JP3636073B2 - 多糖類−ステロール誘導体含有化粧料 - Google Patents
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Description
本発明は多糖類−ステロール誘導体を含有する化粧料に関する。さらに詳しくは皮膚に対しては保湿効果および肌荒れ改善効果などに優れ、一方毛髪に対しては被膜形成作用に基づく保護効果などに優れ、また製品安定性に優れた特徴を持つ多糖類−ステロール誘導体を含有する化粧料に関する。
〔背景技術〕
一般に皮膚の乾燥は、皮膚分泌物の量、特に皮脂分泌量の減退、ならびに細胞間脂質およびアミノ酸などの天然保湿因子の減少により、角層のバリア機能が低下し、経皮水分蒸散量が大きくなったときに起こる。従って冬季や過剰な皮膚洗浄、年齢、体質などによる皮膚分泌物の減少により皮膚乾燥が増加し、角層水分が10%以下に低下した時を特にドライスキンと称している。このように皮膚が乾燥してくると皮膚のつやは低下し、小皺が目立つなど弊害がでてくる。同様に、毛髪についても毛髪中の水分量が減少することにより髪はなめらかさを失い、またつやが低下するなどの弊害が生じる。
これらの皮膚状態および毛髪状態を改善するためには、角層および毛髪の水分量の低下を防止し、正常な機能を維持することが必要であり、これまでいくつかの保湿剤が検討されてきた。その結果、皮膚への密着性がよく疎水性を有するワセリン、グリセリンなどの多価アルコール;ヒアルロン酸、ソルビトール、プルランなどの多糖類;乳酸ソーダ;ピロリドンカルボン酸ソーダなどのアミノ酸類等を化粧料の基剤中に配合することにより、保湿性を高める効果があった。また最近は角層の細胞間脂質の一成分であるスフィンゴ脂質およびセラミドを配合することもある。
しかし従来から知られているこれらの製剤は、水分保持能が充分なものとは言えないばかりか、閉塞性を用いた場合は油っぽくベタベタして不快な感触を与える欠点があり、一方保湿剤は多量に配合しなければならず、その結果としてベタベタ感およびぬめり感などの感触を与える問題がある。さらには経時および微生物の安定性に劣るという欠点があった。
ところで、多糖類またはプルラン誘導体を含む化粧料は知られている。例えば、次の公開公報が知られている。
〔1〕特開昭53−142540号公報には、プルラン脂肪酸エステルを含有し、肌を刺激することなく、感触の優れた油溶性仕上化粧料が示されている。
〔2〕特開昭63−66107号公報には、プルランを配合してなる油相/水相型または水相/油相型の乳化型の乳化型化粧料が示されている。
〔3〕特開昭63−139105号公報には、プルランを配合することを特徴とするしわ伸ばし化粧料が示されている。
〔4〕特開平2−42011号公報には、プルランを含有することを特徴とする厚さ0.01〜1mmのフイルム状メーキャップ化粧料が示されている。
〔5〕特開平10−182341号公報には、プルラン脂肪酸エステルを含有するパック化粧料が示されている。
しかし、上記従来の化粧料には、多糖類−ステロール誘導体を含有するものは全く無い。
一方、多糖類−ステロール誘導体は、特開平3−292301号公報、特開平5−262645号公報、特開昭63−319046号公報に開示されているが、これを化粧料に用いることは全く知られていない。
本発明の目的は、水分保持能および被膜形成能に優れ、このため肌荒れ、つや不足などの乾燥に起因する皮膚および毛髪状態を改善し、十分な水分保持により潤いを与える、いわゆる美肌および美髪効果を有すると共に、感触的にも優れた化粧料を提供することである。
〔発明の開示〕
本発明者らは、前記従来の問題点に鑑み鋭意検討した結果、細胞間脂質中に多く含まれているステロールと被膜形成能に優れている多糖類とを反応させて得られる多糖類−ステロール誘導体を化粧料に配合すると、吸湿および保湿作用に基づく水分保持能が高く、しかもラメラ形成促進および安定化作用に優れ、かつ被膜形成能に優れて皮膚油分感を低く押さえるなどの効果を持つ化粧料を得ることができることを見い出した。このように多糖類−ステロール誘導体は従来の化粧料の欠点を全て解決する理想的な素材であることを見い出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は次の多糖類−ステロール誘導体含有化粧料である。
(1) 化粧料材料と、
多糖類を構成する糖単位100個当たり、0.01〜20個の糖単位の水酸基が下記式(1)で表される基で置換された多糖類−ステロール誘導体(式(1)中、R 1 は炭素数1〜10の炭化水素基を示す。R 2 はステリル基を示す。)と
を含有する多糖類−ステロール誘導体含有化粧料。
【化2】
(2) 式(1)で表される基の導入個数が多糖類を構成する糖単位100個当たり0.05〜15個である上記(1)記載の化粧料。
(3) 式(1)で表される基の導入個数が多糖類を構成する糖単位100個当たり0.1〜10個である上記(1)記載の化粧料。
(4) 多糖類−ステロール誘導体がプルラン−コレステロール誘導体である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の化粧料。
(5) 多糖類−ステロール誘導体の含有量が化粧料全体に対して0.001〜50重量%である上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の化粧料。
(6) 化粧料がスキンケア化粧料、メーキャップ化粧料または毛髪用化粧料である上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の化粧料。
(7) 化粧料が乳液、化粧水、口紅、マニキュアまたはヘアーローションである上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の化粧料。
〔発明を実施するための最良の形態〕
本発明で用いる多糖類−ステロール誘導体は、多糖類に適当な分子を介してステロールを化学結合により導入してなるものであり、前記多糖類−ステロール誘導体に分類されるものであるならばいかなるものでも使用できる。多糖類はグリコース(glycose)がポリグリコシル化した高分子化合物であれば特に限定されない。多糖類の具体的なものとしては、プルラン、アミロース、キシログルカン、アミロペクチン、デキストラン、デキストリン、シクロデキストリン、マンナン、ヒドロキシエチルデキストラン、レバン、イヌリン、キチン、キトサンおよび水溶性セルロースなどが挙げられる。多糖類は天然のものであっても合成品であってもよい。
ステロールはシクロペンタノペルヒドロフェナントレン骨格、コレステロール骨格、これらの誘導体、またはこれらの骨格と密接に関連した構造を持つアルコールであれば特に限定されない。ステロールの具体的なものとしては、コレステロール、スチグマステロール、β−シトステロール、ラノステロールおよびエルゴステロールなどが挙げられる。多糖類−ステロール誘導体としては、例えば特開平2−144140号公報、特開昭63−319046号公報および特開平3−292301号公報などに開示されている多糖類−ステロール誘導体を好ましく使用することができる。
本発明の多糖類−コレステロール誘導体含有化粧料(以下、単に化粧料という場合がある)に用いられる多糖類−コレステロール誘導体の製造方法としては、公知の化学知識を用いて適宜工夫して合成したものを用いることができるが、特開平3−292301号公報に記載される方法により製造したものを用いるのが好ましい。本発明の多糖類−コレステロール誘導体は、合成のしやすさなどの点から、多糖類を構成する糖単位100個当たり、0.01〜20個、好ましくは0.05〜15個、さらに好ましくは0.1〜10個の糖単位の水酸基が前記式(1)で表される基で置換された多糖類−ステロール誘導体である。
前記式(1)において、R1は炭素数1〜10の炭化水素基であり、2価の炭化水素基であれば直鎖状、分岐鎖状または環状のいずれであってよく、また飽和であっても不飽和であってもどちらでもよいが、炭素数3〜8の直鎖状飽和炭化水素基が最も好ましい。
前記式(1)において、R2はステリル基(ステロールの残基)であり、例えばコレステリル基(コレステロール残基)、スチグマステリル基(スチグマステロール残基)、β−シトステリル残基(β−シトステロール残基)、ラノステリル基(ラノステロール残基)、およびエルゴステリル基(エルゴステロール残基)などが挙げられる。これらの中では入手性の点からは、コレステリル基(コレステロール残基)が最も好ましい。
この様な多糖類−ステロール誘導体は、分子の一端にステリル基と他端にイソシアナト基を有する化合物と、多糖類の水酸基とを反応させることにより合成することができる。
分子の一端にステリル基と他端にイソシアナト基を有する化合物は、例えば下記の反応式(2)
【化3】
に示されるように、ジイソシアネート化合物の一端のイソシアナト基を、ステロールの水酸基と反応させ、ウレタン結合により両者を結合させることにより得られる。
このとき、ジイソシアネート化合物との反応に用いられるステロールとしては、例えばコレステロール、スチグマステロール、β−シトステロール、ラノステロールおよびエルゴステロールなどが用いられ、入手性の点からコレステロールが好ましく用いられる。
ステロールと反応させるジイソシアネート化合物はOCN−R−NCOで表される化合物である。例えば、Rがエチレン基であるエチレンジイソシアネート、ブチレン基であるブチレンジイソシアネート、ヘキサメチレン基であるヘキサメチレンジイソシアネート、およびジフェニルメタン基であるジフェニルメタンジイソシアネートなどが挙げられる。これらの中ではブチレンジイソシアネートおよびヘキサメチレンジイソシアネートなどが好ましい。
本発明に好ましく用いられる多糖類−ステロール誘導体は、上記の分子の一端にステリル基と他端にイソシアナト基を有する化合物を、多糖類と反応させることにより得ることができる。分子の一端にステリル基と他端にイソシアナト基を有する化合物と、多糖類との反応は、例えば下記の反応式(3)
【化4】
に示される様に、多糖類を構成する単糖の水酸基と、分子の一端にステリル基と他端にイソシアナト基を有する化合物の持つイソシアナト基との1ステップ付加反応で行うことができる。反応式(3)には、1つの六単糖ユニットと、イソシアナト基を有する化合物との反応がモデルとして示されているが、本発明に用いられる多糖類−ステロール誘導体の合成においては、多糖類を構成する糖単位100個当たり、0.01〜20個、好ましくは0.05〜15個、さらに好ましくは0.1〜10個の糖単位の水酸基に対して、反応式(3)に示される様な反応を生じせしめるのが、化粧料としての使用感を高める上から好ましい。
上記反応に用いられる多糖類としては、多糖類であればいかなるものを用いることも可能であるが、特にプルラン、アミロース、キシログルカン、アミロペクチン、デキストラン、デキストリン、シクロデキストリン、マンナン、ヒドロキシエチルデキストラン、レバン、イヌリン、キチン、キトサンおよび水溶性セルロースなどから選ばれる多糖類が好ましく用いられる。これらの多糖類は、天然または合成由来のものであってよく、入手が可能なものであるならば分子量などはいかなるものであってもよいが、化粧料に配合した際に、より特徴を発揮するためには重量平均分子量10000〜1000000程度、好ましくは30000〜500000のものがよい。また、多糖類の種類としては、入手性および化粧料に配合したときの感触の良さから、特にプルランが好ましく用いられる。
多糖類と、分子の一端にステリル基と他端にイソシアナト基を有する化合物との反応を行う場合に用いられる溶媒としては、分子の一端にステリル基と他端にイソシアナト基を有する化合物および多糖類の両方が溶解し、かつ反応生成物である多糖類−ステロール誘導体が溶解する溶媒が好ましく、通常ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ホルムアミド、ジオキサン、テトラヒドロフランなどの非プロトン性溶媒等が好ましく用いられる。このときの反応温度および時間は用いられる多糖類および溶媒などに応じて反応の進行状態により適宜選択されるが、好ましくは0〜200℃で1〜48時間程度反応させるのがよい。
多糖類と、分子の一端にステリル基と他端にイソシアナト基を有する化合物との仕込比はいかなる比率でもよく、この仕込比を変化させることにより多糖類に対するステリル基の導入量を適宜制御することができる。多糖類を構成する糖単位100個当たり0.01〜20個のステリル基を導入する場合には、多糖類の100単糖単位に対して、分子の一端にステリル基と他端にイソシアナト基を有する化合物を0.01〜30分子の割合で仕込むのが好ましい。
この様にして得られる多糖類−ステロール誘導体の精製方法としては、再沈澱精製法、各種クロマトグラフィーによる分離精製法および透析法などが利用できる。また乾燥方法としては凍結乾燥法、または真空乾燥法が望ましい。
本発明に用いられる多糖類−ステロール誘導体としては、上記の多糖類−ステロール誘導体に限らず、多糖類にステリル基を導入して得られる公知の多糖類−ステロール誘導体であれば、いかなる種類の多糖類−ステロール誘導体であっても使用することができる。また本発明の化粧料に用いられる多糖類−ステロール誘導体は、多糖類−ステロール誘導体であるならば上記の製造方法に限らず、いかなる製造方法によって得られたものであっても用いてよい。それらの場合でも、吸湿および保湿作用に基づく水分保持能が高く、しかもラメラ形成促進および安定化作用が優れ、かつ被膜形成能に優れている理由から、多糖類を構成する糖単位100個当たり0.01〜20個、好ましくは0.05〜15個、さらに好ましくは0.1〜10個のステリル基が導入された多糖類−コレステロール誘導体が望ましい。
