JP4810539B2 - エレベータの振動低減装置 - Google Patents

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Description

この発明は、走行中のエレベータかごに発生する横振動を低減するためのエレベータの振動低減装置に関するものである。
近年、ビルの高層化に伴うエレベータの高速化により、エレベータかごの振動低減技術の重要性が高まっている。このような振動低減装置として、かご枠の振動を加速度センサにより検知し、ガイド部のばねと並列に設けられたアクチュエータにより振動と逆向きの力をエレベータかごに加えるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−122555号公報
上記のような従来の振動低減装置では、アクチュエータがガイド部のばねと並列に設けられているため、かご室とかご枠とが同方向に振動する振動モードでの制振能力は高いが、かご室とかご枠とが逆方向に振動する振動モードでの制振能力はそれほど高くない。特に、エレベータかごの質量や防振部材の剛性等によって決まる特定の周波数付近の外乱入力に対しては、かご枠が殆ど振動せず、かご室が比較的大きく振動するので、かご枠にのみ加速度センサを設けた従来の装置では、かご室の振動を殆ど低減できない。
ここで、エレベータかごの横振動の原因となる外乱の代表的なものとしては、ガイドレールの加工誤差や据付誤差に起因するレール変位加振が挙げられる。このレール変位加振外乱に特に多く含まれる周波数は、ガイドレール1本の長さL[m]と、エレベータかごの昇降速度[m/s]とから、次のように表されることが経験的に知られている。
f=V/L[Hz] ・・・(1)
これまでの高速エレベータでは、式(1)で決まる周波数が、かご室とかご枠とが同方向に振動する振動モードの周波数に近かったため、従来の振動低減装置によってもエレベータかごの横振動を低減することができた。しかし、エレベータかごの昇降速度がさらに速くなると、式(1)で決まる周波数が高くなり、従来の装置では効率的に制振できない周波数の外乱となってしまう。従って、エレベータを高速化するためには、より広い制振周波数帯域を持つ振動低減装置が必要であった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、より広い周波数帯域で十分な制振能力を得ることができるエレベータの振動低減装置を得ることを目的とする。
この発明によるエレベータの振動低減装置は、エレベータかごのかご枠の水平方向加速度を検出するためのかご枠加速度センサ、エレベータかごのかご室の水平方向加速度を検出するためのかご室加速度センサ、かご枠に搭載されガイドローラを昇降路に設置されたガイドレールに付勢するばねと並列に設けられ、エレベータかごに対する制振力を発生するアクチュエータ、及びかご枠加速度センサ及びかご室加速度センサからの情報に基づいて、アクチュエータで発生させる制振力を求めアクチュエータを制御するコントローラを備えている。
この発明の実施の形態1によるエレベータ装置の要部を示す正面図である。 図1のローラガイド装置を示す側面図である。 図1のエレベータかごと振動低減装置との関係を2慣性ばねマスモデルとして示す説明図である。 図3の簡易モデルを示すブロック線図である。 図1のかご室の質量変動を示すブロック線図である。 図1の防振部材の剛性変動を示すブロック線図である。 図1のアクチュエータによって加えられる制御力からかご枠の加速度までの周波数伝達特性を示すボード線図である。 モデル化誤差の特性と感度関数の特性とを示すボード線図である。 高周波領域のモデル化誤差を示すブロック線図である。 感度関数の特性を示すボード線図である。 ガイドレールの加速度外乱からかご室の加速度までの伝達特性を示すボード線図である。 かご枠のみの加速度を検出する場合のガイドレールの加速度外乱からかご室の加速度までの伝達特性を示すボード線図である。 高速走行中にガイドレール外乱を与えた場合のかご室の時刻歴波形を示す説明図である。 この発明の実施の形態2によるエレベータの振動低減装置の防振部材を示す正面図である。
以下、この発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるエレベータ装置の要部を示す正面図である。図において、昇降路1内には、一対のガイドレール2が設置されている。各ガイドレール2は、複数本のレール部材をその長さ方向に継ぎ合わせることにより構成されている。また、ガイドレール2は、複数のブラケット3を介して昇降路壁1aに接続されている。
