JP4771727B2 - 輪重変動抑制装置 - Google Patents

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この発明は、車両が走行するときに発生する輪重の変動を抑制する輪重変動抑制装置に関する。
車輪とレールとの間には垂直方向に力が作用しており、これを輪重と呼んでいる。この輪重は車両の停止時には車両の重量を支える力と等しく、一定の値となりこれを静止輪重と呼ぶ。車両が走行すると、レールの継ぎ目やレール頭頂面の凹凸、輪軸の質量不釣り合いや車両の運動状況などによって、この輪重は変動する。この輪重変動は、走行安定性の確保や軌道保守量の増加の抑制、さらには地盤振動の低減のために、小さく抑えることが望まれている。
輪重変動は走行速度が速くなるほど大きくなる傾向がある(例えば、非特許文献1参照)。この非特許文献1の図−1に示すように、走行速度が高いほど輪重の標準偏差(輪重の変動)が大きくなっており、高速走行する車両ほどその低減技術が必要となる。輪重変動を抑制するためには、軸ばねより下(レール側)の部材(輪軸や軸箱など)の軽量化が効果的であるといわれている。例えば、非特許文献1の図−6に示すように、ばね下2.1tonよりばね下1.5tonの方が、レール凹凸に対する輪重変動の応答倍率が小さくなっている。しかし、10Hz付近の比較的低い周波数の輪重変動に対しては、ばね下の軽量化の効果が低い。一方、制御技術を使った輪重変動の抑制例がある(例えば、特許文献1参照)。これは、特に緩和曲線など軌道面の捻れのある箇所を通過するときに、空気ばねの給排気を適切に行うことによって、輪重のアンバランスが発生するのを抑制するものである。しかし、特許文献1に記載の技術では、低速での曲線通過のような、軌道と車体の幾何学的配置に依存して発生する静的に近いような輪重変動を抑制することはできるが、動的な輪重変動を抑制することは難しい。このように、上記の技術では、いずれも5〜15Hz付近の輪重変動を改善することが困難であった。
「軌道と車両の諸条件が輪重変動に及ぼす影響の実測評価」、三輪 昌弘 他、平成11年鉄道技術連合シンポジウム(J-RAIL'99)
特開2003-165436号公報
この発明の課題は、車両側の対策によって輪重変動を抑制し軌道に与える損傷や地盤の振動を低減することができる輪重変動抑制装置を提供することである。
この発明は、以下に記載するような解決手段により、前記課題を解決する。
なお、この発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、この実施形態に限定するものではない。
請求項1の発明は、図1及び図2に示すように、車両(T)が走行するときに発生する輪重(P)の変動を抑制する輪重変動抑制装置であって、前記車両の台車(2)の軸箱(2c)の振動を検出する振動検出部(5)と、前記台車の台車枠(2d)と前記軸箱との間の振動を減衰させる減衰部(4)と、前記台車枠と前記軸箱との間の変位を検出する変位検出部(6)と、前記台車の車輪(2a)とレール(R1)との間に作用する輪重の変動を抑制するために、前記振動検出部及び前記変位検出部の検出結果に基づいて、前記減衰部の減衰力を制御する制御部(7b)とを備える輪重変動抑制装置(3)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の輪重変動抑制装置において、前記変位検出部は、前記台車枠と前記軸箱とを結合し、この台車枠の荷重を弾性的に支持する軸ばね(2e)及び/又はこの台車枠とこの軸箱との間の振動を減衰させる軸ダンパ(4)の変位を検出し、前記制御部は、前記軸ダンパの減衰力を制御することを特徴とする輪重変動抑制装置である。
