JP3501436B2 - 処理カーボンブラック顔料および該顔料を含有する静電荷像現像用トナー - Google Patents

処理カーボンブラック顔料および該顔料を含有する静電荷像現像用トナー

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JP3501436B2 JP35889496A JP35889496A JP3501436B2 JP 3501436 B2 JP3501436 B2 JP 3501436B2 JP 35889496 A JP35889496 A JP 35889496A JP 35889496 A JP35889496 A JP 35889496A JP 3501436 B2 JP3501436 B2 JP 3501436B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成長ラジカルが失活し
ない過程の重合体とカーボンブラックを接触処理するこ
とにより得られる処理カーボンブラック顔料を含有する
静電荷像現像用トナーに関するものである。
【0002】
【従来技術】従来カーボンブラックは、着色性、導電性
などに優れるため、種々の目的で幅広く使用されてい
る。しかし、カーボンブラックはその形状が粉状また
は、粒状のため、単独で使用されることが少なく、通
常、ゴムや樹脂などの固体や、溶剤などの液体に分散さ
れて、その特性を発揮することが多い。しかし、カーボ
ンブラックはその粒子間の凝集力が高く、他の樹脂や溶
剤との親和力がそれに比べて弱いため、均一に混合また
は分散することがきわめて困難であった。そこで、この
問題を解決するために、カーボンブラック表面を各種の
界面活性剤や樹脂で被覆して、固体もしくは液体の基剤
との親和性を高めることにより、カーボンブラックを均
一に混合または分散する技術が数多く検討されている。
【0003】カーボンブラックの分散性を向上させる方
法として、カップリング剤でカーボンブラックを処理す
る方法(特開昭63−175869、特開昭63−15
8566、英国特許第1583564、158341
1)などが検討されているが、これらは処理後のカーボ
ンブラックの重合性単量体への分散がまだ不完全であ
り、コストが高いという問題があった。また、カーボン
ブラックの存在下に単量体成分を使用する方法(特開昭
64−6965、西独特許第3102823号)も提案
されているが、この方法ではグラフト効率が悪いため、
グラフト化後のカーボンブラックの重合性単量体への分
散は不十分であった。また、カーボンブラックの表面官
能基を利用して、高分子反応により有機化合物と反応さ
せることでカーボンブラックを処理する方法(特開平1
−284564、特開平5−241378)なども検討
されているが、これらも処理後のカーボンブラックの重
合性単量体への分散は不十分であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、固体
もしくは液体の基剤への分散性の向上した処理カーボン
ブラック顔料を使用した静電荷像現像用トナーを提供す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ラジカル
重合性の単量体を開始剤存在下、ラジカルバルクもしく
は溶液重合し、重量平均分子量が500から10万の重
合体を得た後、該重合体の成長ラジカルが失活しないう
ちに、カーボンブラックと接触処理して得られた処理カ
ーボンブラックは、固体もしくは液体基剤への分散状態
は非常に良好であり、特に重合性単量体への分散性も非
常に良好であり、その処理カーボンブラックを重合性単
量体と共に分散させた溶液を重合、例えば懸濁重合もし
くは乳化重合することにより、カーボンブラックが均一
に分散されている状態のトナーが得られることを見出
し、本発明に到達することができた。
【0006】本発明で使用するカーボンブラックは、そ
のまま用いても良いが、活性化処理してから用いた方
が、更に好ましい。前記活性化処理とは、100℃以上
の加熱乾燥によるカーボンブラック表面に付着する水分
の除去やオゾン、UV光などの照射によるカーボンブラ
ックの官能基や水素などの引き抜き、もしくはラジカル
付加などを指す。またその具体的な方法としては、バキ
ュームオーブンによる乾燥やオゾンジェネレーターによ
る照射、UV照射、あるいはそれらの組み合わせやコロ
ナ放電などがある。また、カーボンブラックには、チャ
ンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラ
ック、ポーラスブラックなど様々な種類があるが、本発
明においては、どのような種類のカーボンブラックを使
用しても構わない。
【0007】前記ラジカル重合過程における重合体は、
その重量平均分子量が500から10万の範囲のものが
好ましい。重量平均分子量が500未満の重合体でカー
ボンブラックを処理した場合、そのカーボンブラックの
重合性単量体に対する分散性は低くなり、また、一方、
重量平均分子量が10万を超える重合体でカーボンブラ
ックを処理した場合は、カーボンブラックの2次凝集体
が十分に小さくならないまま重合性単量体に分散する傾
向がある。また、更に分散により、重合性単量体の粘度
が上昇するため、懸濁もしくは乳化液滴が大きくなり、
重合によって得られる粒子の粒径が大きくなる傾向があ
る。なお、前記重合体の分子量は、ポリスチレン標準を
用いゲルパーシェーションクロマトグラフィーにより決
定される重量平均分子量を指す。前記処理カーボンブラ
ック顔料の形成は、例えばラジカル重合性単量体をラジ
カル重合開始剤の存在下、ある一定時間加温することで
ラジカルバルク重合もしくは溶液重合した後、カーボン
ブラックを前記ラジカル重合反応物中に入れ、撹拌する