本発明で使用される多糖類−コレステロール誘導体の分子量は特に限定されないが、皮膚に対する化粧料の場合には、保湿効果および肌荒れ改善効果に優れることから、重量平均分子量が10000〜500000、好ましくは30000〜300000であるのが望ましい。また、毛髪に対する化粧料の場合には、被膜形成作用に基づく保護効果に優れ、また製品安定性に優れることから、重量平均分子量が10000〜500000、好ましくは30000〜300000であるのが望ましい。口紅用化粧料の場合には、重量平均分子量が10000〜1000000、好ましくは30000〜500000であるのが望ましい。
本発明に用いられる多糖類−ステロール誘導体の中で最も好ましいものは、化粧料材料とのフォーミュレーションのしやすさの点から、重量平均分子量10000〜1000000程度、好ましくは30000〜500000のプルランに、プルラン100単糖当たり0.01〜20個、好ましくは0.05〜15個、さらに好ましくは0.1〜10個の割合でステリル基が導入される様に、分子の一端にステリル基と他端にイソシアナト基を有する化合物を反応させて得られたプルラン−コレステロール誘導体である。
本発明の化粧料は、化粧料材料と多糖類−ステロール誘導体とを含有する化粧料であり、種類および形状などは制限されず、従来から知られているいかなる種類または形状の化粧料であってもよい。具体的な化粧料としては、スキンケア化粧料、メークアップ化粧料および毛髪用化粧料などが挙げられる。
本発明で用いられる化粧料材料としては、公知の化粧料に配合されている公知の化粧料用の原料が制限なく使用でき、目的とする化粧料の種類に応じて適宜選択するとができる。化粧料材料の具体的なものとしては、油分、保湿剤、紫外線吸収剤、美白剤、保湿剤、酸化防止剤、防腐剤、粉末、パール剤、無機顔料、有機顔料、染料、着色剤、界面活性剤、増粘剤、安定化剤、分散剤、防腐剤、殺菌剤、増粘剤、可塑剤、薬剤、香料、樹脂、水およびpH調整剤などが挙げられる。
本発明の化粧料全体に対する化粧料材料の含有量は50〜99.999重量%、多糖類−ステロール誘導体の含有量は0.001〜50重量%、好ましくは化粧料材料70〜99.99重量%、多糖類−ステロール誘導体の含有量は0.01〜30重量%であるのが望ましい。
以下に、本発明の化粧料について、(1)化粧料一般、(2)メーキャップ化粧料、(3)口紅用化粧料、(4)毛髪用化粧料、(5)マニキュア用化粧料について順次説明する。しかし、本発明の化粧料は以下に説明する化粧料に特に限定されるわけではなく、あらゆる形態の化粧料として用いられるものである。
(1)化粧料一般。
本発明の化粧料は、通常一般に知られている化粧料に公知の方法を用いて前記多糖類−ステロール誘導体を配合したものである。化粧料の形態は特に限定されず、いかなる形態の化粧料であっても極めて優れた効果を発揮する。化粧料の種類は、例えばパウダーファウンデーション、コンパクト、ツーウェイケーキ、フェイスパウダーなどの白粉類;アイシャドー、パウダーブラシ、マスカラ、リップスティック、リップグロス、リップペンシル、アイライナー、アイブロウペンシルなどの部分化粧品類;乳化型ファウンデーション、メーキャップベースなどの乳化型製品類;粉末パック、クリンシングパック類、サンスクリーンクリーム、クリーム、ハンドクリーム、制汗剤、ローション化粧水などの一部基礎化粧品類;ベビーパウダー、ボディーパウダーなどの全身製品類等が挙げられる。上記以外にも皮膚用化粧剤;ヘアフォーム剤、シャンプー、リンス、リンスインシャンプー、毛髪造形ローション、ヘアースプレー、ヘアムース、ヘアクリーム、ヘアブロー、ヘアオイルなどの毛髪化粧料;ネールエナメルなどのマニキュア類等が挙げられる。
多糖類−ステロール誘導体が特に好適に用いられる化粧料としては、化粧水、乳液、クリーム、オイルなどのスキンケア化粧料;ファンデーション、アイライナー、マスカラ、アイブロウ、口紅、頬紅、化粧下地などのメークアップ化粧料;ジェル、ムース、スプレー、ヘアクリームなどの毛髪用化粧料等が挙げられる。
本発明の化粧料においては、通常化粧料に用いられる前記化粧料材料を、目的に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。例えば、油分としてはスクワラン、流動パラフィン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス、オゾケライト、セレシンなどの各種炭化水素油;ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、ベヘニン酸などの高級脂肪酸;セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、バチルアルコールなどの高級アルコール;セチル−2−エチルヘキサエート、2−エチルヘキシルパルミテート、2−オクチルドデシルミリステート、ネオペンチルグリコール−2−エチルヘキサノエート、トリオクタン酸グリセリド、2−オクチルドデシルオレエート、イソプロピルミリステート、ミリスチルミリステート、トリイソステアリン酸グリセリド、トリオレイン酸グリセリド、トリ椰子油脂肪酸グリセリド、オクタン酸セチルなどのエステル類;オリーブ油、アボガド油、ホホバ油、ヒマワリ油、肝油、サフラワー油、椿油、シア脂、マカデミアナッツ油、ミンク油、ラノリン、酢酸ラノリン、液状ラノリン、ヒマシ油、ヤシ油、綿実油などの油脂;モクロウ、カルナガロウなどのロウ類;ジメチルポリシロキサン、環状ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、フッ素変性シリコーンなどのシリコーン油;ペルフルオロポリエーテル、ペルフルオロポリエーテル、ペルフルオロカーボンなどのフッ素系油分;トリメチルケイ皮酸;シリコーン樹脂、高分子シリコーンゴム、アクリル変性シリコーン共重合体などの高分子ポリマー等が挙げられる。
なお、本発明においてフッ素変性シリコーン、アクリルシリコーン、シリコーンレジンなどの撥水性樹脂を併用すると、多糖類−ステロール誘導体は該撥水性樹脂と強固な被膜を形成することができるので特に好ましい。
その他にも、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、ヘキサメチレングリコール、イソブチレングリコール、イソプレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、ポリグリセリン、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ピロリドンカルボン酸塩、キチン、尿素、キトサンなどの保湿剤;紫外線吸収剤;美白剤等を配合することができる。
さらにトコフェロール、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエンなどの酸化防止剤;メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベンなどの防腐剤;マイカ、ベントナイト、カオリン、タルク、マイカチタン、オキシ塩化ビスマス、無水ケイ酸などの粉末;グアニン、ラミネート樹脂パール剤、マイカ−チタン系パール剤などのパール剤;グンジョウ、酸化クロム、コバルトブルーなどの無機顔料;スダンIII、キニザリングリーンSS、キノリンエローSSなどの染料;スパン系、ツイーン系、ポリアルキルエーテル系、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン系、グリセリン脂肪酸エステル系、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル系などの界面活性剤;カルボキシビニルポリマーなどの増粘剤;消炎剤、ビタミン、ホルモンなどの薬剤;香料等を適宜配合することができる。
また、ポリビニルピロリドン、PVP−VA、ビニルメチルエーテル−無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸重合体、ビニルピロリドン−N,N−ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体ジエチル硫酸塩、N−メタクロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアンモニウム−N−α−メチルカルボキシベタイン−メタクリル酸アルキル共重合体、ビニルピロリドン−アクリル酸ステアリル−ステアロイルオキシエチル−N,N−ジメチルアミン共重合体などのセット剤ポリマー等を配合することも可能である。
本発明に用いられる多糖類−ステロール誘導体は多糖類セグメントを持っているため被膜形成能に優れる。さらに本発明に用いられる多糖類−ステロール誘導体は揮発性油分と組み合せて用いることにより、乾燥後ベタツキがなく、触れても転写しない被膜を形成することができる。揮発性油分としては、公知の揮発性油分が制限なく使用でき、軽質イソパラフィン、デカメチルペンタシクロシロキサン、オクタメチルテトラシクロシロキサン、ヘキサメチルトリシクロシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ペルフルオロ有機化合物などが挙げられる。また多糖類−ステロール誘導体は、スキンケアまたはメーキャップ製品に配合した場合、従来から知られているトリメチルシロキシケイ酸を配合した被膜よりも耐水性および耐油性を持った被膜を形成することができるので化粧持ち向上に大きな効果を発揮し、このためあらゆる化粧料に用いることのできる汎用性のある化粧品原料として使用することができる。
即ち、多糖類−ステロール誘導体は、通常利用されている化粧料のすべての形態のものに使用できる。好ましい化粧料としては、例えば多糖類−ステロール誘導体を化粧料溶剤である低沸点環状シリコーンまたは低沸点イソパラフィン系炭化水素に溶解したもの;多糖類−ステロール誘導体を水溶性多価アルコール、またはノニオン、アニオンもしくはカチオン型の乳化剤でエマルジョンとした皮膚用化粧料;多糖類−ステロール誘導体を化粧料溶剤である低粘度シリコーンなどと配合した組成物からなる口紅用化粧料;アラビアゴム、ヒドロキシセルロース、密ロウおよび黒色の酸化鉄などを含む組成物に多糖類−ステロール誘導体を配合したマスカラ用化粧料;毛髪用化粧料等が挙げられる。
また、本発明の化粧料は多糖類−ステロール誘導体、油性成分、水溶性成分、精製水および界面活性剤を配合し、乳化、可溶化、分散技術を駆使することによって、本発明の効果を失わない範囲で油中水型あるいは水中油型の乳化組成物とすることも可能である。
本発明の化粧料の剤型は特に限定されず、種々の形態とすることができ、例えば液状、クリーム状、ゲル状、固形状、粉末状、スティック状、スプレ、ムース、エアゾールまたはロールオンタイプなどとすることが可能である。
本発明の化粧料における多糖類−ステロール誘導体の含有量は、本発明の目的を逸脱しない限りいかなる量で配合されてもよいが、吸湿および保湿作用に基づく水分保持能が高く、しかもラメラ形成促進および安定化作用に優れ、かつ被膜形成能に優れて皮膚油分感を低く押さえるなどの理由により、化粧料全体に対して0.001〜50重量%の範囲で配合されるのが好ましく、さらには0.01〜30重量%の範囲で配合されるのが最も好ましい。
(2)メーキャップ化粧料。
本発明の化粧料はメーキャップ化粧料としての使用に特に優れている。メーキャップ化粧料としては、粉末および油分などで構成される種々の形態のものが挙げられ、剤型および配合組成比などは特に制限されない。例えば、固形ファンデーション、パウダータイプファンデーション、油性ファンデーション、日焼け止め用ファンデーション、化粧下地、粉末白粉、頬紅、マスカラ、アイシャドー、口紅などが挙げられる。また、乳化系をベースとした乳化ファンデーションなども挙げられる。メーキャップ化粧料はタルク、カオリン、酸化鉄、酸化チタン、チタン・マイカ系パール顔料などの無機粉体;ポリアミド(ナイロン);セルロース;タール顔料などの有機顔料を多く含むことが特徴である。
メーキャップ化粧料は、多糖類−ステロール誘導体をメーキャップ化粧料として通常知られている処方成分に適宜添加、または代替成分として配合して調製することにより簡便に得ることができる。
メーキャップ化粧料に用いられる多糖類−ステロール誘導体は、多糖類−ステロール誘導体であればいかなるものを用いてもよいが、重量平均分子量が10000〜500000、好ましくは30000〜300000であるものが望ましい。多糖類−ステロール誘導体の含有量は0.001〜50重量%であるのがよく、さらには0.01〜20重量%の範囲で配合されるのが最も好ましい。
多糖類−ステロール誘導体は揮発性油分とともに配合してもよい。その場合、特にのびがよく、さっぱりとした使用感を有し、かつ化粧持ち効果および二次付着防止効果に非常に優れたメーキャップ化粧料が得られる。多糖類−ステロール誘導体において、ステリル基の導入量が多糖類を構成する糖単位100個当たり0.01個未満の場合、化粧持ちの向上および衣類への二次付着性の低減に対して満足する効果は得られない。また、多糖類−ステロール誘導体の含有量が0.001重量%未満の場合は、化粧持ちを向上させ、衣類への二次付着性の低減に対しては効果はほとんどない。一方、多糖類−ステロール誘導体の含有量が50重量%を超えても、化粧持ちを向上させる効果あるいは二次付着性の低減に対する効果はそれほど向上しないほか、メーキャップ化粧料の塗布時の「のび」などの使用性が悪くなり、化粧料としての基本機能を損なうことになり、好ましくない。水分保持能、被膜形成能を適切に保つためには、多糖類−ステロール誘導体の含有量は0.001〜50重量%の範囲であるのが好ましい。
本発明においてメーキャップ化粧料に使用される揮発性油分は特に限定されず、軽質イソパラフィン、デカメチルペンタシクロシロキサン、オクタメチルテトラシクロシロキサン、ヘキサメチルトリシクロシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンおよびペルフルオロ有機化合物などが挙げられる。好ましくは常圧における沸点が60〜160℃の範囲である揮発性炭化水素油である。
