JP2006281963A - 車両制振装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 車体上下の剛体モードの振動と弾性モードの振動とを有効に抑制することができる車両制振装置を提供する。
【解決手段】 車体振動検出部6が車体1の上下方向の振動を検出して振動検出信号を信号分離部9aに出力し、台車振動検出部7が台車2の上下方向の振動を検出して振動検出信号を信号分離部9aに出力する。車体振動検出部6及び台車振動検出部7が出力する振動検出信号を、1Hz付近の低周波信号と8〜15Hz付近の高周波信号とに信号分離部9aが分離して制御部9bに出力し、軸ダンパ4及び空気ばね5の減衰力を制御部9bが制御する。その結果、軸ダンパ4を制御することによって主に車体1の8〜15Hz付近の上下振動が低減され、空気ばね5を制御することによって主に車体1の1Hz付近の低い周波数の上下振動が低減される。
【選択図】 図1

Description

この発明は、車両の上下方向の振動を抑制する車両制振装置に関する。
図5は、鉄道車両の車体の上下方向の振動モードを説明するための模式図である。
鉄道車両の車体の上下方向の振動モードは、剛体モードの振動と弾性モードの振動とに大きく分けられる。剛体モードの振動は、車体を一つの完全な剛体とみなしたときの振動である。剛体モードの振動には、図5(A)に示すように、車体全体が上下方向に平行に動く上下並進(バウシング)振動と、図5(B)に示すように車体の中央部を節として車体の前後が上下に逆相で動くピッチング振動と、図5(C)に示すように車体の回転変位であるローリング振動などが存在する。一方、弾性モードの振動は、実際には車体が一つの弾性体であるために走行中にこの車体に発生する曲げ振動やねじり振動である。弾性モードの振動には、いわゆるびびり振動が存在し、最も代表的なものとして、図5(D)に示すように車体の中央を腹とする一次曲げ振動が存在する。
従来の車両制振装置は、車体と台車枠とを結合し車体の垂直方向の荷重を弾性的に支持する空気ばねと、この空気ばねと直列に接続される補助空気室と、空気ばねと補助空気室との間の絞りの大きさを連続的に変化させる可変絞り機構と、車体の上下振動を検出する加速度センサと、車体と台車枠との間の変位を検出する変位センサと、車体の上下振動を低減するために加速度センサ及び変位センサの出力信号に基づいて可変絞り機構を制御する制御器とを備えている(例えば、特許文献1参照)。このような従来の車両制振装置では、加速度センサ及び変位センサの出力信号に基づいて空気ばねの絞りの大きさを演算し、この空気ばねの絞りを制御することによってこの空気ばねに最適な減衰力を発生させている。
また、従来の車体制振方法は、台車枠と軸箱との間の振動を減衰させる軸ダンパの減衰力を制御して車体上下の一次曲げ振動を低減させている(例えば、非特許文献1参照)。この従来の車体制振方法では、軸ダンパとして電磁比例リリーフ弁を用いた可変減衰ダンパを想定し、この可変減衰ダンパの減衰力を車体の上下振動加速度などの信号をもとに制御することによって、車体上下の一次曲げ振動の低減が可能であることをシミュレーションによって予測している。
特開平6-239230号公報
「上下セミアクティブサスペンションが鉄道車両の走行安定性に与える影響」、菅原 能生 他、日本機械学会[No.03-7]、Dynamics and Design Conference 2003 CD-ROM論文集[2003.9.16-20,長崎]
近年、鉄道の高速化とそれに伴う車両の軽量化などにより、剛性の低下が原因と見られる車体上下の弾性モードの振動が問題となっている。この弾性モードの振動のうち特に一次曲げ振動は、8〜15Hzの周波数帯域付近に位置することが多く、この周波数帯域は人間が最も敏感に上下振動を感じる周波数帯域である4〜8Hzに近いため、乗り心地を悪化させる要因となっている。
