JPH08334927A - カプセル型トナーの製法 - Google Patents

カプセル型トナーの製法

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JPH08334927A
JPH08334927A JP7139304A JP13930495A JPH08334927A JP H08334927 A JPH08334927 A JP H08334927A JP 7139304 A JP7139304 A JP 7139304A JP 13930495 A JP13930495 A JP 13930495A JP H08334927 A JPH08334927 A JP H08334927A
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dispersible resin
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均 高柳
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Abstract

(57)【要約】 【目的】低温定着性と耐熱保存安定性と優れた粒度分布
を兼備するカプセル型トナーを得る。 【構成】自己水分散性樹脂(A)と、有機溶剤(B)と
着色剤(C)とを必須成分とする混合物(I)と、自己
水分散性樹脂(D)と、有機溶剤(B)とを必須成分と
する混合物であって、かつ前記混合物(I)よりも自己
水分散性の高い混合物(II)とを混合した後、水性媒
体中に転相乳化をして、着色剤がカプセル化された自己
水分散性樹脂の粒子を生成させた後、当該粒子を分離
し、それを乾燥するカプセル型トナーの製法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規にして有用なるト
ナーの製造方法に関する。さらに詳細には、本発明は、
自己水分散性樹脂と、着色剤とを含有する、とりわけ、
静電潜像を現像するために使用するトナーの製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】静電印刷用トナーの製法としては、結着
用樹脂と着色剤を混練し粉砕、分級する粉砕法、ならび
に重合時に着色剤等を包含させてトナーを得る重合法な
どがあるが、これらと全く異なる新しい方法として、特
開平5−66600号公報などに記載されているいわゆ
る転相乳化法がある。これは自己水分散性樹脂と着色剤
等を有機溶剤中に溶解、分散させておき攪拌しながら適
量の水を加えることにより転相乳化させて微粒子を生成
させて乾燥して乾式トナーとする方法である。
【0003】ところでトナーにとって、必要とされる特
性の一つとして、定着性が挙げられる。静電印刷システ
ムにおける画像の定着方式としては、多くの場合、熱定
着方式を用いている処から、近年では、定着温度をより
低くすることによって、コピー・システムの省エネルギ
ー化を図ろうとする動きがある。
【0004】一方、乾燥時の融着、あるいは、高温環境
下でのブロッキングなどを防止するために、トナーには
ある程度の耐熱保存安定性が要求され、低温定着性と耐
熱保存安定性を両立させるため様々な検討がなされてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような低温定着と
耐熱保存安定性を両立させる手段として、特開平4ー1
41489号公報において、自己水分散性樹脂と、非自
己水分散性樹脂と、着色剤を必須の基本成分として含有
し、しかも、上記自己水分散性樹脂を外層とする多層構
造を有するカプセル型トナー及びその製法を提案した。
しかしながら、該製法においては、低温定着性に寄与す
る非自己水分散性樹脂と粒子を形成する、自己水分散性
樹脂の組み合わせに限界があった。すなわち、両者の組
み合わせによっては、該非自己水分散性樹脂の疎水性が
高いために、粒子が形成できなかったり、あるいは、た
とえ粒子を形成できたとしても、粒度分布が広くなると
いう問題点を含んでいた。すなわち、本発明の目的とす
るところは、低温定着性と耐熱保存安定性を両立させる
とともに、適用範囲の広い優れた粒度分布を有するカプ
セルトナーの製法を提供することにある。
【0006】
【発明が解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上述した如き発明が解決しようとする課題に照準を合わ
せて、鋭意、検討を重ねた結果、自己水分散性樹脂
(A)と、有機溶剤(B)と着色剤(C)とを必須成分
とする混合物(I)と、自己水分散性樹脂(D)と、有
機溶剤(B)とを必須成分とする混合物であって、かつ
前記混合物(I)よりも自己水分散性の高い混合物(I
I)とを混合した後、水性媒体中に転相乳化をして、着
色剤がカプセル化された自己水分散性樹脂の粒子を生成
させた後、当該粒子を分離し、それを乾燥することで得
られるカプセル型トナーの製法を完成するに到った。
【0007】本発明の製法では、はじめに、自己水分散
