JP3703596B2 - 複合温水暖房システムの温度制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一つの加熱源によって加熱された温水を床暖房パネルと室内暖房機にそれぞれ循環させるための温水循環回路を形成して、室内の暖房を行う複合温水暖房システムの温度制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
室内暖房機および床暖房パネルによって室内の暖房を同時に行う複合温水暖房システムでは、床暖房パネルからは内部を循環する温水からの放熱により暖房を行い、室内暖房機では、内部の暖房用熱交換器に備えられた対流ファンによって、室内空気を暖房用熱交換器内に通過させて温水の熱によって加熱して、温風として室内へ向かって吹き出すことで暖房が行われる。
この場合、システムの制御を簡略化するために、室内暖房機による暖房能力を基準にした温水の温度制御が行われ、バーナを備えた加熱用熱交換器によって加熱された同一温度の温水が、床暖房パネルと室内暖房機へ共に供給される。
【0003】
一方、室内温度制御としては、暖房運転の開始初期には、できるだけ大きな暖房能力を確保して室内温度を速やかに上昇させるために、最大暖房能力で運転が開始され、その後、室温を検知する室温サーミスタの検知室温がリモコン等で設定される設定温度に達するまでは、運転開始時の最大暖房能力が継続され、検知室温が設定温度に達すると、暖房能力が1段下げられて、その後は、検知室温が設定温度に達する毎に、順次、暖房能力が1段づつ下げられ、逆に、検知室温が設定温度より低くなると暖房能力が1段上げられるように、暖房能力をその前の暖房能力との増減によって逐次変更するように、能力制御を行うようにしたものがある。
この場合、最大暖房能力時には、室内暖房機および床暖房パネルへ供給される温水の温度は、冷寒時に十分な暖房能力が確保できるようにするために、例えば70℃以上に設定されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の構成からなる複合温水暖房システムにおいて、例えば、使用者が速やかな室温上昇を望んで、リモコンによって設定する設定温度を、通常より著しく高く設定した場合(例えば、設定温度27℃以上)や、外気温度が比較的高く暖房負荷が小さい場合(例えば、外気温度15℃以上)などには、複合暖房運転が最大暖房能力で開始されて、室内暖房機および床暖房パネルへ供給される温水の湯温が高くなるように制御されると、高温の温水が床暖房パネルへ供給されることになり、例えば、暖房負荷が小さい場合には、床暖房パネルからの放熱量が小さいために、床暖房パネルの表面温度が十分に低下せず体温以上の温度(例えば40℃)になるため、体感的に不快感を感ずる。
また、設定温度が著しく高いと、室内温度が設定温度に容易に達しないため、高温の温水がいつまでも床暖房パネルへ連続して供給されることになり、その結果、比較的暖房負荷が大きい場合であっても、床暖房パネルの表面温度が異常に上昇し、やはり不快感を与えてしまうという問題がある。
【0005】
本発明は、一つの加熱源によって加熱された同一温度の温水を室内暖房機と床暖房パネルに供給する温水循環回路を設けた複合温水暖房システムにおいて、複合運転開始時の床暖房パネル温度の異常上昇を防止し、快適性の向上を図ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、請求項1では、放熱用配管の内部を通過する温水を熱源とし、前記放熱用配管からの放熱によって室内を暖房する床暖房パネルと、室内空気を循環させる対流ファンを備えた暖房用熱交換器に温水を通過させて、前記対流ファンの作動により室内空気を前記暖房用熱交換器によって加熱して室内を暖房する室内暖房機と、加熱手段の加熱により内部を通過する水を加熱する加熱用熱交換器とを具備し、前記床暖房パネルおよび前記室内暖房機を前記加熱用熱交換器に対して並列に設けて、前記加熱用熱交換器によって加熱された温水をポンプによって前記床暖房パネルおよび前記室内暖房機に循環させる温水循環回路を形成した複合温水暖房システムにおいて、室内の目標室温を設定するための室温設定器と、室内の温度を検知する室温センサと、外気温度を検知する外気温度センサと、前記加熱用熱交換器で加熱された温水の温度を検知する加熱温度センサと、前記加熱用熱交換器で加熱された温水を前記室内暖房機および前記床暖房パネルに循環させて室内の暖房を行う複合暖房運転時の暖房能力を、前記室温設定器による設定温度と前記室温センサによる検知室温との温度差に応じて決定する手段であって、前記複合暖房運転開始時の前記暖房能力を、前記外気温度センサの検知する外気温度が所定外気温度以下または前記室温設定手段の設定温度が所定設定温度以下の場合には、最大暖房能力に決定し、前記外気温度センサの検知する前記外気温度が前記所定外気温度を越え且つ前記室温設定手段の前記設定温度が前記所定設定温度を越えている場合には、前記最大暖房能力より小さく制限された制限暖房能力に決定する暖房能力決定手段と、該暖房能力決定手段により決定された前記暖房能力に応じて前記加熱用熱交換器によって加熱される温水の目標湯温を決定する目標湯温決定手段と、該目標湯温決定手段により決定された前記目標湯温と前記加熱温度センサの検知湯温とに基づいて前記加熱手段の加熱量を制御する加熱制御手段とを具備することを技術的手段とする。
