JP4261898B2 - 鉄道車両 - Google Patents

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JP4261898B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄道車両に関し、特に、車輪の軌条への乗り上がりを防止ないしは抑制するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
走行中の鉄道車両は、カントや曲線走行中の遠心力、横風、軌道狂い等の様々な影響により、車輪が軌条に乗り上がり、万が一の場合には脱線に繋がることもある。このような車輪の乗り上がりに対しては、従来、車両及び軌道の保守に頼っており、また、急曲線においては、例えば下記の特許文献1に開示されているように、軌条の内側に脱線防止ガードを設置する手法が用いられていた。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−36201号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、所定の基準を満たすよう保守や脱線防止ガードの設置を行ったとしても、部品の精度のばらつきや保守の誤差等の複合的な原因から、所期の効果が得られない場合がある。
【0005】
そこで、本発明の目的は、上述したような原因を特定しにくい場合でも、車輪の軌条への乗り上がりを防止ないしは抑制することのできる手段を備えた鉄道車両を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明者らは種々検討した結果、車輪の乗り上がりが生じるか否かの判断には脱線係数や輪重抜け係数等が用いられることから、軌条に及ぼす車輪の垂直方向荷重、いわゆる輪重が車輪の乗り上がりに大いに関係していることに着目した。
【0007】
脱線係数は、対象となる車輪の輪重(P)に対する当該車輪に作用する横圧(Q)の比(Q/P)であり、これが大きくなればなるほど、乗り上がりの可能性が高くなることが分かっている。また、輪重抜け係数とは、対象となる車輪の基準輪重Pに対する当該車輪の実際の輪重Pと基準輪重Pとの差の比((P−P)/P)をいい、この輪重抜け係数が大きいほど、乗り上がりの可能性が高くなる。このような関係において、輪重を増加させた場合、脱線係数は小さくなり、輪重抜け係数小さくなるので、車輪の乗り上がりが生じにくくなることが分かる。
【0008】
本発明は、かかる知見に基づいてなされたものであり、車体と、車輪を有する輪軸が配設され、車体の下方に配置される台車とを備える鉄道車両において、車輪のうち所望の車輪についての輪重を増加させる輪重増加手段を備えることを特徴としている。
【0009】
この構成においては、輪重が減じて乗り上がりが生じると予想される時点、或いは、乗り上がりが生じ得る状態になったことを検出した時点等、必要時に輪重増加手段を作動させて輪重を増加させることができるので、車輪の乗り上がりを防止ないしは抑制することが可能となる。
【0010】
車輪の乗り上がりが生じ得る状態を検出する手段としては、車輪のそれぞれについての輪重を取得する輪重取得手段が考えられる。そして、輪重取得手段により取得された輪重が所定のしきい値を超えた場合に、乗り上がりのおそれがあるものし、輪重増加手段を作動させればよいのである。
【0011】
輪重のしきい値は、車速に応じて定めることができる。例えば、しきい値は、車速に比例した値としても、車速の応じて段階的に定めた値としてもよい。このようにしきい値を定めておけば、車速を検出する車速検出手段を設け、この車速検出手段により検出された車速に対応する輪重のしきい値を、輪重取得手段により取得された輪重が越えた場合に、輪重増加手段を作動させることができる。これは、低速度域では輪重抜け(輪重減少)が車輪の乗り上がりの主たる原因であるが、高速度域では、輪重抜けが小さくても、横圧によって乗り上がりが生じ得ることを考慮したものである。
【0012】
また、車速検出手段により停車中であることを検出した場合に、輪重取得手段により車輪のそれぞれについての輪重を取得し、取得された輪重に基づいて輪重増加手段を作動させて、停車時の輪重バランスを調整してもよい。このように停車時に静的輪重バランスを調整しておけば、輪重がアンバランスとなっている状態での車両走行を防止し、ひいては車輪の乗り上がりを防止することができる。
【0013】
台車は、一般に、台車枠と、輪軸を台車枠に弾性的に支持する軸ばねとを備えているが、そのような構成において、輪重取得手段は、軸ばねと台車枠との間に配置され軸ばねからの負荷を検出するロードセルを備えたものが好適である。或いは、輪重取得手段は、軸ばねのひずみ量を検出するひずみゲージのようなひずみ量検出器であってもよい。
