JP3634971B2 - 除湿機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転式除湿材等を備えた除湿機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の除湿機、例えば、回転式除湿材を備えた除湿機は図12及び図13に示すように構成するものであり、図12及び図13において、3は湿度交換器(以下除湿ローターと称す)であり、その湿度交換器3は駆動モーター等よりなる駆動機構(図示しない)にて回転駆動される。
【0003】
この除湿ローター3の吸湿部31に湿った被除湿空気32を吹き込み水分を吸湿剤に吸着させて除湿し乾燥された空気33とし、他方除湿ローター3の水分を吸着した吸湿剤に再生ヒーター34で加熱され高温となった再生空気35を送り込み、吸湿剤を加熱して水分を取り出して吸湿剤を再生し、暖かく湿った再生空気36をとりだすことができる。
【0004】
この吸湿剤に水分を吸着させる吸湿部31と、水分を吸着した吸湿剤を加熱して水分を吐き出させ、再生する再生部37とは、回転している除湿ローター3に湿った被除湿空気32と再生ヒーター34で加熱され高温となった再生空気35を吹き込む位置がその再生部37になるだけで、特に除湿ローター3に仕切りがあるわけではなく、除湿ローター3は繰り返し連続的に使用できる。
【0005】
吸湿した除湿ローター3の吸湿剤を再生させるため、電気ヒーターである再生ヒーター34にて再生空気を200°C〜250°Cに加熱した後、除湿ローター3に再生ファン8により送風し、加熱された再生空気35は除湿ローター3の吸湿剤から水分を受け取り、暖かく湿った空気36となり、凝縮器4にて冷却され、水分を結露させて排出する。結露水9は水受タンク10に導かれる。
【0006】
その水受タンク10の結露水を貯水する貯水タンク12は蓋(図示しない)を開けて収納し、蓋を閉めると揚水ポンプ11の駆動回路のスイッチがONし、水受タンク10に備えた水位を検知するフロートスイッチ(図示しない)が、水受けタンク10の所定の水位を検知すると、この水受けタンク10に備えられている揚水ポンプ11を運転し、揚水パイプ13を経て、蓋に併設されている給水口(図示しない)より、貯水タンク12の開閉弁(図示しない)を経て、結露水9を貯水タンク12に貯える。
【0007】
また、除湿能力を上げるために一定の熱量が必要となり、その熱源としての再生ヒーター34は、主に電気ヒーターを使用して再生空気温度を加温しているので、再生ファン8や除湿ローター3の駆動モータが回転しなくなったときは、再生経路の再生空気温度が異常に高温になるので、過熱防止サーミスタなどで各部の温度上昇を防ぐ安全装置があり、温度が上昇したときにはこの安全装置が動作して除湿運転を停止するシーケンスになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように構成してなる従来の除湿機であれば、除湿運転時に、再生ファンモータや除湿ローターの駆動モータが何らかの故障で、回転しなくなったときに、再生経路の再生空気温度が異常に高温になり、過熱防止サーミスタや温度ヒューズなどの安全装置が作動して、除湿運転を停止させるが、再生経路の再生ファンや除湿ローターおよび除湿経路の除湿ファンは回転しているため、除湿運転を停止していても、再生経路の再生ヒーター以後の再生空気温度が高い温度になっているために、この高い再生空気温度が除湿ローターの再生部に送りこまれてくるので、除湿ローターの再生部の前後の周辺部品の除湿ローターの枠や仕切板などの樹脂製部品が高い再生空気温度の熱によって変形をきたす恐れがある。
【0009】
本発明は、これらのことを鑑み、故障や異常状態が発生しても主要部品や樹脂製部品の熱による変形をなくし、復帰しても支障なく運転ができる除湿機を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の除湿機は上記課題を解決するために、本体内に吸湿器と凝縮器とを有し、凝縮器の外部を流れる通路と、吸湿器の吸湿部と、送風ファンとで吸湿経路を構成し、再生ヒータと、吸湿器の再生部と、再生ファンと、凝縮器の内部を流れる通路とで再生経路を備えた除湿機において、再生ファンの故障等により、再生経路の再生空気温度が異常な高温になると、再生経路の空気の流れを停止する手段を備えてなることを特徴とするものである。
【0011】
