JP3857809B2 - 除湿機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転式除湿材を備えた除湿機構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の回転式除湿材を備えた回転式空気除加湿システムについて図12を用いてを説明する。湿度交換器(以下除湿ローターという)3を不図示の駆動モーター等で回転させる。この除湿ローター3の吸湿部31に湿った被除湿空気32を吹き込み水分を吸湿剤に吸着させて除湿し乾燥された空気33とし、他方除湿ローター3の水分を吸着した吸湿剤に再生ヒーター34で加熱され高温となった再生空気35を送り込み、吸湿剤を加熱して水分を取り出して吸湿剤を再生し、暖かく湿った再生空気36をとりだすことができる。
【0003】
吸湿剤に水分を吸着させる除湿部31と、水分を吸着した吸湿剤を加熱して水分を吐き出させ、再生する再生部37とは、回転している除湿ローター3に湿った被除湿空気32と再生ヒーター34で加熱され高温となった再生空気35を吹き込む位置がその再生部になるだけで、特に除湿ローター3に仕切りがあるわけではなく、除湿ローター3は繰り返し連続的に使用できる。また除湿としても、逆に加湿としても利用できる。
【0004】
このような回転式除湿材(除湿ローター3)を備えた除湿機は、圧縮機を備えた冷凍サイクル方式の除湿機に比べて、振動がなく、音が静かで、製品形状が小さく、重量も軽い、かつ低湿度にても除湿能力がある等の特徴を有し、コンパクトな製品となし得て、壁掛け等にも使用できる利点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、製品形状が小さく、重量も軽い、回転式除湿材を備えた除湿機の特徴を活かし、さらに除湿効率のよくコンパクトで頑丈な製品構造を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の除湿機は上記課題を解決するために、仕切り板に軸支された回転式除湿材と、前記回転式除湿材を通過した再生用空気を冷却し結露させる凝縮器ととを備え、被除湿空気が前記凝縮器を冷却してから前記回転式除湿材を通過するように、被除湿空気を吸引する除湿用送風機を設けて、前記回転式除湿材を前記凝縮器と前記除湿用送風機との間に配置したもので、吸湿した回転式除湿材に再生用空気を吹きかけ、回転式除湿材から水分を取り出して回転式除湿材を再生させ、回転式除湿材から水分を奪った湿った空気を凝縮器にて冷却して結露させるものである。
【0007】
また、前記除湿用送風機により吸引され前記回転式除湿材の通過で暖められた被除湿空気を用いて、前記回転式除湿材を前記凝縮器側に通過させる再生用空気を加熱するようにして熱回収する熱交換器を設けたものである。
【0008】
また、本発明の除湿機は、仕切り板に軸支された回転式除湿材と、ケースの内部にヒーターを収納して該ヒーターで加熱した再生用空気を前記回転式除湿材に送風するための再生用空気加熱部と、該再生用空気加熱部から送風され前記回転式除湿材を通過した再生用空気を冷却し結露させる凝縮器とを備え、前記回転式除湿材を前記再生用空気加熱部と前記凝縮器との間に配置したものである。
【0009】
また、前記再生用空気加熱部のケース内に再生用空気を送り込むための開口部を前記ケースの送風面に対して側方に形成すると共に、前記開口部へ再生用空気を送り込むための再生用送風機を前記ケースの送風面に対して側方に配置して前記開口部に連結し、前記ケース内で前記開口部と前記ヒーター収納部との間に空間を設けて、加熱量の異なる再生用空気を前記ケースの送風面から前記回転式除湿材に送風するように構成したものである。
【0010】
また、被除湿空気が前記凝縮器を冷却してから前記回転式除湿材を通過するように被除湿空気を吸引する前記除湿用送風機を設けると共に、該除湿用送風機により吸引され前記回転式除湿材の通過で暖められた被除湿空気を用いて前記再生用空気加熱部に送り込む再生用空気を加熱するようにして熱回収する熱交換器を設けたものである。
【0011】