請求項3の発明は、図4及び図5に示すように、車両(T)が走行するときに発生する輪重(P)の変動を抑制する輪重変動抑制装置であって、前記車両の台車(2)の軸箱(2c)の振動を検出する振動検出部(5)と、前記台車の台車枠(2d)と前記軸箱との間の振動を減衰させる第1の減衰部(4)と、前記車両の車体(1)と前記台車枠との間の振動を減衰させる第2の減衰部(8)と、前記台車枠と前記軸箱との間の変位を検出する第1の変位検出部(6)と、前記車体と前記台車枠との間の変位を検出する第2の変位検出部(9)と、前記台車の車輪(2a)とレール(R1)との間に作用する輪重の変動を抑制するために、前記振動検出部並びに前記第1及び前記第2の変位検出部の検出結果に基づいて、前記第1及び前記第2の減衰部の減衰力を制御する制御部(7b)とを備える輪重変動抑制装置(3)である。
請求項4の発明は、請求項3に記載の輪重変動抑制装置において、前記第1の変位検出部は、前記台車枠と前記軸箱とを結合し、この台車枠の荷重を弾性的に支持する軸ばね(2e)及び/又はこの台車枠とこの軸箱との間の振動を減衰させる軸ダンパ(4)の変位を検出し、前記第2の変位検出部は、前記車体と前記台車枠との間の変位を検出し、前記制御部は、前記車体と前記台車枠との間の振動を減衰させる空気ばね及び前記軸ダンパの減衰力を制御することを特徴とする輪重変動抑制装置である。
請求項5の発明は、請求項2又は請求項4に記載の輪重変動抑制装置において、前記軸ダンパは、非制御時には通常の軸ダンパと同様の減衰特性になることを特徴とする輪重変動抑制装置である。
請求項6の発明は請求項4に記載の輪重変動抑制装置において、前記空気ばねは、非制御時に通常の空気ばねと同様の減衰特性になることを特徴とする輪重変動抑制装置である。
この発明によると、車両側の対策によって輪重変動を抑制し軌道に与える損傷や地盤の振動を低減することができる。
(第1実施形態)
以下、図面を参照して、この発明の第1実施形態について詳しく説明する。
図1は、この発明の第1実施形態に係る輪重変動抑制装置を備える車両を概略的に示す側面図である。図2は、この発明の第1実施形態に係る輪重変動抑制装置を備える車両を概略的に示す平面図である。
図1に示す輪重Pは、レールR1と車輪2aとの間に作用する垂直方向の力である。輪重Pは、1車輪当たりの上下方向の荷重であり、車両Tが静止時には一定の値となり、これを静止輪重P0という。さらに、車両Tが走行状態にあるときは、車両Tの運動、軌道狂いやレール頭頂面又は車輪踏面の凹凸などに起因して、レールR1と車輪2aとの相互作用によりこの輪重Pは変動する。このとき、静止輪重P0と輪重Pとの差を輪重変動ΔPと呼ぶ。
軌道Rは、車両Tが走行する通路(線路)である。軌道Rは、車両Tの車輪2aを支持し案内してこの車両Tを走行させるレールR1などから構成されている。車両Tは、軌道Rに沿って走行する鉄道車両であり、例えば電車又は気動車などである。車両Tは、図1に示すように、車体1と、台車2と、輪重変動抑制装置3などを備えている。
車体1は、乗客等を積載し輸送するための構造物である。台車2は、車体1を支持して走行する装置であり、図1及び図2に示すように、車輪2aと、車軸2bと、軸箱2cと、台車枠2dと、軸ばね2eなどを備えている。車輪2aは、レールR1と転がり接触する部材であり、車軸2bは車輪2aと一体となって回転する部材である。軸箱2cは、車軸2bを回転自在に支持する部材であり、図示しない軸箱支持装置によって台車枠2dの所定の位置に保持されている。台車枠2dは、台車2の主要構成部であり、左右の側梁とこれらをつなぐ横梁などによって構成されている。台車枠2dは、図示しないけん引装置によって車体1との間で前後方向の力が伝達される。軸ばね2eは、軸箱2cと台車枠2dとを結合し垂直方向の荷重を弾性的に支持する装置であり、これらの間の衝撃を緩和する一次ばねとして機能する。