従来の車両制振装置では、空気ばねの共振周波数帯域である1Hz付近の車体上下の剛体モードの振動を、空気ばねの減衰力を制御することによって抑えることができる。しかし、従来の車両制振装置では、8〜15Hzの周波数帯域付近の車体上下の弾性モードの振動(一次曲げ振動)を効果的に抑えることができない問題点がある。一方、従来の車体制振方法では、軸ダンパの減衰力を制御することによって、8〜15Hzの周波数帯域付近の車体上下の弾性モードの振動(一次曲げ振動)を抑えることができるが、1Hz付近の車体上下の剛体モードの振動を効果的に抑えることが困難であった。
この発明の課題は、車体上下の剛体モードの振動と弾性モードの振動とを同時に有効に抑制することができる車両制振装置を提供することである。
この発明は、以下に記載するような解決手段により、前記課題を解決する。
なお、この発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、この実施形態に限定するものではない。
請求項1の発明は、車両(T)の上下方向の振動を抑制する車両制振装置であって、前記車両の車体(1)の振動を検出する車体振動検出部(6)と、前記車両の台車(2)の台車枠(2d)とこの台車の軸箱(2c)との間の振動を減衰させる第1の減衰部(4)と、前記台車枠と前記車体との間の振動を減衰させる第2の減衰部(5)と、前記車体の振動を抑制するために、前記車体振動検出部が出力する振動検出信号に基づいて、前記第1及び前記第2の減衰部の減衰力を制御する制御部(9)とを備える車両制振装置(3)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の車両制振装置において、前記台車の振動を検出する台車振動検出部(7)を備え、前記制御部は、前記車体振動検出部及び前記台車振動検出部が出力する振動検出信号に基づいて、前記第1及び前記第2の減衰部の減衰力を制御することを特徴とする車両制振装置である。
請求項3の発明は、車両(T)の上下方向の振動を抑制する車両制振装置であって、前記車両の台車(2)の振動を検出する台車振動検出部(7)と、前記台車の台車枠(2d)とこの台車の軸箱(2c)との間の振動を減衰させる第1の減衰部(4)と、前記台車枠と前記車両の車体(1)との間の振動を減衰させる第2の減衰部(5)と、前記車体の振動を抑制するために、前記台車振動検出部が出力する振動検出信号に基づいて、前記第1及び前記第2の減衰部の減衰力を制御する制御部(9)とを備える車両制振装置(3)である。
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の車両制振装置において、前記振動検出信号を高周波信号と低周波信号とに分離する信号分離部(9a)を備え、前記制御部は、前記高周波信号に基づいて前記第1の減衰部の減衰力を制御し、前記低周波信号に基づいて前記第2の減衰部の減衰力を制御することを特徴とする車両制振装置である。
請求項5の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の車両制振装置において、前記振動検出信号に基づいて前記車体の振動を弾性モードの振動と剛体モードの振動とにモード分離する振動モード展開部(9c)を備え、前記制御部は、前記弾性モードの共振周波数帯域の振動を抑制するように前記第1の減衰部の減衰力を制御し、前記剛体モードの振動を抑制するように前記第2の減衰部の減衰力を制御することを特徴としている車両制振装置である。
請求項6の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の車両制振装置において、前記台車枠と前記軸箱との間の変位を検出する第1の変位検出部(10)を備えることを特徴とする車両制振装置である。
請求項7の発明は、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の車両制振装置において、前記車体と前記台車枠との間の変位を検出する第2の変位検出部(8)を備えることを特徴とする車両制振装置である。
