JP2012111480A - まくらばね系の異常検出方法及び異常検出装置 - Google Patents

まくらばね系の異常検出方法及び異常検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】車両の運行中に適切に異常を検出可能なまくらばね系の異常検出方法等を提供する。
【解決手段】鉄道車両の車体10と台車20,30との間に設けられるまくらばね系24,34の減衰要素24a,34aの異常検出方法を、車体の上下方向加速度、及び、ピッチング方向加速度を検出し、上下方向加速度とピッチング方向加速度との位相差が所定の許容範囲を外れた場合に異常と判断する構成とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、鉄道車両の車体と台車との間に設けられるまくらばね系の異常検出方法及び異常検出装置に関するものである。
一般的な鉄道車両は、輪軸を支持する軸箱と台車枠との間に設けられる1次ばね系、及び、台車枠と車体との間に設けられる2次ばね系を備えている。
2次ばね系は、空気ばね等のばね要素であるまくらばね、及び、まくらばねの伸縮に応じて減衰力を発生するまくらばねダンパを備えている。
また、例えば空気ばね等からなるまくらばね自体が減衰要素を兼ねている場合もある。
鉄道車両の安全性や乗り心地を確保するため、上述したようなまくらばね系の減衰要素が減衰力を発生しなくなったり、空気ばねの圧力低下等のまくらばね系の異常を適切に検出することが要望されている。
鉄道車両の台車の異常検出に関する従来技術として、例えば特許文献1には、台車に設けた加速度検出手段の出力が所定の閾値以上となった場合に異常を判定することが記載されている。
また、特許文献2には、台車等の振動加速度を等距離間隔でサンプリングし、バンドパスフィルタ処理後2乗した平均加速度パワーの変化に基づいて異常を判定することが記載されている。
特開2000−6807号公報 特許第4252271号公報
例えば、上述したような台車の異常検出に関する従来技術をまくらばね系に適用して、車体の振動加速度の変化に基づいてまくらばね系の減衰要素及びばね要素の異常検出を行なうことも考えられる。
しかし、減衰要素やばね要素が故障したとしてもそれによる車体の加速度変化自体は微小である場合が多く、このような手法において適切な検出を行うためには閾値を相当に小さくする必要があるものと考えられる。しかし、このように閾値を小さくすると、例えば軌道不整の大きい箇所を通過する場合などに、減衰要素やばね要素が正常であるにも関わらず異常であると誤判定されることが懸念される。
上述した問題に鑑み、本発明の課題は、車両の運行中に適切に異常を検出可能なまくらばね系の異常検出方法及び異常検出装置を提供することである。
上述した問題を解決する本発明のまくらばね系の異常検出方法は、鉄道車両の車体と台車との間に設けられるまくらばね系の異常検出方法であって、車体の上下方向加速度、及び、ピッチング方向加速度を検出し、前記上下方向加速度と前記ピッチング方向加速度との位相差が所定の許容範囲を外れた場合に異常と判断することを特徴とする。
ここで、まくらばね系はばね要素及び減衰要素を含み、減衰要素とは、ばね要素とは別に設けられた油圧緩衝器などのダンパに限らず、例えば空気ばねであるばね要素自体が減衰要素を兼ねたものも含むものとする。
これによれば、まくらばね系の正常、異常に応じて、車体の上下方向加速度とピッチング方向加速度との位相差は変化することから、この位相差が所定の許容範囲を外れた場合に異常と判断することによって、車両の運行中に適切にまくらばね系の異常を検出することができる。
本発明において、前記位相差が前記許容範囲を外れた方向に基づいて、異常が発生したまくらばね系の部位を特定する構成とすることができる。
本発明において、前記上下方向加速度及び前記ピッチング方向加速度から予め設定された所定の周波数帯域の成分を抽出し、抽出後の前記上下方向加速度と前記ピッチング方向加速度との位相差が所定の許容範囲を外れた場合に異常と判断する構成とすることができる。
これによれば、正常時と異常時とで位相差が大きくなりやすい周波数帯域を抽出することによって、より適切にまくらばね系の異常を検出することができる。
この場合において、前記所定の周波数帯域は、車体の上下並進モードの振動の固有振動数を含むように設定される構成とすることができる。
これによれば、車体の上下並進モードの固有振動数は、まくらばね系が正常時と異常時とで位相差に違いが生じやすいため、異常検出をより確実に行なうことができる。
この場合において、前記所定の周波数帯域を、走行速度の増加に応じて高周波数側へ推移させる構成とすることができる。
これによれば、走行速度が変化して、まくらばね系が正常時と異常時とで位相差に違いが生じやすい周波数帯域が変化した場合であっても、適切に異常検出を行うことができる。