輪重変動抑制装置3は、車両Tが走行するときに発生する軌道Rの振動を抑制するためにこの車両Tの輪重変動ΔPを抑制する装置である。輪重変動抑制装置3は、軸ダンパ4の減衰力を制御することによって輪重変動ΔPを抑制し、軌道R及びこの軌道Rを支持する地盤の振動を抑制し軌道に与える損傷を低減する。輪重変動抑制装置3は、図1に示すように軸ダンパ4と、振動検出部5と、変位検出部6と、制御装置7などを備えている。
軸ダンパ4は、軸箱2cと台車枠2dとを結合し、軸箱2cと台車枠2dとの間の振動を減衰させる手段である。軸ダンパ4は、例えば、減衰力を制御可能な可変減衰軸ダンパなどであり、軸ばね2eとともに軸箱2cと台車枠2dとの間の衝撃を緩和する一次ばね系を構成する。軸ダンパ4は、軸箱2cと台車枠2dとの間に連結された油圧ダンパと、この油圧ダンパを作動させる油圧回路などを備えている。軸ダンパ4は、例えば、電磁比例リリーフ弁を使用する場合には、油圧回路内を流れる油に流動抵抗を付与する絞り弁の前後の圧力差をこの電磁比例リリーフ弁によって変化させ、減衰力を制御する。軸ダンパ4は、例えば、高速切替電磁弁を使用する場合には、この高速切替電磁弁によって複数の絞り弁の組み合わせを任意に切り替えて減衰力を制御する。軸ダンパ4は、非制御時には通常の軸ダンパと同様の減衰特性になる。軸ダンパ4は、例えば、制御部7bが故障してこの制御部7bからの電源供給が停止したような非制御時には、安全性を確保するために電磁比例リリーフ弁や高速切替電磁弁を戻しばねによって復帰させて、通常の軸ダンパと同様の減衰特性に戻す。
振動検出部5は、軸箱2cの振動を検出する手段である。振動検出部5は、例えば、軸箱2cの上下方向の加速度を検出する加速度センサなどである。振動検出部5は、図2に示すように、それぞれの軸箱2cと対応して合計8台設置されている。振動検出部5は、車体1の振動に応じた振動検出信号(加速度信号)を制御部7bに出力する。
変位検出部6は、軸箱2cと台車枠2dとの間の変位を検出する手段であり、軸ダンパ4の変位を検出する。変位検出部6は、例えば、可変減衰軸ダンパのピストン変位(ストローク)を検出するセンサなどである。変位検出部6は、図2に示すように、それぞれの軸ダンパ4と対応して合計8台設置されている。変位検出部6は、軸ダンパ4の変位(伸縮量)に応じた変位検出信号を制御部7bに出力する。
制御装置7は、輪重変動抑制装置3の種々の動作を制御する装置である。制御装置7は、輪重変動ΔPを抑制するための輪重変動抑制プログラムに基づいて種々の処理を実行するコントローラである。制御装置7は、振動検出部5が出力する振動検出信号及び変位検出部6が出力する変位検出信号を所定の処理をして、台車2の振動を抑制するように軸ダンパ4の減衰力を制御する。制御装置7は、図2に示すように演算部7aと制御部7bなどを備えている。
図3は、この発明の第1実施形態に係る輪重変動抑制装置における輪重変動の抑制方法を説明するためのモデル図である。
図2に示す演算部7aは、軸ダンパ4の最適な減衰力を演算する手段である。演算部7aは、振動検出部5が出力する振動検出信号と変位検出部6が出力する変位検出信号とに基づいて、輪重変動ΔP(=輪重P−静止輪重P0)を例えば以下の数1によって演算する。
Figure 0004771727
