JP3636261B2 - 温水床暖房システムの制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、加熱源によって加熱された温水を室内の床面に設置された床暖房パネル等に循環させる室内の床暖房運転の開始初期に、床暖房パネル等へ供給する温水の温度を通常運転時の温水温度より高くするホットダッシュ動作を行う温水床暖房システムの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
温水を床暖房パネル等へ供給して暖房を行う温水床暖房システムでは、リモコン等の床暖房運転スイッチ等により運転開始を指示すると、床暖房パネルが設けられた温水回路に温水を循環させる循環ポンプを駆動し、リモコン等の能力設定器で設定された暖房レベルに応じて、床暖房パネルへ供給される温水温度を決定し、バーナ等の加熱手段の加熱量を決定された暖房レベルに応じて調節して、安定した暖房能力で運転している。
【0003】
また、特に、運転開始初期には,通常の運転時より高温の温水を循環させることによって、運転開始初期の暖房能力を向上させるように、ホットダッシュ動作を行うようにしたものもある。
こうしたホットダッシュ動作では、床暖房パネル等へ供給される温水の温度は、従来は、例えば、運転開始から40分間は80℃、その後、運転開始から60分までの間は65℃、さらに運転開始から60分を経過した以降は47℃というように、あらかじめ決められた時間中には、あらかじめ決められた固定の温度に調節されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述のとおり、ホットダッシュ動作を有する温水床暖房システムにおいては、暖房が開始される場合には、いつでも決まった温度と時間のホットダッシュ動作によって室内が暖房される。このために、暖房負荷が小さい場合には、ホットダッシュ動作の時間が長すぎるなどして過剰な暖房となったり、暖房負荷が大きい場合には、供給される温水の温度が低いなどの理由で立ち上がりが悪いといった具合に、それぞれの暖房負荷に対処できない。従って、必ずしも快適な状態で床暖房を開始させることができなかったという問題がある。
【0005】
本発明は、温水床暖房システムにおいて、暖房負荷の影響を受けにくく、快適な立ち上がりをすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、請求項1では、加熱手段の加熱により内部を通過する水を加熱する加熱用熱交換器と、室内の床面に配置され内部を通過する温水を熱源として室内を暖房する床暖房手段とを接続して温水回路を形成し、ポンプを作動させて前記加熱用熱交換器で加熱された温水を前記温水回路に循環させる温水床暖房システムであって、床暖房運転の開始初期には、前記加熱手段により加熱される温水の目標温度を通常運転時の温水の温度より高温にするホットダッシュ動作を行う制御手段を有する温水床暖房システムの制御装置において、前記制御手段は、前記床暖房手段の床加熱能力を設定するための能力設定手段と、前記床暖房手段が配置された前記室内の外部の外気温度を検知する外気温センサとを備え、前記ホットダッシュ動作を継続するホットダッシュ時間及び前記ホットダッシュ動作において前記加熱手段により加熱される温水のホットダッシュ目標温度を、前記能力設定手段により設定された床暖房能力と前記外気温センサにより検知された外気温度とに基づいて決定することを技術的手段とする。
【0007】
請求項2では、請求項1において、前記制御手段は、前記能力設定手段により設定された床暖房能力と、前記外気温センサにより検知された外気温度とに対応した前記ホットダッシュ目標温度のマトリックスパターンを有することを技術的手段とする。
請求項3は、請求項1、2において、前記制御手段は、前記ホットダッシュ時間を、前記能力設定手段により設定された前記床加熱能力のみに基づいて決定することを技術的手段とする。
【0008】