揮発性油分の含有量は化粧料全体に対して1〜90重量%、好ましくは5〜50重量%であるのが望ましい。含有量が1重量%未満である場合、期待する化粧持ち向上および二次付着性の低減の効果は得られず、含有量が90重量%を超えるとメーキャップ化粧料を構成するのに必要な粉末などの他の化粧料材料の含有量が減少し、メーキャップ化粧料としての機能を失ってしまい好ましくない。
メーキャップ化粧料には、外観安定性、粘度、硬度などの品質を損なわない範囲内で、メーキャップ化粧品に一般的に使用される油分、界面活性剤、着色剤、粉末、ワックス類、紫外線吸収剤、保湿成分、薬効成分、香料および安定化剤などを配合することが可能である。
本発明においてメーキャップ化粧料に使用される油分としては、液体油脂、固体油脂、ロウ類、炭化水素油、合成エステル油、シリコーン油などが挙げられる。液体油脂の具体的なものとしては、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリンなどが挙げられる。固体油脂としては、カカオ脂、ヤシ油、馬脂、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊脂、硬化牛脂、パーム核油、豚脂、牛骨脂、モクロウ核油、硬化油、牛脚脂、モクロウ、硬化ヒマシ油などが挙げられる。ロウ類としては、ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ジョジョバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、ポリオキシエチレンラノリンアルコールエーテル、ポリオキシエチレンラノリンアルコールアセテート、ポリオキシエチレンコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン水素添加ラノリンアルコールエーテルなどが挙げられる。炭化水素油としては、流動パラフィン、オゾケライト、スクワレン、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワレン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックスなどが挙げられる。合成エステル油としては、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジ−2−エチルヘキシル酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキシル酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ペンタンエリスリトール、トリ−2−エチルヘキシル酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2−エチルヘキサノエート、2−エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オイル、セトステアリルアルコール、アセトグリセライド、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、セバチン酸ジイソプロピル、コハク酸2−エチルヘキシル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、クエン酸トリエチルなどが挙げられる。シリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサンなどの鎖状ポリシロキサン;デカメチルポリシロキサン、ドデカメチルポリシロキサン、テトラメチルテトラハイドロジェンポリシロキサンなどの環状ポリシロキサン;3次元網目構造を形成しているシリコーン樹脂、シリコーンゴム等が挙げられる。
本発明においてメーキップ化粧料に使用される界面活性剤は特に限定されず、親油性非イオン界面活性剤および親水性非イオン界面活性剤などが使用できる。親油性非イオン界面活性剤としては、例えばソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタンなどのソルビタン脂肪酸エステル類;モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、α,α’−オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、リンゴ酸グリセリンなどのグリセリン脂肪酸エステル類;モノステアリン酸プロピレングリコールなどのプロピレングリコール脂肪酸エステル類;その他硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル等が挙げられる。
親水性非イオン界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレン−ソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン−ソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレン−ソルビタンテトラオレエートなどのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレン−ソルビットモノラウレート、ポリオキシエチレン−ソルビットモノオレエート、ポリオキシエチレン−ソルビットペンタオレエート、ポリオキシエチレン−ソルビットモノステアレートなどのポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレングリセリンモノステアレート、ポリオキシエチレン−グリセリンモノイソステアレート、ポリオキシエチレン−グリセリントリイソステアレートなどのポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンジステアレート、ポリオキシエチレンモノジオレエート、システアリン酸エチレングリコールなどのポリオキシエチレン脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル、ポリオキシエチレン2−オクチルドデシルエーテル、ポリオキシエチレンコレスタノールエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンジノニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類;プルロニックなどのプルアロニック型類;ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンセチルエーテル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン2−デシルテトラデシルエーテル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンモノブチルエーテル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン水添ラノリン、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレングリセリンエーテルなどのポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンアルキルエーテル類;テトロニックなどのテトラポリオキシエチレン・テトラポリオキシプロピレンエチレンジアミン縮合物類;ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油モノイソステアレート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油トリイソステアレート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油マレイン酸などのポリオキシエチレンヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体;ポリオキシエチレンソルビットミツロウなどのポリオキシエチレンミツロウ・ラノリン誘導体;ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミドなどのアルカノールアミド;その他ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルホルムアルデヒド縮合物、アルキルエトキシジメチルアミンオキシド、トリオレイルリン酸等が挙げられる。
本発明においてメーキャップ化粧料に使用される粉末としては、メーキャップ化粧料に用いられている公知の粉末が制限なく使用できる。具体的なものとしては、タルク、カオリン、雲母、絹雲母(セリサイト)、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、バーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、マグネシウム、シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼セッコウ)、リン酸カルシウム、弗素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、金属石鹸(ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム)、窒化ホウ素などの無機粉末;ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ポリスチレン粉末、スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリ四弗化エチレン粉末、セルロース粉末などの有機粉末;二酸化チタン、酸化亜鉛などの無機白色顔料;酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄などの無機赤色系顔料;γ−酸化鉄などの無機褐色系顔料;黄酸化鉄、黄土などの無機黄色系顔料;黒酸化鉄、カーボンブラック、低次酸化チタンなどの無機黒色系顔料;マンゴバイオレット、コバルトバイオレットなどの無機紫色系顔料;酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルトなどの無機緑色系顔料;群青、紺青などの無機青色系顔料;酸化チタンコーテッドマイカ、酸化チタンコーテッドオキシ塩化ビスマス、酸化チタンコーテッドタルク、着色酸化チタンコーテッドマイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔などのパール顔料;アルミニウムパウダー、カッパーパウダーなどの金属粉末顔料;赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号、および青色404号などの有機顔料;赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3号および青色1号などのジルコニウム、バリウムまたはアルミニウムレーキなどの有機顔料;クロロフィル、β−カロリンなどの天然色素等が挙げられる。また、これらの粉末の表面を、常法に基づいてシリコーン樹脂処理、ワックス処理、デキストリン脂肪酸処理またはフッ素処理などの疎水化処理した粉末も用いられる。
本発明においてメーキャップ化粧料に使用されるワックス類としては、メーキャップ化粧料に用いられている公知のワックス類が制限なく使用できる。具体的なものとしては、ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ジョジョバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、ポリオキシエチレンラノリンアルコールエーテル、ポリオキシエチレンラノリンアルコールアセテート、ポリオキシエチレンコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン水素添加ラノリンアルコールエーテル、ポリオキシエチレン水素添加ラノリンアルコールエーテル、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックスなどが挙げられる。ワックス類の含有量はメーキャップ化粧料全体に対して一般的に1〜30重量%であるのが望ましい。