【0007】
以上の構成により、本発明の請求項1では、室内暖房機と床暖房パネルとによって暖房を行う複合暖房運転が開始されるとき、外気温度センサにより検知される外気温度が所定外気温度を越えていて、且つ、室温設定器によって設定される設定温度が所定設定温度を越えている場合には、最大暖房能力より小さく制限された制限暖房能力が暖房能力として決定される。この結果、加熱用熱交換器で加熱される温水の目標湯温は、最大暖房能力に対応した高温の湯温ではなく、制限暖房能力に応じた制限された低めの目標湯温となり、室内暖房機および床暖房パネルへは、制限された目標湯温に加熱された温水が供給される。
従って、外気温度が高く、暖房負荷が小さい場合に、設定温度が高くなっていても、室内暖房機および床暖房パネルへ高温の温水が供給されることがなく、温度が制限された温水が供給されるため、床暖房パネルの表面温度が異常に上昇して、使用者に不快感を与えることがない。
また、暖房負荷が小さい場合に、過剰な暖房能力で運転を開始することがないため、エネルギー消費を抑制できる。
【0008】
逆に、複合暖房運転が開始されるとき、外気温度センサにより検知される外気温度が所定外気温度を越えていなければ、室温設定器によって設定される設定温度に関係なく、最大暖房能力が決定される。また、複合暖房運転が開始されるとき、設定温度が所定設定温度を越えていなければ、外気温度に関係なく同じく最大暖房能力が決定される。従って、これらの場合には、加熱用熱交換器で加熱される温水の目標湯温を決定する目標湯温決定手段によって最大暖房能力に応じた高温が目標湯温として決定され、加熱手段は、決定される高温の温水が得られるように、制御される。
この結果、最大暖房能力に応じた高温の温水が、室内暖房機および床暖房パネルへ供給され、速やかに、室内の温度を上昇させる。
【0009】
ここで、例えば、検知された外気温度が所定外気温度より低く、設定された設定温度が所定設定温度より高い場合にも、暖房能力は最大暖房能力に決定され、加熱される温水の温度が高温となるが、この場合には、外気温度が低く暖房負荷が大きいために、床暖房パネルへ供給された温水の温度は大きな暖房負荷によって低下しやすい。この結果、床暖房パネルの表面温度が不快感を与えるほど高温になることはない。
【0010】
また、例えば、検知された外気温度が所定外気温度より高く、設定温度が所定設定温度より低い場合にも、暖房能力は最大暖房能力に決定され、加熱される温水の温度が高温となるが、この場合には、暖房負荷が小さいため、高温の温水が室内暖房機および床暖房パネルへ供給されることによって、室内の温度が速やかに上昇し、運転開始後の短時間の間に設定温度より高くなるため、室内温度の上昇に伴って暖房能力が下げられることになり、それに伴って床暖房パネルへ供給される温水の目標温度も低くなる。
従って、床暖房パネルへは、運転開始初期に高温の温水が供給されるが、その供給時間が短時間であるため、床暖房パネルの表面温度が不快感を感ずるほど異常に上昇することがない。
【0011】
以上の運転開始動作を行う複合温水暖房システムでは、ポンプが作動し加熱手段が加熱用熱交換器の加熱を行うと、温水循環回路では加熱用熱交換器で加熱された温水が室内暖房機の暖房用熱交換器と床暖房パネルへ供給され、室内暖房機では対流ファンの作動によって循環する室内空気が加熱されて吹き出され、床面では近傍の空気が床暖房パネルから放射される熱によって加熱される。
その後、室温センサによる検知室温と室温設定器による設定温度との温度差に応じて暖房能力が決定され、各暖房能力に対応した目標湯温になるように加熱制御手段によって加熱量を制御された加熱手段によって加熱された温水が、室内暖房機と床暖房パネルへそれぞれ供給されて、室内の暖房を行う。
【0012】
請求項2では、請求項1において、前記暖房能力決定手段は、段階的に設定された複数の暖房能力を有し、前記設定温度と前記検知室温との温度差範囲に応じた所定周期で室内の温度を検知する室温検知動作を行い、前記各所定周期の経過後の前記温度差範囲が前記所定周期を決定したときの前記温度差範囲と同じであるときには、前記暖房能力を1段だけ変更し、前記各所定周期の経過後の前記温度差範囲が前記所定周期を決定したときの前記温度差範囲と異なる場合には、前記暖房能力の変更を行わず、新たな温度差範囲に対応した所定周期だけ待機した後に、再び、前記室温検知動作を行うことを技術的手段とする。
【0013】
請求項3では、請求項2において、前記暖房能力決定手段は、前記暖房能力を変更する際に、前記検知室温が前記設定温度より高い場合には、決定されている前記暖房能力を1段だけ下げ、前記検知室温が前記設定温度より低い場合には、決定されている前記暖房能力を1段だけ上げることを技術的手段とする。
【0014】
以上の構成により、請求項2、3では、設定温度に対する検知室温の温度差が算出され、その温度差範囲に応じた周期だけそのときの暖房能力で待機する。
暖房能力が、そのときの暖房負荷に対して過剰または不足している場合には、この周期時間の間に検知室温と設定温度との温度差の範囲は、設定温度に対して高い状態あるいは低い状態のままである。
従って、所定周期が経過した後に、検知室温が設定温度に対して低い場合には暖房能力を1段上げ、検知室温が設定温度に対して高い場合には暖房能力を1段下げる。
