JP3637355B2 - 抗アレルギー剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、3−−メチルガロイルエピガロカテキンや4−−メチルガロイルエピガロカテキン等のカテキン誘導体を有効成分として含有する医薬に関し、詳しくは即時型および遅延型アレルギーを抑制する作用や炎症を軽減する作用等を有する医薬に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、アレルギー疾患の増加がみられ、生まれる子供の1/3がアトピー性皮膚炎もしくは喘息を発症するとの報告がある。また、花粉症発症の劇的な増加も大きな社会問題となっている。
食習慣の欧米化、食品添加物の使用、大気汚染、ストレス過多といった私たちを取り巻く環境の変化がこのようなアレルギー症状増加の原因であると考えられている。
【0003】
ところで、アレルギー反応は、関与する免疫担当細胞や免疫グロブリンによりI型からIV型に分けられている。アレルギー性鼻炎,気管支喘息に代表される疾患はI型アレルギー反応に属しており,IgE 抗体を介してマスト細胞や好塩基球からヒスタミン,ロイコトリエン,プロスタグランジン等のケミカルメディエータが産生・放出され、血管拡張,血管透過性亢進,気管支平滑筋の収縮,神経末端の刺激等が引き起こされることによる。そのため、I型アレルギー疾患の治療には、抗ヒスタミン剤とマスト細胞からのケミカルメディエータ遊離抑制作用をもつ抗アレルギー薬が使われている。
しかし、抗ヒスタミン剤や塩基性抗アレルギー薬には眠気,口渇,胃腸障害等の副作用があり、長期間に渡る連用が問題となる。
IV型アレルギー反応は、T細胞が関与する遅延型の反応で、ランゲルハンス細胞やマクロファージなどの抗原提示細胞を介して抗原情報を受けたT細胞が、様々なサイトカインを産生・放出し、これにより好酸球やマクロファージの集積により遅延型の炎症反応が起こるものである。
アレルギー性接触皮膚炎は、IV型アレルギー反応に基づいて発症する代表的な疾患である。IV型アレルギー疾患の治療には、ステロイド剤が用いられるが、このステロイド剤は、T細胞のサイトカイン産生を抑制して、湿疹の治療では劇的な効果を示す。その反面、長期間の連用によって、副腎皮質機能の低下,皮膚紅潮,委縮,毛細血管拡張などの重篤な副作用を引き起こす可能性がある。
【0004】
一方、茶は代表的な嗜好飲料であり、2000年余にも渡り多くの人々に飲用されてきた。また、茶は様々な生理機能を有していることが判明しており、例えば抗酸化作用,抗腫瘍作用,発ガン抑制作用,抗菌作用,抗ウイルス作用,抗う触作用などが報告されている。
アレルギー作用に関しては、特開平3−258726号公報において、ウーロン茶抽出物を主成分とする抗アレルギー剤としてマスト細胞からのヒスタミン遊離抑制作用を指標としてI型アレルギー反応に対する治療薬の例が、特開平7−17865号公報において、天然カフェインのI型アレルギー症状の血管透過性亢進作用反応に有効な事例が、特開平10−77231号公報、特開平10−175874号公報において、ウーロン茶抽出物を有効成分とする抗アレルギー剤,抗炎症剤,抗アトピー性皮膚炎剤,抗乾癬剤の例が挙げられている。
さらに、エピガロカテキンガレート,エピカテキンガレートなどの緑茶カテキン類が、ラット腹腔内マスト細胞からのヒスタミン遊離を抑制することが報告されている(日本食品科学工学会誌,Vol.42, No.11, pp952-958, 1995 およびAllergy, Vol.52, No.1, pp 58-64 , 1997) が、3−−メチルガロイルエピガロカテキンや4−−メチルガロイルエピガロカテキン等のカテキン誘導体類がI型およびIV型アレルギー反応を抑制するとの報告は行われていない。また、4−−メチルガロイルエピガロカテキンについては、茶葉から単離された例はない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
アレルギー疾患に応じた医薬品が開発され、治療に用いられているが、これらは副作用を伴うため、長期間の連用可能な安全性が高く、副作用のない、天然物由来の抗アレルギー剤の開発が強く望まれていた。