性樹脂(A)と、有機溶剤(B)と着色剤(C)とを必
須成分とする混合物(I)を調整する。該着色剤の混合
は、アジテーターミル、サンドミル、ボールミル等の公
知慣用の手段により十分に分散される。本分散手法は湿
式であるため溶融混練に比べ容易に所定の着色剤の分散
が達成される。次に、ここで得られた着色剤分散物
(I)と自己水分散性樹脂(D)と有機溶剤を混合して
水性媒体中に転相乳化をして、該水性媒体中に粒子を生
成させる。この場合、使用する樹脂はいずれも自己水分
散性樹脂であるため、組成、樹脂種の違いによらず容易
に粒子が生成できるとともに、良好な粒度分布を有する
ものが得られる。また、得られる粒子は、粒子表面に自
己水分散性樹脂(D)のクリア層が形成されるため、着
色剤の種類によらず安定な帯電特性が得られる、という
二つの大きな特徴を有する。
【0008】ところで、本発明の一つの特徴である、該
クリア層形成のための条件として、自己水分散性樹脂
(D)が、自己水分散性樹脂(A)よりも自己水分散性
が高い樹脂であることが好ましい。自己水分散性樹脂の
分散性の大小は、基本的には樹脂の親水セグメントの
量、たとえば酸価の大小であり、さらに正確を期せば、
該親水セグメントが100%中和されたときの、水性媒
体中での粒径で評価される。 しかしながら、自己水分
散性樹脂(D)が粒子の外層にくるかどうかは、混合物
(I)との比較が重要である。たとえば、自己水分散性
樹脂(A)と自己水分散性樹脂(D)が同じ量の親水セ
グメントを有する樹脂同士の場合では、自己水分散性樹
脂(A)は着色剤への吸着により、混合物(I)の実質
の水分散能は(D)に比べ低下しているため、(D)が
粒子外層へ優先的に生成する。これは、例えば、透過型
電子顕微鏡により確認される。
【0009】そのため、(A)が(D)よりも自己分散
能が高い場合には、実際に粒子を調整してみることが好
ましい。また、自己水分散性樹脂(A)と自己水分散性
樹脂(D)の組み合わせは、互いの親水性の大小以外
に、互いに相溶する場合と、相溶しない場合が挙げられ
る。両者の違いは、DSCの測定により、熱量の変化
(いわゆるガラス転移点)が1ピークか否かで区別され
る。そのため、部分的には相溶するが、完全には相溶し
ない場合(DSCの測定ピークが1ピークとはならない
場合)も後者の相溶しないタイプに相当する。
【0010】自己水分散性樹脂(A)と自己水分散性樹
脂(D)が互いに相溶しない場合、自己水分散性樹脂
(A)と自己水分散性樹脂(D)と着色剤と有機溶剤を
同時に分散させても、樹脂が互いに分離するため、着色
剤を均一に分散させることができない。また、たとえ転
相乳化により粒子を造ったとしても、着色剤が粒子内
に、均一に入らないため、トナーとしての用途には好ま
しくない。
【0011】一方、本発明の製法では、自己水分散性樹
脂(A)と自己水分散性樹脂(D)が互いに相溶する場
合でも、着色剤を均一に分散させた自己水分散性樹脂
(A)は、着色剤のバインダー効果により、後から添加
する自己水分散性樹脂と相分離(結局、着色剤のバイン
ダー効果により、自己水分散性樹脂(A)の水分散能が
低下していることも一因と考えられる)を起こすため
か、均一構造のトナー粒子ではなく、粒子外層に該自己
水分散性樹脂(D)のクリア層を有するカプセル型トナ
ーとなる。
【0012】本発明の製法に使用される自己水分散性樹
脂は、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹
脂、エポキシ樹脂等、いずれの樹脂も使用できる。ま
た、同種、異種の組み合わせも適宜使用できる。また、
自己水分散性樹脂(A)及び自己水分散性樹脂(D)は
それぞれ2種以上の樹脂の組み合わせでも適宜使用でき
る。
【0013】自己水分散性樹脂(A)と自己水分散性樹
脂(D)の組み合わせが、いずれもアクリル樹脂であ
り、かつアニオン型の場合を例にして、より具体的に説
明する。
【0014】自己水分散性樹脂(A)と自己水分散性樹
脂(D)が相溶しない場合、自己水分散性樹脂(D)は
耐熱保存安定性と定着幅及び耐ホットオフセット性を出
すために比較的高いガラス転移温度と高い分子量が好ま
しい。例えば、50〜100℃のガラス転移温度、好ま
しくは50〜80℃のガラス転移温度と、重量平均分子
量30000〜300000、酸価60〜120である
ことが好ましい。一方、自己水分散性樹脂(A)は低温
定着性を出すために低いガラス転移温度と、低い分子量
が好ましい。たとえば、-10〜60℃のガラス転移温
度と、重量平均分子量2000〜60000、酸価30
以下であることが好ましい。自己水分散性樹脂(A)と
自己水分散性樹脂(D)が相溶しないためには、両者の
酸価の差が40以上であり、かつ溶解性パラメーターの
差が、0.5以上であることが好ましい。
【0015】自己水分散性樹脂(A)と自己水分散性樹
脂(D)の組み合わせは、自己水分散性樹脂(A)の酸
価により低温定着性と耐熱保存安定性のバランスをとる
ことができる。自己水分散性樹脂の酸価が低く、(D)
