JP3635340B2 - 蛍光x線分析装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、分析精度の管理のための工程管理分析が行われる蛍光X線分析装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
蛍光X線分析では、信頼性の高い分析を行うために、分析精度の管理のための工程管理分析として、分析試料の分析以外に▲1▼PHA調整、▲2▼標準化、▲3▼チェック分析が日常的に行われている。
▲1▼PHA調整は、PHA(波高分析器)の波高値の変動を調整するものであり、PHA調整には、測定線に近接する妨害スペクトルを含まない試料が用いられる。
▲2▼標準化は、標準化試料を用いてX線強度を測定してドリフト補正係数を求めておき、分析試料の測定X線強度をこのドリフト補正係数で補正して機器のX線強度を矯正するものである。標準化試料は、長期に渡って変化がなく、かつ均一でなければならない。
▲3▼チェック分析は、分析試料を分析する前に、分析試料に近い既知の組成を持つチェック試料を用いて、各成分の分析値が予め決めておいた規格値内に入ることを確認するものであり、精度の高い分析値を得るためには分析試料の分析前に必ず行わなければならない。
【0003】
▲2▼標準化は▲1▼PHA調整が行われていることが前提であり、▲3▼チェック分析は▲2▼標準化が行われていることが前提であるが、▲1▼〜▲3▼の調整および分析は、予め使用状況に応じてその頻度が決められる。▲1▼PHA調整および▲2▼標準化は例えば毎日、▲3▼チェック分析は分析試料の分析を行う前に行われる。
【0004】
しかし、分析試料の品種が多い場合、各成分の標準化試料の測定を行わなければならず、標準化試料の測定に時間がかかりすぎる。また、多元素同時分析装置では測定チャンネルが多いため、PHA調整の時間も無視できない。これに対して、▲1▼PHA調整および▲2▼標準化は定期的に行わず、▲3▼チェック分析のみを分析試料の分析前に行う方法がとられている。この場合、チェック分析の分析結果を作業者がチェック試料の各成分毎に調べて、一つの成分でも規格値外であれば、規格値外の成分の標準化用として予め指定された標準化試料を多数種類の標準化試料の中から探し、その標準化試料から発生する蛍光X線の強度を測定する。
【0005】
また、PHA調整についても、標準化試料によって求めたドリフト補正係数が規格外の場合に、規格値外である元素に用いるPHA調整試料を測定して波高分析器の波高値を調整する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、信頼性の高い蛍光X線分析を行うためには、上述のようにチェック分析を分析試料の分析を行う前に行わなければならないが、作業者がチェック分析を抜かしてしまうことがある。
【0007】
そこで本発明は、作業者の負担を少なくして自動的に分析精度の管理のための工程管理分析が行われる蛍光X線分析装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の第1の構成に係る蛍光X線分析装置は、分析試料に近い既知の組成を持つチェック試料が保管される保管部、およびこの保管部のチェック試料を前記測定部の試料投入口に移動させる移動機構を有する自動試料交換機と、分析試料の測定に際して、それまでの所定時間内にチェック試料が分析されたか否かを判別するチェック試料分析判別手段と、それまでの所定時間内にチェック試料が分析されていなかった場合、前記自動試料交換機によって該当するチェック試料をX線分析位置に移動させるチェック試料移動制御手段と、前記自動試料交換機の保管部における各チェック試料の位置を記憶する記憶手段とを備える。
【0009】
この構成によれば、現在の時刻から最後に該当するチェック試料を測定した時刻までの時間が所定時間よりも長いかを調べ、所定時間よりも長い場合は自動的にチェック試料の測定を行う。したがって、作業者がチェック試料の測定を忘れて分析試料の測定を開始しようとしても、自動的にチェック試料の測定が行われて、チェック試料の測定なしに分析試料が測定されることを防止することができる。また、自動試料交換機を用いることによって、正確かつ迅速にX線分析位置にチェック試料が移動され、作業者がチェック試料を探す必要はなくなるため、作業者には負担がかからない。