エレベータかご4は、ガイドレール2に案内されて昇降路1内を昇降される。また、エレベータかご4は、かご枠5と、かご枠5の内側に支持されたかご室6とを有している。かご枠5は、上梁5a、下梁5b、及び一対の縦柱5c,5dを有している。かご室6と下梁5bとの間には、複数の防振部材7が介在されている。即ち、かご室6は、防振部材7を介して下梁5b上に支持されている。また、かご室6の側面と縦柱5c,5dとの間には、かご室6の倒れを防止する複数の振れ止めゴム8が介在されている。
かご枠5の上下端部の幅方向両端部には、ガイドレール2に係合してエレベータかご4の昇降を案内するローラガイド装置9が搭載されている。下梁5bに搭載されたローラガイド装置9には、エレベータかご4に対する制振力を発生するアクチュエータ10が設けられている。
下梁5bには、かご枠5の水平方向加速度を検出するための信号を発生するかご枠加速度センサ11が取り付けられている。かご室6の下部には、かご室6の水平方向加速度を検出するための信号を発生するかご室加速度センサ12が取り付けられている。
また、下梁5bには、アクチュエータ10を制御するコントローラ13が設置されている。コントローラ13は、かご枠加速度センサ11及びかご室加速度センサ12からの情報に基づいて、アクチュエータ10で発生させる制振力を求める。具体的には、加速度センサ11,12からコントローラ13に加速度信号が送信され、これらの加速度信号に基づいてコントローラ13で制振力が計算される。そして、計算結果がコントローラ13で電圧信号に変換されてアクチュエータ10に送信される。コントローラ13は、例えばマイクロコンピュータにより構成されている。実施の形態1の振動低減装置は、アクチュエータ10、加速度センサ11,12及びコントローラ13を有している。
上梁5aには、エレベータかご4を昇降路1内に吊り下げる複数本の主ロープ14が接続されている。エレベータかご4は、主ロープ14を介して駆動装置(図示せず)の駆動力により昇降路1内を昇降される。
図2は図1のローラガイド装置9を示す側面図である。ローラガイド装置9は、下梁5bに固定されるガイドベース15と、ガイドベース15に揺動軸16を介して揺動可能に取り付けられたガイドレバー17と、ガイドレバー17に回転軸18を介して回転可能に取り付けられたガイドローラ19と、ガイドローラ19をガイドレール2に付勢するばね20とを有している。ガイドローラ19は、エレベータかご4の昇降に伴ってガイドレール2上を転動される。
また、ガイドレバー17には、アーム21が溶接されている。アクチュエータ10は、ばね20と並列になるようにガイドベース15とアーム21との間に設けられ、ガイドローラ19のガイドレール2への付勢力を自在に加える。また、アクチュエータ10としては、例えば電磁アクチュエータが用いられている。
図3は図1のエレベータかご4と振動低減装置との関係を2慣性ばねマスモデルとして示す説明図である。コントローラ13における入力から出力までの伝達特性の計算方法について説明する。コントローラ13の目的の1つは、ガイドレール2の変位外乱x0に対するかご室6x1の応答特性Gx1x0を小さくすることである。このGx1x0の大きさの尺度の1つとして、Hノルムというものがある。Gx1x0のHノルムは、次式で定義される。
Figure 0004810539
式(2)の右辺は、Gx1x0の特異値の上界を示しているが、図3に示すような1入出力系(x0という1つの入力に対するx1という1つの出力の関係という意味)の場合は、式(2)は次式で表され、ボード線図のゲインの最大値に等しい。これは、あらゆるエネルギーが入ってきたときの基準化された出力エネルギーの最悪値と解釈できる。
Figure 0004810539
実際のコントローラ13の設定では、所定の感度関数Wsを用いた次式がコントローラ13の設計目標として与えられる。
Figure 0004810539
また、この実施の形態のようなアクティブ制振技術では、悪くすれば発振状態となるため、コントローラ13は安定性を保証しなければならない。まず、かご室6に乗り降りする乗客の質量変動が大きく、ノーロード時(乗客0人時)のかご室6と、フルロード時(満員時)のかご室6とでは、質量が2倍程度まで大きく変動するという問題がある。このように、かご室6の質量変動が大きい場合でも、安定性を保証することがコントローラ13の目的の1つとなる。
図4は図3の簡易モデルをブロック線図化した説明図である。図4では、ガイドレール2の変位外乱x0が、レール加速度外乱107(x0”)として与えられている。図5において、ブロック101は、かご室6の質量パラメータブロックである。ブロック102は、かご枠5の質量パラメータブロックである。ブロック103aは、ばね20のばね剛性パラメータブロックである。ブロック103bは、ばね20の減衰パラメータブロックである。ブロック104aは、防振部材7のばね剛性パラメータブロックである。ブロック104bは、防振部材7の減衰パラメータブロックである。ブロック113は、コントローラ13の特性ブロックである。また、ブロック120は積分要素、ブロック121は加算器である。