また、再生経路の空気の流れを停止する手段が送風手段を停止する手段であることを特徴とするものである。
【0012】
そして、再生経路の空気の流れを停止する手段の動作時に吸湿経路の送風ファンだけを回転することを特徴とするものである。
【0013】
さらに、再生経路の空気の流れを停止する手段が再生ヒータ及び再生ファンを停止する手段であることを特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の除湿機の実施の形態について図面とともに説明するが、上記従来例と、同じもの又は同等の機能のものについては、特に記載したものを除き、同じ符号を付して説明する。
【0015】
図1は本発明の実施の形態に係る除湿機の全体構成の説明図、図2は本発明の実施の形態に係る除湿機の主要構成の側面図、図3は本発明の実施の形態に係る除湿機の主要構成の正面図、図4は本発明の実施の形態に係る除湿機の除湿ローターの構成図、図5は図4の除湿ローターのA−A線の断面図、図6は本発明の実施の形態に係る除湿機の再生加熱部構造周辺の構成斜視図である。
【0016】
図7は本発明の実施の形態に係る除湿機の再生部周辺の構成斜視図、図8は本発明の実施の形態に係る除湿機の再生加熱部の構成図、図9は本発明の実施の形態に係る除湿機の制御シーケンス、図10は本発明の実施の形態に係る除湿機の揚水ポンプの駆動回路図、図11は本発明の実施の形態に係る除湿機の揚水ポンプの駆動パルスの説明図である。
【0017】
図4及び図5に示すように、除湿ローター3は、エレメント40と、ローター枠41と、枠押え42と、回転軸押え43とから構成されており、その除湿ローター3のエレメント40は、ダンボール紙などの帯状のシート状基材にゼオライト(吸湿剤)を溶かした溶剤を含浸して担持させた帯状平面シートの表面に、同じく基材にゼオライト等の吸湿剤を含浸担持させた帯状平面シートからなる高さ1mm〜1.5mm程度に波付け加工した波形シートを接着して一体化した片波成形体を巻回し、ローターにしたものである。
【0018】
また、上記ローター枠41は、図5に示すように、回転軸44と外枠45と、その両方を結ぶ格子状の抜き穴を形成した面とがつながり、外枠45の表面には除湿ローター3の駆動モータ18の回転力を伝達するベルトをかけるV字形の溝が形成されている。
【0019】
そして、除湿ローター3は、ローター枠41の凹状部分に、エレメント40を嵌め込み、回転軸44に回転軸押え43を、外枠45には枠押え42を螺子で固定して組み立てが完了する。
【0020】
また、再生ファン8は、図1乃至図8に示すように熱回収熱交換器5より再生空気を吸入し、ステンレス板金のケース6からなる再生ファン送風ダクト構造23、再生ヒーター34を通して、除湿ローター3の再生部37に加熱された再生空気35を送風するものである。
【0021】
この再生ファン送風ダクト構造23のケース6の側面にある開口部21に送り込まれた再生空気は図8に示すように、矢示Bと矢示Cの2つに分流し、矢示B側は遮熱板22のパンチング穴を通過して、矢示C側は遮熱板22のパンチング穴を通過後、再生ヒーター34にて加熱されて、それぞれ除湿ローター3の再生部37に送風される。再生ヒーター34は200Wのヒーターと、300Wのヒーターとからなり、200W、300W、500Wと、除湿能力に応じてワット数を切替える。
【0022】
そして、凝縮器4、熱回収熱交換器5は共に、半透明のポリプロピレン樹脂を用いたブロー成型品であり、半透明であるから、凝縮器4や熱回収熱交換器5の内部で再生空気が結露している様子が外部から目視で確認できる。
【0023】
次に除湿機の構造を図1乃至図7により説明する。
【0024】
各構成部品は吸湿剤を担持した除湿ローター3、この除湿ローター3に再生空気35を送る再生ファン8の取り付け部、再生ヒーター34、再生ファン送風ダクト構造1のステンレス板金からなるケース6、除湿ローター3を回転させる駆動モーター18、除湿ファン16、貯水タンク12、貯水タンクの着脱時にガイドとなるタンクガイド等一部の構造を除き、大半は樹脂成型品で構成し、凝縮器4、熱回収熱交換器5等も通常なら金属製であるが、樹脂成型品で構成して製品重量の軽減化に努めている。
【0025】
そして、底板13には、図2に示すように、仕切り板14を立てて、製品構造の基本とし、この仕切り板14の前方、後方、上方にそれぞれ機能部品を配置して、頑丈でコンパクトな除湿機としている。
【0026】
