JP3489264B2 - トナーの製法 - Google Patents

トナーの製法

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JP3489264B2
JP3489264B2 JP11979995A JP11979995A JP3489264B2 JP 3489264 B2 JP3489264 B2 JP 3489264B2 JP 11979995 A JP11979995 A JP 11979995A JP 11979995 A JP11979995 A JP 11979995A JP 3489264 B2 JP3489264 B2 JP 3489264B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規にして有用なるト
ナーの製造方法に関する。さらに詳細には、本発明は、
自己水分散性樹脂と、着色剤とを含有する、とりわけ、
静電潜像を現像するために使用するトナーの製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】静電荷像現像用トナーの製法としては、
乾式では、結着用樹脂と着色剤を混練し粉砕、分級する
粉砕法、ならびに湿式では重合時に着色剤等を包含させ
てトナーを得る重合法などがあるが、これらと全く異な
る新しい湿式法として、特開平5−66600号公報な
どに記載されているいわゆる転相乳化法がある。
【0003】これは結着剤樹脂として、自己水分散性樹
脂という特定の樹脂を用い、当該樹脂と着色剤等を有機
溶剤中で混合分散した後、当該混合物と、水性媒体を混
合することで、転相乳化という物理化学的な現象を経
て、樹脂の親水、疎水性のバランスにより水性媒体中
に、前記着色剤を包含する樹脂粒子を生成させ、その
後、乾燥してトナーとする方法である。
【0004】ところでトナーにとって、必要とされる特
性の一つとして、定着特性が挙げられる。静電荷像現像
による印刷システムにおける画像の定着方式としては、
熱効率が高く、定着効率に優れる、熱ロール定着方式が
一般的である。この定着方式では、ヒートローラー表面
に、直接トナーが接触し、加熱、加圧によりトナーが溶
融され、紙等に定着されるため、トナーの一部が定着ロ
ーラー表面に転移し、さらに、この転移したトナーが次
の転写材に再転移する、オフセット現象を生じ、紙等の
転写材を汚す問題がある。
【0005】また、近年では、省エネルギー、高速複写
等のハード側からの要請に応えるために、より低温定着
可能な静電荷像現像用トナーが求められている。しかし
ながら、低温定着性を優先させると、必然的に、ガラス
転移温度が低下し、トナーの凝集温度が低下、貯蔵中、
あるいは現像装置内でも凝集が生ずるようになり、トナ
ーとして使用不能になるという問題点が生ずる。また、
同時に高温オフセット性も低下し、上記オフセット現象
による紙等の転写材の汚れも問題となる。
【0006】すなわち、トナーの定着特性としては、低
温から高温まで幅広い定着幅を有し、かつオフセット現
象を生ぜず、良好な貯蔵安定性を有するものが求められ
ているわけである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報による製法で得られる単一樹脂系のトナーでは、耐オ
フセット性、低温定着性及び貯蔵安定性という三つの特
性を兼備したものは得られなかった。
【0008】自己水分散性樹脂の単一樹脂系において
は、例えば、結着剤樹脂たる当該樹脂のガラス転移温度
を高くすれば、得られるトナーの貯蔵安定性は良好とな
るが、低温定着性が低下する。あるいは、用いる自己水
分散性樹脂のガラス転移温度、親水性基として使用する
カルボキシル基の種類、あるいは酸価の量、あるいは分
子量等を最適化する事により、広い定着幅と、高い耐オ
フセット温度が得られるが、貯蔵安定性が不安定になる
という問題点を含んでいた。
【0009】
【発明が解決するための手段】本発明は、トナーとして
要求される耐熱保存安定性を有し、なおかつ、優れた定
着特性を発現する転相乳化法によるトナーの製法を提供
するものである。
【0010】本発明の目的は、以上のようなトナーの欠
陥を克服した優れた定着特性を有するトナー粉体の製法
を提供するものである。
【0011】そこで、本発明者等は、上述した本発明が
解決しようとする課題に対して、鋭意、検討を重ねた結
果、ただ一つの自己水分散性樹脂を用いるのではなく、
互いに相溶性のある、異なる重量平均分子量を有する2
種以上の自己水分散性樹脂を用いる様にすること、例え
ば低分子量の自己水分散性樹脂と、高分子量の自己水分
散性樹脂をブレンドした混合物を用いて転相乳化するこ
と、又は、互いに相溶性を有する、重量平均分子量の異
なる、2種以上の中和により自己水分散性となりうる樹
脂と、着色剤と、有機溶剤とを必須成分とする混合物
を、前記樹脂を自己水分散性とするのに必要な量の中和
剤を含む水性媒体中に加えて転相乳化するか、該混合組
成物にこの前記樹脂を自己水分散性とするのに必要な量
の中和剤を含む水性媒体を加えて転相乳化することで、
上記課題が解決されることを見いだし、本発明を完成さ
せるに到った。
【0012】すなわち本発明は、互いに相溶性を有す
る、重量平均分子量の異なる自己水分散性樹脂の(A)
と(B)と、着色剤(C)と、有機溶剤(D)とを必須
成分とする混合分散物を、水性媒体中に加えて転相乳化
するか、該混合組成物に水性媒体を加えて転相乳化する
ことにより、水性媒体中に着色剤がカプセル化された自
己水分散性樹脂の粒子を生成させた後、当該粒子を分離
し、それを乾燥して得られ ナーの製法であって、
前記樹脂(A)の重量平均分子量が前記樹脂(B)の重
量平均分子量よりも低く、且つ前記樹脂(A)のガラス
転移温度が前記樹脂(B)のガラス転移温度よりも高い
ことを特徴とするトナーの製法を提供するものである。
【0013】前記特開平5−66600号公報の発明と
同様に、本発明の製法の特徴は、自己水分散性樹脂とい
う特定の樹脂を用いることである。本発明において、当
該樹脂は、転相乳化という物理化学的な現象を伴い、樹
脂の親水性、疎水性のバランスにより、液媒体中に粒子
を形成させる。すなわち、有機溶剤を含んだままの有機
連続相と、水のみ又は水を必須成分とする水性媒体(W
相)とを混合することによって、乳化剤や懸濁安定剤類
などの、いわゆる乳化補助剤類を使用することなく、W
/O型よりO/W型への当該樹脂の変換(いわゆる転相