この暖房能力の変更によって室内温度が変化するが、暖房能力が暖房負荷に対してまだ過剰または不足の状態を継続している場合には、引き続き検知室温と設定温度との温度差の範囲は、設定温度に対して高い状態あるいは低い状態のままであるため、上述のとおり、再び、暖房能力を変更する。
【0015】
暖房能力の変更によって、暖房能力が暖房負荷に対して適切なものとなれば、、温度差の範囲は、検知室温が設定温度と同じであると判定できる範囲内に落ちつく。この場合には、暖房能力の変更は行わず、現状を維持するようにし、逆に、温度差が反転して暖房能力が不足または過剰になった場合には、それぞれの周期が経過した後に、再び、暖房能力を変更する。以後、これらを繰り返す。
【0016】
以上のように、検知室温と設定温度との温度差の温度差範囲に応じて決まる周期だけ待機して、温度差範囲が変化しない場合に暖房能力の変更を行う請求項2、3では、室内温度の立ち上がりを速やかに行うためには、運転開始時に必ず暖房能力を大きい側から決定することになり、請求項1の構成を有しない場合には、常に、最大暖房能力で運転を開始することになる。
従って、こうしたものでは、検知室温が設定温度に達しない限り、運転開始時の最大暖房能力がいつまでも続くことになり、上述のとおり、床暖房パネルの表面温度が異常に上昇して、不快感を招くことになる。
【0017】
しかし、本発明では、請求項2、3のように、暖房能力を決定するものであっても、外気温度と設定温度に対してそれぞれ上述の条件を設けて、最大暖房能力で運転が開始される場合を制限しているため、外気温度や設定温度が高い場合に、たとえ、検知室温が設定温度に達しない場合が生じても、最大暖房能力で運転が継続されることがなく、制限された制限暖房能力での運転に限定されるため、床暖房パネルの表面温度が異常に上昇して不快感を与える恐れがない。
また、外気温度が高く暖房負荷が小さい場合や、設定温度が必要以上に高く設定された場合に、最大暖房能力での運転が継続されることがないため、無駄なエネルギー消費を無くすことができる。
【0018】
請求項4では、請求項3において、前記目標湯温決定手段は、前記床暖房パネルの表面温度が所定表面温度以下になるように前記目標湯温を決定することを技術的手段とする。
床暖房パネルでの表面温度は、供給される温水の温度のみで決まらず、外気温度等の暖房負荷により変化する。従って、例えば、最大暖房能力が決定される場合の外気温度条件下での床暖房パネルでの放熱量を考慮して、最大暖房能力に対応する目標湯温を設定し、さらに、その他の各暖房能力に対応して、これより低い目標湯温を設定しておくことによって、各暖房能力下で常に床暖房パネルの表面温度を所定表面温度(例えば36℃)以下に保つことができ、不快感を与えることをなくすことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に本発明を、以下に示す実施例に基づいて説明する。
図1は、本発明の複合温水暖房システムに係わる温水暖房式エアコンシステムの実施例を示す。
図1において、1は加熱源及び冷却源を有し屋外に設置される室外機、2は室内上方の壁部に配置される室内機であり、3は放熱用温水配管を有し室内の床面に配置される床暖房パネルであり、室内機2は温水配管及び冷却用配管によって、床暖房パネル3は温水配管によって室外機1とそれぞれ接続されている。この室外機1、室内機2、床暖房パネル3及びこれらを接続する温水配管、冷却配管により温水回路10および冷凍サイクル20がそれぞれ形成されている。
【0020】
室外機1には、温水回路10の構成として、一定回転で駆動される循環ポンプ11、加熱用熱交換器12、プレッシャータンク13が設けられ、加熱用熱交換器12には加熱源としてのガスバーナ100が備えられている。
また、床暖房パネル3へ向かう温水配管には、床暖熱動弁14が設けられている。
他方、冷凍サイクル20の構成としては、インバータ制御されるモータにより駆動されて冷媒である冷媒ガスを圧縮する圧縮機21、凝縮器22、ストレーナ23、キャピラリチューブ24が設けられ、凝縮器22には放熱ファン25が備えられている。
【0021】
室内機2には、温水回路10の構成として暖房用熱交換器15が設けられ、冷凍サイクル20の構成として冷房用熱交換器26が設けられ、各熱交換器15、26に対して、室内空気を循環させる対流ファン200が備えられていて、室内空気を冷房用熱交換器26→暖房用熱交換器15の順で通過させて、再び室内へ送り出す。
【0022】
室外機1、室内機2及び床暖房パネル3において、温水回路10は、循環ポンプ11の吐出側に加熱用熱交換器12の流入側が接続され、加熱用熱交換器12の流出側で温水配管が2つに分岐し、一方には室内機2の暖房用熱交換器15の流入側が接続されている。分岐した他方の温水配管には、床暖熱動弁14を介して床暖房パネル3の流入側と接続されている。
暖房用熱交換器15の流出側の温水配管と床暖房パネル3の流出側の温水配管は合流し、プレッシャータンク13を介して循環ポンプ11の吸引側に接続されている。
【0023】
以上の構成を有する温水回路10では、循環ポンプ11の作動によって、循環ポンプ11→加熱用熱交換器12→暖房用熱交換器15→プレッシャータンク13→循環ポンプ11の循環回路で、または循環ポンプ11→加熱用熱交換器12→床暖熱動弁14→床暖房パネル3→プレッシャータンク13→循環ポンプ11の循環回路で、ガスバーナ100によって加熱された温水が循環する。
【0024】
