JPH11321269A - 懸架機構の制御装置 - Google Patents

懸架機構の制御装置

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JPH11321269A
JPH11321269A JP15517298A JP15517298A JPH11321269A JP H11321269 A JPH11321269 A JP H11321269A JP 15517298 A JP15517298 A JP 15517298A JP 15517298 A JP15517298 A JP 15517298A JP H11321269 A JPH11321269 A JP H11321269A
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wheel
damping force
shock absorber
hydraulic shock
vertical
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JP15517298A
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Yasumaru Kubo
康丸 久保
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車体と車輪に対しスカイフツク制御を適用す
るに当り、車輪のスカイフツク制御は車輪の共振点付近
のみで行う、懸架機構の制御装置を得る。 【解決手段】 各上下加速度センサ2,6の信号を積分
して車体3と車輪7の上下速度をそれぞれ求める。スカ
イフツクゲイン設定器43により車体3の上下速度から
車体3のスカイフツク制御に最適な油圧緩衝器4の減衰
力を求め、油圧緩衝器4の減衰力とピストン28の速度
とから実際に発生可能な減衰力Fbを求める。車輪7の
上下加速度センサ6の信号から共振速度推定フイルタ5
0により車輪7の共振点付近の上下速度を取り出す。ス
カイフツクゲイン設定器48により車輪7の共振点付近
の上下速度から車輪7のスカイフツク制御に最適な油圧
緩衝器4の減衰力を求め、油圧緩衝器4の減衰力とピス
トン28の速度とから実際に発生可能な減衰力Fwを求
める。油圧緩衝器4に減衰力Wb,Fwの内の大きい方
の減衰力を発生させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車両のスカイフツク
制御を行う懸架機構の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】普通の油圧緩衝器(ダンパ)では、車
種、車型、乗心地、操縦安定性などを考慮して減衰特性
が設定される。通常は車体の共振を適度に抑えるように
油圧緩衝器の減衰力を大きく設定するが、このように設
定すると、当然路面入力の遮断性が低下し、乗員にごつ
ごつ感を与える。路面の凹凸を車体に伝えないようにす
るには、油圧緩衝器の減衰力を小さく設定するのが好ま
しいが、このように設定すると、車体の共振と車輪の共
振が目立つようになり、乗員にふわふわ感を与える。
【0003】そこで、車体の共振(共振点が1〜2H
z)を抑えるのに必要な応答性(例えば約25〜50m
sec)を有する減衰力可変型の油圧緩衝器を備えたセ
ミアクテイブ懸架機構が開発され、油圧緩衝器の減衰特
性(最小特性)を小さく設定することにより路面入力の
遮断性を改善している。しかし、上述のセミアクテイブ
懸架機構では車輪の共振を抑える応答性を有しないの
で、車輪の共振を適度に抑え得るように油圧緩衝器の減
衰力をやや大きめに設定し、路面入力の遮断性を犠牲に
している。
【0004】特開平7-172129号公報などに開示される懸
架機構のスカイフツク制御装置では、車体の上下速度に
応じて油圧緩衝器に最適な減衰力を発生させ、車体の共
振を抑えている。しかし、上述の制御装置では車体の振
動を抑えるのに最適であると判断して、油圧緩衝器の減