との相溶性がほとんどない場合には、(A)の効果が
(D)に打ち消され、十分な低温定着性が得られない。
また、自己水分散性樹脂(A)の酸価が高いと、部分相
溶の状態となり、(A)に(D)の効果が打ち消され、
定着幅の減少、ホットオフセット温度の低下、ひいては
耐熱保存安定性の低下を引き起こす。自己水分散性樹脂
(A)の酸価は10〜30、自己水分散性樹脂(D)の
酸価は50〜120が好ましい。
【0016】同様に、自己水分散性樹脂(A)と(D)
の重量比によっても低温定着性と耐熱保存安定性のバラ
ンスをとることができる。自己水分散性樹脂(A)の重
量比率が低い場合には、(A)の効果が(D)に打ち消
され、十分な低温定着性が得られない。また、自己水分
散性樹脂(A)の重量比率が高いと、(A)に(D)の
効果が打ち消され、定着幅の減少、ホットオフセット温
度の低下、ひいては耐熱保存安定性の低下を引き起こ
す。自己水分散性樹脂(A)/(D)の重量比率は30/
70から85/15、好ましくは40/60から70/3
0である。
【0017】自己水分散性樹脂(A)と自己水分散性樹
脂(D)が相溶する場合、ガラス転移温度、分子量は、
基本的に、上記非相溶系の場合と同様の設計により、低
温定着性と、保存安定性のバランスがはかられる。
【0018】自己水分散性樹脂(A)のガラス転移温度
は20〜80℃、重量平均分子量は2000〜3000
00、好ましくは5000〜30000、酸価は30〜
120、好ましくは40〜80であり、自己水分散性樹
脂(D)のガラス転移温度は40〜100℃、重量平均
分子量は10000〜300000、好ましくは300
00〜200000、酸価は30〜120、好ましくは
40〜80である。ただし、それぞれのガラス転移温度
は、(A)と(D)の重量比によって、適宜、ブレンド
後のガラス転移温度が40〜80℃、好ましくは50〜
70℃となるように設計することが好ましい。また、
(A)と(D)の重量比は30/70から70/30が好
ましい。ブレンド後のガラス転移温度の値が、50℃よ
りも低いと、耐熱保存安定性が持たないし、また70℃
よりも高いと、低温定着温度が高くなり、好ましくな
い。また、互いに相溶性を有するためには、(A)と
(D)の溶解パラメーターの差は、0.5以内が好まし
い。
【0019】上記のごとく、自己水分散性樹脂(A)と
自己水分散性樹脂(D)が相溶、非相溶に関わらず、樹
脂(A)と(D)に機能分離することが可能となり、そ
のため、低温定着性と耐熱保存安定性のバランスが容易
に達成される。
【0020】また、相溶系、非相溶系とも、自己水分散
性樹脂(A)の分子量を高く、自己水分散性樹脂(D)
の分子量を低く設計する事も可能である。ただし、転相
時、副生成物として水溶性樹脂がでるため、好ましくな
い。
【0021】以上、アニオン型のアクリル樹脂系につい
て説明したが、カチオン型についても親水性セグメント
の量的な関係は、アニオン型と同様である。樹脂系にお
いても、アクリル樹脂の替わりに、ポリエステル樹脂、
ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等が使用できる。
【0022】次に、本発明の製造工程を順次説明する。
アクリル系樹脂を例に取り説明するが、他の樹脂におい
ても基本的に同じである。本発明で言う、自己水分散性
樹脂とは、アニオン性あるいはカチオン性の親水基を分
子鎖中に有する樹脂に、アニオン性ならば塩基を、カチ
オン性ならば酸を用いて中和することで、該親水基の親
水性を高めた樹脂のことをいい、水性媒体と混合するこ
とで、転相乳化が起こり、粒子を生成する樹脂である。
【0023】本発明は、1、着色剤および中和により自
己水分散性となりうるアクリル系樹脂又は自己水分散性
アクリル系樹脂を溶剤中にて混合(顔料分散)させる第
一工程と、2、前記混合物と中和により自己水分散性と
なりうるアクリル系樹脂又は自己水分散性アクリル系樹
脂の混合物とを水中に転相乳化させ粒子を生成する第二
工程と、3、得られた粒子を脱溶剤し、酸もしくは塩基
により処理する第三工程と、4、次いで、水媒体中から
分離、乾燥しトナー粉末を得る第四工程とからなる。
【0024】本発明における第3工程では、酸あるいは
塩基にて処理することにより水媒体からのトナー粒子の
分離が容易になり、後続する工程へ一層スムーズに進行
できるようになる。
【0025】まず始めに第一工程について説明する。本
発明のトナー粒子には、公知慣用の着色剤を用いること
ができるが、具体的には、例えばカーボンブラック、磁
性粉、ニグロシン染料、アニリンブルー、カルコイルブ
ルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポ
ンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルーク
ロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオ
キサレート、ランプブラック、ローズベンガラ、C.