上記仕切り板14と再生ボックス17とで除湿ローター3を両側から挟み込み、仕切り板14の中央部の軸に、除湿ローター3を軸支し、除湿ローター3を回転駆動する駆動モーター18は再生ボックス17に取り付けられ、除湿ローター3の外周には歯車を設け、この歯車にベルトをかけ、駆動モーター18のギアで減速された回転軸からの動力で除湿ローターはゆっくりと回転する。
【0027】
そして、図6に示すように、仕切り板14に、除湿ローター3と、熱回収熱交換器5と、再生ファン8と、内部に再生ヒーター34を組み込み、ケース6を備えた再生ファン送風ダクト構造23とを、それぞれ固定した状態を本体後部側から見た斜視図を示している。
【0028】
上記除湿ローター3の再生部37を通過した再生空気36は再生ボックス17にて漏斗のように1箇所に集められ、凝縮器4の再生空気取入口に送り込まれ、除湿ローター3の前方には、凝縮器4を再生ボックス17に固定し、凝縮器4の前方には、着脱可能なフィルター7、グリル26を備えた製品前面の外観部となる前板24を設け、前板24は底板25を挟んで後板27に固定している。
【0029】
また、送風機仕切り板46には、除湿ファン15のモーター47を固定し、このモーター軸にシロッコファン48を装着する。そして、送風機仕切り板46は除湿ファン15のシロッコファン48のファンケーシングの一部を構成し、後板27に構成されているシロッコファン48(除湿ファン15)のファンケーシングの一部とで、嵌合させてシロッコファン48のファンケーシングを構成したものである。
【0030】
そして、除湿ファン16の送風により、室内から被除湿空気32を吸い込み、グリル16のフィルター7で粗いゴミを除き、凝縮器4を冷却し暖かくて湿気を含んだ再生空気36を凝縮し、結露水9として水分を取り出すと共に、除湿ローター3の除湿部31にて被除湿空気32の水分を吸湿剤に吸収させて乾燥空気33とし、除湿ローター3で暖められた熱を熱回収熱交換器5にて再生空気に回収し、後板27の上部にある吹出口30から乾燥空気33を室内へ吹き出す。
【0031】
上記除湿ローター3は駆動モーター23で回転されており、被除湿空気32が通過する除湿部31と熱風35が通過する再生部37は少しづつ回転移動しており、吸湿してもまた再生され、連続的に使用可能である。また、吸湿した除湿ローター3の吸湿剤を再生させるため、電気ヒーターである再生ヒーター34にて再生空気35を200°C〜250°Cに加熱した後、除湿ローター3に再生ファン8により送風する。
【0032】
そして、加熱された再生空気35は除湿ローター3の吸湿剤から水分を受け取り、暖かく湿った空気36となり、凝縮器4にて冷却され、水分を結露させて排出して、結露水9が水受タンク10に導かれる。また、水受タンク10には水位を検知するフロートスイッチ(図示しない)を備え、所定の水位を検知すると、備えられている揚水ポンプ11を運転し、揚水チューブ18を経て貯水タンク12に結露水9を蓄える。
【0033】
そして、揚水ポンプ11は、図10及び図11に示すように、マイクロコンピュータ28からの出力パルス信号により、第1トランジスタ38をON/OFFすることにより第2トランジスタ39をON/OFFして駆動回路を動作させ揚水ポンプ11を動作させて、水受けタンクの10水を吸い上げて貯水タンク12に溜める。
【0034】
このときの揚水ポンプ11を駆動させるために与えるパルスを、運転初期に、通常の除湿運転時のパルス幅10.24msecを15.0msecにし、周期149.5msecは変えずに1秒間だけ揚水ポンプ11を動作させ、それ以後は通常の除湿運転のパルス幅で動作させることにより、揚水ポンプ11の摺動部の動きがスムーズになり、微細なごみなども排出される。
【0035】
従って、貯水タンクに水を送る揚水ポンプの駆動回路で運転初期のパルス幅を大きくすることにより、摺動部の固着やごみ溜まりをなくすことができる。そのために、例えば、長期間運転されずに保管されていたとき、揚水ポンプの摺動部の動きが一時的に停止する恐れを防止することができる。
【0036】
また、除湿運転時に、万一、再生ファン8が回らなかったり、除湿ローター3の駆動モータ18の故障などで除湿ローター3が回らなかったりしたときには、再生経路の再生空気温度が異常に高温になり、除湿ローター3の再生部近傍にある再生ボックス17に取付けられている過熱防止サーミスタ29が高温の再生空気を検知して、除湿運転を停止する。
【0037】