乳化)が行われることによって不連続相化され、粒子が
形成されるのである。
【0014】相対的に当該樹脂に親和性の高い着色剤
は、前記現象により当該樹脂が粒子化されるのととも
に、その粒子中に分散包含され、着色剤と当該樹脂とが
一体化したカプセル型トナー粒子が得られる。
【0015】前記特開平5−66600号公報の発明に
対して、本発明の最大の特徴は、無数にある自己水分散
性樹脂の中から、異なる重量平均分子量の2種以上を選
択し、かつ、お互いに相溶性のあるもの同志を選択し、
それらを組み合わせて用いる点にある。
【0016】本発明は、次の工程からなる。 第1工程:着色剤(C)、中和により特性の異なる、2
種以上の、互いに相溶する重量平均分子量が異なる自己
水分散性となりうる樹脂、中和剤(塩基又は酸)及び有
機溶剤(D)を用いて混合分散(着色剤分散)させ、混
合物を得る。
【0017】中和により特性の異なる、2種以上の、互
いに相溶する重量平均分子量が異なる自己水分散性とな
りうる樹脂と、中和剤(塩基又は酸)とを用いて、予め
自己水分散性樹脂(A)及び(B)を調製して用いる様
にしてもよい。
【0018】第2工程:第1工程で得られた前記混合物
を水性媒体(水のみ又は水を必須成分とする液媒体)中
に転相乳化させ粒子を生成する。この場合、前記混合物
に水性媒体を加える様にして転相乳化しても、前記混合
物を水性媒体に加える様にして転相乳化しても良い。
【0019】尚、着色剤(C)、中和により特性の異な
る、2種以上の、互いに相溶する重量平均分子量が異な
る自己水分散性となりうる樹脂及び有機溶剤(D)を用
いて混合分散(着色剤分散)させた混合物を用いる場合
には、前記水性媒体として、中和剤(塩基又は酸)を含
む水性媒体を用いる。
【0020】この第2工程により、水性媒体中に、着色
剤(C)がカプセル化された自己水分散性樹脂(A)及
び(B)からなる粒子が生成する。
【0021】第3工程:当該粒子が分散した水性媒体か
ら、当該粒子を分離する。この場合、そのまま当該粒子
の分離を行ってもよいが、通常、有機溶剤(D)を含む
水性媒体から、当該溶剤(D)を脱溶剤し、前記中和剤
とは逆極性の中和剤又はその水溶液を用いて処理が行わ
れる。
【0022】ここで、逆極性の中和剤(酸又は塩基)に
て処理することにより、水性媒体からのトナー粒子の分
離が容易になり、後続する工程へ一層スムーズに進行で
きるようになる。この処理により粒子中の樹脂(A)及
び(B)は、未中和の状態となる。
【0023】尚、この逆極性の中和剤を用いる前記処理
は、樹脂(A)及び(B)として、例えばポリオキシエ
チレン繰り返し単位を含むポリオキシアルキレン基等を
含有する、中和しなくとも自己水分散性を有する樹脂を
用いる場合は、必須工程ではない。
【0024】次いで、水性媒体中から濾過等により粒子
を分離し、乾燥してトナー粉末を得る。
【0025】本発明では、最初に、お互いに相溶性を有
する、重量平均分子量の異なる自己水分散性樹脂の
(A)と(B)と、着色剤(C)と、有機溶剤(D)と
を必須成分とする混合物を調製する。
【0026】本発明で用いる自己水分散性樹脂は、例え
ばアニオン性あるいはカチオン性の親水基を分子鎖中に
有する樹脂に、アニオン性ならば塩基を、カチオン性な
らば酸を用いて中和することで、当該親水基の親水性を
高められた樹脂が挙げられる。
【0027】この際の親水性の程度は、当該樹脂自体が
水に分散できる程度でなければならない。この様な自己
水分散性樹脂は、水性媒体と混合することで、転相乳化
が起こり、粒子を生成する。
【0028】この第1工程において、中和により自己水
分散性となった樹脂の一部又は全部を、中和により自己
水分散性となりうる樹脂(酸基あるいは塩基性基含有す
る樹脂)に変換するに必要がある場合には、自己水分散
性樹脂中に含まれる親水基の一部又は全部を、潜在的に
有する中和により親水性が増加しうる官能基と同極性の
中和剤で中和すれば良い。
【0029】中和により自己水分散性となりうる樹脂
(酸基あるいは塩基性基を含有する樹脂)中の酸基ある
いは塩基性基を中和して、自己水分散性樹脂とするため
の中和剤として、例えば酸基含有の、中和により自己水
分散しうる樹脂の場合には、例えばトリエチルアミン等
の第三級アミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等
の無機塩基、アンモニア等が挙げられ、一方、塩基性基
含有の、中和により自己水分散しうる樹脂の場合には、
例えばシュウ酸、酢酸、塩酸等が挙げられ、これらによ
り適切量中和させる。
【0030】酸基あるいは塩基性基含有する中和により
自己水分散性となりうる樹脂の親水性は、中和により親
水性が増加しうる官能基の量或いは中和量(中和率)に
よりコントロールすることができる。さらにはかかる親
水性により後述する第2工程においての、分散時の粒子
の大きさが決定される。つまり中和率のコントロールに
より任意の粒径を容易に得ることが可能である。
【0031】まず樹脂が自己水分散機能を発現するため
に必要な、中和された酸基あるいは塩基性基等の官能基
の量(中和量、中和率)は、組成や分子量、構造などに
より樹脂そのものの親水性がことなるので各々の樹脂に
より中和率は異なるが、通常、自己水分散性樹脂固形分
100gあたり10〜50mg当量なる範囲内である。
【0032】以下、アニオン性あるいはカチオン性の親
水基を分子鎖中に有するが、それが中和されていない樹
脂を、中和により自己水分散性となりうる樹脂といい、
当該樹脂が中和されたもの又は中和しなくとも水に分散
しうるものを自己水分散性樹脂と言う。中和により自己
水分散性となりうる樹脂の中和は、後に述べる第二工程
で水性媒体と混合される直前までに行うか、あるいは、
転相工程中に水性媒体との混合と同時に行ってもよい。
【0033】中和により自己水分散性となりうる樹脂及
び自己水分散性樹脂としては、例えばアクリル系樹脂、
ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ樹
脂、アルキッド樹脂等がある。トナーとしての粉体流動
性、定着性等のバランスが比較的容易に得られ易いアク
リル系樹脂とりわけスチレン/アクリレート共重合体系
樹脂が好適である。次に、アクリル系樹脂を例にとり、
詳細に説明する。
【0034】本発明において、中和により自己水分散性
となりうるアクリル系樹脂とは、分子内に有する、中和
により親水性が増加しうる官能基の作用により、水性媒
体の作用下で、乳化剤や分散安定剤を実質的に用いるこ
