樹脂(H)の水溶液を均一に混合する第二工程、前記第二工程で得られた混合物に、前記中和剤(B1)と逆の極性の中和剤(B2)を加えて、前記自己水分散性樹脂(F)及び/又は前記水溶性樹脂(H)中に含まれる少なくとも一部の塩を元の官能基に戻すことにより前記自己水分散性樹脂(F)及び/又は前記水溶性樹脂(H)を前記粒子(G)の表面に析出させ固着する第三工程、ついで、この第三工程で得られた混合物から液媒体を除去し乾燥させる第四工程からなる、着色剤(D)を内包する樹脂に未中和部分を含む前記樹脂(F)又は樹脂(H)が付着したカプセル型トナーの製法(第1発明)。
【0010】
中和により自己水分散性となりうる樹脂(A)と、着色材(D)と、有機溶剤(E)とを必須成分とする混合物を、中和剤(B1)を含む水性媒体中に加えて転相乳化するか、当該混合物に中和剤(B1)を含む水性媒体を加えて転相乳化することにより、着色剤(D)が内包された自己水分散性樹脂粒子(G)の分散液を得る第一工程、この第一工程で得られた分散液に、前記樹脂(C)と同一極性であって、前記粒子(G) よりも平均粒子径が小さく、中和剤(B1)により中和されている自己水分散性樹脂(F)の水性分散液、及び/又は前記樹脂(C)と同一極性であって、中和剤(B1)により中和されている水溶性樹脂(H)の水溶液を均一に混合する第二工程、前記第二工程で得られた混合物に、前記中和剤(B1)と逆の極性の中和剤(B2)を加えて、前記自己水分散性樹脂(F)及び/又は前記水溶性樹脂(H)中に含まれる少なくとも一部の塩を元の官能基に戻すことにより前記自己水分散性樹脂(F)及び/又は前記水溶性樹脂(H)を前記粒子(G)の表面に析出させ固着する第三工程、ついで、この第三工程で得られた混合物から液媒体を除去し乾燥させる第四工程からなる、着色剤(D)を内包する樹脂に未中和部分を含む前記樹脂(F)又は樹脂(H)が付着したカプセル型トナーの製法(第2発明)。
【0011】
すなわち、本発明の製造方法の特徴は、第一工程で得られた着色剤(D)が内包された樹脂粒子(G)の水性分散液に、別途調整した、前記樹脂と同一極性かつ前記樹脂粒子よりも小さい自己水分散性樹脂(F)の水性分散液及び/又は前記樹脂と同一極性の水溶性樹脂(H)の水溶液を混合し、第三工程において、第一工程で得られた樹脂粒子の表面に、未中和部分を含む前記樹脂(F)又は未中和部分を含む水溶性樹脂を析出させることにより、最終的に得られるトナー粒子の粉体流動性及び帯電特性を改善するものである。
【0012】
また、別途に樹脂組成を変えた水分散性樹脂及び/又は水溶性樹脂を添加混合する様にもできるため、その様にすれば、着色剤を含有した粒子本体と、粒子表面の水分散性樹脂成分及び/又は水溶性樹脂成分とに機能分離が可能となり、最終的に得られる粉体流動性の制御、あるいは帯電特性の制御が、より容易に行えるという利点も発現する。
【0013】
次に本発明の製造方法の各工程について説明する。
【0014】
第一工程は、中和により自己水分散性となりうる樹脂(A)を中和剤(B1)で中和して得られる自己水分散性樹脂(C)と、着色剤(D)と、有機溶剤(E)とを必須成分とする混合物を、水性媒体(水のみ又は水を必須成分とする液媒体)中に加えて転相乳化するか、当該混合物に水性媒体を加えて転相乳化することにより、着色剤(D)が内包された自己水分散性樹脂からなる粒子(G)の分散液を得る工程である。
【0015】
第1発明における、この第一工程では、はじめに、例えば前記樹脂(C)と、着色剤(D)と、有機溶剤(E)とを必須成分として、それらを公知慣用の手段で混合分散して混合物を調製する。前記樹脂(C)を得るに当たっては、中和により自己水分散性となりうる樹脂(A)と中和剤(B1)とを混合し中和すればよい。
【0016】
尚、第2発明の様に、中和により自己水分散性となりうる樹脂(A)と、着色剤(D)と有機溶剤(E)とを必須成分として混合物を調製することも出来る。この場合には、転相乳化に用いる水性媒体としては、前記樹脂(A)を自己水分散性とするのに必要な量の中和剤(B1)を含む水性媒体が用いられる。
【0017】
第1発明にせよ第2発明にせよ、前記混合物を前記対応する水性媒体に転相乳化することにより、着色剤(D)が内包された自己水分散性樹脂からなる粒子(G)の分散液を得る。その場合、前記混合物に前記対応する水性媒体を加える様にして転相乳化しても、前記混合物を前記対応する水性媒体に加える様にして転相乳化してもよい。しかしながら、前者のほうが、トナー粒子の粒度分布がシャープになる点で好ましい。
【0018】
上記した様にして得られた前記粒子(G)の分散液には、粒子(G)以外の、中和により自己水分散性となりうる樹脂(A)を中和剤(B1)で中和して得られる自己水分散性樹脂(C)や、中和により水溶性となりうる樹脂を中和剤(B1)で中和して得られる水溶性樹脂を含んでいてもよい。
【0019】
第二工程は、前記第一工程で得られた分散液に、前記樹脂(C)と同一極性であって、前記粒子(G)粒子よりも平均粒子径が小さい自己水分散性樹脂(F)の水性分散液及び/又は前記樹脂(C)と同一極性の水溶性樹脂(H)の水溶液を均一に混合する工程である。
【0020】
ここで樹脂粒子(G)の分散液に加えるのは、前記樹脂(C)と同一極性であって、前記粒子(G)粒子よりも平均粒子径が小さい自己水分散性樹脂(F)の水性分散液及び/又は前記樹脂(C)と同一極性の水溶性樹脂(H)の水溶液である。勿論、加えるのは、前記樹脂(F)のみの水性分散液でも、前記樹脂(H)のみの水性分散液でも、前記樹脂(F)と(H)とを両方含んだ水性分散液であってもよい。
【0021】
第一工程による、自己水分散性樹脂(C)を用いた転相乳化による粒子(G)形成では、粒子(G)の他に、一般的に、前記樹脂(C)の微粒子成分や、中和により水溶性となりうる樹脂を中和剤(B1)で中和して得られる水溶性樹脂成分が副生成するため、その様な場合は、この第二工程で、前記樹脂(F)微粒子の水性分散液及び/又は前記樹脂(H)の水溶液を、より少量添加するだけで本発明の効果が得られる。
【0022】
第三工程は、前記第二工程で得られた混合物に、前記中和剤(B1)と逆極性の中和剤(B2)(酸又は塩基)加えて、混合物中に含まれる各樹脂成分の塩形成部分の少なくとも一部を、元の中和されていない状態(未中和状態)の官能基に戻す工程であり、その様に処理することにより、樹脂(F)及び/又は樹脂(H)は、着色剤(D)を内包する、未中和部分を含む前記樹脂(C)の粒子(G)表面に析出される。この時、第一工程で得られる粒子(G)表面に、第二工程で添加された前記樹脂(F)及び/又は前記樹脂(H)は、強固に固着される。