以上の構成により、本発明では、床暖房が開始されると、能力設定手段によって設定された床暖房能力と外気温センサによって検知された外気温度とに基づいて、ホットダッシュ時間および加熱手段により加熱されるホットダッシュ目標温度が決定される。ここでは、例えば、加熱される温水のホットダッシュ目標温度は、外気温度が低いほど高く且つ設定された床暖房能力が大きいほど高くなるように、決定するとよい。
【0009】
また、決定されるホットダッシュ時間としては、決定されるホットダッシュ目標温度が高いほど長く、低いほど短くなるようにしたり、使用者の暖房の要求の程度に応じて、設定された床暖房能力が大きいほど長くするようにすればよい。
これにより、床暖房運転が開始されると、床暖房運転初期には、設定された床暖房能力が大きいほど、また外気温度が低いほど、高い温度の温水が長い時間継続して、床暖房手段に供給されることになる。
【0010】
この結果、暖房負荷が小さい場合には、温度が高すぎる温水が長く供給されすぎることがなく、また、暖房負荷が大きい場合には、供給される温水の温度が低すぎるために、暖房のために必要な熱量が確保できなかったり、高温の温水が供給される時間が短すぎるなどの不具合が生じることがなくなり、運転開始初期に使用者が必要とする熱量がまとまって供給されることになる。
従って、外気温度の違いなどに応じたしかも使用者の要求に応じた最適な暖房能力で、床暖房運転を立ち上がらせることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に本発明を、以下に示す実施例に基づいて説明する。
図1は、本発明の温水床暖房システムに係わる温水暖房式エアコンシステムの実施例を示す。
図1において、1は加熱源及び冷却源を有し屋外に設置される室外機、2は室内上方の壁部に配置される室内機であり、3は放熱用温水配管を有し室内の床面に配置される床暖房パネルであり、室内機2は温水配管及び冷却用配管によって、床暖房パネル3は温水配管によって室外機1とそれぞれ接続されている。この室外機1、室内機2、床暖房パネル3及びこれらを接続する温水配管、冷却配管により温水回路10および冷凍サイクル20がそれぞれ形成されている。
【0012】
室外機1には、温水回路10の構成として、一定回転で駆動される循環ポンプ11、加熱用熱交換器12、プレッシャータンク13が設けられ、加熱用熱交換器12には加熱源としてのガスバーナ100が備えられている。
また、床暖房パネル3へ向かう温水配管には、床暖熱動弁14が設けられている。
ここで、床暖熱動弁14は、電気ヒータ等の熱により開閉制御するものであり、開閉に時間が掛かるが、温水の循環を停止させる際、大きな作動力により確実に温水循環回路を閉鎖することができる。床暖熱動弁14の代わりに、電磁弁またはモータ弁であってもよい。
【0013】
他方、冷凍サイクル20の構成としては、インバータ制御されるモータにより駆動されて冷媒である冷媒ガスを圧縮する圧縮機21、凝縮器22、ストレーナ23、キャピラリチューブ24が設けられ、凝縮器22には放熱ファン25が備えられている。
【0014】
室内機2には、温水回路10の構成として暖房用熱交換器15が設けられ、冷凍サイクル20の蒸発器としての冷房用熱交換器26が設けられ、各熱交換器15、26に対して、室内空気を循環させる対流ファン200が備えられていて、室内空気を冷房用熱交換器26→暖房用熱交換器15の順で通過させて、再び室内へ送り出す。
【0015】
室外機1、室内機2及び床暖房パネル3において、温水回路10は、循環ポンプ11の吐出側に加熱用熱交換器12の流入側が接続され、加熱用熱交換器12の流出側で温水配管が2つに分岐し、一方には室内機2の暖房用熱交換器15の流入側が接続されている。分岐した他方の温水配管には、床暖熱動弁14を介して床暖房パネル3の流入側と接続されている。
暖房用熱交換器15の流出側の温水配管と床暖房パネル3の流出側の温水配管は合流し、プレッシャータンク13を介して循環ポンプ11の吸引側に接続されている。
【0016】