本発明において、予め求められた正常時の走行速度と前記位相差との相関を用いて、前記位相差と前記許容範囲の少なくとも一方を走行速度に応じて補正する構成とすることができる。
これによれば、位相差は正常時であっても走行速度に依存する傾向があるが、このような影響を低減して適切に異常検出を行なうことができる。
本発明において、前記所定の周波数帯域の成分を抽出後の前記上下方向加速度及び前記ピッチング方向加速度を符号に変換し、前記上下方向加速度の符号と前記ピッチング方向加速度の符号との不一致率に基づいて前記位相差を検出する構成とすることができる。
これによれば、上下方向加速度及びピッチング方向加速度の符号の不一致率を、位相差の大きさを示すパラメータ(近似的位相差)として利用することによって、演算負荷を軽減し、比較的簡素な機器によって演算したり、高速に演算することが可能となる。
この場合において、前記符号の不一致率が許容範囲を外れた場合に異常と判断するとともに、予め求められた正常時の走行速度と前記不一致率との相関を用いて、前記不一致率と前記許容範囲の少なくとも一方を走行速度に応じて補正する構成とすることができる。
これによれば、符号の不一致率の走行速度への依存の影響を低減して適切に異常検出を行なうことができる。
本発明において、前記上下方向加速度及び前記ピッチング方向加速度の相互相関関数をフーリエ変換したクロススペクトルに基づいて前記位相差を求める構成とすることができる。
これによれば、演算負荷は符号不一致率を求める場合に対して増大するものの、異常の検出精度を高めることができる。
本発明において、走行速度が予め設定された異常検出速度範囲に含まれる場合に異常検出を行うとともに、走行速度が前記異常検出速度範囲から外れた場合に異常検出を停止する構成とすることができる。
これによれば、例えば低速走行時などの本発明の手法による異常検出が困難な場合に、誤検出などがなされることを防止できる。
また、上述した問題を解決する本発明のまくらばね系の異常検出装置は、鉄道車両の車体と台車との間に設けられるまくらばね系の異常検出装置であって、車体の上下方向加速度、及び、ピッチング方向加速度を検出する車体挙動検出手段と、前記上下方向加速度と前記ピッチング方向加速度との位相差が所定の許容範囲を外れた場合に異常と判断する異常検出手段とを備えることを特徴とする。
本発明において、前記異常検出手段は、前記位相差が前記許容範囲を外れた方向に基づいて、異常が発生したまくらばね系の部位を特定する構成とすることができる。
本発明において、前記上下方向加速度及び前記ピッチング方向加速度から予め設定された所定の周波数帯域の成分を抽出する周波数帯域抽出手段を備え、前記異常検出手段は、前記抽出後の前記上下方向加速度と前記ピッチング方向加速度との位相差が所定の許容範囲を外れた場合に異常と判断する構成とすることができる。
この場合において、前記所定の周波数帯域は、車体の上下並進モードの振動の固有振動数を含むように設定される構成とすることができる。
この場合において、前記周波数帯域抽出手段は、前記所定の周波数帯域を、走行速度の増加に応じて高周波数側へ推移させる構成とすることができる。
本発明において、前記異常検出手段は、予め求められた正常時の走行速度と前記位相差との相関を用いて、前記位相差と前記許容範囲の少なくとも一方を走行速度に応じて補正する構成とすることができる。
本発明において、前記所定の周波数帯域の成分を抽出後の前記上下方向加速度及び前記ピッチング方向加速度を符号に変換する変換手段を備え、前記異常検出手段は、前記上下方向加速度の符号と前記ピッチング方向加速度の符号との不一致率に基づいて前記位相差を検出する構成とすることができる。
この場合において、前記異常検出手段は、前記符号の不一致率が許容範囲を外れた場合に異常と判断するとともに、予め求められた正常時の走行速度と前記不一致率との相関を用いて、前記不一致率と前記許容範囲の少なくとも一方を走行速度に応じて補正する構成とすることができる。
本発明において、前記異常検出手段は、前記上下方向加速度及び前記ピッチング方向加速度の相互相関関数をフーリエ変換したクロススペクトルに基づいて前記位相差を求める構成とすることができる。
本発明において、前記異常検出手段は、走行速度が予め設定された異常検出速度範囲に含まれる場合に異常検出を行うとともに、走行速度が前記異常検出速度範囲から外れた場合に異常検出を停止する構成とすることができる。
本発明において、前記車体挙動検出手段は、車両の進行方向に離間して配置され前記車体の上下方向加速度を検出する複数の加速度センサ、及び、前記複数の加速度センサの出力に基づいて前記車体のピッチング方向加速度を演算するピッチング方向加速度演算手段を備える構成とすることができる。
本発明において、前記車体挙動検出手段は、前記車体の上下方向加速度を検出する加速度センサと、前記車体のピッチング方向加速度を検出する角速度センサとを有する構成とすることができる。