本発明においてメーキャップ化粧料に使用される紫外線吸収剤としては、メーキャップ化粧料に用いられている公知の紫外線吸収剤が制限なく使用できる。具体的なものとしては、パラアミノ安息香酸(以下PABAと略す)、PABAモノグリセリンエステル、N,N−ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N−ジエトキシPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAブチルエステル、N,N−ジメチルPABAメチルエステルなどの安息香酸系紫外線吸収剤;ホモメンチル−N−アセチルアントラニレートなどのアントラニル酸系紫外線吸収剤;アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p−イソプロパノールフェニルサリシレートなどのサリチル酸系紫外線吸収剤;オクチルメトキシシンナメート、エチル−4−イソプロピルシンナメート、メチル−2,5−ジイソプロピルシンナメート、エチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、メチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、プロピル−p−メトキシシンナメート、イソプロピル−p−メトキシシンナメート、イソアミル−p−メトキシシンナメート、オクチル−p−メトキシシンナメート(2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナメート)、2−エトキシエチル−p−メトキシシンナメート、シクロヘキシル−p−メトキシシンナメート、エチル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、2−エチルヘキシル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、グリセリルモノ−2−エチルヘキサノイル−ジパラメトキシシンナメートなどの桂皮酸系紫外線吸収剤;2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−フェニルベンゾフェノン、2−エチルヘキシル−4’−フェニル−ベンゾフェノン−2−カルボキシレート、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−3−カルボキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系紫外線吸収剤;3−(4’−メチルベンジリデン)−d,1−カンファー、3−ベンジリデン−d,1−カンファー、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチルエステル、2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール、2,2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニルベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニルベンゾトリアゾール、ジベンザラジン、ジアニソイルメタン、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン、5−(3,3−ジメチル−2−ノルボルニリデン)−3−ペンタン−2−オン等が挙げられる。
本発明においてメーキャップ化粧料に使用される保湿成分としては、メーキャップ化粧料に用いられている公知の保湿成分が制限なく使用できる。具体的なものとしては、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グルセリン、1,3−ブチレングリコール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、コレステリル−12−ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、dl−ピロリドンカルボン酸塩、短鎖可溶性コラーゲン、ジグリセリン(エチレンオキシド)プロピレンオキシド付加物、イザヨイバラ抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、メリロート抽出物などが挙げられる。
本発明においてメーキャップ化粧料に使用される薬効成分としては、メーキャップ化粧料に用いられている公知の薬効成分が制限なく使用できる。具体的なものとしては、ノニル酸ワレニルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β−ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、カフェイン、タンニン酸、α−ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ−オリザノールなどの血行促進剤;クロトリマゾール、ペンタクロルフェノール、トリクロルフェノールカプロエート、トリプロムフェノールカプロエート、ラウリルトリフェニルホスホニウムプロミド、塩酸ジアンタゾール、パラアセチルアミノフェニルロダン、チメロサール、ウンデシレン酸、ウンデシレン酸亜鉛、デルマシド、バリチオン、プロールニトロン、シッカニン、ミコナゾール、エコナゾール、イソコナゾール、スルコナゾール、チオコナゾール、ビフォナゾール、オキシコナゾール、ケトコナゾール、シクロピロックスオラミン、トルシクレート、ナフティフィン、グリセオフルビン、5−フルオロシトシンなどの抗真菌剤;アルブチン、コウジ酸、プラセンタエキス、ビタミンCおよびその誘導体などの美白剤等が挙げられる。
本発明で使用する多糖類−ステロール誘導体は、その構成成分であるステロール由来の吸収波長領域によって紫外線吸収効果を有し、また化粧料の構成成分の一種として特定の媒質に溶解させることによりステロール由来の撥水性、潤滑性および光沢付与性を有し、また多糖類セグメントによる良好な被膜形成性を併せ持つため、化粧料の原料の被膜形成剤として極めて有用であり、このためメーキャップ化粧料の形状によってはこの特性を活かすこともできる。
(3)口紅用化粧料。
本発明の化粧料は口紅用化粧料としての使用にも特に優れている。本発明における口紅用化粧料はいかなるタイプの口紅にも、またいかなるタイプの口紅の原料としても用いることができる。本発明のおける口紅用化粧料は、多糖類−ステロール誘導体の他に、一般的に使用されるワックス、液体油、顔料およびパール剤などの化粧料材料で構成される。これらを棒状に成形したリップスティック、または塗布具を使用して唇の輪郭を正確に描くことのできる金皿などに成形される皿状口紅等に成形することができる。これらは油分が主体であるが、さらにここに揮発性シリコーンおよび揮発性炭化水素などの揮発性溶剤;ワックスおよび有機シリコーン樹脂などの被膜形成剤等を配合してもよい。また、水分を配合して乳化型にしたり、油中水型口紅に特定の油分および水溶性物質を配合して液状口紅にすることもできる。口紅用化粧料は油中水型の液状またはペースト状の口紅用化粧料にすることも好ましく行われる。これら従来から知られているいかなる形態の口紅にも、前記多糖類−ステロール誘導体を適宜添加、または代替成分として配合して調製することにより、化粧膜を強化し、べたつきがなく、色移りを改善し、かつ化粧膜につやがあり、唇がしっとりするように口紅用化粧料の性能を向上させた口紅用化粧料を得ることができる。本発明における口紅用化粧料は、多糖類−ステロール誘導体を含有する限りいかなる組成または形態の口紅用化粧料として用いることができる。好ましい一例として、油相成分中に揮発性シリコーン油、多糖類−ステロール誘導体および有機変性粘土鉱物を含有せしめ、さらに粉体の分散剤としてポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン系界面活性剤を用いた液状またはペースト状の油中水型口紅用化粧料が挙げられる。このような油中水型口紅用化粧料は、塗布具を使用したときスムースにしかも正確に唇の輪郭が描け、使用性、使用感が良好で安定性が良く、しかも化粧膜につやがあり、かつ色移りなどを起こさず化粧持ちに優れるほか、唇の潤いを損なうこともない。
本発明における口紅用化粧料は、多糖類−ステロール誘導体を含有する限りいかなる組成の口紅用化粧料とすることもできるが、組成の好ましい一例として揮発性シリコーン油5〜60重量%、多糖類−ステロール誘導体0.001〜50重量%、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン系界面活性剤0.1〜15重量%、有機変性粘土鉱物0.1〜7重量%、水2〜60重量%および化粧料用粉体2〜40重量%を含有する口紅用化粧料が挙げられる。
上記揮発性シリコーン油としては、環状または直鎖状のジメチルポリシロキサンのうち常温での揮発速度が高い揮発性シリコーン油が好ましい。環状ジメチルポリシロキサンとしてはオクタメチルシクロテトラシロキサン(以下環状シリコーン(4量体)と略す)およびデカメチルシクロペンタシロキサン(以下環状シリコーン(5量体)と略す)などが挙げられる。直鎖状のジメチルポリシロキサンとしては25℃における粘度が5mm2/s以下のものが挙げられる。揮発性シリコーン油は直鎖状のものおよび環状のものを組み合せて使用することも可能である。揮発性シリコーン油の含有量は5〜60重量%、好ましくは10〜50重量%であるのが望ましい。5重量%より含有量が少ない場合は口紅用化粧料の粘度が高くなり、塗布具での使用が困難となり使用性が悪化する場合があるが、特に問題なく使用できる場合もある。60重量%より多いと揮発性シリコーン油による皮膚刺激が生ずる場合があり、安全性上好ましくないが、特に問題なく使用できる場合もある。環状シリコーン油を使用する場合、環状シリコーン(4量体)と環状シリコーン(5量体)の比率を8:2〜2:8の範囲にすることが好ましいが、これに限定されない。上記割合の場合、低温での安定性が良好で適度な揮発速度となり、使用性が良好となる場合がある。
本発明における口紅用化粧料に用いられる多糖類−ステロール誘導体は、多糖類−ステロール誘導体であればいかなるものを用いてもよく、含有量も適宜選択できる。多糖類−ステロール誘導体としては重量平均分子量が10000〜1000000、好ましくは30000〜300000のものが望ましい。また多糖類−ステロール誘導体の含有量は0.001〜50重量%、好ましくは0.01〜20重量%であるのが望ましい。0.001重量%より少ないと口紅用化粧料の被膜強度が弱く、化粧持ちが悪化する。50重量%より多い場合は口紅用化粧料の粘度が高すぎて、塗布具での使用性が悪くなる場合がある。水分保持能および被膜形成能を適切に保つためには、多糖類−ステロール誘導体の含有量が0.001〜50重量%の範囲であるのが好ましい。
前記ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン系界面活性剤(以下、POA変性シリコーンと称する)はポリエーテル変性シリコーンまたはアルキルポリエーテル変性シリコーンと称される場合もあり、乳化剤または分散剤として機能するものである。POA変性シリコーンとしては、常温で液状またはペースト状のもので、特に水不溶性のものが好ましく、例えばシリコーンKF−945A(信越化学工業社製、商標)、シリコーンSH−3772C、同SH−3775C(東レ・ダウコーニングシリコーン社製、商標)、アビルWE−09(ゴールドシュミット社製、商標)などが挙げられる。これらPOA変性シリコーンは主鎖がポリシロキサン鎖であるため、油相中の揮発性シリコーンおよび多糖類−ステロール誘導体との相溶性が良く、このため良好な粉体分散安定性を得ることができる場合がある。このPOA変性シリコーンの含有量は特に限定されないが0.1〜15重量%、好ましくは0.5〜10重量%とするのが望ましい。0.1重量%より少ないと分散剤としての機能が不十分となり、安定性が悪化する場合がある。15重量%より多いと汗などで化粧膜が崩れ、化粧持ちが悪くなる場合がある。
前記有機変性粘土鉱物は化粧料に通常使用されるものであればいかなるなるものでも配合可能である。例えば、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ベントナイトなどの天然または合成の粘土鉱物の交換性カチオンを有機極性化合物または有機カチオンで交換し変性したものなどが例示できる。これらは外相である油相に構造性を持たせ、安定性を上げる場合がある。含有量は特に限定されないが0.1〜7重量%、好ましくは0.5〜5重量%であるのが望ましい。0.1重量%より少ないと構造を持たせることができず安定性が悪化する場合があり、7重量%より多いと口紅用化粧料が硬くなり塗布具での使用性が悪くなる場合がある。
本発明における口紅用化粧料の水の含有量は特に限定されないが2〜60重量%、好ましくは4〜50重量%とするのが望ましい。2重量%より少ないと唇に潤いを与えることができず唇が乾燥し、60重量%より多いと内相比が高くなり過ぎ安定性が悪化する場合がある。内相の水系には水以外にアルコール、多価アルコール、酸、その塩、アルカリ、水溶性高分子、色素、保湿剤、防腐剤および水溶性薬効剤などの水溶性物質を本発明の効果を損なわない程度に配合することも可能であり、適宜選択できる。
前記化粧料用粉体は通常化粧料に用いられるものが制限なく使用でき、例えば口紅の色材としてだけでなく、乾燥速度の調整剤としても作用するものを配合することができる。化粧料用粉体の具体的なものとしては、タルク、セリサイト、カオリン、マイカ、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、シリカ、合成マイカなどの体質顔料;酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウムなどの白色顔料;ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、グンジョウ、コンジョウなどの無機着色顔料;タール色素などの有機着色色素;雲母チタン、酸化鉄雲母チタン、オキシ塩化ビスマスなどのパール顔料;ナイロンパウダー、シルクパウダー、スチレンパウダー、結晶セルロースなどの有機粉体などが挙げられる。なお、本発明に使用する場合、上記の粉体のうち無機粉体には油分、シリコーンまたはフッ素系化合物などで疎水化表面処理を施すと無機粉体の油相中への分散が向上し、より好ましい場合がある。疎水性の低い粉体の配合割合が高いと口紅用化粧料の安定性が低下する場合がある。化粧料用粉体の含有量は特に限定されないが2〜40重量%、好ましくは5〜30重量%とするのが望ましい。2重量%より少ないと口紅の乾燥速度が遅くなる場合があり、また発色も弱く口紅として適さない場合がある。40重量%より多いと乾燥速度は速くなるが、粘度が高くなり塗布具を使用したときの取れが悪化し、また塗布後の化粧膜が不均一となり、化粧映えまたは化粧持ちが悪化する場合がある。