となく、安定なる水性分散体を形成する能力を有するア
クリル系樹脂である。
【0035】当該中和により自己水分散性となりうるア
クリル系樹脂としては、例えば酸基あるいは塩基性基を
含有したアクリル系重合性単量体類と、この親水基を含
有した重合性単量体類以外の重合性単量体を、ラジカル
開始剤存在下でラジカル重合させて得られるものが使用
できる。それを得るための重合反応は、溶液重合でも、
懸濁、乳化重合でも適宜利用できる。
【0036】こうした酸基含有アクリル系重合性単量体
類としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロト
ン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸
モノブチル、マレイン酸モノブチルなどが挙げられる。
また、塩基性基含有アクリル系重合性単量体類として
は、ジメチルアミノエチル、ジエチルアミノエチル、ジ
ブチルアミノエチル、N−エチル−N−フェニルアミノ
エチルなどのアクリレート誘導体、メタクリレート誘導
体が挙げられる。
【0037】酸基あるいは塩基性基含有重合性単量体類
以外の重合性単量体類としては、例えば、スチレン系モ
ノマー(芳香族ビニルモノマー)類として、スチレン、
ビニルトルエン、2−メチルスチレン、t−ブチルスチ
レンもしくはクロルスチレンがある。
【0038】アクリル酸エステル類としては、例えばア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプ
ロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチ
ル、アクリル酸n−アミル、アクリル酸イソアミル、ア
クリル酸n−ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸デシルもしく
はアクリル酸ドデシル、アクリル酸2−クロルエチル、
アクリル酸フェニル、アルファクロルアクリル酸メチル
が挙げられる。
【0039】メタクリル酸エステルとしては、例えばメ
タクリル酸メチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル
酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸
n−アミル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸
2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、メタ
クリル酸デシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸
2−クロルエチル、メタクリル酸フェニル、アルファク
ロルメタクリル酸メチルが挙げられる。
【0040】また、アクリロニトリル、メタアクリロニ
トリル、アクリルアミド等のアクリル酸もしくはメタク
リル酸誘導体、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエ
ーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル
類、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチ
ルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類、N−ビニ
ルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルイン
ドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物等
を挙げることができる。
【0041】また、中和により自己水分散性となりうる
樹脂又は自己水分散性樹脂を得るに際し、溶液重合の場
合には、重合反応溶剤を使用できる。具体的には、例え
ばトルエン、キシレンもしくはベンゼンの如き、各種の
芳香族炭化水素;メタノール、エタノール、プロパノー
ルもしくはブタノールの如き、各種のアルコール類;セ
ロソルブもしくはカルビトールの如き、各種のエーテル
アルコール類;アセトン、メチルエチルケトンもしくは
メチルイソブチルケトンの如き、各種のケトン類;酢酸
エチルもしくは酢酸ブチルの如き、各種のエステル類;
またはブチルセロソルブアセテートの如き、各種のエー
テルエステル類などの、いわゆる不活性溶剤である。
【0042】また、使用する重合開始剤としては、公知
慣用の各種の有機過酸化物系の開始剤、アゾ系の開始剤
が使用できる。具体的には、例えばベンゾイルパーオキ
サイド、クメンヒドロパーオキサイド、t−ブチルハイ
ドロパーオキサイド、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモ
ニウム等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、ア
ゾビスイソバレロニトリル等のアゾ系化合物が挙げられ
る。
【0043】一方、自己水分散性アクリル系樹脂として
は、酸基あるいは塩基性基含有する樹脂の、当該親水性
基の中和により親水性が増加しうる官能基が、中和剤に
より中和されたものであり、この塩構造が当該樹脂の水
性媒体中での安定な分散に関与する。かかる塩構造は前
記のように、中和により自己水分散性となりうる樹脂中
の官能基を中和剤にて中和して得た場合でも、あらかじ
め塩構造として樹脂中に存在するものでもその効果は同
じである。
【0044】自己水分散性樹脂(A)及び(B)として
は、ポリオキシエチレン繰り返し単位を含むポリアルキ
レン基を有するアクリル系樹脂の様に、中和しなくとも
自己水分散性を有する樹脂もあるが、これに比べれば、
中和により自己水分散性となりうる樹脂を中和して得た
自己水分散性樹脂のほうが好ましい。
【0045】本発明で用いる自己水分散性樹脂は、それ
自体で水に分散するが、必要であれば、界面活性剤(乳
化剤)や分散安定剤を併用してもよい。しかしそれらの
使用量は、最小限に止め、極少量とするのが好ましい。
乳化剤としては、例えばドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルジフェニ
ルオキサイドジスルホン酸ナトリウム等のアニオン性界
面活性剤、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリ
オキシエチレンニニルフェノールエーテル等の非イオン
性界面活性剤が挙げられる。分散安定剤としては、水溶
性高分子化合物が用いられ、例えばポリビニルアルコー
ル、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、セルロースガムが挙
げられる。
【0046】その他、反応に当たっては、例えばドデシ
ルメルカプタン、四塩化炭素、チオグリコール酸等の連
鎖移動剤や、酸性亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウ
ム、メタ重亜硫酸ナトリウム等の還元剤、エチレンジア
ミンテトラ酢酸ナトリウム等のキレート化剤を併用して
も良い。
【0047】反応条件は、特に制限されないが、通常0
℃を越えて140℃で、15分〜72時間である。
【0048】中和により自己水分散性となりうる樹脂群
や自己水分散性樹脂群は、それぞれ相溶性を有する組成
で、溶液重合または懸濁重合法等により別々に合成した
後、それらを混合して用いる様にすることもできるが、
IN−SITUにおいて、連続的に溶液重合或いは懸濁
重合を行ってもよい。しかしながら、IN−SITUで
合成した方が互いの相溶性の面でも、また、製法上の簡
便さの面からも好ましい。
【0049】また、IN−SITUにおける樹脂の合成
は、懸濁重合でも、或いは溶液重合でもよいが、後者の
方法が簡便であり、好ましい。たとえば、懸濁重合では
予め低分子量体を合成し、当該低分子量体とモノマーの
混合物を分散安定剤の存在下に重合を行うことで高分子
量体と低分子量体のブレンド物が得られる。また、溶液
重合法では、例えば重合開始剤未使用か使用したとして
も極少量に止めて、始めに無溶剤、もしくは高モノマー
濃度となる様にして、高分子量体を合成後、それを有機
溶剤で希釈し、引き続き低分子量体を合成することで、
高分子量体と低分子量体のブレンド物が得られる。
【0050】本発明では、自己水分散性樹脂(A)及び
(B)、又は中和により自己水分散性樹脂の組み合わせ
として、互いに相溶性を有し、かつ重量平均分子量の異
なるものが併用される。相溶性の観点からは、例えば樹
脂(A)としてアクリル系樹脂を用いた場合には、樹脂
(B)としてもアクリル系樹脂を用いるとか、樹脂
(A)としてポリエステル系樹脂を用いた場合には、樹
脂(B)としてもポリエステル系樹脂を用いるという様
に、同種のものを組み合わせることが好ましい。
【0051】異なる樹脂を互いをより良好に相溶させる
当たって、好ましくは、樹脂(A)と(B)の溶解パラ
メーターの差を出来るだけ小さくなる様に選択して組み
合わせることが好ましい。
【0052】自己水分散性アクリル系樹脂(a)・
(b)を得るための、中和により自己水散性となりうる
アクリル系樹脂としては、樹脂(a)と(b)の溶解パ
ラメーターの差が0.5以内となる様にするのが、良好
な相溶性を得るためには好ましい。また、未中和の樹脂
がアニオン型の場合には、いずれも30〜120mg
(KOH)/gの酸価を有するものを組み合わせるのが
一般的である。また、好ましくは、樹脂(a)及び
(b)の酸価の差が30以内とする。
【0053】樹脂(A)及び(B)が相溶していること
は、例えばDSCの測定により、1ピークしかガラス転
移点が現れないことにより判断できる。
【0054】樹脂(A)と樹脂(B)とは、さらに重量
平均分子量とが異なっている必要がある。樹脂(A)及
び樹脂(B)は、例えば重量平均分子量2000〜30
0000の範囲において、分子量が異なる様に選択され
ればよいが、相対的に高分子量のものと相対的に低分子
量のものとを組み合わせる方法がある。例えば、一方と
して重量平均分子量2000〜60000のものを選択
するならば、他方として重量平均分子量80000〜3
00000のものを選択すれば良い。
【0055】自己水分散性アクリル系樹脂(a)として
は、重量平均分子量2000〜40000であり、自己
水分散性アクリル系樹脂(b)としては、重量平均分子
量80000〜300000を用いるのが好ましい。
【0056】また、自己水分散性アクリル系樹脂(a)
としては、ガラス転移温度50〜90℃のもの、自己水
分散性アクリル系樹脂(b)としてはガラス転移温度4
0〜75℃のものを用いて、ブレンド後のガラス転移温
度が55〜70℃なる範囲内とすることが好ましい。
【0057】相対的に高分子量かつ相対的に高Tgの樹
脂と、相対的に低分子量かつ相対的に低Tgの樹脂とを
組み合わせることもできるが、相対的に高分子量かつ相
対的に低Tgの樹脂と、相対的に低分子量かつ相対的に
高Tgの樹脂とを組み合わせることが、単一樹脂系に比
べて、貯蔵安定性を保持しつつ、さらに低温定着性を改
善する上では好ましい。
【0058】本発明の製法では、樹脂(A)及び(B)
が互いに相溶性を有する範囲内では、相対的に分子量の
低い樹脂(A)が樹脂(B)よりも親水性が高く、かつ
流動性も高いため、積極的に粒子表面に局在化する傾向
にあり、相溶した樹脂中の樹脂(A)濃度が表面に近づ
くほど高くなる。そして親水性基の薄層が粒子最外層に
形成される。本発明の効果が発現するに当たっては、こ
の粒子構造の寄与が大きい。
【0059】従って、(A)のガラス転移温度を(B)
よりも高く設計することにより、ガラス転移温度のより
高い成分がより高濃度でより表面にくるため、貯蔵安定
性を保つ上で好ましい結果が得られる。
【0060】また、相対的に分子量の低い自己水分散性
樹脂中に、帯電特性をコントロールする、各種モノマー
成分を導入することにより、当該トナーの帯電特性を効
果的にコントロールすることもできる。
【0061】樹脂(A)と(B)の重量比は、特に制限
されないが、例えば30/70〜70/30である。
【0062】本発明のトナー粒子には、公知慣用の着色
剤を用いることができるが、具体的には、例えばカーボ
ンブラック、磁性粉、ニグロシン染料、アニリンブル
ー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリ
ンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、
メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラ
カイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズ
ベンガラ、C.I.ピグメントレッド122、C.I.
ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントブルー1
5、四三酸化鉄、三二酸化鉄、鉄粉、酸化亜鉛、セレン
等を挙げることができ、1種又は2種以上の組み合わせ
で使用することができる。
【0063】本発明の第1工程では、通常、樹脂
(A)、樹脂(B)、着色剤(C)及び有機溶剤(D)
を必須成分として含む混合物が調製される。この際の着
色剤(C)の使用量は、通常樹脂固形分100重量部当
たり、3〜150重量部の範囲から選択される。混合物
中の不揮発分は、通常20〜80重量%の範囲内に調整
される。
【0064】また有機溶剤(D)としては、例えばトル
エン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケト
ン系溶剤、四塩化炭素、トリクロロメタン、ジクロロメ
タン等のハロゲン系溶剤の様な、比較的疎水性の強い有
機溶剤が使用される。この場合、例えばアセトン、ブタ
ノール、イソプロピルアルコール等の水溶性、若しくは
部分水溶性の有機溶剤を併用することにより、第2工程
における粒子の生成が容易になる。
【0065】本発明において使用し得る、他の構成成分
(添加剤成分)としては、帯電制御剤類や離型剤類など
の、各種の助剤類が挙げられ、その使用目的および使用
条件に応じて、適宜、選択して使用することが出来る。
【0066】本発明の任意の製造工程において、必要に
応じてワックス類、帯電制御剤等の助剤を含有させるこ
ともできる。
【0067】助剤としては、例えばポリエチレンワック
ス、ポリプロピレンワックス、パラフィンワックス等の
ワックス類、金属石鹸、ステアリン酸亜鉛の如き滑剤、
或いは酸化セリウム、炭化ケイ素の如き研磨剤、銅フタ
ロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、ア
ゾ系含金属染料、アゾクロムコンプレックス等の帯電制
御剤等が挙げられる。
【0068】次に第二工程について説明する。この工程
では、前記第一工程で得られた混合物と水性媒体とか
ら、着色剤が自己水分散性樹脂の包含された粒子の水性
分散液が得られる。上記した通り、混合物として、中和
により自己水分散性となりうる樹脂と、着色剤と、有機
溶剤からなる混合物を用いて本発明を実施する場合に
は、前記した様に当該混合物中の中和により自己水分散
性となりうる樹脂が自己水分散するに必要な量の中和剤
を含む水性媒体を用いるのは勿論である。
【0069】転相乳化時の温度は特に制限されないが、
系が15〜25℃となる様にするのが良く、出来ればそ
の温度範囲内において、前記混合物と水性媒体との温度
差が出来るだけ小さくなる様に調製した上で、それを実
施するのが好ましい。
【0070】次に第三工程を説明する。ここでは、当該
粒子が分散した水性媒体から、当該粒子が分離される。
この工程は、水性媒体中に粒子を生成させた後から乾燥
までの中間工程である。
【0071】当該粒子と水性媒体との分離を行うに当た
っては、水性媒体中から予め有機溶剤を除去してから、
当該粒子との分離を行うのが良い。粒子生成後、例えば
減圧蒸留によって有機溶剤を除去することができる。
【0072】トナー粒子中の自己水分散性樹脂が、中和
により自己水分散しうる樹脂を中和剤で中和して得たも
のの場合には、前記有機溶剤のみが除去されたトナー粒
子の水性分散液と、前記したのとは逆極性の中和剤又は
その水溶液と混合して、それの中和状態にある、酸基あ
るいは塩基性基を元の未中和の状態の酸あるいは塩基に
もどし、その一部又は全部を、中和により自己水分散性
となりうるアニオン型あるいはカチオン型樹脂にしてか
ら、分離し乾燥することもできる。
【0073】この方法によれば、当該処理前の分散液中
に溶解している水溶性樹脂成分が中和されて、トナー粒
子表面に付着するため、トナー収率が向上し、粒子の流
動性が改善される。工業的には、不可欠な廃液処理の負
荷も低減される。
【0074】また、前記した様に有機溶剤を除去してト
ナー粒子を液媒体から分離してから、それを水中に再分
散させる工程を経てから、前記同様に、中和により自己
水分散しうる樹脂を中和剤で中和して得た自己水分散性
樹脂の、中和状態にある、酸基あるいは塩基性基を元の
未中和の状態の酸あるいは塩基にもどし、その一部又は
全部を、中和により自己水分散性となりうるアニオン型
あるいはカチオン型樹脂にしてから、再度水性媒体から
分離し乾燥することもできる。
【0075】この場合には、逆極性の中和剤(酸又は塩
基)又はその水溶液にて処理することにより、水性媒体
からのトナー粒子の分離が容易になり、後続する工程へ
一層スムーズに進行できるようになる。この処理により
粒子中の樹脂(A)及び(B)は、未中和の状態とな
る。
【0076】いずれにしても、自己水分散性樹脂→中和
により自己水分散性となりうる樹脂の変換は、中和によ
り自己水分散しうる樹脂を中和したのとは逆極性の中和
剤又はその水溶液を用いて処理が行われる。
【0077】トナー粒子中の樹脂がアニオン型自己水分
散性樹脂であれば、例えば酸水溶液にてpH2〜3に調
整して攪拌し、その自己水分散性樹脂を、中和により自
己水分散性となりうる樹脂に変換する。ここで樹脂を変
換することにより湿度の変化などの耐環境性が改善され
たトナー用バインダー樹脂として利用することが出来
る。
【0078】なお、酸水溶液としては公知慣用の強酸が
いずれも使用できる。通常は、0.1〜1Nの塩酸水溶
液が用いられる。カチオン型自己水分散性樹脂を用いた
場合の塩基性水溶液としては、強塩基がいずれも使用で
き、通常は0.1〜1Nの水酸化ナトリウム水溶液を用
いることができる。
【0079】尚、この逆極性の中和剤を用いる前記処理
は、樹脂(A)及び(B)として、例えばポリオキシエ
チレン繰り返し単位を含むポリオキシアルキレン基等を
含有する、中和しなくとも自己水分散性を有する樹脂を
用いる場合は、必須工程ではない。
【0080】水性媒体中から分離されたトナー粒子は、
乾燥してトナー粉末を得る。この乾燥は、公知慣用の手
法がいずれも採用できるが、例えばトナー粒子が熱融着
や凝集しない温度で熱風乾燥でもよいし、凍結乾燥する
という方法が挙げられる。また、スプレードラーヤー等
を用いて、水性媒体からのトナー粒子の分離と乾燥とを
同時に行うという方法もある。
【0081】本発明で用いるトナー粒子からなるトナー
粉体の粒子サイズとしては、トナーとしての実用的レベ