【0010】
本発明の第の構成に係る蛍光X線分析装置は、作業者に対する指示を表示する出力手段と、分析試料に近い既知の組成を持つチェック試料の試料名を記憶する第2の記憶手段と、分析試料の測定に際して、それまでの所定時間内にチェック試料が分析されたか否かを判別するチェック試料分析判別手段と、それまでの所定時間内にチェック試料が分析されていなかった場合、該当するチェック試料の試料名を前記第2の記憶手段から検索するチェック試料名検索手段と、前記検索したチェック試料名とチェック試料を設定させるための作業ガイダンスとを前記出力手段に出力する出力制御手段とを備える。
【0011】
この構成によれば、作業者がチェック試料の測定を忘れて分析試料の測定を開始しようとしても、出力手段にチェック試料名と作業ガイダンスが出力されて、チェック試料の測定なしに分析試料が測定されることを防止することができる。また、作業者は出力手段に表示される指示に従うだけなので、チェック試料を調べたり作業内容を覚えておく必要がなく、作業者の負担は軽減される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1参考例にかかる蛍光X線分析装置を図面にしたがって説明する。
図1(a)に示すように、蛍光X線分析装置は測定部11と自動試料交換機20とを備えている。測定部11は、試料3が固定される試料台4と、試料3に1次X線2を照射するX線源1と、試料3から発生する蛍光X線5の強度を測定する検出手段10とを備えている。試料台4は試料室13内のターレット14上に配置され、試料室13の試料投入口15から投入された試料3がターレットの回転によってX線分析位置に移動される。検出手段10は、試料3から発生する2次X線5を分光する分光器6と、分光された蛍光X線7ごとにその強度を測定する検出器8と、検出した蛍光X線7を分析する波高分析器9と、分析されたスペクトルをカウントするカウンタ16とで構成される。試料室13内、ならびにX線源1、分光器6、および検出器8を収容したチャンバー(図示せず)内は、真空引きされる。なお、分光器6を用いずに、エネルギ分解能の高い検出器を検出手段としてもよい。測定部1は、さらに、測定部全体を制御するコントローラ12を備えている。
【0013】
前記自動試料交換機20は、複数の試料3が保管される保管部である固定テーブル21と、固定テーブル21上の試料3をX線分析位置に移動させる移動機構24と、移動機構24を制御する移動機構制御手段23とを有する。固定テーブル21は長方形状であり、矢印X方向の横方向および矢印Y方向(図1(b))の縦方向にそれぞれ等間隔の位置に試料を並べて保管することができる。図1(a),(b),(c)に示すように、移動機構24は、試料3を掴むアーム25と、アーム25をY方向にスライドさせるバー26と、バー26を矢印Z方向の上下方向にスライドさせるスタンド27と、このスタンド27を矢印X方向にスライドさせるレール28とを有し、アーム25がX方向およびY方向のあらゆる位置における試料3を掴んで分析用の試料投入口15に運ぶことができる。移動機構24は、クレーンタイプで、固定テーブル21上の任意の位置の試料3を掴むものであってもよい。
【0014】
自動試料交換機20の固定テーブル21は、標準化試料、チェック試料および分析試料などのすべて試料の保管が可能である。
【0015】
蛍光X線分析装置は、さらに、処理手段30を備え、処理手段30はチェック試料の各成分の分析結果がそれぞれ予め設定した規格値内であるか否かを判別するチェック分析結果判別手段31と、チェック試料に規格値外の成分がある場合、自動交換機20によってチェック試料をこの規格値外の成分の標準化用として予め指定された標準化試料に交換する標準化試料交換制御手段32と、交換された標準化試料の蛍光X線強度の測定結果からドリフト補正係数を算出するドリフト補正係数算出手段33と、ドリフト補正係数が予め設定した規格内であるか否かを判別するドリフト補正係数判別手段34と、標準化試料に規格値外の元素がある場合、この規格値外の元素に用いるPHA調整試料を測定して波高分析器の波高値を調整するPHA調整手段35と、チェック試料の各成分はすべて規格値内であるがチェック試料に予め設定した基準値と異なる分析結果の成分がある場合、その基準値と分析値とからバイアス修正量を算出するバイアス修正量算出手段36とを有する。処理手段30は、また、標準化試料名または試料識別用のコード番号および自動試料交換機20の保管部21における標準化試料の試料位置を記憶する第1の記憶手段41と、PHA試料名または試料識別用のコード番号および自動試料交換機20の保管部21におけるPHA調整試料の試料位置を記憶する第3の記憶手段44とを有する。処理手段30は、前記各手段31〜37の作動に関連して、コントローラ12を制御する。蛍光X線分析装置は、さらに、出力手段である表示画面42を備える。