【0014】
また、鉄道車両が、車体と台車との間に配置され、車体の幅方向に互いに離間して配置された1対の空気ばねを備えている場合、輪重取得手段は、空気ばねの内圧を検出する圧力検出手段と、台車の台車枠のねじれを検出するねじれ検出手段とを備えるものも考えられる。各空気ばねの内圧は左右各側の車輪の輪重合計値に対応し、また、ねじれ検出手段により台車枠のねじれ状態を検出することで、前後の車輪についての輪重の配分量が分かる。従って、圧力検出手段とねじれ検出手段の検出結果から輪重を求めることが可能となる。
【0015】
なお、圧力検出手段のみから、輪重偏在度を求め、これを輪重として扱うことも可能である。
【0016】
輪重増加手段としては、台車枠と輪軸との間にて軸ばねと並列に配設された直動型のアクチュエータ、例えば油圧シリンダ、空気圧シリンダ、電動シリンダ、回転運動を直線運動に変換するボールネジ付きの電動モータ等が考えられる。また、アクチュエータは軸ばねに並列に配設する必要はなく、直列に配設してもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明による鉄道車両の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図中、同一又は相当部分には同一符号を付し、その重複した説明は省略する。また、以下の説明において、鉄道車両の前進方向を前側とし、「左」「右」は前向きの状態を基準とする。
【0018】
図1は本発明の一実施形態に係る鉄道車両を概略的に示す正面図、図2は図1の鉄道車両を概略的に示す部分側面図である。図1及び図2に示す鉄道車両10は旅客車であり、車体12と、その下部に配設した2台の2軸台車14と、車体12と台車14との間に配設された空気ばね(枕ばね)16とを備えている。
【0019】
車体12は、長方形状の外郭をなして旅客を収容することができ、特に図示の車体12の前部は乗務員室18とされている。乗務員室18内には、鉄道車両10の走行、ドア20の開閉等を制御する制御装置22が設置されている。制御装置22は、図3に示すように、入力部24、中央演算処理部26、記憶部28及び出力部30からなるマイクロコンピュータ等から構成されるものである。
【0020】
各台車14は、図4にも示すように、上方から見て略H字形状をなす台車枠32を備えている。この台車枠32は、鉄道車両10の進行方向(長手方向)に延びると共に鉄道車両10の幅方向に互いに離間された1対の側梁34を備えている。これらの側梁34同士は、その略中央部にて、鉄道車両10の幅方向に延びると共に鉄道車両10の長手方向において互いにやや離間された1対の横梁36によって連結されている。各側梁34の中央部には、空気ばね16が載置される載置台38が設けられている。
【0021】
台車枠32における各側梁34の前端部下方及び後端部下方にはそれぞれ、輪軸40を回転自在に支持するための軸箱42が配設されており、各軸箱42は側梁34の対応の端部に、略垂直方向に向けられた軸ばね44によって弾性的に支持されている。前側の左右1対の軸箱42間及び後側の左右1対の軸箱42間にはそれぞれ、輪軸40を構成する車軸46が回転自在に支持されている。また、各車軸46の両端には、これも輪軸40を構成する車輪48が取り付けられており、軌道50を構成する軌条52上で転動可能となっている。
【0022】
なお、少なくとも1つの軸箱42には、車速を検出するための車速検出手段としての速度発電機54が設けられ車軸46に接続されている。この速度発電機54からの出力信号は、制御装置22に入力されるようになっている。
【0023】
空気ばね16は、前述した台車枠32の各載置台38上に設置され、車体12を支持するようになっている。各空気ばね16には、空気ばね16の内部と連通する補助空気室56が空圧配管58を介して接続されている。
【0024】
更に、本実施形態に係る鉄道車両10は、各軸ばね44と直列に配設されたロードセル(輪重取得手段)60を備えている。より詳細には、各軸ばね44の上端と対応する側梁34の端部の下面との間にロードセル60が設置されている。このロードセル60は、軸ばね44から受ける力を測定し、その測定値に相当する信号を制御装置22に入力する。各軸ばね44からロードセル60に及ぼす力と、当該軸ばね44に対応する車輪48について輪重とは一対一の関係となっているため、制御装置22は、ロードセル60からの測定値信号を受けることで、各車輪48の輪重の値を求めることができる。
【0025】