請求項8の発明は、請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の車両制振装置において、前記制御部は、前記第1の変位検出部が出力する変位検出信号、前記第2の変位検出部が出力する変位検出信号、前記車体振動検出部が出力する振動検出信号、又は前記台車振動検出部が出力する振動検出信号の少なくとも一つに基づいて、前記第1及び/又は第2の減衰部の減衰力を制御することを特徴とする車両制振装置である。
この発明によると、車体の上下方向の剛体モードの振動と弾性モードの振動とを有効に抑制することができる。
(第1実施形態)
以下、図面を参照して、この発明の第1実施形態について詳しく説明する。
図1は、この発明の第1実施形態に係る車両制振装置を備える車両を概略的に示す側面図である。図2は、この発明の第1実施形態に係る車両制振装置を備える車両を概略的に示す平面図である。以下では、振動及び変位は、これまで説明したように全て車両Tの上下方向として説明する。
図1に示す軌道Rは、車両Tが走行する通路(線路)である。軌道Rは、車両Tの車輪2aを支持し案内してこの車両Tを走行させるレールR1などから構成されている。車両Tは、軌道Rに沿って走行する鉄道車両である。車両Tは、例えば、電車又は気動車などである。車両Tは、図1に示すように、車体1と、台車2と、車両制振装置3などを備えている。
車体1は、乗客等を積載し輸送するための構造物である。台車2は、車体1を支持して走行する装置であり、図1及び図2に示すように、車輪2aと、車軸2bと、軸箱2cと、台車枠2dと、軸ばね2eなどを備えている。車輪2aは、レールR1と転がり接触する部材であり、車軸2bは車輪2aと一体となって回転する部材である。軸箱2cは、車軸2bを回転自在に支持する部材であり、図示しない軸箱支持装置によって台車枠2dの所定の位置に保持されている。台車枠2dは、台車2の主要構成部であり、左右の側梁とこれらをつなぐ横梁などによって構成されている。台車枠2dは、図示しないけん引装置によって車体1との間で前後方向の力が伝達される。軸ばね2eは、軸箱2cと台車枠2dとを結合し垂直方向の荷重を弾性的に支持する装置であり、これらの間の衝撃を緩和する一次ばねとして機能する。
車両制振装置3は、車両Tの振動を抑制する装置である。車両制振装置3は、軸ダンパ4の減衰力を制御して車体1の一次曲げ振動などの弾性モードの振動を抑制するとともに、空気ばね5の減衰力を制御して車体1の上下並進振動などの剛体モードの振動を抑制する。車両制振装置3は、図1に示すように、軸ダンパ4と、空気ばね5と、車体振動検出部6と、台車振動検出部7と、変位検出部8と、制御装置9などを備えている。
軸ダンパ4は、軸箱2cと台車枠2dとの間の振動を減衰させる手段である。軸ダンパ4は、例えば、減衰力を制御可能な可変減衰軸ダンパなどであり、軸ばね2eとともに軸箱2cと台車枠2dとの間の衝撃を緩和する一次ばね系を構成する。軸ダンパ4を用いて車体1の弾性モードの振動のうち主として一次曲げ振動を抑制する。軸ダンパ4は、軸箱2cと台車枠2dとの間に連結される油圧ダンパと、この油圧ダンパを作動させる油圧回路などを備えている。軸ダンパ4の減衰力制御に電磁比例リリーフ弁を使用する場合は、油圧回路内を流れる油に流動抵抗を与える絞り弁の前後の圧力差を、制御部9bからの指令に応じてこの電磁比例リリーフ弁のリリーフ圧を変化させて減衰力を制御する。軸ダンパ4の減衰力制御に高速切替電磁弁を使用する場合は、制御部9bからの指令に応じてこの高速切替電磁弁によって複数の絞り弁の組み合わせを任意に切り替えて減衰力を制御する。軸ダンパ4は、非制御時には通常の軸ダンパと同様の減衰特性になる。例えば、軸ダンパ4の電磁比例リリーフ弁を、非給電時に通常の軸ダンパと同様の減衰を与えるようにしておけば、電磁比例リリーフ弁への電源供給を停止することで軸ダンパ4を通常の軸ダンパと同等の減衰特性に切替ることができる。これにより、制御部9bが故障して軸ダンパ4への電源供給が停止した場合などでも、軸ダンパ4は通常の軸ダンパと同様の特性となるため、通常の軸ダンパ使用時と同等の乗り心地が確保できる。