【0023】
尚、第二工程で混合されたのが、前記樹脂(F)と(H)とを両方含む水性分散液である場合には、前記樹脂(H)成分をバインダーとして、樹脂(F)が、より強固に粒子(G)表面に固着する。
【0024】
最終的に得られるトナーを充分に安定な粉体流動性とするとともに、より帯電特性に劣化を生じにくくするためには、十分な量の前記樹脂(F)及び/又は樹脂(H)を、当該粒子(G)表面に固着させることが好ましい。そのためには、この第二工程にて、一定量以上の前記樹脂(F)及び/又は(H)を併用することが好ましい。
【0025】
第四工程は、この第三工程で得られた混合物から液媒体を除去して乾燥させる工程である。
【0026】
まず第一工程にて、転相乳化に用いる前記各混合物を調製するには、例えばボールミル、サンドミル、モーターミル等の公知慣用の手段が採用できる。
【0027】
本発明で用いる自己水分散性樹脂(C)は、中和により自己水分散性となりうる樹脂(A)(例えばアニオン性あるいはカチオン性の親水基を分子鎖中に有する樹脂)に、当該樹脂がアニオン性ならば塩基を、カチオン性ならば酸を用いて中和することで、当該親水基の親水性を高められた樹脂が挙げられる。
【0028】
この際の親水性の程度は、当該樹脂自体が水に分散できる程度でなければならない。この様な自己水分散性樹脂は、水性媒体と混合することで、転相乳化が起こり、粒子を生成する。
【0029】
本発明を実施するに当たって、前記樹脂(A)の一部又は全部を、自己水分散性樹脂(C)に変換するに必要がある場合には、当該樹脂(A)中に含まれる、中和により親水性が増加しうる官能基の一部を又は全部を、それと逆極性の中和剤で中和することで適宜調整できる。
【0030】
中和により自己水分散性となりうる樹脂(A)(酸基あるいは塩基性基を含有する樹脂)中の酸基あるいは塩基性基を中和して、自己水分散性樹脂(C)とするための中和剤(B)として、前記樹脂(A)が、例えば酸基含有の中和により自己水分散しうる樹脂の場合には、例えばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアルカノールアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン等の第二級アミン、トリエチルアミン等の第三級アミン、ヒドラジン、アンモニア等が挙げられ、一方、樹脂(A)が、塩基性基含有の中和により自己水分散しうる樹脂の場合には、例えば塩酸、硫酸、燐酸等の無機酸、シュウ酸、蟻酸、酢酸、琥珀酸等の有機酸が挙げられ、これらにより適切量中和させる。樹脂(A)がアニオン性樹脂の場合の中和剤としては、アンモニアや第三級アミン等の揮発性の高いものを用いるのが、トナー粒子内残存量を少なくすることができ、臭気の点で好ましい。
【0031】
尚、第一工程において、樹脂(A)として酸基含有の中和により自己水分散しうる樹脂を用いた場合には、中和剤(B1)として塩基を用い、後述する第三工程での中和剤(B)として、前記したのと逆極性の中和剤(B2)である酸を用い、逆に、第一工程において、樹脂(A)として塩基性基含有の中和により自己水分散しうる樹脂を用いた場合には、中和剤(B1)として酸を用い、後述する第三工程での中和剤(B)として、前記したのと逆極性の中和剤(B2)である塩基を用いる様にする。
【0032】
即ち、本発明における中和剤(B)は、第一工程で用いる中和剤(B1)と、後述第三工程で用いる中和剤(B2)とは逆極性である必要があり、かつ樹脂(A)と中和剤(B2)とは同極性である必要がある。
【0033】
酸基あるいは塩基性基を含有する、中和により自己水分散性となりうる樹脂(A)の親水性は、中和により親水性が増加しうる官能基の量或いは中和量(中和率)によりコントロールすることができる。完全に中和すると水溶性となりうる樹脂を用いて、中和率を加減することにより、自己水分散性樹脂とすることもできる。さらにはかかる親水性により転相乳化においての、分散時の粒子の大きさが決定される。つまり中和率のコントロールにより任意の粒径を容易に得ることが可能である。
【0034】
まず樹脂が自己水分散機能を発現するために必要な、中和された酸基あるいは塩基性基等の官能基の量(中和量、中和率)は、組成や分子量、構造などにより樹脂そのものの親水性がことなるので、各々の樹脂により中和率は異なるが、通常、樹脂固形分100gあたり10〜50mg当量なる範囲内である。
【0035】
中和により自己水分散性となりうる樹脂(A)の中和は、後に述べる転相乳化時で水性媒体と混合される直前までに行うか、あるいは、転相工程中に水性媒体との混合と同時に行ってもよい。
【0036】
中和により自己水分散性となりうる樹脂(A)及び自己水分散性樹脂(C)としては、例えばアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂等がある。トナーとしての粉体流動性、定着性等のバランスが比較的容易に得られ易いアクリル系樹脂とりわけスチレン/アクリレート共重合体系樹脂が好適である。次に、アクリル系樹脂を例にとり、詳細に説明する。
【0037】
次に本発明で使用する、中和により自己水散性となりうるアニオン型アクリル系樹脂、自己水分散性樹脂及び水溶性樹脂について説明する。本発明において、中和により自己水分散性となりうる、あるいは水溶性樹脂となりうるアニオン型アクリル系樹脂とは、分子内に有する、中和により親水性が増加しうる官能基の作用により、水性媒体の作用下で、乳化剤や分散安定剤を実質的に用いることなく、安定なる水性分散体あるいは水溶液を形成する能力を有する樹脂である。
【0038】
当該中和により自己水分散性となりうる、あるいは水溶性となりうるアニオン型アクリル系樹脂としては、前述のような酸基を含有したアクリル系重合性ビニル単量体類と、この酸基を含有した重合性ビニル単量体類以外の重合性ビニル単量体を、ラジカル開始剤存在下でラジカル重合させて得られるものが使用できる。
それを得るための重合反応は、溶液重合でも、懸濁、乳化重合でも適宜利用できる。
【0039】