衰力を小さくすると、車体は安定するが、車輪(タイ
ヤ)が暴れ、車輪の接地力が小さくなることがある。具
体的には、小型車両において車体の振動数が10Hz付
近では、油圧緩衝器の減衰力が小さい(油圧緩衝器が柔
らかい)ほど乗心地はよいが、油圧緩衝器の減衰力が小
さい(油圧緩衝器が柔らかい)ほど車輪(タイヤ)の接
地力が小さくなり、操縦安定性が損われる。そこで、油
圧緩衝器の減衰力が小さくなりすぎないように、減衰力
の下限値をある程度大きくし、車輪の暴れを抑えつつス
カイフツク制御を行つているのが現状である。
【0005】しかし、油圧緩衝器の減衰力の下限値を大
きくすると、車体の振動を抑えるための油圧緩衝器の最
適な減衰力が得られないことがあり、スカイフツク制御
の効果を十分に発揮できなくなる。そこで、車輪につい
てもスカイフツク制御を行うのが好ましいが、この場合
は次のような問題がある。車輪の振動による上下速度に
応じた油圧緩衝器の最適な減衰力を求める場合に、本来
減衰すべき共振による車輪の振動と、減衰すべきでない
路面変化による車輪の振動とを区別できないので、路面
変化による車輪の振動に対してもスカイフツク制御を行
うことになる。路面変化による車輪の振動に対しスカイ
フツク制御を行うと、車輪の振動による上下速度に応じ
た減衰力が油圧緩衝器に発生するので、路面変化が激し
いほど油圧緩衝器の減衰力が大きくなり、路面変化が直
接車体へ伝達され、車両の乗心地が悪くなる。共振によ
る車輪の振動と路面変化による車輪の振動とを区別でき
ない主な理由は、次のような事情による。車両は悪路で
は低速で、良路では高速で運転されるところから、一般
に路面入力は振動数が低い領域では振動レベル(振幅)
が大きく、振動数が高くなるほど振動レベル(振幅)が
小さくなるという事情から、振動レベルから共振点を見
い出すことは難しい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は上述の
問題に鑑み、車体と車輪に対しスカイフツク制御を適用
するに当り、車輪のスカイフツク制御は車輪の共振点付
近のみで行うようにした、懸架機構の制御装置を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の構成は車体と各車輪の上下加速度をそれぞ
れ検出する第1,第2の上下加速度センサと、各車輪に
対する減衰力可変型の油圧緩衝器とを備え、第1,第2
の上下加速度センサからそれぞれ得た上下加速度を積分
して車体の上下速度と車輪の上下速度を求め、車体の上
下速度に基づいて車体のスカイフツク制御を行うのに最
適な油圧緩衝器の減衰力を求め、該油圧緩衝器の減衰力
と車輪に対する車体の相対上下速度とから実際に発生可
能な第1の減衰力を求める一方、車輪の上下加速度から
共振速度推定フイルタにより車輪の共振点付近の上下速
度を取り出し、該車輪の共振点付近の上下速度に基づい
て車輪のスカイフツク制御を行うのに最適な油圧緩衝器
の減衰力を求め、該油圧緩衝器の減衰力と車輪に対する
車体の相対上下速度とから実際に発生可能な第2の減衰
力を求め、前記油圧緩衝器に第1,第2の減衰力の内の
大きい方の減衰力を発生させることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】車両の乗心地を向上するには、車
輪の共振を抑える応答性を有する減衰力可変型の油圧緩
衝器が要求される。本発明では車両の懸架機構に用いる
油圧緩衝器について、作動油に機能性流体と称する電気
的に粘度が変化する(実際には流体の流動性が抑えられ
る)電気粘性流体を用い、油圧緩衝器の減衰力を高速か
つ連続的に変化させる。作動油に電気粘性流体を用いる
と、電気粘性流体に電界を印加することにより、作動油
の粘度を高め、減衰力を大きくすることができる。ま
た、作動油に磁気粘性流体を用いても、磁気粘性流体に
磁界を印加することにより、作動油の粘度を高め(実際
には作動油の流動性を抑える)、減衰力を大きくするこ