以上説明したように、本発明によれば、車両の運行中に適切に異常を検出可能なまくらばね系の異常検出方法及び異常検出装置を提供することができる。
本発明を適用したまくらばね系の異常検出装置の第1実施形態の構成を示す模式図である。 まくらばねダンパが正常又は異常である場合の車体の上下方向加速度とピッチング方向加速度の位相差の一例を示すグラフである。 上下並進モード及びピッチングモードの車体の加速度履歴の一例を示すグラフである。 バンドパスフィルタ通過後の上下並進モード及びピッチングモードの車体の加速度履歴の一例を示すグラフである。 バンドパスフィルタ通過後の上下並進モード及びピッチングモードの車体の加速度の符号の履歴の一例を示すグラフである。 バンドパスフィルタ通過後の上下並進モード及びピッチングモードの車体の加速度の符号の排他的論理和(XOR)の履歴の一例を示すグラフである。 上下並進モード及びピッチングモードの車体の加速度の符号の排他的論理和(XOR)をローパスフィルタに通して平均化した値(符号不一致率)の一例を示すグラフである。 正常時及び異常時における符号不一致率の推移の一例を示すグラフであって、まくらばねダンパがセミアクティブダンパである場合を示すものである。 正常時及び異常時における符号不一致率の推移の一例を示すグラフであって、まくらばねダンパがパッシブダンパである場合を示すものである。 本発明を適用したまくらばね系の異常検出装置の第2実施形態の構成を示す模式図である。 車両の走行速度に応じた車体の上下方向加速度とピッチング方向加速度の位相差の変化の一例を示すグラフである。 まくらばねダンパ正常時における符号不一致率と走行速度との関係を示すグラフである。 正常時、第1台車右異常時、第2台車右異常時における符号不一致率の推移の一例を示すグラフである。 図13のデータを、図12に示す近似関数を基準とした相対値としたものを示すグラフである。 符号不一致率の変動に応じて閾値を変化させる場合の一例を示すグラフである。
<第1実施形態>
以下、本発明を適用したまくらばね系の異常検出方法、及び、この異常検出方法に用いられる異常検出装置の第1実施形態について説明する。
図1に示すように、異常検出装置100が設けられる鉄道車両1は、車体10の前後に一対のボギー台車である第1台車20、第2台車30を備えたボギー車である。
車体10は、床部に設けられる台枠の上部に側構、妻構、屋根構などを設けてほぼ六面体状に構成されている。
第1台車20及び第2台車30は、車両1の進行方向前方側から順次配置されている。
第1台車20は、台車枠21、第1輪軸22、第2輪軸23、2次ばね系24等を備えて構成されている。
台車枠21は、第1輪軸22及び第2輪軸23が軸箱及び軸箱支持装置を介して取り付けられる枠状の構造部材である。
第1輪軸22、第2輪軸23は、車軸の両端部に、一対の車輪を固定したものである。
第1輪軸22、第2輪軸23は、車両1の進行方向前方側から順次配置されている。
第1輪軸22、第2輪軸23は、車軸の両端部を図示しない軸箱によって支持されている。軸箱は、軸受及び潤滑装置などを備えている。
軸箱は、図示しない軸箱支持装置を介して、台車枠21に対して上下方向等に相対変位可能に支持されている。
軸箱支持装置には、台車枠21に対する軸箱の上下方向変位に応じたばね反力を発生する軸ばね、及び、軸ばねの伸縮速度に応じた減衰力を発生する軸ダンパからなる1次ばね系が設けられる。
第2台車30は、台車枠31、第3輪軸32、第4輪軸33、2次ばね系34等を備えて構成されている。
台車枠31は、第3輪軸32及び第4輪軸33が軸箱及び軸箱支持装置を介して取り付けられる枠状の構造部材である。
第3輪軸32、第4輪軸33は、車軸の両端部に、一対の車輪を固定したものである。
第3輪軸32、第4輪軸33は、車両1の進行方向前方側から順次配置されている。
第3輪軸32、第4輪軸33は、車軸の両端部を図示しない軸箱によって支持されている。軸箱は、軸受及び潤滑装置などを備えている。
軸箱は、図示しない軸箱支持装置を介して、台車枠31に対して上下方向等に相対変位可能に支持されている。
軸箱支持装置には、台車枠31に対する軸箱の上下方向変位に応じたばね反力を発生する軸ばね、及び、軸ばねの伸縮速度に応じた減衰力を発生する軸ダンパからなる1次ばね系が設けられる。
第1台車20及び第2台車30の台車枠21,31は、2次ばね系24,34を介して、車体10の下部に取り付けられている。
2次ばね系24,34は、図示しないまくらばね及びこのまくらばねと並行に設けられたまくらばねダンパ24a,34aを備えている。
まくらばねは、車体10に対する台車枠21,31の上下方向相対変位に応じたばね反力を発生する例えば空気ばね等のばね要素である。
まくらばねダンパ24a,34aは、車体10に対する台車枠21,31の上下方向相対速度に応じた減衰力を発生する例えば油圧式緩衝器等の減衰要素である。