本発明における口紅用化粧料には上記成分以外の不揮発性成分として、常温で液状または半固体状の成分を配合することもできる。このような不揮発性成分としては、通常化粧料に使用される油分または水溶性物質などが挙げられるが、これに限定されない。油分の具体的なものとしては、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ポリブテン、トリオクタン酸グリセリル、ジカプリン酸プロピレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、ステアリン酸イソセチル、ジペンタエリスリット脂肪酸エステル、ホホバ油、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンなどの炭化水素系、エステル系、トリグリセライド系もしくはシリコーン系等の液体油または半固形油等が挙げられる。前記水溶性物質としては多価アルコール、ポリエチレングリコール、ポリグリセリンおよびこれらのエステル類などが挙げられる。上記の不揮発性成分と混合溶解した組成物が常温で液状または半固形状になる限りにおいて、ワックス類、樹脂類、ロウ類、脂肪酸類および高級アルコール類などを配合することも可能である。上記不揮発性成分を配合する場合、含有量は特に限定されないが好ましい含有量は3〜30重量%であり、これらを配合することにより塗布後の化粧膜のつやが向上し、化粧膜の閉塞性も向上するため唇の潤いを保つ効果を高めることができる場合がある。
本発明における口紅用化粧料にはその効果を阻害しない限りにおいて、化粧料に通常使用可能な成分を配合することができる。例えば、天然色素、紫外線吸収剤、保湿剤、冷感剤、防腐剤、酸化防止剤、界面活性剤、香料、ビタミン、ホルモンなどの薬効成分、油ゲル化剤およびpH調整剤等が挙げられる。
本発明における口紅用化粧料の形状は特に限定されず、従来から知られている公知の形状であればいかなるものでもよく、前記多糖類−ステロール誘導体を含有する限り、上記した口紅用化粧料の剤型にとらわれることなく、配合成分の種類および含有量などは創造性を発揮して自由に選択することができる。
(4)毛髪用化粧料。
また本発明における化粧料は毛髪用化粧料としての使用にも特に優れている。前記多糖類−ステロール誘導体は全体に多糖類からなっており、また多量のステリル基を持っており、アミノ変性シリコーンなどの物質と同様な性質を持つため、毛髪への吸着性がよく、付着性および耐洗髪性に優れ、また櫛通り性の向上、保水性向上効果、およびブラッシングによる静電気発生の抑制効果などに優れている。
本発明における化粧料を毛髪用化粧料として使用する場合には、前記多糖類−ステロール誘導体を毛髪用化粧料として通常知られている処方成分に適宜添加、または代替成分として配合して調製することにより多糖類−ステロール誘導体を含む毛髪用化粧料を得ることができる。
多糖類−ステロール誘導体は、多糖類−ステロール誘導体中のステリル基の含有量をコントロールすることにより分子量20000〜50000程度であっても、40万〜70万といった高分子量のジメチルシロキサンと同じように柔らかい性状を示し、べたつかない柔らかい被膜を形成する。例えば、枝毛コート剤またはリンスインシャンプーに多糖類−ステロール誘導体を配合した場合、枝毛部分を接着する修復効果、櫛通り性の向上、ブラッシングによる毛髪のキューティクルの剥離防止効果、枝毛防止効果および毛髪のつや出し効果などが発揮される。これらの効果は毛髪表面に多糖類−ステロール誘導体の被膜が形成されることにより発揮されるものと推測される。
本発明における毛髪用化粧料は、従来から知られている毛髪用化粧料の公知の形状であればいずれでもよく、剤型は特に問わない。本発明における毛髪用化粧料は、種々の使用形態の組成物とすることができる。例えば、一般整髪料、シャンプー剤、リンス剤、トリートメント剤、セット剤、パーマネントウエーブ液およびマスカラなど種々の使用態様とすることができる。剤型も液状、クリーム状、水性エマルジョン状またはゲル状などとすることができる。
本発明における毛髪用化粧料は多糖類−ステロール誘導体を唯一のポリマー成分とすることもできるし、従来から知られているような整髪料用の天然ポリマー、天然系変性ポリマーおよび合成系ポリマーと併用してもよい。また、高級脂肪酸エステル、グリセリンおよびポリエチレングリコールなどの可塑剤を併用することもできる。さらに、界面活性剤、増粘剤、ハドロトロープ、乳濁剤、コンディショニング剤、油脂類、保湿剤、、着色剤、殺菌剤、および香料などの種々の添加剤を併用することもできる。
毛髪用化粧料がシャンプー剤、リンス剤、トリートメント剤、セット剤、パーマネントウエーブ剤またはマスカラなどの場合には、従来知られていたようなそれらの組成物に前記多糖類−ステロール誘導体を0.001重量%以上添加して、本発明における毛髪化粧料とすることができ、多糖類−ステロール誘導体を含有するシャンプー剤およびマスカラなどとして使用することができる。
本発明における毛髪化粧料の特に好ましい使用態様は、エアゾール形式ヘアスプレー、ポンプ方式ヘアスプレー、フォーム状エアゾール、ヘアミスト、セットローション、ヘアスタイリングジェル、ヘアリキッド、ヘアクリーム、ヘアオイルなどの整髪料が含まれ、これらは可溶化系、乳化系、粉末分散系、油−水の2層系、油−水−粉末の3層系など、いずれの形態でもよい。乳化系の場合には、多糖類−ステロール誘導体を含む油相を、乳化剤例えばノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤またはそれらの混合物で乳化して乳化系とすることができる。乳化する際、乳化剤を水溶性多価アルコールに溶解し、多糖類−ステロール誘導体を含んだ油分を添加し乳化して乳化組成物を作り、その組成物をカチオン性樹脂を含有した水相で希釈して乳化物を作ることもできる。また多糖類−ステロール誘導体を界面活性剤として使用することもできるが、通常用いられている公知の乳化剤を用いることも一向にかまわない。
乳化する場合に用いられる多糖類−ステロール誘導体以外の乳化剤としては、公知の乳化剤であればいかなるものも使用することができるが、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンコレステリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリル脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエーテル変性シリコーンなどのノニオン活性剤;塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化セチルピリジニウムなどのカチオン活性剤;セチル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸カリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウムなどのアニオン活性剤等が挙げられる。
また水溶性多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、グルコース、マルトース、マルチトール、蔗糖、フラクトース、キシリトール、ソルビトール、マルトトリオース、スレイトール、エリスリトール、澱粉、分解糖還元アルコール、ヒアルロン酸などが挙げられる。これらは一種単独で使用することもできるし、二種以上を組み合せて用いることもできる。
毛髪用化粧料に使用する多糖類−ステロール誘導体としては、重量平均分子量が10000〜1000000、好ましくは10000〜500000であるものが望ましい。また、多糖類−ステロール誘導体中のステリル基の導入量は、多糖類を構成する糖単位100個当たり0.01〜20個、好ましくは0.05〜15個、さらに好ましくは0.1〜10個であることが望ましい。ステリル基の導入量が0.01個未満の場合、毛髪に対する相互作用が不十分となり、毛髪損傷防止効果の持続性が悪くなる場合がある。
多糖類−ステロール誘導体の含有量は毛髪用化粧料全体に対して0.001〜50重量%、好ましくは0.01〜30重量%であるのが望ましい。0.001重量%未満では十分な効果が得られず、50重量%を超えると溶解しにくくなる。リンス効果剤として用いる時は、毛髪用化粧料全体に対して0.001〜50重量%、好ましくは0.01〜30重量%であるのが望ましい。0.001重量%未満では十分な効果が得られず、50重量%を超えると多糖類−ステロール誘導体の溶解性が悪くなり好ましくない。水分保持能、被膜形成能を適切に保つためには、多糖類−ステロール誘導体の含有量は0.001〜50重量%の範囲であるのが好ましい。
多糖類−ステロール誘導体を毛髪用化粧料に配合する場合、液状の油に溶解して配合してもよい。もちろん、毛髪用化粧料中に別々に配合して系中で溶解させてもよい。液状油としては、鎖状シリコーン、環状シリコーンまたはイソパラフィン系炭化水素などを挙げることができる。上記鎖状シリコーンの具体例としては、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサンおよびテトラデカメチルシクロヘキサシロキサンなどが挙げられる。
イソパラフィン系炭化水素としては、常圧における沸点が60〜260℃の範囲にあるイソパラフィン系炭化水素などを挙げることができる。具体的には、エクソン社製のアイソパーA(商標)、同C、同D、同E、同G、同H、同K、同L、同M、シェル社のシェルゾール71(商標)、フィリップ社のソルトール100(商標)、同130、および同220などを挙げることができる。上記イソパラフィン系炭化水素は、任意の一種または二種以上を用いることができ、イソパラフィン系炭化水素の合計の含有量は多糖類−ステロール誘導体に対して1〜50倍(重量)であるのが好ましく、毛髪用化粧料全量中の含有量が10〜80重量%となるように配合するのが好ましい。また毛髪用化粧料が洗浄剤である場合には20重量%以内であるのが好ましい。
本発明における毛髪用化粧料には上記の構成成分の他に、目的に応じて本発明の効果を損なわない量的、質的範囲内で他の成分を配合することができる。例えば、流動パラフィン、スクワラン、ラノリン誘導体、高級アルコール、各種エステル油、アボガド油、パーム油、牛脂、ホホバ油、シリコーン油、ポリアルキレングリコールポリエーテルおよびそのカルボン酸オリゴエステル化合物、テルペン系炭化水素油などの油分;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、ソルビトール、ポリエチレングリコールなどの水溶性多価アルコール;ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ピロリドンカルボン酸塩などの保湿剤;紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、アクリル系樹脂、シリコーン樹脂、ポリビニルピロリドンなどの樹脂類;大豆蛋白、ゼラチン、コラーゲン、絹フィブロイン、エラスチンなどの蛋白または蛋白分解物;エチルパラベン、ブチルパラベンなどの防腐剤;各種アミノ酸、ビオチン、パントテン酸誘導体などの賦活剤;γ−オリザノール、デキストラン硫酸ナトリウム、ビタミンE誘導体、ニコチン酸誘導体などの血行促進剤;硫黄、チアントールなどの抗脂漏剤;エタノール、イソプロパノール、テトラクロロジフルオロエタンなどの希釈剤;カルボキシビニルポリマーなどの増粘剤;その他薬剤、香料、色剤等が挙げられる。
(5)マニキュア用化粧料。
また本発明の化粧料はマニキュア用化粧料としての使用にも特に優れている。本発明の化粧料をマニキュア用化粧料として使用する場合には、多糖類−ステロール誘導体をマニキュア用化粧料として通常知られている処方成分に適宜添加、または代替成分として配合して調製することにより多糖類−ステロール誘導体を含むマニキュア用化粧料を得ることができる。
本発明におけるマニキュア用化粧料に用いられる多糖類−ステロール誘導体は、多糖類ステロール誘導体であればいかなるものでもよいが、重量平均分子量が10000〜1000000、好ましくは30000〜500000であることが剥離、被膜の滑かな外見および光沢を改良するために望ましい。マニキュア用化粧料における多糖類−ステロール誘導体の含有量は、化粧料全体に対して0.001〜50重量%、好ましくは0.01〜30重量%であるのが望ましい。水分保持能および被膜形成能を適切に保つためには、多糖類−ステロール誘導体の含有量が0.001〜50重量%の範囲であるのが好ましい。
マニキュア用化粧料に用いられる多糖類−ステロール誘導体は、マニキュア液に通常用いられる溶媒系に溶解させて用いても良い。この溶媒系は乾燥時間を比較的短かくするため、本質的には揮発性の種々の有機溶媒の混合物からなる。これらの溶媒としては、通常知られている揮発性有機溶媒の中から適宜選択されるものでよいが、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸2−メトキシエチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸メチル、酢酸アミルおよび酢酸イソプロピルなどが好ましい。溶媒系は希釈剤を含んでいるのが好ましい。希釈剤としては、ヘキサンまたはオクタンなどの飽和直鎖または分岐鎖炭化水素;トルエンまたはキシレンなどの芳香族炭化水素等が挙げられる。溶媒系は他の揮発性溶媒を含むこともできる。これらの揮発性溶媒は特に限定されないが、例えばエタノール、n−ブタノール、n−プロパノール、イソプロパノールまたはそれらの混合物を含むことができる。
マニキュア用化粧料には被膜形成物質を配合することもできる。多糖類−ステロール誘導体はもともと被膜形成能を持つが、その他の通常知られている被膜形成物質をさらに配合することは一向にかまわない。被膜形成物質としては、ニトロセルロース、好ましくは“RS”および“SS”型のニトロセルロースなどを挙げることができる。また追加的な被膜形成物質としてポリ酪酸ビニルのようなポリビニル誘導体も使用できる。