数1に示すΔPは、図1に示す輪重Pの変動分(輪重変動)であり、mは輪軸及び軸箱2cの質量である。図3に示すk1は、軸ばね2eの1輪軸あたりのばね定数であり、c1は軸ダンパ4の1輪軸あたりの減衰係数であり、z0は車輪2aと車軸2bとから構成される輪軸の上下変位であり、z1は車両静止時をゼロとしたときの軸ダンパ4及び軸ばね2eのストロークである。ここで、数1に示す質量m、ばね定数k1及び減衰係数c1は既知であるため、軸箱2cの加速度、軸箱2cと台車枠2dとの間の変位を測定し、さらにこの変位を微分して速度も計算することによって数1に示す輪重変動ΔPを演算することができる。演算部7aは、振動検出部5が出力する振動検出信号と変位検出部6が出力する変位検出信号とに基づいて数1に示す輪重変動ΔPを演算し、この輪重変動ΔPを抑制するために最適な軸ダンパ4の減衰力を演算してこの演算結果を制御部7bに出力する。
制御部7bは、軸ダンパ4の減衰力を制御する手段である。制御部7bは、輪重変動ΔPを抑制するために、振動検出部5及び変位検出部6の検出結果に基づいて軸ダンパ4の減衰力を制御する。制御部7bは、PID制御又は現代制御論などの制御則に従って、数1に示す輪重変動ΔPが小さく(輪重Pができるだけ一定)なるように軸ダンパ4の減衰力を制御する。制御部7bは、例えば軸ダンパ4に最適な減衰力を発生させるための減衰力指令信号(駆動電流)をこの軸ダンパ4の電磁比例リリーフ弁又は高速切替電磁弁に出力する。
次に、この発明の第1実施形態に係る輪重変動抑制装置の動作を説明する。
図1に示す車両Tが走行すると、この車両Tの上下方向や左右方向の動揺などによって輪重Pが変動する。このとき、振動検出部5が軸箱2cの振動を検出して振動検出信号を演算部7aに出力し、変位検出部6が軸箱2cと台車枠2dとの間の変位を検出して変位検出信号を演算部7aに出力する。これらの振動検出信号及び変位検出信号に基づいて、数1に示す輪重変動ΔPが小さくなるような減衰力を演算部7aが演算して、この減衰力を軸ダンパ4が発生するように軸ダンパ4を制御部7bが制御する。その結果、図1に示す輪重変動ΔPが極力小さくなるため、軌道破壊といったような軌道Rへの悪影響を低減し、あわせて地盤振動の低減も期待できる。
この発明の第1実施形態に係る輪重変動抑制装置には、以下に記載するような効果がある。
(1) この第1実施形態では、軸箱2cの振動を振動検出部5が検出するとともに、軸箱2cと台車枠2dとの変位を変位検出部6が検出し、これらの検出結果に基づいて輪重変動ΔPを抑制するために軸ダンパ4の減衰力を制御部7bが制御する。このため、軌道Rに与える損傷や地盤の振動を低減することができる。
(2) この第1実施形態では、非給電時には軸ダンパ4が通常の軸ダンパと同様の減衰特性になる。このため、制御部7bが故障して電源供給が断たれたようなときに安全性を確保することができる。
(第2実施形態)
図4は、この発明の第2実施形態に係る輪重変動抑制装置を備える車両を概略的に示す側面図である。図5は、この発明の第2実施形態に係る輪重変動抑制装置を備える車両を概略的に示す平面図である。以下では、図1及び図2に示す部分と同一の部分については、同一の番号を付して詳細な説明を省略する。
図4及び図5に示す輪重変動抑制装置3は、軸ダンパ4と、振動検出部5と、変位検出部6と、制御装置7と、空気ばね8と、変位検出9などを備えている。空気ばね8は、車体1と台車枠2dを結合し、垂直方向の荷重を弾性的に支持するとともに、空気ばね8と補助空気室との間の空気流路に設けられた絞りにより振動減衰効果を与え、車体1に伝わる振動や衝撃を緩和する手段である。空気ばね8は、例えば、減衰を制御可能な制御絞り内蔵型空気ばねなどであり、車体1と台車枠2dとの間の衝撃を緩和する二次ばねとして機能する。空気ばね8は、この空気ばね8に直列に接続されて圧力空気室として機能する補助空気室と、空気ばね8に内蔵されこの空気ばね8と補助空気室との間の空気通路の面積を可変する絞り制御弁などを備えている。空気ばね8は、例えば、制御部7bからの指令値に応じて絞り弁の絞り径(開度)が変化し、これにより減衰力制御を行う。空気ばね8は、非制御時には通常の空気ばねと同様の減衰特性になる。空気ばね8は、例えば、非給電時若しくは制御部7bが故障時には、安全性を確保するために絞り制御弁を戻しばね等によって復帰させて、通常の空気ばねと同様の減衰特性に戻す。
