JP3614510B2 - 電子写真用負極性トナーの製造方法 - Google Patents

電子写真用負極性トナーの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、電子写真法の現像に用いられる乾式トナーおよびその製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真法において用いられる乾式トナーの製法としては、結着用樹脂と着色剤等を混練し粉砕・分級するという所謂「粉砕法」が広く実施されているが、重合時に着色剤等を包含させて微粒子を得るという所謂「重合法」も一部で実施されはじめた。これらと異なる新しい方法としては、特開平5−66600号公報などに記載されている所謂「転相乳化法」がある。
【0003】
これは、アニオン型自己水分散性樹脂と着色剤等を有機溶剤中に溶解・分散させておき、攪拌しながら適量の水をそれに加えるか、攪拌しながら適量の水にそれに加えることにより転相乳化を行わしめて微粒子を生成し、有機溶剤を除去後濾過し、得られたケーキを酸で中和してから水洗し乾燥して乾式トナーとする方法である(以下、転相乳化法トナーと言う)。このようにして製造された転相乳化法トナーは、通常、真球形で表面が平滑である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
転相乳化法で作られた表面が平滑な球形トナーは、非磁性一成分現像に於いて帯電性能が不十分である、という問題点があった。また、従来の転相乳化法では、トナー粒子形成後の水性媒体中に、一部の水溶性樹脂が溶解しているため、液媒体とトナー粒子との分離時にその水溶性樹脂成分が、当該液媒体ととともに除去されてしまうので、樹脂ベースに対するトナーの製造収率が不十分で、また廃液中にその水性樹脂が含まれるために廃液処理に手間がかかるという問題点があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者は、転相乳化法で得られる球形トナーの帯電性を向上させる方法を鋭意検討したところ、自己水分散性あるいは水溶解性を付与するために用いる塩基として強塩基性化合物を使い、転相乳化法により真球形微粒子を形成し、有機溶剤を除去してから、水性媒体中に溶けている樹脂、あるいは新たに添加された水溶解性・水分散性樹脂を、酸によって微粒子表面に析出させることにより、トナー表面を凹凸状とし、摩擦帯電性能を向上できることを見い出した。
【0006】
また本発明者は、自己水分散性あるいは水溶解性を付与するために用いる塩基として強塩基性化合物を使うことにより、微粒子形成およびその表面への樹脂析出後の水性媒体中の水溶性樹脂量を極度に減少することができ、トナーの製造収率を向上するとともに廃水処理が容易となることを見いだし本発明を完成するに至った。
【0007】
電子写真における感光体の表面に形成された静電荷像の現像方法には、二成分現像方式と一成分現像方式とがある。二成分現像剤方式で主流となっている磁気ブラシ現像法では、乾式トナーは鉄粉、フェライト、マグネタイトなどの磁性粒子(20〜200ミクロン程度)から成るキャリアとの摩擦によって帯電され、磁気ブラシを形成することにより、トナーのみが感光体に付着し現像が行なわれる。
【0008】
一方、樹脂と磁性粉とを主体とする磁性トナーを使用する一成分現像方式あるいは非磁性トナーのみから成る一成分現像方式が実用化されている。非磁性トナーを用いる一成分現像方法としては、現像スリーブとそれに圧接された帯電部材との間にトナーを通過せしめ、トナーを摩擦帯電させることにより、感光体の表面に形成された静電潜像を現像するような方法が幅広く実用化されている。
【0009】
本発明のトナーは、上述のような二成分現像法および非磁性一成分現像法に好適なものである。
【0010】
本発明において用いられる、中和により自己水分散性および一部が水溶解性となりうるアニオン性合成樹脂(A)とは、中和によりアニオン型の親水性基となりうる官能基を含有した樹脂で、それら親水性となりうる官能基の一部または全部が塩基で中和された時に水性媒体の作用下で、乳化剤又は分散安定剤を用いることなく安定した水分散体を形成でき、その一部が水に溶解する樹脂をいう。
【0011】
アニオン性合成樹脂(A)中の中和により親水性基となりうる官能基としては、例えばカルボキシル基、燐酸基、スルホン酸基および硫酸基などが挙げられる。
