JP3074381B2 - 車両の振動防止方法及び装置 - Google Patents

車両の振動防止方法及び装置

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JP3074381B2
JP3074381B2 JP10365905A JP36590598A JP3074381B2 JP 3074381 B2 JP3074381 B2 JP 3074381B2 JP 10365905 A JP10365905 A JP 10365905A JP 36590598 A JP36590598 A JP 36590598A JP 3074381 B2 JP3074381 B2 JP 3074381B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄道車両等の車体
に発生する重心の振動と車体の曲げ振動とを制御して車
両の振動を防止する方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図10に示すように、鉄道車両10がレ
ール12上を走行することにより、レール12の不整に
よる外乱が車輪14を通じて台車16に伝わり、その台
車16の振動が空気ばね18を通じて車体20に伝わ
り、車体20が振動する。空気ばねの役割は、台車の高
周波帯域(約2Hz以上)の振動を車体に伝わらないよう
に振動絶縁することである。しかしながら、空気ばねと
車体とからなる振動系は、約1Hzの共振周波数を持ち、
低周波帯域では振動の増大が起こる。従来は、空気ばね
に内在しているダンピング(減衰)要素を調整して、高
周波帯域の振動と低周波帯域の振動のトレードオフを行
ってきた。しかしながら、両者を同時に低減することは
不可能であった。そこで、高周波帯域の振動と低周波帯
域の振動とを同時に低減させる方法として、アクチュエ
ータを付加して車体の振動に応じた制御を行うアクティ
ブサスペンションが開発された。
【0003】従来の上下系のアクティブサスペンション
は、図10に示すように、台車16の上側に位置する車
体20上に、上下方向の振動加速度を計測する上下加速
度センサ22を設置し、台車16と車体20との間に上
下方向の振動を制御するアクチュエータ24を設けて、
車体20の重心の上下振動と重心のピッチ振動を制御す
るものであった。なお、空気ばね及びアクチュエータ
は、台車と車体との間の加速度センサの略下側に設置さ
れるが、図10では、便宜上、アクチュエータ24を空
気ばね18の前後にずらして図示している。また、特開
平5−262233号公報には、図11に示すように、
加速度センサ26を車体28の上下方向の曲げ振動の節
の部分に設置して、車体の曲げ振動の影響を受けないよ
うにして車体重心の上下・ピッチ振動を制御する技術が
開示されている。30は台車、32はアクチュエータと
空気ばねとからなる振動制御系である。また、特開平6
−239231号公報には、車体の上下方向の曲げ振動
の固有周波数を特定し、この車体の上下曲げ振動数を車
体重心の上下・ピッチ振動を制御するアルゴリズムに取
り入れて、車体の曲げ振動をノイズとして分離し、車体
重心の上下・ピッチ振動を制御する技術が開示されてい
る。このように、特開平5−262233号公報、特開
平6−239231号公報に記載された技術は、車体の
重心の振動のみを制御し、車体の曲げ振動を制御しない
ものである。
【0004】ところが、鉄道車両のさらなる速度向上、
さらなる軽量化に伴い、車体の重心の振動のみならず車
体の曲げ振動の増大は無視できないものとなり、車体の
曲げ振動を制御しない装置では、乗客の乗り心地を良好
なものとすることができない。したがって、さらなる乗
り心地向上のためには、図11、図12に示すような車
体の曲げ振動(共振周波数約10Hz)を制御することが
有効である。車体の曲げ振動を制御する技術として、特
開平10−147241号公報には、図12に示すよう
に、車体28の上下方向の曲げ振動の腹の部分(車体2
8の中央部床下)に可動質量体34を取り付け、車体2
8中央部に設置した加速度センサ26の検出結果により
アクチュエータ36を可動制御し、可動質量体34をア
クチュエータ36で上下方向に動かして、その慣性力に
より車体28の上下方向の曲げ振動を制御する技術が開
示されている。30は台車、38は空気ばねである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、特開