また、各軸ばね44の軸線と平行に直動型のアクチュエータ(輪重増加手段)、好ましくは油圧シリンダ62が配置されている。油圧シリンダ62は、軸箱44と側梁34の端部とのそれぞれから延設されたブラケット64,66間に設置されている。
【0026】
油圧シリンダ62に係る油圧回路は図3に示す通りである。油圧回路は、作動油を貯留するオイルタンク68と、オイルタンク68内の作動油を油圧シリンダ62に圧送するための油圧ポンプ70と、油圧シリンダ62に対する作動油の供給流路を切り換え且つ流量を調整するための制御弁72とから主として構成されている。
【0027】
制御弁72としては、3ポジション4ポート型のソレノイド式スプール弁が好ましく、そのPポートは油圧ポンプ70の吐出口に配管74を介して接続され、Rポートは配管76を介してオイルタンク68に接続されている。また、制御弁72のAポートは配管78を介して油圧シリンダ62のピストンロッド80とは反対側のシリンダチャンバ82に接続され、Bポートは配管84を介して他側のシリンダチャンバ86に接続されている。
【0028】
制御弁72は、制御装置22によってそのポジションの切換えが行われ、通常時はセンタポジションa1に置かれる。センタポジションa1では、PポートとRポートとは連通し、AポートとBポートはそれぞれ遮断される。また、制御弁72のポジションがポジションa2に切り換えられると、PポートとAポートとが連通し、RポートとBポートとが連通する。従って、油圧ポンプ70からの作動油は、油圧シリンダ62の上側のシリンダチャンバ82内に供給され、ピストンロッド80が下方に押動され、油圧シリンダ62の全長が伸びる。油圧シリンダ62の全長が伸びた場合には、油圧シリンダ62の推力が、当該シリンダ62に隣接する車輪48に加えられることから、その車輪48についての輪重が増加する。一方、制御弁72のポジションがポジションa3に切り換えられると、PポートとBポートとが連通し、RポートとAポートとが連通する。これによって、油圧ポンプ70からの作動油は、油圧シリンダ62の下側のシリンダチャンバ86内に供給され、ピストンロッド80が上方に移動し、油圧シリンダ62の全長は短くなる。
【0029】
なお、配管78と配管84との間にはバイパス配管88が接続されている。このバイパス配管88には、絞り90と、ソレノイド式の開閉弁92が介設されていいる。この開閉弁92の開閉制御も制御装置22によって行われる。
【0030】
次に、以上のような構成において、本実施形態に係る鉄道車両10の作用について、制御装置22の動作を示すフローチャートである図5も参照して説明する。
【0031】
まず、制御装置22の記憶部28に、予め各車輪48についての基準輪重P0を記憶させておく。基準輪重P0は適宜定められるものであるが、例えば通常の2軸ボギー車の車両重量をWとした場合、理想的な軸重はW/4となり、各車輪48の基準輪重P0は更にその1/2(すなわちW/8)とすることができる。また、鉄道車両10の運転開始時、制御弁72はセンタポジションa1にあり、開閉弁92は開状態にあるものとする。
【0032】
この状態から鉄道車両10を発車すると、制御装置22は鉄道車両10が走行を開始したことを速度発電機54からの信号によって認識する(ステップ100)。そして、制御装置22は、各車輪48についての輪重Pをロードセル60からの信号によりリアルタイムに取得し(ステップ102)、この測定値に基づいて各車輪48についての輪重抜け係数((P0−P)/P0)を演算する(ステップ104)。
【0033】
輪重抜け係数が、全ての車輪48について所定のしきい値未満、例えば0.6未満である場合には、車輪48の乗り上がりは生じない、或いは生じても微少であると判断し、制御装置22は制御弁72のポジションをセンタポジションa1に維持すると共に、開閉弁92の開状態も維持する(ステップ106〜110)。この際、開閉弁92は開放されたままにあるので、油圧シリンダ62のシリンダチャンバ82,86間は互いに連通し、且つ、両者間を繋ぐバイパス配管88には絞り90があるため、油圧シリンダ62がダンパとして機能する。
【0034】
この後、例えば軌道50の急曲線に鉄道車両10が進入する等の理由から、ある車輪48(例えば、図4において添え字xを付した車輪)についての輪重が減少し、輪重抜け係数が0.6以上となったならば、制御装置22はその状態をロードセル60からの信号に基づく演算処理によって認識し、当該車輪48xについての輪重を増加させるために必要な油圧シリンダ62xの推力を決定する(ステップ106,112)。そして、開閉弁92を閉じ、制御弁72のポジションをポジションa2に切り換えると共に、制御弁72のスプールの位置を調整し、油圧シリンダ62xのシリンダチャンバ82に必要量の作動油を供給する(ステップ114,116)。これによって、油圧シリンダ62xの全長が伸び、車輪48xに力が加えられ、輪重が増加、調整される。その結果として、輪重抜け係数が小さくなり、しきい値を下回ることはもとより、脱線係数(Q/P)も大きくなることからも明らかな通り、車輪48xの軌条52への乗り上がりが抑制ないしは防止される。