【0012】
また、中和により自己水分散性および一部が水溶解性となりうるアニオン性合成樹脂(A)としては、例えばアクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。中でも、スチレン系樹脂及びアクリル系樹脂が、耐吸湿性に優れるので好ましい。
【0013】
アニオン性合成樹脂(A)として好適なスチレン系樹脂及びアクリル系樹脂は、例えば、酸基含有重合性単量体と、この酸基含有重合性単量体類以外の重合性単量体とを、重合開始剤の存在下に共重合せしめて得られるものなどが挙げられる。
【0014】
こうした酸基含有重合性単量体類としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸モノブチル、マレイン酸モノブチル、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、アシッドホスホオキシプロピルメタクリレート、3−クロロ−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸または2−スルホエチルメタクリレートなどである。
【0015】
酸基含有重合性単量体類以外の重合性単量体類としては、例えばスチレン、ビニルトルエン、2−メチルスチレン、t−ブチルスチレンもしくはクロルスチレンのごとき、各種のスチレン系モノマー(芳香族ビニルモノマー)類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−アミル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸デシルもしくはアクリル酸ドデシルのごとき、各種のアクリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−アミル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸デシルもしくはメタクリル酸ドデシルのごとき、各種のメタクリル酸エステル類;アクリル酸ヒドロキシエチルもしくはメタクリル酸ヒドロキシプロピルのごとき、各種のヒドロキシル基(水酸基)含有モノマー類;またはN−メチロール(メタ)アクリルアミドもしくはN−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドのごとき、各種のN−置換(メタ)アクリル系モノマー類などがある。
【0016】
また、使用される重合開始剤としては、勿論、通常のものが使用できるが、例えば過酸化ベンゾイル、ジ−t−ブチルペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、t−ブチルペルオキシドもしくは2−エチルヘキサノエートの如き、各種の過酸化物;またはアゾビスイソブチロニトリルもしくはアゾビスイソバレロニトリルの如き、各種のアゾ化合物などである。
【0017】
また上記した反応に用いることの出来る有機溶剤としては、例えばトルエン、キシレンもしくはベンゼンの如き、各種の芳香族炭化水素;メタノール、エタノール、プロパノールもしくはブタノールの如き、各種のアルコール類;セロソルブもしくはカルビトールの如き、各種のエーテルアルコール類;アセトン、メチルエチルケトンもしくはメチルイソブチルケトンの如き、各種のケトン類;酢酸エチルもしくは酢酸ブチルの如き、各種のエステル類;またはブチルセロソルブアセテートの如き、各種のエーテルエステル類などが挙げられる。
【0018】
アニオン性合成樹脂(A)の中和により親水性基となりうる官能基の含有量は、特に制限されないが、酸価30程度以上が、転相乳化法による微粒子形成が容易であるので好ましい。特に好ましくは酸価50〜150である。
【0019】
アニオン性合成樹脂(A)の重合条件は、通常50〜150℃の温度範囲で窒素雰囲気下で行われるのが一般的であり、その重量平均分子量としては、5000〜250000、好ましくは、10000〜200000を有するものである。
【0020】
本発明において用いられる、着色剤(B)としては、特に制限はないが、例えば、カーボンブラック、銅フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、ベンジジン系顔料、キナクリドン系顔料等のトナー用材料として公知慣用の各種顔料類や染料類が挙げられる。着色剤(B)の含有量としては、着色剤(B)と結着用樹脂(A)との全重量に対し、3〜15%とすることが好ましい。