他方、冷凍サイクル20では、冷媒は、冷媒圧縮機21→凝縮器22→ストレーナ23→キャピラリチューブ24→冷房用熱交換器26→冷媒圧縮機21を循環し、循環中に、冷媒は凝縮器22で気相→液相の状態変化をして熱の放出を行い、冷房用熱交換器26で液相(霧状)→気相の状態変化をして熱の吸収を行って室内空気を冷却する。
【0025】
室外機1の加熱源であるガスバーナ100は、燃焼用空気を燃焼ファン101によって供給するもので、ガスバーナ100へ燃料ガスを供給する燃料供給路102には、2つのガス電磁弁103、104とガス比例弁105が設けられており、また、ガスバーナ100の炎口の近傍には、点火電極106とフレームロッド107とが設けられている。
【0026】
制御装置400は、使用者によって操作されるリモコン4に応じて各種の運転をマイコンによって制御するもので、室外機1と室内機2とに別れて設けられていて、相互に各種の信号を伝送する。
【0027】
制御装置400は、各種の制御を行うために、室外機1の加熱用熱交換器12の温水の流出側で温水温度を検知する高温水サーミスタ401、室内機2の暖房用熱交換器15の温水の流出側で温水温度を検知する室内温水サーミスタ402、室内機2内で室内温度を検知する室温サーミスタ403、室外機1が設置される屋外の外気温度を検知する外気温度サーミスタ404を備えている。
【0028】
以上の構成からなる温水暖房式エアコンシステムは、制御装置400によって、暖房運転としては、床暖房パネル3のみによる床単独運転、床暖房パネル3と室内機2によるデュエット暖房運転を、また、冷凍サイクル20の作動を伴うものでは、室内機2のみによるドライ運転、床暖房パネル3と室内機2によるデュエットドライ運転、室内機2による冷房運転がそれぞれ制御される。なお、冷房運転および各ドライ運転においては、圧縮機21を駆動するインバータ制御として、圧縮機21の回転数が制御される。
以下では、暖房運転としての床単独運転とデュエット暖房運転について説明する。
【0029】
〔床単独運転〕
床単独運転は、床暖房パネル3のみによって暖房運転を行うものである。
床単独運転では、循環ポンプ11を一定回転で駆動し、決定された目標湯温TOになるように、燃焼ファン101およびガス比例弁105を制御して、ガスバーナ100の燃焼量を調節する。
【0030】
床単独運転では、運転開始時に、リモコン4の床暖房運転のオン操作に応じて床暖房ホットダッシュ動作を一定時間の間だけ行う。
床暖房ホットダッシュ動作の後には、リモコン4により7段階に設定される床暖房レベルHnと外気温度サーミスタ404の検知する外気温度Taとに応じて、加熱用熱交換器12で加熱される温水の目標湯温TOを決定する。
【0031】
リモコン4によって設定される各床暖房レベルは、暖房能力が最低の1速では、床面温度が26℃になるように、中間の4速では、床面温度が31℃になるように、最高の7速では、床面温度が36℃になるようにするものであり、それぞれの床暖房レベルにおいて、外気温度Taが低いほど高く、高いほど低く目標湯温TOを外気温度Taに応じて決定するものである。
床単独運転において決定される目標湯温TOの一例を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
なお、床単独運転の間にも、加熱用熱交換器12で加熱された温水が室内機2の暖房用熱交換器15にも循環するが、床単独運転では、対流ファン200の作動は停止されていて、暖房用熱交換器15の内部を通過する温水の熱が室内へ放出されにくくなっているため、暖房用熱交換器15による暖房効果はほとんど得られない。
また、床暖房ホットダッシュ動作では、外気温度Taと床暖房レベルHnに応じた上記表1の目標湯温TOではなく、各床暖房レベルHnに応じた高温の目標湯温TO(例えば65℃〜85℃)に設定して、ガスバーナ100の加熱量を高温サーミスタ401の検知温度に基づいて制御する。
【0034】
〔デュエット暖房運転(複合暖房運転)〕
デュエット暖房運転は、室内機2と床暖房パネル3とにより室内の暖房を行うものであるが、主に室内機2によって室内の温度を上昇させるもので、床暖房パネル3は、室内機2の補助として作用することになる。従って、上記の床単独運転において、制御に用いられたリモコン4により設定される床暖房レベルHnは、デュエット暖房運転では用いられず、暖房能力の制御には無関係となる。
【0035】
デュエット暖房運転でも、循環ポンプ11を一定回転で駆動し、加熱用熱交換器12で加熱される温水の温度が、決定された目標湯温TOになるように、燃焼ファン101およびガス比例弁105を制御して、ガスバーナ100の燃焼量を調節する。また、室内機2の対流ファン200の駆動、停止を制御して、駆動時には、暖房用熱交換器15に室内空気を通過させることによって、加熱して室内へ温風として吹き出す。
【0036】
デュエット暖房運転の能力制御では、外気温度サーミスタ404によって検知される外気温度Taおよびリモコン4によって設定される目標温度Tset とに応じた始動制御を行い、その後、室温サーミスタ403により検知される検知室温Trとリモコン4による設定温度Tset との温度差に応じて暖房能力を最小の1速から最大の8速までの間で決定する温調制御を行う。
【0037】
始めに、図2に基づいて、始動制御について説明する。