空気ばね5は、車体1と台車枠2dとの間を結合し、車体1の垂直方向の荷重を支持しつつ台車枠2から車体1に伝わる振動を低減する手段である。空気ばね5は、例えば、減衰力を制御可能な制御絞り内蔵型空気ばねなどであり、車体1と台車枠2dとの間の衝撃を緩和する二次ばねとして機能する。空気ばね5を用いて図5に示すような車体の剛体モードの振動のうち主として上下並進振動及びピッチング振動を抑制する。空気ばね5は、この空気ばね5に直列に接続されて圧力空気室として機能する補助空気室と、空気ばね5に内蔵されこの空気ばね5と補助空気室との間の空気通路の有効面積を指令値に応じて変化させることができる絞り制御弁などを備えている。空気ばね5は、例えば、制御部9bからの指令に応じて絞り弁の絞り径(開度)を変化させて減衰力を制御できる。空気ばね5は、非制御時には通常の空気ばねと同様の減衰特性になる。例えば、空気ばね5の絞り制御弁を、非給電時に通常の空気ばねと同様の減衰を与えるようにしておけば、制御弁への電源供給を停止することで空気ばね5を通常の空気ばねと同等の減衰特性に切替ることができる。これにより、制御部9bが故障して空気ばね5への電源供給が停止した場合などでも、空気ばね5は通常の空気ばねと同様の特性となるため、通常の空気ばね使用時と同等の乗り心地が確保できる。
車体振動検出部6は、車体1の振動を検出する手段である。車体振動検出部6は、例えば、車体1の上下方向の加速度を検出する加速度センサなどである。車体振動検出部6は、図2に示すように、車体1の中心線上の中央床面に1台設置され、車体1の中心線上の台車2の直上(台車2の回転軸線上)の床面にそれぞれ1台設置されており、車体1に合計3台設置されている。車体振動検出部6は、車体1の振動に応じた振動検出信号(加速度信号)を信号分離部9aに出力する。
台車振動検出部7は、台車2の振動を検出する手段である。台車振動検出部7は、例えば、台車2の上下方向の加速度を検出する加速度センサなどである。台車振動検出部7は、台車2の中心線上の中央(台車2の回転軸線上)の上面にそれぞれ1台設置されている。台車振動検出部7は、台車2の振動に応じた振動検出信号(加速度信号)を信号分離部9aに出力する。
変位検出部8は、車体1と台車枠2dとの間の変位を検出する手段である。変位検出部8は、空気ばね5の変位(ストローク)を検出するセンサなどである。変位検出部8は、図2に示すように、それぞれの空気ばね5と対応して合計4台設置されている。変位検出部8は、空気ばね5の変位に応じた変位検出信号を制御部9bに出力する。
制御装置9は、車両制振装置3の種々の動作を制御する装置である。制御装置9は、車両Tの振動を抑制するための車両制振プログラムに基づいて種々の処理を実行するコントローラである。制御装置9は、車体振動検出部6、台車振動検出部7及び変位検出部8が出力する振動検出信号及び変位検出信号を所定の処理をして、車体1の振動を抑制するように軸ダンパ4及び空気ばね5の減衰力を制御する。制御装置9は、図2に示すように、信号分離部9aと制御部9bなどを備えている。
信号分離部9aは、車体振動検出部6及び台車振動検出部7が出力する振動検出信号を高周波信号と低周波信号とに分離する手段である。信号分離部9aは、例えば、車体振動検出部6及び/又は台車振動検出部7が出力する振動検出信号のうち高周波数成分(例えば、8〜15Hz付近)と低周波数成分(例えば、1Hz付近)とを分離するアナログフィルタ又はディジタルフィルタなどである。信号分離部9aは、分離後の振動検出信号を制御部9bに出力する。
