JP3637027B2 - 鉄道車両用振動制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄道車両の台車と車体との間に生じる振動を制御するための鉄道車両用振動制御装置、特に、減衰力可変ダンパを用いたセミアクティブサスペンション装置として用いる鉄道車両用振動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
鉄道車両には、走行時における乗客の乗り心地の向上を図るため、特に、鉄道車両の進行方向に対する左右方向の振動を抑制又は制御することが望まれている。そこで従来、特開平8-82338号公報,特開平9-301164号公報などにおいて振動制御装置に関する様々の提案がなされている。
【0003】
ところで鉄道車両は、レール上を回動する車輪を軸支する台車と、該台車上に設けられる車体とからおおまかに構成され、前記台車と車体との間には、空気バネ及び左右動ダンパ(振動抑制部)等が備えられている。前記空気バネは主として、台車に生じる上下左右方向の振動が車体へ伝達されるのを抑制するための緩衝装置として用いられている。また、前記左右動ダンパは、車体の左右方向への振動を抑制し、制御するために用いられ、特に、前記左右動ダンパとして減衰力可変ダンパを使用するサスペンション装置(振動制御装置)は、セミアクティブサスペンション装置と呼ばれる。
【0004】
該セミアクティブサスペンション装置を用いて車体の左右方向の振動を制御する場合の制御則には公知のものがあり、以下にその概略を説明する。図13,14は、前記制御則を説明するための説明図であり、図において1は鉄道車両の台車、2は前記台車1上に設けられる車体、3は前記台車1及び車体2の間に設けられるダンパを示している。該ダンパ3は、シリンダ内に粘性流体(作動油など)が充填されており、シリンダ内に設けられたオリフィス(調圧弁)の開口径を調節することにより減衰力が可変となっている。また、図13,14には、鉄道車両の進行方向に対する左右方向を向き、一方向を正とするx軸が示されており、x軸方向における台車1の速度をv1,車体2の速度をv2と仮定する。
【0005】
ここで、v2>0であり、かつ、台車1を基準としたときの車体2の相対速度をvaとしてva=v2−v1>0である場合(図13)、車体2は、台車1に比して大きい速度でx軸の正方向へ変位していることがわかる。従ってこの場合、車体2の左右方向の振動を抑制するために、ダンパ3の減衰力を大きくし、台車1及び車体2の間の結合を強固にする。
【0006】
他方、v2>0であり、かつ、相対速度vaがva=v2−v1<0の関係にある場合(図14)、台車1は、車体2に比して大きい速度でx軸の正方向へ変位していることがわかる。ここで仮に、台車1及び車体2の間の結合を強固にすると、x軸の正方向へより大きな速度で変位する台車1により車体2が同方向へ引っ張られてしまい、かえって車体2は左右方向へ大きく振動してしまう。従ってこの場合、車体2の左右方向の振動を抑制するために、ダンパ3の減衰力を小さくし(0でもよい)、台車1及び車体2の間の結合を弱める。
【0007】
このように、セミアクティブサスペンション装置を用いる場合の制御則は、車体2の速度v2と、台車1を基準としたときの車体2の相対速度vaとに基づいて行われる。即ち、v2>0かつva>0である場合は減衰力を大きくなるように制御し、v2>0かつva<0である場合は減衰力を小さくなるように制御する。また、相対速度vaの大きさに応じた重み付けを行って減衰力の値を適宜制御することも可能である。従って、v2及びvaを取得することにより、セミアクティブサスペンション装置を用いて車体2の振動の制御を行うことができる。
【0008】
上記の公開公報は、共にセミアクティブサスペンション装置を用いるものに関して記載してあり、一方では車体に速度センサ,車体及び台車間に変位センサを設け、また他方では、車体に加速度センサ,車体及び台車間に速度センサを設けることにより、v2及びvaを取得し、車体2の振動の制御に供している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、速度センサ及び変位センサは機械的に動作する必要があり、また、台車と共に激しく振動するため、高度の耐久性が要求され、概して高価なものとなっている。また、変位センサは一般にダンパに内蔵されるため、該ダンパは変位センサを内蔵するための特殊な形状となっており、高価なものとなっている。
【0010】
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、機械的に強固であり、かつ、安価に製造することができるセンサの出力を用い、車体の振動を抑制すべく制御することができる鉄道車両用制御装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係る鉄道車両用振動制御装置は、車輪を軸支する台車と、該台車上に設けられる車体と、該車体に生じる振動を抑制するための振動抑制部とを備える鉄道車両にて、前記車体に生じる振動を制御するための鉄道車両用振動制御装置において、前記台車の加速度を示す台車加速度信号を受け付ける手段と、前記車体の加速度を示す車体加速度信号を受け付ける手段と、受け付けた台車加速度信号及び車体加速度信号に基づき、少なくとも前記台車及び車体の相対速度又は該相対速度の正負を示す情報を取得する相対速度取得手段と、受け付けた車体加速度信号に基づき、前記車体の速度を取得する車体速度取得手段と、前記相対速度取得手段にて取得された少なくとも相対速度又は相対速度の正負を示す情報、及び、前記車体速度取得手段にて取得された車体の速度に基づき、前記車体に生じる振動を抑制するための抑制力情報を取得する抑制力情報取得手段と、取得した抑制力情報を出力する手段とを備え、出力された抑制力情報に基づいて前記振動抑制部が抑制力を発生することにより、前記車体の振動を制御する。