平5−262233号公報や特開平6−239231号
公報に記載されたような車体の曲げ振動を制御しない技
術では、鉄道車両における良好な乗り心地を実現させる
ことはできない。また、特開平10−147241号公
報に記載された技術では、車体の曲げ振動の制御のため
に新たに可動質量体を設置しなければならず、コストの
増大、車体重量の増大を招くことになる。
【0006】本発明は上記の諸点に鑑みなされたもの
で、本発明の目的は、鉄道車両等の車体に設置する加速
度センサやアクチュエータの配置を車体の上下方向の曲
げ振動を観測・制御できる位置に配置し、車体重心の振
動と車体の曲げ振動とを個別に制御するためのセンサ信
号の処理を行うことにより、車体重心の上下・ピッチ振
動の振動制御のみならず、車体の上下方向の曲げ振動の
振動制御を従来より簡単な機構で実現することができ、
乗客の乗り心地の向上を図ることができる車両の振動防
止方法及び装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の車両の振動防止方法は、車体重心の上下
振動、車体重心のピッチ振動及び車体の上下方向の曲げ
振動を観測可能な位置である車体の前位及び後位に少な
くとも1個ずつの加速度センサを設置し、車体重心の上
下・ピッチ振動を制御するために用いられるアクチュエ
ータを車体の上下方向の曲げ振動を制御可能な位置に配
置して、加速度センサで得られた加速度信号を車体重心
の上下加速度、車体重心のピッチ加速度及び車体の上下
曲げ振動加速度の振動成分に分離し、それぞれの振動成
分を個別に処理してアクチュエータへの指令値を算出す
ることにより、車体重心の上下・ピッチ振動及び車体の
上下曲げ振動を制御するように構成されている(図1〜
図9参照)。
【0008】記の本発明の方法において、加速度セン
サで得られた加速度信号をローパスフィルタに入力して
車体重心の上下加速度及び車体重心のピッチ加速度のそ
れぞれの信号を分離し、加速度センサで得られた加速度
信号をバンドパスフィルタに入力して車体の上下曲げ振
動加速度の信号を分離することができる(図2〜図8参
照)。
【0009】また、本発明の方法は、車体の上下方向の
曲げ振動を観測可能な位置及び車体の上下方向の曲げ振
動の節となる位置である車体の前位及び後位に少なくと
も2個ずつの加速度センサを設置し、車体重心の上下・
ピッチ振動を制御するために用いられるアクチュエータ
を車体の上下方向の曲げ振動を制御可能な位置に配置し
て、車体の上下曲げ振動を観測可能な加速度センサで得
られた加速度信号をバンドパスフィルタに入力して車体
の上下曲げ振動加速度の信号を分離し、車体の上下曲げ
振動の影響を受けない節に設置された加速度センサで得
られた加速度信号から車体重心の上下加速度及び車体重
心のピッチ加速度のそれぞれの信号をローパスフィルタ
を用いずに分離し、それぞれの加速度の振動成分を個別
に処理してアクチュエータへの指令値を算出することに
より、車体重心の上下・ピッチ振動及び車体の上下曲げ
振動を制御することを特徴としている(図9参照)。
【0010】本発明の車両の振動防止装置は、車両の台
車と車体との間に車体重心の上下・ピッチ振動を制御す
るために用いられるアクチュエータを設け、車体に上下
方向の振動加速度を計測する加速度センサを設けて車体
の振動を制御する装置において、車体の上下方向の曲げ
振動を計測可能な位置である車体の前位及び後位少な
くとも1個ずつの加速度センサを設置し、車体の上下方
向の曲げ振動を制御可能な位置にアクチュエータを配置
し、入力された加速度信号から車体重心の上下加速度及
び車体重心のピッチ加速度のそれぞれの信号を分離する
ローパスフィルタを加速度センサに接続し、入力された
加速度信号から車体の上下曲げ振動加速度の信号を分離
するバンドパスフィルタを加速度センサに接続し、車体
重心の上下加速度、車体重心のピッチ加速度及び車体の
上下曲げ振動加速度のそれぞれの信号を個別に処理して
アクチュエータへの指令値を出力するそれぞれのコント
ローラをローパスフィルタ及びバンドパスフィルタに接
続して、車体重心の上下・ピッチ振動及び車体の上下曲
げ振動を制御するようにしたことを特徴としている(図
1〜図8参照)。
【0011】また、本発明の装置は、車両の台車と車体
との間に車体重心の上下・ピッチ振動を制御するために