また、前記除湿用送風機のモーターを固定する送風機固定用板を前記仕切り板に固定し、前記送風機固定用板と当該除湿機の本体ケースを構成する板部材とで前記除湿用送風機のファンケーシングを構成したものである。
【0012】
本発明によれば、仕切り板に回転式除湿材を軸支して、製品構造の基本とし、この仕切り板の前方、後方にそれぞれ機能部品を配置して、コンパクトであり、且つ、回転式除湿材を通過した再生用空気を冷却し結露させる凝縮器を備えた構成としたもので、除湿効率の高い除湿機を提供できる。
すなわち、凝縮器を備えた除湿効率の高い除湿機で、被除湿空気が凝縮器を冷却してから回転式除湿材を通過するように、被除湿空気を吸引する除湿用送風機を設けて、回転式除湿材を凝縮器と除湿用送風機との間に配置することにより、コンパクトな構成とすることができる。
また、凝縮器を備えた除湿効率の高い除湿機で、回転式除湿材を再生用空気加熱部と凝縮器との間に配置することにより、コンパクトな構成とすることができる。
【0013】
また、再生用空気加熱部のケース側面に開口部を設け、そのケースの側方に開口部へ再生用空気を送り込むための再生用送風機を配置して開口部に連結し、ケース内で開口部とヒーター収納部との間に空間を設けたので、加熱量の異なる再生用空気を回転式除湿材に送風するようにしても、コンパクトな構成とすることができる。
【0014】
また、被除湿空気が凝縮器を冷却してから回転式除湿材を通過するように被除湿空気を吸引する除湿用送風機を設けると共に、除湿用送風機により吸引され回転式除湿材の通過で暖められた被除湿空気を用いて回転式除湿材を凝縮器側に通過させる再生用空気を加熱するようにして熱回収する熱交換器を設けたので、再生用空気を加熱する再生用ヒーターの電力を削減できる。
【0015】
また、除湿用送風機のモーターを固定する送風機固定用板を仕切り板に固定し、送風機固定用板と当該除湿機の本体ケースを構成する板部材とで除湿用送風機のファンケーシングを構成したので、コンパクトな構成とすることができ、ファンケーシングに吸い込む空気で、モーターを冷却する効果ある。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る除湿ローターの実施の形態について、以下説明する。なお、従来の技術欄にて記載したものと、同じもの又は同等の機能のものについては、特に記載したものを除き、同じ符号を使用して説明する。
【0019】
図1は本発明実施の形態に係る除湿機の全体構成説明図である。除湿ローター3のエレメントはダンボール紙などの帯状のシート状基材にゼオライト(吸湿剤)を溶かした溶剤を含浸して担持させた帯状平面シートの表面に、同じく基材にゼオライト等の吸湿剤を含浸担持させた帯状平面シートからなる高さ1mm〜1.5mm程度に波付け加工した波形シートを接着して一体化した片波成形体を巻回し、ローターにしたものであり、ハニカムローターと称され、ゼオライト(吸湿剤)を基材の表面は勿論その内部にまで担持させている。ゼオライトには潮解現象がなく、結晶質で安定した細孔構造を持ち、水分吸着に対して劣化が少なく、長期間安定した吸湿作用を有する。
【0020】
被除湿空気32は除湿ファン15に吸引され、フィルター7で粗いゴミを取り去り、凝縮器4を通過し、後述のように、暖かく湿った凝縮器4内部の再生空気36を冷却し、再生空気中の水分を結露させる。凝縮器4を通過した被除湿空気32は除湿ローター3を通過し、吸湿剤に吸湿させ、乾燥空気33となり、熱回収熱交換器5にて熱回収後、室内に放出される。
【0021】
吸湿した除湿ローター3の吸湿剤を再生させるため、電気ヒーターである再生ヒーター34にて再生空気を200℃〜250℃に加熱した後、除湿ローター3に再生ファン8により送風する。加熱された再生空気35は除湿ローター3の吸湿剤から水分を受け取り、暖かく湿った空気36となり、凝縮器4にて冷却され、水分を結露させて排出する。結露水9は水受タンク10に導かれる。水受タンク10には水位を検知するフロートスイッチを備え、所定の水位を検知すると、備えられている揚水ポンプ11を運転し、揚水チューブ28を経て貯水タンク12に結露水9を蓄える。