また、まくらばねダンパ24a,34aは、図示しない上下制振システムからの指令に応じて、減衰力特性を走行中に随時変更可能なセミアクティブダンパとなっている。
まくらばね及びまくらばねダンパ24a,34aは、各台車枠21,31において、枕木方向に離間して例えば一対が設けられている。
第1実施形態の異常検出装置100は、上述したまくらばねダンパ24a,34aが正常に減衰力を発生しなくなる異常を検出するものである。
異常検出装置100は、処理装置110、加速度センサ121,122等を備えて構成されている。
処理装置110は、例えば情報処理装置であるCPU、RAM、ROM、磁気ディスク装置や光学ディスク装置などの記憶手段、入出力インターフェイス及びこれらを接続するバスなどを備えている。
処理装置110は、各センサからの信号を後述するように処理し、異常の検出を行う異常検出手段である。
加速度センサ121,122は、車体10の左右中心線上において前後方向に離間して配置され、車体10の上下方向の加速度を検出する加速度ピックアップを備えている。
加速度センサ121,122は、例えば、車体10の床下に吊下げられて配置されている。
加速度センサ121は、第1台車20の近傍に配置されている。
加速度センサ122は、第2台車30の近傍に配置されている。
加速度センサ121,122の出力信号は、処理装置110に伝達される。
以下、第1実施形態におけるまくらばねダンパの異常検出方法について説明する。
この異常検出方法は、車両1の走行速度が予め設定された異常検出可能範囲に含まれる場合に、以下の手順を行う。
(1)加速度センサ121,122で、車体10における進行方向に離間した2点の上下加速度を測定する。
(2)加速度センサ121,122がそれぞれ検出した上下加速度を、上下並進モードの加速度とピッチングモードの加速度とに分離する。
(3)車両の進行方向に合わせて、ピッチングモードの加速度の符号を変える。
(4)後述する特定の周波数における、上下並進モードの加速度とピッチングモードの加速度との位相差を検出する。この特定の周波数とは、正常時と異常時とで位相差に大きな違いが生じる周波数であり、予め実験等によって得ておく。
(5)位相差が予め設定した許容範囲を外れた場合、まくらばねダンパ24a,34aに異常があると判断する。
このとき、許容範囲をプラス側、マイナス側のどちらに超えたかによって、第1台車20、第2台車30のいずれかのまくらばねダンパ24a,34aに異常が発生したかを判断する。
また、上述した位相差の演算は、例えば、上下方向加速度及びピッチング方向加速度の相互相関関数をフーリエ変換したクロススペクトルに基づいて行うことも可能であるが、第1実施形態においては、計算処理の負荷を小さくするために、以下の方向によって近似的に位相差を求めている。
(1)上下方向加速度とピッチング方向加速度をそれぞれバンドパスフィルタに通すことで、特定の周波数の成分を抽出する。
(2)バンドパスフィルタ通過後の上下方向加速度とピッチング方向加速度を、0を閾値として二値化する。例えば、符号が正であれば1、負であれば0とする。
(3)二値化された上下方向加速度とピッチング方向加速度との排他的論理和(XOR)をとる。これによって、各タイミングにおいて、上下方向加速度とピッチング方向加速度の符号が一致するか否かが求まる。
(4)上述した排他的論理和について、所定の一定時間内における平均値を求めるか、あるいは、ローパスフィルタを通して平滑化することによって、上下方向加速度とピッチング方向加速度の符号不一致率が求まる。
ここで、上下方向加速度とピッチング方向加速度が周期信号である場合、両者の位相差が0°であれば、符号不一致率は0となる。また、位相差が±180°であれば、符号不一致率は1となる。実際には上下方向加速度とピッチング方向加速度は完全な周期信号にはならないが、この符号不一致率は、位相差を近似的に表現するパラメータとして用いることができる。
以下、1車両モデルによる数値シミュレーション結果について説明する。
このシミュレーションにおいては、例えば75km/h走行時の軸箱における上下加速度の実測波形を、車両モデルに入力した。この車両モデルにおいて、まくらばねダンパ24a,34aは、走行中に減衰特性を変更可能な可変減衰ダンパとし、公知の上下制振システムによる制御状態を模擬した。また、まくらばねダンパ24a,34aの異常状態は、可変減衰ダンパが最小減衰に固定された状態とした。
先ず、正常時と異常時とで位相差に大きな違いの生じる周波数を調べ、異常検出において注目する周波数帯域を決定する。
図2は、車体の上下並進モードとピッチングモードの振動の位相差をクロススペクトルから求めた結果を示すグラフであって、横軸は周波数を示し、縦軸は位相差を示している。また、図2において、正常時、第1台車20の右のまくらばねダンパ24a故障時、第2台車30の右のまくらばねダンパ34a故障時のデータを、それぞれ実線、点線、一転鎖線によって図示している。