こうした酸基含有アクリル系重合性単量体類としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸モノブチル、マレイン酸モノブチルなどが挙げられる。また、塩基性基含有アクリル系重合性単量体類としては、ジメチルアミノエチル、ジエチルアミノエチル、ジブチルアミノエチル、N−エチル−N−フェニルアミノエチルなどのアクリレート誘導体、メタクリレート誘導体が挙げられる。
【0040】
酸基あるいは塩基性基含有重合性単量体類以外の重合性単量体類としては、例えば、スチレン系モノマー(芳香族ビニルモノマー)類として、スチレン、ビニルトルエン、2−メチルスチレン、t−ブチルスチレンもしくはクロルスチレンがある。
【0041】
アクリル酸エステル類としては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−アミル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸デシルもしくはアクリル酸ドデシル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル、アルファクロルアクリル酸メチルが挙げられる。
【0042】
メタクリル酸エステルとしては、例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−アミル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−クロルエチル、メタクリル酸フェニル、アルファクロルメタクリル酸メチルが挙げられる。
【0043】
また、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類、N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物等を挙げることができる。
【0044】
また、中和により自己水分散性となりうる樹脂又は自己水分散性樹脂を得るに際し、溶液重合の場合には、重合反応溶剤を使用できる。具体的には、例えばトルエン、キシレンもしくはベンゼンの如き、各種の芳香族炭化水素;メタノール、エタノール、プロパノールもしくはブタノールの如き、各種のアルコール類;セロソルブもしくはカルビトールの如き、各種のエーテルアルコール類;アセトン、メチルエチルケトンもしくはメチルイソブチルケトンの如き、各種のケトン類;酢酸エチルもしくは酢酸ブチルの如き、各種のエステル類;またはブチルセロソルブアセテートの如き、各種のエーテルエステル類などの、いわゆる不活性溶剤である。
【0045】
また、使用する重合開始剤としては、公知慣用の各種の有機過酸化物系の開始剤、アゾ系の開始剤が使用できる。具体的には、例えばベンゾイルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリル等のアゾ系化合物が挙げられる。
【0046】
一方、自己水分散性アクリル系樹脂としては、酸基あるいは塩基性基含有する樹脂の、当該親水性基の中和により親水性が増加しうる官能基が、中和剤により中和されたものであり、この塩構造が当該樹脂の水性媒体中での安定な分散に関与する。かかる塩構造は前記のように、中和により自己水分散性となりうる樹脂(A)中の官能基を中和剤(B1)にて中和して得た場合でも、あらかじめ塩構造として樹脂中に存在するものでもその効果は同じである。
【0047】
本発明で用いる自己水分散性樹脂(C)は、それ自体で水に分散するが、必要であれば、界面活性剤(乳化剤)や分散安定剤を併用してもよい。しかしそれらの使用量は、最小限に止め、極少量とするのが好ましい。乳化剤としては、例えばドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルジフェニルオキサイドジスルホン酸ナトリウム等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンニニルフェノールエーテル等の非イオン性界面活性剤が挙げられる。分散安定剤としては、水溶性高分子化合物が用いられ、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロースガムが挙げられる。
【0048】
その他、反応に当たっては、例えばドデシルメルカプタン、四塩化炭素、チオグリコール酸等の連鎖移動剤や、酸性亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム等の還元剤、エチレンジアミンテトラ酢酸ナトリウム等のキレート化剤を併用しても良い。
【0049】
反応条件は、特に制限されないが、通常0℃を越えて140℃で、15分〜72時間である。
【0050】
自己水分散性アクリル系樹脂としては、例えば重量平均分子量2000〜300000のものでを用いるのが好ましい。さらに、ガラス転移温度50〜90℃のものを用いることが好ましい。
【0051】
自己水分散性樹脂(C)は、単独で用いてもよいし、相溶性のよい、異なる平均分子量のものを混合して用いることもできる。その様にすれば、耐オフセット性、低温定着性及び良好な貯蔵安定性を兼備するトナーを調製できる。
【0052】
前記混合物を得るのに用いる着色剤(D)としては、具体的には、例えばカーボンブラック、磁性粉、ニグロシン染料、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガラ、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントブルー15、四三酸化鉄、三二酸化鉄、鉄粉、酸化亜鉛、セレン等を挙げることができ、1種又は2種以上の組み合わせで使用することができる。
【0053】
前記混合物調製の際の着色剤(C)の使用量は、通常樹脂固形分100重量部当たり、3〜150重量部の範囲から選択される。混合物中の固形分は、通常20〜80重量%の範囲内に調整される。
【0054】
また有機溶剤(E)としては、例えばトルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、四塩化炭素、トリクロロメタン、ジクロロメタン等のハロゲン系溶剤の様な、比較的疎水性の強い有機溶剤が使用される。この場合、例えばアセトン、ブタノール、イソプロピルアルコール等の水溶性、若しくは部分水溶性の有機溶剤を併用することにより、転相乳化における粒子(G)の生成が容易になる。