用いられるアクチュエータを設け、車体に上下方向の振
動加速度を計測する加速度センサを設けて車体の振動を
制御する装置において、車体の上下方向の曲げ振動を観
測可能な位置及び車体の上下方向の曲げ振動の節となる
位置である車体の前位及び後位に少なくとも2個ずつ
加速度センサを設置し、車体の上下方向の曲げ振動を制
御可能な位置にアクチュエータを配置し、入力された加
速度信号から車体の上下曲げ振動加速度の信号を分離す
るバンドパスフィルタを車体の上下曲げ振動を観測可能
な加速度センサに接続し、車体の上下曲げ振動の影響を
受けない節に設置された加速度センサの加速度信号から
ローパスフィルタを用いずに得られた車体重心の上下加
速度及び車体重心のピッチ加速度のそれぞれの信号を個
別に処理してアクチュエータへの指令値を出力するそれ
ぞれのコントローラを前記節に設置された加速度センサ
に接続し、車体の上下曲げ振動加速度の信号を処理して
前記コントローラとともにアクチュエータへの指令値を
出力するコントローラをバンドパスフィルタに接続し
て、車体重心の上下・ピッチ振動及び車体の上下曲げ振
動を制御するようにしたことを特徴としている(図9参
照)。上記の本発明の装置において、車両の台車と車体
との間に設置されるアクチュエータを電磁アクチュエー
タとすることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、鉄道車両における上下系の
振動防止装置を一例として本発明の実施の形態について
説明するが、本発明は下記の実施の形態に何ら限定され
るものではなく、適宜変更して実施することが可能なも
のである。図1、図2は、本発明の実施の第1形態によ
る車両の振動防止装置を示している。本実施の形態は、
車体重心の上下・ピッチ振動及び車体の上下方向の曲げ
振動を制御するのに、車体重心の上下・ピッチの振動を
制御するために用いられてきたアクチュエータだけで制
御が可能であり、装置構成が従来より簡単になるメリッ
トがある。図1は加速度センサとアクチュエータ等の配
置を簡単に図示した構成図であり、図2は本実施の形態
における装置の信号の流れを示す構成図である。なお、
図2は車体を上から見たものである。図1に示すよう
に、車体40の上下方向の曲げ振動を観測可能な位置、
すなわち、台車42の上側に位置する車体40上で曲げ
振動の節よりも車体40端部となる位置に、上下方向の
振動加速度を計測する上下加速度センサ44、46を設
置し、車体40と台車42との間における車体40の上
下方向の曲げ振動を制御可能な位置に、上下方向の振動
を制御するアクチュエータ48、50を配置する。な
お、図1では、台車42に取り付けられた車輪や空気ば
ね等の具体的構成の図示を省略している。
【0013】本実施の形態では、車体重心の上下・ピッ
チ振動、車体の上下方向の曲げ振動を観測できる位置に
加速度センサを設置している。加速度センサを設置する
位置は、一例として、図2に示すように、車体の前位、
後位の台車上側で車体上の左右方向の中央部である。こ
のようにセンサを配置することにより、2個の加速度セ
ンサで振動を観測可能となる。本実施形態における信号
の流れは、図2に示すように、車体40の2箇所に設置
された前位の上下加速度センサ44、後位の上下加速度
センサ46で検出された上下方向の加速度信号を加算、
減算の演算処理の後に、それぞれローパスフィルタ5
2、54、バンドパスフィルタ56に入力して、車体重
心の上下加速度、車体重心のピッチ加速度、車体の上下
曲げ振動加速度の3種類の加速度に分離する。その3種
類の加速度信号をそれぞれ、重心上下振動のコントロー
ラ58、重心ピッチ振動のコントローラ60、上下曲げ
振動のコントローラ62に入力し、ゲインと位相を補償
して、それぞれのコントローラ出力に対して加算、減算
の演算処理を行い、車体40の2箇所に前後に設置され
た前位のアクチュエータ48、後位のアクチュエータ5
0の駆動指令値とする。なお、加速度センサやアクチュ
エータにおける前位、後位とは、例えば、車両が10両
編成の場合に、1号車側が前位で10号車側が後位とい
う意味である。上記のような演算は、例えば、1ms
(0.001秒)毎にリアルタイム処理を行う。また、
車体の上下曲げ振動を制御するアクチュエータは、応答
速度が速く、メンテナンス性に優れる電磁リニアアクチ
ュエータや油圧アクチュエータ、又は空気圧アクチュエ