ル内で任意の大きさを選定できる。現状のマシンとのマ
ッチング性からは、その体積平均粒子径が3〜30μ
m、好ましくは、4〜12μmの範囲のものが好適であ
る。
【0082】本発明の製造方法で得られるトナーは、非
磁性一成分トナーあるいは磁性一成分トナーとして、
又、キャリアと組み合わせることにより二成分現像剤と
して使用することができ、とりわけ二成分現像剤として
良好な特性を得ることができる。
【0083】キャリアとしては、公知慣用のものがいず
れも使用できるが、例えば、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、
コバルト、マンガン、クロム、希土類等の金属及びそれ
らの合金又は酸化物、表面処理されたガラス、シリカ等
の粉末が使用できる。勿論、アクリル樹脂被覆キャリ
ア、フッ素樹脂被覆キャリア、シリコーン樹脂被覆キャ
リア等の樹脂被覆キャリアも使用できる。キャリアとし
ては、例えば20〜200ミクロン程度のものが使用さ
れる。
【0084】本発明で得られたトナーと、キャリアとか
ら二成分型静電荷像現像剤を得る場合には、例えばキャ
リア100重量部当たり、トナー1〜15重量部となる
様な割合で混合して用いればよい。
【0085】特開平5−66600号公報に代表される
従来の転相乳化法による、単一樹脂系によるトナーの製
法では、低分子量の自己水分散性樹脂を単独で用いるこ
とより、貯蔵安定性の良好なものにすることは可能であ
るが、一方では、耐ホットオフセット性が低下してく
る。そのため、低分子量の影響を補うため、高分子量の
自己水分散性樹脂を組み合わせることで、バランスのと
れたトナーを得ることが可能になる。
【0086】生成したトナー粒子表面は、親水性セグメ
ントによりカプセル化された均一な組成を有している。
また、粒子内部の樹脂のブレンド状態は本質的に、転相
乳化過程を経ても変化しないため、粒子内の大部分は均
一なブレンド状態にあると考えられ、ブレンドの効果は
十分に発揮されるものである。完全な非相溶系では、本
発明の上記した様な効果は得られない。
【0087】上記公報による、単一の自己水分散性樹脂
において、分子量を8万から10万に上げることで、低
温から高温まで、幅広い定着幅と、良好な耐オフセット
性が得られるが、貯蔵安定性が劣化する傾向があった。
これは、親水性セグメントに引っ張られて、疎水性の低
Tg成分が粒子表面に局在化してくるためと考えられ、
分子量が高くなるほど、この傾向は顕著となる。また、
単一樹脂系では貯蔵安定性を保持しつつ、低温定着性を
確保することには限界があった。
【0088】本発明の製法では、互いに相溶する、異な
る重量平均分子量の自己水分散性樹脂同志を組み合わせ
て用いることで、単一樹脂系に比べ、貯蔵安定性を保持
しつつ、さらに、低温定着性を改善することが可能であ
る。
【0089】
【実施例】次に、本発明を参考例、実施例および比較例
により、一層、具体的に説明をすることにする。以下に
おいて、部および%は、特に断りの無い限りは、すべて
重量基準であるものとする。
【0090】参考例 1(中和により自己水分散性とな
りうるアニオン型樹脂の調製例) メチルエチルケトンの320部を反応器に入れ、加熱し
て80℃にした。次いで、以下に示されるような割合の
混合物を、約2時間に亘って滴下した。その間、反応は
窒素気流中で行った。
【0091】 アクリル酸 77 部 スチレン 600 部 アクリル酸2−エチルヘキシル 143 部 メタクリル酸メチル 180 部 「パーブチル O」(日本油脂(株)製) 3 部 メチルエチルケトン 20 部
【0092】上記した混合物の滴下終了の4時間後に、
「パーブチル O」の2部を、反応液に加え、さらに、
そののち4時間おきに、「パーブチル O」の2部を加
え、24時間のあいだ80℃に保持して反応を続行させ
た。
【0093】反応終了後、重量平均分子量が113,0
00、酸価が60、DSC法ガラス転移温度が72℃な
る共重合体の溶液が得られた。本樹脂は、本発明におけ
る自己水分散性樹脂(B)の前駆体たる、中和により自
己水分散性となりうるアクリル系樹脂である。
【0094】参考例 2(同上) メチルエチルケトンの650部を反応器に入れ、加熱し
て80℃にした。次いで、以下に示されるような割合の
混合物を、約2時間に亘って滴下した。その間、反応は
窒素気流中で行った。
【0095】 アクリル酸 77 部 スチレン 600 部 アクリル酸−2−エチルヘキシル 143 部 メタクリル酸メチル 180 部 「パーブチル O」(日本油脂(株)製) 60 部 メチルエチルケトン 20 部
【0096】反応終了後、重量平均分子量が17,50
0、酸価が60、DSC法ガラス転移温度が62℃なる
共重合体の溶液が得られた。本樹脂は、本発明における
自己水分散性樹脂(A)の前駆体たる、中和により自己
水分散性となりうるアクリル系樹脂である。
【0097】参考例 3(同上) メチルエチルケトンの350部を反応器に入れ、加熱し
て80℃にした。次いで、以下に示されるような割合の
混合物を、約2時間に亘って滴下した。その間、反応は
窒素気流中で行った。
【0098】 アクリル酸 77 部 スチレン 600 部 アクリル酸−2−エチルヘキシル 143 部 メタクリル酸メチル 180 部 「パーブチル O」(日本油脂(株)製) 5 部 メチルエチルケトン 20 部
【0099】反応終了後、重量平均分子量が78,00
0、酸価が60、DSC法ガラス転移温度が70℃なる
共重合体の溶液が得られた。本樹脂は、単一樹脂として
使用される、中和により自己水分散性となりうるアクリ
ル系樹脂である。
【0100】参考例 4(同上) 次に示すような割合の混合物を、参考例2と同様にし
て、滴下し、反応を行った。
【0101】 メタクリル酸 92 部 スチレン 550 部 アクリル酸ブチル 148 部 メタクリル酸メチル 210 部 「パーブチル O」〔日本油脂(株)製〕 70 部 メチルエチルケトン 20 部
【0102】反応終了後、重量平均分子量が12,80
0、酸価が60、DSC法ガラス転移温度が62℃なる
共重合体の溶液が得られた。本樹脂は、本発明における
自己水分散性樹脂(A)の前駆体たる、中和により自己
水分散性となりうるアクリル系樹脂である。
【0103】参考例 5(同上) 次に示すような割合の混合物を、参考例2と同様にし
て、滴下し、反応を行った。