マニキュア用化粧料には可塑剤を配合することもできる。可塑剤の含有量は化粧料全体に対して2〜10重量%とするのが好ましい。可塑剤は被膜の物理的強さを低下させることなしに被膜の可撓性の調節ができものであればいかなるものを用いてもよい。本発明におけるマニキュア用化粧料に好ましく使用できる可塑剤としては、リン酸トリクレジル、安息香酸ベンジル、リン酸トリブチル、アセチルリシノール酸ブチル、アセチルリシノール酸グリセリル、フタル酸ジブチル、グリコール酸ブチル、フタル酸ジオクチル、ステアリン酸ブチル、リン酸トリブトキシエチル、リン酸トリフェニル、クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリ(2−エチルヘキシル)、酒石酸ジブチル、フタル酸ジメトキシエチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジアミル、樟脳、三酢酸グリセロールおよびそれらの混合物などを挙げることができる。
また、本発明におけるマニキュア用化粧料には、一般にマニキュア用化粧料に使用されている樹脂を含有させることができる。用いられる樹脂は適当なものであるなら、いかなるものを用いてもよいが、例えばアリールスルホンアミドホルムアルデヒド樹脂またはアルキド樹脂などが挙げられる。樹脂の含有量はマニキュア用化粧料全体に対して0.5〜15重量%であるのが好ましい。アリールスルホンアミドホルムアルデヒド型樹脂としては、周知のトルエンスルホンアミドホルムアルデヒド樹脂を挙げることができる。これらの樹脂は被膜形成性能を向上させながら、光沢および付着を改良する。
本発明におけるマニキュア用化粧料は透明なものであっても、着色されたものであってもよい。着色する場合は、公知の天然の有機または無機顔料の少なくとも1種以上を配合することができる。顔料としては通常知られている化粧料用顔料であればいかなるものでもよく、例えば有機顔料としては、D&C Red5、6、7、10、11、12、13および34号ならびにレーキD&C yellow 5号およびレーキD&C Red2号などのレーキ顔料等を挙げることができる。また別の有機顔料としてグアニンなども挙げることができる。無機顔料としては、二酸化チタン、ビスマスオキシクロリド、褐色酸化鉄および赤色酸化鉄などを挙げることができる。顔料の含有量はマニキュア用化粧料の用途に応じて適宜決定されるが、通常は化粧料全体に対して0.01〜2重量%であるのが好ましい。
また本発明におけるマニキュア用化粧料にはさらに、顔料の沈降を回避する目的で若干のチキソトロピー剤が使用できる。チキソトロピー剤は適当なものであるならば本発明の目的を逸脱しない範囲で公知のいかなるものを用いてもよく、それらの含有量は適宜選択することができる。本発明におけるマニキュア用化粧料はまた、マニキュア液に通常使用されている添加剤も含有できる。これらの添加剤は通常の化粧料に含まれる添加剤であれば公知のいかなる添加剤でもよく、目的に応じて選択され、含有することができる。添加剤の例としては、例えばベンゾフェノン誘導体および2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸エチルなどの紫外線防止剤等を好適に挙げることがきる。
本発明におけるマニキュア用化粧料は、従来から知られているマニキュア化粧料の公知の形状であればいずれでもよく、剤型は特に問わない。
以上、本発明における化粧料について、化粧料一般、メーキャップ化粧料、口紅用化粧料、毛髪用化粧料、マニキュア用化粧料を説明したが、本発明の化粧料はこれらに特に限定されるわけではない。多糖類−ステロール誘導体は、いかなる形状の化粧料にも適宜配合して用いることができる。いかなる種類の化粧料であっても、多糖類−ステロール誘導体の特性を十分利用することにより、従来にない性能を持った化粧料に改質することができる。
多糖類−ステロール誘導体は、多糖類−ステロール誘導体中のステロール成分の導入率が、多糖類を構成する糖単位100個当たり0.01〜20個の場合に優れた被膜形成性を持った材料となる性質を持ち、その硬さは多糖類の成分またはステロールの導入率により場合により柔軟なものとなる。またステロール導入率が100単糖当たり20個を越えると室温における溶解性が悪くなる。
本発明の化粧料中、多糖類−ステロール誘導体の含有量は化粧料の形態によって異なるが、通常0.001〜50重量%、好ましくは0.001〜30重量%である。多糖類−ステロール誘導体が少なすぎると本発明の効果は得られず、多すぎる場合にはべたつきを生じたり、使用感が重くなる。
多糖類−ステロール誘導体が形成する被膜は、多糖類−ステロール誘導体の含有率が50重量%以下であればいずれもべたつかず、すべすべした感触を有する。これらの特徴を、公知の化粧料の形態に応じ、適宜工夫して利用することにより、本発明に用いられる多糖類−ステロール誘導体を、本発明のあらゆる化粧料に好適に用いることができるものである。
以下に、合成例、実施例および比較例を用いて本発明を詳細に説明する。
合成例1:
N−(6−イソシアナートヘキシル)コレステリルカルバメートの合成。
1 literのナス型フラスコに、コレステロール25g(0.065mol)、トルエン300mLを入れて溶解し、さらにトリエチルアミン17mL(0.12mol)を加えた。そこへ、トルエン300mLに溶解したヘキサメチレンジイソシアナート161g(0.96mol)を入れ、窒素雰囲気下、80℃で約6時間反応させた。反応終了後、トルエンと過剰のヘキサメチレンジイソシアナートを減圧除去した。得られた黄色オイル状の残さを室温で一晩放置することにより、淡黄色の結晶が生成した。結晶を取り出し、約1 literのヘキサンを加え、激しく振とうした後、上澄み液をデカンテーションにより除去した。この洗浄操作を計4回行った後、室温で3時間減圧乾燥することにより白色の固体を得た。収量は18.25g、収率は50.9%であった。得られた生成物のIRの測定結果を下記に示す。
IR(KBr,cm-1):3260、2320、1680、1130。
以上より、N−(6−イソシアナートヘキシル)コレステリルカルバメートが得られたことを確認した。
合成例2:
プルラン100単糖当たり0.9個のコレステリル基を導入したプルラン−コレステロール誘導体(以下、CHP0.9と略記する)の合成。
1 literのナス型フラスコに、プルラン(重量平均分子量108000)40gとジメチルスルホキシド420mLを加え、窒素雰囲気下80℃で攪拌溶解させた。そこへ合成例1で合成したN−(6−イソシアナートヘキシル)コレステリルカルバメート1.78g(3.21mmol)をピリジン32.4mL(0.40mol)に溶解した溶液を入れ、90℃で1.5時間反応させた。反応終了後、ジメチルスルホキシドを減圧除去し、得られたオイル状の残さをアセトン6 literに滴下して沈殿を生成させた。
上澄み液を除去後、得られた沈殿にアセトン4 literを加え、室温で一晩放置した。沈殿を濾別採取した後、減圧乾燥した。得られた固体をジメチルスルホキシドに溶解し、これを透析膜(スペクトロポア社製、Spectra/Por3、商標、分画分子量:3500)に充填し、蒸留水に対して一週間透析した。得られたポリマー溶液1.5 literを常法により凍結乾燥することによって、白色の固体を得た。収量は31.7g(収率76.2%)であった。得られた生成物の1H−NMRとIRの測定結果を下記に示す。
1H−NMR((δppm)、DMSO−d6/D2O=20/1,vol、TMS):0.68−2.40、2.60−4.60、4.60−5.05。
IR(KBr,cm-1):1680、1180−900。
また1H−NMRスペクトルの積分値からコレステリル基由来のピーク面積(δ=0.6〜2.3)およびプルラン由来のピーク面積(δ=4.7〜5.1)を求め、100単糖当たりのコレステリル基の置換度を算出した。その結果、100単糖当たりのコレステリル基の置換度は0.9個であった。重量平均分子量は109700であった。以上のデータから、得られた化合物がCHP0.9であることを確認した。
合成例3:
プルラン100単糖当たり0.1個のコレステリル基を導入したプルラン−コレステロール誘導体(以下、CHP0.1と略記する)の合成。
合成例2と同じ反応操作により、N−(6−イソシアナトヘキシル)コレステリルカルバメイトの仕込み量のみを0.198g(0.357mmol)に変更してCHP0.1を合成した。1H−NMRスペクトルの積分値からコレステリル基由来のピーク面積およびプルラン由来のピーク面積を求め、100単糖当たりのコレステリル基の置換度を算出した。その結果、100単糖当たりのコレステリル基の置換度は0.1個であった。重量平均分子量は108200であった。
合成例4:
プルラン100単糖当たり0.05個のコレステリル基を導入したプルラン−コレステロール誘導体(以下、CHP0.05と略記する)の合成。
合成例2と同じ反応操作により、N−(6−イソシアナトヘキシル)コレステリルカルバメイトの仕込み量のみを0.099g(0.178mmol)に変更してCHP0.05を合成した。1H−NMRスペクトルの積分値からコレステリル基由来のピーク面積およびプルラン由来のピーク面積を求め、100単糖当たりのコレステリル基の置換度を算出した。その結果、100単糖当たりのコレステリル基の置換度は0.05個であった。重量平均分子量は108100であった。
合成例5:
プルラン100単糖当たり10個のコレステリル基を導入したプルラン−コレステロール誘導体(以下、CHP10と略記する)の合成。
合成例2と同じ反応操作により、N−(6−イソシアナトヘキシル)コレステリルカルバメイトの仕込み量のみを29.7g(53.6mmol)に変更してCHP10を合成した。1H−NMRスペクトルの積分値からコレステリル基由来のピーク面積およびプルラン由来のピーク面積を求め、100単糖当たりのコレステリル基の置換度を算出した。その結果、100単糖当たりのコレステリル基の置換度は10個であった。重量平均分子量は127400であった。
合成例6:
プルラン100単糖当たり15個のコレステリル基を導入したプルラン−コレステロール誘導体(以下、CHP15と略記する)の合成。
合成例2と同じ反応操作により、N−(6−イソシアナトヘキシル)コレステリルカルバメイトの仕込み量のみを49.5g(89.3mmol)に変更してCHP15を合成した。1H−NMRスペクトルの積分値からコレステリル基由来のピーク面積およびプルラン由来のピーク面積を求め、100単糖当たりのコレステリル基の置換度を算出した。その結果、100単糖当たりのコレステリル基の置換度は15個であった。重量平均分子量は137000であった。
合成例7:
マンナン100単糖当たり0.9個のコレステリル基を導入したマンナン−コレステロール誘導体(以下、CHMと略記する)の合成。
合成例2と同じ反応操作により、プルランをマンナン(重量平均分子量85000)26.2gに変更し、またN−(6−イソシアナトヘキシル)コレステリルカルバメイトの仕込み量を1.08g(1.95mmol)、ピリジンの仕込み量を19.6mL、ジメチルスルホキシドの仕込み量を320mLに変更して21.5gのマンナン−コレステロール誘導体を合成した。生成物の1H−NMRとIRの測定から、得られた化合物がマンナン−コレステロール(CHM)であることを確認した。1H−NMRスペクトルの積分値からコレステリル基由来のピーク面積およびマンナン由来のピーク面積を求め、100単糖当たりのコレステリル基の置換度を算出した。その結果、100単糖当たりのコレステリル基の置換度は0.1個であった。重量平均分子量は85200であった。
実施例1:
CHP0.9含有O/W型乳液の調製および評価試験。
合成例2で得られたCHP0.9を用いてO/W型乳液を調製した。O/W型乳液は、下記の1〜10に示す原料を、下記に示される割合で全量が100gになるよう配合して調製した。まず1〜3に示される原料を混合し、70℃で攪拌溶解後、原料4〜10を添加して分散させた。これを脱気後、所定の容器に充填してCHP0.9含有O/W型乳液100gを得た。
以下に、用いた原料を一覧として示す。配合割合は重量部である。
1.ステアリン酸 1
2.ミツロウ 2
3.マイクロクリスタリンワックス 1
4.CHP0.9(合成例2で得たもの) 0.3
5.プロピレングリコール 5
6.グリセリン 5
7.エチルアルコール 2
8.パラオキシ安息香酸エステル 0.3
9.香料 0.3
10.精製水 残部
次に、調製したCHP0.9含有O/W型乳液の性能を評価するため、評価試験として以下の転写試験、人工的肌荒れ改善効果試験、実使用試験および日焼け防止試験を行った。
[転写試験]
2枚の濾紙を用意して、一方には水を、もう一方にはスクワレンをしみ込ませた。スクワレンをしみ込ませた濾紙に対して、上記のCHP0.9含有O/W型乳液を適量塗布して乾燥させた無色のナイロン板を押し当てて、10回の上下動を行った。水をしみ込ませた濾紙に対しても同様に上下動を行った。上下動終了後に、ナイロン板から濾紙上への試料の転写量を見積もるため、転写した化粧料の色の濃さを1名の実験観察者によって肉眼判定した。この時、全く転写しない場合を1点、僅かに転写する場合を2点、転写が著しい場合を3点とした。この転写試験は、水またはスクワレンをしみ込ませた濾紙を、試験毎に新しいものに交換して、5回繰り返して行った。この時、5回の転写試験の試験および評価は同一人物によって行われた。水またはスクワレンをしみ込ませた濾紙に対する5回の転写試験の評点の平均値を求めた。結果を表1に示した。
【表1】
[人工的肌荒れ改善効果試験]
〔実験方法〕
日本女性10人(年齢20〜42才)を被験者として、界面活性剤による人工的な肌荒れに対する改善効果を見るため、角層水分保持量の測定、経皮水分蒸散量の測定、皮疹の判定の3つについて観測した。