以上の構成を有する温水回路10では、循環ポンプ11の作動によって、循環ポンプ11→加熱用熱交換器12→暖房用熱交換器15→プレッシャータンク13→循環ポンプ11の循環回路で、または循環ポンプ11→加熱用熱交換器12→床暖熱動弁14→床暖房パネル3→プレッシャータンク13→循環ポンプ11の循環回路で、ガスバーナ100によって加熱された温水が循環する。
【0017】
他方、冷凍サイクル20では、冷媒は、冷媒圧縮機21→凝縮器22→ストレーナ23→キャピラリチューブ24→冷房用熱交換器26→冷媒圧縮機21を循環し、循環中に、冷媒は凝縮器22で気相→液相の状態変化をして熱の放出を行い、冷房用熱交換器26で液相(霧状)→気相の状態変化をして熱の吸収を行って室内空気を冷却する。
【0018】
室外機1の加熱源であるガスバーナ100は、燃焼用空気を燃焼ファン101によって供給するもので、ガスバーナ100へ燃料ガスを供給する燃料供給路102には、2つのガス電磁弁103、104とガス比例弁105が設けられており、また、ガスバーナ100の炎口の近傍には、点火電極106とフレームロッド107とが設けられている。
【0019】
制御装置400は、使用者によって操作されるリモコン4に応じて各種の運転をマイコンによって制御するもので、室外機1と室内機2とに別れて設けられていて、相互に各種の信号を伝送する。
【0020】
制御装置400は、各種の制御を行うために、室外機1の加熱用熱交換器12の温水の流出側で温水温度を検知する高温水サーミスタ401、室内機2の暖房用熱交換器15の温水の流出側で温水温度を検知する室内温水サーミスタ402、室内機2内で室内温度を検知する室温サーミスタ403、室外機1が設置される屋外の外気温度を検知する外気温度サーミスタ404を備えている。
【0021】
以上の構成からなる温水暖房式エアコンシステムは、制御装置400によって、暖房運転としては、床暖房パネル3のみによる床単独運転、床暖房パネル3と室内機2によるデュエット暖房運転を、また、冷凍サイクル20の作動を伴うものでは、室内機2のみによるドライ運転、床暖房パネル3と室内機2によるデュエットドライ運転、室内機2による冷房運転がそれぞれ制御される。なお、冷房運転および各ドライ運転においては、圧縮機21を駆動するインバータ制御として、圧縮機21の回転数が制御される。
以下では、暖房運転としての床単独運転とデュエット暖房運転について説明する。
【0022】
〔床単独運転〕
床単独運転は、循環ポンプ11を一定回転で駆動し、ガスバーナ100を燃焼させて、床暖房パネル3のみによって床暖房運転を行うものである。
なお、床単独運転の間にも、加熱用熱交換器12で加熱された温水が室内機2の暖房用熱交換器15にも循環するが、床単独運転では、対流ファン200の作動は停止されていて、暖房用熱交換器15の内部を通過する温水の熱が室内へ放出されにくくなっているため、暖房用熱交換器15による暖房効果はほとんど得られない。
【0023】
床単独運転では、床暖房の立ち上がりを向上させるために、リモコン4の床暖房運転のオン操作に応じて、運転開始初期には、床暖房通常運転時より高温の温水を床暖房パネル3へ供給する床暖房ホットダッシュ動作を行い、この床暖房ホットダッシュ動作の後は、床暖房通常運転を行う。
【0024】
床暖房通常運転では、リモコン4により7段階に設定される床暖房レベルHnと外気温度サーミスタ404の検知する外気温度Taとに応じて、加熱用熱交換器12で加熱される温水の通常目標湯温TOを決定し、決定された通常目標湯温TOになるように、燃焼ファン101およびガス比例弁105をそれぞれ制御して、ガスバーナ100の燃焼量を調節する。
【0025】
リモコン4によって設定される各床暖房レベルは、床暖房通常運転において、例えば、暖房能力が最低の1速では、床面温度が26℃になるように、中間の4速では、床面温度が31℃になるように、最高の7速では、床面温度が36℃になるようにするものであり、通常目標湯温TOは、それぞれの床暖房レベルHnにおいて、外気温度Taが低いほど高く、高いほど低く目標湯温TOを外気温度Taに応じて決定されるものである。
【0026】