I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントイエ
ロー97、C.I.ピグメントブルー15、四三酸化
鉄、三二酸化鉄、鉄粉、酸化亜鉛、セレン等を挙げるこ
とができ、1種又は2種以上の組み合わせで使用するこ
とができる。
【0026】本発明において使用し得る、他の構成成分
(添加剤成分)としては、帯電制御剤類や離形剤類など
の、各種の助剤類が挙げられ、その使用目的および使用
条件に応じて、適宜、選択して使用することが出来る。
【0027】次に本発明で使用するトナー粒子中の、中
和により自己水散性となりうるアクリル系樹脂及び自己
水分散性アクリル系樹脂について説明する。本発明にお
いて、中和により自己水分散性となりうるアクリル系樹
脂とは、分子内に有する、中和により親水性が増加しう
る官能基の作用により、水媒体の作用下で乳化剤を用い
ることなく安定なる水分散体を形成する能力を有する樹
脂である。
【0028】当該中和により自己水分散性となりうるア
クリル系樹脂としては、前述のような酸基あるいは塩基
性基を含有したアクリル系重合性ビニル単量体類と、こ
の親水基を含有した重合性ビニル単量体類以外の重合性
ビニル単量体を、ラジカル開始剤存在下でラジカル重合
させて得られるものが使用できる。
【0029】こうした酸基含有アクリル系重合性単量体
類としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、
イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸モノブ
チル、マレイン酸モノブチルなどが挙げられる。また、
塩基性基含有アクリル系重合性単量体類としては、ジメ
チルアミノエチル、ジエチルアミノエチル、ジブチルア
ミノエチル、NーエチルーNーフェニルアミノエチルな
どのアクリレート誘導体、メタクリレート誘導体が挙げ
られる。
【0030】酸基あるいは塩基性基含有重合性単量体類
以外の重合性単量体類としてはスチレン系モノマー(芳
香族ビニルモノマー)類として、スチレン、ビニルトル
エン、2−メチルスチレン、t−ブチルスチレンもしく
はクロルスチレンがあるアクリル酸エステル類としてア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプ
ロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチ
ル、アクリル酸n−アミル、アクリル酸イソアミル、ア
クリル酸n−ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸デシルもしく
はアクリル酸ドデシル、アクリル酸2ークロルエチル、
アクリル酸フェニル、アルファクロルアクリル酸メチル
が挙げられる。メタクリル酸エステルとしてはメタクリ
ル酸メチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−
ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−ア
ミル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸2−エ
チルヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル
酸デシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2ーク
ロルエチル、メタクリル酸フェニル、アルファクロルメ
タクリル酸メチルが挙げられる。また、アクリロニトリ
ル、メタアクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリ
ル酸もしくはメタクリル酸誘導体、ビニルメチルエーテ
ル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル
等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルヘ
キシルケトン、メチルイソプロペニルケトン等のビニル
ケトン類、Nービニルピロール、N−ビニルカルバゾー
ル、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等の
N−ビニル化合物等を挙げることができる。
【0031】また、重合反応溶剤としては、トルエン、
キシレンもしくはベンゼンの如き、各種の芳香族炭化水
素;メタノール、エタノール、プロパノールもしくはブ
タノールの如き、各種のアルコール類;セロソルブもし
くはカルビトールの如き、各種のエーテルアルコール
類;アセトン、メチルエチルケトンもしくはメチルイソ
ブチルケトンの如き、各種のケトン類;酢酸エチルもし
くは酢酸ブチルの如き、各種のエステル類;またはブチ
ルセロソルブアセテートの如き、各種のエーテルエステ
ル類などの、いわゆる不活性溶剤である。
【0032】好ましくは、後述する第三工程において、