そして、この除湿運転が停止したときに、図9に示すように、吸湿経路の除湿ファン16のみが回って、再生経路の再生ヒータ34はOFF状態、再生ファン8と除湿ローター3も停止するために、再生経路の高温の再生空気が除湿ローター3側へ流れないので、除湿ローター3の枠や周辺部の樹脂製部品の熱による変形を防止することができる。
【0038】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでない。
【0039】
【発明の効果】
本発明に係る除湿機は、本体内に吸湿器と凝縮器とを有し、凝縮器の外部を流れる通路と、吸湿器の吸湿部と、送風ファンとで吸湿経路を構成し、再生ヒータと、吸湿器の再生部と、再生ファンと、凝縮器の内部を流れる通路とで再生経路を備えた除湿機において、万一、再生ファンや除湿ローターが故障して停止したときに、再生経路の再生空気温度が異常な高温になり、その高温の再生空気温度を検知して除湿運転を停止し、再生経路の再生ヒータをOFF、送風手段の再生ファンや除湿ローターを停止させ、再生空気の流れをストップし、吸湿経路の送風ファンだけを回転する制御方法にすることにより、除湿ローターの再生部に高温の再生空気が送り込まれることなく、除湿ローター周辺の除湿ローターの枠や仕切板などの樹脂部品の熱による変形を防止ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る除湿機の全体構成の説明図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る除湿機の主要構成の側面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る除湿機の主要構成の正面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る除湿機の除湿ローターの構成図である。
【図5】図4の除湿ローターのA−A線の断面図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る除湿機の再生加熱部構造周辺の構成斜視図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る除湿機の再生部周辺の構成斜視図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る除湿機の再生加熱部の構成図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る除湿機の制御シーケンスの説明図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る除湿機の揚水ポンプの駆動回路図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る除湿機の揚水ポンプの駆動パルスの説明図である。
【図12】従来の除湿ローターを用いた回転式空気除加湿システムの説明図である。
【図13】従来の除湿機の全体構成説明図である。
【符号の説明】
1 本体
2 蓋
3 除湿ローター
4 凝縮器
5 熱回収熱交換器
6 ケース
7 フィルター
8 再生ファン
9 結露水
10 水受タンク
11 揚水ポンプ
12 貯水タンク
13 揚水パイプ
14 仕切板
15 給水口
16 除湿ファン
17 再生ボックス
18 駆動モーター
21 開口部
22 遮熱板
23 再生ファン送風ダクト構造
24 前板
25 底板
26 グリル
27 後板
28 マイクロコンピュータ
29 過熱防止サーミスタ
30 吹出口
31 吸湿部
32 被除湿空気
33 乾燥された空気
34 再生ヒータ
35 高温の再生空気
36 湿った再生空気
37 再生部
38 第1トランジスタ
39 第2トランジスタ
Claims (1)
- 本体内に回転する吸湿器と凝縮器とを有し、凝縮器の外部を流れる通路と、吸湿器の吸湿部と、送風ファンとで吸湿経路を構成し、再生ヒータと、吸湿器の再生部と、再生ファンと、凝縮器の内部を流れる通路とで再生経路を構成する除湿機において、再生経路の再生空気温度が異常な高温になると、再生ヒータ、再生ファンおよび吸湿器の駆動を停止し、送風ファンだけを駆動することを特徴とする除湿機。
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Cited By (2)
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