かご室6の質量m1は、次式で表されるとする。但し、δm1は|δm1|<1を満たす摂動要素である。
Figure 0004810539
このとき、かご室6の質量パラメータブロック101は、図5に示すようにフィードバックの形に置き換えられる。図5において、ブロック101aは、質量中心値パラメータブロックである。ブロック101bは、変動分パラメータブロックである。ブロック101cは、摂動パラメータブロックである。ブロック101dは、加算器である。このようなかご室質量の摂動δm1に対して、図3〜図5に示す系が安定であるための十分条件は、スモールゲイン定理を用いて次式で表される。
Figure 0004810539
但し、Gz1w1は、図5において摂動パラメータブロック101cの出力端を切り離したときのw1からz1への伝達関数を示している。つまり、式(6)を満たすようにすることがコントローラ13の設計目標として与えられる。
また、防振部材7の材料としては、非線形性が比較的強いゴムが用いられることが多い。従って、このような防振部材7の剛性パラメータ変動に対しても安定性を保証することが、コントローラ13の目的の1つとなる。
防振部材7の剛性k1は、次式で表されるとする。但し、δk1は、|δk1|<1を満たす摂動要素である。
Figure 0004810539
このとき、防振部材7の剛性パラメータブロック104aは、図6のように置き換えられる。図6において、ブロック104cは、防振部材7の剛性中心値パラメータブロックである。ブロック104dは、変動分パラメータブロックである。ブロック104eは、摂動パラメータブロックである。ブロック104fは、加算器である。このような防振部材剛性の摂動δk1に対して、図3、4、6に示す系が安定であるための十分条件は、スモールゲイン定理を用いて次式で表される。
Figure 0004810539
但し、Gz2w2は、図6において摂動パラメータブロック104eの出力端を切り離したときのw2からz2への伝達関数を示している。つまり、式(8)を満たすようにすることがコントローラ13の設計目標として与えられる。
図3に示した簡易モデルでは、弾性要素としてばね20と防振部材7のみが用いられている。しかし、実際のエレベータには、それら以外の弾性要素も含まれている。例えば、かご室6を構成する部材の剛性不足、かご室6にかご室加速度センサ12を取り付けるための部材(図示せず)の剛性不足、部材とかご室6とを取り付けるボルトの剛性不足、かご枠5を構成する部材の剛性不足、かご枠5にかご枠加速度センサ11を取り付けるための部材(図示せず)の剛性不足、及び部材とかご枠5とを取り付けるボルトの剛性不足等に起因する振動モードが存在する。
これらやその他の振動モードを全てモデル化することは不可能であり、実機と制御設計に用いるモデルとの間には必ず違いが存在する。一般にこれをモデル化誤差と言う。このようなモデル化誤差に対する安定性を保証することも、コントローラ13の重要な目的の1つとなる。
図7は図1のアクチュエータ10によって加えられる制御力からかご枠5の加速度までの周波数伝達特性を示すボード線図である。図7において、実線は、図3に示す簡易モデルの伝達特性を示している。また、破線は、実際のエレベータでの伝達特性を示している。図7に示すように、簡易モデルの伝達特性と実機の伝達特性とは、低周波数領域でほぼ一致するが、高周波数領域では誤差が生じる。この誤差は、上記のようなモデル化できていない多くの振動モードに起因する。
実機の伝達特性Prと簡易モデルの伝達特性Pmとの誤差Δs2をPr=(I+Δs2)Pmと表すとする。このとき、Δs2は、乗法的な誤差を表していることから、一般に乗法的誤差と呼ばれる。乗法的誤差Δs2の周波数特性は、図8の破線のようになる。
また、ブロック線図で表すと、図4のかご枠加速度x2”とコントローラブロック113との間に図9のように挿入される。図9において、ブロック123aは、モデル化誤差ブロックである。ブロック123bは、加算器である。このようなモデル化誤差Δs2に対して安定となる十分条件は、スモールゲイン定理を用いて次式で表される。
Figure 0004810539
但し、Gz3w3は、図9においてモデル化誤差ブロック123aの出力端を切り離したときのw3からz3への伝達関数を示している。しかし、一般にモデル化誤差Δs2を正確にモデル化することは不可能であるから、図8中の実線で示すように、モデル化誤差Δs2を覆うような特性を持つ重み関数Ws2を用い、次式を安定性の十分条件とする。但し、δs2は、|δs2|<1を満たす摂動要素である。
