JP3612616B2 - 電子写真トナー用バインダー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は静電荷像または磁気潜像の現像に用いる乾式トナーのバインダーに関し、特に高速定着性に優れると共に、ゴムロールとの離型性が良好な乾式トナー用バインダーに関する。
【0002】
【従来の技術】
乾式現像方式で使用される一成分トナーもしくは二成分トナーは結着樹脂、着色剤、荷電制御剤等の成分から構成されている。この場合の結着樹脂はトナー中の主成分であるため、粉砕性や着色剤の分散性などの特徴が要求される。また、トナー中に配合された場合には、定着性、耐オフセット性、ブロッキング防止性、電気的性質などの多くの性能が求められる。
【0003】
特に、高速現像に伴い定着速度を速くすることが必要となったことから、トナーとロール間の離型性が良好な結着樹脂や各種の内添離型剤が提案されている。例えば、特開平5−197202号公報ではジメチルポリシロキサンと芳香族ポリエステルのブロック共重合物が提案されている。このブロック共重合物を用いた場合には確かに耐ブロッキング性が著しく向上するが、ポリエステル化反応には高温と長時間を要するため工業的に問題がある。そこで、有機スズ化合物等のポリエステル縮合促進触媒を用いて低温反応とすることも試みられているが、この様なスズ化合物は安全上好ましいものとは言えない。
また、内添離型剤として表面エネルギーの低い液体、例えばジメチルシリコーンオイルを添加することが提案されている(米国特許第4517272 号明細書参照)が、この場合にはシリコーンオイルによるキャリアー粒子の汚染が指摘されており、結果的には、現像剤の摩擦帯電が不足し電荷が不安定になるという欠点があった。
【0004】
さらに、近年トナーの流動性向上、摩擦帯電の均一化、画像の鮮映化を目的に粉砕工程が不要な懸濁重合法によるトナーが提案されている(特公昭51−14895号公報参照)。懸濁重合法においては、重合性単量体、着色剤、重合開始剤さらに必要に応じて架橋剤、荷電制御剤、その他添加剤を均一に溶解又は分散せしめて水相中で重合反応を行なわせ、所望の粒径を有するトナー粒子を得ることができる。この方法によれば、重合による結着樹脂の生成と同時にトナー粒子の形成が行われ、しかも粉砕工程が全く含まれないため、また分級工程も省略できるので、エネルギーの節約、工程の簡略化、時間の短縮、工程収率の向上など利点が多い。
【0005】
上記の懸濁重合法によって得られるトナーにおいて、特に耐オフセット性と定着性を共に満足させるため、シリコーンオイルを含有するトナーが提案されている(特開昭60−103355 号公報参照)。しかしその重合方法に従えば、シリコーンオイルはスチレン系単量体の重合の進行に伴って相分離を起こしやすく、粒子の外へシリコーンオイルがにじみ出し、結果的には摩擦帯電性に劣るといった問題も起きている。
そこで、シリコーンオイルのにじみ出し防止を目的として、ラジカル重合性官能基を含有するシリコーンオイル(シリコーン系マクロモノマー)とスチレン系単量体とを共重合させた共重合体によるトナーが特開平4−163464号公報に提案されている。この方法はシリコーン系マクロモノマーとしてメタクリロイル基含有ジメチルポリシロキサンを使用しているが、スチレン系単量体との重合転化率が完全ではないため、定着ロール材料との離型性を付与できる程度のシリコーン系マクロモノマーを共重合(例えば20重量%以上)させると、どうしても共重合していないフリーシリコーンが残るといった問題も生じている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の目的は、従来技術の問題点を解決することにより、予め共重合体を製造しておくか、あるいは懸濁重合法のように共重合体の生成とトナー粒子の形成を同時に行うかを問わず、電子写真トナー用バインダーに利用したとき優れた特性を示すと共に、製造も容易なシリコーン系マクロモノマーのグラフト共重合体を開発し、これからなるバインダーを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは従来技術の問題点を解決すべく鋭意検討した結果、けい素原子に結合した4−ビニルフェニル基又は4−イソプロペニルフェニル基を有するジメチルポリシロキサンをグラフト共重合した共重合体が、物性的のみならず、製造も容易で好適であることを見いだし、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の上記の目的は下記化2で表されるオルガノポリシロキサン化合物と該オルガノポリシロキサン化合物と共重合し得る他のラジカル重合性モノマーとをラジカル共重合して得られるシリコーン系グラフト共重合体からなる電子写真トナー用バインダーによって達成された。