本実施例においては、各通常目標湯温TOは、リモコン4により設定された床暖房レベルHnと外気温度サーミスタ404の検知する外気温度Taとに対応してあらかじめ設定された通常目標湯温TOのデータがマイコンのメモリに記憶されており、床暖房レベルHnと外気温度Taが与えられると、それらに対応した通常目標湯温TOが決定される。
本実施例における床暖房レベルHnと外気温度Taとにより決定される通常目標湯温TOとの関係の一例を表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】
このように、外気温度Taに基づいて床暖房レベルHnに対応した温水の通常目標湯温TOを設定するため、快適な暖房を行うことができる。
【0029】
上記のとおり通常目標湯温TOが決定される床暖房通常運転に対して、床暖房ホットダッシュ動作では、暖房負荷や使用者の暖房要求の程度に応じて、適切な床暖房ホットダッシュ動作が行われるようにするために、加熱用熱交換器12で加熱される温水のホットダッシュ目標湯温Tdを、上記表1に示した各通常目標湯温TOより、更に高い湯温になるように、リモコン4で設定される床暖房レベルHnと外気温サーミスタ404で検知される外気温度Taに基づいて、床暖房レベルHnが大きいほど高く、且つ、外気温度Taが低いほど高く決定する。
【0030】
各ホットダッシュ目標湯温Tdは、通常目標湯温TOと同様に、リモコン4により設定された床暖房レベルHnと外気温度サーミスタ404の検知する外気温度Taとに対応してあらかじめ設定されたホットダッシュ目標湯温Tdのデータがマイコンのメモリに記憶されており、床暖房レベルHnと外気温度Taが与えられると、それらに対応したホットダッシュ目標湯温Tdが決定される。
本実施例における床暖房レベルHnと外気温度Taとにより決定されるホットダッシュ目標湯温Tdとの関係の一例を表2に示す。
【0031】
【表2】
【0032】
また、床暖房ホットダッシュ動作においては、床暖房ホットダッシュ動作を継続する床暖房ホットダッシュ時間tを、床暖房ホットダッシュ動作が開始される前に決定する。本実施例では、リモコン4によって設定される床暖房レベルHnに応じて、設定された床暖房レベルHnが大きいほど長く、小さくなるにつれて短く設定する。
本実施例において決定される床暖房ホットダッシュ時間tの一例を表3に示す。
【0033】
【表3】
【0034】
以上のとおり制御される床単独運転の作動を、図2に基づいて以下に説明する。
リモコン4により床単独運転の運転開始の指示があると(ステップ100においてYES)、始めに床暖房ホットダッシュ動作を行う。
床暖房ホットダッシュ動作としては、始めにホットダッシュ目標湯温Tdを、リモコン4により設定された床暖房レベルHnと外気温サーミスタ404に検知された外気温度Taとに基づいて、上記表2に示したとおり決定する(ステップ110)。
続けて、床暖房ホットダッシュ時間tを、リモコン4により設定された床暖房レベルHnに基づいて、上記表3に示したとおり決定する(ステップ120)。
以上、ホットダッシュ目標湯温Tdと床暖房ホットダッシュ時間tとが決定されると、床暖房ホットダッシュ動作を開始する(ステップ130)。
【0035】
床暖房ホットダッシュ動作では、床暖熱動弁14を開き、循環ポンプ11の駆動を開始するとともにガスバーナ100の燃焼を開始する。床暖房ホットダッシュ時間tの間は、高温水サーミスタ401によって検知される温度が上記のとおり決定されたホットダッシュ目標湯温Tdになるように燃焼ファン101及びガス比例弁105を制御する。これにより、ガスバーナ100によって、通常運転時に決められる通常目標湯温TOより高く、且つ、使用者の要求や暖房負荷に応じた、最適な湯温に加熱された温水が、運転開始直後から床暖房ホットダッシュ時間tの間連続して床暖熱動弁14を通過して床暖房パネル3で放熱するため、暖房開始初期に十分な床暖房能力が確保でき、室内温度の立ち上がりが向上する。
【0036】