Figure 0004810539
以上より、式(10)を満たすようにすることがコントローラ13の設計目標の1つとなる。
同様にして、かご室6の加速度検出部分におけるモデル化誤差Δs1に対する安定十分条件として次式が導かれる。但し、Ws1はモデル化誤差Δs1を覆うような特性を持つ重み関数、Gz4w4は図9と同様に定義されるかご室加速度端にて定義される伝達関数、δs1は、|δs1|<1を満たす摂動要素である。
Figure 0004810539
また、設計目標式(4)は、式(6)(8)(10)(11)と同様に扱うため、仮想的な摂動要素δV(|δV|<1)を導入し、次式のように置き換える。
Figure 0004810539
以上をまとめると、コントローラ13に求められる仕様は、パラメータ変動やモデル化誤差などに起因する摂動δm1、δk1、δs1、δs2、δVに対して設計目標式(6)(8)(10)(11)(12)を満たすこととなる。これらの摂動に対し構造化特異値μが次式のように定義される。
Figure 0004810539
但し、Δは摂動要素δm1、δk1、δs1、δs2、δVを対角成分に持つ行列、Mは設計目標式(6)(8)(10)(11)(12)の左辺において摂動要素を除いた分の入力及び出力(例えば式(10)ではWs2z3w3の入力及び出力)を全て持つ行列である。また、detは、行列式を示す。式(13)を用いると、設計目標式(6)(8)(10)(11)(12)を全て満たすための十分条件は次式で表すことができる。
μΔ(M)<1 ・・・(14)
つまり、式(14)を満たすようにコントローラ13を決定することで、かご室質量変動、防振部材7の剛性変動、及び高周波領域のモデル化誤差があっても、安定で横振動の小さいエレベータを提供することができる。
なお、実際のコントローラ13の設計においては、数学的な可解条件を満たすためなどの理由で、設計目標式(6)(8)(10)(11)(12)に加えて別の目標式を条件として加えてもよい。また、パラメータ変動の条件として、かご室6の質量変動や防振部材7の剛性変動の他に、例えば、かご枠5の質量変動、ばね20の剛性変動、防振部材7やばね20の減衰変動などを考慮してもよい。その場合の考え方も上記と同様であり、構造化特異値の枠組みの中で取り扱うことができる。
以下、図3及び図4で示したモデルに対して本技術を採用した場合の効果について実際の計算結果を用いて示す。なお、ここでは、高速走行するエレベータのパラメータ例として、m1=2000〜4000[kg]、m2=4000[kg]、k1=1.0e6〜2.0e6[N/m]、k2=4.0e5[N/m]、c1=c2=2.0e4[Ns/m]としている。また、感度関数Wsは図10の実線、重み関数Ws1s2は図10の破線のように与えている。重み関数Ws1s2を見ると分かるように、例えば50〜60Hz付近では約10倍のモデル化誤差を許容している。
図11はガイドレール2の加速度外乱x0”からかご室の加速度x1”までの伝達特性を示し、破線は式(14)を満たすように設計したコントローラ13を適用した場合の特性(式(12)のGx1x0に等しい)、実線はコントローラ13を用いない場合の特性を示している。また、図11では、防振部材7の剛性を想定内の最小値から最大値まで5段階に変化させた場合について示している。図11に示すように、コントローラ13を適用することにより、防振部材7の剛性が変動しても、安定で、かつ高い外乱抑制性能を達成している。
図12は従来と同様にかご枠5のみの加速度を検出した場合の伝達特性を示している。図12において、実線は制御なし、破線は制御ありの場合を示している。2次の振動モード近辺に不可観測周波数があるため、1次の振動はよく抑えているが、2次の振動は殆ど抑えることができていない。なお、かご枠5にのみ加速度センサ11を設けた場合も、上述の構造化特異値による設計を行えば、さらに良い振動抑制性能を得ることができる。但し、それは防振部材7の剛性変動やかご室6の質量変動がない場合であり、これらのパラメータ変動を考慮した場合には、かご室6に加速度センサ12を設けないと、振動抑制性能は極端に落ちる。
即ち、かご室6にも加速度センサ12を設け、構造化特異値による設計を行うことにより、パラメータ変動に対して安定かつ振動抑制性能の高いエレベータの振動低減装置を得ることができる。
図13は最高速度1000[m/min]以上での走行中に実際にガイドレール外乱を与えた場合のかご室6の時刻歴波形を示す。図13の上段には、制御しない場合のかご室6の加速度波形を示している。また、図13の中段には、かご枠5のみの加速度を用いた従来制御を行った場合のかご室6の加速度波形を示している。そして、図13の下段には、実施の形態1による制御を行った場合のかご室6の加速度波形を示している。