ことにより行うことができる。本発明の処理カーボンブ
ラック顔料は、その少なくとも1部はグラフト化カーボ
ンブラックで構成されると推測される。
【0008】本発明でカーボンブラックの処理の際のラ
ジカル重合に使用する重合性単量体は、酢酸ビニル、も
しくは、スチレンもしくはその誘導体を含むことが望ま
しい。スチレンの誘導体や酢酸ビニルは、二重結合上の
相対的な荷電の尺度を示す値であるe値が負であり、そ
うでないものに比べて、カーボンブラックにグラフト化
しやすいからである。本発明で使用できるラジカル重合
性の単量体としては、酢酸ビニルや、スチレン、o−メ
チルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレ
ン、p−エチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−
ブロモスチレン、p−クロロスチレン、p−スチレンス
ルフォン酸ナトリウム等のスチレン系化合物、アクリル
酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピ
ル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキ
シル、アクリル酸グリシジル等のアクリル酸エステル化
合物、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタ
クリル酸2−エチルヘキシル等のメタクリル酸エステル
化合物、アクリロニトリル、アクリルアミド、N−イソ
プロピルアクリルアミド、N−ピペリルアクリルアミド
等のN−置換アクリルアミド系化合物、ジビニルベンゼ
ン、メチレンビスアクリルアミド、1,3−ブタンジオ
ールジメタクリレート等の架橋性単量体等が挙げられ
る。
【0009】本発明のラジカルもしくは溶液重合に用い
られる重合開始剤は、2,2′−アゾビス−イソブチロ
ニトリル、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバ
レロニトリル)、1,1′−アゾビス−(シクロヘキサ
ン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス−4−
メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル等のジアゾ
系化合物、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパー
オキサイド等の過酸化物が用いられる。これらの重合開
始剤の量は、所望の分子量を得るために適当な量が使用
されるが、一般的には重合性単量体の0.1〜10重量
%が添加される。
【0010】本発明のラジカル重合および懸濁重合に用
いられる重合開始剤は、2,2′−アゾビス−イソブチ
ロニトリル、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチル
バレロニトリル)、1,1′−アゾビス−(シクロヘキ
サン−1−カルボニトリル)、2,2′−アゾビス−4
−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル等のジア
ゾ系化合物、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパ
ーオキサイド等の過酸化物が用いられる。これらの重合
開始剤の量は、所望の分子量を得るために適当な量が使
用されるが、一般的には重合性単量体の0.1〜10重
量%が添加される。また、本発明の乳化重合に用いられ
る重合開始剤は、2,2′−アゾビス−(2−アミノプ
ロパン)ジハイドロクロライド、2,2′−アゾビス−
(4−シアノ吉草酸)等のジアゾ系化合物、過硫酸カリ
ウム、過硫酸ナトリウム等の過酸化物が用いられる。前
記重合開始剤の量は、所望の分子量を得るために適当な
量が使用されるが、一般的には重合性単量体の0.1〜
10重量%が添加される。
【0011】本発明においては、前記懸濁液滴の作製に
際して、懸濁安定剤を使用することができる。用いられ
る安定剤としては、例えばポリビニルアルコール、メチ
ルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル
酸ナトリウム、ポリメタクリル酸ナトリウム等の水溶性
高分子、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オク
タデシル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウ
リル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム等のアニオン
性界面活性剤、ラウリルアミンアセテート、ステアリル
アミンアセテート、ラウリルトリメチルアンモニウムク
ロライド等のカチオン性界面活性剤、ラウリルジメチル
アミンオキサイド等の両性イオン性界面活性剤、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンア
ルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキル
アミン等のノニオン性界面活性剤等の界面活性剤、リン
酸三カルシウム、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、
硫酸カルシウム、炭酸バリウム等の無機塩等が挙げられ
る。これらの安定剤の使用量は、重合性単量体100重
量部に対し0.01〜20重量部使用することが好まし
い。
【0012】また、本発明においては、乳化液滴の作製
に際して乳化剤を使用することができる。用いられる乳