【0022】
図示していないが、貯水タンク12が設置される底には、水位をその重量にて検知する重量スイッチを備え、満水を検知すると、機器の運転を止め、貯水タンク満水の表示をする。重量スイッチはバネとマイクロスイッチで構成され、貯水タンク12の重量が所定値より重たくなると、バネに抗してマイクロスイッチを押すものである。
【0023】
除湿ローター3は駆動モーター18で回転されており、被除湿空気32が通過する除湿部31と熱風35が通過する再生部37は少しづつ回転移動しており、吸湿してもまた再生され、連続的に使用可能である。
【0024】
除湿ローター3に熱風35が通過し少しづつ回転移動するため、除湿ローター3は暖められている。ここに被除湿空気32が通過するため、通過後の暖められた乾燥空気33より、熱回収熱交換器5に熱を回収する。熱回収熱交換器5の内部には凝縮器4で結露水9を排出した後の再生空気が通過し、暖められた分だけ、再生ヒーター34の電力を節約できる。再生空気は上記のように、閉回路になって、繰り返し使用されている。
【0025】
次に上記構成の除湿機を、除湿効率が良く、除湿量の割りには製品形状が小さくコンパクトで、重量も軽く、頑丈な製品とした構造について説明する。図2は本発明の除湿機の実施の形態に係る側面断面図で、図3は上面より見た平面断面図、図4は前面より見た正面図で、主要部品の配置を説明するための説明用略図である。
【0026】
以下、図2〜図4を参照しながら、除湿機の構造を説明する。各構成部品は吸湿剤を担持した除湿ローター3、この除湿ローター3に再生空気35を送る再生ファン8の取り付け部、再生ヒーター34、再生ファン送風ダクト構造1のステンレス板金からなるケース6、除湿ローター3を回転させる駆動モーター18、除湿ファン15、貯水タンク12、貯水タンクの着脱時にガイドとなるタンクガイド等一部の構造を除き、大半は樹脂成型品で構成している。凝縮器4、熱回収熱交換器5等も通常なら金属製であるが、樹脂成型品で構成して製品重量の軽減化に努めている。
【0027】
底板13には仕切り板14を立てて、製品構造の基本とし、この仕切り板14の前方、後方、上方にそれぞれ機能部品を配置して、頑丈でコンパクトな除湿機としている。
【0028】
仕切り板14と再生ボックス17とで除湿ローター3を両側から挟み込み、仕切り板14の中央部の軸に、除湿ローター3を軸支する。除湿ローター3を回転駆動する駆動モーター18は再生ボックス17に取り付けられる。除湿ローター3の外周には歯車を設け、この歯車と噛み合うプーリーで駆動モーター18のギアで減速された回転軸からの動力で除湿ローターはゆっくりと回転する。
【0029】
図5に仕切り板14に、除湿ローター3と、熱回収熱交換器5と、再生ファン8と、内部に再生ヒーター34を組み込み、ケース6を備えた再生ファン送風ダクト構造1とを、それぞれ固定した状態を本体後部側から見た斜視図を示している。また、図6に凝縮器4を本体後部側から見た斜視図を、図7にその正面図を、図8にHHの断面図を、図9にIIの断面図を示している。また、図10に内部に再生ヒーター34を組み込み、ケース6を備えた再生ファン送風ダクト構造1の除湿ローター3側より見た正面図を、図11に図10のA−A断面図を示している。
【0030】
軸支される除湿ローター3に対応する仕切り板14の部分は空気が流れるように、骨組みのみで残りは開口部分としている。但し、除湿ローター3の再生部37に再生空気35を送る再生ファン8の取り付け部を仕切り板14側に設け、再生ヒーター34、ステンレス板金のケース6からなる再生ファン送風ダクト構造1を備えている。そして除湿ローター3の再生部37を通過した再生空気36を受け、凝縮器に送り込む送風ダクト構造を再生ボックス17で果たしている。なお仕切り板14、再生ボックス17は共に、カルプ入りのポリプロピレン耐熱樹脂成型品である。
【0031】