図2に示すように、車体10の固有振動数付近でもある1.5Hz付近において、正常と異常とで位相差が顕著に異なっている。
そこで、第1実施形態においては、この1.5Hz近傍の周波数成分を用いて異常を検出することにする。
図3は、加速度センサ121,122が検出した車体10の2点の上下加速度を、モード分離して求めた加速度の推移の一例を示すグラフである。
図3(a)は上下並進モードの加速度を示し、図3(b)は、ピッチングモードの加速度を示している。
図3(a)、図3(b)は、いずれも縦軸が加速度を示し、横軸が時間を示している。
図4は、図3に示す加速度を、1.5Hz近傍を通過させるバンドパスフィルタに通過させた結果を示すグラフである。
図4(a)は上下並進モードの加速度を示し、図4(b)は、ピッチングモードの加速度を示している。
図4(a)、図4(b)は、いずれも縦軸が加速度を示し、横軸が時間を示している。
図5は、図4(a)、図4(b)に示すバンドパスフィルタ通過後の上下並進モード及びピッチングモードの加速度を、上述したように0を閾値として2値化した加速度符号の履歴を示すグラフである。
図5(a)は、上下並進モードの加速度符号を示し、図5(b)はピッチングモードの加速度符号を示している。
図5(a)、図5(b)は、いずれも縦軸が加速度符号を示し、横軸が時間を示している。
図6は、図5に示す上下並進モードの加速度符号と、ピッチングモードの加速度符号との排他的論理和(XOR)の履歴を示すグラフである。
図6において、縦軸は加速度符号の排他的論理和(1:異符号、0:同符号)を示し、横軸は時間を示している。
図7は、図6に示す排他的論理和をローパスフィルタに通して、所定期間内の平均値とした結果(符号不一致率)の履歴を示すグラフである。
図7は、縦軸が符号不一致率を示し、横軸が時間を示している。
この符号不一致率は、上下並進モードとピッチングモードの加速度の近似的な位相差を表すものである。
上述した車両モデルを用いて、正常時と異常時との符号不一致率の計算を行った結果を図8に示す。
図8は、縦軸が符号不一致率を示し、横軸が時間を示し、正常状態、第1台車20の右まくらばねダンパ24a異常状態、第1台車20の左まくらばねダンパ24a異常状態、第2台車30の右まくらばねダンパ34a異常状態、第2台車30の左まくらばねダンパ34a異常状態を、それぞれ実線、点線、一点鎖線、二点鎖線、三点鎖線で図示している(後述する図9において同様)。
図8に示すように、符号不一致率は正常時には0.55近傍で安定しているが、第1台車20のまくらばねダンパ24aが異常の場合、符号不一致率(近似位相差)が正常より大きく、また、第2台車30のまくらばねダンパ34aが異常の場合、符号不一致率が正常より小さくなっていることがわかる。
この場合、例えば、0.5から0.6を許容範囲と設定すれば、これを外れた場合に異常と判断し、さらに許容範囲のどちら側に外れたかによって、まくらばねダンパ24a,34aのどちらの異常かを特定することができる。
なお、ここではフィルタの初期値を0.55としたため、計算開始(0秒)はいずれも0.55になっている。
また、図9は、まくらばねダンパを減衰力特性固定式のパッシブダンパとした場合の計算結果を示すグラフである。
図9に示すように、図8に示す上下制振制御状態に対して、正常時と異常時との差は縮小するものの、傾向としては共通しており、閾値を適切に設定することによって、まくらばねダンパの異常を台車単位で検出することが可能である。
以上説明したように、第1実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)まくらばねダンパ24a,34aの正常、異常に応じて、車体10の上下方向加速度とピッチング方向加速度との位相差は変化することから、この位相差が所定の許容範囲を外れた場合に異常と判断することによって、車両1の運行中に適切にまくらばねダンパ24a、34aの異常を検出することができる。
さらに、位相差が許容範囲のどちら側に外れたかによって、まくらばねダンパ24a、34aのいずれの異常かを判別することができる。
(2)上下方向加速度とピッチング方向加速度を、正常時と異常時との差が大きい1.5Hz近傍のバンドパスフィルタを通過させてから異常検出に用いることによって、より適切にまくらばねダンパ24a,34aの異常を検出することができる。
(3)バンドパスフィルタ通過後の上下方向加速度とピッチング方向加速度の符号不一致率を、位相差の大きさを示すパラメータ(近似的位相差)として利用することによって、演算負荷を軽減し、比較的簡素な機器によって演算したり、高速に演算することが可能となる。
<第2実施形態>
次に、本発明を適用したまくらばね系の異常検出装置の第2実施形態について説明する。
なお、以下説明する各実施形態の説明において、従前の実施形態と実質的に共通する箇所には同じ符号を付して説明を省略し、主に相違点について説明する。