変位検出部9は、車体1と台車枠2dとの間の変位を検出する手段である。変位検出部9は、例えば、制御絞り内蔵型空気ばねの上下変位(ストローク)を検出するセンサなどである。変位検出部9は、図5に示すように、それぞれの空気ばね8と対応して合計4台設置されている。変位検出部9は、空気ばね8の変位(伸縮量)に応じた変位検出信号を制御部7bに出力する。
図4に示す演算部7aは、振動検出部5が出力する振動検出信号と変位検出部6,9が出力する変位検出信号とに基づいて、輪重変動ΔPを数1によって演算する。演算部7aは、振動検出部5が出力する振動検出信号と変位検出部6,9が出力する変位検出信号とに基づいて数1に示す輪重変動ΔPを演算し、この輪重変動ΔPを抑制するために最適な軸ダンパ4の減衰力を演算して、この演算結果を制御部7bに出力する。
制御部7bは、輪重変動ΔPを抑制するために、振動検出部5及び変位検出部6,9の検出結果に基づいて軸ダンパ4及び空気ばね8の減衰力を制御する。制御部7bは、PID制御又は現代制御論などの制御則に従って、数1に示す輪重変動ΔPが小さく(輪重Pができるだけ一定)なるように軸ダンパ4及び空気ばね8の減衰力を制御する。
この発明の第2実施形態に係る輪重変動抑制装置には、第1実施形態の効果に加えて、以下に記載するような効果がある。
この第2実施形態では、軸箱2cの振動を振動検出部5が検出し、軸箱2cと台車枠2dとの間の変位を変位検出部6が検出し、車体1と台車枠2dとの間の変位を変位検出部9が検出し、これらの検出結果に基づいて輪重変動ΔPを抑制するために軸ダンパ4及び空気ばね8の減衰力を制御部7bが制御する。このため、軸ダンパ4の減衰力の制御に加えて空気ばね8の減衰力も制御するため、輪重変動ΔPがより低減でき、軌道破壊等の軌道への悪影響を一層低減することが期待できる。
(他の実施形態)
この発明は、以上説明した実施形態に限定するものではなく、以下に記載するように種々の変形又は変更が可能であり、これらもこの発明の範囲内である。
(1) この実施形態では、輪重変動ΔPを計算する際に輪軸の上下方向の運動のみを考慮したが、実際には輪軸のロール方向の運動も考慮して計算することができる。この場合には、ロール方向の運動を考慮した方が輪重変動ΔPの値が正確に算出できるため、輪重変動ΔPの抑制効果が大きくなる。また、この実施形態では、軸ダンパ4、空気ばね8及びこの空気ばねと補助空気室との間に設けられた絞りを例に挙げて説明したが、これら以外の他の構造の減衰部を使用することもできる。さらに、この実施形態では、軸ダンパ4の変位を変位検出部6によって検出する場合を例に挙げて説明したが、軸ばね2eの変位で代用することもできる。また、車体の力学モデルが精度良く得られている場合は、そのモデルから導出される状態推定器等を制御装置に組み込むことにより、振動検出部5から得られる軸箱2cの上下振動加速度のみを用いて減衰部の制御が可能である。さらにそのセンサの数も減少させることが可能である。
(2) この実施形態では、振動検出部5が出力する振動検出信号及び変位検出部6,9が出力する変位検出信号に基づいて、軸ダンパ4及び空気ばね8の減衰力を制御する場合を例に挙げて説明したが、振動検出信号又は変位検出信号の少なくとも一つに基づいて軸ダンパ4及び空気ばね8の減衰力を制御することもできる。例えば、軸箱2cの振動のみを検出して軸ダンパ4及び空気ばね8の減衰力を制御することもできる。この場合には、例えば、車体の力学モデル(運動方程式)から導出される状態推定器等を制御部7bに組み込むことにより軸箱2cの振動又は軸ダンパ4の変位などを用いて減衰部の制御が可能である。