【0012】
このような構成とすることにより、速度センサ及び変位センサを用いず、これらに比して機械的に強固であり、かつ非常に安価である加速度センサを台車及び車体の双方に備えさせ、車体の速度と、車体及び台車の相対速度(又は、該相対速度の正負を示す情報)とを得ることができ、車体の振動を抑制すべく、減衰力可変ダンパ等の振動抑制部を制御することができる。
【0013】
また、本発明に係る鉄道車両用振動制御装置は、車輪を軸支する台車と、該台車上に設けられる車体と、該車体に生じる振動を抑制するための振動抑制部とを備える鉄道車両にて、前記車体に生じる振動を制御するための振動制御装置において、前記台車の加速度を示す台車加速度信号を受け付ける手段と、前記車体の速度を示す車体速度信号を受け付ける手段と、受け付けた台車加速度信号及び車体速度信号に基づき、少なくとも前記台車及び車体の相対速度又は該相対速度の正負を示す情報を取得する相対速度取得手段と、前記相対速度取得手段にて取得された少なくとも相対速度又は該相対速度の正負を示す情報、及び、受け付けた車体速度信号に基づき、前記車体に生じる振動を抑制するための抑制力情報を取得する抑制力情報取得手段と、取得した抑制力情報を出力する手段とを備え、出力された抑制力情報に基づいて前記振動抑制部が抑制力を発生することにより、前記車体の振動を制御する。
【0014】
このような構成とすることにより、変位センサを用いず、これに比して機械的に強固かつ安価である加速度センサを台車に備えさせ、該加速度センサにて検出される台車の加速度と、車体が備える速度センサにて検出される車体の速度に基づき、振動抑制部を制御して振動を抑制させることができる。
【0015】
また、前記相対速度取得手段は、受け付けた信号に含まれる特定の周波数成分を除去するフィルタと、積分器とを有する。
【0016】
入力される信号のうち、車体の振動を抑制するための測定の対象となるのは、例えば1〜10Hzなどのように所定の周波数帯域における信号に限定されている。従ってこのような構成とすることにより、入力された信号のうち、測定の対象外である周波数(上述した例で言えば1Hz以下及び10Hz以上の周波数)を有する信号を除去した上で、所望する周波数を有する信号のみを積分器により処理して相対速度を取得することができ、車体の振動の抑制制御に供することができる。
【0017】
また、前記相対速度取得手段は、オブザーバ又はカルマンフィルタを有する。
【0018】
一例として、入力値として台車の加速度、出力値として車体の加速度とし、途中の状態量として台車及び車体の間の相対速度を取得できるオブザーバを相対速度取得手段として構成する。このような構成とすることにより、速度センサ及び変位センサを用いずとも、例えば台車加速度センサ及び車体加速度センサを用いて、比較的正確に相対速度を取得することができ、車体の振動の抑制制御に供することができる。
【0019】
また、本発明に係る鉄道車両振動装置は、車輪を軸支する台車と、該台車上に設けられる車体と、該車体に生じる振動を抑制するための振動抑制部とを備える鉄道車両にて、前記車体に生じる振動を制御するための鉄道車両用振動制御装置において、前記台車及び車体の間に作用する荷重を示す荷重信号を受け付ける手段と、前記車体の加速度を示す車体加速度信号を受け付ける手段と、受け付けた荷重信号に基づき、少なくとも前記台車及び車体の相対速度及び該相対速度の正負を示す情報を取得する相対速度取得手段と、受け付けた車体加速度信号に基づき、前記車体の速度を取得する車体速度取得手段と、前記相対速度取得手段にて取得された少なくとも相対速度又は該相対速度の正負を示す情報、及び、前記車体速度取得手段にて取得された車体の速度に基づき、前記車体に生じる振動を抑制するための抑制力情報を取得する抑制力情報取得手段と、取得した抑制力情報を出力する手段とを備え、出力された抑制力情報に基づいて前記振動抑制部が抑制力を発生することにより、前記車体の振動を制御する。
【0020】
このような構成とすることにより、速度センサ及び変位センサを用いず、これらに比して機械的に強固であり、かつ非常に安価である加速度センサ及び荷重センサを用い、車体の速度と、車体及び台車の相対速度(又は、該相対速度の正負を示す情報)とを得ることができ、車体の振動を抑制すべく、減衰力可変ダンパ等の振動抑制部を制御することができる。
【0021】
なお、ダンパの減衰指令値(抑制力情報)に応じ、発生する荷重と相対速度との関係を予め取得しておくことにより、前記相対速度取得手段は、前記荷重信号から比較的正確に相対速度を演算することができ、前記振動抑制部を適切に制御することができる。
【0022】