決定された床暖房ホットダッシュ時間tが経過するまでは(ステップ140においてNO)床暖房ホットダッシュ動作を継続し、床暖房ホットダッシュ時間tが経過すると(ステップ140においてYES)、床暖房ホットダッシュ動作を終了し、床暖房通常運転へ移行する(ステップ150)。
【0037】
床暖房通常運転では、リモコン4により設定された床暖房レベルHnと外気温サーミスタ404に検知された外気温度Taとに基づいて上記表1に示したとおり決定し、決定された通常目標湯温TOに応じて、ガスバーナ100の燃焼量を制御して、暖房能力の制御として温水温度を調節する。
【0038】
以後、リモコン4により床暖房運転の停止が指示されるまで(ステップ160においてNO)、床暖房通常運転を行い、床暖房運転の停止が指示されると(ステップ160においてYES)、ガスバーナ100の燃焼を停止した2分後に、循環ポンプ11の作動も停止して床暖房運転を停止する(ステップ170)。
【0039】
以上のとおり、床単独運転では、リモコン4の指示により床暖房運転が開始された運転開始初期の床暖房ホットダッシュ動作において加熱される温水のホットダッシュ目標湯温Tdと床暖房ホットダッシュ時間tとを、リモコン4により設定された床暖房レベルHnと外気温サーミスタ404によって検知される外気温度Taとに基づいて、通常目標湯温TOより高く決定するため、暖房負荷が小さい場合に、温度が高すぎる温水が長い時間供給されすぎることがなく、また、暖房負荷が大きい場合に、供給される温水の温度が低すぎるために、床暖房のための必要な熱量が確保できなかったり、高温の温水が供給される時間が短すぎるなどの不具合が生じることがなくなり、運転開始初期に使用者が必要とする熱量がまとまって供給されることになる。
従って、外気温度の違いなどに応じたしかも使用者の要求に応じた最適な暖房能力で、床暖房運転を立ち上がらせることができる。
【0040】
〔デュエット暖房運転(複合暖房運転)〕
デュエット暖房運転は、室内機2と床暖房パネル3とにより室内の暖房を行うものであるが、主に室内機2によって室内の温度を上昇させるもので、床暖房パネル3は、室内機2の補助として作用することになる。従って、上記の床単独運転において、制御に用いられたリモコン4により設定される床暖房レベルHnは、デュエット暖房運転では、用いられず暖房能力の制御には無関係となる。
【0041】
デュエット暖房運転では、床暖房パネル3について、上記の床単独運転の場合の床暖房ホットダッシュ動作を行うと、室内温度を上昇させるのに有効な暖房用熱交換器15へ供給される温水の流量が減少し、室温の立ち上がりが遅くなるため、運転開始から所定時間(例えば20〜30分間)が経過するまでは、床暖熱動弁14を閉じることによって、床暖房パネル3への温水流量を制限する。
その後は、リモコン4の設定室温Tset と室温サーミスタ403に検知される検知室温Trとにより温調運転を行う。
【0042】
温調運転では、室温サーミスタ403により検知される検知室温Trがリモコン4による目標室温Tset より低い間には、室内機2および床暖房パネル3による暖房運転を行い、室内温度Trと設定温度Tset との温度差に応じて加熱用熱交換器12で加熱される温水の目標湯温TOが決定され、決定された目標湯温TOに応じて、ガスバーナ100の燃焼量を制御して、暖房能力の制御として温水温度の調節を行い、この間、対流ファン200を駆動して、室内空気を循環させる。
【0043】
一方、検知室温Trが目標室温Tset より高くなると、ホットキープ動作を行う。ホットキープ動作としては、循環ポンプ11の駆動とガスバーナ100の燃焼を継続させたままで対流ファン200の作動のみを停止させて、床暖房パネル3による暖房のみを継続させる。このとき、室内機2の暖房用熱交換器15にも温水が循環するが、暖房用熱交換器15は対流ファン200の作動によって内部を通過する温水の熱が室内へ放出される構造であるため、暖房用熱交換器15による暖房効果はほとんど得られない。
【0044】
このホットキープ動作は、室内機2による暖房運転を休止させて床暖房パネル3のみによって暖房を行うものであり、暖房能力が小さくなるため、室内機2の休止中には、室内温度が低下する。