ータなどが用いられる。特に、アクチュエータとして電
磁リニアモータを利用したアクチュエータを用いる場合
は、油圧や空気圧を利用したものと比較して、高い周波
数の振動まで制御することができる。
【0014】図2に示すローパスフィルタを伝達関数表
現すると、一例として、図3のようなローパスフィルタ
64になる。sはラプラス演算子であり、Tは時定数で
ある。図3においては、1次のローパスフィルタで時定
数Tを調整する。例えば、ローパスフィルタのカットオ
フ周波数を3Hzとする場合の伝達特性は、図4のように
なる。なお、本実施形態においては、通常、1次以上の
ローパスフィルタであれば好適な伝達特性が得られる。
図2に示すバンドパスフィルタを伝達関数表現すると、
一例として、図5のようなバンドパスフィルタ66にな
る。sはラプラス演算子であり、A1〜A5、B 1〜B5
定数である。図5においては、4次のフィルタでA1
5、B1〜B5を指定する。例えば、バンドパスフィル
タの中心周波数を10Hz、バンド幅を2Hzとする場合の
伝達特性は、図6のようになる。なお、本実施形態にお
いては、通常、4次以上のバンドパスフィルタであれば
好適な伝達特性が得られる。図2に示すコントローラを
伝達関数表現すると、一例として、図7のようなコント
ローラ68になる。sはラプラス演算子であり、C1
5、D1〜D5は定数である。図7においては、4次の
フィルタでC1〜C5、D1〜D5を指定する。上述したよ
うに、コントローラはゲインと位相を補償するものであ
り、その伝達特性は、例えば、図8のようになる。な
お、本実施形態においては、通常、4次以上のフィルタ
であれば好適な伝達特性が得られる。また、定数C1
5、D1〜D5は、車体重心の上下加速度、車体重心の
ピッチ加速度、車体の上下曲げ振動加速度のそれぞれで
異なるものとなる。
【0015】図9は、本発明の実施の第2形態による車
両の振動防止装置を示している。本実施の形態は、車体
重心の上下・ピッチ振動、車体の上下方向の曲げ振動を
観測できる位置にそれぞれ加速度センサを設置するもの
である。加速度センサを設置する位置は、車体の前位、
後位の台車上側で車体上の左右方向の中央部と、それに
加えて、台車上側よりも車体の前後方向の中央部側(車
体の上下曲げ振動の節)の位置である。図9は本実施の
形態における装置の信号の流れを示す構成図である。な
お、図9は車体を上から見たものである。図9に示すよ
うに、車体40の上下方向の曲げ振動を観測可能な位
置、すなわち、台車(図示略)の上側に位置する車体4
0上で曲げ振動の節よりも車体40端部となる位置に、
上下方向の振動加速度を計測する前位の上下加速度セン
サ44、後位の上下加速度センサ46を設置し、車体4
0の上下曲げ振動の節となる位置、すなわち、台車(図
示略)上側より車体40の前後方向中央部側の2箇所
に、車体重心の上下・ピッチ振動を検出するための上下
加速度センサ70、72を設置する。そして、車体40
と台車(図示略)との間における車体40の上下方向の
曲げ振動を制御可能な位置に、上下方向の振動を制御す
る前位のアクチュエータ48、後位のアクチュエータ5
0を配置する。
【0016】本実施形態における信号の流れは、図9に
示すように、車体40の上下方向の曲げ振動を観測可能
な位置に設置された前位の上下加速度センサ44、後位
の上下加速度センサ46で検出された加速度信号を加算
の演算処理の後に、バンドパスフィルタ56に入力し
て、車体の上下曲げ振動加速度の振動成分のみを分離す
る。この加速度信号を上下曲げ振動のコントローラ62
に入力し、ゲインと位相を補償する。また、車体40の
上下方向の曲げ振動の節となる位置に設置された上下加
速度センサ70、72で検出された加速度信号を、加
算、減算の演算処理により、車体重心の上下加速度、車
体重心のピッチ加速度のそれぞれの振動成分に分離す
る。これらの加速度信号をそれぞれ、重心上下振動のコ
ントローラ58、重心ピッチ振動のコントローラ60に
入力し、ゲインと位相を補償する。そして、前述の上下
曲げ振動のコントローラ62を加えたそれぞれのコント
ローラ出力に対して加算、減算の演算処理を行い、車体
40の2箇所に前後に設置された前位のアクチュエータ
48、後位のアクチュエータ50の駆動指令値とする。
このように、加速度センサを車体の上下方向の曲げ振動
の節に付加して合計4個の加速度センサで制御を行うこ
とにより、車体重心の上下・ピッチの振動成分のみをロ