【0016】
次に、第1参考例の蛍光X線分析装置の動作について、図2のフロー図を用いて説明する。まず、試料台4(図1(a))にチェック試料3(図1(a))が固定された状態で、チェック分析を行う(S1)。これは表示画面42上のチェック試料の表示をクリックすることにより行う。チェック試料には複数の品種が用意されており、成分組成比が異なる品種の中で、表示画面上で選択した分析試料に近い既知の組成を持つチェック試料が自動交換機20により測定部11の試料投入口15まで移送され、コントローラ12で制御されて、ターレット14により試料台4上にセットされ、チェック試料のX線分析が行われる。チェック試料は、組成が既知であり、表1に示すように各成分について分析結果の規格が定められており、予め処理手段30に設定されている。
【0017】
【表1】
Figure 0003635340
【0018】
本発明の第2の構成に係る蛍光X線分析装置は、作業者に対する指示を表示する出力手段と、分析試料に近い既知の組成を持つチェック試料の試料名を記憶する記憶手段と、分析試料の測定に際して、それまでの所定時間内にチェック試料が分析されたか否かを判別するチェック試料分析判別手段と、それまでの所定時間内にチェック試料が分析されていなかった場合、該当するチェック試料の試料名を前記記憶手段から検索するチェック試料名検索手段と、前記検索したチェック試料名とチェック試料を設定させるための作業ガイダンスとを前記出力手段に出力する出力制御手段とを備える。
【0019】
このチェック試料に規格値外の組成成分がある場合、標準化試料交換制御手段32により制御された自動試料交換機20がチェック試料をこの規格値外の成分の標準化用として予め指定された標準化試料に交換する(S3)。具体的には、例えば表1の品種1の組成成分Niが0.62%であって規格値外の場合、標準化試料交換制御手段32は、処理手段30で、第1の記憶手段41に記憶されている該当チェック試料のNiを標準化するための標準化試料名またはコード番号とその試料位置とを調べ、自動試料交換機20に試料位置を渡す。試料位置は、通信ケーブルのようなものを介してデータとして、自動試料交換機20に入力されることによって渡される。このように、処理手段30の第1の記憶手段41は、品種毎の各成分の標準化試料名またはコード番号とその試料が自動試料交換機20にセットされている試料位置とを把握しているので、チェック試料分析において規格値外になった成分に応じて、標準化試料名またはコード番号と試料位置とを検索することができる。
【0020】
自動試料交換機20は、標準化試料交換制御手段32から自動試料交換機20における試料位置を受け取ると、移動機構制御手段23が移動機構24を制御してアーム25がその位置の標準化試料3を掴み、分析用の試料投入口15に運ぶ。このように自動試料交換機20を用いることによって、正確かつ迅速にX線分析位置の試料が標準化試料3に交換され、作業者が標準化試料3を探す必要はなくなるため、作業者には負担がかからない。しかも、チェック試料に規格値外の成分がある場合のみ標準化試料のX線強度を測定するので、標準化試料の無駄な測定を省くことができる。
【0021】
試料台4に標準化試料3が固定されると、コントローラ12の作動により、X線源1から1次X線2を照射して蛍光X線を発生させる。この蛍光X線強度は、カウンタ16から処理手段30に入力され、ドリフト補正係数算出手段33がドリフト補正係数αを算出する(S4)。標準化試料の基準強度IS 、標準化試料の測定強度IM とドリフト補正係数αとの関係は次式(1)で表される。
α=IS /IM …(1)