本実施例の始動制御は、通常では、速やかに室内温度を上昇させることができるとともに、外気温度が高く暖房負荷が小さい場合や、リモコン4の設定温度Tset が不必要に高く、暖房中に室内温度が設定温度Tset に容易に達しにくいような場合に、高温の温水が床暖房パネル3へ供給されて、床暖房パネル3の表面温度が異常に高くなって、使用者に不快感を与えることがないようにするためのものである。
【0038】
ここでは、複合暖房運転が開始されると、始めに外気温度サーミスタ404によって検知される外気温度Taが、暖房負荷の大きさを判別するための所定外気温度として設定された15℃を越えるか否かを判別する。
外気温度Taが15℃以下の場合には(ステップ10においてYES)、暖房負荷が十分に大きく、高温の温水を床暖房パネル3へ連続して供給しても、床暖房パネル3からの放熱量が大きいために、床暖房パネル3の表面温度が異常に高くなることがないと判断して、通常の運転開始として、暖房能力を8速に設定して運転を開始し(ステップ11)、後述する温調制御へ移行する(ステップ100)。
【0039】
ステップ10において、外気温度Taが15℃を越える場合には(NO)、さらに、リモコン4によって設定された設定温度Tset が所定設定温度として設定された27℃を越えるか否かを判別する。
設定温度Tset が27℃以下の場合は(ステップ12においてYES)、デュエット暖房運転によって熱量が室内に与えられたとき、上述のとおり外気温度taが15℃であって暖房負荷が小さい状況下にあるために、室内温度が十分に上昇して、確実に室内温度が設定温度Tset に到達すると見なすことができる場合である。
この場合には、室内温度が十分に上昇したときに、後述する温調制御によって暖房能力が次第に小さくなるように変更され、この暖房能力の変更に伴って、室内暖房機2および床暖房パネル3へ供給される温水の温度が次第に低くなることが予測できる。
【0040】
この結果、運転開始当初は高温の温水が供給されても、温調制御による暖房能力の変更に伴って供給される温水の温度が次第に低く変更されるため、高温の温水が継続して供給される時間が長時間にならず、床暖房パネル3の表面温度が異常高温になることがない。
従って、この場合(ステップ12においてYES)には、室内温度の速やかな上昇を優先させるために、ステップ11へ移行して、暖房能力が8速の通常の運転開始をする。
【0041】
設定温度Tset が27℃を越える場合には(ステップ12においてNO)、設定温度Tset が過剰に高く、通常の運転開始を行って、暖房能力が8速に決定されると、室内温度が容易に設定温度Tset に到達しないばかりでなく、暖房負荷が小さい状況下であるために、床暖房パネル3における放熱が促進されないため、高温の温水が床暖房パネルへ供給される状態が長く継続されると、床暖房パネル3の表面温度が著しく上昇し、使用者に不快感を与える状態である。
このため、この場合には、暖房能力を最大暖房能力ではなく、制限暖房能力である6速に制限した暖房能力で運転を開始して(ステップ13)、後述する温調制御へ移行する(ステップ100)。
【0042】
以上の始動制御を行って運転を開始した後には温調制御を行う。
次に、上記ステップ100における温調制御について説明する。
温調制御は、ある速数で運転した状態で検知室温Trを設定温度Tset と比較し、設定温度Tset に対する検知室温Trの温度差の程度に応じた周期時間だけ同じ速数の暖房能力を継続し、温度差に応じた周期時間が経過した後に、温度差が同じ温度差範囲内にある場合には、その速数Nを大きくまたは小さくする決定して、その決定に応じて現状の速数Nを上下させることによって、新たな速数Nを決定して、以後、同様に、温度差に応じた周期で検知室温Trを設定温度Tset と比較して、必要に応じて速数を変更する。
【0043】
この決定のために、本実施例の温調制御では、検知室温Trが設定温度Tset と等しいとみなされる温度範囲として、検知室温Trが設定温度Tset に対して等しい状態から1℃までの範囲で低い状態を設定している。すなわち、
温度差ΔT=検知室温Tr−設定温度Tset
で得られる温度差ΔTが、−1≦ΔT≦0℃の場合を、検知室温Trが設定温度Tset と等しいと判断する。また、温度差ΔTが、ΔT<−1℃の場合には、検知室温Trが設定温度Tset より低く、1℃<ΔTの場合には、検知室温Trが設定温度Tset より高いとそれぞれ判断する。
【0044】
この温度差判断に基づいた本実施例の温調制御について、図3に基づいて、以下に詳細に説明する。
まず、検知室温Trを設定温度Tset と比較し、その温度差ΔTが−1≦ΔT≦0℃の場合には(ステップ101において▲1▼[−1〜0℃])の場合には、検知室温Trが設定温度Tset と等しい状態であると判断して、現状維持として速数Nの変更を行わず、検知室温Trと設定温度Tset との比較を繰り返す(ステップ101)。
【0045】
検知室温Trを設定温度Tset と比較し、設定温度Tset に対して検知室温Trが1℃以上低く、その温度差ΔTがΔT<−1℃の場合には(ステップ101において▲2▼[−1℃以下])、そのときの速数Nで7分間待機し(ステップ110)、7分間経過した時点でも、なお設定温度Tset に対して検知室温Trが、1℃以上低い場合には(ステップ111においてYES)、速数Nを1速上げて(ステップ112)、暖房能力を大きくする。
【0046】