【0055】
好ましくは、後述する第三工程において、容易に脱溶剤され得るアセトン、メチルエチルケトンまたは酢酸エチルなどの、いわゆる低沸点溶剤の使用が適切である。
【0056】
本発明において使用し得る、他の構成成分(添加剤成分)としては、帯電制御剤類や離型剤類などの、各種の助剤類が挙げられ、その使用目的および使用条件に応じて、適宜、選択して使用することが出来る。
【0057】
本発明の任意の製造工程において、必要に応じてワックス類、帯電制御剤等の助剤を含有させることもできる。
【0058】
助剤としては、例えばポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、パラフィンワックス等のワックス類、金属石鹸、ステアリン酸亜鉛の如き滑剤、或いは酸化セリウム、炭化ケイ素の如き研磨剤、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、アゾ系含金属染料、アゾクロムコンプレックス等の帯電制御剤等が挙げられる。
【0059】
次に転相乳化操作について説明する。この操作では、前記操作で得られた混合物と水性媒体とから、着色剤(D)が自己水分散性樹脂に包含された粒子(G)の水性分散液が得られる。上記した通り、混合物として、中和により自己水分散性となりうる樹脂(A)と、着色剤(D)と、有機溶剤(E)からなる混合物を用いて本発明を実施する場合には、前記した様に当該混合物中の中和により自己水分散性となりうる樹脂(A)が自己水分散するに必要な量の中和剤(B1)を含む水性媒体を用いるのは勿論である。
【0060】
転相乳化時の温度は特に制限されないが、系が15〜25℃となる様にするのが良く、出来ればその温度範囲内において、前記混合物と水性媒体との温度差が出来るだけ小さくなる様に調製した上で、それを実施するのが好ましい。
【0061】
第一工程では、通常平均粒子径が0.1〜15μmの粒子(G)を含む水性分散液を得る。
【0062】
次に第二工程について説明する。ここでは、前記第一工程で得られた粒子(G)の水性分散液に、前記樹脂(C)と同一極性であって、前記粒子(G)よりも平均粒子径が小さい自己水分散性樹脂(F)の水性分散液又は前記樹脂(C)と同一極性の水溶性樹脂(H)の水溶液が均一に混合される。
【0063】
樹脂(F)の分散粒子又は樹脂(H)の溶解粒子の平均粒子径としては、トナー粒子(G)よりも小さい必要があり、0.01〜5μm、好ましくは0.03〜3μmであることが好ましい。本発明の実施においては、第一工程で得た水性分散液中の粒子(G)の大きさに応じて、前記粒子(G)より平均小さな平均粒子径の樹脂(F)及び/又は樹脂(H)を選択して組み合わせる様にする。
【0064】
また、前記水性分散液又は水溶液の、粒子(G)の水性分散液への添加量は、トナー粒子(G)固形分に対し、0.5〜20重量%、好ましくは1.0〜10重量%相当量とすることが好ましい。
【0065】
尚、樹脂(F)と、樹脂(C)を含む粒子(G)とは、その樹脂成分の組成が同一であっても異なっていてもよい。異なる2種以上の樹脂(F)の水性分散液同志を組み合わせて用いても良いし、異なる2種以上の樹脂(H)の水性分散液同志を組み合わせて用いても良い。
【0066】
勿論、樹脂(F)の水性分散液としては、樹脂(H)を含んだもの用いてもよい。その場合の樹脂(F)と樹脂(H)の固形分重量割合は特に制限されないが、90/10〜10/90の範囲内で適宜選択できる。
【0067】
樹脂(F)及び樹脂(H)は、樹脂(C)と同一極性でなければならない。例えば樹脂(C)が、酸性基を塩基で中和した塩を含む自己水分散性樹脂である場合には、樹脂(F)及び樹脂(H)も酸性基を塩基で中和した塩を含むものとする必要がある。
【0068】
樹脂(F)の水性分散液及び樹脂(H)の水溶液は、公知慣用の方法で製造することができる。従来の樹脂の製造方法によれば、樹脂(F)と樹脂(H)とを両方含む水性分散液のほうが容易に得られる。前記第一工程として例示した転相乳化の手法を利用して、樹脂(F)の水性分散液及び樹脂(H)の水溶液を得る様にしても良い。
【0069】
樹脂(F)を形成しうる中和により自己水分散性となりうる樹脂、あるいは樹脂(H)を形成しうる中和により水溶性となりうる樹脂の一部又は全部を、自己水分散性樹脂あるいは水溶性樹脂に変換するに必要がある場合には、当該各樹脂中に含まれる、中和により親水性が増加しうる官能基の一部を又は全部を、前記したのと同様に、それと逆極性の中和剤で中和することで適宜調整できる。この中和剤(B)としては、前記したものがいずれも使用できる。
【0070】
ここで水性分散液として用いる樹脂(F)又は水溶液として用いる樹脂(H)としては、重量平均分子量が10000〜100000、好ましくは20000〜60000を有する樹脂が好ましい。また、ガラス転移温度が40℃以上、好ましくは60〜120℃であるものが好ましい。また、前記した転相乳化の手法で、例えばアニオン型樹脂(F)の水性分散液及びアニオン型樹脂(H)の水溶液を得るに当たっては、前記した条件かつ酸価が20〜200、好ましくは30〜120である樹脂が好ましい。
【0071】
また、自己水分散性樹脂(F)又は水溶性樹脂(H)は、親水性基の中和率により、適宜調整できる。また、前記した転相乳化の処方によって得られた、樹脂(F)の水性分散液又は樹脂(H)の水溶液は、有機溶剤を含有しているため、減圧下、有機溶剤の一部、もしくは全部を留去して用いることが好ましい。
【0072】
勿論、第一工程で得られた粒子(G)の水性分散液と混合後、水性媒体中に含まれる有機溶剤を留去しても良い。
【0073】
粒子(G)の分散液と、樹脂(F)の水性分散液又は樹脂(H)の水溶液とは、前記した通り、同極性の親水基からなっており、当該親水基の塩により水性媒体中に安定に分散あるいは溶解するため、極めて容易に均一に混合することができる。樹脂(F)又は樹脂(H)そのものを粒子(G)の分散液に混合するのより、容易に均一混合できる。
【0074】
第三工程は、第二工程で得られた混合物に前記中和剤(B1)と逆の極性の中和剤(B2)を加えて、樹脂(C)、樹脂(F)或いは樹脂(H)に含まれる少なくとも一部の塩を元の官能基に戻す工程である。この第三工程は、攪拌下で行うのが一般的である。