また、本発明に係る鉄道車両用振動制御装置は、車輪を軸支する台車と、該台車上に設けられる車体と、該車体に生じる振動を抑制するための振動抑制部とを備える鉄道車両にて、前記車体に生じる振動を制御するための鉄道車両用振動制御装置において、前記台車及び車体の間に作用する荷重を示す荷重信号を受け付ける手段と、前記車体の速度を示す車体速度信号を受け付ける手段と、受け付けた荷重信号に基づき、少なくとも前記台車及び車体の相対速度又は相対速度の正負を示す情報を取得する相対速度取得手段と、前記相対速度取得手段にて取得された少なくとも相対速度又は相対速度の正負を示す情報、及び、受け付けた車体速度信号に基づき、前記車体に生じる振動を抑制するための抑制力情報を取得する抑制力情報取得手段と、取得した抑制力情報を出力する手段とを備え、出力された抑制力情報に基づいて前記振動抑制部が抑制力を発生することにより、前記車体の振動を制御する。
【0023】
このような構成とすることにより、変位センサを用いず、これに比して機械的に強固かつ安価である荷重センサを用い、該荷重センサにて検出される台車及び車体の相対速度(又は、該相対速度の正負を示す情報)と、車体が備える速度センサにて検出される車体の速度に基づき、振動抑制部を制御して振動を抑制させることができる。
【0024】
また、本発明に係る鉄道車両用振動制御装置は、車輪を軸支する台車と、該台車上に設けられる車体と、該車体に生じる振動を抑制するためのダンパとを備える鉄道車両にて、前記車体に生じる振動を制御するための鉄道車両用振動制御装置において、前記ダンパは、外力に応じた導電率を有する弾性体である感圧導電ゴムからなるゴムブッシュを具備する軸受部を端部に有し、前記ゴムブッシュが有する導電率を示す信号に基づき、少なくとも前記台車及び車体の相対速度又は該相対速度の正負を示す情報を取得する相対速度取得手段と、該相対速度取得手段にて取得された少なくとも相対速度又は該相対速度の正負を示す情報に基づき、前記車体に生じる振動を抑制するための抑制力情報を取得する抑制力情報取得手段と、取得した抑制力情報を出力する手段とを備え、出力された抑制力情報に基づいて前記ダンパが抑制力を発生することにより、前記車体の振動を制御する。
【0025】
このような構成とすることにより、機械的に強固であり安価な荷重センサを構成することができる上に、該荷重センサを用いて車体及び台車の相対的な変位がダンパへ及ぼす外力に応じた信号を検出でき、検出した該信号に基づいて少なくとも前記車体及び台車の相対的な速度、又は該相対速度の正負を示す情報を取得することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面を参照しながら具体的に詳述する。
【0027】
(実施の形態1)
図1は、本発明に係る鉄道車両用振動制御装置(以下、振動制御装置、という)をセミアクティブサスペンション装置として適用した鉄道車両の実施の形態1における構成を示す模式図である。図において1は、下部に車輪を軸支する台車であり、該台車1の上側には乗客及び乗員が搭乗する車体2が、所定間隔を有して備えられている。また、鉄道車両の進行方向を正面方向とした場合に、台車1と車体2との間における両脇には、空気バネ4が、その上端及び下端を夫々車体2及び台車1に取り付けられている。該空気バネ4は、台車1と車体2との間に生じる垂直方向及び水平方向の振動を吸収するためのものである。
【0028】
台車1と車体2との夫々には、棒状のダンパ支持部材1a,2aが設けられている。該ダンパ支持部材1a,2aは、進行方向における位置が略一致し、左右方向に所定間隔を有して位置し、前記ダンパ支持部材1aは台車1の上部に立設し、前記ダンパ支持部材2aは車体2の下部に垂設されている。該ダンパ支持部材1a,2aの間には、減衰力を調節することができる減衰力可変ダンパ(振動抑制部)3が、その長手方向を左右方向と一致させた状態で介装されている。該減衰力可変ダンパ3は、台車1と車体2との間に生じる左右方向の振動を抑制するためのものであり、例えば、内部に充填された粘性流体の通路をなすオリフィスの開口径を開閉することにより、減衰力を調整することができる。
【0029】
また、台車1には台車加速度センサ11が備えられ,車体2には車体加速度センサ21及び振動制御装置100が備えられている。前記振動制御装置100と車体加速度センサ21とは図示しない信号ケーブルを介して接続され、また、振動制御装置100と台車加速度センサ11とは、図示しない信号ケーブルを介して接続されている。
【0030】
図2は、本実施の形態に係る前記振動制御装置100の概略構成を示すブロック図である。図に示すように振動制御装置100は、車体速度取得部110,相対速度取得部120,及び演算部130とを備えている。前記車体速度取得部110は、前記車体加速度センサ21との間で信号線により接続されており、該車体加速度センサ21から入力された車体2の加速度を示す信号に基づいて該車体2の速度を取得する。また、前記相対速度取得部120は、前記台車加速度センサ11及び車体加速度センサ21との間で信号線により接続されており、該台車加速度センサ11から入力された台車1の加速度を示す信号と、車体加速度センサ21から入力された車体2の加速度を示す信号とに基づいて、台車1及び車体2の間の相対速度を取得する。車体速度取得部110にて取得した車体2の速度と、相対速度取得部120にて取得した相対速度とは、演算部130へ入力される。演算部130は、入力された信号が示す情報に基づき、所定の減衰力を示す指示信号を、減衰力可変ダンパ3のオリフィスを開閉させるドライバ(図示せず)へ出力する。
【0031】