【0021】
本発明において用いられる、有機溶剤(C)としては、上記アニオン性合成樹脂(A)の合成時に用いた反応溶媒をそのまま使用しても良い。中でも、容易に脱溶剤されるアセトン、イソプロピルアルコール、メチルエチルケトンまたは酢酸エチルなどの、いわゆる低沸点溶剤の使用が好ましい。
【0022】
本発明において用いられる、アニオン性合成樹脂(A)の中和剤としての強塩基性化合物(D)としては、25℃に於ける塩基性度(pKb)4以下のものがあり、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、ジエチルアミンなどが好適である。
【0023】
このような強塩基(D)を用いて、着色剤(B)とアニオン性合成樹脂(A)、有機溶剤(C)との混合物を中和し、転相乳化によって微粒子(E)を形成し、有機溶剤(C)留去後に塩酸などの酸(F)を加えてPHを3以下にすると、水性媒体中の水溶解・水分散樹脂のほとんど全てが微粒子表面に析出する。
【0024】
この微粒子をSEMで観察すると、微粒子表面に樹脂が析出し凹凸状になっており、略球形となっていることがわかる。また樹脂析出後の水性媒体中の溶解樹脂量を定量したところ、0%であった。
【0025】
酸(F)添加終了時のPHが3より高いと水媒体中の水溶解樹脂が完全に析出されないので、PHは3以下とすることが好ましい。
【0026】
一方、アンモニア、燐酸ナトリウム、炭酸ナトリウムなどのような塩基性度の高いもの(弱い塩基)を使っても転相乳化は十分うまくなされ、球形微粒子が形成されるが、有機溶剤(C)を留去後に酸(F)を加えてPHを3以下にしても、水性媒体中の水溶解性樹脂はほとんど析出されず、微粒子表面は平滑のままであるので好ましくない。
【0027】
このことは、水性媒体中の水溶解樹脂量の測定値が酸添加の前後でほとんど変化しないこと、および微粒子のSEMによる観察で確認された。
【0028】
尚、カセイソーダやトリエチルアミンのような強塩基で酸基の一部または全部が中和されたアニオン性合成樹脂は、アンモニアのような弱塩基で中和されたものに比べ、水溶解性樹脂の比率が高くなる。水に溶解している樹脂と分散している樹脂では、前者は後者に比べ酸価がやや高く、分子量は同等あるいは低かった。
【0029】
本発明で使用する酸としては、例えば塩酸、硫酸、スルホン酸、リン酸などの無機酸、蟻酸、酢酸、プロピオン酸などの有機酸を挙げることができるが、樹脂析出性能の点から強酸が適しており、その中でも、微粒子の洗浄の容易さなどから塩酸が好適である。
【0030】
転相乳化の方法としては、
(1)アニオン性合成樹脂(A)、着色剤(B)、有機溶剤(C)とを必須成分とする混合物を強塩基性化合物(D)で中和したものを、水性媒体中に加えて転相乳化する方法、
(2)前記中和混合物に水性媒体を加えて転相乳化する方法、
(3)アニオン性合成樹脂(A)、着色剤(B)、有機溶剤(C)とを必須成分とする混合物を、強塩基性化合物(D)を含む水性媒体中に加えて転相乳化する方法、
(4)前記混合物に、強塩基性化合物(D)を含む水性媒体を加えて転相乳化する方法、
のいずれでもよい。
【0031】
転相乳化して球形微粒子(E)を形成し、その表面に樹脂を析出して表面に凹凸を有する略球形微粒子としてから、液媒体を除去してから、任意の手段により前記略球形微粒子からなる乾燥粉体を取り出す。液媒体除去の操作は、通常濾過により行われ、その後は、水洗、乾燥の工程を経て乾式トナー粒子粉体を得るのが一般的である。
【0032】
この様にして得られた略球形微粒子からなる粉体は、このままでも電子写真用負極性トナーとして使用することもできるが、疎水性シリカ(G)を外添することにより粉体流動性等を向上させることができ実用上好適である。
【0033】
本発明で使用する疎水性シリカ(G)としては、二酸化珪素のうちで疎水性等を有するものを言い、例えば二酸化珪素を各種のポリオルガノシロキサンやシランカップリング剤等で表面処理したものが挙げられる。例えば、次のような商品名で市販されているものがある。
【0034】
Figure 0003614510
【0035】
Figure 0003614510
【0036】