このように標準化試料によってドリフト補正係数αを算出することで、機器の経時変化によって生じるX線強度のずれを求めることができる。本参考例においては、標準化試料1点を用いてX線強度を標準化する(1)式で表される一点補正法を用いているが、標準化試料2点を用いてX線強度を標準化する二点補正法を用いてもよい。
【0022】
ドリフト補正係数αが算出されると、ドリフト補正係数判別手段34は、ドリフト補正係数αが予め設定した規格内であるか否かを判別する(S5)。例えば、ドリフト補正係数αは1.0±0.1の範囲内としておくと、元素Siについて範囲外の値が算出された場合は、自動試料交換機20の固定テーブル21におけるSiの検出に用いるPHA調整試料を、標準化試料の場合と同様に自動試料交換機20によって交換してこのPHA調整試料を測定し、このX線強度とPHA調整試料の基準強度から波高分析器の波高値を調整する(S6)。具体的には、例えばドリフト補正係数αが1.11であって規格外の場合、PHA調整手段35が第3の記憶手段44に記憶されている波高分析器の波高値を調整するためのPHA試料名または試料識別用のコード番号とその試料位置とを調べ、自動試料交換機20に試料位置を渡す。
【0023】
自動試料交換機20が自動試料交換機20におけるPHA試料の試料位置を受け取ると、移動機構制御手段23が移動機構24を制御してアーム25がその位置のPHA試料3を掴み、分析用の試料投入口15に運ぶ。試料台4にPHA試料3が固定されると、コントローラ12の作動により、X線源1から1次X線2を照射して蛍光X線を発生させ、波高値の測定が行われ、調整値が決定される。したがって、この後の測定においては、該当の波高分析器の波高値は調整された値が使用される。このようにドリフト補正係数が規格外である元素がある場合のみPHA調整試料を測定して波高分析器の波高値を調整するので、PHA調整試料の無駄な測定を省くことができる。
波高分析器の波高値の調整後は、再び標準化試料の分析を行い、ドリフト補正係数αを算出する(S7)。
【0024】
ドリフト補正係数αを算出した後は、X線分析位置における標準化試料をチェック試料に戻して、再度チェック分析を行う(S8)。チェック分析において、測定される蛍光X線の強度は、ドリフト補正を行わなければならない。ドリフト補正後の強度Ic は、チェック分析において測定されるX線強度Im およびドリフト係数αによって次式(2)で表される。
Ic =α×Im …(2)
チェック分析後は、このドリフト補正後の強度Ic を用いて、再びチェック試料の各成分の分析結果がそれぞれ予め設定した規格値内であるか否かを判別し(S9)、規格値外であれば、重度の障害が生じていると判断して表示画面42にメッセージを表示するなどのエラー出力を行う(S10)。
【0025】
ステップS2およびステップS9において、チェック試料のすべての成分の分析結果がそれぞれ予め設定した規格値内である場合は、バイアス修正量算出手段36が、チェック試料の各分析結果に予め設定した基準値と異なる分析結果の成分がある場合、その基準値と分析値とからバイアス修正量を算出する。具体的には、まず、チェック試料の各組成成分の分析結果に予め設定した基準値と異なる分析結果があるか否かを判別する(S11)。例えば、成分Siの分析値が1.02であって、規格1.0〜1.1%の範囲内であるが、Siの基準値1.05と異なれば、Siの分析値はたとえ規格値内であっても、僅かにずれていることになる。したがって、この分析値が基準値と等しくなければ、分析値を修正する必要があるため、バイアス修正を行う。
【0026】
バイアス修正量算出手段36は、基準値1.05および分析値1.02からバイアス修正量を算出する(S12)。基準値WS 、分析値WM 、およびバイアス修正係数Aとの関係は次式(3)で表される。なお、基準値WS は、化学分析によって測定される。
A=WS −WM …(3)
このように基準値および分析値からバイアス修正係数Aを算出することで、機器の経時変化によって生じるX線強度の僅かなずれを求めることができる。こうして分析値の微調整が行われるので、正確な分析値を得ることができる。本参考例においては、バイアス修正係数Aを(3)式で求めているが、次式(4)で表されるバイアス修正係数Bを求めてもよく、いずれを用いるかは対象とする成分の含有率などによって決定される。また、(3)式で修正可能な一定偏差誤差と(4)式で修正可能な一定比率誤差との両方があるときは、係数A,Bの両者が使用される。