【化2】
(式中のR1は水素原子又はメチル基、R2は炭素原子数1〜6の一価炭化水素基、mは1,2又は3であり、nは20≦n≦200 の整数を表す。)
【0008】
【発明の実施の形態】
以下本発明を詳しく説明する。
前記化2で表されるオルガノポリシロキサン(以下、ラジカル重合性シリコーンマクロモノマーとする)は、下記化3で表されるスチリル置換クロロシラン化合物と化4で表される末端水酸基含有ジメチルポリシロキサン化合物とを、常法に従って脱塩酸反応させるか、下記化3で表される化合物と下記化5で表される末端にLiを含有するジメチルポリシロキサン化合物とを、常法に従って脱塩化リチウム反応させることにより得ることができる。化2中のnが20未満では、それを用いたトナーの離型性が不足し、200 を超えると共重合性が乏しくなり、またシリコーン含有量によってはトナーにベタつきを生じることがあるので好ましくない。
【0009】
【化3】
【化4】
【化5】
【0010】
前記化2で表されるラジカル重合性シリコーンマクロモノマーの具体例としては下記化6及び化7のものが挙げられる。
【化6】
【0011】
【化7】
【0012】
次に、該ラジカル重合性シリコーンマクロモノマーと共重合し得る他のラジカル重合性モノマーには、スチレン及びその誘導体、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルが、耐オフセット性、定着性から、また共重合体の製造が容易であることから、好ましいものとして挙げられる。特にスチレンやスチレン誘導体を該ラジカル重合性シリコーンマクロモノマーと共重合することにより、温度や湿度の影響を受けにくく、耐オフセット性を改善することのできるトナーが得られるのでより好ましい。
好適に共重合されるスチレンあるいはその誘導体としては、スチレン、α−メチルスチレン、4−メチルスチレン、3−メチルスチレン、2−クロロスチレン、3−クロロスチレン、4−クロロスチレン、4−ビニルアニソール、4−エチルスチレン、ビニルトルエン等が例示される。これらは1種のみ又は2種以上を用いることができる。
【0013】
アクリル酸エステルあるいはメタクリル酸エステルの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート類、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類、トリフロロプロピル(メタ)アクリレート、パーフロロブチルエチル(メタ)アクリレート、パーフロロオクチルエチル(メタ)アクリレート等のフッ素置換アルキル(メタ)アクリレート類、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4’−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有(メタ)アクリレート類、などが挙げられる。これらは1種のみ又は2種以上を用いることができる。
【0014】
さらに本発明の目的を損なわない程度で、前記の好ましいラジカル重合性モノマー以外のモノマーを共重合させることができる。このようなラジカル重合性モノマーとしては、例えば、マレイン酸、フマル酸、アクリル酸、メタクリル酸等の酸類、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド等のアクリルアミド類、3−トリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、3−トリエトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、3−ジメトキシメチルシリルプロピル(メタ)アクリレート、ビニルトリエトキシシラン、4−ビニルフェニルトリメトキシキシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、4−トリメトキシシリル−1−ブテン、6−トリメトキシシリル−1−ヘキセン等のラジカル重合性シラン化合物、アクリロニトリル、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、酢酸ビニル、塩化ビニル、ビニルアルキルエーテル類、分子中に1個のラジカル重合性基を有するポリオキシアルキレンやポリカプロラクトン等のラジカル重合性マクロモノマーなどが挙げられる。