【0075】
自己水分散性樹脂(F)又は水溶性樹脂(H)の、一部又は全部を、元の、自己水分散しうる樹脂あるいは水溶性となりうる樹脂に変換するに必要がある場合には、その自己水分散性樹脂あるいは水溶性樹脂中に含まれる塩構造部分の一部又は全部を、前記中和剤(B1)とは逆極性の中和剤(B2)で中和すれば良い。この中和剤(B2)としては、前記したものがいずれも使用できる。
【0076】
本発明による製法では、前記親水性の変化を利用して、第一工程で得た粒子(G)表面に、第二工程で混合した樹脂(F)及び/又は樹脂(H)を第三工程で析出させ固着させるわけである。
【0077】
これは、樹脂(F)又は樹脂(H)の親水部の塩構造を、より親水性の低い、元の親水性基に戻すことで、樹脂自体の親水性を低下させ、それを粒子表面に析出する酸析・塩析の原理である。
【0078】
例えば、樹脂(F)として、酸性基を有する、中和により自己水分散性となりうる樹脂を、塩基で中和して得た自己水分散性樹脂を用いた場合や、樹脂(H)として、酸性基を有する、中和により水溶性となりうる樹脂を、塩基で中和して得た水溶性樹脂を用いた場合、この第三工程の酸析の際、着色剤(D)を内包する樹脂粒子(G)の表面の親水性鎖と、樹脂(F)又樹脂(H)に含まれる親水性鎖が絡み合いながら、そして元の官能基に戻りながら、粒子(G)表面に析出してくるため、それらは強固に固着する。
【0079】
樹脂(F)と樹脂(H)とが併用される場合には、この水溶性樹脂(H)は、粒子(G)と樹脂(F)微粒子とのバインダーとなり、両者の固着をさらに強固なものにする。
【0080】
第三工程では、前記中和剤(B)から、第一工程で用いた中和剤(B1)とは逆極性の中和剤(B2)を選択して用いる。中和剤(B1)が有機弱塩基の場合には、ここで用いる中和剤(B2)としても有機弱酸を用いるのが、より帯電量を向上させその環境変化も小さくできる点では、好ましい。
【0081】
第三工程における中和剤(B2)の使用量は、粒子(G)表面に、未中和部分を含む、前記樹脂(F)又は樹脂(H)を析出させるに必要な量であればよい。出来れば、樹脂(F)が、そのままでは自己水分散しない、元の、中和により自己水分散性となりうる樹脂となる様な、或いは、樹脂(H)が、そのままでは水難溶性で、元の、中和により水溶性となりうる樹脂となる様な、使用量を選択するのが好ましい。勿論、粒子(G)中の樹脂(C)も、未中和部分を含む前記樹脂(C)としたい場合には、そうなるに足る使用量を加える様にする。
【0082】
中和剤(B2)による処理は、第一工程において着色剤(D)を内包した樹脂粒子(G)を生成した後、別途調製した、前記樹脂(F)の有機溶剤を含んだままの水性分散液又は前記樹脂(H)の有機溶剤を含んだままの水溶液を加えた後、減圧下、有機溶剤の一部あるいは全部を留去した後行うことも出来るし、あるいは、第一工程において着色剤(D)を内包した樹脂粒子(G)を生成した後、減圧下、有機溶剤の一部あるいは全部を留去した後、別途調製した、前記樹脂(F)の有機溶剤を含まない水性分散液又は前記樹脂(H)の有機溶剤を含まない水溶液を加えた後、減圧下、有機溶剤の一部あるいは全部を留去した後行うことも出来る。
【0083】
好ましくは、第一工程において着色剤(D)を内包した樹脂粒子(G)を生成した後、第二工程に入る前に、第一工程で得られた水性分散液から、減圧下、有機溶剤の一部あるいは全部を留去し、引き続き濾過、洗浄を行う。こうして粒子(G)とならず、副生成した自己水分散性樹脂、水溶性樹脂や、留出した着色剤(D)を除いた後に、改めて、粒子(G)を有機溶剤を含まない水性媒体に再分散させ、そこに、別途調製した、有機溶剤を含まない、樹脂(F)の水分散液又は樹脂(H)の水溶液を混合する様に第二工程を行い、第三工程の処理を行う。
【0084】
この様にすれば、着色剤(D)によるトナー粒子の帯電特性の低下や変化が、さらに起こり難くなり、常に安定的に、所定の高帯電量のトナーを製造できる。
【0085】
第四工程では、前記第三工程で得られた、表面に未中和部分を含む樹脂(F)及び/又は樹脂(H)が付着したトナー粒子を含む混合物から液媒体を除去し乾燥される。
【0086】
液媒体から除去分離されたトナー粒子は、乾燥してトナー粉末を得る。この乾燥は、公知慣用の手法がいずれも採用できるが、例えばトナー粒子が熱融着や凝集しない温度で熱風乾燥でもよいし、凍結乾燥するという方法が挙げられる。また、スプレードラーヤー等を用いて、水性媒体からのトナー粒子の分離と乾燥とを同時に行うという方法もある。
【0087】
本発明で用いるトナー粒子からなるトナー粉体の粒子サイズとしては、トナーとしての実用的レベル内で任意の大きさを選定できる。現状のマシンとのマッチング性からは、その体積平均粒子径が3〜15μm、好ましくは、4〜12μmの範囲のものが好適である。
【0088】
本発明の製造方法で得られるトナーは、非磁性一成分トナーあるいは磁性一成分トナーとして、又、キャリアと組み合わせることにより二成分現像剤として使用することができ、とりわけ二成分現像剤として良好な特性を得ることができる。
【0089】
キャリアとしては、公知慣用のものがいずれも使用できるが、例えば、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム、希土類等の金属及びそれらの合金又は酸化物、表面処理されたガラス、シリカ等の粉末が使用できる。勿論、アクリル樹脂被覆キャリア、フッ素樹脂被覆キャリア、シリコーン樹脂被覆キャリア等の樹脂被覆キャリアも使用できる。キャリアとしては、例えば20〜200ミクロン程度のものが使用される。
【0090】
本発明で得られたトナーと、キャリアとから二成分型静電荷像現像剤を得る場合には、例えばキャリア100重量部当たり、トナー1〜15重量部となる様な割合で混合して用いればよい。
【0091】
【実施例】
次に、本発明を参考例、実施例および比較例により、一層、具体的に説明をすることにする。以下において、部および%は、特に断りの無い限りは、すべて重量基準であるものとする。
【0092】
参考例 1〔中和によりアニオン型自己水分散性となりうる樹脂(A−1)の 調製例〕