ーパスフィルタを用いずに分離可能となる。他の構成及
び作用は、実施の第1形態の場合と同様である。
【0017】
【発明の効果】本発明は上記のように構成されているの
で、つぎのような効果を奏する。 (1) 車体重心の上下・ピッチ振動の振動制御のみな
らず、車体の上下方向の曲げ振動の振動制御を従来より
簡単な機構で実現することができ、乗客の乗り心地の向
上を図ることができる。 (2) 車体に設置する加速度センサやアクチュエータ
の配置を車体重心の上下・ピッチ振動及び車体の上下方
向の曲げ振動を観測・制御できる位置に配置するので、
少ないセンサ数で車体重心の上下・ピッチ振動、車体の
上下曲げ振動の3種類の振動を制御することができる。 (3) 加速度センサからの加速度信号をローパスフィ
ルタ、バンドパスフィルタを用いて処理する場合は、車
体重心の上下・ピッチ振動加速度、車体の上下曲げ振動
加速度の3種類の振動成分に分離して、車体重心の上下
・ピッチ振動と車体の上下曲げ振動とを個別に制御する
ことができる。 (4) 車体の上下方向の曲げ振動を観測可能な位置及
び車体の上下方向の曲げ振動の節となる位置に加速度セ
ンサを設置する場合は、車体重心の上下・ピッチの振動
成分のみをローパスフィルタを用いずに分離可能であ
り、車体重心の上下・ピッチ振動と車体の上下曲げ振動
とを個別に制御することができる。 (5) アクチュエータとして電磁アクチュエータを用
いる場合は、油圧や空気圧を利用したものと比較して、
高い周波数の振動まで制御することができ、さらなる乗
り心地の向上が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1形態による車両の振動防止
装置の加速度センサとアクチュエータ等の配置を示す概
略構成図である。
【図2】本発明の実施の第1形態における車両の振動防
止装置の信号の流れを示す構成図である。
【図3】図2に示すローパスフィルタを伝達関数表現で
表した一例を示す構成図である。
【図4】図2に示すローパスフィルタ(カットオフ周波
数3Hzの場合)の伝達特性の一例を示すゲイン線図であ
る。
【図5】図2に示すバンドパスフィルタを伝達関数表現
で表した一例を示す構成図である。
【図6】図2に示すバンドパスフィルタ(中心周波数1
0Hz、バンド幅2Hzの場合)の伝達特性の一例を示すゲ
イン線図である。
【図7】図2に示すコントローラを伝達関数表現で表し
た一例を示す構成図である。
【図8】図2に示すコントローラの伝達特性の一例を示
すゲイン線図である。
【図9】本発明の実施の第2形態における車両の振動防
止装置の信号の流れを示す構成図である。
【図10】従来の上下系のアクティブサスペンションシ
ステムを示す概略構成図である。
【図11】従来の車両の振動防止装置における加速度セ
ンサとアクチュエータ等の配置を示す概略構成図であ
る。
【図12】従来の車両の振動防止装置における可動質量
体、加速度センサ、アクチュエータ等の配置を示す概略
構成図である。
【符号の説明】
10 鉄道車両 12 レール 14 車輪 16、30、42 台車 18、38 空気ばね 20、28、40 車体 22、44、46、70、72 上下加速度センサ 24、36、48、50 アクチュエータ 26 加速度センサ 32 振動制御系 34 可動質量体 52、54、64 ローパスフィルタ 56、66 バンドパスフィルタ 58、60、62、68 コントローラ

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体重心の上下振動、車体重心のピッチ
    振動及び車体の上下方向の曲げ振動を観測可能な位置
    ある車体の前位及び後位に少なくとも1個ずつの加速度
    センサを設置し、車体重心の上下・ピッチ振動を制御す
    るために用いられるアクチュエータを車体の上下方向の
    曲げ振動を制御可能な位置に配置して、加速度センサで
    得られた加速度信号を車体重心の上下加速度、車体重心
    のピッチ加速度及び車体の上下曲げ振動加速度の振動成
    分に分離し、それぞれの振動成分を個別に処理してアク
    チュエータへの指令値を算出することにより、車体重心
    の上下・ピッチ振動及び車体の上下曲げ振動を制御する
    ことを特徴とする車両の振動防止方法。
  2. 【請求項2】 加速度センサで得られた加速度信号をロ