【0015】
以上に説明したラジカル重合性シリコーンマクロモノマーと他のラジカル重合性モノマーとを共重合させることにより、本発明のバインダーに利用されるシリコーン系グラフト共重合体が得られる。
共重合における該シリコーンマクロモノマーと他のラジカル重合性モノマーとの配合比は(1〜50)/(50〜99)(重量%)であることが好ましい。ラジカル重合性シリコーンマクロモノマーが50重量%を超えると定着性が乏しくなり、また、重合転化率低下に起因するフリーの残存マクロモノマーが多くなり好ましくない。1重量%未満では離型性が殆ど期待できない。
【0016】
ラジカル重合性シリコーンマクロモノマーと他のラジカル重合性モノマーとの共重合には、溶液重合法、塊状重合法、乳化重合法、マイクロサスペンジョン重合法、懸濁重合法のいずれの方法を適用することも可能であるが、特にマイクロサスペンジョン重合法、懸濁重合法は、多量のラジカル重合性シリコーンマクロモノマーを共重合しても重合率が高く、また、共重合体の生成と同時に好ましい粒径のトナー粒子の形成が行われ、粉砕工程が省略できるので好ましい。乳化重合法はモノマーの水中拡散により共重合されるので、疎水性の高いラジカル重合性シリコーンマクロモノマーを多量共重合させることが困難であり、また、共重合体粒子径が1μm以下と小さいため、要求される粒径のトナー粒子にするためには、造粒・粉砕・分級等の工程が必要となり、好ましい重合法とは言えないが、ポリシロキサン鎖を含有しないコア粒子の表面を本発明に係る共重合体で変性する場合には有用である。
【0017】
懸濁重合法、マイクロサスペンジョン重合法は、油溶性のラジカル重合開始剤、懸濁剤、界面活性剤、分子量調整剤等を使用して公知の方法で行うことができる。油溶性ラジカル重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド等の有機過酸化物類、2,2’−アゾビス−(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系化合物類などが例示される。油溶性ラジカル重合開始剤の使用量は、ラジカル重合性シリコーンマクロモノマーと他のラジカル重合性モノマーの合計 100重量部に対し 0.1〜5重量部が好ましい。
【0018】
懸濁剤としては、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ポリエチレンオキシド、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、ゼラチン、デンプン等の有機系懸濁剤、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、メタケイ酸カルシウム、ベントナイト等の無機系懸濁剤が例示され、それぞれ単独又は組み合わせて使用される。使用量を多くすると共重合体の粒子径は小さくなるが、ラジカル重合性シリコーンマクロモノマーと他のラジカル重合性モノマーの合計 100重量部に対し 0.1〜10重量部が好ましい。
【0019】
懸濁剤は単独で用いることもできるが、後述する界面活性剤と併用した方が、使用量が少なく且つ粒径コントロールが容易である。
界面活性剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル等のノニオン性界面活性剤、アルキルアンモニウムハイドロオキサイド、アルキルベンジルアンモニウム塩等のカチオン性界面活性剤が例示される。
さらに、フリーの界面活性剤がトナー中に残存しない方法として、ラジカル重合性界面活性剤を使用することができ、例えば、特開昭54−144317 、特開昭55−115419 、特開昭62−34947、特開昭58−203960 、特開平4−53802 、特開昭62−104802 、特開昭49−40388、特開昭52−134658 、特公昭49−46291号等の公報に記載されている反応性界面活性剤が挙げられる。界面活性剤の使用量は、ラジカル重合性シリコーンマクロモノマーと他のラジカル重合性モノマーの合計 100重量部に対し0.01〜15重量部が好ましい。
【0020】
溶液重合法では、トルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル等の溶媒中で、上記した油溶性ラジカル重合開始剤により重合させる。塊状重合法では、無溶媒で上記油溶性ラジカル重合開始剤により重合させるが、除熱等が困難で好ましい方法とは言えない。