【0104】 メタクリル酸 150 部 スチレン 590 部 アクリル酸2−エチルヘキシル 110 部 メタクリル酸メチル 150 部 「パーブチル O」〔日本油脂(株)製〕 8 部 メチルエチルケトン 20 部
【0105】反応終了後、重量平均分子量が54,00
0、酸価が100、DSC法ガラス転移温度が92℃な
る共重合体の溶液が得られた。本樹脂は、単一樹脂とし
て使用される、中和により自己水分散性となりうるアク
リル系樹脂である。
【0106】参考例 6 イオン交換水1500部にポリアクリル酸ナトリウムの
10部を加え、加熱して80℃とした。ついで、以下に
示されるような割合の混合物を加え、窒素気流下、12
時間、ついで95℃で7時間懸濁重合した後、パールを
取り出し、水洗、乾燥し、重量平均分子量215,00
0、酸価が60、DSC法ガラス転移温度が56℃なる
共重合体を得た。本樹脂は、本発明における自己水分散
性樹脂(B)の前駆体たる、中和により自己水分散性と
なりうるアクリル系樹脂である。
【0107】 メタクリル酸 92 部 スチレン 550 部 アクリル酸ブチル 354 部 メタクリル酸メチル 4 部 「ナイパーBW」〔日本油脂(株)製〕 2 部
【0108】比較例 参考例1において得られた、不揮発分濃度が50%に調
整された、中和により自己水分散性となりうるアクリル
系樹脂の500部と、参考例2において得られた、不揮
発分濃度が50%に調整された、中和により自己水分散
性となりうるアクリル系樹脂の500部とに対して、
「エルフテックス(ELFTEX) 8」(アメリカ国
キャボット社製のカーボン・ブラック)の56部を加え
て、「アイガー・モーターミル M−250」[アイガ
ー・ジャパン(株)製品]によって、1時間のあいだ混
合させ、分散終了後、不揮発分濃度を51%に調整し
た。以下、これを混合物Aと略記する。
【0109】次いで、この混合物Aの100部に対し
て、トリエチルアミン(中和剤)の1.1部およびイソ
プロピルアルコールの10部を加え、スリーワン・モー
ターを用いて、350rpmにて攪拌しながら、これ
に、ゆっくりと脱イオン水を滴下し、転相乳化させた。
【0110】減圧蒸留によって有機溶剤を除去し、処理
液よりトナー粒子を濾別させたのち、当粒子を水中に再
分散させた。続いてこの分散液を、0.1N塩酸水溶液
(前記したのと逆極性の中和剤水溶液)にてpH2に調
整し、30分間攪拌し、トナー粒子中の樹脂を、中和に
より自己水分散性となりうる樹脂に変換した。
【0111】得られたトナー粒子を濾別した後、さらに
水中に再分散洗浄する操作をした後トナー粒子を水媒体
より分離させた。これを凍結乾燥させることにより、目
的とするトナー粉を得た。
【0112】此処に得られたトナーの平均粒径は、コー
ルター・マルティサイザー2を用いた測定により、8.
3ミクロン(μm)であった。
【0113】実施例 参考例6において得られ、かつ、メチルエチルケトンに
より不揮発分濃度が50%に調整された、中和により自
己水分散性となりうるアクリル系樹脂の350部と、参
考例4において得られた、不揮発分濃度が50%に調整
された、中和により自己水分散性となりうるアクリル系
樹脂の650部に対して、「エルフテックス(ELFT
EX) 8」の56部を加え、「アイガー・モーターミ
ル M−250」によって、1時間のあいだ混合させ
た。分散終了後、不揮発分濃度は53.6%であった。
以下、これを混合物Bと略記する。
【0114】次いで、この混合物Bの100部に対し
て、トリエチルアミンの1.35部およびイソプロピル
アルコールの12部を加え、スリーワン・モーターを用
いて、350rpmにて攪拌しながら、これに、ゆっく
りと水を滴下し、転相乳化させた。
【0115】この後実施例1と同様の処理工程を経て目
的とするトナー粉を得た。此処に得られたトナーの平均
粒径は、同様な方法で測定したところ、8.5μmであ
った。
【0116】参考例7 メチルエチルケトンの125部を反応器に入れ、加熱し
て80℃にした。次いで、以下に示されるような割合の
混合物を、約1時間に亘って滴下した。その間、反応は
窒素気流中で行った。
【0117】 アクリル酸 38.5 部 スチレン 300 部 アクリル酸2−エチルヘキシル 71.5 部 メタクリル酸メチル 90 部 「パーブチル O」(日本油脂(株)製) 1.5 部 メチルエチルケトン 20 部
【0118】上記した混合物の滴下終了の2時間後に、
「パーブチル O」の1部を、反応液に加え、さらに、
4時間反応を行った。その後、メチルエチルケトンの5
25部を添加し、以下に示されるような割合の混合物を
1時間に亘って添加した。
【0119】 アクリル酸 38.5 部 スチレン 300 部 アクリル酸2−エチルヘキシル 71.5 部 メタクリル酸メチル 90 部 「パーブチル O」(日本油脂(株)製) 15 部 メチルエチルケトン 20 部
【0120】上記した混合物の滴下終了の4時間後に、
「パーブチル O」の2部を、反応液に加え、さらに、
そののち4時間おきに、「パーブチル O」の2部を加
え、24時間のあいだ80℃に保持して反応を続行させ
た。反応終了後、重量平均分子量が71,600、Mw
/Mn=4.4、酸価が60、DSC法ガラス転移温度が
66℃なる共重合体の溶液が得られた。
【0121】ここで得られた、不揮発分濃度が50%に
調整された、中和により自己水分散性となりうるアクリ
ル系樹脂の1000部に対して、「エルフテックス(E
LFTEX) 8」アメリカ国キャボット社製のカーボ
ン・ブラック)の56部を加えて、「アイガー・モータ
ーミル M−250」[アイガー・ジャパン(株)製
品]によって、1時間のあいだ混合させ、分散終了後、
不揮発分濃度を51%に調整した。
【0122】次いで、この混合物の100部に対して、
トリエチルアミンの1.34部およびイソプロピルアル
コールの14部を加え、スリーワン・モーターを用い
て、350rpmにて攪拌しながら、これに、ゆっくり
と脱イオン水を滴下し、転相乳化させた。
【0123】減圧蒸留によって有機溶剤を除去し、処理
液よりトナー粒子を濾別させたのち、トナー粒子を水中
に再分散させた。続いてこの分散液を0.1N塩酸水溶
液にてpH2に調整し、30分間攪拌し、トナー粒子中
の樹脂を、中和により自己水分散性となりうる樹脂に変
換した。得られた粒子を濾別した後、さらに水中に再分
散洗浄する操作をした後、粒子を水媒体より分離させ