図3は、前記車体速度取得部110の概略構成を示すブロック図であり、図4は、前記相対速度取得部120の概略構成を示すブロック図である。図3,4に示すように、車体速度取得部110及び相対速度取得部120は同様の構成をなしており、車体速度取得部110はバンドパスフィルタ(以下、BPF)111及び積分器112を備え、相対速度取得部120はBPF121及び積分器122を備えている。
【0032】
前述したように、車体速度取得部110には、車体加速度センサ21にて検出された車体2の加速度を示す信号が入力される。ところで、車体2の振動を抑制すべく減衰力可変ダンパ3を制御する場合、本実施の形態において必要となる車体の加速度を示す信号は、0.1〜10Hz程度の周波数帯域の信号である。しかし、車体加速度センサ21からBPF111へ入力される信号には更に広い周波数帯域の信号が含まれている。従って、前記BPF111は、0.1〜10Hz程度の周波数帯域の信号のみを通過させる特性を有するものを用いる。このようにBPF111を通過した所定の周波数帯域の信号は積分器112へ入力され、車体2の速度v2が得られる。得られた車体2の速度v2を示す信号は、前記演算部130へ出力される。
【0033】
同様に、相対速度取得部120には、台車加速度センサ11にて検出された台車1の加速度を示す信号と、車体加速度センサ21にて検出された車体2の加速度を示す信号とが入力される。即ち、本実施の形態においては、台車1を基準としたときの車体2の相対加速度aaがBPF121へ入力される。該BPF121も前記BPF111と同様に、0.1〜10Hz程度の周波数帯域の信号のみを通過させる。BPF121を通過した信号は積分器122へ入力され、台車1を基準としたときの車体2の相対速度vaが得られる。得られた相対速度vaを示す信号は、前記演算部130へ出力される。
【0034】
なお、前記BPF111,121に換えてハイパスフィルタを用いてもよい。この場合、1次のハイパスフィルタは、その後に積分器を配することにより全体としてローパスフィルタとなるため、2次以上のハイパスフィルタを用いることが望ましい。
【0035】
次に、上述したような構成をなす振動制御装置100の動作の流れを、図5に示すフローチャートを用いて説明する。前述したように、振動制御装置100が備える車体速度取得部110は、車体2の加速度を示す信号を受け付け(S1)、受け付けた信号に基づいて車体2の速度v2を取得し(S2)、取得した速度v2を示す信号を演算部130へ出力する(S3)。また、相対速度取得部120は、相対加速度aaを示す信号を受け付け(S4)、受け付けた信号に基づいて台車1を基準とする車体2の相対速度vaを取得し(S5)、取得した相対速度vaを示す信号を演算部130へ出力する(S6)。
【0036】
速度v2を示す信号,及び相対速度vaを示す信号が入力された演算部130は(S7)、これらに基づいて減衰力を算出する(S8)。例えば、予め速度v2及び/又は相対速度vaをパラメータとする演算式を設定しておき、実際にステップ7にて入力された速度v2及び相対速度vaを前記演算式へ代入して算出すればよい。なお、速度v2及び/又は相対速度vaに基づいて減衰力を得る方法は公知のものであり、ここでの詳説は省略する。
【0037】
次に演算部130は、入力された速度v2及び相対速度vaの両者を比較し、va*v2>0であるか否かを判別する(S9)。既に説明したように、va*v2>0のときは、台車1に比して車体2はより大きい速度で一方へ振動していることになるため、減衰力可変ダンパ3がステップ8にて算出した減衰力を有するように指示信号を出力する(S10)。また、va*v2<0のときは、車体2に比して台車1はより大きい速度で一方へ振動していることになるため、ステップ8にて算出した減衰力は採用せず、代わりに、減衰力可変ダンパ3が最小の減衰力を有するように指示信号(抑制力情報)を出力する(S11)。
【0038】
ステップ10又は11にて出力された指示信号は、ドライバへ入力され、該ドライバが指示信号に基づいて駆動することにより、減衰力可変ダンパ3が有するオリフィスの開口径は開閉される。
【0039】
以上に説明したように、本実施の形態1に係る振動制御装置100は、速度センサ及び変位センサ等を用いていない。その代わりに台車加速度センサ11及び車体加速度センサ21を用い、それらにて検出した台車1及び車体2の夫々の加速度に基づき、減衰力可変ダンパ3が発揮する減衰力を制御し、車体2の振動を抑制することができる。また、加速度センサは、速度センサ及び変位センサと比べて機械的に強固でありかつ安価であるため、鉄道車両の振動の制御を精度の低下を招くことなく、耐故障性に優れたシステムを低価格にて実現することができる。
【0040】
なお、車体加速度センサ21に替えて速度センサを用いた場合であっても、振動の激しい台車1に前記台車加速度センサ11を用いることにより、上記実施の形態1と同等の効果を得ることができる。
【0041】
(実施の形態2)
実施の形態1に係る振動制御装置100では、バンドパスフィルタ又はハイパスフィルタを用いるものを説明したが、鉄道車両におけるセミアクティブサスペンション装置としては比較的低周波の振動を制御する必要があるため、取得した速度及び相対速度により高い精度を求めることができない場合がある。従って、本実施の形態2では、セミアクティブサスペンション装置としてオブザーバを用いた振動制御装置について説明する。
【0042】
なお、本実施の形態2では、振動制御装置を除く鉄道車両の構成は実施の形態1に示す構成(図1参照)と同様であり、台車加速度センサ11及び車体加速度センサ21を用いる。また、カルマンフィルタは、使用の用途が異なるが、その構成は基本的にオブザーバと同一であるため、本実施の形態2にて説明する振動制御装置は、カルマンフィルタを用いて実現することも可能である。