メチルエチルケトンの650部を反応器に入れ、加熱して80℃にした。次いで、以下に示されるような割合の混合物を、約2時間に亘って滴下した。その間、反応は窒素気流下で行った。
【0093】
【0094】
上記した混合物の滴下終了の4時間後に、「パーブチル O」の2部を、反応液に加え、さらに、そののち4時間おきに、「パーブチル O」の2部を加え、24時間のあいだ80℃に保持して反応を続行させた。反応終了後、樹脂固形分が50%となるようにメチルエチルケトンで希釈し、重量平均分子量が52,000なる共重合体の溶液を得た。樹脂の酸価は60、ガラス転移温度は70℃であった。
【0095】
参考例 2〔中和によりアニオン型自己水分散性となりうる樹脂(A−2)の 調製例〕
メチルエチルケトンの320部を反応器に入れ、加熱して80℃にした。次いで、以下に示されるような割合の混合物を、約2時間に亘って滴下した。その間、反応は窒素気流下で行った。
【0096】
【0097】
上記した混合物の滴下終了の4時間後に、「パーブチル O」の2部を、反応液に加え、さらに、そののち4時間おきに、「パーブチル O」の2部を加え、24時間のあいだ80℃に保持して反応を続行させた。反応終了後、樹脂固形分が50%となるようにメチルエチルケトンで希釈し、重量平均分子量が86,000なる共重合体の溶液を得た。樹脂の酸価は60、ガラス転移温度は70℃であった。
【0098】
参考例 3〔微粒子水分散体(B−1)の調製例〕
メチルエチルケトンの650部を反応器に入れ、加熱して80℃にした。次いで、以下に示されるような割合の混合物を、約2時間に亘って滴下した。その間、反応は窒素気流下で行った。
【0099】
【0100】
上記した混合物の滴下終了の4時間後に、「パーブチル O」の2部を、反応液に加え、さらに、そののち4時間おきに、「パーブチル O」の2部を加え、24時間のあいだ80℃に保持して反応を続行させた。反応終了後、固形分含有量が50%となるようにメチルエチルケトンで希釈し、重量平均分子量が38,000なる共重合体の溶液を得た。樹脂の酸価は80、ガラス転移温度は86℃であった。
【0101】
この樹脂溶液の100部に対し28%アンモニア水の2部を加え、均一に攪拌後、蒸留水の300部を攪拌下に20ml/minの速度で滴下し、転相乳化を行った。得られた水性分散体を減圧下に有機溶剤を留去し、水のみを液媒体とする固形分含有量30%の微粒子水性分散体を得た。
【0102】
この微粒子水分散体は、自己水分散性樹脂と水溶性樹脂とからなり、前者が主成分であった。この分散体中に含まれる自己水分散性樹脂粒子の平均粒子径は、コールターN4により測定した結果、300nmであった。
【0103】
参考例 4〔微粒子水分散体(B−2)の調製例〕
メチルエチルケトンの650部を反応器に入れ、加熱して80℃にした。次いで、以下に示されるような割合の混合物を、約2時間に亘って滴下した。その間、反応は窒素気流下で行った。
【0104】
【0105】
上記した混合物の滴下終了の4時間後に、「パーブチル O」の2部を、反応液に加え、さらに、そののち4時間おきに、「パーブチル O」の2部を加え、24時間のあいだ80℃に保持して反応を続行させた。反応終了後、固形分含有量が50%となるようにメチルエチルケトンで希釈して、重量平均分子量が39,000なる共重合体の溶液を得た。得られた樹脂の酸価は100、ガラス転移温度は97℃であった。
【0106】
この樹脂溶液の100部に対し28%アンモニア水の5部を加え、均一に攪拌後、蒸留水の300部を攪拌下に20ml/minの速度で滴下し、転相乳化を行った。得られた水性分散体を減圧下に有機溶剤を留去し、水のみ液媒体とする固形分含有量30%の微粒子水分散体を得た。
【0107】
この微粒子水分散体は、自己水分散性樹脂と水溶性樹脂とからなり、前者が主成分であった。この分散体中に含まれる自己水分散性樹脂粒子の平均粒子径は、コールターN4により測定した結果、50nmであった。
【0108】
参考例 5〔微粒子水分散体(B−3)の調製例〕
メチルエチルケトンの650部を反応器に入れ、加熱して80℃にした。次いで、以下に示されるような割合の混合物を、約2時間に亘って滴下した。その間、反応は窒素気流下で行った。
【0109】
【0110】
上記した混合物の滴下終了の4時間後に、「パーブチル O」の2部を、反応液に加え、さらに、そののち4時間おきに、「パーブチル O」の2部を加え、24時間のあいだ80℃に保持して反応を続行させた。反応終了後、固形分含有量が50%となるようにメチルエチルケトンで希釈して、重量平均分子量が33,000なる共重合体の溶液を得た。得られた樹脂の酸価は40、ガラス転移温度は70℃であった。
【0111】
この樹脂溶液の100部に対し28%アンモニア水の2.6部を加え、均一に攪拌後、蒸留水の300部を攪拌下に20ml/minの速度で滴下し、転相乳化を行った。得られた水性分散体を減圧下に有機溶剤を留去し、水のみ液媒体とする固形分含有量30%の微粒子水分散体を得た。
【0112】
この微粒子水分散体は、自己水分散性樹脂と水溶性樹脂とからなり、前者が主成分であった。この分散体中に含まれる自己水分散性樹脂粒子の平均粒子径は、コールターN4により測定した結果、450nmであった。
【0113】
実施例 1
参考例1において得られた、不揮発分濃度が50%に調整された前記樹脂(A−1)の700部に対して、「エルフテックス(ELFTEX) 8」アメリカ国キャボット社製のカーボン・ブラック)の38.8部を加えて、「アイガー・モーターミル M−250」[アイガー・ジャパン(株)製品]によって、1時間のあいだ混合させた。以下、これを混合物(M−1)と略記する。
【0114】
次いで、混合物(M−1)の100部に対して、トリエチルアミンの1.1部およびイソプロピルアルコールの10部を加え〔ここで、樹脂(A−1)は自己水分散性樹脂となった。〕、スリーワン・モーターを用いて、350rpmにて攪拌しながら、これに水の200部を20ml/minの速度で滴下し、転相乳化させた。
【0115】
引き続き、ここで得られた水性媒体分散液から、減圧蒸留によって有機溶剤を除去した。ここで得られた水分散液中の、カーボンブラック粒子を内包する自己水分散性樹脂粒子の平均粒子径は、コールター・マルティサイザー2により測定した結果、8.3μmであった。
【0116】