とができる。何れの作動油も油圧緩衝器の減衰力を調整
するのに機械的な可動部を必要とせず、油圧緩衝器の減
衰力の調整に要する時間は、作動油の粘度変化に要する
時間にほぼ等しく(約5〜10msec)、車輪の共振(共
振点が10〜15Hz)を抑制できる。
【0009】車両の懸架機構の油圧緩衝器に上述のよう
な作動油を用いれば、油圧緩衝器の減衰力を迅速に調整
でき、路面入力(路面の凸凹)を車体に伝えないように
する路面入力の遮断性と、車輪の接地性を維持する路面
入力追従性とを発揮し、車両の乗心地を向上できる。具
体的には、油圧緩衝器が発生する減衰力の最小特性(下
限値)を小さく設定することにより、路面入力の遮断性
を高め、車体と車輪の上下速度に応じて油圧緩衝器の減
衰力を調整することにより、車体の共振(共振点が1〜
2Hz)と車輪の共振を抑え、車輪の接地性すなわち路
面入力追従性を維持する。
【0010】車体と車輪の間に減衰力可変型の油圧緩衝
器を連結して電子制御式セミアクテイブ懸架機構を構成
し、車体の共振を抑制して路面入力の遮断性を向上させ
るには、車体の上下速度(絶対速度)に比例した減衰力
を油圧緩衝器に発生させるスカイフツク制御が効果的で
ある。上述のスカイフツク制御を車輪の共振の抑制に採
用すると、共振点以下の振動領域における路面入力の遮
断性が低下するという問題が生じる。これは普通の路面
を走行する時の車輪の上下速度が、車輪の共振点以下の
振動領域でも大きいことに起因する。つまり、車輪の共
振点以下での車輪の上下移動は、共振によるものではな
く路面入力によるものであり、車輪の共振点以下の振動
領域で、路面の凸凹による車輪の上下速度に応じて油圧
緩衝器の減衰力を加減すると、車両の乗心地は著しく低
下する。
【0011】上述の問題を解消するには、車輪の上下速
度について、路面変化によるものと、車輪の共振による
ものとを区別する必要がある。具体的には、車輪(タイ
ヤ)が撓むのは路面の凸凹による振動と判断し、車輪
(タイヤ)と路面との相対上下速度、つまり車輪(タイ
ヤ)の撓みによる車輪の上下速度を検出する必要があ
る。しかし、転動する車輪が撓む上下速度を検出するこ
とは非常に難しく、車輪の共振点付近での振動を抑制す
るのを困難にしている。
【0012】本発明では車輪にスカイフツク制御を適用
するに当たり、車輪の振動のうちで共振点付近の振動の
みを取り出すフイルタを用い、車輪の共振点付近でのみ
スカイフツク制御を行う。このため、車輪の共振により
生じる車輪の上下速度を車輪の上下加速度から推定する
共振速度推定フイルタ(周波数依存型のフイルタ)を設
け、推定された車輪の上下速度に対してスカイフツク制
御を行うことにより、車輪の共振点付近での振動を抑制
するものである。これにより、車体の路面入力に対する
遮断性を殆ど損わずに、車輪の共振を抑制できる。車輪
の共振速度推定フイルタは、ハイパスフイルタと積分フ
イルタとの組合せを変形したゲイン調整フイルタ(重み
づけフイルタ、ここでは共振点付近の振動のみを取り出
すように定める)と、ゲイン調整フイルタにより生じる
位相ずれを補正する位相補正フイルタとからなる。
【0013】
【実施例】図1に示すように、本発明による懸架機構は
車体3と各車輪7の車軸7aとの間に、減衰力可変型の
油圧緩衝器4と懸架ばね5とをそれぞれ連結して、電子
制御式セミアクテイブ懸架装置を構成する。車体3に上
下加速度センサ2が、車軸(ナツクルでもよい)7aに
上下加速度センサ6がそれぞれ配設され、各上下加速度
センサ2,6により検出した加速度に基づく電子制御装
置20の出力により、油圧緩衝器4の減衰力を加減し、
車体3が受ける振動を抑えるとともに、車輪7の暴れを
抑える。
【0014】電子制御装置20は各上下加速度センサ
2,6の検出信号をアナログバンドパスフイルタ8に通
して高周波数成分ノイズや低周波数成分オフセツトを除
去したうえ、AD変換器9によりデジタル信号に変換し
て中央演算装置10へ入力する。アナログバンドパスフ
イルタ8のカツトオフ周波数は例えば低周波数側で0.