本実施例では、検知室温Trが目標室温Tset に対して、どの程度高いかに応じてホットキープ動作時間tsを決定し、暖房負荷が大きく室内機2の休止中に室内温度が低下しやすい場合には、ホットキープ動作時間tsを短く、逆に暖房負荷が小さく室内機2の休止中に室内温度が低下しにくい場合ほど、ホットキープ動作時間tsを長く決定する。
【0045】
本実施例における検知室温Trと目標室温Tset との温度差と決定されるホットキープ動作時間tsとの関係としては、例えば、検知室温Trが目標室温Tset に対して0.5℃〜1.0℃の範囲であればホットキープ動作時間tsを1分に、1.5℃〜2.0℃の範囲であれば5分、3.5℃以上の場合では20分というように、温度差に対応するホットキープ動作時間tsをあらかじめ設定しており、これらの各ホットキープ動作時間tsは、算出された検知室温Trと目標室温Tset との温度差に対応してあらかじめ設定されたホットキープ動作時間tsのデータがマイコンのメモリに記憶されており、温度差が与えられると、その温度差に対応したホットキープ動作時間tsが決定される。
【0046】
ホットキープ動作の間は、検知室温Trが目標室温Tset に対して十分に上昇している状態であり、室内に対する大きな加熱量が不要な状態である。従って、この対流ファン200の作動が停止するホットキープ動作の間には、加熱用熱交換器12で加熱される温水の目標湯温TOを、リモコン4の設定温度Tset および室温サーミスタ403の室内温度Trに関係なく、外気温度サーミスタ404によって検知される外気温度Taに基づいて決定する。本実施例では、上記の床単独運転における表1の床暖房レベルHnの4速に相当する外気温度Taに対応した目標湯温TOが決定される。
【0047】
なお、ホットキープ動作においては、対流ファン200の作動が停止するため、室内空気の循環が停止して室内機2内の暖房用熱交換器15に循環する温水の熱により、室内機2内に設けられた室温サーミスタ403による室内温度の正しい検知ができなくなるが、ホットキープ動作が終了した後には、一定時間(例えば3分間だけ強制的に対流ファン200を作動させて、室内機2内の放熱を図り、正しい室内温度の検知を行うようにしている。このため、ホットキープ動作が終了しても、一定時間(3分間)が経過するまでは、室内温度の検知を行わず、新たなホットキープ動作時間tsの決定は、一定時間(3分間)の終了時に行われ、このとき、検知室温Trが目標室温Tset よりまだ高い場合には、一定時間(3分間)の対流ファン200の作動の後に、再び、外気温度Taに応じて決まる新たなホットキープ動作時間tsだけ、対流ファン200の作動を停止する。
【0048】
なお、デュエット暖房運転では、ガスバーナ100の所定の点火制御をし、循環ポンプ11の駆動を開始した後でも、室内温水サーミスタ402の検知温度が十分に高くなるまでは(例えば30℃)、冷風の吹き出しを防止するために、対流ファン200の駆動を開始せず、十分温度が上昇した後に、対流ファン200による送風を開始する。
また、運転開始後、所定時間が経過するまでに、検知室温Trが目標室温Tset より高くなった場合にも、ホットキープ動作が行われる。
【0049】
なお、ガスバーナ100の燃焼量は、高温水サーミスタ401の検知温度に基づいて、それぞれの目標湯温TOが得られるように、燃焼ファン101およびガス比例弁105の制御により調節される。
また、運転終了後には、ガスバーナ100の燃焼停止後、2分を経過してから循環ポンプ11の作動を停止することにより、余熱を利用して滑らかに暖房運転を停止させることができる。
【0050】