容易に脱溶剤され得るアセトン、メチルエチルケトンま
たは酢酸エチルなどの、いわゆる低沸点溶剤の使用が適
切である。
【0033】また、使用する重合開始剤としては、各種
の有機過酸化物系の開始剤、アゾ系の開始剤が使用でき
る。一方、自己水分散性アクリル系樹脂とは、酸基ある
いは塩基性基含有アクリル系樹脂の該親水性基の中和に
より親水性が増加しうる官能基が、中和剤により中和さ
れたものであり、この塩構造が水媒体中での安定な分散
に関与する。かかる塩構造は前記のように樹脂中の官能
基を中和剤にて中和して得た場合でも、あらかじめ塩構
造として樹脂中に存在するものでもその効果は同じであ
る。
【0034】勿論、本発明を実施するに当たって、トナ
ー粒子を形成する酸基あるいは塩基性基含有アクリル系
樹脂の一部又は全部を自己水分散性樹脂に変換するに必
要がある場合には、中和により親水性が増加しうる官能
基の一部を又は全部を、それと逆極性の中和剤で中和す
れば良い。一方、後述する様に自己水分散性アクリル系
樹脂の一部又は全部を酸基あるいは塩基性基含有アクリ
ル系樹脂に変換するに必要がある場合には、自己水分散
性アクリル系樹脂中に含まれる親水基の一部又は全部
を、潜在的に有する中和により親水性が増加しうる官能
基と同極性の中和剤で中和すれば良い。
【0035】すなわち水媒体中では自己水分散性アクリ
ル系樹脂は、粒子表面(O/W界面)にかかる親水基を
出し、疎水性部位を包み込むような形態をとり、安定な
粒子を形成するのである。
【0036】次に第二工程について説明する。自己分散
性になりうる樹脂を有機溶剤に溶解した形の有機連続相
(O相)に、中和剤を加えて中和させ、自己水分散性樹
脂に変換させたのち、水媒体(W相)を投入させること
によって、懸濁安定剤類などの、いわゆる乳化補助剤類
を使用することなく、W/O型よりO/W型への樹脂の
変換(いわゆる転相乳化)が行われることによって不連
続相化され、当該樹脂が水媒体中に粒子状に分散安定化
される。このとき、液温を15〜25℃にするのが望ま
しい。
【0037】まず自己水分散機能を発現するために必要
な、中和された酸基あるいは塩基性基等の官能基の量
(中和量、中和率)は、組成や分子量、構造などにより
樹脂そのものの親水性がことなるので各々の樹脂により
中和率は異なるが、自己水分散性樹脂固形分100gあ
たり10〜50mg当量なる範囲内である。
【0038】当該酸基あるいは塩基性基含有アクリル系
樹脂中の酸基あるいは塩基性基を中和する中和剤とし
て、酸基含有アクリル系樹脂の場合には、トリエチルア
ミン等の第三級アミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム等の無機塩基、アンモニア等が挙げられ、一方、塩
基性基含有アクリル系樹脂の場合には、シュウ酸、酢
酸、塩酸等が挙げられ、これらにより適切量中和させ
る。
【0039】酸基あるいは塩基性基含有アクリル系樹脂
の親水性は、前述したように中和により親水性が増加し
うる官能基の量すなわち中和量(中和率)によりコント
ロールされるものである。さらにはかかる親水性により
分散時の粒子の大きさが決定される。つまり中和率のコ
ントロールにより任意の粒径を容易に得ることが可能で
ある。また有機溶剤として重合溶剤の他にアセトン、ブ
タノール、イソプロピルアルコール等の水溶性、若しく
は部分水溶性の有機溶媒を用い、転相点を制御すること
により粒子の生成が容易になる。
【0040】次に水中に粒子を生成させた後から乾燥ま
での間で、自己水分散性アクリル系樹脂の中和された酸
基あるいは塩基性基を元の酸あるいは塩基にもどし自己
水分散性となりうるアニオン型あるいはカチオン型アク
リル系樹脂にする第三工程について説明する。
【0041】通常は粒子生成後、減圧蒸留によって有機
溶剤を除去し処理液よりろ別させたのち、粒子を水中に
再分散させる。続いてこの溶液中にアニオン型アクリル
系樹脂であれば、酸水溶液にてpH2〜3に調整して攪
拌し、トナー粒子中の自己水分散性樹脂を、中和により
自己水分散性となりうる樹脂に変換する。ここで樹脂を
変換することにより湿度の変化などの耐環境性が改善さ
れたトナー用バインダー樹脂として利用することが出来
る。なお酸水溶液としては強酸なら何でもよく、通常は
0.1〜1Nの塩酸水溶液を用いる。塩基性水溶液とし
ては、強塩基であれば何でもよく、通常は0.1〜1N
の水酸化ナトリウム水溶液を用いる。
【0042】また粒子生成後、減圧蒸留によって有機溶
剤を除去した直後の溶液中に酸水溶液にて酸処理あるい
は、塩基水溶液にて塩基処理し、トナー粒子中の自己水
分散性樹脂を、中和により自己水分散性となりうる樹脂
に変換することもできる。この方法によれば酸処理前の
溶液中に溶解している水溶性樹脂成分が中和されて粒子
表面に付着するため粒子の流動性が改善される。
【0043】以上、アクリル樹脂系を中心に述べてきた
が、自己水分散性ポリエステル樹脂、すなわち、中和す
ることにより自己水分散性樹脂となりうるポリエステル
樹脂も、公知慣用の方法により合成され、使用できる。