制御部9bは、軸ダンパ4及び空気ばね5の減衰力を制御する手段である。制御部9bは、車体1の振動を抑制するために、車体振動検出部6、台車振動検出部7及び変位検出部8が出力する振動検出信号及び変位検出信号に基づいて、軸ダンパ4及び空気ばね5の減衰力を制御する。制御部9bは、信号分離部9a及び変位検出部8が出力する振動検出信号及び変位検出信号に基づいて、所定の制御則に従って演算処理を実行し、軸ダンパ4及び空気ばね5の減衰力を制御する。制御部9bは、例えば、振動検出信号を積分して車体1及び台車2の振動速度を演算するとともに、変位検出信号を微分して車体1と台車2との間の相対振動速度を演算する。制御部9bは、これらの演算結果に基づいて軸ダンパ4の電磁比例リリーフ弁のリリーフ圧力又は高速切替弁の切替パターン、及び空気ばね5の絞りの大きさを演算して、最適な減衰力を発生するように軸ダンパ4及び空気ばね5を制御する。制御部9bは、軸ダンパ4に最適な減衰力を発生させるための減衰力指令信号(駆動電流)をこの軸ダンパ4の電磁比例リリーフ弁又は高速切替電磁弁に出力するとともに、空気ばね5に最適な減衰力を発生させるための減衰力指令信号(駆動電流)をこの空気ばね5の絞り制御弁に出力する。
次に、この発明の第1実施形態に係る車両制振装置の動作を説明する。
図1に示す車両Tが走行すると、図5に示すような車体の剛体モードの振動と弾性モードの振動とが発生する。このとき、車体振動検出部6が車体1の振動を検出して振動検出信号を信号分離部9aに出力し、台車振動検出部7が台車2の振動を検出して振動検出信号を信号分離部9aに出力する。また、変位検出部8が空気ばね5の変位を検出して変位検出信号を制御部9bに出力する。一般に、車体の上下方向の剛体モードの振動は1Hz付近に存在することが多く、車体上下の弾性振動モードのうち特に一次曲げ振動は8〜15Hz付近の周波数帯域に存在することが多い。このため、車体振動検出部6及び台車振動検出部7が出力する振動検出信号を、1Hz付近の低周波信号と8〜15Hz付近の高周波信号とに信号分離部9aが分離して制御部9bに出力し、軸ダンパ4及び空気ばね5の減衰力を制御部9bが制御する。その結果、軸ダンパ4を制御することによって主に車体1の8〜15Hz付近の振動が低減され、空気ばね5を制御することによって主に車体1の1Hz付近の低い周波数の振動が低減される。
この発明の第1実施形態に係る車両制振装置には、以下に記載するような効果がある。
(1) この第1実施形態では、車体1の振動を低減するために、車体振動検出部6及び/又は台車振動検出部7が出力する振動検出信号に基づいて、軸ダンパ4及び空気ばね5の減衰力を制御部9bが制御する。このため、軸ダンパ4および空気ばね5が車体1の振動を低減する。その結果、車体1の振動を低減して車両Tの乗り心地を向上させることができる。
(2) この第1実施形態では、振動検出信号を高周波信号と低周波信号とに信号分離部9aが分離し、高周波信号に基づいて軸ダンパ4の減衰力を制御部9bが制御し、低周波信号に基づいて空気ばね5の減衰力を制御部9bが制御する。このため、単純な周波数重みをかけることによって、高い周波数の車体振動を軸ダンパ4が低減し、低い周波数の車体振動を空気ばねが低減するため、高い周波数が主体である車体弾性モードの振動と、低い周波数が主体であるの車体剛体モードの振動を効率的に低減することができる。
(3) この第1実施形態では、空気ばね5の変位を変位検出部8が検出し、この変位検出部8が出力する変位検出信号及び振動検出信号に基づいて、軸ダンパ4及び空気ばね5の減衰力を制御部9bが制御する。このため、空気ばね5の減衰力を精度よく制御することができる。
(第2実施形態)
図3は、この発明の第2実施形態に係る車両制振装置を備える車両を概略的に示す平面図である。以下では、図1及び図2に示す部分と同一の部分については、同一の番号を付して詳細な説明を省略する。
図3に示す制御装置9は、制御部9bと振動モード展開部9cとを備えている。振動モード展開部9cは、車体振動検出部6及び台車振動検出部7が出力する振動検出信号に基づいて、車体1の振動を弾性モードの振動と剛体モードの振動とに振動モード展開部9cがモード分離する。振動モード展開部9cは、例えば、振動検出信号に基づいて上下並進振動などの剛体モードの振動と、一次曲げなどの弾性モードの振動とを所定の演算式(例えば、特開2003-72544号公報参照)に基づいて分離する演算器などである。振動モード展開部9cは、分離後の振動検出信号を制御部9bに出力する。制御部9bは、弾性モードの共振周波数帯域の振動を抑制するように軸ダンパ4の減衰力を制御し、剛体モードの振動を抑制するように空気ばね5の減衰力を制御する。この第2実施形態には、第1実施形態と同様の効果がある。