閉回路となっている再生空気のサイクルについて説明する。再生ファン8によって再生ファン送風ダクト構造1のケース6の側面にある開口部39に送り込まれた再生空気は図10に示すように、矢示Bと矢示Cの2つに分流し、矢示B側は遮熱板40のパンチング穴45を通過して、矢示C側は遮熱板40のパンチング穴45を通過後、再生ヒーター34にて加熱されて、それぞれ除湿ローター3の再生部37に送風される。
【0032】
除湿ローター3は回転しているから、矢示Cの熱風35で暖められ、余熱の有る処へ、矢示Bの再生空気を通過させるものである。なお、再生ヒーター34は100V−200Wのヒーター43と、100V−300Wのヒーター44とからなり、200W、300W、500Wと選択して使用できる。
【0033】
遮熱板40は段付部41を持ったパンチング穴45の開いたステンレス鋼板で、パンチング穴径で送風量を調整する機能と、再生ヒーター34の遮熱機能及び輻射熱を除湿ローター3側へ反射させる機能とを持ったものである。矢示B側の遮熱板40とケース6の間隔D、矢示C側の遮熱板40とケース6の間隔E、遮熱板40の段付部41の長さFによっても、矢示Bと矢示Cの分流を調整でき、遮熱板40のパンチング穴45の外径を変えた穴を適宜箇所に用いることによって送風分布の均一化を図ることもできる。
【0034】
除湿ローター3の再生部37を通過した再生空気36は再生ボックス17にて漏斗のように1箇所に集められ、凝縮器4の再生空気取入口42に送り込まれる。凝縮器4はジフェニルエーテル類、N−ハロアルキルチオ類、ベンズイミダゾル類、有機砒素類、アルミナシリカ含水金属類の抗菌剤のうちのいずれか1種類又は2種類以上を添加された半透明のポリプロピレン樹脂を用いたブロー成型品からなる2枚の凝縮器46、47を重ねて構成されており、再生空気取入口42、48、再生空気排出口29、49は重ねられるように同じ位置に設けられており、それぞれパッキン50を介して連結されている。
【0035】
また図9に示すように、凝縮器46、47の略上下方向被凝縮流体通過管52と各通過管52の間の空間部53をそれぞれ左右に平行にずらした位置に配置しているため、凝縮器46の空間部53を通過した、被除湿空気32が次の凝縮器47では被凝縮流体通過管52に遭遇し、凝縮効率を高めている。凝縮器46、47は弾性を有するコの字状の金属バネ板材51で結合固定している。凝縮器46、47は上部に2箇所の取付穴63で再生ボックス17にネジにて固定され、下部の取付穴64で底板13にネジにて固定されている。
【0036】
再生空気取入口42から取り入れられる再生空気36は、2枚の凝縮器46、47の再生空気取入口42、48からそれぞれの上部水平管54を経て、略上下方向被凝縮流体通過管52に分流される。上部から下部へ至る間で2本の水平管により再生空気は分流量を調整されて、下部水平管56にて合流し、再生空気排出口29、49にて合体し、熱回収熱交換器5の再生空気取入口30に送り込まれる。
【0037】
凝縮器46、47の略上下方向被凝縮流体通過管52等を通過する間に凝縮されて発生した結露水9は凝縮器46、47の結露水排出口57、58に導かれ結露水排出管59を経て水受タンク10に集められ、フロートスイッチが所定水位を感知すると、揚水ポンプ11にて揚水チューブ28を通過して最終的に貯水タンク12に運ばれる。このようにして閉回路の再生用空気から水分を取り出している。
【0038】
熱回収熱交換器5の再生空気取入口30に送り込まれた再生空気は図5に示すように、凝縮器46、47同様に構成された下部水平管を経て略上下方向被凝縮流体通過管に分流される。途中、水平管で分流量を調整されて、上部水平管にて合流し、熱回収熱交換器5の再生空気排出口38より再生ファン8に吸い込まれる。モーター61により駆動される再生ファン8のファンケーシング60を経て再生ファン送風ダクト構造1のケース6の開口部39に吹き出される。
【0039】
熱回収熱交換器5にても、余熱の有る除湿ローター3を通過後の暖められた乾燥空気33に触れない部分では、一部凝縮し、結露水が発生する。この結露水は熱回収熱交換器5の結露水排出口2に導かれ、結露水排出管59を経て水受タンク10に集められる。
【0040】