【0035】
その後、直線状の軌道50に鉄道車両10が戻る等して、輪重のアンバランスが解消されたならば、車輪48xについての輪重は輪重調整後よりも更に増加する。従って、制御装置22は、輪重調整直後の測定値を基準にし、それ以上に輪重の測定値が上昇した場合には、制御弁72のポジションをポジションa3に切り換えて、作動油を油圧シリンダ62xのシリンダチャンバ86内に供給し、油圧シリンダ62の全長を処理状態に戻す(ステップ118,120)。そして、制御弁72をセンタポジションa1に戻し、開閉弁92を開き、元の状態に復帰させる(ステップ108,110)。
【0036】
以上、車輪48の乗り上がりの防止・抑制のための方法について簡単に説明したが、他にも種々の方法が考えられる。
【0037】
例えば、鉄道車両10は低速度域では、輪重抜けが乗り上がり、ひいては脱線の主たる原因であるが、高速度域では輪重抜けが小さくとも、横圧が大きく影響する。制御装置22の記憶部28に、鉄道車両10の速度が増すにつれて比例的に小さくなる輪重抜け係数のしきい値を設けて、車速に応じて輪重を増加させるタイミングを変えることとしてもよい。或いはまた、車速に対して段階的に輪重を増加させるしきい値を変えることも考えられる。例えば、車速が時速0〜30kmにおいては、輪重抜け係数が0.8以上でアクチュエータ62を動作させ、時速30〜60kmにおいては、輪重抜け係数が0.7以上、そして時速60km以上においては、輪重抜け係数が0.6以上でアクチュエータ62を動作させることとしてもよい。
【0038】
また、旅客車にあっては、旅客の乗車位置によって輪重のバランスが崩れる場合があるので、旅客が乗り降りするたびに、輪重の増減を行ってアンバランスの是正を図ることも考えられる。これを図6のフローチャートに沿って説明する。
【0039】
まず、制御装置22は、鉄道車両10が停車していることを速度発電機54からの信号により認識し、且つ、ドア20を開けた後に閉じる命令を発したことで乗客の入れ替えが完了したことを認識したならば、その際の各車輪48についての輪重をロードセル60からの信号により取得し輪重抜け係数を算出する(ステップ200〜208)。そして、全ての車輪48についての輪重抜け係数が所定の範囲内に収まるように、油圧シリンダ62の全長を決定し、制御弁72を制御して油圧シリンダ62の全長を調整し輪重のアンバランスを解消する(ステップ210,212)。なお、前回に停車した際、調整直後の油圧シリンダ62の全長を測定し、その測定値を制御装置22の記憶部28に記憶させ、それを基準データとして次の油圧シリンダ62の全長を調整する際に利用すると、調整量が少なくて済むという利点がある。
【0040】
このようにして静的な輪重のアンバランスを解消した後は、鉄道車両10を安定した状態で走行させることができ、車輪48の乗り上がり防止効果はより向上される。
【0041】
更に、上記実施形態の例では、制御装置22は、ロードセル60からの信号をリアルタイムに入力し、輪重を取得しているが、輪重を取得しなくても車輪48の乗り上がりを防止するために輪重を増加させることも可能である。例えば、上述したような速度発電機54とロードセル60とを備える鉄道車両10を特定の軌道50で走行させ、その走行時の速度発電機54及びロードセル60からのデータを記憶しておけば、どの箇所でいずれの車輪48について輪重抜けが生じるかを概ね特定することができる。そこで、そのデータに基づいて、必要時に所望の油圧シリンダ62等のアクチュエータを作動させて輪重を増加させても、輪重抜けによる車輪48の乗り上がりを防止ないしは抑制することが可能となる。
【0042】
本発明の構成についても種々変更が可能である。例えば、上記実施形態では、輪重を増加させるための手段として油圧シリンダ62を用いているが、空気圧シリンダや電動シリンダ、或いは、ボールネジを用いた電動モータ等の他の直動型のアクチュエータを用いることができる。
【0043】
また、上記実施形態では、油圧シリンダ62等のアクチュエータを軸ばね44と並列にら配置しているが、図7に示すように、油圧シリンダ62等のアクチュエータと軸ばね44とを直列に配置してもよい。油圧シリンダ62を軸ばね44と並列に配置した場合、油圧シリンダ62に対する作動油の給排を遮断すると、軸ばね44の伸縮(振動抑制効果)を妨げるため、図3の油圧回路で示すようはバイパス配管88を設けることとしているが、図7の如く直列配列にした場合、油圧シリンダ62が軸ばね44の伸縮を阻害することはないので、図3の油圧回路におけるバイパス配管88は不要となる。