乳化重合法では、水性媒体中で上記界面活性剤及び水溶性ラジカル重合開始剤を用いて乳化重合させる。水溶性ラジカル重合開始剤としては、過酸化水素水、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の無機系過酸化物、t−ブチルハイドロパーオキシド、t−ブチルパーオキシマレイン酸等の有機系過酸化物、2,2’−アゾビス−(2−N−ベンジルアミジノ)プロパン塩酸塩等のアゾビス化合物が例示される。さらに必要に応じて酸性亜硫酸ナトリウム、ロンガリット、L−アスコルビン酸等の還元剤を併用したレドックス系も使用することができる。
水溶性ラジカル重合開始剤の使用量は、ラジカル重合性シリコーンマクロモノマーと他のラジカル重合性モノマーの合計 100重量部に対し 0.1〜5重量部が好ましい。
【0021】
上記重合法において、重合温度は10〜90℃、重合時間は3〜10時間程度で重合できる。重合終了後、溶液重合法あるいは乳化重合法の場合は粒子径が1μm以下と小さいため、スプレードライ、減圧濃縮あるいは凝析後脱水等の公知の方法により分散媒を除去し、水洗、乾燥、粉砕又は解砕、分級等の必要な処理を行い、粒子状のシリコーン系グラフト共重合体を得る。
懸濁重合法、マイクロサスペンジョン重合法では、シリコーン系グラフト共重合体を製造する際に、予めラジカル重合性モノマー中に、トナーに用いられる成分である着色剤、荷電制御剤、磁性材料等の微粉末を添加し、分散させておくことができる。さらに、ラジカル重合開始剤、水性媒体、懸濁剤あるいは界面活性剤等を添加し、ホモミキサー、ホモジナイザー等の高速剪断攪拌機を用いて好ましい粒径になるように懸濁させ、重合させる。懸濁剤あるいは界面活性剤を増量するか、高剪断力を与えれば粒径は小さくなる。得られるトナーの粒径が2〜50μmになるよう条件を調整して重合させればよい。より好ましい粒径は5〜30μmである。粒径が2μm未満ではトナーが細かくて取り扱いにくく、現像剤がかさばり好ましくない。また、50μmを超えると画質が悪く、解像性が低下するため好ましくない。
【0022】
トナー用着色剤としては、カーボンブラック等の黒色顔料、亜鉛黄、ニッケルチタンイエロー、カドミウムイエロー等の黄色顔料、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹等の赤色顔料、フタロシアニンブルー、コバルトブルー等の青色顔料、酸化チタン、亜鉛華、アンチモンホワイト等の白色顔料などが例示される。
更に、トナーの帯電量を調節するために、公知の電荷制御剤例えば、ナフテン酸、サリチル酸、オクチル酸、高級脂肪酸等のマンガン、鉄、コバルト、ニッケル、鉛、セリウム、カルシウム塩等の金属石ケン、含金属アゾ染料、ピリジン化合物やアルキルサリチル酸の金属キレート、各種リン酸塩化合物、クロム錯化合物等が用いられる。その他、シリカ、アルミナ、タルク、炭酸バリウム、クレー等の体質顔料も必要に応じて添加することもできる。
【0023】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって更に詳述するが、本発明はこれによって限定されるものではない。尚、例中の部はすべて重量部を表す。
〈製造例−1〉
トルエン 100部に下記[化8]で示されるマクロモノマー30部、スチレン70部及びアゾビスイソブチロニトリル2部の混合物を、窒素通気下、80〜90℃で2時間かけて滴下した。滴下終了後、80〜90℃で8時間熟成したのち、トルエンを減圧留去し、生成した共重合体をハンマーミルで粉砕して重量平均分子量が28,000のシリコーン系グラフト共重合体を得た。
【化8】
【0024】
〈製造例−2〉
スチレン70部、2−エチルヘキシルメタクリレート25部、前記[化8]で示されるマクロモノマー5部、ドデシルメルカプタン0.05部、カーボンブラック5部、メチルトリフェニルホスホニウムトシレート1部、アゾビスイソブチロニトリル4部の混合物を、アルコックスR−1000(明成化学工業社製商品名;ポリエチレンオキシド)3部をイオン交換水 300部に溶解した水溶液中に添加し、ホモミキサーで分散した。この分散液を、撹拌機、コンデンサー、温度計及び窒素ガス導入口を備えた重合容器に仕込み、窒素通気下、80℃で8時間重合を行って重合ポリマーの懸濁液を得た。この懸濁液を濾過、水洗、脱水及び乾燥して、平均粒径約15μm、共重合体の重量平均分子量約30,000の球状微粒子粉トナーを得た。
【0025】
〈製造例−3〉