除湿ローター3の前方には、凝縮器4を再生ボックス17に固定し、凝縮器4の前方には、着脱可能なフィルター7、グリル16を備えた、製品前面の外観部となる、前板19を設けている。前板19は底板13を挟んで後板20に固定している。
【0041】
除湿ローター3の湿気を吸収した吸湿剤を再生させるために、再生ヒーター34で暖められ熱風となった再生空気35を除湿ローター3に加える。このため除湿ローター3は暖められている。そこへ被除湿空気32を通過させるため、この空気は除湿ローター3より熱を受け取り暖かくなっている。その熱を回収することなく、そのまま放出するのは勿体ない。そこで除湿ローター3の後方に、熱回収熱交換器5を備え、再生空気に熱を回収し、再生ヒーター34の電力削減を図っている。
【0042】
熱回収熱交換器5は除湿ローター3の外径の外側で略四角形の本体のコーナー部にある、凝縮器4の再生空気排出口29に連結して、凝縮器4と接続し、凝縮後の再生空気を受け取り、除湿ローター3からの熱を一部回収している。凝縮器4からの再生空気は熱回収熱交換器5でも、例えば余熱の有る除湿ローター3を通過後の暖められた乾燥空気33に触れない部分等では、一部凝縮し、結露水が発生するため、下方に結露水排出口2を設け、この結露水をも前記水受タンク10に受け、閉回路の再生用空気から水分を取り出している。
【0043】
凝縮器4、熱回収熱交換器5は共に、半透明のポリプロピレン樹脂を用いたブロー成型品であり、後加工で固定用のネジ穴、凝縮器4の再生空気排出口29、熱回収熱交換器5の再生空気取入口30、再生ファン8への再生空気排出口38、結露水排出口2等をあけている。半透明であるから、凝縮器4や熱回収熱交換器5の内部で再生空気が結露している様子が外部から目視で確認できる。熱回収熱交換器5の内、除湿後の乾燥空気33があたる部分は除湿ローター3からの熱で結露水が発生せず、乾燥空気33の空気流の無い部分に結露が見られることから、熱回収の様子が目視できる。
【0044】
熱回収熱交換器5は先に述べた仕切り板14、その後側に除湿ローター3の再生部37に再生空気35を送る再生ファン8を設置し、熱回収熱交換器5に固定している。再生ファン8は熱回収熱交換器5より再生空気を吸入し、ステンレス板金のケース6からなる再生ファン送風ダクト構造1、再生ヒーター34を通して、除湿ローター3の再生部37に加熱された再生空気35を送風するものであり、熱回収熱交換器5のように除湿ローター3のすぐ後に備える必要はないからである。
【0045】
なお、再生ファン送風ダクト構造1、再生ヒーター34は除湿ローター3のすぐ後の仕切り板14に固定し、再生空気35を吹きかけられる除湿ローター3の部分が再生部37となる。
【0046】
また、熱回収熱交換器5の後に送風機仕切り板21を設け、仕切り板14に固定している。送風機仕切り板21には、除湿ファン15のモーター22を固定し、このモーター軸にシロッコファン23を装着している。送風機仕切り板21は除湿ファン15のシロッコファン23のファンケーシングの一部を構成し、後板20に構成されているシロッコファン23(除湿ファン15)のファンケーシングの一部とで、嵌合させてシロッコファン23のファンケーシング65(図4参照)を構成したものであるから、頑丈な構造となる。後板20の上部にはファンケーシングからの吹出口24を設け、除湿後の乾燥空気33の吹き出し口24としている。
【0047】
また送風機仕切り板21に、除湿ファン15のモータ22を固定し、シロッコファン23(除湿ファン15)のファンケーシングの一部を構成しているため、ファンケーシングに吸い込む空気で、除湿ファン15のモーター22を冷却し、さらにこの除湿ファン15の吸引により、除湿ローター3を回転させるモーター、仕切り板14の上方の制御回路基盤等からの発熱部品をも冷却させる効果がある。
【0048】
除湿ファン15の送風により、室内から被除湿空気32を吸い込み、グリル16のフィルター7で粗いゴミを除き、凝縮器4を冷却して、暖かくて、湿気を含んだ再生空気36を凝縮し、結露水9として水分を取り出すと共に、除湿ローター3の除湿部31にて被除湿空気32の水分を吸湿剤に吸収させて乾燥空気33とし、除湿ローター3で暖められた熱を熱回収熱交換器5にて再生空気に回収し、後板20の上部にある吹出口24から乾燥空気33を室内へ吹き出す。