疎水性シリカ(G)の外添量としては、帯電量が必要充分となり、感光体ドラムを傷つけたり、トナーの環境特性の悪化を招くこと等がないことから、着色剤(B)と結着用樹脂(A)との合計100重量部に対し、0.1〜3.0重量部が実用上好適である。
【0037】
疎水性シリカを、球形微粒子(E)に外添させる方法としては、例えば通常の粉体用混合機であるヘンシェルミキサーなどや、ハイブリダイザー等のいわゆる表面改質機も用いて行うことができる。尚、この外添は、微粒子(E)の表面にシリカが付着させるようにしても良いし、シリカの一部が微粒子(E)に埋め込まれるようにしても良い。
【0038】
勿論、本発明のトナーには、必要に応じて、クロム系含金属錯塩染料等の負極性帯電制御剤や、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、パラフインワックス、シリコーン、フッ素系ワックスなどのワックス類(離型剤)等の添加剤を着色剤(B)と結着用樹脂(A)との全重量に対し0.1〜5%程度含んでもかまわない。尚、これらの添加剤は、球形微粒子(E)を得る際の任意の工程で添加することが出来る。
【0039】
【実施例】
以下、本発明の実施例を示し、本発明を更に具体的に説明する。しかしながら、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、「部」及び「%」は、特に記載のない限り、全て重量基準であるものとする。
【0040】
(実施例1)
メチルエチルケトンの700部を反応容器に入れ、加熱して80℃とした。次いで、アクリル酸77部、スチレン600部、アクリル酸2−エチルヘキシル 143部、メタクリル酸メチル180部、「パーブチル O」〔(株)日本油脂製品〕7部の混合物を、約2時間に亘って滴下した。反応は窒素雰囲気下にて行った。
【0041】
上記混合物を滴下終了後、4時間毎に、「パーブチル O」の2部を反応液に加え、24時間に亘って、80℃で反応を続けた。反応終了後、重量平均分子量が約48000、酸価が約60なる、アニオン性合成樹脂の溶液を得た。
【0042】
この樹脂溶液1000部、メチルエチルケトン120部、および「エルフテックス8」〔キャボット社製カーボンブラック〕59部を、「アイガーモーターミルM−250 VSE−EXJ」(アイガー社製品)にて混合しミルベースを調製した。
【0043】
このミルベース1000部を反応容器にとり、イソプロピルアルコール170部および1規定カセイソーダ水溶液53部を加えた後、攪拌しながら、これに水1660部を滴下し転相乳化を行った。減圧蒸留により有機溶剤を除去し、1規定塩酸水溶液を加えてPHを約2としてから、濾過、水洗を行い、次いで、このウエットケーキを乾燥して、平均粒子径が約8μmである球形のトナー粒子528部を得た。
【0044】
このトナーをSEMで観察したところ、真球形粒子の表面に樹脂が凹凸状に析出しており、略球形となっていることが確認された(図1参照。図1においては、新たに析出した樹脂部分を濃色で示してある。)。
【0045】
このトナーにフエライトキャリアーを加えて二成分現像剤を調製し、ブローオフ法で帯電性を測定したところ、立ち上がり性および経時安定性に於いて良好な性能を示した。また、市販の電子写真式複写機〔三田工業(株)製のDC−111〕で実用に供しうる画像が得られた。
【0046】
(比較例1)
実施例1と同じミルベース1000部を反応容器にとり、イソプロピルアルコール170部および2.8重量%アンモニア水溶液42部を加えた後、攪拌しながら、これに水1660部を滴下し転相乳化を行った。減圧蒸留により有機溶剤を除去し、1規定塩酸水溶液を加えてPHを約2としてから、濾過、水洗を行い、次いで、このウエットケーキを乾燥して、平均粒子径が約8μmである球形のトナー粒子523部を得た。
【0047】
このトナーをSEMで観察したところ、表面が平滑な真球形粒子であることが確認された(図2参照。)。
【0048】
(実施例2)
実施例1と同じミルベース1000部を反応容器にとり、イソプロピルアルコール170部および1規定カセイソーダ水溶液53部を加えた後、攪拌しながら、これに水1660部を滴下し転相乳化を行った。減圧蒸留により有機溶剤を除去し、1規定塩酸水溶液を加えてPHを約5としてから、濾過、水洗を行い、次いで、このウエットケーキを乾燥して、平均粒子径が約8μmである球形のトナー粒子520部を得た。