【0043】
台車1,車体2,減衰力可変ダンパ3,及び空気バネ4からなる系を、台車1の強制加振によって生じる車体2の振動を抑制するものとした場合、全体系は図6のブロック図のように示される。即ち、台車1の加速度をa1,車体2の加速度をa2とした場合に、加速度a1を入力とし、加速度a2を出力とした系で表される。ここで系の状態量として、台車1の加速度をa1,速度をv1,変位をx1とし、車体2の加速度をa2,速度をv2,変位をx2とする。また、減衰力可変ダンパ3のダンパ定数をC、空気バネ4のバネ定数をK、車体2の質量をM2とする。なお、図6では、より複雑な構成をなす実際の系を簡略にモデル化して示してある。
【0044】
前記系を具体的に説明すると、台車加速度センサ11にて検出された系の入力である台車1の加速度a1には外乱として直流ドリフトD1が入力され、併せて積分器へ入力されることにより台車1の速度v1が得られる。得られた速度v1が更に積分器へ入力されることにより台車1の変位x1が得られる。他方、車体加速度センサ21にて検出された車体2の加速度a2には外乱として直流ドリフトD2が入力され、併せて積分器へ入力されることにより車体2の速度v2が得られる。得られた速度v2が更に積分器へ入力されることにより車体2の変位x2が得られる。
【0045】
次に、台車1の速度v1と車体2の速度v2とについて、速度v1を正として差分が取られることにより相対速度vaが得られる。また、台車1の変位x1と車体2の変位x2とについて、変位x1を正として差分が取られることにより相対変位xaが得られる。
【0046】
この様にして得られた相対速度vaにダンパ定数Cが乗ぜられたものと、相対変位xaにバネ定数Kが乗ぜられたものとを加算し、更に車体2の質量M2の逆数を乗ずることにより、車体2の加速度a2が得られる。
【0047】
ところで、上述した系は、相対加速度aa(=a1−a2)と相対速度va(=v1−v2)とを新たな状態量とした場合、図7のブロック図のように示される。即ち、台車加速度センサ11にて検出された台車1の加速度a1を系への入力とし、車体加速度センサ21にて検出された車体2の加速度a2との差分が取られることにより相対加速度aaが得られる。得られた相対加速度aaには外乱として直流ドリフトDが入力され、併せて積分器へ入力されることにより相対速度vaが得られる。得られた相対速度vaが更に積分器へ入力されることにより相対変位xaが得られる。そして、相対速度vaにダンパ定数Cが乗ぜられたものと、相対変位xaにバネ定数Kが乗ぜられたものとを加算し、更に、車体2の質量M2の逆数を乗ずることにより、車体2の加速度a2が得られる。
【0048】
図6,7にて示した系において、台車1及び車体2の相対速度vaを直接的にセンサで検出して得ることはできない。従って、本実施の形態2では、オブザーバ(又は、カルマンフィルタ)200を用いることにより、前記相対速度vaを取得する。図8は、図6,7に示した系に対してオブザーバ200を付加した系を示すブロック図である。
【0049】
オブザーバ200は、入力及び出力が得られる場合に、その系の途中の状態量を得る(観察する)ために用いることができる。従って、台車の加速度a1を入力とし、車体2の加速度a2を出力とした場合に、途中の状態量である相対速度vaを得ることができる。
【0050】
具体的には、オブザーバ200として、図7に示した系と略同一の系を設け、これを図7に示した系に並列に接続する(図8参照)。このように、系とオブザーバ200とは略同一の構成としているが、系にて用いられている積分器の出力値については予め必ずしも正確に知りえないため、系の出力であるa2とオブザーバ200の出力との差を示す前記差分値を用い、オブザーバ200の積分器の値について順次修正を施している。即ち、差分値に対し、定数(図8においてk1,k2,k3)を乗じたものを用い、外乱の入力,加速度a1,a2が入力される積分器の値,及び相対速度vaが入力される積分器の値等が修正される。
【0051】
この結果、系とオブザーバ200との夫々の出力が同一となった場合、このときにオブザーバ200にて得られる相対速度の推定値va’は、実際の相対速度vaと高い精度で略同一と推定することができる。
【0052】
図9は、図8に示したように系に付加されたオブザーバ200を用いて構成した振動制御装置により、時間と共に変化する相対速度vaを推定する実験を行い、該実験により得られた相対速度の推定値va’と実測値vaとの時間変化を示す図表である。なお、前記実験の初期設定として、本制御系には所定の初期値が与えられ、振動制御装置には、前記本制御系とは異なる初期値が与えられている。また、図に示す破線は、台車1及び車体2の相対速度の実測値vaであり、実線は、本実施の形態に係る振動制御装置にて得られた相対速度の推定値va’である。
【0053】
図に示すように、オブザーバ200を用いて構成した振動制御装置によれば、系と振動制御装置とが全く異なる初期値を有している場合であっても、得られた推定値va’は比較的短時間の間に、極めて高い精度で実測値vaと同様の値に収束していることがわかる。
【0054】
このように、本実施の形態に係る振動制御装置によれば、オブザーバ200を用いて構成することにより、相対速度vaの推定値va’をダイナミックかつより正確に得ることができ、これを用いて車体2の振動の制御をより適切に行うことができる。