化剤としては、例えばドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウム、オクタデシル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナト
リウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム
等のアニオン性界面活性剤、ラウリルアミンアセテー
ト、ステアリルアミンアセテート、ラウリルトリメチル
アンモニウムクロライド等のカチオン性界面活性剤、ラ
ウリルジメチルアミンオキサイド等の両性イオン性界面
活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオ
キシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエ
チレンアルキルアミン等のノニオン性界面活性剤等の界
面活性剤等が挙げられる。これらの乳化剤の使用量は、
重合性単量体100重量部に対し0.01〜10重量部
使用することが好ましい。また、これらのバルク重合、
懸濁重合、乳化重合は、酸素を除いた系で行われる。
【0013】また、本発明の静電荷像現像用トナーで
は、電子写真トナーに通常使用される補助成分、例えば
荷電制御剤を含有させることができる。荷電制御剤とし
ては、公知のものが用いられ、例えばニグロシン、アゾ
金属錯体、ジアルキルサリチル酸の誘導体、4級アンモ
ニウム塩化合物等が挙げられる。これらの使用量は、重
合性単量体100重量部に対し0.1〜20重量部が適
当である。また、電子写真トナーの熱定着時の定着ロー
ラに対する離型性向上用として、低分子量のポリエチレ
ン、ポリプロピレンやカルナバワックス等のワックス類
を含有させることができる。これらの使用量は、重合性
単量体100重量部に対し1〜30重量部が好適であ
る。本発明によって得られたカーボンブラック重合体
は、静電荷像現像用重合トナーのみならず、静電荷像現
像用粉砕トナー、静電荷像現像用湿式トナー、感熱転写
用インクリボンコート剤、感熱転写用インク、磁気記録
媒体用バックコート剤等にも用いることができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明
する。
【0015】実施例1 撹拌機、不活性ガス導入管、還流冷却管及び温度計を備
えたフラスコにスチレン100重量部、2,2′−アゾ
ビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)1重量部を
加え、撹拌しながら窒素ガスを吹き込み、系内の酸素を
置換した後、70℃の水浴につけ重合し、重量平均分子
量23000のポリスチレンを得た。そこに、あらかじ
めUVオゾン照射装置により、オゾンを室温で照射して
処理したカーボンブラック(三菱化学製 MA100)
20重量部を加え、更に撹拌を続け、処理カーボンブラ
ック顔料を得た。カーボンブラックの大きな2次凝集体
が見られなくなった。
【0016】実施例2 実施例1と同様にして、重量平均分子量16000のポ
リスチレンを得た後、110℃のバキュームオーブンで
あらかじめ加熱乾燥したカーボンブラック(Colum
bian Carbon Co.製Neospectr
aII)を加えること以外は実施例1と同様にして、処理
カーボンブラック顔料を得た。カーボンブラックの大き
な2次凝集体が見られなくなった。
【0017】実施例3 実施例1と同様にして、重量平均分子量60000のポ
リスチレンを得た後、該重合体に110℃のバキューム
オーブンであらかじめ加熱乾燥したカーボンブラック
(Degussa A.G.製 FW200)を加え、
同様にして、処理カーボンブラック顔料を得た。カーボ
ンブラックの大きな2次凝集体が、見られなくなった。
【0018】実施例4 実施例1と同様にして、重量平均分子量5000のポリ
スチレンを得た後、未処理のカーボンブラック(Cab
ot製 Monarch 880)を加えて、同様にし
て前記ポリスチレンと接触させ、処理カーボンブラック
顔料を得た。実施例1、2、3に比較して、カーボンブ
ラックの大きめな2次凝集体が、若干であるが観察され
た。
【0019】実施例5 実施例1と同様にして、重量平均分子量300のポリス
チレンを得た後、未処理のカーボンブラック(三菱化学
製 MA100)を加え、同様にして、処理カーボンブ
ラック顔料を得た。実施例1、2、3に比較して、カー
ボンブラックの大きめな2次凝集体が、若干であるが観
察された。
【0020】実施例6 撹拌機、不活性ガス導入管、還流冷却管及び温度計を備
えたフラスコに酢酸ビニル30重量部、メタクリル酸メ
チル70重量部、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメ
チルバレロニトリル)1重量部を加え、100rpmで
撹拌しながら窒素ガスを吹き込み、系内の酸素を置換し
た後、70℃の水浴につけ重合し、重量平均分子量40
000の酢酸ビニル−メタクリル酸メチル共重合体を得
た。そこに、あらかじめUVオゾン照射装置により、オ
ゾンを室温で照射して処理したカーボンブラック(三菱
化学製 MA100)20重量部を加え、更に撹拌を続
け、処理カーボンブラック顔料を得た。カーボンブラッ
クの大きな2次凝集体が見られなくなった。
【0021】実施例7 撹拌機、不活性ガス導入管、還流冷却管及び温度計を備
えたフラスコにアクリル酸メチル10重量部、スチレン
90重量部、2,2′−アゾビス−イソブチロニトリル
1重量部を加え、100rpmで撹拌しながら窒素ガス
を吹き込み、系内の酸素を置換した後、60℃の水浴に
つけ、重合し、重量平均分子量65000のアクリル酸
メチル−スチレン共重合体を得た。そこに、あらかじ