第2実施形態の異常検出装置100Aは、第1実施形態の加速度センサ121,122に代えて、車体10床下中央部に配置された加速度センサ123及びジャイロセンサ130を備えたものである。
第1実施形態においては、一対の加速度センサ121,122が検出する上下加速度のモード分離によって上下並進モード及びピッチングモードの加速度を検出しているが、第2実施形態においては、加速度センサ123によって上下並進モードの加速度を検出し、ジャイロセンサ130によってピッチング方向の角加速度を検出する構成としている。
以上説明した第2実施形態においても、上述した第1実施形態の効果と実質的に同様の効果を得ることができる。
<第3実施形態>
次に、本発明を適用したまくらばね系の異常検出装置の第3実施形態について説明する。
第3実施形態においては、まくらばね系の正常時と異常時とで位相差に違いが生じやすい周波数帯域は、車体の上下並進モードの振動の固有振動数前後であることに鑑み、この固有振動数前後の周波数帯域をバンドパスフィルタで抽出し、異常検出を行なう構成とした。この場合、上述した各実施形態のように、クロススペクトルの位相差を求めてカットオフ周波数を決定することは、必ずしも必要ではなくなる。
図11は、車両の走行速度に応じた車体の上下方向加速度とピッチング方向加速度の位相差の変化の一例を示すグラフである。
図11に示すように、位相差は、ある周波数を境に180°反転し、その周波数は走行速度に比例することがわかっている。
このため、バンドパスフィルタで抽出する周波数帯域が一定である場合、走行速度によっては反転した両方の位相差が混在し、安定した符号不一致率が得られない。
そこで、第3実施形態においては、バンドパスフィルタのカットオフ周波数を走行速度に比例して変化させるようにしている。
このように、走行速度に応じてカットオフ周波数が推移するフィルタは、例えば、カットオフ周波数が異なる2つのバンドパスフィルタを設計し、これらのフィルタ係数の間を線形補間することによって、近似的に実現することが可能である。このような手法を用いると、例えばフィルタ係数を毎回計算するよりも演算負荷を軽減することができる。
このようなフィルタの構成の一例を、式1乃至式3に示す。
Figure 2012111480

ここで、xはフィルタ通過前の信号、yはフィルタ通過後の信号、a及びbは低速度用フィルタの係数、a及びbは高速度用フィルタの係数、ζは補間係数である。
なお、このように走行速度に応じて抽出する周波数帯域を変化させる場合であっても、例えば走行速度が極低速の場合等には、本手法による異常検出は困難である。
そこで、第3実施形態においては、走行速度が所定値以上の場合にのみ異常検出を行なうとともに、所定値未満の場合には異常検出を停止するようにしている。
また、符号並びに符号不一致率は、正常時であっても走行速度に依存して変動する傾向があり、この変動が異常の判別を困難にする場合があった。
そこで、第3実施形態においては、走行速度と符号不一致率との関係を予め取得した走行データに基づいて関数で近似し、この近似関数を基準として相対化した符号不一致率を評価値とすることによって、走行速度による影響を低減し、異常検出精度を高めている。
図12は、走行試験で取得したダンパ正常時の符号不一致率と走行速度との関係を示すグラフである。平均的な傾向を把握するために、符号不一致率、走行速度ともに移動平均化処理を施している。
図12からは、符号不一致率が走行速度に依存し、低速になるほど大きくなる傾向がみられる。
ここで、走行速度v(t)と符号不一致率y(t)の関係を、式4のように2次関数で近似する。

=av(t)+bv(t)+c ・・(式4)

図12の場合には、図12に太実線にて示す近似関数(式5)が得られた。

=0.0020797v2−0.0359v+1.8268 ・・(式5)
図13は、正常時、第1台車右異常時、第2台車右異常時における符号不一致率の推移の一例を示すグラフである。
図14は、図13のデータを、図12に示す近似関数を基準とした相対値としたものを示すグラフである。
図14のように、近似関数y(t)からの相対符号不一致率y(t)を用いて異常検出を行なうことによって、走行速度への符号不一致率の依存の影響を抑制し、異常検出精度を向上することが可能である。
この相対符号不一致率y(t)を式6に示す。

(t)=y(t)−y(t)
=y(y)−(av(t)+bv(t)+c) ・・(式6)
また、符号不一致率を相対値とすることに代えて、異常検出に用いられる閾値(許容範囲)を走行速度に応じて変動させてもよい。
図15は、符号不一致率の変動に応じて閾値を変化させる場合の一例を示すグラフである。
図15に示す例においては、閾値を正常時の符号不一致率の近似関数yからの相対値としている。
これによって、閾値は走行速度に応じて変化し、符号不一致率の変動に沿うように閾値を変化させることができる。