そこで、本発明の目的は、副作用がなく、長期間に渡る連用においても安全性の高い、かつ飲食物や化粧料などのように日常的に用いるものに利用できるアレルギー疾患の治療、予防剤を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の課題を解決するため、抗アレルギー作用を有する物質をI型アレルギー反応の実験モデルであるヒスタミン遊離に対する抑制効果(in vitro 法),in vivo マウス腹壁法(AW法)およびIV型アレルギー反応の実験モデルであるオキサゾロン誘導マウス耳介皮膚炎に対する抑制効果を指標にスクリーニングを行い、3−−メチルガロイルエピガロカテキンや4−−メチルガロイルエピガロカテキン等のカテキン誘導体がこれらの効果を有していることを見出し、かかる知見に基づいて本発明に到達した。
【0007】
請求項1記載の本発明は、3−−メチルガロイルエピガロカテキンおよび/または4−−メチルガロイルエピガロカテキンのみを有効成分として含有することを特徴とする抗アレルギー剤である。
請求項2記載の本発明は、3−−メチルガロイルエピガロカテキンおよび/または4−−メチルガロイルエピガロカテキンのみを有効成分として含有することを特徴とする抗炎症剤である。
請求項3記載の本発明は、抗アレルギー剤が経口抗アレルギー剤である請求項1記載の抗アレルギー剤である。
請求項4記載の本発明は、抗炎症剤が経口抗炎症剤である請求項2記載の抗炎症剤である。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明に用いる3−−メチルガロイルエピガロカテキンや4−−メチルガロイルエピガロカテキンは、下記構造式で表されるものであるが、本発明には、これらの化合物の他に、例えば2−−メチルガロイルエピガロカテキンなどのカテキン誘導体あるいはそれらの混合物のいずれも使用することができる。
茶 (camellia sinensis)は、古来より飲用され、長期にわたって常飲されているが、人体に悪影響はなく、非常に安全性の高い飲料であることが認められている。そのため、本発明で使用する3−−メチルガロイルエピガロカテキン、4−−メチルガロイルエピガロカテキン等の茶葉に由来するカテキン誘導体も、安心して摂取することが受け入れられるものである。
【0009】
【化1】
Figure 0003637355
【0010】
【化2】
Figure 0003637355
【0011】
本発明に使用する3−−メチルガロイルエピガロカテキンや4−−メチルガロイルエピガロカテキン等のカテキン誘導体類は、茶葉、例えば‘青心大ぱん’、‘べにほまれ’、‘べにふじ’、‘べにふうき’などの茶葉、好ましくは乾燥茶葉を水系溶剤で抽出して得られるポリフェノール画分から分離、採取することができる。このようにして得られる抽出物が、最終的に飲食物や化粧料等の成分として利用されることを考えると、安全性の立場から、水,エタノールまたはこれらの混合物を溶剤として用いるのが好ましい。
【0012】
抽出に際して原料の茶葉は、マイクロ波などを用いて乾燥したものが好適であり、この茶葉と溶剤との比率(重量比)は、茶葉1に対して溶剤5から100倍の割合が好ましい。抽出温度は、特に限定されるものではなく、通常は室温〜常圧下で溶剤の沸点の範囲が作業上都合がよい。抽出時間は、10分から6時間の範囲とするのが好ましい。
【0013】
本発明に用いる3−−メチルガロイルエピガロカテキンや4−−メチルガロイルエピガロカテキン等のカテキン誘導体は、抽出物をそのまま、あるいは水等で適宜希釈して、抗アレルギー剤や抗炎症剤として経口的に投与することができる。さらに、これらを通常用いられる医薬用担体と共に製剤化して調製することができる。例えば、上記の抽出物等をシロップ剤などの経口液状製剤として、またはエキス,粉末などに加工し、薬学的に許容される担体と配合して錠剤,カプセル剤,顆粒剤,散剤などの経口固形製剤とすることができる。ここで、薬学的に許容できる担体としては、製剤用素材として慣用されている各種の有機あるいは無機の担体物質が用いられ、固形製剤における賦形剤,滑沢剤,結合剤,崩壊剤や液状製剤における溶剤,賦形剤,懸濁化剤,結合剤等として配合される。その他、必要に応じて抗酸化剤,防腐剤,着色料,甘味剤などの添加物を用いることができる。
【0014】
上記の製剤用素材は、通常使用されているものが用いられ、賦形剤としては、例えばショ糖,乳糖,デンプン,結晶セルロース,軽質無水ケイ酸などがあり、滑沢剤としては、例えばステアリン酸マグネシウム,ステアリン酸カルシウム,タルク,コロイドシリカなどがある。また、結合剤としては、例えばセルロース,ショ糖,デキストリン,ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。