検知室温Trを設定温度Tset と比較した場合に、逆に設定温度Tset に対して検知室温Trが+1℃までの範囲で高く、その温度差ΔTがΔT≦1℃の場合には(ステップ101において▲3▼[+1℃以内])、そのときの速数Nで5分間待機し(ステップ120)、5分間経過した時点でも、なお設定温度Tset に対して検知室温Trが、1℃までの範囲で高い場合には(ステップ121においてYES)、速数Nを1速下げて(ステップ122)、暖房能力を小さくする。
【0047】
検知室温Trを設定温度Tset と比較した場合に、設定温度Tset に対して検知室温Trが1℃以上高く、その温度差ΔTが1℃<ΔTの場合には(ステップ101において▲4▼[+1℃以上])、そのときの速数Nで3分間待機し(ステップ130)、3分間経過した時点でも、なお設定温度Tset に対して検知室温Trが、1℃以上高い場合には(ステップ131においてYES)、対流ファン200の作動を3分間停止する(ステップ132)。このとき、室内機2の暖房用熱交換器15にも温水が循環するが、暖房用熱交換器15は対流ファン200の作動によって内部を通過する温水の熱が室内へ放出される構造であるため、暖房用熱交換器15による暖房効果はほとんど得られない。この対流ファン200の停止時は、室内機2による暖房を停止させ、床暖房パネル3のみによって暖房を行うことになり、この場合は、大きな熱量で能動的に暖房を行うのではなく、室内温度が著しく低下することを防止するための熱量が室内に放出されるようなホットキープ動作を行う。
これによって、ホットキープ動作の3分間は、室内を暖める能力がさらに低下するため、室内温度の上昇を抑制でき、室内温度を下げることが可能となる。
【0048】
なお、ホットキープ動作においては、対流ファン200の作動が停止するため、暖房効率が下がるとともに、室内空気の循環が停止して検知室温Trの正しい検知ができなくなる。
このため、ホットキープ動作の3分間が経過した後には、再び対流ファン200を3分間だけ駆動する(ステップ133)。この対流ファン200が駆動されている3分間に、室内空気が暖房用熱交換器15を通過して冷却するため、正しく室内温度を検知することができる。
【0049】
3分間の対流ファン200の作動の後に、検知室温Trが設定温度Tset よりまだ高い場合には、再び、対流ファン200の作動を停止してホットキープ動作を行い、検知室温Trが設定温度Tset より下がっていた場合には、ホットキープ動作を終了して、再び温調動作を行う。
【0050】
以上の温調制御によって決定される速数Nと、各速数Nにおける目標湯温TOとの関係を表2に示す。
【0051】
【表2】
【0052】
上記、ステップ132によって対流ファン200が停止して、室内機2の暖房が停止しているホットキープ動作の間は、検知室温Trが設定温度Tset に対して十分に上昇している状態であり、室内に対する大きな加熱量が不要な状態である。従って、ホットキープ動作の間には、加熱用熱交換器12で加熱される温水の目標湯温TOを、1速における目標湯温TOではなく、外気温度サーミスタ404によって検知される外気温度Taに基づいて決定する。本実施例時では、外気温度Taに対応してあらかじめ設定されたホットキープ動作時の目標湯温TOのデータがマイコンのメモリに記憶されており、外気温度サーミスタ404により検知された外気温度Taが与えられると、その温度に対応した目標湯温TOが決定される。
ホットキープ動作時において決定される目標湯温TOの一例を表3に示す。
【0053】
【表3】
【0054】
表3に示すように、ホットキープ動作の場合には、例えば、外気温度Taが0℃以下の場合には、目標湯温TOが70℃に決定され、20℃以上の場合には目標湯温TOが40℃に決定されるなど、単純に固定された一定の温度の温水が床暖房パネル3に供給されないため、時節毎の暖房負荷に適した暖房能力が得られる。
【0055】
尚、対流ファン200は、上記のとおり決定される目標湯温TOの温水が暖房用熱交換器15へ供給される場合に、室内機2から吹き出される温風の温度が最適になるように、各速数N毎に適切に設定された回転数にそれぞれ制御される。また、運転終了後には、ガスバーナ100の燃焼停止後、2分を経過してから循環ポンプ11の作動を停止することにより、余熱を利用して滑らかに暖房運転を停止させる。
【0056】
以下、デュエット暖房運転における作動を説明する。
リモコン4により、デュエット暖房運転の開始が指示されると、室内温度の上昇を速やかに行うために、デュエット暖房運転の開始後の30分間は、温水回路10の床暖房パネル3への温水配管に設けられた床暖熱動弁14を閉弁し、循環ポンプ11を駆動するとともにガスバーナ100の燃焼を開始し、加熱用熱交換器12で加熱される温水の温度を、上述の始動制御により選択された速数Nの目標湯温TOに調節する。
【0057】
この始動制御によって、デュエット暖房運転が開始されるとき、外気温度サーミスタ404により検知される外気温度Taが15℃を越えていて、且つ、リモコン4によって設定される設定温度Tset が27℃を越えている場合には、最大速数である8速より小さく制限された6速が速数Nとして決定される。この結果、加熱用熱交換器12で加熱される温水の目標湯温TOは、8速に対応した高温ではなく6速に応じた制限された低めの目標湯温TOとなるため、室内機2および床暖房パネル3へは、制限された目標湯温TOに加熱された温水が供給される。