【0049】
このトナーをSEMで観察したところ、真球形粒子の表面に樹脂が凹凸状に析出しており、略球形となっていることが確認された。
【0050】
このトナーにフエライトキャリアーを加えて二成分現像剤を調製し、ブローオフ法で帯電性を測定したところ、立ち上がり性および経時安定性に於いて良好な性能を示した。また、市販の電子写真式複写機〔三田工業(株)製のDC−111〕で実用に供しうる画像が得られた。
【0051】
(実施例3)
実施例1と同じミルベース1000部を反応容器にとり、イソプロピルアルコール170部および1規定カセイソーダ水溶液53部を加えた後、攪拌しながら、これに水1660部を滴下し転相乳化を行った。次いで、この反応容器に、実施例1のアニオン性合成樹脂のメチルエチルケトン溶液20部に1規定カセイソーダ水溶液1.2部を加えた溶液を加えて十分に混合した。減圧蒸留により有機溶剤を除去し、1規定塩酸水溶液を加えてPHを約2としてから、濾過、水洗を行い、次いで、このウエットケーキを乾燥して、平均粒子径が約8μmである球形のトナー粒子538部を得た。
【0052】
このトナーをSEMで観察したところ、真球形粒子の表面に樹脂が凹凸状に析出しており、略球形となっていることが確認された。
【0053】
このトナーにフエライトキャリアーを加えて二成分現像剤を調製し、ブローオフ法で帯電性を測定したところ、立ち上がり性および経時安定性に於いて良好な性能を示した。また、市販の電子写真式複写機〔三田工業(株)製のDC−111〕で実用に供しうる画像が得られた。
【0054】
上記実施例1〜3及び比較例1のトナーについて、トナー粒子形状及び樹脂ベースに対するトナー粒子収率を表1に示した。
【0055】
【表1】
Figure 0003614510
【0056】
(実施例3)
実施例1で得られたトナー100部に疎水性シリカ(AEROSIL R−972)0.7部を加え、ヘンシェルミキサーにて混合し、シリカの外添されたトナーを得た。
【0057】
SEMで観察したところ、このトナーは、微粒子表面にシリカが均一に外添されていることが確認された。このトナーは実施例1のトナーよりも、より流動性が良好であった。
【0058】
このトナーにフエライトキャリアーを加えて二成分現像剤を調製し、ブローオフ法で帯電性を測定したところ、立ち上がり性および経時安定性に於いて、より良好な性能を示した。また、市販の電子写真式複写機〔三田工業(株)製のDC−111〕で実用に供しうる画像が得られた。
【0059】
一方、このトナーを市販の非磁性一成分プリンター〔日本電気(株)製のPC−PR1000E/4〕に使用したところ、画像濃度1.5の良好な画像が得られた。
【0060】
(比較例2)
比較例1で得られたトナー100部に疎水性シリカ(AEROSIL R−972)0.7部をを加え、ヘンシェルミキサーにて混合し、シリカの外添されたトナーを得た。
【0061】
SEMで観察したところ、このトナーは、微粒子表面にシリカが均一に外添されていることが確認された。
【0062】
このトナーにフエライトキャリアーを加えて二成分現像剤を調製し、ブローオフ法で帯電性を測定したところ、立ち上がり性および経時安定性に於いて良好な性能を示した。また、前記市販の電子写真式複写機で実用に供しうる画像が得られた。
【0063】
このトナーを前記市販の非磁性一成分プリンターに使用したところ、帯電性能がやや不足で、実施例3に比べ画像濃度が1.1と低かった。
【0064】
【発明の効果】
自己水分散性あるいは水溶解性を付与するために用いる塩基として強塩基性化合物を使い、転相乳化法により真球形微粒子を形成し、有機溶剤を除去してから、水性媒体中に溶けている樹脂、あるいは新たに添加された水溶解性・水分散性樹脂を、酸によって微粒子表面に析出させることにより、従来は平滑であったトナー粒子表面を凹凸状とし、特に非磁性一成分現像に於ける摩擦帯電性能を向上した。
【0065】
また本方法では、酸処理後の水性媒体中の水溶性樹脂量を極度に減少することができ、トナーの製造収率を向上するとともに廃水処理が容易となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたトナー粒子形状を示すスケッチ図。
【図2】比較例1で得られたトナー粒子形状を示すスケッチ図。

Claims (7)