この発明の第1実施形態に係る輪重変動抑制装置を備える車両を概略的に示す側面図である。 この発明の第1実施形態に係る輪重変動抑制装置を備える車両を概略的に示す平面図である。 この発明の第1実施形態に係る輪重変動抑制装置における輪重変動の抑制方法を説明するためのモデル図である。 この発明の第2実施形態に係る輪重変動抑制装置を備える車両を概略的に示す側面図である。 この発明の第2実施形態に係る輪重変動抑制装置を備える車両を概略的に示す平面図である。
符号の説明
1 車体
2 台車
2a 車輪
2b 車軸
2c 軸箱
2d 台車枠
2e 軸ばね
3 輪重変動抑制装置
4 軸ダンパ(第1の減衰部)
5 振動検出部
6 変位検出部(第1の変位検出部)
7 制御装置
7a 演算部
7b 制御部
8 空気ばね(第2の減衰部)
9 変位検出部(第2の変位検出部)
P 輪重
ΔP 輪重変動
T 車両
R 軌道
1 レール

Claims (6)

  1. 車両が走行するときに発生する輪重の変動を抑制する輪重変動抑制装置であって、
    前記車両の台車の軸箱の振動を検出する振動検出部と、
    前記台車の台車枠と前記軸箱との間の振動を減衰させる減衰部と、
    前記台車枠と前記軸箱との間の変位を検出する変位検出部と、
    前記台車の車輪とレールとの間に作用する輪重の変動を抑制するために、前記振動検出部及び前記変位検出部の検出結果に基づいて、前記減衰部の減衰力を制御する制御部と、
    を備える輪重変動抑制装置。
  2. 請求項1に記載の輪重変動抑制装置において、
    前記変位検出部は、前記台車枠と前記軸箱とを結合し、この台車枠の荷重を弾性的に支持する軸ばね及び/又はこの台車枠とこの軸箱との間の振動を減衰させる軸ダンパの変位を検出し、
    前記制御部は、前記軸ダンパの減衰力を制御すること、
    を特徴とする輪重変動抑制装置。
  3. 車両が走行するときに発生する輪重の変動を抑制する輪重変動抑制装置であって、
    前記車両の台車の軸箱の振動を検出する振動検出部と、
    前記台車の台車枠と前記軸箱との間の振動を減衰させる第1の減衰部と、
    前記車両の車体と前記台車枠との間の振動を減衰させる第2の減衰部と、
    前記台車枠と前記軸箱との間の変位を検出する第1の変位検出部と、
    前記車体と前記台車枠との間の変位を検出する第2の変位検出部と、
    前記台車の車輪とレールとの間に作用する輪重の変動を抑制するために、前記振動検出部並びに前記第1及び前記第2の変位検出部の検出結果に基づいて、前記第1及び前記第2の減衰部の減衰力を制御する制御部と、
    を備える輪重変動抑制装置。
  4. 請求項3に記載の輪重変動抑制装置において、
    前記第1の変位検出部は、前記台車枠と前記軸箱とを結合し、この台車枠の荷重を弾性的に支持する軸ばね及び/又はこの台車枠とこの軸箱との間の振動を減衰させる軸ダンパの変位を検出し、
    前記第2の変位検出部は、前記車体と前記台車枠との間の変位を検出し、
    前記制御部は、前記車体と前記台車枠との間の振動を減衰させる空気ばね及び前記軸ダンパの減衰力を制御すること、
    を特徴とする輪重変動抑制装置。
  5. 請求項2又は請求項4に記載の輪重変動抑制装置において、
    前記軸ダンパは、非制御時には通常の軸ダンパと同様の減衰特性になること、
    を特徴とする輪重変動抑制装置。
  6. 請求項4に記載の輪重変動抑制装置において、
    前記空気ばねは、非制御時に通常の空気ばねと同様の減衰特性になること、
    を特徴とする輪重変動抑制装置。
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