2Hzに、高周波数側で50Hzに選ぶ。中央演算装置
10では後述するスカイフツク制御により、車体3と車
輪7の振動を抑えるのに最適な油圧緩衝器4の減衰力
(デジタル信号値)を求め、この減衰力をDA変換器1
2によりアナログ信号電圧に変換してドライバ13から
高電圧発生装置36へ出力し、油圧緩衝器4の減衰力を
調整する。
【0015】図2に示すように、減衰力を高速かつ連続
的に調整可能な油圧緩衝器4は、端板23と端板34の
間に外筒37と中間筒38と内筒29を結合し、内筒2
9にピストン28を嵌挿して上室24と下室31を区画
し、ピストン28に結合したロツド21を端板23を貫
通して上方へ突出してなる。図1にも示したように、ロ
ツド21は車体3に連結され、端板34は車軸7aに連
結される。上室24は内筒29の上端部の通孔24aに
より、中間筒38と内筒29との間の室30へ連通さ
れ、室30は中間筒38の下端部の通孔30aにより、
外筒37と中間筒38との間の室25へ連通される。室
25は端板34の通路32の逆止弁33を経て下室31
へ連通される。ピストン28を貫通する通路26には下
室31から上室24への油の流れを許す逆止弁27が配
設される。
【0016】絶縁シール22,35により絶縁される中
間筒38の上端部に高電圧発生装置36の一方の端子が
接続され、内筒29の下端部に高電圧発生装置36の他
方の各端子が接続されかつ接地される。各室24,3
1,30には印加される電圧に比例して粘度が高くなる
電気粘性流体が充填される。外筒37と中間筒38との
間の室25はピストン28の昇降に伴う上室24と下室
31の作動油の過不足を補償する。高電圧発生装置36
はドライバ13からのアナログ信号電圧(または電流)
に応じて、室30の電気粘性流体へ印加する電圧を加減
するように働く。したがつて、図3に線39で代表して
示すように、電気粘性流体へ印加される電圧に応じて、
模様を付した枠の範囲で、油圧緩衝器4の減衰力が変化
する。
【0017】図4に示すように、本発明は車体3の共振
と車輪7の共振を抑制して路面入力の遮断性と路面入力
追従性とを向上するために、電子制御装置20の中央演
算装置10において、車体3と車輪7の上下速度(絶対
速度)にほぼ比例した減衰力を、油圧緩衝器4に発生さ
せるスカイフツク制御を行うものである。実際には、減
衰力可変型の油圧緩衝器4の減衰力は、旋回走行時や加
減速時に車体3に作用する慣性力に対する車体姿勢や操
縦性を考慮して調整されるが、この点については本発明
の要旨に直接関係しないので説明を省略し、路面入力に
対する油圧緩衝器4の減衰力の制御に限定して説明す
る。
【0018】上下加速度センサ2の信号を積分器42に
より積分して車体3の上下速度を求め、上下加速度セン
サ6の信号を積分器46により積分して車輪7の上下速
度を求め、車体3の上下速度に基づきゲイン設定器43
により車体3のスカイフツク制御に最適な油圧緩衝器4
の減衰力を求める。車体3の上下速度から車輪7の上下
速度を引いて車体3と車輪7の相対上下速度(ピストン
28の速度)を求め、減衰力演算手段44と減衰力演算
手段49へそれぞれ入力する。ゲイン設定器43により
求めた油圧緩衝器4の減衰力と、車輪7に対する車体3
の相対上下速度(ピストン28の速度)とから、減衰力
演算手段44により実際に発生可能な減衰力Fbを求め
る。
【0019】一方、車輪7の上下加速度センサ6の信号
から共振速度推定フイルタ50により車輪7の共振点付
近の上下速度(絶対速度)を取り出し、ゲイン設定器4
8へ入力する。つまり、車輪7の共振点付近以外の振動
成分と上下速度成分を除去するために、車輪7の上下加
速度信号(デジタル信号)を周波数依存型のゲイン調整
フイルタ51へ通す。ゲイン調整フイルタ51は図5に
線61,62に示すように、1次のハイパスフイルタ
(線61に相当する部分を受け持つ)と積分フイルタ