(第3実施形態)
図4は、この発明の第3実施形態に係る車両制振装置を備える車両を概略的に示す側面図である。
図4に示す車両制振装置3は、軸ダンパ4と、空気ばね5と、車体振動検出部6と、台車振動検出部7と、変位検出部8と、制御装置9と、変位検出部10などを備えている。変位検出部10は、軸箱2cと台車枠2dとの間の変位を検出する手段である。変位検出部10は、例えば、可変減衰軸ダンパのピストン変位(ストローク)を検出するセンサなどである。変位検出部10は、それぞれの軸ダンパ4と対応して合計8台設置されている。変位検出部10は、軸ダンパ4の変位(伸縮量)に応じた変位検出信号を制御部9bに出力する。この第3実施形態には、第1実施形態及び第2実施形態の効果に加えて、変位検出部10が出力する変位検出信号に基づいて軸ダンパ4及び空気ばね5の減衰力を制御するため制御の精度をより一層向上させることが期待できる。
(他の実施形態)
この発明は、以上説明した実施形態に限定するものではなく、以下に記載するように種々の変形又は変更が可能であり、これらもこの発明の範囲内である。
(1) この実施形態では、車体振動検出部6及び台車振動検出部7として加速度センサを合計5台設置した場合を例に挙げて説明したが、角速度センサや角加速度センサなどを使用したり車体及び台車の振動モード並びに制御したい振動モードに応じて設置個数を増減したりすることもできる。例えば、この実施形態において車体のローリングモードの振動も制御したい場合は、車体のローリング振動を検出できるようにセンサの台数を増やせば、このモードの制御が可能となる。また、この実施形態では、軸ダンパ4及び空気ばね5を例に挙げて説明したが、これら以外の他の構造の減衰部を使用することもできる。
(2) この実施形態では、車体振動検出部6、台車振動検出部7及び変位検出部8,10が出力する振動検出信号及び変位検出信号に基づいて軸ダンパ4及び空気ばね5の減衰力を制御する場合を例に挙げて説明したが、これらの振動検出信号又は変位検出信号の少なくとも一つに基づいて軸ダンパ4及び空気ばね5の減衰力を制御することもできる。例えば、車体1の振動及び空気ばね5の変位を検出したり、車体1の振動及び軸ダンパ4の変位を検出したり、車体1の振動及び台車2の振動を検出したり、車体1の振動、台車2の振動及び空気ばね5の変位を検出したり、車体1の振動、空気ばね5の変位及び軸ダンパ4の変位を検出したり、車体1の振動のみを検出したり、台車2の振動及び空気ばね5の変位を検出したり、台車2の振動及び軸ダンパ4の変位を検出したりすることもできる。この場合には、例えば、制御則の中に車体の力学モデル(運動方程式)を元に導出される状態推定器を制御部9bが備えるように構成し、車体1の振動又は空気ばね5の変位などから制御に必要となる車両各部の変位や速度などを推定して最適な減衰力を演算し、制御することもできる。さらに、この実施形態では、信号分離部9a又は振動モード展開部9cと制御部9bとが独立しているがこのような構成に限定するものではなく、現代制御論などを用いることによってこれらを一つにすることもできる。例えば、カルマンフィルタと最適制御則の組み合わせ又はH∞制御則などの現代制御論を用いる場合などは、信号分離部9a又は振動モード展開部9cと制御部9b、そして直接センサで計測していないが制御に必要となる情報を推定する状態推定器を同時に設計することができる。
この発明の第1実施形態に係る車両制振装置を備える車両を概略的に示す側面図である。 この発明の第1実施形態に係る車両制振装置を備える車両を概略的に示す平面図である。 この発明の第2実施形態に係る車両制振装置を備える車両を概略的に示す平面図である。 この発明の第3実施形態に係る車両制振装置を備える車両を概略的に示す側面図である。 鉄道車両の車体の上下方向の振動モードを説明するための模式図である。
符号の説明
1 車体