め、UVオゾン照射装置により、オゾンを室温で照射し
て処理したカーボンブラック(三菱化学製 MA10
0)20重量部を加え、更に1時間撹拌を続け、処理カ
ーボンブラック顔料を得た。カーボンブラックの大きな
2次凝集体が見られなくなった。
【0022】実施例8 実施例7と同様にして、重量平均分子量10000のア
クリル酸ブチル−スチレン共重合体を得た後、110℃
のバキュームオーブンであらかじめ加熱乾燥したカーボ
ンブラック(三菱化学製 MA600)を加え、同様に
して処理カーボンブラック顔料を得た。カーボンブラッ
クの大きな2次凝集体が、見られなくなった。
【0023】実施例9 実施例7と同様にして、重量平均分子量300000の
アクリル酸2−エチルヘキシル−スチレン共重合体を得
た後、未処理のカーボンブラック(SINLOIHI製
TBBlack6B)を加え、同様にして処理カーボ
ンブラック顔料を得た。実施例7、8に比較してカーボ
ンブラックの大きな2次凝集体が、若干であるが観察さ
れた。
【0024】実施例10 撹拌機、不活性ガス導入管、還流冷却管及び温度計を備
えたフラスコにアクリル酸メチル100重量部、2,
2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)
1重量部を加え、100rpmで撹拌しながら、窒素ガ
スを吹き込み、系内の酸素を置換した後、60℃の水浴
につけ重合し、重量平均分子量50000のポリアクリ
ル酸メチルを得た。そこにあらかじめUVオゾン照射装
置により、オゾンを室温で照射して処理したカーボンブ
ラック(三菱化学製 MA100)20重量部を加え、
更に撹拌を続け、処理カーボンブラック顔料を得た。実
施例7、8に比較して、カーボンブラックの大きめな2
次凝集体が、若干であるが観察された。
【0025】実施例11 撹拌機、不活性ガス導入管、還流冷却管及び温度計を備
えたフラスコにスチレン30重量部、アクリル酸ブチル
70重量部、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチル
バレロニトリル)1重量部を加え、100rpmで撹拌
しながら窒素ガスを吹き込み、系内の酸素を置換した
後、60℃の水浴につけ0.5時間重合し、ラジカル重
合過程における重合体として、重量平均分子量6500
0のアクリル酸ブチル−スチレン共重合体とした後、そ
こに、あらかじめUVオゾン照射装置により、オゾンを
室温で照射して処理したカーボンブラック(三菱化学製
MA100)20重量部を加え、更に1時間撹拌を続
け、処理カーボンブラック顔料を得た。カーボンブラッ
クの大きな2次凝集体が見られなくなった。
【0026】実施例12 実施例11と同様にして、ラジカル重合過程における重
合体として重量平均分子量10000のアクリル酸メチ
ル−スチレン共重合体とした後、該アクリル酸メチル−
スチレン共重合体に110℃のバキュームオーブンであ
らかじめ加熱乾燥したカーボンブラック(三菱化学製
MA600)を加えて接触させ処理カーボンブラック顔
料を得た。カーボンブラックの大きな2次凝集体が、見
られなくなった。
【0027】実施例13 実施例11と同様にして、ラジカル重合過程における重
合体として重量平均分子量30000のメタクリル酸メ
チル−スチレン共重合体とした後、該メタクリル酸メチ
ル−スチレン共重合体に未処理のカーボンブラック(S
INLOIHI製 TB Black 6B)を加えて
接触させ処理カーボンブラック顔料を得た。実施例5,
6に比較してカーボンブラックの大きな2次凝集体が、
若干であるが観察された。
【0028】実施例14 実施例1と同様にして、ラジカル重合過程における重合
体として重量平均分子量200000のポリスチレンを
得た後、110℃のバキュームオーブンであらかじめ加
熱乾燥したカーボンブラック(三菱化学製 MA10
0)を加えて接触させ処理カーボンブラック顔料を得
た。カーボンブラックの大きな2次凝集体が、見られな
くなった。
【0029】実施例15 実施例1から14で作製した処理カーボンブラック1g
をトルエン10mlに分散させて、放置し、経時変化に
ともなうカーボンブラックの沈降状態を観察しカーボン
ブラックの分散性の評価を行った。その結果を表1〜3
に示した。
【0030】実施例16−1 処理カーボンブラック顔料を重合性単量体に分散させ
て、懸濁重合し、粒子を作製し、その断面を観察した結
果を表1〜3に示した。 モノマー相(O) スチレン :25重量部 アクリル酸n−ブチル : 5重量部 実施例1、2、3、6、7、8、11、12で作製した 処理カーボンブラック顔料 :10重量部 開始剤 : 1重量部 2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル) 水系分散媒相(W) イオン交換水 :150重量部 ポリビニルアルコール(クラレ社製ポバール217EE) : 3重量部 ニグロシン :0.1重量部 スチレンとアクリル酸n−ブチルと実施例1、2、3、
6、7、8、11、12で作製した処理カーボンブラッ
ク顔料をボールミルにより分散させた後、これに開始剤
を加え、モノマー相を得た後、モノマー相とあらかじめ
撹拌して作製しておいた水系分散媒相を撹拌槽に入れ、
ホモジナイザー(特殊機化工業製)により懸濁させた。
この懸濁液の窒素置換を行った後に60℃にて重合を行
った。また、懸濁液滴を光学顕微鏡で観察した。重合終
了後、遠心分離器を用いて精製を行い、その後濾過し、
減圧乾燥を行って目的の粒子を得た。得られた粒子を光
学顕微鏡で観察した。また、コールターカウンタにより
粒径測定を行った。本測定結果は、表1〜3に示したよ
うに、すべての粒子にカーボンブラックが入っているの
が観測され、大きさも9ミクロン程度であった。