例えば、親水性基として、カルボキシル基を有する自己
水分散性樹脂となりうるポリエステル樹脂は通常の重縮
合反応により合成される。
【0044】すなわち、溶剤の存在下、もしくは非存在
下において、原料の多塩基酸と多価アルコールを触媒の
存在下に脱水縮合する。多塩基酸の一部は、該メチルエ
ステル化物を使用して、脱メタノール重縮合してもよ
い。
【0045】使用する多塩基酸としては、テレフタル
酸、イソフタル酸、無水フタル酸、無水トリメリット
酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳
香族カルボン酸類、無水マレイン酸、ふまーる酸、琥珀
酸、アルケニル無水琥珀酸、アジピン酸などの脂肪族カ
ルボン酸類、が挙げられる。
【0046】また、使用する多価アルコールとしては、
エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジ
オール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、
グリセリンなどの脂肪族多価アルコール類、シクロヘキ
サンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビス
フェノールAなどの脂環式多価アルコール類、ビスフェ
ノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノール
Aのプロピレンオキサイド付加物などの芳香族系ジオー
ル類が挙げられる。ポリエステルの原料である、多塩基
酸と、多価アルコールの配合比と反応率によって、末端
のカルボキシル基の含有量を制御することができる。あ
るいは、無水トリメリット酸の使用によって主鎖中にカ
ルボキシル基を容易に導入できる。
【0047】重縮合反応は、酸価と、軟化点が所定の値
となったところで終了し、目的とする、自己水分散性と
なりうるポリエステル樹脂を得ることができる。得られ
た自己水分散性ポリエステル樹脂は、自己水分散性アク
リル系樹脂と組み合わせて使用できる。互いが相溶、非
相溶に関わらず、いずれの樹脂が(A)でも(D)でも
良いが、通常は、水分散性の高い、自己水分散性アクリ
ル系樹脂を(D)とした方が、造粒性が良いため、好ま
しい。
【0048】
【実施例】次に、本発明を参考例、実施例および比較例
により、一層、具体的に説明をすることにする。以下に
おいて、部および%は、特に断りの無い限りは、すべて
重量基準であるものとする。
【0049】参考例 1 メチルエチルケトンの650部を反応器に入れ、加熱し
て80℃にした。次いで、以下に示されるような割合の
混合物を、約2時間に亘って滴下した。その間、反応は
窒素気流中で行った。
【0050】 アクリル酸 77 部 スチレン 600 部 アクリル酸2ーエチルヘキシル 179 部 メタクリル酸メチル 144 部 「パーブチル O」(日本油脂(株)製) 30 部 メチルエチルケトン 20 部 上記した混合物の滴下終了の4時間後に、「パーブチル
O」の2部を、反応液に加え、さらに、そののち4時
間おきに、「パーブチル O」の2部を加え、24時間
のあいだ80℃に保持して反応を続行させた。
【0051】反応終了後、不揮発分が59.27、重量
平均分子量が24,700、酸価が60、DSC法ガラ
ス転移温度が59℃、溶解性パラメーターが9.34な
る共重合体の溶液が得られた。本樹脂は、本発明におけ
る自己水分散性樹脂(A)に相当する自己水分散性樹脂
となりうるアクリル系樹脂である。
【0052】参考例 2 メチルエチルケトンの250部を反応器に入れ、加熱し
て80℃にした。次いで、以下に示されるような割合の
混合物を、約2時間に亘って滴下した。その間、反応は
窒素気流中で行った。
【0053】 アクリル酸 77 部 スチレン 600 部 アクリル酸2ーエチルヘキシル 143 部 メタクリル酸メチル 180 部 「パーブチル O」(日本油脂(株)製) 3 部 メチルエチルケトン 20 部 上記した混合物の滴下終了の4時間後に、「パーブチル
O」の2部を、反応液に加え、さらに、そののち4時
間おきに、「パーブチル O」の2部を加え、24時間
のあいだ80℃に保持して反応を続行させた。
【0054】反応終了後、メチルエチルケトンにて希釈
して不揮発分が49.31、重量平均分子量が112,
700、酸価が60、DSC法ガラス転移温度が72
℃、溶解性パラメーターが9.389なる共重合体の溶
液が得られた。本樹脂は、本発明における自己水分散性
樹脂(D)に相当する自己水分散性樹脂となりうるアク
リル系樹脂である。
【0055】参考例 3 メチルエチルケトンの650部を反応器に入れ、加熱し
て80℃にした。次いで、以下に示されるような割合の
混合物を、約2時間に亘って滴下した。その間、反応は
窒素気流中で行った。
【0056】 メタクリル酸 30.7 部 スチレン 400 部 メタクリル酸ブチル 453.9 部 メタクリル酸メチル 115.4 部 「パーブチル O」(日本油脂(株)製) 40 部 メチルエチルケトン 20 部 上記した混合物の滴下終了の4時間後に、「パーブチル