【0049】
仕切り板14、凝縮器4の上方には制御回路基板、操作部、表示部を備えた天板25を仕切り板14に上部よりネジ止めして固定し、この天板25は本体下部の底板13と共に、後板20を前板19にネジ止め固定するときに挟みこみ固定している。
【0050】
本体を前面から見て、仕切り板14の右側には、貯水タンク12を本体上部の天板25の開口部26から着脱自在に挿入設置されている。天板25の開口部26には蓋27が開閉自在に設置されていて、閉じたときには、水受タンク10に設置されている揚水ポンプ11からの除湿水が貯水タンク12に流れ込むように、揚水チューブ28の先端が貯水タンク12の開閉弁を押す。蓋27を開けると、揚水チューブ28の先端が離れるため開閉弁を閉じる。
【0051】
なお、揚水チューブ28の先端は蓋27の構造物でガードされているため、正確には蓋27が開閉弁を押し、弁を開閉している。また蓋27の開閉にてON−OFFするマイクロスイッチが設置されており、蓋27が開けられると、揚水ポンプ11への通電も停止される。また、貯水タンク12には持ち運びが容易なように、取っ手が設けられている。
【0052】
天板25の内部で、仕切り板14、再生ボックス17、凝縮器4の上方には制御回路基盤及び操作部62を天板25に設け、天板25の上方から操作でき、制御回路基盤の表示部を見ることができる。また、本体の持ち運びのために、天板25に取っ手が設けられている。
【0053】
底板13には垂直方向に貫通穴を一切設けていない。万一、水受タンク等から、水が漏れることがあっても、本体外部に漏らさないためである。上下方向にネジ止めが必要なときは、ネジ穴を貫通させることなく、袋状のネジ穴とし、水平方向にネジ穴が必要なときには、樹脂成型金型において、スライドコアにて穴をあけている。なお本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。
【0054】
【発明の効果】
本発明に係る除湿機は、仕切り板に回転式除湿材を軸支して、製品構造の基本とし、この仕切り板の前方、後方にそれぞれ機能部品を配置して、コンパクトであり、且つ、回転式除湿材を通過した再生用空気を取り入れて冷却し結露させる凝縮器を備えた構成としたもので、除湿効率の高い除湿機を提供できる。
【0055】
また、再生用空気加熱部のケース側面に開口部を設け、そのケースの側方に開口部へ再生用空気を送り込むための再生用送風機を配置して開口部に連結し、ケース内で開口部とヒーター収納部との間に空間を設けたので、加熱量の異なる再生用空気を回転式除湿材に送風するようにしても、コンパクトな構成を実現できる。
【0056】
また、被除湿空気が凝縮器を冷却してから回転式除湿材を通過するように被除湿空気を吸引する除湿用送風機を設けると共に、除湿用送風機により吸引され回転式除湿材の通過で暖められた被除湿空気を用いて回転式除湿材を凝縮器側に通過させる再生用空気を加熱するようにして熱回収する熱交換器を設けたので、再生用空気を加熱する再生用ヒーターの電力を削減できる。
【0058】
また、除湿用送風機のモーターを固定する送風機固定用板を仕切り板に固定し、送風機固定用板と当該除湿機の本体ケースを構成する板部材とで除湿用送風機のファンケーシングを構成したので、コンパクトな構成とすることができ、モーターを冷却する効果ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施の形態に係る除湿機の全体構成説明図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る除湿機の側面断面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る除湿機の上面より見た平面断面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る除湿機の前面より見た正面