次に、崩壊剤としては、例えばポリエチレングリコール,D−マンニトール,安息香酸ベンジル,エタノール,炭酸ナトリウム,クエン酸ナトリウムなどがあり、液剤としては、例えば精製水,エタノール,プロピレングリコールなどがある。懸濁化剤としては、例えばラウリル硫酸ナトリウム,レシチン,モノステアリン酸グリセリンなどの界面活性剤やポリビニルアルコール,カルボキシメチルセルロース,ヒドロキシメチルセルロースなどの親水性高分子がある。
また、抗酸化剤としては、例えば亜硫酸塩,アスコルビン酸などがあり、防腐剤としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル酸,ベンジルアルコール,ソルビン酸などがあり、着色料としては、各種食用色素がある。
【0015】
本発明において、3−−メチルガロイルエピガロカテキンや4−−メチルガロイルエピガロカテキン等のカテキン誘導体は、使用目的などを考慮して適量を用いればよく、例えば抗アレルギー剤や抗炎症剤の場合は、該カテキン誘導体として1日に5〜100mg/kg、好ましくは10〜50mg/kgが適当である。なお、カテキン誘導体を含むポリフェノール画分としては、1日に10〜300mg/kg、好ましくは20〜100mg/kgの範囲で用いることが適当である。
なお、いずれの場合においても、1日1回もしくは数回に分けて使用することができる。
【0016】
【実施例】
次に、本発明を詳細に説明するための代表的な実施例や実験例等を示すが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
実験例1 各種茶葉からのポリフェノール画分の抽出(茶葉抽出物)
図1に示すように、マイクロ波にて乾燥した茶葉50gを沸騰蒸留水1000ml中で1時間抽出後、可溶部を濾紙で自然濾過した。濾液は多孔質のポリスチレン樹脂であるMitsubishi Diaion HP-20 を充填したカラム(5×20cm)に通導し、精製水でカラムを洗浄後、50%メタノール溶出画分をさらに Amberlyst 15 (4×20cm)に通導し、メタノールで溶出されるカフェインを含まないポリフェノール画分を得た。
【0017】
実験例2
3−−メチルガロイルエピガロカテキン,4−−メチルガロイルエピガロカテキンの単離
マイクロ波にて乾燥した‘青心大ぱん’の茶葉のポリフェノール画分から、図2 に示す方法にて分画し、上記成分を単離した。すなわち、茶葉300gからポリフェノールの分画を行い、淡黄色の粉末31gを得た。
このポリフェノール画分をシリカゲルを充填したカラム(9cm×25cm)に付し、クロロホルム−メタノール−水系の溶媒で溶出した。クロロホルム−メタノール−水(82:16:2)で溶出する画分A(216mg),同溶媒(80:18:2)で溶出する画分B(1708mg),C(730mg),D(1927mg)E(7010mg),F(914mg)および同溶媒(40:50:10)で溶出する画分G(13250mg)を得た。
次に、画分CおよびDをさらに逆相系カラム(5cm×50cm、ODS、2本連結)を用いた液体クロマトグラフィーで分取し、アセトニトリル−水(12:88)で溶出する画分から3−−メチルガロイルエピガロカテキン(241mg) および4−−メチルガロイルエピガロカテキン(101mg) をそれぞれ無色の粉末として得た。
【0018】
実験例3 抗アレルギー活性の測定
in vitro での抗アレルギー作用の評価手段として、I型アレルギーの標準的な試験法であるマスト細胞脱顆粒時のヒスタミン遊離量測定法を、またin vivo での抗アレルギー作用の評価手段として、I型に対しては、オボアルブミン(OVA)を感作薬物とし、マウスの腹壁でアナフィラキシー反応を評価する腹壁法を、IV型に対してはオキサゾロン誘発耳介浮腫法を用いた。
【0019】
1)即時型アレルギー(I型)
1−1)ヒスタミン遊離試験(in vitro試験)
I型アレルギーの判定法として、マウスマスト細胞からのヒスタミン遊離抑制作用を指標とした。すなわち、マウスマスト細胞はMC/9を用い、10%非働化FBS,10% WEHI−3b培養上清,5mMグルタミン酸,50mM 2−メルカプトエタノール添加RPMI1640培地で培養した。
細胞(1×107 cells/ml)は、抗DNP−マウスIgE抗体で一晩刺激した後、Tyrode液に浮遊させて被検試料とともにインキュベートした後、DNP−BSA(抗原)を添加して脱顆粒を誘発し、上清中のヒスタミン量を液体クロマトグラフ法で測定した。