従って、外気温度が高くて暖房負荷が小さい場合に、設定温度Tset が高くなっていても、床暖房パネル3へ高温の温水が供給されることがなく、温度が制限された温水が供給されるため、床暖房パネル3の表面温度が異常に上昇して、使用者に不快感を与えることがない。
また、暖房負荷が小さい場合に、過剰な暖房能力で運転を開始することがないため、エネルギー消費を抑制できる。
【0058】
逆に、デュエット暖房運転が開始されるとき、外気温度サーミスタ404により検知される外気温度Taが15℃を越えていなければ、リモコン4によって設定される設定温度Tset に関係なく、最大速数である8速が決定される。また、デュエット暖房運転が開始されるとき、設定温度Tset が27℃を越えていなければ、外気温度に関係なく同じく最大速数の8速が決定される。従って、これらの場合には、最大速数に応じた高温が目標湯温TOとして決定され、ガスバーナ100の燃焼量は、決定される高温の温水が得られるように、制御される。
この結果、8速に応じた高温の温水が、室内機2および床暖房パネル3へ供給され、速やかに、室内の温度を上昇させる。
【0059】
ここで、例えば、検知された外気温度Taが15℃より低く、設定温度Tset が27℃より高い場合にも、速数Nは8速に決定され、加熱される温水の温度が高温となるが、この場合には、外気温度が低く暖房負荷が大きいために、床暖房パネル3へ供給された温水の温度は大きな暖房負荷によって低下しやすい。この結果、床暖房パネル3の表面温度が不快感を与えるほど高温になることはない。
【0060】
また、例えば、検知された外気温度Taが15℃より高く、設定温度Tset が27℃より低い場合にも、速数Nは8速に決定され、加熱される温水の温度が高温となるが、この場合には、暖房負荷が小さいため、高温の温水が室内機2および床暖房パネル3へ供給されることによって、室内の温度が速やかに上昇し、運転開始後の短時間の間に設定温度Tset より高くなるため、室内温度の上昇に伴って温調制御によって速数Nが下げられることになり、それに伴って床暖房パネル3へ供給される温水の目標温度TOも低くなる。
従って、床暖房パネル3へは、運転開始初期に高温の温水が供給されるが、その供給時間が短時間であるため、床暖房パネル3の表面温度が不快感を感ずるほと異常に上昇することがない。
【0061】
なお、ガスバーナ100の所定の点火制御し、循環ポンプ11の駆動を開始した後でも、室内温水サーミスタ402の検知温度が十分に高くなるまでは(例えば30℃)、冷風の吹き出しを防止するために、対流ファン200の駆動を開始せず、十分温度が上昇した後に、対流ファン200による送風を開始する。
【0062】
その後の温調制御では、リモコン4による設定温度Tset と室温サーミスタ403の検知による検知室温Trとの温度差に基づいて決まる暖房能力としての速数Nに応じて加熱用熱交換器12で加熱されて流出する温水の目標湯温TOが決定される。
デュエット暖房運転の開始後の30分間は、床暖熱動弁14が閉弁されているため、温水回路10内の温水は、室内機2の暖房用熱交換器15のみへ供給され、対流ファン200の作動によって温風が室内へ吹き出される。
【0063】
デュエット暖房運転の開始して30分が経過すると、閉弁されていた床暖熱動弁14が開弁されて、加熱された温水が床暖房パネル3へも供給され、室内機2と床暖房パネル3とにより室内が暖房され、その後も温調運転が継続される。
なお、デュエット暖房運転の運転開始後30分を経過するまでに、室温サーミスタ403で検知される検知室温Trがリモコン4で設定された設定温度Tset より高くなると、上述のホットキープ動作に移行し、このホットキープ動作に移行する場合には、運転開始後30分を経過していなくても床暖熱動弁14は開弁される。
【0064】
温調制御において、室温サーミスタ403で検知される検知室温Trのリモコン4で設定された設定温度Tset に対する温度差が、+1℃以内の間は、室内機2の対流ファン200が作動して、床暖房パネル3と室内機2とによるデュエット暖房運転が継続される。
温調制御中に、室温サーミスタ403で検知される検知室温Trがリモコン4で設定された設定温度Tset より+1℃以上高くなって、それが3分間続くと、、室内機2による暖房動作を休止して、床暖房パネル3のみにより暖房を行うホットキープ動作に入る。
【0065】
ホットキープ動作になった場合には、温水回路10の加熱用熱交換器12で加熱される温水の目標湯温TOを、外気温度サーミスタ404で検知される外気温度Taに基づいて上記表3のとおり決定する。
3分間のホットキープ動作により対流ファン200が停止した後には、再び対流ファン200が3分間作動する。この3分間の対流ファン200の作動が終了した時点で、室温サーミスタ403により室内温度を検知し、この検知室温Trが設定温度Tset より+1℃以上高い場合には、対流ファン200は上述のとおり、再び3分間だけ停止した後、3分間作動する。
【0066】
逆に、検知室温Trの設定温度Tset 対する温度差が+1℃以内の範囲であれば、ホットキープ動作が終了し、温調動作が再開されて、目標湯温TOが、設定温度Tset と検知室温Trとの温度差に基づいて決定される。
【0067】
以上のとおり本発明によれば、デュエット暖房運転において、運転を開始する際に、外気温度と設定温度とに基づいて始動制御を行って、外気温度が高く且つ設定温度が高い場合には、運転初期に供給される温水の温度を制限するため、高温の温水によって床暖房パネル3の表面温度が異常に高温になることがない。