【0055】
なお、図6乃至8にて示した系及びオブザーバ200は一例である。即ち、状態量の選び方によって系は如何様にも表すことができるため、これに伴いオブザーバも如何様にも表すことができ、本発明に係る振動制御装置は、本実施の形態2にて図示したものに限られない。また、実施の形態1と同様、車体加速度センサ21に替えて速度センサを用いた場合であっても、振動の激しい台車1に前記台車加速度センサ11を用いることにより、上記実施の形態2と同等の効果を得ることができる。
【0056】
(実施の形態3)
図13,14を用いて説明したように、車体2の振動を制御するためには、車体の速度v2の他、少なくとも相対速度vaの正負がわかればよい。本実施の形態3ではこのような観点から、外力に応じて導電率が変動する感圧導電ゴムを利用して相対速度vaの正負を検出し、車体2の振動の制御に供する場合について説明する。
【0057】
図10は、本実施の形態3に係る鉄道車両の構成を示す模式図である。図に示すように本実施の形態に係る鉄道車両は、実施の形態1にて用いた図1に示された台車加速度センサ11が設けられておらず、代わりに荷重センサ30が減衰力可変ダンパ3の一方の軸受部に設けられている。なお、図1と同符号のものは、実施の形態1にて示したものと同様の機能を有するものであるため、ここでの説明は省く。また、図10には、図13,14と同方向を正とするx軸が設けてある。
【0058】
図11は、前記減衰力可変ダンパ3の本実施の形態3に係る構成を示した模式図である。図において31は減衰力可変ダンパ3を構成する円筒形状をなすシリンダである。該シリンダ31の一方又は両方の端部には、該シリンダ31と同軸的に設けられた棒状のピストンロッド32を介し、略円筒形状をなして該ピストンロッド32と直交する向きを軸方向とする軸受部33が設けられている。
【0059】
前記軸受部33は、前記ピストンロッド32に接続される大径で円筒形状の外殻部33aと、該外殻部33aと同軸をなして内側に設けられた小径で円筒形状の内殻部33bとを備え、前記外殻部33aと内殻部33bとの間には感圧導電ゴムからなるゴムブッシュ33cが充填されている。また、前記ゴムブッシュ33cにおけるピストンロッド32側には、一対の電極34,34が所定の間隔を有して埋め込まれ、該電極34,34の夫々には信号ケーブル(図示せず)の一端が接続されている。一般にゴムブッシュ33cは、台車1及び車体2の間の位置ずれ,及び振幅の小さい振動などを吸収することができる。
【0060】
前記ゴムブッシュ33cの材質として用いられる感圧導電ゴムは、導電粉として金属又はカーボンがゴム内に混入されている。そして感圧導電ゴムは、外力が加わることによりゴムブッシュ33cが変形した場合、ゴムブッシュ33c内の導電紛の密度の変動に応じて導電率が変動するという特徴を有している。 即ち、ゴムブッシュ33cを圧縮する向きに外力が加わった場合は、混入されている導電紛の密度が大きくなるため導電率は低下し、逆に拡張する向きに外力が加わった場合は、混入されている導電紛の密度が小さくなるため導電率は高上する。
【0061】
従って、ゴムブッシュ33c内に埋め込まれた一対の電極34,34間の電気抵抗値を測定することにより、前記電極34近傍のゴムブッシュ33cに加わる外力が圧縮方向か拡張方向かを検出でき、本実施の形態3に係る減衰力可変ダンパ3の軸受部33は荷重センサ35として機能する。即ち、図10に示す本実施の形態3に係る鉄道車両において、振動が生じていない場合の電極34,34間の電気抵抗値を基準値として予め測定しておく。そして、振動が生じたときに荷重センサ35が検出した電気抵抗値が前記基準値より大きい場合は、ゴムブッシュ33cに対して拡張する向きに外力が加わったと判別でき、従って、台車1に対する車体2の速度は正の値を有すると判別することができる。逆に、振動が生じたときに荷重センサ35が検出した電気抵抗値が前記基準値より小さい場合は、ゴムブッシュ33cに対して圧縮する向きに外力が加わったと判別でき、従って、台車1に対する車体2の速度は負の値を有すると判別することができる。
【0062】
なお、荷重センサ35が検出した電気抵抗値を示す信号は、振動制御装置へ入力されて相対速度の正負の判断に供されるが、この際に用いる振動制御装置としては、実施の形態1にて説明した振動制御装置100などを用いればよい。但しこの場合、実施の形態1での説明に用いた図2において、相対速度取得部120には、台車加速度センサ11から出力される台車の加速度を示す信号に替わり、ゴムブッシュ33cに埋め込まれた電極34から出力される信号が入力される。
【0063】
次に、本実施の形態3に係る減衰力可変ダンパ3を用いた車体2の振動制御について、図12に示すフローチャートを用いて説明する。
【0064】
振動制御装置100が備える車体速度取得部110は、車体2の加速度を示す信号を受け付け(S21)、受け付けた信号に基づいて車体2の速度v2を取得し(S22)、取得した速度v2を示す信号を演算部130へ出力する(S23)。また、相対速度取得部120は、荷重センサ35から電気抵抗値を示す信号を受け付け(S24)、受け付けた信号に基づいて台車1を基準とする車体2の相対速度vaの正負を判断し(S25)、判断結果を示す信号を演算部130へ出力する(S26)。
【0065】