2 台車
2a 車輪
2b 車軸
2c 軸箱
2d 台車枠
2e 軸ばね
3 車両制振装置
4 軸ダンパ(第1の減衰部)
5 空気ばね(第2の減衰部)
6 車体振動検出部
7 台車振動検出部
8 変位検出部(第2の変位検出部)
9 制御装置
9a 信号分離部
9b 制御部
9c 振動モード展開部
10 変位検出部(第1の変位検出部)
T 車両
R 軌道
1 レール

Claims (8)

  1. 車両の上下方向の振動を抑制する車両制振装置であって、
    前記車両の車体の振動を検出する車体振動検出部と、
    前記車両の台車の台車枠とこの台車の軸箱との間の振動を減衰させる第1の減衰部と、
    前記台車枠と前記車体との間の振動を減衰させる第2の減衰部と、
    前記車体の振動を抑制するために、前記車体振動検出部が出力する振動検出信号に基づいて、前記第1及び前記第2の減衰部の減衰力を制御する制御部と、
    を備える車両制振装置。
  2. 請求項1に記載の車両制振装置において、
    前記台車の振動を検出する台車振動検出部を備え、
    前記制御部は、前記車体振動検出部及び前記台車振動検出部が出力する振動検出信号に基づいて、前記第1及び前記第2の減衰部の減衰力を制御すること、
    を特徴とする車両制振装置。
  3. 車両の上下方向の振動を抑制する車両制振装置であって、
    前記車両の台車の振動を検出する台車振動検出部と、
    前記台車の台車枠とこの台車の軸箱との間の振動を減衰させる第1の減衰部と、
    前記台車枠と前記車両の車体との間の振動を減衰させる第2の減衰部と、
    前記車体の振動を抑制するために、前記台車振動検出部が出力する振動検出信号に基づいて、前記第1及び前記第2の減衰部の減衰力を制御する制御部と、
    を備える車両制振装置。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の車両制振装置において、
    前記振動検出信号を高周波信号と低周波信号とに分離する信号分離部を備え、
    前記制御部は、前記高周波信号に基づいて前記第1の減衰部の減衰力を制御し、前記低周波信号に基づいて前記第2の減衰部の減衰力を制御すること、
    を特徴とする車両制振装置。
  5. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の車両制振装置において、
    前記振動検出信号に基づいて前記車体の振動を弾性モードの振動と剛体モードの振動とにモード分離する振動モード展開部を備え、
    前記制御部は、前記弾性モードの共振周波数帯域の振動を抑制するように前記第1の減衰部の減衰力を制御し、前記剛体モードの振動を抑制するように前記第2の減衰部の減衰力を制御すること、
    を特徴とする車両制振装置。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の車両制振装置において、
    前記台車枠と前記軸箱との間の変位を検出する第1の変位検出部を備えること、
    を特徴とする車両制振装置。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の車両制振装置において、
    前記車体と前記台車枠との間の変位を検出する第2の変位検出部を備えること、
    を特徴とする車両制振装置。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の車両制振装置において、
    前記制御部は、前記第1の変位検出部が出力する変位検出信号、前記第2の変位検出部が出力する変位検出信号、前記車体振動検出部が出力する振動検出信号、又は前記台車振動検出部が出力する振動検出信号の少なくとも一つに基づいて、前記第1及び/又は第2の減衰部の減衰力を制御すること、
    を特徴とする車両制振装置。

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