O」の2部を、反応液に加え、さらに、そののち4時
間おきに、「パーブチル O」の2部を加え、24時間
のあいだ80℃に保持して反応を続行させた。
【0057】反応終了後、不揮発分が58.84、重量
平均分子量が21,100、酸価が20、DSC法ガラ
ス転移温度が48℃、溶解性パラメーターが8.952
なる共重合体の溶液が得られた。本樹脂は、本発明にお
ける自己水分散性樹脂(A)に相当する自己水分散性樹
脂となりうるアクリル系樹脂である。
【0058】参考例 4 メチルエチルケトンの320
部を反応器に入れ、加熱して80℃にした。次いで、以
下に示されるような割合の混合物を、約2時間に亘って
滴下した。その間、反応は窒素気流中で行った。
【0059】 メタクリル酸 150 部 スチレン 588.2 部 アクリル酸ブチル 261.8 部 「パーブチル O」(日本油脂(株)製) 5 部 メチルエチルケトン 20 部 上記した混合物の滴下終了の4時間後に、「パーブチル
O」の2部を、反応液に加え、さらに、そののち4時
間おきに、「パーブチル O」の2部を加え、24時間
のあいだ80℃に保持して反応を続行させた。
【0060】反応終了後、メチルエチルケトンにて希釈
して不揮発分が49.90、重量平均分子量が86,4
00、酸価が100、DSC法ガラス転移温度が70
℃、溶解性パラメーターが9.725なる共重合体の溶
液が得られた。本樹脂は、本発明における自己水分散性
樹脂(D)に相当する自己水分散性樹脂となりうるアク
リル系樹脂である。
【0061】実施例 1 参考例1において得られた、自己水分散性樹脂となりう
るアクリル系樹脂の751部に「エルフテックス(EL
FTEX) 8」アメリカ国キャボット社製のカーボン
・ブラック)の85部を加えて、「アイガー・モーター
ミル M−250」[アイガー・ジャパン(株)製品]
によって、1時間のあいだ混合させた。分散終了後、不
揮発分濃度が60.2%であった。以下、これを混合物
Aと略記する。
【0062】次いで、この混合物Aの50部と、参考例
2で得られた、自己水分散性樹脂となりうるアクリル系
樹脂の51.3部と、トリエチルアミンの1.37部お
よびイソプロピルアルコールの13部と、メチルエチル
ケトンの6.5部を加え、スリーワン・モーターを用い
て、300rpmにて攪拌しながら、これに、ゆっくり
と脱イオン水を滴下し、転相乳化させた。此処に得られ
たトナーの平均粒径は7.8ミクロン(μm)、変動係
数が29の良好な分布を有するものであった。かかるト
ナーの粒子径の測定には、コールター・マルティサイザ
ー2を用いた。
【0063】減圧蒸留によって有機溶剤を除去し処理液
よりろ別させたのち、粒子を水中に再分散させた。続い
てこの溶液中に0.1N塩酸水溶液にてpH2に調整
し、30分間攪拌し、トナー粒子中の樹脂を、中和によ
り自己水分散性となりうる樹脂に変換した。得られた粒
子を濾別した後、さらに水中に再分散洗浄する操作をし
た後粒子を水媒体より分離させた。これを凍結乾燥させ
ることにより、目的とするトナー粉を得た。また、得ら
れたトナーに、フェライトキャリアX211A[富士電
気化学(株)社製]をトナー濃度3%となるように加え
て、二成分現像剤を調整した。この現像剤を用いて、ブ
ローオフ法により帯電量を測定したところ、ー74.5
μC/gであった。
【0064】実施例 2 参考例3において得られた、自己水分散性樹脂となりう
るアクリル系樹脂の780部に「エルフテックス(EL
FTEX) 8」アメリカ国キャボット社製のカーボン
・ブラック)の87.5部を加えて、「アイガー・モー
ターミル M−250」[アイガー・ジャパン(株)製
品]によって、1時間のあいだ混合させた。分散終了
後、不揮発分濃度が60.8%であった。以下、これを
混合物Bと略記する。
【0065】次いで、この混合物Bの50部と、参考例
4で得られた、自己水分散性樹脂となりうるアクリル系
樹脂の51.6部と、トリエチルアミンの1.00部お
よびイソプロピルアルコールの23部と、メチルエチル
ケトンの21部を加え、スリーワン・モーターを用い
て、280rpmにて攪拌しながら、これに、ゆっくり
と脱イオン水を滴下し、転相乳化させた。此処に得られ
たトナーの平均粒径は7.8ミクロン(μm)、変動係
数が28の良好な分布を有するものであった。かかるト
ナーの粒子径の測定には、コールター・マルティサイザ
ー2を用いた。
【0066】減圧蒸留によって有機溶剤を除去し処理液
よりろ別させたのち、粒子を水中に再分散させた。続い
てこの溶液中に0.1N塩酸水溶液にてpH2に調整
し、30分間攪拌し、トナー粒子中の樹脂を、中和によ
り自己水分散性となりうる樹脂に変換した。得られた粒
子を濾別した後、さらに水中に再分散洗浄する操作をし
た後粒子を水媒体より分離させた。これを凍結乾燥させ
ることにより、目的とするトナー粉を得た。また、得ら
れたトナーに、フェライトキャリアX211A[富士電
気化学(株)社製]をトナー濃度3%となるように加え