【0044】
更に、台車枠32を剛体と考えた場合、油圧シリンダ62等のアクチュエータを各車輪48について設ける必要はなく、対角の2カ所、例えば図4において添え字xとyを付した2つのアクチュエータ62のみとしても、必要な車輪48についての輪重を増加させることが可能である。
【0045】
より詳細に説明する。アクチュエータを油圧シリンダ62x,62yの2本のみとした場合、種々の制御方法が考えられるが、例えば、右側の前輪48(油圧シリンダ62xに隣接の車輪)に輪重抜けの徴候が認められ、その輪重抜けを防止するためには、前述したように、油圧シリンダ62xを伸ばすよう油圧制御を行えばよい。かかる場合、油圧シリンダ62xを伸ばすと、台車枠32にねじれが生じ、その反力の大部分は左側の後輪48(油圧シリンダ62yに隣接する車輪)に加わることになる。そこで、油圧シリンダ62xを伸ばす場合には、油圧シリンダ62yを縮め、台車枠32のねじれ力を逃がす。
【0046】
また、左側の前輪48が輪重抜けを起こしそうになった場合には、油圧シリンダ62xを縮めると、左側の前輪48に荷重がかかる。この場合にも、台車枠32のねじれ力を逃がすため、油圧シリンダ62yを制御し、その長さを伸長させるのである。
【0047】
後輪について輪重抜け防止の方法は上記から容易に理解されよう。
【0048】
一方、輪重を取得する手段もロードセル60に限られない。例えば、軸ばね44のひずみ量から輪重を求めることができるので、軸ばね44の適所にひずみゲージ等のひずみ量検出器94を取り付け、その信号を制御装置22に入力して輪重を求めてもよい。
【0049】
また、例えば特開2002−122468号公報にも開示されているように、空気ばね16の内圧を用いて輪重を求めることが可能である。特開2002−122468号公報に示される輪重取得手段は、1対の空気ばね16の内圧をそれぞれ測定すべく空気圧配管58に設けられた圧力センサ(圧力検出手段)96と、台車14の幅方向周りのねじれによる台車枠32のひずみを測定すべく横梁36に設けられたひずみゲージ(ねじれ検出手段)98とを備えている。圧力センサ96とひずみゲージ98からの信号は制御装置22に送られ、制御装置22はその信号に基づいて各車輪48についての輪重を演算により取得することができる。図8は、輪重を求めるためのフローチャートであり、以下に輪重を取得するための手順について簡単に説明する。
【0050】
まず、制御装置22は、圧力センサ96から発信される各空気ばね16の内圧を取得する(ステップ300)。各空気ばね16の内圧は、それぞれの空気ばね16と同側の車輪48についての輪重の合計値と一対一の対応関係があるので、制御装置22は、入力された内圧と、記憶部28に予め記憶された緒元データとに基づいて、各台車14の左側の車輪48の輪重の合計値と、右側の車輪48の輪重の合計値とを求めることができる(ステップ302)。
【0051】
次に、ステップ304において、ひずみゲージ98から台車枠32のねじれ量を取得する。そして、ステップ306において、このねじれ量と諸元データとに基づいて、台車14の幅方向周りのねじれモーメントを求め、このねじれモーメントに基づいて、台車14の左右各側の輪重の合計値を、それぞれ、前側の車輪48についての輪重と、後側の車輪48についての輪重とに分配する。これによって、台車14の各車輪48についての輪重が求められるのである。
【0052】
更に、ひずみゲージ98がなく、圧力センサ96のみしかない場合であっても、いわゆる輪重偏在度を求めることができる(特開2002−122468号公報を参照)。この輪重偏在度は、1台車あたりの右側2輪の合計加重と、左側2輪の合計加重をもとめ、その値に対して、各輪の前後方向の加重の比を採用するものである。そして、台車枠32、ひいては前後左右の車輪に生ずるアンバランスの状態等から予め輪重の偏在を得ることができるため、そのアンバランス等を取る際の輪重の偏在を、予め記憶した諸元データに基づいて求めることができ、それを輪重として用いることも可能となる。
【0053】
【発明の効果】
以上述べたように、たとえ特定が困難な要因によって車輪の軌条への乗り上がりが発生する可能性があったとしても、本発明によれば、輪重を適時増加させてそのような乗り上がりを防止ないしは抑制することができ、従って乗り上がり脱線も防止することが可能となる。
【0054】