た。これを凍結乾燥させることにより、目的とするトナ
ー粉を得た。
【0124】此処に得られたトナーの平均粒径は、同様
な方法での測定では、9.2ミクロン(μm)であっ
た。
【0125】
【0126】次いで、この混合物Cの100部に対し
て、トリエチルアミンの1.0部およびイソプロピルア
ルコールの16部を加え、スリーワン・モーターを用い
て、350rpmにて攪拌しながら、これに、ゆっくり
と水を滴下し、転相乳化させた。
【0127】この後実施例1と同様の処理工程を経て目
的とするトナー粉を得た。此処に得られたトナーの平均
粒径は、同様な方法による測定で、9.0μmであっ
た。
【0128】比較例 2 参考例5において得られ、かつ、不揮発分濃度が50%
に調整された、中和により自己水分散性となりうるアク
リル系樹脂の1000部に対して、「エルフテックス
(ELFTEX) 8」の56部を加え、「アイガー・
モーターミル M−250」によって、1時間のあいだ
混合させた。分散終了後、不揮発分濃度を50%に調整
した。以下、これを混合物Dと略記する。
【0129】次いで、この混合物Dの100部に対し
て、トリエチルアミンの2.3部およびアセトンの4
2.5部を加え、スリーワン・モーターを用いて、35
0rpmにて攪拌しながら、これに、ゆっくりと水を滴
下し、転相乳化させた。
【0130】この後、実施例1と同様の処理工程を経て
目的とするトナー粉を得た。此処に得られたトナーの平
均粒径は、同様な方法による測定で、9.2μmであっ
た。
【0131】《DSC測定》測定は島津製作所製DSC
50を用いてヘリウム気流下、昇温速度10゜C/minで行っ
た。
【0132】《定着試験》ここにおいて、以上の各実施
例および比較例で得られた、それぞれのトナー粒子につ
いての、定着性ならびにオフセット性の評価を行った。
それらの結果は、まとめて、第1表に示す。
【0133】この定着性の判定は、定着画像にセロファ
ン・テープを載せ、これに、100g/cm2 なる荷重
をかけたのち、ゆっくりと引き剥し、その画像濃度(以
下、IDと略記する。)を測定した。なお、定着温度の
判定は、セロファン・テープ剥離試験をする前後のID
の比が95%以上となるようにした。
【0134】オフセット性の評価は、東芝外部定着機を
用いて、オフセット現象が発生した温度(つまり、定着
ロール上にトナーが付着し、次の被着シートに再転位す
る際の温度)を以て評価した。
【0135】耐熱保存安定性の評価は5gのトナーを5
0ccガラス製サンプルビンに入れ50℃で7日間放置
後、室温に戻してからサンプルビンを反転させ10秒以
内で落下したものを合格とした。かつ凝集度を5段階で
評価した(5は凝集無しを示し、1は凝集の程度が著し
いことを示す)。
【0136】
【表1】
【0137】
【発明の効果】本発明では、自己水分散性樹脂を用いた
従来の転相乳化法によりカプセル型トナーを製造するに
当たって、自己水分散性樹脂群から、お互い相溶性を有
するという基準と重量平均分子量が異なるという基準に
基づいて、2種以上を選択して組み合わせて用いて、ト
ナー粒子を得るので、低温定着性と、貯蔵安定性のバラ
ンスが達成され、かつ高いオフセット温度を有する、定
着特性に優れたカプセル型トナーが得られるという格別
顕著な効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 相馬 由紀子 東京都世田谷区代田3−50−9 (56)参考文献 特開 平5−333583(JP,A) 特開 平7−120973(JP,A) 特開 平5−173366(JP,A) 特開 平5−66600(JP,A) 特開 平6−332224(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 9/08 311 G03G 9/087

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに相溶性を有する、重量平均分子量
    の異なる自己水分散性樹脂の(A)と(B)と、着色剤
    (C)と、有機溶剤(D)とを必須成分とする混合物
    を、水性媒体中に加えて転相乳化するか、該混合物に水
    性媒体を加えて転相乳化することにより、水性媒体中に
    着色剤が分散された自己水分散性樹脂の粒子を生成させ
    た後、当該粒子を分離し、それを乾燥して得られ
    ナーの製法であって、前記樹脂(A)の重量平均分子量
    が前記樹脂(B)の重量平均分子量よりも低く、且つ前
    記樹脂(A)のガラス転移温度が前記樹脂(B)のガラ
    ス転移温度よりも高いことを特徴とするトナーの製法。
  2. 【請求項2】 自己水分散性樹脂(A)及び(B)が、
    いずれもアクリル系樹脂である請求項記載の製法。
  3. 【請求項3】 自己水分散性樹脂(A)の重量平均分子
    量が、2000〜60000であり、自己水分散性樹脂
    (B)の重量平均分子量が、80000〜300000
    である、請求項1又は2記載の製法。
  4. 【請求項4】 前記樹脂(A)及び(B)が中和により
    自己水分散性となりうる樹脂であり、該樹脂()と
    )と、着色剤(C)と、有機溶剤(D)とを必須成
    分とする混合物を、樹脂()と()を自己水分散
    性とするのに必要な量の中和剤を含む水性媒体中に加え
    て転相乳化するか、該混合物にこの樹脂()と
    )を自己水分散性とするのに必要な量の中和剤を含
    む水性媒体を加えて転相乳化する、請求項1、2又は 3
    記載の製法。
  5. 【請求項5】 互いに相溶性を有する、重量平均分子量
    の異なる自己水分散性樹脂の(A)と(B)と、着色剤
    (C)と、有機溶剤(D)とを必須成分とする混合物
    を、水性媒体中に加えて転相乳化するか、該混合物に水
    性媒体を加えて転相乳化することにより、水性媒体中に
    着色剤が分散された自己水分散性樹脂の粒子を生成させ
    た後、当該粒子を分離し、それを乾燥して得られるトナ
    ーであって、前記樹脂(A)の重量平均分子量が前記樹
    脂(B)の重量平均分子量よりも低く、且つ前記樹脂
    (A)のガラス転移温度が前記樹脂(B)のガラス転移
    温度よりも高いことを特徴とするトナー。
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