B=WS /WM …(4)
【0027】
バイアス修正係数Aを算出した後は、X線分析位置に分析試料を固定して分析を開始する。分析試料の分析においては、測定される蛍光X線分析値は、バイアス修正を行わなければならない。バイアス修正後の分析値Wc は、(3)式でバイアス修正係数Aを求めた場合は分析試料の分析値Wm およびバイアス修正係数Aによって次式(5)で表され、(4)式でバイアス修正係数Bを求めた場合は分析試料の分析値Wm およびバイアス修正係数Bによって次式(6)で表される。
Wc =Wm +A …(5)
Wc =B×Wm …(6)
【0028】
チェック試料の各組成成分の分析結果がすべて予め設定した基準値と等しい場合、またはバイアス修正係数Aを算出した後は、分析試料の測定、つまり未知試料の分析を行う(S13)。
このように、上記のステップS1〜S12によって自動的に工程管理分析が行われて、分析精度が管理されるため、正確かつ迅速な工程管理分析が可能となる。
【0029】
次に、本発明の第2参考例にかかる蛍光X線分析装置について説明する。図3に示すように、第1参考例の蛍光X線分析装置と異なる点は、自動試料交換機を備えず、処理手段30は分析試料に近い既知の組成を持つチェック試料の各成分の分析結果がそれぞれ予め設定した規格値内であるか否かを判別するチェック分析結果判別手段31と、チェック試料に規格値外の成分がある場合、この規格値外の成分の標準化用として予め指定された標準化試料の試料名または試料識別用のコード番号を第2の記憶手段43から検索する標準化試料名検索手段37と、検索した標準化試料名と標準化試料を設定させるための作業ガイダンスとを出力手段42に出力する出力制御手段38とを有し、蛍光X線分析装置は標準化試料の試料名またはコード番号を記憶する第2の記憶手段43を備える点である。
【0030】
第2参考例にかかる蛍光X線分析装置の動作について図4のフローチャートを用いて説明する。まず、チェック分析を行い(S1)、チェック試料の各組成成分の分析結果がすべて予め設定した規格値内であるか否かを判別する(S2)。
【0031】
このチェック試料に規格値外の成分がある場合、標準化試料名検索手段37がこの規格値外の成分の標準化用として予め指定された標準化試料の試料名またはコード番号を第2の記憶手段43から検索する(S14)。この第2の記憶手段43には、用意されているすべての標準化試料の試料名またはコード番号および成分などが記憶されている。該当の標準化試料が検索されると、出力制御手段38が、検索した標準化試料名と標準化試料を設定させるための作業ガイダンスを出力手段である表示画面42に表示することで、作業者に対する指示を表示する(S15)。作業者は、この表示画面42に表示される標準化試料を設定させるための作業ガイダンスにしたがって作業をすればよく、表示画面42に表示される標準化試料名の標準化試料を多数用意されている標準化試料から選び設定すればよい。このように出力手段に標準化試料名またはコード番号と作業ガイダンスとが出力され、作業者は出力手段に表示される指示に従うだけであるため、作業者は標準化試料を調べたり、作業内容を覚えておく必要がなく、作業者の負担は少ない。
【0032】
ステップS2において、チェック試料のすべての成分の分析結果がそれぞれ予め設定した規格値内であるが、チェック試料の各分析結果に予め設定した基準値と異なる分析結果の成分がある場合は、第1参考例と同様にバイアス修正係数Aを算出して分析試料を測定する(S11〜S13)。
【0033】
参考例においては、標準化試料名またはコード番号と作業ガイダンスとは表示画面に出力するが、出力手段がプリンタであれば、印字によって作業者に対する指示を表示してもよい。
【0034】
次に、本発明の第実施形態にかかる蛍光X線分析装置について説明する。図5に示すように、第1参考例の蛍光X線分析装置と異なる点は、処理手段30は、分析試料の測定に際して、それまでの所定時間内にチェック試料が分析されたか否かを判別するチェック試料分析判別手段39と、それまでの所定時間内にチェック試料が分析されていなかった場合、自動試料交換機20によって該当するチェック試料をX線分析位置に移動させるチェック試料移動制御手段40と、自動試料交換機20の保管部21における各チェック試料の位置を記憶する第1の記憶手段41とを有することである。また、自動試料交換機20の固定テーブル21は、標準化試料ではなく、チェック試料を保管する。