まず、前腕内側部の皮膚を対象とし、これに直径3cmのガラスコップを密着させ、そこへ10mLの5%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を入れ軽く揺らしながら10分間放置した後、処理液を回収した。さらに同一部位に、同様に直径3cmのガラスコップを密着させ、10mLの5%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を入れ軽く揺らしながら20分間放置した後、処理液を回収して肌荒れを惹起させた。このSDS処理の1日後から、処理部位に1日2回、前記CHP0.9含有O/W型乳液を一回当たり5mL塗布した。このとき、角層保持水分量を次の様に測定した。
(1)角層水分保持量の測定
角層の水分保持量は田上らの角層水分水負荷試験法(フレグランスジャーナル1994年臨時増刊、No13「皮膚保湿効果測定法」)に従い高周波皮膚水分測定装置(IBS社製MODEL SKICON−200、商標) を用いて測定した。
測定は、SDS処理前、SDS処理3日後、SDS処理7日後、SDS処理14日後に行った。測定に際しては測定部位皮膚を37℃の温水で30秒間洗浄後、20℃、50%相対湿度下、各人について5回測定して、各人毎の平均値を算出した。さらに各人毎の平均値を合計し、これを被験者数で除して全体の平均値を出した。この全体の平均値はSDS処理前、SDS処理3日後、SDS処理7日後、SDS処理14日後について、それぞれ求めた。次に、各SDS処理後の全体の平均値をSDS処理前の全体の平均値で除して相対値を算出した。この相対値を表2に記した。相対値の数値は高いほど角層の水分保持能が高いことを示し、塗布したO/W型乳液が優れていることを示している。
【表2】
次に、経皮水分蒸散量を下記の測定方法に従い測定した。
(2)経皮水分蒸散量の測定
角層の水分蒸散量は経皮水分蒸散量測定装置(C+K社製MODEL TEWAMETER−TM200、商標)を用いて測定した。
測定は、SDS処理前、SDS処理3日後、SDS処理7日後、SDS処理14日後に行った。測定に際しては前記(1)の角層水分保持量測定直後に、各人について5回測定して各人毎の平均値を算出した。さらに各人毎の平均値を合計し、これを被験者数で除して全体の平均値を出した。この全体の平均値はSDS処理前、SDS処理3日後、SDS処理7日後、SDS処理14日後について、それぞれ求めた。次に、各SDS処理後の全体の平均値をSDS処理前の全体の平均値で除して相対値を算出した。この相対値を表2に記した。相対値の数値は低いほど水分バリアー機能が高いことを示し、塗布したO/W型乳液が優れていることを示している。
次に上記の(1)および(2)の実験でCHP0.9含有O/W型乳液を塗布した10人の被験者の皮疹を、上記の全実験終了後に、下記判定基準に従って判定した。
(3)皮疹判定
皮疹判定は皮膚科専門医の医師の立ち会いのもとで行い、下記基準により被験者の皮疹を個別に判定した。
0:乾燥性落屑性変化を認めない。
1:かすかな乾燥性落屑性変化を認める(かすかな落屑または光沢)。
2:明瞭な乾燥性落屑性変化を認める(処理部の境界が明瞭出、明瞭な落屑に一部光沢、亀裂)。
3:著しい乾燥性落屑性変化を認める(明瞭な落屑に明瞭な光沢、亀裂)。
以上の基準で判定した被験者10人の判定結果の平均値を表2に記した。判定は数字が小さいほど皮膚への悪影響が小さいことを示し、塗布したO/W型乳液が優れていることを示している。
[実使用試験]
〔実験方法〕
日頃から肌荒れ、乾燥性の症状を訴える日本女性20人(年齢27〜42才)にCHP0.9含有O/W型乳液をそれぞれ1ヶ月間使用してもらった。1ヶ月後のしっとり感(保水効果)、肌のはりの改善(賦活効果)などの美肌効果と使用中の感触(滑り感)について調べるため、専門試験者との面談により「しっとり感」、「はりの改善」、「滑り感」について聞き取り調査した。これについて肯定的回答をした人数を表3に記載した。
【表3】
[日焼け防止試験]
〔実験方法〕
日焼け防止試験は、動物を用いたSPF(Sun Protection Factor)測定法にて行い、日焼け防止効果を評価した。まず、背部毛を脱毛クリームにて除去したモルモットを準備した。これに、前記CHP0.9含有O/W型乳液を2μL/cm2になるように塗布した。15分後に紫外線ランプ(東芝FL−SE型、商標)を用いて、一定時間紫外線を照射した。照射後24時間経過した時点で、試料塗布部および試料無塗布部の江斑を観察し、かすかな江斑を起こすのに要する最小の紫外線量を求めた。求めた最小紫外線量からSPFを計算した。SPFは、試料塗布部の最小紫外線量を試料未塗布部の最小紫外線量で除して得られる値である。SPFの結果を表3に示した。日焼け防止試験の結果から、CHP0.9含有O/W型乳液は日焼け防止効果に優れていることがわかった。
以上の評価試験により、CHP0.9含有O/W型乳液は、角層水分保持量の増加(水分保持機能の回復)、経皮水分蒸散量の低下(水分バリアー機能の向上)および乾燥性皮疹に対して著しい効果があり、しかも滑り感が優れるほか、保水効果および賦活効果などの美肌効果、ならびに日焼け防止効果についても優れていることが実証された。
実施例2:
CHP0.1含有O/W型乳液の調製および評価試験。
CHP0.9の代わりに合成例3で得られたCHP0.1を用いた以外は、全て実施例1と同じ配合量および調製法によりO/W型乳液を調製した。評価試験も全て実施例1と同じ方法で行った。結果を表1〜表3に記した。
実施例3:
CHP0.05含有O/W型乳液の調製および評価試験。
CHP0.9の代わりに合成例4で得られたCHP0.05を用いた以外は、全て実施例1と同じ配合量および調製法によりO/W型乳液を調製した。評価試験も全て実施例1と同じ方法で行った。結果を表1〜表3に記した。
実施例4:
CHP10含有O/W型乳液の調製および評価試験。
CHP0.9の代わりに合成例5で得られたCHP10を用いた以外は、全て実施例1と同じ配合量および調製法によりO/W型乳液を調製した。評価試験も全て実施例1と同じ方法で行った。結果を表1〜表3に記した。
実施例5:
CHP15含有O/W型乳液の調製および評価試験。
CHP0.9の代わりに合成例6で得られたCHP15を用いた以外は、全て実施例1と同じ配合量および調製法によりO/W型乳液を調製した。評価試験も全て実施例1と同じ方法で行った。結果を表1〜表3に記した。
実施例6:
CHM含有O/W型乳液の調製および評価試験。
CHP0.9の代わりに合成例7で得られたCHMを用いた以外は、全て実施例1と同じ配合量および調製法によりO/W型乳液を調製した。評価試験も全て実施例1と同じ方法で行った。結果を表1〜表3に記した。
合成例8:
プルラン100単糖当たり1.7個のトリストリメチルシロキシシリルプロピル基を導入したトリストリメチルシロキシシリルプロピルカルバミド酸プルラン(以下、TSPと略記する)の合成。
プルラン(重量平均分子量108000)10gをN−メチルピロリドン300mLに溶解し、触媒としてトリエチルアミン0.01gを加え、トリストリメチルシロキシシリルプロピルイソシアネート0.7gを滴下し、100℃で2時間反応させた。反応液をアセトンに注ぎ、生じた析出物をメタノールで洗浄した後乾燥し、トリストリメチルシロキシシリルプロピルカルバミド酸プルラン50gを得た。なお、この生成物のプルラン100単糖当たりのトリストリメチルシロキシシリルプロピル基の置換度を、元素分析値をもとに計算したところ1.7個であった。重量平均分子量は111000であった。
比較例1:
TSP5含有O/W型乳液の調製および評価試験。
CHP0.9の代わりに合成例8で得られたTSPを用いた以外は、全て実施例1と同じ配合量および調製法によりO/W型乳液を調製した。評価試験も全て実施例1と同じ方法で行った。結果を表1〜表3に記した。
比較例2:
プルラン含有O/W型乳液の調製および評価試験。
CHP0.9の代わりに市販のプルラン(重量平均分子量108000)を用いた以外は、全て実施例1と同じ配合量および調製法によりO/W型乳液を調製した。評価試験も全て実施例1と同じ方法で行った。結果を表1〜表3に記した。
比較例3:
CHP未含有O/W型乳液の調製および評価試験。
CHP0.9を配合しなかった以外は、全て実施例1と同じ配合量および調製法によりO/W型乳液を調製した。評価試験も全て実施例1と同じ方法で行った。結果を表1〜表3に記した。
比較例4:
ポリビニルアルコール含有O/W型乳液の調製および評価試験。
CHP0.9の代わりに市販のポリビニルアルコール(クラレ社製、クラレポバールPVA−224C、商標)を用いた以外は、全て実施例1と同じ配合量および調製法によりO/W型乳液を調製した。評価試験も全て実施例1と同じ方法で行った。結果を表1〜表3に記した。
実施例7:
CHP0.001重量%含有O/W型乳液の調製および評価試験。
CHP0.9の配合割合を0.3重量部から0.001重量部に変更した以外は、全て実施例1と同じ配合量および調製法によりO/W型乳液を調製した。評価試験は転写試験のみ行い、他の試験は行わなかった。結果を表4に記した。
【表4】
実施例8:
CHP0.01重量%含有O/W型乳液の調製および評価試験。
CHP0.9の配合割合を0.3重量部から0.01重量部に変更した以外は、全て実施例1と同じ配合量および調製法によりO/W型乳液を調製した。評価試験は転写試験のみ行い、他の試験は行わなかった。結果を表4に記した。
実施例9:
CHP50重量%含有O/W型乳液の調製および評価試験。
CHP0.9の配合割合を0.3重量部から50重量部に変更した以外は、全て実施例1と同じ配合量および調製法によりO/W型乳液を調製した。評価試験は転写試験のみ行い、他の試験は行わなかった。結果を表4に記した。
実施例10:
CHP20重量%含有O/W型乳液の調製および評価試験。
CHP0.9の配合割合を0.3重量部から20重量部に変更した以外は、全て実施例1と同じ配合量および調製法によりO/W型乳液を調製した。評価試験は転写試験のみ行い、他の試験は行わなかった。結果を表4に記した。
実施例11:
CHP0.9含有化粧水の調製
合成例2で得られたCHP0.9を用いて化粧水を調製した。化粧水は、下記の1〜8に示す原料を、下記に示される割合で全量が100gになるよう配合して調製した。まず1〜4に示される原料を混合し、室温で溶解した。これとは別に5〜8に示される原料を混合し、室温で溶解した。この原料5〜8の溶液に原料1〜4の溶液を加え、攪拌混合して分散させた。このようにして微濁液状のCHP0.9含有化粧水100gを得た。
以下に、用いた原料を一覧として示す。配合割合は重量部である。
1.CHP0.9(合成例2で得たもの) 0.25
2.グリセリン 1.5
3.エタノール 6
4.プロピレングリコール 1.5
5.クエン酸 0.01
6.クエン酸ナトリウム 0.1
7.香料 0.05
8.精製水 残部
実施例12:
CHP0.9含有クリームの調製
合成例2で得られたCHP0.9を用いてクリームを調製した。クリームは、下記の1〜9に示す原料を、下記に示される割合で全量が100gになるよう配合して調製した。まず1〜3に示される原料を混合し、70℃で溶解した。これとは別に4〜9に示される原料を混合し、70℃で溶解した。原料1〜3の溶液を攪拌しながら原料4〜9の溶液を加えて混合した。その後、25℃まで冷却放置し、白色クリーム状のCHP0.9含有クリーム100gを得た。
以下に、用いた原料を一覧として示す。配合割合は重量部である。
1.スクワラン 5
2.2−エチルヘキサン酸トリグリセライド 1
3.ワセリン 0.5
4.CHP0.9(合成例2で得たもの) 1.5
5.グリセリン 3
6.1,3−ブタジオール 4
7.ポリグリセリンポリオキシブチレンステアリルエーテル 2.5
8.香料 0.2
9.精製水 残部
実施例13:
CHP0.9含有ヘアクリームの調製
合成例2で得られたCHP0.9を用いてヘアクリームを調製した。ヘアクリームは、下記の1〜15に示す原料を、下記に示される割合で全量が100gになるよう配合して調製した。まず1〜8に示される原料を混合し、70℃で溶解した。これとは別に9〜15に示される原料を混合し、70℃で溶解した。この原料1〜8の溶液を攪拌しながら原料9〜15の溶液を加えて混合した。その後、25℃まで冷却放置し、白色クリーム状のCHP0.9含有ヘアクリーム100gを得た。
以下に、用いた原料を一覧として示す。配合割合は重量部である。
1.スクワラン 30.0
2.ワセリン 3.0
3.ミツロウ 4.0
4.ステアリン酸 4.0
5.オリーブ油 2.0
6.ソルビタンモノステアレート 2.5
7.ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート 2.5
8.ブチルパラベン 0.1
9.CHP0.9(合成例2で得たもの) 3
10.1,3−ブタジオール 2.5
11.ポリエチレングリコール200 1.5
12.トリエタノールアミン 1.0
13.パラオキシ安息香酸エステル 0.1
14.香料 0.2
15.精製水 残部
実施例14:
CHP0.9含有ヘアローションの調製
合成例2で得られたCHP0.9を用いてヘアーローションを調製した。ヘアーローションは、下記の1〜7に示す原料を、下記に示される割合で全量が100gになるよう配合して調製した。まず1〜6に示される原料を室温で溶解後、この溶液を攪拌しながら7に示される精製水に加えて混合した。このようにして微濁液状のCHP0.9含有ヘアーローション100gを得た。
以下に、用いた原料を一覧として示す。配合割合は重量部である。
1.CHP0.9(合成例2で得たもの) 0.1
2.エタノール 10
3.グリセリン 3
4.カルボキシメチルキチン 0.01
5.ビタミンE 0.1
6.色素 0.02
7.精製水 残部