また、こうした暖房負荷の小さい場合に、供給する温水温度を必要以上の高温に加熱することがないため、無駄なエネルギー消費を抑えることができる。
【0068】
上記実施例では、デュエット暖房運転の開始初期に、床暖房パネル3へ温水を供給する温水回路10の床暖熱動弁14を30分間閉弁するものを示したが、床暖熱動弁14の閉弁時間は、上記実施例に限定するものではなく、また、床暖熱動弁14は半開状態あるいは開放状態などでもよい。
上記実施例では、温調運転中にホットキープ動作を行うものを示したが、ホットキープ動作を行わないで、室内温度が設定温度より低くなるまで室内機2及び床暖房パネル3の作動を停止するものでもよい。
また、室内機2の停止として、上記実施例では、対流ファンを停止するものを示したが、室内機2への温水回路10に遮断弁を設けて、温水の供給を停止するようにしてもよい。この場合には、対流ファンの作動を低回転数で継続させてもよい。
上記実施例では、ガスバーナを加熱源としたものを示したが、石油バーナや電気加熱など、他の加熱源による温水暖房システムでもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す温水暖房式エアコンシステムの概略構成図である。
【図2】本発明の実施例におけるデュエット暖房運転の始動制御を説明するための流れ図である。
【図3】本発明の実施例におけるデュエット暖房運転の温調制御を説明するための流れ図である。
【符号の説明】
2 室内機(室内暖房機)
3 床暖房パネル
4 リモコン(室温設定器)
10 温水回路(温水循環回路)
11 循環ポンプ
12 加熱用熱交換器
15 暖房用熱交換器
100 ガスバーナ(加熱手段)
200 対流ファン
401 高温水サーミスタ(加熱温度センサ)
403 室温サーミスタ(室温センサ)
404 外気温度サーミスタ(外気温度センサ)
400 制御装置(複合温水暖房システムの温度制御装置、暖房能力決定手段、目標湯温決定手段、加熱制御手段)
Claims (4)
- 放熱用配管の内部を通過する温水を熱源とし、前記放熱用配管からの放熱によって室内を暖房する床暖房パネルと、
室内空気を循環させる対流ファンを備えた暖房用熱交換器に温水を通過させて、前記対流ファンの作動により室内空気を前記暖房用熱交換器によって加熱して室内を暖房する室内暖房機と、
加熱手段の加熱により内部を通過する水を加熱する加熱用熱交換器と
を具備し、前記床暖房パネルおよび前記室内暖房機を前記加熱用熱交換器に対して並列に設けて、前記加熱用熱交換器によって加熱された温水をポンプによって前記床暖房パネルおよび前記室内暖房機に循環させる温水循環回路を形成した複合温水暖房システムにおいて、
室内の目標室温を設定するための室温設定器と、
室内の温度を検知する室温センサと、
外気温度を検知する外気温度センサと、
前記加熱用熱交換器で加熱された温水の温度を検知する加熱温度センサと、
前記加熱用熱交換器で加熱された温水を前記室内暖房機および前記床暖房パネルに循環させて室内の暖房を行う複合暖房運転時の暖房能力を、前記室温設定器による設定温度と前記室温センサによる検知室温との温度差に応じて決定する手段であって、前記複合暖房運転開始時の前記暖房能力を、前記外気温度センサの検知する外気温度が所定外気温度以下または前記室温設定手段の設定温度が所定設定温度以下の場合には、最大暖房能力に決定し、前記外気温度センサの検知する前記外気温度が前記所定外気温度を越え且つ前記室温設定手段の前記設定温度が前記所定設定温度を越えている場合には、前記最大暖房能力より小さく制限された制限暖房能力に決定する暖房能力決定手段と、
該暖房能力決定手段により決定された前記暖房能力に応じて前記加熱用熱交換器によって加熱される温水の目標湯温を決定する目標湯温決定手段と、
該目標湯温決定手段により決定された前記目標湯温と前記加熱温度センサの検知湯温とに基づいて前記加熱手段の加熱量を制御する加熱制御手段と
を具備することを特徴とする複合温水暖房システムの温度制御装置。 - 前記暖房能力決定手段は、段階的に設定された複数の暖房能力を有し、前記設定温度と前記検知室温との温度差範囲に応じた所定周期で室内の温度を検知する室温検知動作を行い、前記各所定周期の経過後の前記温度差範囲が前記所定周期を決定したときの前記温度差範囲と同じであるときには、前記暖房能力を1段だけ変更し、前記各所定周期の経過後の前記温度差範囲が前記所定周期を決定したときの前記温度差範囲と異なる場合には、前記暖房能力の変更を行わず、新たな温度差範囲に対応した所定周期だけ待機した後に、再び、前記室温検知動作を行うことを特徴とする請求項1記載の複合温水暖房システムの温度制御装置。
- 前記暖房能力決定手段は、前記暖房能力を変更する際に、前記検知室温が前記設定温度より高い場合には、決定されている前記暖房能力を1段だけ下げ、前記検知室温が前記設定温度より低い場合には、決定されている前記暖房能力を1段だけ上げることを特徴とする請求項2記載の複合温水暖房システムの温度制御装置。
- 前記目標湯温決定手段は、前記床暖房パネルの表面温度が所定表面温度以下になるように前記目標湯温を決定することを特徴とする請求項3記載の複合温水暖房システムの温度制御装置。
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