走行開始からしばらくの間は、式(1)で決まるガイドレール外乱の加振周波数が低いため、従来制御でも比較的良い制振性能が得られる。しかし、走行速度が速くなると、ガイドレール外乱の加振周波数が高くなるため、従来制御では振動を十分に低減できていない。これに対して、実施の形態1による制御では、走行開始から停止まで継続的に優れた制振性能を達成できている。
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2について説明する。実施の形態1で説明したように、実際のエレベータでは、高周波領域においてモデル化しきれない振動モードが存在するため、10Hz以上の高周波数帯域では振動抑制性能を十分に上げることは難しい。これに対して、ばね20や防振部材7が振動の腹となる振動モードは確実に低減したい。
ところで、ばね20や防振部材7の剛性は、振動を低減するという観点だけからではなく、かご枠5やかご室6を支持する支持機構の観点からも決められるため、あまり柔らかくはできない。特に防振部材7は、乗客の乗り降りに対してかご室6を上下方向に支持する必要があるため、上下方向の剛性がある程度必要となる。
一般に、防振部材7の材料として例えばゴムを用いた場合、防振部材7の上下方向の剛性を高くすると水平方向の剛性も高くなり、防振部材7が振動の腹となるモードの周波数が高くなり、モデル化誤差が存在する周波数領域に近くなってしまう。そうなると、かご室6に加速度センサ12を設けて実施の形態1のような制御を実施しても、高い振動抑制性能を得ることは難しくなる。
そこで、この実施の形態2では、図14に示すように、複数のゴム部41と複数の鋼板部42とが交互に積層された積層ゴムが防振部材7として用いられている。このような構成とすることにより、防振部材7の剛性は、圧縮方向には高いが、せん断方向へは比較的低くなる。従って、防振部材7は、上下方向の剛性が高く、水平方向の剛性が低くなり、防振部材7が振動の腹となるモードの周波数がモデル化誤差領域にまで達しない。これにより、実施の形態1に示した制御方法で、高い振動抑制性能を得ることができる。
なお、上記の例では、エレベータかご4の左右方向の振動低減についてのみ示したが、前後方向の振動についても同様に低減することができる。
また、上記の例では、かご枠5の下部のみにアクチュエータ10を設けたが、アクチュエータは、かご枠の上部及び下部のローラガイド装置に設けてもよく、上部のローラガイド装置のみに設けてもよい。
さらに、実施の形態2では、防振部材7の材料としてゴム部41と鋼板部42とを組み合わせたが、ゴム及び鋼板に限定されるものではなく、防振部材の水平方向の剛性が上下方向の剛性よりも小さくなるように、剛性の異なる他の2種類以上の材料を適宜選択して積層してもよい。

Claims (4)

  1. エレベータかごのかご枠の水平方向加速度を検出するためのかご枠加速度センサ、
    上記エレベータかごのかご室の水平方向加速度を検出するためのかご室加速度センサ、
    上記かご枠に搭載されガイドローラを昇降路に設置されたガイドレールに付勢するばねと並列に設けられ、上記エレベータかごに対する制振力を発生するアクチュエータ、及び
    上記ガイドレールからの外乱入力に対して上記かご枠が殆ど振動せず上記かご室が比較的大きく振動する周波数近辺で、上記かご枠加速度センサの検出信号を上記かご室加速度センサの検出信号で補正した情報に基づいて、上記アクチュエータで発生させる制振力を求め上記アクチュエータを制御するコントローラ
    を備えているエレベータの振動低減装置。
  2. 上記かご室は、防振部材を介して上記かご枠に支持されており、
    上記かご室の質量変動に対する摂動と上記防振部材の剛性変動に対する摂動との少なくともいずれか一方と、上記かご室の剛性不足に起因する高周波数域摂動と、上記かご枠の剛性不足に起因する高周波数域摂動とを含む構造化摂動に対する構造化特異値が全ての周波数域で1未満となるように、上記かご枠加速度センサ及び上記かご室加速度センサの出力から上記アクチュエータの制振力までの伝達特性が決定されている請求項1記載のエレベータの振動低減装置。
  3. 上記防振部材の水平方向の剛性は、上記防振部材の上下方向の剛性よりも小さくなっている請求項2記載のエレベータの振動低減装置。
  4. 上記防振部材は、複数のゴム部と複数の鋼板部とを交互に積層した積層ゴムにより構成されている請求項3記載のエレベータの振動低減装置。
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