車体速度取得部110及び相対速度取得部120から夫々出力された信号は演算部130へ入力され(S27)、該演算部130は、入力された信号のうち、車体の速度v2を示す信号に基づいて減衰力を算出する(S28)。減衰力を算出する方法は実施の形態1にて説明した方法と同様であるので、その説明は省略する。
【0066】
次に演算部130は、入力された信号に基づき、相対速度va及び車体の速度v2の正負の符号が互いに同一であるか否かを判別する(S29)。正負の符号が同一であると判別した場合は(S29:YES)、即ちva*v2>0となり、台車1に比して車体2はより大きい速度で一方へ振動していることになるため、減衰力可変ダンパ3がステップ28にて算出した減衰力を有するように指示信号を出力する(S30)。また、正負の符号が互いに異なると判別した場合は(S29:NO)、即ちva*v2<0となり、車体2に比して台車1はより大きい速度で一方へ振動していることになるため、ステップ28にて算出した減衰力は採用せず、代わりに、減衰力可変ダンパ3が最小の減衰力(例えば、0)を有するように指示信号を出力する(S31)。
【0067】
ステップ30又は31にて出力された指示信号は、ドライバへ入力され、該ドライバが指示信号に基づいて駆動することにより、減衰力可変ダンパ3が有するオリフィスの径の絞りは開閉される。
【0068】
このように本実施の形態3に係る減衰力可変ダンパ3によれば、ゴムブッシュ33cに埋め込まれた電極34,34間の電気抵抗値を検出することにより、台車1及び車体2の相対速度の正負を判別することができ、車体2に設けた速度センサまたは加速度センサ等から得られる車体2の速度v2と、判別された正負の結果に基づいて、振動制御装置は車体2の振動を制御することができる。
【0069】
また、本実施の形態3によれば、振動制御装置から出力された指示信号が示す減衰力の値と、荷重センサ30での検出により得られる荷重の値とを比較することができるため、指示信号に基づいて減衰力可変ダンパ3が適切に動作しているか否かを判別することも可能であり、フィードバック制御により更に精度の高い制御を実現することが可能となる。
【0070】
なお、減衰力指令値(例えば、図12におけるステップ31にて演算部130が出力する指示信号が示す減衰力の値)に応じた相対速度と荷重との関係を取得しておくことにより、荷重センサから得られる信号に基づいて比較的正確に相対速度を取得することが可能である。従って、取得した相対速度を利用して適切な減衰力を得、ダンパの高精度の制御を実現することも可能である。
【0071】
【発明の効果】
本発明によれば、機械的に強固であり、かつ、安価に製造することができるセンサの出力を用い、車体の振動を抑制すべく制御することができる制御装置、及び、該制御装置と共に用いるダンパを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る振動制御装置をセミアクティブサスペンション装置として適用した鉄道車両の実施の形態1における構成を示す模式図である。
【図2】実施の形態1に係る振動制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】実施の形態1に係る車体速度取得部の概略構成を示すブロック図である。
【図4】実施の形態1に係る相対速度取得部の概略構成を示すブロック図である。
【図5】実施の形態1に係る振動制御装置の動作の流れを説明するためのフローチャートである。
【図6】台車,車体,減衰力可変ダンパ,及び空気バネからなる実施の形態2に係る全体系を示すブロック図である。
【図7】図6にて、相対加速度及び相対速度を新たな状態量とした場合の本実施の形態2に係る全体系を示すブロック図である。
【図8】図7に示す全体系にオブザーバを付加した系を示すブロック図である。
【図9】系に付加されたオブザーバを用いて構成した振動制御装置により、時間と共に変化する相対速度を推定する実験を行い、該実験により得られた相対速度の推定値と実測値との時間変化を示す図表である。
【図10】実施の形態3に係る鉄道車両の構成を示す模式図である。
【図11】減衰力可変ダンパの本実施の形態3に係る構成を示した模式図である。
【図12】実施の形態3に係る減衰力可変ダンパを用いた車体の振動制御について説明するためのフローチャートである。
【図13】制御則を説明するための説明図である。
【図14】制御則を説明するための説明図である。
【符号の説明】
1 台車
2 車体
3 減衰力可変ダンパ
4 空気バネ
11 台車加速度センサ
21 車体加速度センサ
30 荷重センサ
31 シリンダ
32 ピストンロッド
33 軸受部
33a 外殻部
33b 内殻部
33c ゴムブッシュ
34 電極
100 振動制御装置
110 車体速度取得部
111 バンドパスフィルタ(BPF)
112 積分器
120 相対速度取得部
121 バンドパスフィルタ(BPF)
122 積分器
130 演算部
200 オブザーバ(カルマンフィルタ)

Claims (7)

  1. 車輪を軸支する台車と、該台車上に設けられる車体と、該車体に生じる振動を抑制するための振動抑制部とを備える鉄道車両にて、前記車体に生じる振動を制御するための鉄道車両用振動制御装置において、
    前記台車の加速度を示す台車加速度信号を受け付ける手段と、
    前記車体の加速度を示す車体加速度信号を受け付ける手段と、
    受け付けた台車加速度信号及び車体加速度信号に基づき、少なくとも前記台車及び車体の相対速度又は該相対速度の正負を示す情報を取得する相対速度取得手段と、