以上のとおり、本発明では、床単独運転において、運転開始初期の床暖房ホットダッシュ動作においては、通常目標湯温TOより高く決定される温水のホットダッシュ目標湯温Tdを、リモコン4により設定された床暖房レベルHnと外気温サーミスタ404によって検知される外気温度Taとに基づいて、外気温度Taが低いほど高く且つ設定された床暖房レベルHnが大きいほど高くなるように決定するため、暖房負荷が小さい場合に温度が高すぎる温水が供給されたり、逆に、暖房負荷が大きい場合に供給される温水の温度が低すぎるために、床暖房のための必要な熱量が確保できなかったりすることがない。また、床暖房ホットダッシュ時間tが、床暖房レベルHnに基づいて、使用者の要求に応じて決定されるため、使用者の暖房の要求が大きい場合に高温の温水が供給される時間が短すぎるなどの不具合が生じることがなくなり、運転開始初期に使用者が必要とする熱量がまとまって供給されることになる。
従って、外気温度の違いなどに応じたしかも最適な暖房能力で、床暖房運転を立ち上がらせることができ、床暖房の快適性を向上させることができる。
【0051】
上記実施例では、床暖房ホットダッシュ時間tを床暖房レベルHnのみによって決定するようにしたが、ホットダッシュ目標湯温Tdと同様に、床暖房レベルHnと外気温度Taとの両方にに基づいて決定するようにしてもよい。その場合の具体的な例としては、上記表2に示した、ホットダッシュ目標湯温Tdに応じて、例えば、80℃以上の場合には60分、70℃〜80℃の場合には55分など、表2で決定されるホットダッシュ目標湯温Tdを数段階の範囲に分割し、各範囲にそれぞれ異なる床暖房ホットダッシュ時間tを割り当てて設定するなどがある。その場合のホットダッシュ目標湯温Tdの範囲の分割の仕方は、この例に限られるものでなく、5℃〜15℃の任意の範囲を設定して分割することができる。
【0052】
上記実施例では、ホットキープ動作として、対流ファンを停止するものを示したが、室内機2への温水回路10に遮断弁を設けて、温水の供給を停止するようにしてもよい。この場合には、対流ファンの作動を低回転数で継続させてもよい。
上記実施例では、ガスバーナを加熱源としたものを示したが、石油バーナや電気加熱など、他の加熱源による温水暖房システムでもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す温水エアコンシステムの概略構成図である。
【図2】本発明の実施例における床単独運転の制御動作を説明するための流れ図である。
【符号の説明】
3 床暖房パネル(床暖房手段)
4 リモコン(能力設定手段)
10 温水回路
11 循環ポンプ
12 加熱用熱交換器
100 ガスバーナ(加熱手段)
400 制御装置(制御手段、
404 外気温度サーミスタ(外気温センサ)
Claims (3)
- 加熱手段の加熱により内部を通過する水を加熱する加熱用熱交換器と、室内の床面に配置され内部を通過する温水を熱源として室内を暖房する床暖房手段とを接続して温水回路を形成し、ポンプを作動させて前記加熱用熱交換器で加熱された温水を前記温水回路に循環させる温水床暖房システムであって、床暖房運転の開始初期には、前記加熱手段により加熱される温水の目標温度を通常運転時の温水の温度より高温にするホットダッシュ動作を行う制御手段を有する温水床暖房システムの制御装置において、
前記制御手段は、
前記床暖房手段の床加熱能力を設定するための能力設定手段と、
前記床暖房手段が配置された前記室内の外部の外気温度を検知する外気温センサとを備え、
前記ホットダッシュ動作を継続するホットダッシュ時間及び前記ホットダッシュ動作において前記加熱手段により加熱される温水のホットダッシュ目標温度を、前記能力設定手段により設定された床暖房能力と前記外気温センサにより検知された外気温度とに基づいて決定することを特徴とする温水床暖房システムの制御装置。 - 前記制御手段は、
前記能力設定手段により設定された床暖房能力と、
前記外気温センサにより検知された外気温度とに対応した前記ホットダッシュ目標温度のマトリックスパターンを有することを特徴とする請求項1記載の温水床暖房システムの制御装置。 - 前記制御手段は、
前記ホットダッシュ時間を、前記能力設定手段により設定された前記床加熱能力のみに基づいて決定することを特徴とする請求項1または2に記載の温水床暖房システムの制御装置。
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