抗アレルギー性はコントロールである生理食塩水(PBS)との相対値の低いものほど高いと判断した。
【0020】
1−2)マウス腹壁法(in vivo 試験)
即時型アレルギー(I型)の判定法である血管透過性の亢進をマウス腹壁で検討する方法(Biol. Pharm. Bull., Vol.20, pp714-716, 1997)を一部改変し、抗アレルギー活性の評価法とした。すなわち、感作はOVA(2mg/ml)と不完全フロイントアジュバント(1:1)の混合液50μlをマウス(ddY,雄性,5週令) 腹腔内に投与して行った。アレルギーの惹起は、感作9日後のマウスに、無麻酔下、0.1mlの2%エバンスブルー溶液を静脈内投与し、直ちにエーテル麻酔下、速やかに皮膚を剥離し、惹起用試料液(OVA 100μg/ml)50μlを腹壁に注入する。惹起7分後、マウスを頸椎脱臼により処理して腹壁を切除後、色素漏出部位をマークし、その面積をデンシトグラフにより読み取り、コンピューター画像解析から、漏出面積を求めた。被検試料あるいは生理食塩水(対照群) は、惹起60分前に胃ゾンデにて経口投与して行った。活性の評価は対照群に対する色素漏出面積の抑制率で示した。
【0021】
2)遅延型アレルギー (IV型)
オキサゾロンによる遅延型アレルギー性皮膚炎検定法に準拠し行った。すなわち、マウス(ICR,雄性,5週令) 腹部を剪毛し、剪毛部に0.5%オキサゾロンエタノール溶液100μlを塗布して感作した。感作5日後、被検試料を0.5%オキサゾロンアセトン溶液で調製し、その10μlを右側耳介に塗布してアレルギーを惹起させた(塗布した被検試料は0.128mg/耳となる) 。
惹起24時間後、マウスをエーテル麻酔死させ、穴径5mmのパンチで左右耳介中凹部を打ち抜き、その重量を測定し、次式で耳介の腫脹率を算出した。
【0022】
【数1】
Figure 0003637355
L:左側正常耳介片重量、 R:右側浮腫耳介片重量
【0023】
また、重量法とは別に浮腫惹起前後の右側耳介の厚みを、エーテル麻酔下ノギスで測定し、次式で耳介の腫脹率を算出する方法も併せて行った。なお、positive controlとしてヒドロコルチゾンを使用した。
【0024】
【数2】
Figure 0003637355
A:浮腫惹起後の耳介の厚み、 B:浮腫惹起前の耳介の厚み
【0025】
実験例4 3−−メチルガロイルエピガロカテキンと4−−メチルガロイルエピガロカテキンの性状
両成分の性状を以下に示す。
【0026】
1)3−−メチルガロイルエピガロカテキン
無色無晶形の粉末
分子式 C232011
分子量 472
1H-NMR (400 MHz, acetone-d6) d: 2.96 (1H, dd, J=17.5 and 3 Hz, H-4),3.04 (1H, dd, J=17.5 and 4 Hz, H-4), 3.82 (3H, s, OCH3), 5.10 (1H, br s, H-2) ,5.52 (1H, m, H-3), 6.03 (1H, d, J=2 Hz, H-8),6.04 (1H, d, J=2 Hz, H-6), 6.64 (2H, s, H-2' and H-6'),7.06 (1H, d, J=2 Hz, H-2"),7.12 (1H, d, J=2 Hz, H-6")
13C-NMR (100 MHz, acetone-d6) d: 26.3 (C-4), 56.5 (OCH3),69.9 (C-3),78.0 (C-2),95.7 (C-8),96.4 (C-6),98.9 (C-4a), 106.0 (C-2"), 106.6 (C-2' and C-6'),111.6 (C-6"),121.7 (C-1"),130.8 (C-1'),133.1 (C-3' and C-5'), 145.7 (C-4'), 146.3 (C-4"), 148.5 (C-5"), 149.6 (C-3"), 157.0 (C-8a), 157.4 (C-5),157.8 (C-7), 166.3 (C=O)
【0027】
2)4−−メチルガロイルエピガロカテキン
無色無晶形の粉末
分子式 C232011
分子量 472
1H-NMR (400 MHz, acetone-d6) d: 2.93 (1H, dd, J=17.5 and 2.5 Hz, H-4), 3.04 (1H, dd, J=17.5 and4.5 Hz, H-4), 3.83 (3H, s, OCH3), 5.06 (1H, br s, H-2), 5.54 (1H, m, H-3),6.03 (1H, d, J=2 Hz, H-8), 6.05 (1H, d, J=2 Hz, H-6),6.64 (2H, s, H-2' and H-6'), 7.00 (2H, s, H-2" and H-6")