(線62に相当する部分を受け持つ)とを組み合わせた
2次振動系の伝達関数 kS/(S+4πζωS+4πω) で構成される。ωは車輪7の共振点付近の振動数に、係
数ζは0.5〜0.7に、係数kは0.5〜1.0にそ
れぞれ設定すると効果的である。
【0020】次いで、ゲイン調整された車輪7の上下速
度信号を周波数依存型の位相補正フイルタ52へ通し、
車輪7の上下速度信号の位相ずれを補正する。位相補正
フイルタ52は図5に線63に示すように、1次遅れフ
イルタを2つ組み合せた2次遅れ系の伝達関数 (2πσ)/(S+2πσ) で構成される。σは車輪7の共振点の2〜3倍の振動数
に設定すると効果的である(車輪7の共振点付近でのみ
車輪7の上下速度が発生するようにする)。共振速度推
定フイルタ50により得た車輪7の共振点付近の上下速
度に基づき、ゲイン設定器48により車輪7のスカイフ
ツク制御に最適な油圧緩衝器4の減衰力(車輪の上下速
度に比例した値)を求め、減衰力演算手段49により油
圧緩衝器4の減衰力と、車輪7に対する車体3の相対上
下速度(ピストン28の速度)とから、実際に発生可能
な減衰力Fwを求める。選択手段53により油圧緩衝器
4の減衰力Wb,Fwの内の大きい方の減衰力を選択
し、DA変換器12を経て減衰力WbまたはFwに相当
するアナログ信号電圧をドライバ13から高電圧発生装
置36へ出力する。
【0021】本発明では車輪7にスカイフツク制御を適
用するに当たり、車輪7の振動のうちで共振点付近の振
動のみを取り出す共振速度推定フイルタ50を用い、車
輪7の共振点付近でのみ車輪7のスカイフツク制御を行
うことにより、図6に線72aで示すように、車体3の
路面入力に対する遮断性(図6に線71aで示す)を殆
ど損わずに、車輪7の共振を抑制できる。また、車輪7
の共振点以下の振動領域でも、車輪7の振動を抑制でき
る。
【0022】
【発明の効果】本発明は上述のように、車体と各車輪の
上下加速度をそれぞれ検出する第1,第2の上下加速度
センサと、各車輪に対する減衰力可変型の油圧緩衝器と
を備え、第1,第2の上下加速度センサからそれぞれ得
た上下加速度を積分して車体の上下速度と車輪の上下速
度を求め、車体の上下速度に基づいて車体のスカイフツ
ク制御を行うのに最適な油圧緩衝器の減衰力を求め、該
油圧緩衝器の減衰力と車輪に対する車体の相対上下速度
とから実際に発生可能な第1の減衰力を求める一方、車
輪の上下加速度から共振速度推定フイルタにより車輪の
共振点付近の上下速度を取り出し、該車輪の共振点付近
の上下速度に基づいて車輪のスカイフツク制御を行うの
に最適な油圧緩衝器の減衰力を求め、該油圧緩衝器の減
衰力と車輪に対する車体の相対上下速度とから実際に発
生可能な第2の減衰力を求め、前記油圧緩衝器に第1,
第2の減衰力の内の大きい方の減衰力を発生させるもの
であるから、本来減衰すべき共振による車輪の振動のみ
を減衰させ、車体を安定に維持しかつ車輪の暴れを防止
できる。
【0023】車輪付近(車軸、ナツクルなど)に配設し
た加速度センサの信号から、車輪の共振速度推定フイル
タにより車輪の共振点付近の上下速度を推定し、推定し
た上下速度に比例した減衰力を油圧緩衝器に発生させる
ことにより、車輪の共振点付近での振動を効果的に抑制
できる。
【0024】車輪の共振点付近でのみ車輪の振動が抑制
されるので、車輪の共振点以下の振動領域では車体の路
面入力に対する遮断性が殆ど損われず、車両の乗心地に
悪影響を及ぼさない。
【0025】車輪の共振点付近の上下速度を普通の加速
度センサの信号から推定できるので、一般には困難とさ
れる車輪(タイヤ)の撓み量を検出する必要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る懸架機構の制御装置の概略構成図
である。
【図2】同懸架機構の減衰力可変型の油圧緩衝器の側面
断面図である。
【図3】同油圧緩衝器の減衰特性を表す線図である。