この水分散液に、前記微粒子水分散体(B−1)の17.5部を添加し、全体の固形分含有量が20%となるように、蒸留水で調節した。この混合体中に、攪拌下、0.1Nの塩酸水溶液を4ml/minの速度で、溶液のpHが3となるまで滴下した。こうして、中和により自己水分散性となりうる樹脂と中和により水溶性となりうる樹脂が付着した、カーボンブラックを内包する樹脂粒子からなるトナーを含む混合物を得た。
【0117】
次いでこの混合物から液媒体を濾過、ウエットケーキの水洗を行い、そのウェットケーキを凍結乾燥することで、樹脂で表面処理された、体積平均粒子径8.4μmのトナー粒子の粉体を得た。
【0118】
実施例2
実施例1で得られた混合物(M−1)の100部に対して、トリエチルアミンの1.1部およびイソプロピルアルコールの10部を加え〔ここで、樹脂(A−1)は自己水分散性樹脂となった。〕、スリーワン・モーターを用いて、350rpmにて攪拌しながら、これに水の200部を20ml/minの速度で滴下し、転相乳化させた。
【0119】
引き続き、ここで得られた水性媒体分散液から、減圧蒸留によって有機溶剤を除去した。ここで得られた水分散液中の、カーボンブラック粒子を内包する自己水分散性樹脂粒子の平均粒子径は、コールター・マルティサイザー2により測定した結果、8.1μmであった。
【0120】
次いでこの水分散体から液媒体を濾過、ウエットケーキを水洗した後、微粒子水分散体(B−1)の17.5部を添加し、固形分含有量が20%となるように、蒸留水で調整した。
【0121】
この混合体中に、攪拌下、0.1Nの塩酸水溶液を4ml/minの速度で、溶液のPHが3となるまで滴下した。こうして、中和により自己水分散性となりうる樹脂と中和により水溶性となりうる樹脂が付着した、カーボンブラックを内包する樹脂粒子からなるトナーを含む混合物を得た。
【0122】
次いでこの混合物から液媒体を濾過、ウエットケーキの水洗を行い、そのウェットケーキを凍結乾燥することで、樹脂で表面処理された、体積平均粒子径8.3μmのトナー粒子の粉体を得た。
【0123】
実施例3
実施例1で得られた混合物(M−1)の100部に対して、トリエチルアミンの1.1部およびイソプロピルアルコールの10部を加え〔ここで、樹脂(A−1)は自己水分散性樹脂となった。〕、スリーワン・モーターを用いて、350rpmにて攪拌しながら、これに水の200部を20ml/minの速度で滴下し、転相乳化させた。
【0124】
引き続き、ここで得られた水性媒体分散液から、減圧蒸留によって有機溶剤を除去した。ここで得られた水分散液中の、カーボンブラック粒子を内包する自己水分散性樹脂粒子の平均粒子径は、コールター・マルティサイザー2により測定した結果、8.1μmであった。
【0125】
次いでこの水分散体から液媒体を濾過、ウエットケーキを水洗した後、微粒子水分散体(B−1)の17.5部を添加し、固形分含有量が20%となるように、蒸留水で調整した。
【0126】
この混合体中に、攪拌下、10%の酢酸水溶液を4ml/minの速度で、溶液のPHが4となるまで滴下した。こうして、中和により自己水分散性となりうる樹脂と中和により水溶性となりうる樹脂が付着した、カーボンブラックを内包する樹脂粒子からなるトナーを含む混合物を得た。
【0127】
次いでこの混合物から液媒体を濾過、ウエットケーキの水洗を行い、そのウェットケーキを凍結乾燥することで、樹脂で表面処理された、体積平均粒子径8.3μmのトナー粒子の粉体を得た。
【0128】
実施例 4
参考例2において得られた、不揮発分濃度が50%に調整された前記樹脂(A−2)の700部に対して、「エルフテックス(ELFTEX) 8」アメリカ国キャボット社製のカーボン・ブラック)の38.8部を加えて、「アイガー・モーターミル M−250」[アイガー・ジャパン(株)製品]によって、1時間のあいだ混合させた。以下、これを混合物(M−2)と略記する。
【0129】
次いで、混合物(M−2)の100部に対して、トリエチルアミンの1.2部およびイソプロピルアルコールの16部を加え〔ここで、樹脂(A−2)は自己水分散性樹脂となった。〕、スリーワン・モーターを用いて、350rpmにて攪拌しながら、これに水の200部を20ml/minの速度で滴下し、転相乳化させた。
【0130】
引き続き、ここで得られた水性媒体分散液から、減圧蒸留によって有機溶剤を除去した。ここで得られた水分散液中の、カーボンブラック粒子を内包する自己水分散性樹脂粒子の平均粒子径は、コールター・マルティサイザー2により測定した結果、8.5μmであった。
【0131】
次いでこの水分散体から液媒体を濾過、ウエットケーキを水洗した後、微粒子水分散体(B−1)の8.5部及び同(B−2)の8.5部を添加し、固形分含有量が20%となるように、蒸留水で調整した。
【0132】
この混合体中に、攪拌下、0.1Nの塩酸水溶液を4ml/minの速度で、溶液のPHが3となるまで滴下した。こうして、中和により自己水分散性となりうる樹脂と中和により水溶性となりうる樹脂が付着した、カーボンブラックを内包する樹脂粒子からなるトナーを含む混合物を得た。
【0133】
次いでこの混合物から液媒体を濾過、ウエットケーキの水洗を行い、そのウェットケーキを凍結乾燥することで、樹脂で表面処理された、体積平均粒子径8.6μmのトナー粒子の粉体を得た。
【0134】
実施例5
実施例1で得られた混合物(M−1)の100部に対して、トリエチルアミンの1.1部およびイソプロピルアルコールの10部を加え〔ここで、樹脂(A−1)は自己水分散性樹脂となった。〕、スリーワン・モーターを用いて、350rpmにて攪拌しながら、これに水の200部を20ml/minの速度で滴下し、転相乳化させた。
【0135】
引き続き、ここで得られた水性媒体分散液から、減圧蒸留によって有機溶剤を除去した。ここで得られた水分散液中の、カーボンブラック粒子を内包する自己水分散性樹脂粒子の平均粒子径は、コールター・マルティサイザー2により測定した結果、8.1μmであった。
【0136】
次いでこの水分散体から液媒体を濾過、ウエットケーキを水洗した後、微粒子水分散体(B−3)の17.5部を添加し、固形分含有量が20%となるように、蒸留水で調整した。
【0137】
この混合体中に、攪拌下、0.1Nの塩酸水溶液を4ml/minの速度で、溶液のPHが3となるまで滴下した。こうして、中和により自己水分散性となりうる樹脂と中和により水溶性となりうる樹脂が付着した、カーボンブラックを内包する樹脂粒子からなるトナーを含む混合物を得た。