13C-NMR (100 MHz, acetone-d6) d: 26.5 (C-4), 60.5 (OCH3),69.8 (C-3),78.0 (C-2),95.7 (C-8),96.4 (C-6),98.8 (C-4a), 106.6 (C-2' and C-6'),109.9 (C-2" and C-6"), 126.4 (C-1"), 130.7 (C-1'), 133.0 (C-3' and C-5'),140.5 (C-4"),146.2 (C-4'),151.0 (C-3" and C-5"), 157.0 (C-8a), 157.4 (C-5),157.8 (C-7), 166.0 (C=O)
[a]23 -156.6。 (c=0.90, MeOH)
FAB-MS 473 [M+H]+
【0028】
実験例5 I型アレルギーに対する抑制効果(in vitro試験)
マウスマスト細胞のヒスタミン遊離に及ぼすエピガロカテキンガレート(EGCGと略す), 3−−メチルガロイルエピガロカテキン(3MGEGCと略す)または4−−メチルガロイルエピガロカテキン(4MGEGCと略す)投与による抗アレルギー活性の結果を図3に示す。
図から明かなように、4MGEGCは非常に強いヒスタミン遊離抑制作用を示した。
【0029】
実験例6 I型アレルギーに対する抑制効果(in vivo 試験)
OVA感作マウスに対するEGCG, 3MGEGCまたは4MGEGC投与による抗アレルギー活性の結果を第1表にそれぞれ示す。
第1表から明かなように、3MGEGCと4MGEGCはいずれも10mg/kgの経口投与において、EGCGより高い活性を示した。
【0030】
【表1】
Figure 0003637355
:positive control、 −:効果なし、 平均±標準偏差
【0031】
また、第2表に示すように、4MGEGCは10mg/kgの経口投与において高い活性を示した。
【0032】
【表2】
Figure 0003637355
NS:有意差なし
【0033】
実験例7 遅延型アレルギー(IV 型) に対する効果
オキサゾロン感作マウスに対するエピカテキン(ECと略す),EGCG, 3MGEGCまたは4MGEGC投与による抗アレルギー活性の結果を第3表に示す。
表から明かなように、耳介厚みによる評価では4MGEGCがEGCGおよび3MGEGCに比較し高い抑制効果を示したが、耳介重量による評価では、そのような傾向は認められなかった。
【0034】
【表3】
Figure 0003637355
平均±標準誤差 *:P<0.05 **:P<0.01 (by Mann-Whitney's U-test)
【0035】
【発明の効果】
本発明の抗アレルギー剤,抗炎症剤は、炎症やアレルギー反応に基づく症状の予防,抑制または軽減に有効である。特に、アトピー性皮膚炎などの症状の予防,抑制または軽減に有効である。
【0036】
本発明は、茶葉に由来する3−−メチルガロイルエピガロカテキンおよび/または4−−メチルガロイルエピガロカテキンのみを有効成分としており、安全性に優れている上に、長期連用の場合にも副作用がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 茶葉からのポリフェノール画分の抽出操作の態様を示す。
【図2】 茶葉から3−−メチルガロイルエピガロカテキンや4−−メチルガロイルエピガロカテキンの単離操作の態様を示す。
【図3】 マウスマスト細胞ヒスタミン遊離抑制に対する各種カテキン誘導体の影響を示すグラフである。
【符号の説明】
図3のは3MGEGCの、は4MGEGCの、○はEGCGの投与結果を示す。

Claims (4)

  1. 3−−メチルガロイルエピガロカテキンおよび/または4−−メチルガロイルエピガロカテキンのみを有効成分として含有することを特徴とする抗アレルギー剤。
  2. 3−−メチルガロイルエピガロカテキンおよび/または4−−メチルガロイルエピガロカテキンのみを有効成分として含有することを特徴とする抗炎症剤。
  3. 抗アレルギー剤が経口抗アレルギー剤である請求項1記載の抗アレルギー剤。
  4. 抗炎症剤が経口抗炎症剤である請求項2記載の抗炎症剤。
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