    受け付けた車体加速度信号に基づき、前記車体の速度を取得する車体速度取得手段と、
    前記相対速度取得手段にて取得された少なくとも相対速度又は該相対速度の正負を示す情報、及び、前記車体速度取得手段にて取得された車体の速度に基づき、前記車体に生じる振動を抑制するための抑制力情報を取得する抑制力情報取得手段と、
    取得した抑制力情報を出力する手段と
    を備え、
    出力された抑制力情報に基づいて前記振動抑制部が抑制力を発生することにより、前記車体の振動を制御することを特徴とする鉄道車両用振動制御装置。
  2. 車輪を軸支する台車と、該台車上に設けられる車体と、該車体に生じる振動を抑制するための振動抑制部とを備える鉄道車両にて、前記車体に生じる振動を制御するための鉄道車両用振動制御装置において、
    前記台車の加速度を示す台車加速度信号を受け付ける手段と、
    前記車体の速度を示す車体速度信号を受け付ける手段と、
    受け付けた台車加速度信号及び車体速度信号に基づき、少なくとも前記台車及び車体の相対速度又は該相対速度の正負を示す情報を取得する相対速度取得手段と、
    前記相対速度取得手段にて取得された少なくとも相対速度又は該相対速度の正負を示す情報、及び、受け付けた車体速度信号に基づき、前記車体に生じる振動を抑制するための抑制力情報を取得する抑制力情報取得手段と、
    取得した抑制力情報を出力する手段と
    を備え、
    出力された抑制力情報に基づいて前記振動抑制部が抑制力を発生することにより、前記車体の振動を制御することを特徴とする鉄道車両用振動制御装置。
  3. 前記相対速度取得手段は、受け付けた信号に含まれる特定の周波数成分を除去するフィルタと、積分器とを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の鉄道車両用振動抑制装置。
  4. 前記相対速度取得手段は、オブザーバ又はカルマンフィルタを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の鉄道車両用振動制御装置。
  5. 車輪を軸支する台車と、該台車上に設けられる車体と、該車体に生じる振動を抑制するための振動抑制部とを備える鉄道車両にて、前記車体に生じる振動を制御するための鉄道車両用振動制御装置において、
    前記台車及び車体の間に作用する荷重を示す荷重信号を受け付ける手段と、
    前記車体の加速度を示す車体加速度信号を受け付ける手段と、
    受け付けた荷重信号に基づき、少なくとも前記台車及び車体の相対速度又は該相対速度の正負を示す情報を取得する相対速度取得手段と、
    受け付けた車体加速度信号に基づき、前記車体の速度を取得する車体速度取得手段と、
    前記相対速度取得手段にて取得された少なくとも相対速度又は該相対速度の正負を示す情報、及び、前記車体速度取得手段にて取得された車体の速度に基づき、前記車体に生じる振動を抑制するための抑制力情報を取得する抑制力情報取得手段と、
    取得した抑制力情報を出力する手段と
    を備え、
    出力された抑制力情報に基づいて前記振動抑制部が抑制力を発生することにより、前記車体の振動を制御することを特徴とする鉄道車両用振動制御装置。
  6. 車輪を軸支する台車と、該台車上に設けられる車体と、該車体に生じる振動を抑制するための振動抑制部とを備える鉄道車両にて、前記車体に生じる振動を制御するための鉄道車両用振動制御装置において、
    前記台車及び車体の間に作用する荷重を示す荷重信号を受け付ける手段と、
    前記車体の速度を示す車体速度信号を受け付ける手段と、
    受け付けた荷重信号に基づき、少なくとも前記台車及び車体の相対速度又は該相対速度の正負を示す情報を取得する相対速度取得手段と、
    前記相対速度取得手段にて取得された少なくとも相対速度又は該相対速度の正負を示す情報、及び、受け付けた車体速度信号に基づき、前記車体に生じる振動を抑制するための抑制力情報を取得する抑制力情報取得手段と、
    取得した抑制力情報を出力する手段と
    を備え、
    出力された抑制力情報に基づいて前記振動抑制部が抑制力を発生することにより、前記車体の振動を制御することを特徴とする鉄道車両用振動制御装置。
  7. 車輪を軸支する台車と、該台車上に設けられる車体と、該車体に生じる振動を抑制するためのダンパとを備える鉄道車両にて、前記車体に生じる振動を制御するための鉄道車両用振動制御装置において、
    前記ダンパは、外力に応じた導電率を有する弾性体である感圧導電ゴムからなるゴムブッシュを具備する軸受部を端部に有し、
    前記ゴムブッシュが有する導電率を示す信号に基づき、少なくとも前記台車及び車体の相対速度又は該相対速度の正負を示す情報を取得する相対速度取得手段と、
    該相対速度取得手段にて取得された少なくとも相対速度又は該相対速度の正負を示す情報に基づき、前記車体に生じる振動を抑制するための抑制力情報を取得する抑制力情報取得手段と、
    取得した抑制力情報を出力する手段と
    を備え、
    出力された抑制力情報に基づいて前記ダンパが抑制力を発生することにより、前記車体の振動を制御することを特徴とする鉄道車両用振動制御装置。
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