【0031】実施例16−2 実施例15と同様にして、実施例4、5、9、10、1
3、14で作製した処理カーボンブラック顔料を用いて
懸濁重合を行い、粒子を作製した。処理カーボンブラッ
ク顔料の分散性は、実施例16−1ほど良好ではない
が、十分実用に耐えうるものであり、また、大きさは9
ミクロン程度であった。同様にその結果を表1〜3に示
した。
【表1】 1:処理カーボンブラック顔料(CB)の重量平均分子量 *2:トルエンに分散させたときの沈降状態(実施例15) *3:重合体粒子中のカーボンブラック(CB)の分散性(実施例16−1 および実施例16−2) *4:重合体粒子断面1μm2当たりのカーボンブラック(CB)2次凝集体の 平均個数 *5:カーボンブラック(CB)2次凝集体の最大の大きさ
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】実施例17 モノマー相(O) スチレン : 30重量部 実施例1で作製した処理カーボンブラック顔料 : 10重量部 開始剤 : 1重量部 2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル) 水系分散媒相(W) イオン交換水 :150重量部 ポリビニルアルコール(クラレ社製ポバール217EE) : 3重量部 ニグロシン :0.1重量部 スチレンと実施例1で作製した処理カーボンブラック顔
料をボールミルにより分散させた後、これに開始剤を加
え、モノマー相を得た後、モノマー相とあらかじめ撹拌
して作製しておいた水系分散媒相を撹拌槽に入れ、ホモ
ジナイザー(特殊機化工業製)により9500rpmで
10分間懸濁させた。この懸濁液の窒素置換を行った後
に7時間、70℃にて重合を行った。また、懸濁液滴を
光学顕微鏡で観察したところ、処理カーボンブラック顔
料はすべての懸濁液滴に入っていた。重合終了後、遠心
分離器を用いて精製を行い、その後濾過し、減圧乾燥を
行って目的の粒子を得た。得られた粒子を光学顕微鏡で
観察した。また、コールターカウンタにより粒径測定を
行った。本測定結果は表4に示したように、すべての粒
子に処理カーボンブラック顔料が入っているのが観測さ
れ、大きさも9ミクロン程度であった。ここで、粒子中
の処理カーボンブラック顔料の2次凝集体の最大径は
0.3μm以下であり、また、その断面1μm2あたり
のカーボンブラックの2次凝集体の個数は3個以上であ
った。得られた粒子の断面サンプルを超薄切片法により
作製し、透過型顕微鏡により観察した結果を図1に示し
た。処理カーボンブラック顔料が非常に良好に分散して
いるのが観察される。
【0035】実施例18 実施例17と同様にして、実施例2で作製した処理カー
ボンブラック顔料を用いて懸濁重合を行い、粒子を作製
した。本測定結果は表4に示したように、すべての粒子
に処理カーボンブラック顔料が入っているのが観測さ
れ、大きさも9ミクロン程度であった。
【0036】実施例19 モノマー相(O) スチレン :15重量部 アクリル酸n−ブチル :15重量部 実施例3で作製した処理カーボンブラック顔料 :10重量部 開始剤 : 1重量部 2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル) 水系分散媒相(W) イオン交換水 :150重量部 ポリビニルアルコール(クラレ社製ポバール217EE) : 3重量部 ニグロシン :0.1重量部 スチレンとアクリル酸n−ブチルと実施例3で作製した
処理カーボンブラック顔料をボールミルにより分散させ
た後、これに開始剤を加え、モノマー相を得た後、モノ
マー相とあらかじめ撹拌して作製しておいた水系分散媒
相を撹拌槽に入れ、ホモジナイザー(特殊機化工業製)
により9500rpmで10分間懸濁させた。この懸濁
液の窒素置換を行った後に7時間、70℃にて重合を行
った。また、懸濁液滴を光学顕微鏡で観察した。重合終
了後、遠心分離器を用いて精製を行い、その後濾過し、
減圧乾燥を行って目的の粒子を得た。得られた粒子を光
学顕微鏡で観察した。また、コールターカウンタにより
粒径測定を行った。本測定結果は表4に示したように、
すべての粒子に処理カーボンブラック顔料が入っている
のが観測され、大きさも9ミクロン程度であった。
【0037】実施例20 実施例18と同様にして、実施例4で作製した処理カー
ボンブラック顔料を用いて懸濁重合を行い粒子を作製し
た。本測定結果は表4に示したように、すべての粒子に
処理カーボンブラック顔料が入っているのが観察され、
大きさも10ミクロン程度であった。
【0038】実施例21 モノマー相(O) メタクリル酸メチル : 30重量部 実施例11で作製した処理カーボンブラック顔料 : 10重量部 開始剤 : 1重量部 2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル) 水系分散媒相(W) イオン交換水 :150重量部 ポリビニルアルコール(クラレ社製ポバール217EE) : 3重量部 ニグロシン :0.1重量部 メタクリル酸メチルと実施例11で作製した処理カーボ
ンブラック顔料をボールミルにより分散させた後、これ
に開始剤を加え、モノマー相を得た後、モノマー相とあ
らかじめ撹拌して作製しておいた水系分散媒相を撹拌槽
に入れ、ホモジナイザー(特殊機化工業製)により95
00rpmで10分間懸濁させた。この懸濁液の窒素置
換を行った後に7時間、70℃にて重合を行った。ま
た、懸濁液滴を光学顕微鏡で観察した。重合終了後、遠
心分離器を用いて精製を行い、その後濾過し、減圧乾燥
を行って目的の粒子を得た。得られた粒子を光学顕微鏡
で観察した。また、コールターカウンタにより粒径測定
を行った。本測定結果は表4に示したように、すべての
粒子に処理カーボンブラック顔料が入っているのが観測