【図4】懸架機構の制御装置の制御内容を表すブロツク
線図である。
【図5】共振速度推定フイルタの周波数特性を表す線図
である。
【図6】本発明に係る懸架機構の制御装置の制御特性を
表すボード線図である。ある。
【符号の説明】
2:車体の上下加速度センサ 3:車体 4:減衰力可
変型緩衝器 5:懸架ばね 6:車輪の上下加速度セン
サ 7:車輪 7a:車軸 8:アナログフイルタ
9:AD変換器 10:中央演算装置 12:DA変換
器 13:油圧緩衝器ドライバ 17:路面 20:電
子制御装置 21:ロツド 22:絶縁シール 23:
端板 24:上室 25:室 26:通路 27:逆止
弁 28:ピストン 29:内筒 30:室 31:下
室 32:通路 33:逆止弁 34:端板 35:絶
縁シール 36:高電圧発生装置 37:外筒 38:
中間筒 42:積分器 43:ゲイン設定器 44:減衰力算出
手段 46:積分器 48:ゲイン設定器 49:減衰力算出手段 50:共
振速度推定フイルタ 51:ゲイン調整フイルタ 5
2:位相補正フイルタ 53:比較手段

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車体と各車輪の上下加速度をそれぞれ検出
    する第1,第2の上下加速度センサと、各車輪に対する
    減衰力可変型の油圧緩衝器とを備え、第1,第2の上下
    加速度センサからそれぞれ得た上下加速度を積分して車
    体の上下速度と車輪の上下速度を求め、車体の上下速度
    に基づいて車体のスカイフツク制御を行うのに最適な油
    圧緩衝器の減衰力を求め、該油圧緩衝器の減衰力と車輪
    に対する車体の相対上下速度とから実際に発生可能な第
    1の減衰力を求める一方、車輪の上下加速度から共振速
    度推定フイルタにより車輪の共振点付近の上下速度を取
    り出し、該車輪の共振点付近の上下速度に基づいて車輪
    のスカイフツク制御を行うのに最適な油圧緩衝器の減衰
    力を求め、該油圧緩衝器の減衰力と車輪に対する車体の
    相対上下速度とから実際に発生可能な第2の減衰力を求
    め、前記油圧緩衝器に第1,第2の減衰力の内の大きい
    方の減衰力を発生させることを特徴とする懸架機構の制
    御装置。
  2. 【請求項2】前記共振速度推定フイルタはハイパスフイ
    ルタと積分フイルタの組合せを変形したゲイン調整フイ
    ルタと、該ゲイン調整フイルタにより生じる位相ずれを
    補正する位相補正フイルタとからなる、請求項1に記載
    の懸架機構の制御装置。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002321513A (ja) * 2001-04-27 2002-11-05 Tokico Ltd サスペンション制御装置
JP2005255152A (ja) * 2004-02-12 2005-09-22 Hitachi Ltd サスペンション制御装置
JP2008238921A (ja) * 2007-03-27 2008-10-09 Honda Motor Co Ltd 減衰力可変ダンパの制御装置
JP2010155474A (ja) * 2008-12-26 2010-07-15 Nissan Motor Co Ltd サスペンション制御装置、及びサスペンション制御方法
JP2010195090A (ja) * 2009-02-23 2010-09-09 Nissan Motor Co Ltd サスペンション制御装置、及びサスペンション制御方法
KR20200109527A (ko) * 2019-03-13 2020-09-23 주식회사 만도 전자식 댐퍼 제어 시스템 및 방법

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