  1. 中和により自己水分散性樹脂および一部が水溶解性樹脂となりうるアニオン性合成樹脂(A)、着色剤(B)、有機溶剤(C)とを必須成分とする混合物を強塩基性化合物(D)で中和したものを、水性媒体中に加えて転相乳化するか、当該混合物に水性媒体を加えて転相乳化することにより、着色剤(B)が樹脂(A)に内包された球形微粒子(E)の分散液を得る第1工程、
    前記第1工程で得られた分散液から有機溶剤(C)を留去後に、酸(F)を加えて、分散液中に溶解している樹脂を球形微粒子(E)表面に析出させる第2工程、
    次いでこの第2工程で得られた混合物から、液媒体を除去して、前記水溶解性樹脂が表面に析出された略球形微粒子を乾燥粉体として取り出す第3工程からなる電子写真用負極性トナーの製造方法。
  2. 中和により自己水分散性樹脂および一部が水溶解性樹脂となりうるアニオン性合成樹脂(A)、着色剤(B)、有機溶剤(C)とを必須成分とする混合物を、強塩基性化合物(D)を含む水性媒体中に加えて転相乳化するか、当該混合物に強塩基性化合物(D)を含む水性媒体を加えて転相乳化することにより、着色剤(B)が樹脂(A)に内包された球形微粒子(E)の分散液を得る第1工程、
    前記第1工程で得られた分散液から有機溶剤(C)を留去後に、酸(F)を加えて、分散液中に溶解している樹脂を球形微粒子(E)表面に析出させる第2工程、
    次いでこの第2工程で得られた混合物から、液媒体を除去して、前記水溶解性樹脂が表面に析出された略球形微粒子を乾燥粉体として取り出す第3工程からなる電子写真用負極性トナーの製造方法。
  3. 中和により自己水分散性樹脂および一部が水溶解性樹脂となりうるアニオン性合成樹脂(A)、着色剤(B)、有機溶剤(C)とを必須成分とする混合物を強塩基性化合物(D)で中和したものを、水性媒体中に加えて転相乳化するか、当該混合物に水性媒体を加えて転相乳化することにより、着色剤(B)が樹脂(A)に内包された球形微粒子(E)の分散液を得る第1工程、
    この第1工程で得られた分散液に、アニオン性合成樹脂(A)の有機溶剤(C)溶液を強塩基性化合物(D)で中和して得られる溶液を加え均一に混合する第2工程、
    前記第2工程で得られた分散液から有機溶剤(C)を留去後に、酸(F)を加えて、分散液中に溶解・分散している樹脂を球形微粒子(E)表面に析出させる第3工程、
    次いでこの第3工程で得られた混合物から、液媒体を除去して、前記水溶解・分散樹脂が表面に析出された略球形微粒子を乾燥粉体として取り出す第4工程からなる電子写真用負極性トナーの製造方法。
  4. 中和により自己水分散性樹脂および一部が水溶解性樹脂となりうるアニオン性合成樹脂(A)、着色剤(B)、有機溶剤(C)とを必須成分とする混合物を、強塩基性化合物(D)を含む水性媒体中に加えて転相乳化するか、当該混合物に強塩基性化合物(D)を含む水性媒体を加えて転相乳化することにより、着色剤(B)が樹脂(A)に内包された球形微粒子(E)の分散液を得る第1工程、
    この第1工程で得られた分散液に、アニオン性合成樹脂(A)の有機溶剤(C)溶液を強塩基性化合物(D)で中和して得られる溶液を加え均一に混合する第2工程、
    前記第2工程で得られた分散液から有機溶剤(C)を留去後に、酸(F)を加えて、分散液中に溶解・分散している樹脂を球形微粒子(E)表面に析出させる第3工程、
    次いでこの第3工程で得られた混合物から、液媒体を除去して、前記水溶解・分散樹脂が表面に析出された略球形微粒子を乾燥粉体として取り出す第4工程からなる電子写真用負極性トナーの製造方法。
  5. 第2工程における、アニオン性合成樹脂(A)を強塩基性化合物(D)で中和して得られる水分散性・水溶性樹脂の分散液への添加量(固形分重量)が、球形微粒子(E)固形分重量の0.1〜10重量%である請求項3又は4記載の電子写真用負極性トナーの製造方法。
  6. 酸(F)を加えて分散液中に溶解・分散している樹脂を球形微粒子(E)表面に析出させる際に、分散液のpHが3以下となる様にする請求項1、2、3、4又は5記載の電子写真用負極性トナーの製造方法。
  7. 得られたトナーに、さらに一次粒子の平均径が5〜100nmの疎水性シリカ(G)を添加する請求項1、2、3、4、5又は6記載の電子写真用負極性トナーの製造方法。
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