され、大きさも9ミクロン程度であった。
【0039】実施例22 モノマー相(O) メタクリル酸メチル : 30重量部 実施例12で作製した処理カーボンブラック顔料 : 10重量部 開始剤 2,2′−アゾビス−イソブチロニトリル : 1重量部 水系分散媒相(W) イオン交換水 :150重量部 ポリビニルアルコール(クラレ社製ポバール217EE) : 3重量部 ニグロシン :0.1重量部 メタクリル酸メチルと実施例12で作製した処理カーボ
ンブラック顔料をボールミルにより分散させた後、これ
に開始剤を加え、モノマー相を得た後、モノマー相とあ
らかじめ撹拌して作製しておいた水系分散媒相を撹拌槽
に入れ、ホモジナイザー(特殊機化工業製)により95
00rpmで10分間懸濁させた。この懸濁液の窒素置
換を行った後に7時間、70℃にて重合を行った。ま
た、懸濁液滴を光学顕微鏡で観察した。重合終了後、遠
心分離器を用いて精製を行い、その後濾過し、減圧乾燥
を行って目的の粒子を得た。得られた粒子を光学顕微鏡
で観察した。また、コールターカウンタにより粒径測定
を行った。本測定結果は表4に示したように、すべての
粒子に処理カーボンブラック顔料が入っているのが観測
され、大きさも8ミクロン程度であった。
【0040】実施例23 実施例22と同様にして、実施例13で作製した処理カ
ーボンブラック顔料を用いて懸濁重合を行い、粒子を作
製した。本測定結果は表4に示したように、すべての粒
子に処理カーボンブラック顔料が入っているのが、観測
され、大きさも8ミクロン程度であった。
【0041】実施例24 モノマー相(O) スチレン : 30重量部 実施例1で作製した処理カーボンブラック顔料 : 10重量部 開始剤 : 1重量部 2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル) 水系分散媒相(W) イオン交換水 :150重量部 リン酸カルシウム : 3重量部 ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム :0.1重量部 スチレンと実施例1で作製した処理カーボンブラック顔
料をボールミルにより分散させた後、これに開始剤を加
え、モノマー相を得た後、モノマー相とあらかじめ撹拌
して作製しておいた水系分散媒相を撹拌槽に入れ、ホモ
ジナイザー(特殊機化工業製)により9500rpmで
10分間懸濁させた。この懸濁液の窒素置換を行った後
に7時間、70℃にて重合を行った。また、懸濁液滴を
光学顕微鏡で観察したところ、処理カーボンブラック顔
料はすべての懸濁液滴に入っていた。重合終了後、遠心
分離器を用いて精製を行い、その後濾過し、減圧乾燥を
行って目的の粒子を得た。得られた粒子を光学顕微鏡で
観察した。また、コールターカウンタにより粒径測定を
行った。本測定結果は表4に示したように、すべての粒
子に処理カーボンブラック顔料が入っているのが観測さ
れ、大きさも9ミクロン程度であった。
【0042】実施例25 モノマー相(O) スチレン : 30重量部 実施例1で作製した処理カーボンブラック顔料 : 10重量部 開始剤 : 1重量部 2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル) 水系分散媒相(W) イオン交換水 :150重量部 ヒドロキシプロピルセルロース : 3重量部 (信越化学メトローズ65SH50) スチレンと実施例1で作製した処理カーボンブラック顔
料をボールミルにより分散させた後、これに開始剤を加
え、モノマー相を得た後、モノマー相とあらかじめ撹拌
して作製しておいた水系分散媒相を撹拌槽に入れ、ホモ
ジナイザー(特殊機化工業製)により9500rpmで
10分間懸濁させた。この懸濁液の窒素置換を行った後
に7時間、60℃にて重合を行った。また、懸濁液滴を
光学顕微鏡で観察したところ、処理カーボンブラック顔
料はすべての懸濁液滴に入っていた。重合終了後、遠心
分離器を用いて精製を行い、その後濾過し、減圧乾燥を
行って目的の粒子を得た。得られた粒子を光学顕微鏡で
観察した。また、コールターカウンタにより粒径測定を
行った。本測定結果は表4に示したように、すべての粒
子に処理カーボンブラック顔料が入っているのが観測さ
れ、大きさも9ミクロン程度であった。
【0043】実施例26 モノマー相(O) スチレン : 15重量部 アクリル酸n−ブチル : 15重量部 実施例2で作製した処理カーボンブラック顔料 : 10重量部 開始剤 : 1重量部 2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル) 水系分散媒相(W) イオン交換水 :150重量部 ヒドロキシプロピルセルロース : 3重量部 (信越化学メトローズ65SH50) スチレンとアクリル酸n−ブチルと実施例2で作製した
処理カーボンブラック顔料をボールミルにより分散させ
た後、これに開始剤を加え、モノマー相を得た後、モノ
マー相とあらかじめ撹拌して作製しておいた水系分散媒
相を撹拌槽に入れ、ホモジナイザー(特殊機化工業製)
により9500rpmで10分間懸濁させた。この懸濁
液の窒素置換を行った後に7時間、60℃にて重合を行
った。また、懸濁液滴を光学顕微鏡で観察したところ、
処理カーボンブラック顔料はすべての懸濁液滴に入って
いた。重合終了後、遠心分離器を用いて精製を行い、そ
の後濾過し、減圧乾燥を行って目的の粒子を得た。得ら
れた粒子を光学顕微鏡で観察した。また、コールターカ
ウンタにより粒径測定を行った。本測定結果は表4に示
したように、すべての粒子に処理カーボンブラック顔料
が入っているのが観測され、大きさも9ミクロン程度で
あった。
【0044】実施例27 実施例17と同様にして、実施例5で作製した処理カー
ボンブラック顔料を用いて懸濁重合を行い、粒子を作製