【0138】
次いでこの混合物から液媒体を濾過、ウエットケーキの水洗を行い、そのウェットケーキを凍結乾燥することで、樹脂で表面処理された、体積平均粒子径8.5μmのトナー粒子の粉体を得た。
【0139】
比較例1
微粒子水分散体(B−1)を用いない以外は、実施例1と全く同様な操作を行い、体積平均粒子径8.1μmのトナー粒子の粉体を得た。
【0140】
比較例2
微粒子水分散体(B−1)及び(B−2)をいずれも用いない以外は、実施例4と全く同様な操作を行い、樹脂で表面処理されていない、体積平均粒子径8.5μmのトナー粒子の粉体を得た。
【0141】
上記実施例で得られたトナー粒子はいずれも球形であった。上記で得た実施例1〜5及び比較例1〜2の各トナー粉体について、次の通りにして、帯電量及び流動性を測定した。
【0142】
〈帯電量の測定〉
実施例1〜4、及び比較例1、2で得られた各トナーを、高温高湿(HHと略記。40℃、90%RH)、常温常湿(MMと略記。20℃、50%RH)、低温低湿(LLと略記。10℃、20%)の3つの異なる環境下に1時間放置し、その直後、帯電量をそれぞれ測定した。環境変化による帯電量変動幅を算出し、評価を行った。帯電量絶対値は高い程、変動幅は小さい程、トナーとしての性能が優れていることを示す。
【0143】
また、帯電量測定に際しては、実際に、フェライトキャリアX211A[富士電気化学(株)製品]を、トナー濃度3%となるように、各例のトナー加えて、各々乾式二成分型静電荷現像剤を調製して、ブローオフ法にて測定した。その測定結果を表1に示した。
【0144】
〈嵩密度の測定〉
実施例1〜4、及び比較例1、2で得られたトナーを各々5部計りとり、単位体積当たりの重量比で示す。値の小さいほど流動性が劣ることを示す。測定結果を表1に示す。
【0145】
【表1】
【0146】
【発明の効果】
本発明の製造方法の特徴は、第一工程で得られた着色剤が内包されたトナー粒子の水性分散液に、自己水分散性樹脂の水性分散液及び/又は水溶性樹脂(H)の水溶液を混合し、第三工程において、当該トナー粒子の表面に、前記樹脂(F)及び/又は樹脂(H)を析出固着させるので、トナー粒子の粉体流動性及び帯電特性を改善することができる。
Claims (9)
- 中和により自己水分散性となりうる樹脂(A)を中和剤(B1)で中和して得られる自己水分散性樹脂(C)と、着色剤(D)と、有機溶剤(E)とを必須成分とする混合物を、水性媒体中に加えて転相乳化するか、当該混合物に水性媒体を加えて転相乳化することにより、着色剤(D)が内包された自己水分散性樹脂からなる粒子(G)の分散液を得る第一工程、この第一工程で得られた分散液に、前記樹脂(C)と同一極性であって、前記粒子(G) よりも平均粒子径が小さく、中和剤(B1)により中和されている自己水分散性樹脂(F)の水性分散液、及び/又は前記樹脂(C)と同一極性であって、中和剤(B1)により中和されている水溶性樹脂(H)の水溶液を均一に混合する第二工程、前記第二工程で得られた混合物に、前記中和剤(B1)と逆の極性の中和剤(B2)を加えて、前記自己水分散性樹脂(F)及び/又は前記水溶性樹脂(H)中に含まれる少なくとも一部の塩を元の官能基に戻すことにより前記自己水分散性樹脂(F)及び/又は前記水溶性樹脂(H)を前記粒子(G)の表面に析出させ固着する第三工程、ついで、この第三工程で得られた混合物から液媒体を除去し乾燥させる第四工程からなる、着色剤(D)を内包する樹脂に未中和部分を含む前記樹脂(F)又は樹脂(H)が付着したカプセル型トナーの製法。
- 中和により自己水分散性となりうる樹脂(A)と、着色材(D)と、有機溶剤(E)とを必須成分とする混合物を、中和剤(B1)を含む水性媒体中に加えて転相乳化するか、当該混合物に中和剤(B1)を含む水性媒体を加えて転相乳化することにより、着色剤(D)が内包された自己水分散性樹脂粒子(G)の分散液を得る第一工程、この第一工程で得られた分散液に、前記樹脂(C)と同一極性であって、前記粒子(G) よりも平均粒子径が小さく、中和剤(B1)により中和されている自己水分散性樹脂(F)の水性分散液、及び/又は前記樹脂(C)と同一極性であって、中和剤(B1)により中和されている水溶性樹脂(H)の水溶液を均一に混合する第二工程、前記第二工程で得られた混合物に、前記中和剤(B1)と逆の極性の中和剤(B2)を加えて、前記自己水分散性樹脂(F)及び/又は前記水溶性樹脂(H)中に含まれる少なくとも一部の塩を元の官能基に戻すことにより前記自己水分散性樹脂(F)及び/又は前記水溶性樹脂(H)を前記粒子(G)の表面に析出させ固着する第三工程、ついで、この第三工程で得られた混合物から液媒体を除去し乾燥させる第四工程からなる、着色剤(D)を内包する樹脂に未中和部分を含む前記樹脂(F)又は樹脂(H)が付着したカプセル型トナーの製法。
- 第一工程から得られた粒子(G)の分散液から、有機溶剤(E)を除去してから、第二工程を行う請求項1又は2記載の製法。
- 第一工程で得られた粒子(G)の分散液から、有機溶剤(E)を除去し、着色剤(D)が内包された自己水分散性樹脂粒子(G)を濾別・洗浄して、当該粒子(G)を水性媒体中に再分散させて、当該粒子の分散液を得てから前記第二工程を行う請求項1又は2記載の製法。
- 自己水分散性樹脂(C)及び自己水分散性樹脂(F)が、いずれもアニオン型の親水性基を有するものである、請求項1、2、3又は4記載の製法。
- アニオン型の親水性基が、カルボキシル基である、請求項5記載の製法。
- 粒子(G)の固形分100重量部当たり、自己水分散性樹脂(F)及び/又は水溶性樹脂(H)を固形分換算で0.1〜20重量部を用いる、請求項1、2、3又は4記載の製法。
- 自己水分散性樹脂(C)が、スチレン/アクリル系樹脂である、請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の製法。
- 自己水分散性樹脂(F)が、スチレン/アクリル系樹脂である、請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の製法。
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