このCHP0.9含有ヘアローションについて毛髪保護効果を見るために下記の試験をした。
[毛髪保護効果測定試験]
〔実験方法〕
これまでパーマ、ブリーチの処理を行ったことのない日本女性の毛髪10g(長さ10cm)を束ね、ヘアサンプルとした。これにCHP0.9含有ヘアローション3mLを塗布した後、風乾して官能評価した。官能評価は当社内専門評価員5名により下記に示す基準に従って毛髪の平滑性、つやならびにしっとり感(保湿性)についてヘアサンプルの官能評価をした。その平均点を表5に示した。
「平滑性」
1:劣る 2:やや劣る 3:普通 4:やや優れる 5:優れる
「つや」
1:ない 2:ややない 3:普通 4:ややある 5:ある
「しっとり感」
1:ない 2:ややない 3:普通 4:ややある 5:ある
【表5】
表5の結果に示された如く、CHP0.9含有ヘアローションは毛髪の平滑性、つやならびにしっとり感のいずれも優れていることが明らかとなった。
実施例15:
CHP0.1含有ヘアーローションの調製および評価試験。
CHP0.9の代わりに合成例3で得られたCHP0.1を用いた以外は、全て実施例14と同じ配合量および調製法によりヘアーローションを調製した。評価試験も全て実施例14と同じ方法で行った。結果を表5に記した。
実施例16:
CHP0.05含有ヘアーローションの調製および評価試験。
CHP0.9の代わりに合成例4で得られたCHP0.05を用いた以外は、全て実施例14と同じ配合量および調製法によりヘアーローションを調製した。評価試験も全て実施例14と同じ方法で行った。結果を表5に記した。
実施例17:
CHP10含有ヘアーローションの調製および評価試験。
CHP0.9の代わりに合成例5で得られたCHP10を用いた以外は、全て実施例14と同じ配合量および調製法によりヘアーローションを調製した。評価試験も全て実施例14と同じ方法で行った。評価試験も全て同様に行った。結果を表5に記した。
実施例18:
CHP15含有ヘアーローションの調製および評価試験。
CHP0.9の代わりに合成例6で得られたCHP15を用いた以外は、全て実施例14と同じ配合量および調製法によりヘアーローションを調製した。評価試験も全て実施例14と同じ方法で行った。結果を表5に記した。
実施例19:
CHM含有ヘアーローションの調製および評価試験。
CHP0.9の代わりに合成例7で得られたCHMを用いた以外は、全て実施例14と同じ配合量および調製法によりヘアーローションを調製した。評価試験も全て実施例14と同じ方法で行った。結果を表5に記した。
比較例5:
TSP5含有ヘアーローションの調製および評価試験。
CHP0.9の代わりに合成例8で得られたTSPを用いた以外は、全て実施例14と同じ配合量および調製法によりヘアーローションを調製した。評価試験も全て実施例14と同じ方法で行った。結果を表5に記した。
比較例6:
プルラン含有ヘアーローションの調製および評価試験。
CHP0.9の代わりに市販のプルラン(重量平均分子量108000)を用いた以外は、全て実施例14と同じ配合量および調製法によりヘアーローションを調製した。評価試験も全て実施例14と同じ方法で行った。評価試験も全て同様に行った。結果を表5に記した。
比較例7:
CHP未含有ヘアーローションの調製および評価試験。
CHP0.9を配合しなかった以外は、全て実施例14と同じ配合量および調製法によりヘアーローションを調製した。評価試験も全て実施例14と同じ方法で行った。結果を表5に記した。
比較例8:
ポリビニルアルコール含有ヘアーローションの調製および評価試験。
CHP0.9の代わりに市販のポリビニルアルコール(クラレ社製、クラレポバールPVA−224C、商標)を用いた以外は、全て実施例14と同じ配合量および調製法によりヘアーローションを調製した。評価試験も全て実施例14と同じ方法で行った。結果を表5に記した。
実施例20:
CHP0.9含有液状口紅の調製および評価試験。
ポリジメチルシロキサン(信越化学株式会社製、KF96、商標、標準粘度10万mm2/s)69重量部と、CHP0.9(合成例2で得たもの)15重量部とを混合し、70〜80℃で攪拌溶解した。これとは別に、グリセリルトリイソステアテート5.0重量部と赤色226号10.0重量部とをローラ処理した。このローラ処理したものを前記CHP0.9のポリジメチルシロキサン溶液に加えて分散した。これを脱気後、適量の香料を加えて全量100gのCHP0.9含有液状口紅を得た。このCHP0.9含有液状口紅の性能を評価するため、以下の評価試験を行った。
[転写試験]
2枚の濾紙を用意して、一方には水を、もう一方にはスクワレンをしみ込ませた。スクワレンをしみ込ませた濾紙に対して、上記のCHP0.9含有液状口紅を適量塗布して乾燥させた無色のナイロン板を押し当てて、10回の上下動を行った。水をしみ込ませた濾紙に対しても同様に上下動を行った。上下動終了後に、ナイロン板から濾紙上への試料の転写量を見積もるため、転写した口紅の色の濃さを1名の実験観察者(当社内専門評価員)によって肉眼判定した。この時、全く転写しない場合を1点、僅かに転写する場合を2点、転写が著しい場合を3点とした。この転写試験は、水またはスクワレンをしみ込ませた濾紙を、試験毎に新しいものに交換して、5回繰り返して行った。この時、5回の転写試験の試験および評価は同一人物によって行われた。水またはスクワレンをしみ込ませた濾紙に対する5回の転写試験の評点の平均値を求めた。結果を表6に示した。
【表6】
実施例21:
CHP0.1含有液状口紅の調製および評価試験。
CHP0.9の代わりに合成例3で得られたCHP0.1を用いた以外は、全て実施例20と同じ配合量および調製法により液状口紅を調製した。評価試験も全て実施例20と同じ方法により行った。結果を表6に記した。
実施例22:
CHP0.05含有液状口紅の調製および評価試験。
CHP0.9の代わりに合成例4で得られたCHP0.05を用いた以外は、全て実施例20と同じ配合量および調製法により液状口紅を調製した。評価試験も全て実施例20と同じ方法により行った。結果を表6に記した。
実施例23:
CHP10含有液状口紅の調製および評価試験。
CHP0.9の代わりに合成例5で得られたCHP10を用いた以外は、全て実施例20と同じ配合量および調製法により液状口紅を調製した。評価試験も全て実施例20と同じ方法により行った。結果を表6に記した。
実施例24:
CHP15含有液状口紅の調製および評価試験。
CHP0.9の代わりに合成例6で得られたCHP15を用いた以外は、全て実施例20と同じ配合量および調製法により液状口紅を調製した。評価試験も全て実施例20と同じ方法により行った。結果を表6に記した。
実施例25:
CHM含有液状口紅の調製および評価試験。
CHP0.9の代わりに合成例7で得られたCHMを用いた以外は、全て実施例20と同じ配合量および調製法により液状口紅を調製した。評価試験も全て実施例20と同じ方法により行った。結果を表6に記した。
比較例9:
TSP5含有液状口紅の調製および評価試験。
CHP0.9の代わりに合成例8で得られたTSPを用いた以外は、全て実施例20と同じ配合量および調製法により液状口紅を調製した。評価試験も全て実施例20と同じ方法により行った。結果を表6に記した。
比較例10:
プルラン含有液状口紅の調製および評価試験。
CHP0.9の代わりに市販のプルラン(重量平均分子量108000)を用いた以外は、全て実施例20と同じ配合量および調製法により液状口紅を調製した。評価試験も全て実施例20と同じ方法により行った。結果を表6に記した。
比較例11:
CHP未含有液状口紅の調製および評価試験。
CHP0.9を配合しなかった以外は、全て実施例20と同じ配合量および調製法により液状口紅を調製した。評価試験も全て実施例20と同じ方法により行った。結果を表6に記した。
比較例12:
ポリビニルアルコール含有液状口紅の調製および評価試験。
CHP0.9の代わりに市販のポリビニルアルコール(クラレ社製、クラレポバールPVA−224C、商標)を用いた以外は、全て実施例20と同じ配合量および調製法により液状口紅を調製した。評価試験も全て実施例20と同じ方法により行った。結果を表6に記した。
実施例26:
CHP0.9含有着色マニキュア液の調製および評価試験。
ニトロセルロース10.82重量部と、トルエンスルホンアミドホルムアルデヒド樹脂(アクゾ社製、Ketjenflex MS80、商標)9.74重量部と、アセチルクエン酸トリブチル(ファイザー社製、CITROFLEX A4、商標)6.495重量部と、トルエン30.91重量部と、酢酸ブチル21.64重量部と、酢酸エチル9.27重量部と、イソプロピルアルコール7.72重量部と、ステアラルコニウム・ヘクトライト(Stearalkonium hectorite)1.35重量部と、CHP0.9(合成例2で得られたもの)1.00重量部と、クエン酸0.055重量部とを混合溶解させ、全量100gの着色マニキュア液を得た。このCHP0.9含有着色マニキュア液の性能を評価するため、以下の評価を行った。
[付着性評価]
CHP0.9含有着色マニキュア液を平均年齢23.2才の一般女性7名に一週間使用してもらい、その後に専門調査員が付着性について個別に質問を行った。その時、付着性が良いと答えたときを3点、良くも悪くもないと答えたときを2点、付着性が悪いと答えたときを1点として、全員の答えを合計した。結果を表7に示した。
[光沢評価]
CHP0.9含有着色マニキュア液を平均年齢23.2才の一般女性7名に一週間使用してもらい、その後に専門調査員が光沢について個別に質問を行った。その時、光沢が良いと答えたときを3点、良くも悪くもないと答えたときを2点、光沢が悪いと答えたときを1点として、全員の答えを合計した。結果を表7に示した。
【表7】
実施例27:
CHP0.1含有着色マニキュア液の調製および評価試験。
CHP0.9の代わりに合成例3で得られたCHP0.1を用いた以外は、全て実施例26と同じ配合量および調製法により着色マニキュア液を調製した。評価試験も全て実施例26と同じ方法により行った。結果を表7に記した。
実施例28:
CHP0.05含有着色マニキュア液の調製および評価試験。
CHP0.9の代わりに合成例4で得られたCHP0.05を用いた以外は、全て実施例26と同じ配合量および調製法により着色マニキュア液を調製した。評価試験も全て実施例26と同じ方法により行った。結果を表7に記した。
実施例29:
CHP10含有着色マニキュア液の調製および評価試験。
CHP0.9の代わりに合成例5で得られたCHP10を用いた以外は、全て実施例26と同じ配合量および調製法により着色マニキュア液を調製した。評価試験も全て実施例26と同じ方法により行った。結果を表7に記した。
実施例30:
CHP15含有着色マニキュア液の調製および評価試験。
CHP0.9の代わりに合成例6で得られたCHP15を用いた以外は、全て実施例26と同じ配合量および調製法により着色マニキュア液を調製した。評価試験も全て実施例26と同じ方法により行った。結果を表7に記した。
実施例31:
CHM含有着色マニキュア液の調製および評価試験。
CHP0.9の代わりに合成例7で得られたCHMを用いた以外は、全て実施例26と同じ配合量および調製法により着色マニキュア液を調製した。評価試験も全て実施例26と同じ方法により行った。結果を表7に記した。
比較例13:
TSP5含有着色マニキュア液の調製および評価試験。
CHP0.9の代わりに合成例8で得られたTSPを用いた以外は、全て実施例26と同じ配合量および調製法により着色マニキュア液を調製した。評価試験も全て実施例26と同じ方法により行った。結果を表7に記した。
比較例14:
プルラン含有着色マニキュア液の調製および評価試験。
CHP0.9の代わりに市販のプルラン(重量平均分子量108000)を用いた以外は、全て実施例26と同じ配合量および調製法により着色マニキュア液を調製した。評価試験も全て実施例26と同じ方法により行った。結果を表7に記した。
比較例15:
CHP未含有着色マニキュア液の調製および評価試験。
CHP0.9を配合しなかった以外は、全て実施例26と同じ配合量および調製法により着色マニキュア液を調製した。評価試験も全て実施例26と同じ方法により行った。結果を表7に記した。
比較例16:
ポリビニルアルコール含有着色マニキュア液の調製および評価試験。
CHP0.9の代わりに市販のポリビニルアルコール(クラレ社製、クラレポバールPVA−224C、商標)を用いた以外は、全て実施例26と同じ配合量および調製法により着色マニキュア液を調製した。評価試験も全て実施例26と同じ方法により行った。結果を表7に記した。
以上の通り、本発明によれば、保湿機能、肌荒れ防止機能、被膜形成能などに基づく皮膚に対する美肌効果、また毛髪に対する美髪効果が格段に優れ、かつ安全性上の問題もなく、水分保持能、被膜形成能を適切に保った、新規な化粧料を提供することができる。
〔産業上の利用可能性〕
本発明の化粧料はスキンケア化粧料、毛髪用化粧料およびメークアップ化粧料などとして好適に利用することができる。
Claims (7)
- 式(1)で表される基の導入個数が多糖類を構成する糖単位100個当たり0.05〜15個である請求項1記載の化粧料。
- 式(1)で表される基の導入個数が多糖類を構成する糖単位100個当たり0.1〜10個である請求項1記載の化粧料。
- 多糖類−ステロール誘導体がプルラン−コレステロール誘導体である請求項1ないし3のいずれかに記載の化粧料。
- 多糖類−ステロール誘導体の含有量が化粧料全体に対して0.001〜50重量%である請求項1ないし4のいずれかに記載の化粧料。
- 化粧料がスキンケア化粧料、メーキャップ化粧料または毛髪用化粧料である請求項1ないし5のいずれかに記載の化粧料。
- 化粧料が乳液、化粧水、口紅、マニキュアまたはヘアーローションである請求項1ないし5のいずれかに記載の化粧料。
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