スチレン80部、アクリル酸ブチル10部、前記[化8]で示されるマクロモノマー10部、ドデシルメルカプタン0.05部、カーボンブラック5部、メチルトリフェニルホスホニウムトシレート1部、アクアロンHS−20(第一工業製薬社製商品名;ラジカル反応性界面活性剤) 0.1部、メトローズ65SH400 (信越化学工業社製商品名;メチルセルロース)5部及びベンゾイルパーオキシド1部の混合物を水 300部に添加し、ホモミキサーで乳化した。この乳化液を撹拌機、コンデンサー、温度計及び窒素ガス導入口を備えた重合容器に仕込み、窒素通気下、80℃で6時間重合を行って重合ポリマーの懸濁液を得た。この懸濁液を濾過、水洗、脱水及び乾燥して、平均粒径約7μm、共重合体の重量平均分子量約 210,000の球状微粒子粉トナーを得た。
【0026】
〈製造例−4〉
製造例−1で用いた[化8]で示されるマクロモノマーを[化9]で示されるマクロモノマーに替えた他は、製造例1と同様にして重量平均分子量26,000のシリコーン系グラフト共重合体を得た。
【化9】
【0027】
〈実施例−1〉
製造例−1で得たシリコーン系グラフト共重合体 100部、カーボンブラック5部、メチルトリフェニルホスホニウムトシレート1部の混合物を 160℃で熱ロール分散した後、ハンマーミルで粉砕し、更にジェットミルを用いて平均粒径約20μmの微粒粉トナーを得た。
平均粒径が 150μmのフェライトキャリア(パウダーテック株式会社製)、及び上記トナーを用いてトナー濃度を 0.5重量%に調整した現像剤を作製し、磁気ブラシ現像方式の乾式二成分型複写機(複写速度:60枚/分)を用いてテストした。
5万枚複写した後のカブリを調べたところ、カブリは全くなく、鮮明な画像が得られた。また5万枚複写した後のトナーの付着はみられず定着ロールの汚れはなかった。この現像剤を50℃98%RHの条件下に24時間開放状態で放置しても、流動性が失われることはなかった。
【0028】
〈実施例−2〉
実施例−1で用いたフェライトキャリア及び製造例−2で得た球状微粒子粉トナーを用いてトナー濃度 0.5重量%に調整した現像剤を作製し、実施例1と同様の方法で評価した。その結果、5万枚複写後でもカブリ及びロール汚染は全くなく、流動性も良好であった。
【0029】
〈実施例−3〉
製造例−2で得た球状微粒子粉トナーの代りに製造例−3で得た球状微粒子粉トナーを用いた他はすべて実施例−2と同様にして現像剤を作製し、実施例1と同様な評価を行った。その結果、5万枚複写後でもカブリ及びロール汚染は全くなく、流動性も良好であった。
【0030】
〈実施例−4〉
実施例−1で用いたフェライトキャリア及び製造例−4で得たシリコーン系グラフト共重合体を用いて実施例−1と同様にして現像剤を作製し、実施例1と同様の方法で評価した。その結果、5万枚複写後でもカブリ及びロール汚染は全くなく、流動性も良好であった。
【0031】
〈比較例−1〉
製造例−1で得たシリコーン系グラフト共重合体の代わりにガラス転移点が63℃のスチレン・アクリル樹脂(三洋化成工業社製商品名・ハイマーTB−9000)を用いた他は、全く実施例−1と同様にして微粉砕トナーを調製し、実施例−1と同様な評価を行った。その結果、1万枚複写した後のカブリを調べたところカブリの発生がみられ、ロールの汚染も認められた。また、流動性はかなり低下していた。
【0032】
【発明の効果】
本発明のバインダーを用いたトナーは貯蔵中に凝集することがなく、すぐれた流動性を保持することができる。即ち、トナー粒子間の滑性が良好で、湿度や温度の影響を受けにくい。また、トナー定着用ゴムロールとの離型性に著しくすぐれている。これらの特性により高速機においても鮮明な画像が形成される。
Claims (4)
- 化1で表されるオルガノポリシロキサン化合物と共重合し得る他のラジカル重合性モノマーがスチレン及びスチレン誘導体から選ばれたモノマーである請求項1に記載の電子写真トナー用バインダー。
- 化1で表されるオルガノポリシロキサン化合物と共重合し得る他のラジカル重合性モノマーがアクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルから選ばれたモノマーであるか、又はこれにさらにスチレン及びスチレン誘導体から選ばれたモノマーを加えたものである請求項1に記載の電子写真トナー用バインダー。
- 化1で表されるオルガノポリシロキサン化合物と該オルガノポリシロキサン化合物と共重合し得る他のラジカル重合性モノマーとを水系媒体中で懸濁重合又はマイクロサスペンジョン重合して得られる共重合体からなることを特徴とする請求項1、2ないし3記載の電子写真トナー用バインダー。
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