した。処理カーボンブラック顔料の分散性は、実施例1
7〜26ほど良好ではないが、十分実用に耐えうるもの
であり、また、大きさは9ミクロン程度であった。
【0045】実施例28 実施例17と同様にして、実施例14で作製した処理カ
ーボンブラック顔料を用いて懸濁重合を行い、粒子を作
製した。処理カーボンブラック顔料の分散性は、実施例
17〜26ほど良好ではないが、十分実用に耐えうるも
のであった。しかし、粒子の大きさは16ミクロン程度
と大きかった。
【0046】前記実施例17〜28の結果を下表1に示
す。
【表4】 CBはカーボンブラックを表わす *1:実施例17〜26ほど分散性は良好ではないが、十分実用に耐え得る。
【0047】比較例1 未処理のカーボンブラックとして、三菱化学製 MA1
00(商品名)、Columbian Carbon
Co.製 NeospectraII(商品名)、Deg
ussa A.G.製 FW200(商品名)およびC
abot製Monarch 880(商品名)のそれぞ
れ1gをトルエン10mlに分散させて、放置し、経時
変化にともなうカーボンブラックの沈降状態を観察した
結果を表5に示した。
【0048】比較例2 未処理カーボンブラックを重合性単量体に分散させて、
懸濁重合し、粒子を作製し、その断面を観察した結果を
表5に示した。 モノマー相(O) スチレン : 25重量部 アクリル酸n−ブチル : 5重量部 未処理のカーボンブラック : 10重量部 開始剤 : 1重量部 2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル) 水系分散媒相(W) イオン交換水 :150重量部 ポリビニルアルコール(クラレ社製ポバール217EE) : 3重量部 ニグロシン :0.1重量部 スチレンと未処理のカーボンブラックをボールミルによ
り分散させた後、これに開始剤を加え、モノマー相を得
た後、モノマー相とあらかじめ撹拌して作製しておいた
水系分散媒相を撹拌槽に入れ、ホモジナイザー(特殊機
化工業製)により懸濁させた。この懸濁液の窒素置換を
行った後に60℃にて重合を行った。また、懸濁液滴を
光学顕微鏡で観察したところ、一部懸濁液滴にカーボン
ブラックが入っていなかった。重合終了後、遠心分離器
を用いて精製を行い、その後濾過し、減圧乾燥を行って
目的の粒子を得た。得られた粒子を光学顕微鏡で観察し
た。また、コールターカウンタにより粒径測定を行っ
た。本測定結果は表5に示したように、一部の粒子にカ
ーボンブラックが入っていないのが、観察された。
【0049】
【表5】 :処理カーボンブラック顔料(CB)の重量平均分
子量 *:トルエンに分散させたときの沈降状態(比較例
1) *:重合体粒子中のカーボンブラック(CB)の分散
性(比較例2) *:重合体粒子断面1μm当りのカーボンブラック
(CB)2次凝集体の平均個数 *:カーボンブラック(CB)2次凝集体の最大の大
きさ
【0050】比較例3 モノマー相(O) スチレン : 30重量部 未処理のカーボンブラック(三菱化製MA100) : 10重量部 開始剤 : 1重量部 2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル) 水系分散媒相(W) イオン交換水 :150重量部 ポリビニルアルコール(クラレ社製ポバール217EE) : 3重量部 ニグロシン :0.1重量部 スチレンと未処理のカーボンブラックをボールミルによ
り分散させた後、これに開始剤を加え、モノマー相を得
た後、モノマー相とあらかじめ撹拌して作製しておいた
水系分散媒相を撹拌槽に入れ、ホモジナイザー(特殊機
化工業製)により9500rpmで10分間懸濁させ
た。この懸濁液の窒素置換を行った後に7時間、70℃
にて重合を行った。また、懸濁液滴を光学顕微鏡で観察
したしたところ、一部懸濁液滴にカーボンブラックが入
っていなかった。重合終了後、遠心分離器を用いて精製
を行い、その後濾過し、減圧乾燥を行って目的の粒子を
得た。得られた粒子を光学顕微鏡で観察した。また、コ
ールターカウンタにより粒径測定を行った。本測定結果
は表6に示したように、一部の粒子にカーボンブラック
が入っていないのが観測された。大きさは9ミクロン程
度であった。
【0051】比較例4 モノマー相(O) スチレン : 30重量部 未処理のカーボンブラック(三菱化学製MA100) : 10重量部 開始剤 : 1重量部 2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル) 水系分散媒相(W) イオン交換水 :150重量部 リン酸カルシウム : 3重量部 ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム :0.1重量部 スチレンと未処理のカーボンブラックをボールミルによ
り分散させた後、これに開始剤を加え、モノマー相を得
た後、モノマー相とあらかじめ撹拌して作製しておいた
水系分散媒相を撹拌槽に入れ、ホモジナイザー(特殊機
化工業製)により9500rpmで10分間懸濁させ
た。この懸濁液の窒素置換を行った後に7時間、70℃
にて重合を行った。また、懸濁液滴を光学顕微鏡で観察
したしたところ、一部懸濁液滴にカーボンブラックが入
っていなかった。重合終了後、遠心分離器を用いて精製
を行い、その後濾過し、減圧乾燥を行って目的の粒子を
得た。得られた粒子を光学顕微鏡で観察した。また、コ
ールターカウンタにより粒径測定を行った。本測定結果
は表6に示したように、一部の粒子にカーボンブラック
が入っていないのが観測された。大きさは9ミクロン程
度であった。