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る除湿機の仕切り板への各種部品の固定状態を本体後部側から見た斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る除湿機の凝縮器を本体後部側から見た斜視図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る除湿機に使用している凝縮器の正面図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る図7のH−H断面図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る図7のI−Iの断面図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る除湿機の再生ファン送風ダクト構造の除湿ローター側より見た正面図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る図10のA−A断面図である。
【図12】従来の除湿ローターを用いた回転式空気除加湿システムを説明する図面である。
【符号の説明】
3 除湿ローター(回転式除湿材)
4 凝縮器(凝縮器46、47を重ねたもの)
5 熱回収熱交換器
7 フィルター
10 水受タンク
11 揚水ポンプ
12 貯水タンク
13 底板
14 仕切り板
15 除湿ファン(送風機)
16 グリル
20 後板
22 (除湿ファン(送風機)15の)モーター
24 (乾燥空気33の)吹出口
25 天板
62 制御回路基盤及び操作部
65 (除湿ファン(送風機)15の)ファンケーシング

Claims (6)

  1. 仕切り板に軸支された回転式除湿材と、
    前記回転式除湿材を通過した再生用空気を冷却し結露させる凝縮器とを備え、
    被除湿空気が前記凝縮器を冷却してから前記回転式除湿材を通過するように、被除湿空気を吸引する除湿用送風機を設けて、前記回転式除湿材を前記凝縮器と前記除湿用送風機との間に配置したことを特徴とする除湿機。
  2. 前記除湿用送風機により吸引され前記回転式除湿材の通過で暖められた被除湿空気を用いて、前記回転式除湿材を前記凝縮器側に通過させる再生用空気を加熱するようにして熱回収する熱交換器を設けたことを特徴とする請求項1に記載の除湿機。
  3. 仕切り板に軸支された回転式除湿材と、
    ケースの内部にヒーターを収納して該ヒーターで加熱した再生用空気を前記回転式除湿材に送風するための再生用空気加熱部と、
    該再生用空気加熱部から送風され前記回転式除湿材を通過した再生用空気を冷却し結露させる凝縮器とを備え、
    前記回転式除湿材を前記再生用空気加熱部と前記凝縮器との間に配置したことを特徴とする除湿機。
  4. 前記再生用空気加熱部のケース内に再生用空気を送り込むための開口部を前記ケースの送風面に対して側方に形成すると共に、前記開口部へ再生用空気を送り込むための再生用送風機を前記ケースの送風面に対して側方に配置して前記開口部に連結し、前記ケース内で前記開口部と前記ヒーター収納部との間に空間を設けて、加熱量の異なる再生用空気を前記ケースの送風面から前記回転式除湿材に送風するように構成したことを特徴とする請求項に記載の除湿機。
  5. 被除湿空気が前記凝縮器を冷却してから前記回転式除湿材を通過するように被除湿空気を吸引する除湿用送風機を設けると共に、該除湿用送風機により吸引され前記回転式除湿材の通過で暖められた被除湿空気を用いて前記再生用空気加熱部に送り込む再生用空気を加熱するようにして熱回収する熱交換器を設けたことを特徴とする請求項3または4に記載の除湿機。
  6. 前記除湿用送風機のモーターを固定する送風機固定用板を前記仕切り板に固定し、前記送風機固定用板と当該除湿機の本体ケースを構成する板部材とで前記除湿用送風機のファンケーシングを構成したことを特徴とする請求項1、2または5に記載の除湿機。
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