て、二成分現像剤を調整した。この現像剤を用いて、ブ
ローオフ法により帯電量を測定したところ、ー78.3
μC/gであった。
【0067】《DSC測定》測定は島津製作所製DSC
50を用いてヘリウム気流下、昇温速度10゜C/minで行っ
た。
【0068】《定着試験》ここにおいて、以上の各実施
例で得られた、それぞれのトナー粒子についての、定着
性ならびにオフセット性の評価を行った。それらの結果
は、まとめて、第1表に示す。
【0069】この定着性の判定は、定着画像にセロファ
ン・テープを載せ、これに、100g/cm2 なる荷重
をかけたのち、ゆっくりと引き剥し、その画像濃度(以
下、ODと略記する。)を測定した。
【0070】なお、定着温度の判定は、セロファン・テ
ープ剥離試験をする前後のODの比が95%以上となる
ようにした。オフセット性の評価は、東芝外部定着機を
用いて、オフセット現象が発生した温度(つまり、定着
ロール上にトナーが付着し、次の被着シートに再転位す
る際の温度)を以て評価した。
【0071】耐熱保存安定性の評価は5gのトナーを5
0ccガラス製サンプルビンに入れ50℃で7日間放置
後、室温に戻してからサンプルビンを反転させ10秒以
内で落下したものを合格とした。かつ凝集度を5段階で
評価した(5は凝集無しを示し、1は凝集の程度が著し
いことを示す)。
【0072】
【表1】
【0073】
【発明の効果】本発明の製法では、はじめに、自己水分
散性樹脂(A)と、有機溶剤(B)と着色剤(C)とを
必須成分とする混合物(I)を調整する。次に、ここで
得られた着色剤分散物(I)と自己水分散性樹脂(D)
と有機溶剤を混合して水性媒体中に転相乳化をして、該
水性媒体中に粒子を生成させる。この場合、使用する樹
脂はいずれも自己水分散性樹脂であるため、組成、樹脂
種の違いによらず容易に粒子が生成できるとともに、良
好な粒度分布を有するものが得られる。また、得られる
粒子は、粒子表面に自己水分散性樹脂(D)のクリア層
が形成されるため、着色剤の種類によらず安定な帯電特
性が得られる、という二つの大きな特徴を有する。しか
も、コアと、シェルにそれぞれ機能分離をすることによ
り、低温定着性と、耐熱保存安定性のバランスを効果的
にとることが可能である。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】自己水分散性樹脂(A)と、有機溶剤
    (B)と着色剤(C)とを必須成分とする混合物(I)
    と、自己水分散性樹脂(D)と、有機溶剤(B)とを必
    須成分とする混合物であって、かつ前記混合物(I)よ
    りも自己水分散性の高い混合物(II)とを混合した
    後、水性媒体中に転相乳化をして、着色剤がカプセル化
    された自己水分散性樹脂の粒子を生成させた後、当該粒
    子を分離し、それを乾燥するカプセル型トナーの製法。
  2. 【請求項2】自己水分散性樹脂(D)が、自己水分散性
    樹脂(A)よりも自己水分散性が高い樹脂である請求項
    1記載の製法。
  3. 【請求項3】自己水分散性樹脂(A)と自己水分散性樹
    脂(D)とが、非相溶性の自己水分散性樹脂同志の組み
    合わせである請求項1又は2記載の製法。
  4. 【請求項4】自己水分散性樹脂(A)及び(D)が、ア
    クリル系樹脂である、請求項2又は3記載の製法。
  5. 【請求項5】自己水分散性樹脂(A)及び(D)の酸価
    の差が、40以上であり、かつ溶解性パラメーターの差
    が、0.5以上である請求項4記載の製法。
  6. 【請求項6】自己水分散性樹脂(A)及び(D)が、ポ
    リエステル樹脂である請求項1記載の製法。
  7. 【請求項7】自己水分散性樹脂(A)と(D)の一方
    が、アクリル系樹脂であり、他方がポリエステル樹脂で
    ある請求項1記載の製法。
  8. 【請求項8】自己水分散性樹脂(D)が、アクリル系樹
    脂である請求項7記載の製法。
  9. 【請求項9】自己水分散性樹脂(A)と自己水分散性樹
    脂(D)とが、相溶性の自己水分散性樹脂同志の組み合
    わせである請求項1又は2記載の製法。
  10. 【請求項10】自己水分散性樹脂(A)及び(D)が、
    アクリル系樹脂である、請求項9記載の製法。
  11. 【請求項11】自己水分散性樹脂(A)及び(D)の溶
    解性パラメーターの差が、0.5未満である請求項10
    記載の製法。
  12. 【請求項12】自己水分散性樹脂(A)及び(D)が、
    ポリエステル樹脂である請求項9記載の製法。
  13. 【請求項13】自己水分散性樹脂(A)と(D)の一方
    が、アクリル系樹脂であり、他方がポリエステル樹脂で
    ある請求項9記載の製法。
  14. 【請求項14】自己水分散性樹脂(D)が、アクリル系
    樹脂である請求項13記載の製法。
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