【0052】比較例5 モノマー相(O) スチレン : 30重量部 未処理のカーボンブラック : 10重量部 (Columbian Carbon Co.製NeospectraII) 開始剤 : 1重量部 2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル) 水系分散媒相(W) イオン交換水 :150重量部 ヒドロキシプロピルセルロース : 3重量部 (信越化学社製メトローズ65SH50) スチレンと未処理のカーボンブラックをボールミルによ
り分散させた後、これに開始剤を加え、モノマー相を得
た後、モノマー相とあらかじめ撹拌して作製しておいた
水系分散媒相を撹拌槽に入れ、ホモジナイザー(特殊機
化工業製)により9500rpmで10分間懸濁させ
た。この懸濁液の窒素置換を行った後に7時間、60℃
にて重合を行った。また、懸濁液滴を光学顕微鏡で観察
したしたところ、一部懸濁液滴にカーボンブラックが入
っていなかった。重合終了後、遠心分離器を用いて精製
を行い、その後濾過し、減圧乾燥を行って目的の粒子を
得た。得られた粒子を光学顕微鏡で観察した。また、コ
ールターカウンタにより粒径測定を行った。本測定結果
は表6に示したように、一部の粒子にカーボンブラック
が入っていないのが観測された。大きさは9ミクロン程
度であった。
【0053】比較例6 モノマー相(O) スチレン : 15重量部 アクリル酸n−ブチル : 15重量部 (Columbian Carbon Co.製NeospectraII) 未処理のカーボンブラック : 10重量部 開始剤 : 1重量部 2,2′−アゾビス−イソブチロニトリル 水系分散媒相(W) イオン交換水 :150重量部 ヒドロキシプロピルセルロース : 3重量部 (信越化学メトローズ65SH50) スチレンとアクリル酸n−ブチルと未処理のカーボンブ
ラックをボールミルにより分散させた後、これに開始剤
を加え、モノマー相を得た後、モノマー相とあらかじめ
撹拌して作製しておいた水系分散媒相を撹拌槽に入れ、
ホモジナイザー(特殊機化工業製)により9500rp
mで10分間懸濁させた。この懸濁液の窒素置換を行っ
た後に7時間、60℃にて重合を行った。また、懸濁液
滴を光学顕微鏡で観察した。重合終了後、遠心分離器を
用いて精製を行い、その後濾過し、減圧乾燥を行って目
的の粒子を得た。得られた粒子を光学顕微鏡で観察し
た。また、コールターカウンタにより粒径測定を行っ
た。本測定結果は表6に示したように、一部の粒子にカ
ーボンブラックが入っていないのが観測された。大きさ
は9ミクロン程度であった。
【0054】前記比較例3〜6の結果を下表6に示す。
【表6】 CBはカーボンブラックを表わす。 *2:カーボンブラックが入っていない粒子もあるし、
カーボンブラックが入っている粒子においても分散性は
悪い。
【0055】実施例29〜40 実施例17〜28で得られた懸濁重合粒子をスプレード
ライ方式により、市販の電荷制御剤〔(株)オリエント
製 Bontron E84〕で処理をし、静電荷像現
像用トナーを得、これを用いて静電複写機〔(株)リコ
ー製 Ricopy FT6500〕により画像出しを
行ったところ、細線再現性に優れ、にじみやかぶりを全
く起こさず、鮮明な画像が得られた。
【0056】比較例7〜12 比較例1〜6で得られた懸濁重合粒子を用いて、実施例
29〜40と同様にして画像出しを行ったところ、画像
濃度の少ない不鮮明な画像しか得られなかった。
【0057】
【効果】1.請求項1〜3 処理カーボンブラック顔料の分散性が優れているで、画
像を鮮明に表示する静電荷像現像用トナーを得ることが
できた。 2.請求項4 カーボンブラックの分散性が非常に良好で、カーボンブ
ラックの2次凝集体の大きさは、0.3μm以下であ
り、またトナー粒子断面1μmあたりのカーボンブラ
ックの2次凝集体の個数は3個以上であった。そのた
め、この静電荷像現像用トナーを用いて作製した画像は
色濃度も十分で鮮明であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例17で作製された粒子の超薄切片法によ
り作製された断面サンプルの透過型電子顕微鏡写真であ
る。黒い点がカーボンブラック2次凝集体を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09C 3/10 C08F 2/44 C09C 1/48 G03G 9/08

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラジカル重合性単量体をラジカル重合
    し、ラジカル重合過程における重合体の重量平均分子量
    が、500から10万である重合体を得、該重合体の成
    長ラジカルが失活しないうちに該重合体とカーボンブラ
    ックを接触処理することで得られた処理カーボンブラッ
    ク顔料を重合性単量体成分に分散し、懸濁重合または乳
    化重合することで得られた静電荷像現像用トナー。
  2. 【請求項2】 前記カーボンブラックが表面活性化処理
    をしたものである請求項1記載の静電荷像現像用トナ
    ー。
  3. 【請求項3】 前記ラジカル重合性単量体が酢酸ビニ
    ル、スチレンおよびその誘導体よりなる群から選ばれた
    単量体を少なくとも1種含有するものである請求項1ま
    たは2記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 【請求項4】 トナー粒子断面1μmあたり、前記処
    理カーボンブラック顔料の2次凝集体が3個以上分散し
    ていて、またその処理カーボンブラック顔料の2次凝集
    体の最大径が0.3μm以下である請求項1〜3いずれ
    か記載の静電荷像現像用トナー。
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