【0035】
実施形態にかかる蛍光X線分析装置の動作について説明する。チェック試料分析判別手段39は計時手段を有しており、図6に示すように最後にチェック分析を行った時刻t1を記憶している。分析試料の測定に際して、チェック試料分析判別手段39がそれまでの所定時間、例えばT1の間にチェック試料が分析されたか否かを判別する。具体的には、現在の時刻t2と最後にチェック分析を行った時刻t1との時間間隔T2が、所定時間T1よりも長いか否かを判別する。ここで、所定時間T1よりも長ければ、チェック分析は行われなかったと判断される。所定時間内にチェック試料が分析されていなかった場合、チェック試料移動制御手段40が自動試料交換機20によって該当するチェック試料の測定を行う。
【0036】
具体的には、処理手段30が第1の記憶手段41に記憶されている試料名またはコード番号と試料の固定テーブル21上の試料位置との対応関係から、試料位置を読み出し、自動試料交換機20は、チェック試料移動制御手段40から試料位置を受け取ると、移動機構制御手段23が移動機構24を制御してアーム25がその位置のチェック試料3を掴み、測定部11の試料投入口15まで移送する。次に、コントローラ12で制御されるターレット14により試料台4上にセットされ、チェック試料のX線分析が行われる。
【0037】
チェック試料3の測定を行うと、処理手段30では、測定終了の時刻を記憶して、次回に分析試料を測定するときは、この時刻を最後にチェック分析が行われた時刻として用いる。
【0038】
このように、それまでの所定時間内にチェック試料が分析されたか否かを判別するので、作業者がチェック試料の測定を忘れて分析試料の測定を開始しようとしても、自動的にチェック試料の測定が行われて、チェック試料の測定なしに分析試料が測定されることを防止することができる。また、第1参考例と同様に自動試料交換機を用いることによって、正確かつ迅速にX線分析位置にチェック試料が移動され、作業者がチェック試料を探す必要はなくなるため、作業者には負担がかからない。
【0039】
次に、本発明の第実施形態にかかる蛍光X線分析装置について説明する。図7に示すように、第実施形態の蛍光X線分析装置と異なる点は、自動試料交換機を備えず、処理手段30はチェック試料分析判別手段39と、それまでの所定時間内にチェック試料が分析されていなかった場合、該当するチェック試料の試料名またはコード番号を第2の記憶手段43から検索するチェック試料名検索手段43と、検索したチェック試料名またはコード番号とチェック試料を設定させるための作業ガイダンスとを出力手段42に出力する出力制御手段38と分析試料に近い既知の組成を持つチェック試料の試料名またはコード番号を記憶する第2の記憶手段43とを有し、蛍光X線分析装置は出力手段である表示画面42を備える点である。
【0040】
実施形態にかかる蛍光X線装置においては、自動試料交換機20を備えていないので、第2参考例と同様、該当のチェック試料を検索すると、出力制御手段38が、検索したチェック試料名またはコード番号とチェック試料を設定させるための作業ガイダンスを出力手段である表示画面42に表示する。作業者は、この表示画面42に表示される作業ガイダンスにしたがって作業をすればよく、表示画面42に表示されるチェック試料名またはコード番号のチェック試料を多数用意されているチェック試料から選び設定すればよい。このように、チェック試料の測定を作業者が忘れて分析試料の測定を開始しようとしても、出力手段にチェック試料名またはコード番号と作業ガイダンスが出力されるため、チェック試料の測定なしに分析試料が測定されることを防止することができる。また、作業者は出力手段に表示される指示に従うだけなので、チェック試料を調べたり作業内容を覚えておく必要がなく、作業者の負担は軽減される。
【0041】
本発明の第1参考例または第2参考例の蛍光X線分析装置を第実施形態または第実施形態の蛍光X線分析装置と組み合わせて、チェック試料の測定なしに分析試料が測定されることを防止し、かつチェック分析の結果を自動的に判別する蛍光X線装置とすれば、さらに作業者の負担がなく工程管理分析が行われる。