以上説明した第3実施形態においては、上述した各実施形態の効果と実質的に同様の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
(1)車体の上下振動の固有振動数前後の周波数帯域を抽出して異常検出に用いることによって、異常検出を確実に行なうことができる。
(2)抽出する周波数帯域を走行速度に比例して高周波数側に推移させることによって、走行速度の変化に関わらず適切な異常検出を行なうことができる。
(3)このようなバンドパスフィルタを、カットオフ周波数が異なった複数のフィルタの係数を線形補間して構成することによって、演算負荷を低減することができる。
(4)走行速度が所定値以下では異常検出を停止することによって、例えば本手法による異常検出に適さない極低速時等に異常検出を行なって誤検出などが生じることを防止できる。
(5)走行速度に応じて、符号不一致率又は閾値を補正することによって、符号不一致率の走行速度への依存の影響を低減して異常検出精度を高めることができる。
(他の実施形態)
なお、本発明は上記した実施形態のみに限定されるものではなく、種々の応用や変形が考えられる。
例えば、異常検出方法及び異常検出装置の詳細な構成は、上述した各実施形態のものに限らず、適宜変更することができる。
例えば、各実施形態では上下方向加速度とピッチング方向加速度を二値化した後、符号不一致率に基づいて異常の判定を行っているが、これに限らず、例えばクロススペクトルを用いて位相差を演算し、この位相差が許容範囲を外れた場合に異常を判定してもよい。
また、上下方向加速度及びピッチング方向加速度を検出する各センサの種類や配置なども特に限定されない。
また、本発明は、まくらばねと独立して設けられるまくらばねダンパの異常検出に限らず、まくらばねの異常検出や、例えば空気ばね等のまくらばね自体が減衰要素を兼ねる場合には、その異常検出にも用いることができる。
例えば、本発明を利用して、まくらばね用の空気ばねの圧力低下を検出することができる。
また、第3実施形態では、符号不一致率又は閾値を走行速度に応じて補正しているが、符号不一致率を用いずに位相差を用いて直接異常検出を行なう場合には、位相差又はこの位相差が比較される閾値を、予め取得した正常時の位相差と走行速度との相関を用いて、走行速度に応じて補正してもよい。
1 車両 10 車体
20 第1台車 21 台車枠
22 第1輪軸 23 第2輪軸
24 2次ばね系 24a まくらばねダンパ
30 第2台車 31 台車枠
32 第3輪軸 33 第4輪軸
34 2次ばね系 34a まくらばねダンパ
100 異常検出装置(第1実施形態)
100A 異常検出装置(第2実施形態)
110 処理装置 121 加速度センサ
122 加速度センサ 123 加速度センサ
130 ジャイロセンサ

Claims (22)

  1. 鉄道車両の車体と台車との間に設けられるまくらばね系の異常検出方法であって、
    車体の上下方向加速度、及び、ピッチング方向加速度を検出し、
    前記上下方向加速度と前記ピッチング方向加速度との位相差が所定の許容範囲を外れた場合に異常と判断すること
    を特徴とするまくらばね系の異常検出方法。
  2. 前記位相差が前記許容範囲を外れた方向に基づいて、異常が発生したまくらばね系の部位を特定すること
    を特徴とする請求項1に記載のまくらばね系の異常検出方法。
  3. 前記上下方向加速度及び前記ピッチング方向加速度から予め設定された所定の周波数帯域の成分を抽出し、抽出後の前記上下方向加速度と前記ピッチング方向加速度との位相差が所定の許容範囲を外れた場合に異常と判断すること
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載のまくらばね系の異常検出方法。
  4. 前記所定の周波数帯域は、車体の上下並進モードの振動の固有振動数を含むように設定されること
    を特徴とする請求項3に記載のまくらばね系の異常検出方法。
  5. 前記所定の周波数帯域を、走行速度の増加に応じて高周波数側へ推移させること
    を特徴とする請求項3又は請求項4に記載のまくらばね系の異常検出方法。
  6. 予め求められた正常時の走行速度と前記位相差との相関を用いて、前記位相差と前記許容範囲の少なくとも一方を走行速度に応じて補正すること
    を特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載のまくらばね系の異常検出方法。
  7. 前記所定の周波数帯域の成分を抽出後の前記上下方向加速度及び前記ピッチング方向加速度を符号に変換し、前記上下方向加速度の符号と前記ピッチング方向加速度の符号との不一致率に基づいて前記位相差を検出すること
    を特徴とする請求項3から請求項5までのいずれか1項に記載のまくらばね系の異常検出方法。