    ーパスフィルタに入力して車体重心の上下加速度及び車
    体重心のピッチ加速度のそれぞれの信号を分離し、加速
    度センサで得られた加速度信号をバンドパスフィルタに
    入力して車体の上下曲げ振動加速度の信号を分離する請
    求項1記載の車両の振動防止方法。
  3. 【請求項3】 車体の上下方向の曲げ振動を観測可能な
    位置及び車体の上下方向の曲げ振動の節となる位置であ
    る車体の前位及び後位に少なくとも2個ずつの加速度セ
    ンサを設置し、車体重心の上下・ピッチ振動を制御する
    ために用いられるアクチュエータを車体の上下方向の曲
    げ振動を制御可能な位置に配置して、車体の上下曲げ振
    動を観測可能な加速度センサで得られた加速度信号をバ
    ンドパスフィルタに入力して車体の上下曲げ振動加速度
    の信号を分離し、車体の上下曲げ振動の影響を受けない
    節に設置された加速度センサで得られた加速度信号から
    車体重心の上下加速度及び車体重心のピッチ加速度のそ
    れぞれの信号をローパスフィルタを用いずに分離し、そ
    れぞれの加速度の振動成分を個別に処理してアクチュエ
    ータへの指令値を算出することにより、車体重心の上下
    ・ピッチ振動及び車体の上下曲げ振動を制御することを
    特徴とする車両の振動防止方法。
  4. 【請求項4】 車両の台車と車体との間に車体重心の上
    下・ピッチ振動を制御するために用いられるアクチュエ
    ータを設け、車体に上下方向の振動加速度を計測する加
    速度センサを設けて車体の振動を制御する装置におい
    て、 車体の上下方向の曲げ振動を計測可能な位置である車体
    の前位及び後位少な くとも1個ずつの加速度センサを
    設置し、 車体の上下方向の曲げ振動を制御可能な位置にアクチュ
    エータを配置し、 入力された加速度信号から車体重心の上下加速度及び車
    体重心のピッチ加速度のそれぞれの信号を分離するロー
    パスフィルタを加速度センサに接続し、 入力された加速度信号から車体の上下曲げ振動加速度の
    信号を分離するバンドパスフィルタを加速度センサに接
    続し、 車体重心の上下加速度、車体重心のピッチ加速度及び車
    体の上下曲げ振動加速度のそれぞれの信号を個別に処理
    してアクチュエータへの指令値を出力するそれぞれのコ
    ントローラをローパスフィルタ及びバンドパスフィルタ
    に接続して、車体重心の上下・ピッチ振動及び車体の上
    下曲げ振動を制御するようにしたことを特徴とする車両
    の振動防止装置。
  5. 【請求項5】 車両の台車と車体との間に車体重心の上
    下・ピッチ振動を制御するために用いられるアクチュエ
    ータを設け、車体に上下方向の振動加速度を計測する加
    速度センサを設けて車体の振動を制御する装置におい
    て、 車体の上下方向の曲げ振動を観測可能な位置及び車体の
    上下方向の曲げ振動の節となる位置である車体の前位及
    び後位に少なくとも2個ずつの加速度センサを設置し、 車体の上下方向の曲げ振動を制御可能な位置にアクチュ
    エータを配置し、 入力された加速度信号から車体の上下曲げ振動加速度の
    信号を分離するバンドパスフィルタを車体の上下曲げ振
    動を観測可能な加速度センサに接続し、 車体の上下曲げ振動の影響を受けない節に設置された加
    速度センサの加速度信号からローパスフィルタを用いず
    に得られた車体重心の上下加速度及び車体重心のピッチ
    加速度のそれぞれの信号を個別に処理してアクチュエー
    タへの指令値を出力するそれぞれのコントローラを前記
    節に設置された加速度センサに接続し、 車体の上下曲げ振動加速度の信号を処理して前記コント
    ローラとともにアクチュエータへの指令値を出力するコ
    ントローラをバンドパスフィルタに接続して、車体重心
    の上下・ピッチ振動及び車体の上下曲げ振動を制御する
    ようにしたことを特徴とする車両の振動防止装置。
  6. 【請求項6】 車両の台車と車体との間に設置されるア
    クチュエータが電磁アクチュエータである請求項4又は
    5記載の車両の振動防止装置。
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