また、本発明により乗り上がり防止効果が高められることで、車両速度を過度に落とさずに運転することが可能となり、高速輸送という要請にも応えられ得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による鉄道車両を概略的に示す正面図である。
【図2】図1の鉄道車両を概略的に示す部分側面図である。
【図3】本発明による鉄道車両における油圧回路及び制御系を示す説明図である。
【図4】図2のIV-IV線に沿っての断面図である。
【図5】制御装置の処理動作を示すフローチャートである。
【図6】制御装置の他の処理動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の変形態様に係る鉄道車両を概略的に示す部分側面図である。
【図8】輪重を取得するための制御装置の処動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10…鉄道車両、12…車体、14…台車、22…制御装置、32…台車枠、40…輪軸、48…車輪、52…軌条、54…速度発電機(車速検出手段)、60…ロードセル(輪重取得手段)、62…油圧シリンダ(アクチュエータ、輪重増加手段)、72…制御弁、94…ひずみ量検出器、96…圧力センサ(圧力検出手段)、98…ひずみゲージ(ねじれ検出手段)。

Claims (7)

  1. 車体と、
    台車枠と、車輪を有する輪軸と、前記輪軸を前記台車枠に弾性的に支持する軸ばねとから構成され、前記車体の下方に配置される台車と
    を備える鉄道車両において、
    前記車輪のうち所望の車輪についての輪重を増加させる輪重増加手段を備え、前記輪重増加手段が、前記台車枠と前記輪軸との間にて前記軸ばねと並列に配設された直動型のアクチュエータであり、
    前記車輪のそれぞれについての輪重を取得する輪重取得手段を更に備え、前記輪重取得手段により取得された輪重が所定のしきい値を超えた場合に、前記輪重増加手段を作動させるようになっており、
    車速を検出する車速検出手段を更に備え、前記所定のしきい値が車速に応じて定められたものであり、前記車速検出手段により検出された車速に対応する輪重のしきい値を、前記輪重取得手段により取得された輪重が越えた場合に、前記輪重増加手段を作動させるようになっていることを特徴とする鉄道車両。
  2. 車体と、
    台車枠と、車輪を有する輪軸と、前記輪軸を前記台車枠に弾性的に支持する軸ばねとから構成され、前記車体の下方に配置される台車と
    を備える鉄道車両において、
    前記車輪のうち所望の車輪についての輪重を増加させる輪重増加手段を備え、
    前記輪重増加手段が、前記台車枠と前記輪軸との間にて前記軸ばねと直列に配設された直動型のアクチュエータであり、
    前記車輪のそれぞれについての輪重を取得する輪重取得手段を更に備え、前記輪重取得手段により取得された輪重が所定のしきい値を超えた場合に、前記輪重増加手段を作動させるようになっており、
    車速を検出する車速検出手段を更に備え、前記所定のしきい値が車速に応じて定められたものであり、前記車速検出手段により検出された車速に対応する輪重のしきい値を、前記輪重取得手段により取得された輪重が越えた場合に、前記輪重増加手段を作動させるようになっていることを特徴とする鉄道車両。
  3. 前記車速検出手段により停車中であることを検出した場合に、前記輪重取得手段により前記車輪のそれぞれについての輪重を取得し、取得された輪重に基づいて前記輪重増加手段を作動させて、停車時の輪重バランスを調整するようになっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の鉄道車両。
  4. 前記輪重取得手段は、前記軸ばねと前記台車枠との間に配置され前記軸ばねからの負荷を検出するロードセルを備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の鉄道車両。
  5. 前記輪重取得手段は、前記軸ばねのひずみ量を検出するひずみ量検出器を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の鉄道車両。
  6. 前記車体と前記台車との間に配置され、前記車体の幅方向に互いに離間して配置された1対の空気ばねを更に備えており、
    前記輪重取得手段は、前記空気ばねの内圧を検出する圧力検出手段を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の鉄道車両。
  7. 前記輪重取得手段は、前記台車の台車枠のねじれを検出するねじれ検出手段を更に備えることを特徴とする請求項6に記載の鉄道車両。
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