【0042】
【発明の効果】
以上のように、本発明の第1の構成によれば、現在の時刻から最後に該当するチェック試料を測定した時刻までの時間が所定時間よりも長いかを調べ、所定時間よりも長い場合は自動的にチェック試料の測定を行う。したがって、作業者がチェック試料の測定を忘れて分析試料の測定を開始しようとしても、自動的にチェック試料の測定が行われて、チェック試料の測定なしに分析試料が測定されることを防止することができる。また、自動試料交換機を用いることによって、正確かつ迅速にX線分析位置にチェック試料が移動され、作業者がチェック試料を探す必要はなくなるため、作業者には負担がかからない。
【0043】
さらに、本発明の第の構成によれば、作業者がチェック試料の測定を忘れて分析試料の測定を開始しようとしても、出力手段にチェック試料名と作業ガイダンスが出力されて、チェック試料の測定なしに分析試料が測定されることを防止することができる。また、作業者は出力手段に表示される指示に従うだけなので、チェック試料を調べたり作業内容を覚えておく必要がなく、作業者の負担は軽減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の第1参考例にかかる蛍光X線分析装置を示す概略構成図であり、(b)はこの蛍光X線分析装置の一部である自動試料交換機の平面図、(c)は側面図である。
【図2】本発明の第1参考例にかかる蛍光X線分析装置における工程管理分析の処理を示すフロー図である。
【図3】本発明の第2参考例にかかる蛍光X線分析装置を示す概略構成図である。
【図4】本発明の第2参考例にかかる蛍光X線分析装置における工程管理分析の処理を示すフロー図である。
【図5】本発明の第実施形態にかかる蛍光X線分析装置を示す概略構成図である。
【図6】本発明の第実施形態および第実施形態の蛍光X線分析装置における工程管理分析の処理の時間間隔を示す説明図である。
【図7】本発明の第実施形態にかかる蛍光X線分析装置を示す概略構成図である。
【符号の説明】
3…試料、11…測定部、15…試料投入口、20…自動試料交換機、21…保管部、24…移動機構、31…チェック分析結果判別手段、32…標準化試料交換制御手段、33…ドリフト補正係数算出手段、34…ドリフト補正係数判別手段、35…PHA調整手段、36…バイアス修正量算出手段、37…標準化試料名検索手段、38…出力制御手段、39…チェック試料分析判別手段、40…チェック試料移動制御手段、41…第1の記憶手段、42…出力手段、43…第2の記憶手段

Claims (2)

  1. 試料にX線を照射し、試料から発生する蛍光X線を検出する測定部を備え、この測定部での検出結果から試料の分析を行う蛍光X線分析装置であって、
    分析試料に近い既知の組成を持つチェック試料が保管される保管部、およびこの保管部のチェック試料を前記測定部の試料投入口に移動させる移動機構を有する自動試料交換機と、
    分析試料の測定に際して、それまでの所定時間内にチェック試料が分析されたか否かを判別するチェック試料分析判別手段と、
    それまでの所定時間内にチェック試料が分析されていなかった場合、前記自動試料交換機によって該当するチェック試料を前記測定部の試料投入口に移動させるチェック試料移動制御手段と、
    前記自動試料交換機の保管部における各標準化試料の位置を記憶する記憶手段とを備えた蛍光X線分析装置。
  2. 試料にX線を照射し、試料から発生する蛍光X線を検出する測定部を備え、この測定部での検出結果から試料の分析を行う蛍光X線分析装置であって、
    作業者に対する指示を表示する出力手段と、
    分析試料に近い既知の組成を持つチェック試料の試料名を記憶する記憶手段と、
    分析試料の測定に際して、それまでの所定時間内にチェック試料が分析されたか否かを判別するチェック試料分析判別手段と、
    それまでの所定時間内にチェック試料が分析されていなかった場合、該当するチェック試料の試料名を前記記憶手段から検索するチェック試料名検索手段と、
    前記検索したチェック試料名とチェック試料を設定させるための作業ガイダンスとを前記出力手段に出力する出力制御手段とを備えた蛍光X線分析装置。
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