  8. 前記符号の不一致率が許容範囲を外れた場合に異常と判断するとともに、予め求められた正常時の走行速度と前記不一致率との相関を用いて、前記不一致率と前記許容範囲の少なくとも一方を走行速度に応じて補正すること
    を特徴とする請求項7に記載のまくらばね系の異常検出方法。
  9. 前記上下方向加速度及び前記ピッチング方向加速度の相互相関関数をフーリエ変換したクロススペクトルに基づいて前記位相差を求めること
    を特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載のまくらばね系の異常検出方法。
  10. 走行速度が予め設定された異常検出速度範囲に含まれる場合に異常検出を行うとともに、走行速度が前記異常検出速度範囲から外れた場合に異常検出を停止すること
    を特徴とする請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載のまくらばね系の異常検出方法。
  11. 鉄道車両の車体と台車との間に設けられるまくらばね系の異常検出装置であって、
    車体の上下方向加速度、及び、ピッチング方向加速度を検出する車体挙動検出手段と、
    前記上下方向加速度と前記ピッチング方向加速度との位相差が所定の許容範囲を外れた場合に異常と判断する異常検出手段と
    を備えることを特徴とするまくらばね系の異常検出装置。
  12. 前記異常検出手段は、前記位相差が前記許容範囲を外れた方向に基づいて、異常が発生したまくらばね系の部位を特定すること
    を特徴とする請求項11に記載のまくらばね系の異常検出装置。
  13. 前記上下方向加速度及び前記ピッチング方向加速度から予め設定された所定の周波数帯域の成分を抽出する周波数帯域抽出手段を備え、
    前記異常検出手段は、前記抽出後の前記上下方向加速度と前記ピッチング方向加速度との位相差が所定の許容範囲を外れた場合に異常と判断すること
    を特徴とする請求項11又は請求項12に記載のまくらばね系の異常検出装置。
  14. 前記所定の周波数帯域は、車体の上下並進モードの振動の固有振動数を含むように設定されること
    を特徴とする請求項13に記載のまくらばね系の異常検出装置。
  15. 前記周波数帯域抽出手段は、前記所定の周波数帯域を、走行速度の増加に応じて高周波数側へ推移させること
    を特徴とする請求項13又は請求項14に記載のまくらばね系の異常検出装置。
  16. 前記異常検出手段は、予め求められた正常時の走行速度と前記位相差との相関を用いて、前記位相差と前記許容範囲の少なくとも一方を走行速度に応じて補正すること
    を特徴とする請求項11から請求項15までのいずれか1項に記載のまくらばね系の異常検出装置。
  17. 前記所定の周波数帯域の成分を抽出後の前記上下方向加速度及び前記ピッチング方向加速度を符号に変換する変換手段を備え、
    前記異常検出手段は、前記上下方向加速度の符号と前記ピッチング方向加速度の符号との不一致率に基づいて前記位相差を検出すること
    を特徴とする請求項13から請求項15までのいずれか1項に記載のまくらばね系の異常検出装置。
  18. 前記異常検出手段は、前記符号の不一致率が許容範囲を外れた場合に異常と判断するとともに、予め求められた正常時の走行速度と前記不一致率との相関を用いて、前記不一致率と前記許容範囲の少なくとも一方を走行速度に応じて補正すること
    を特徴とする請求項17に記載のまくらばね系の異常検出装置。
  19. 前記異常検出手段は、前記上下方向加速度及び前記ピッチング方向加速度の相互相関関数をフーリエ変換したクロススペクトルに基づいて前記位相差を求めること
    を特徴とする請求項11から請求項16までのいずれか1項に記載のまくらばね系の異常検出装置。
  20. 前記異常検出手段は、走行速度が予め設定された異常検出速度範囲に含まれる場合に異常検出を行うとともに、走行速度が前記異常検出速度範囲から外れた場合に異常検出を停止すること
    を特徴とする請求項11から請求項19までのいずれか1項に記載のまくらばね系の異常検出装置。
  21. 前記車体挙動検出手段は、車両の進行方向に離間して配置され前記車体の上下方向加速度を検出する複数の加速度センサ、及び、前記複数の加速度センサの出力に基づいて前記車体のピッチング方向加速度を演算するピッチング方向加速度演算手段を備えること
    を特徴とする請求項11から請求項20までのいずれか1項に記載のまくらばね系の異常検出装置。
  22. 前記車体挙動検出手段は、
    前記車体の上下方向加速度を検出する加速度センサと、
    前記車体のピッチング方向加速度を検出する角速度センサとを有すること
    を特徴とする請求項11から請求項20までのいずれか1項に記載のまくらばね系の異常検出装置。
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