JP3634418B2 - コイルばねの製造方法及び高靭性・高抗張力コイルばね - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、二輪車・自動車用サスペンション、シャッタ、その他一般産業機械等に用いられる高靭性・高抗張力コイルばねに関する。
【0002】
【従来の技術】
コイルばねの製造方法には、熱間成型法と冷間成型法がある。熱間成型法は、一般に炉加熱により長時間加熱されるため脱炭が生じやすく、かつ熱間の材料強度が低いため表面傷がつきやすいなどの欠点があり、その欠点の少ない冷間成型法が望ましい。しかし、素材の径が大きく強度が高い場合にはコイルばね形状への冷間成型は困難であるという問題点がある。また、いずれの製造方法によってもコイル成型後に焼入熱処理を行う場合、熱処理歪みによりコイルの変形が生じ易く焼入れ後に歪み矯正工程が必要となるが、高強度の大径素線のコイルばねでは焼入れ後の矯正が困難であるという問題点があった。かかる問題点を改善した冷間成型コイルばねの製造法として、特公昭56−13568号公報において、高周波誘導加熱による急速加熱の特徴を生かした高強度高靭性を有し冷間加工性の高い高周波焼入れ焼戻し線材と、この線材を用いてコイルばね成型してすぐれた耐疲労・耐へたり性を持つコイルばねの製造方法が提案された。
【0003】
しかしながら、強度の高い大径の素線のコイルばねや、口径比が小さく曲率半径の小さいコイルばねの冷間コイル成型はなお困難であるという問題点があった。一方、大径高強度コイルばねが要求される車両用サスペンションばねなどでは、軽量化の要請等により一層高強度で安価なばねが要求されるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、高周波誘導加熱等を用いた短時間加熱による焼入・焼戻しによれば通常炉の熱処理よりも微細組織が得られ高靭性が得られる高周波誘導加熱の特徴を生かし、大径の高強度のコイルばねの冷間成型を容易にし、かつコイルばね焼き入れ後の変形を少なくして変形矯正工程を軽減することにより、軽量・安価な大径の高強度・高靭性のコイルばねとその製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の高靭性・高抗張力コイルばねの製造方法は、焼入可能な鋼線材を高周波誘導加熱又は直接通電加熱により50℃/sec以上の加熱速度で急速加熱し、1100℃以下のオーステナイト領域の温度に60sec以下の短時間の保持後、急速冷却して焼入れした後、高周波誘導加熱又は直接通電加熱により前記加熱速度で急速加熱して400〜700℃の温度範囲に60sec以下の短時間の保持後、急速冷却して焼戻しを行う第1熱処理工程と、この第1熱処理を施した線材を室温においてコイルばねに成型する成型工程と、この成型したコイルばねを第1熱処理の焼戻し温度より低い温度で低温焼なましを施す低温焼なまし工程と、この低温焼なまししたコイルばねを高周波誘導加熱又は直接通電加熱により30℃/sec以上の加熱速度で急速加熱し、1000℃以下のオーステナイト領域の温度に120sec以下の短時間の保持後、急速冷却して焼入れした後、300〜600℃の温度範囲で加熱保持して焼戻しを行う第2熱処理工程とを有するものである。
【0006】
また、上記目的を達成するために本発明の高靭性・高抗張力コイルばねの製造方法は、焼入可能な鋼線材を高周波誘導加熱又は直接通電加熱により50℃/sec以上の加熱速度で急速加熱し、1100℃以下のオーステナイト領域の温度に60sec以下の短時間の保持後、急速冷却して焼入れした後、高周波誘導加熱又は直接通電加熱により前記加熱速度で急速加熱して400〜700℃の温度範囲に60sec以下の短時間の保持後、急速冷却して焼戻しを行う第1熱処理工程と、この第1熱処理を施した線材を150℃以上で前記第1熱処理工程の焼戻し温度より低い温度においてコイルばねに温間成型する成型工程と、この成型したコイルばねを高周波誘導加熱又は直接通電加熱により30℃/sec以上の加熱速度で急速加熱し、1000℃以下のオーステナイト領域の温度に120sec以下の短時間の保持後、急速冷却して焼入れした後、300〜600℃の温度範囲で加熱保持して焼戻しを行う第2熱処理工程とによってもよい。
【0007】
前記請求項3及び4に記載される高靭性・高抗張力コイルばねは、前記請求項1及び2に記載される製造方法によって製造されるものに限定され、前記請求項1及び2の工程により製造された本発明の高靭性・高抗張力コイルばねの前記第1熱処理を施した線材は、130kgf/mm2 以上150kgf/mm2 以下の引張強さを有し、第2熱処理を施したコイルばねは150kgf/mm2 〜230kgf/mm2 の引張強さを有することが本発明の性能を発揮するために望ましい。
【0008】
【作用】
鋼線材を高周波誘導加熱又は直接通電加熱により50℃/sec以上の加熱速度で急速加熱し、1100℃以下のオーステナイト領域の温度に60sec以下の短時間の保持後、急速冷却して焼入れした後、高周波誘導加熱又は直接通電加熱により前記加熱速度で急速加熱して400〜700℃の温度範囲に60sec以下の短時間の保持後、急速冷却して焼戻しを行う第1熱処理を施すことにより、130kgf/mm2 以上の引張強さの高強度でかつ靭性が高く、次工程のコイルばね冷間成型における冷間加工性の良好な素線が得られる。これは高周波加熱などの急速加熱・短時間保持後急冷する焼入れ熱処理により、通常炉の熱処理に比し組織が微細で高靭性が得られるという既知の事実に加え、さらに急速加熱・短時間保持の焼戻し熱処理により一層冷間加工性が向上するという特公昭56−13568号公報において開示された事実によるものである。
【0009】
この第1熱処理を施した線材をコイルばねに成型加工する。このコイルばね成型加工は室温の冷間加工が簡便であるが、素線径が大きくて常温強度が高くなり冷間加工の困難な場合は、150℃以上の第1熱処理の焼戻し温度より低い温度で温間加工することができる。第1熱処理の焼戻し温度より低い温度で成型加工するのは、素線の強度を低下させないためであり、150℃以上の加工温度であれば後述するコイルばね成型加工後の低温歪取り焼なましを省略できる利点があるからである。この第1熱処理を施した線材は130kgf/mm2 以上150kgf/mm2 以下の引張強さが望ましい。これは、130kgf/mm2 以下では第2熱処理後の変形減少の効果が十分に発揮できず、150kgf/mm2 以上では剛性が高すぎて冷間コイル成型が困難となるからである。即ち、130kgf/mm2 〜150kgf/mm2 の引張強さの範囲の第1熱処理を施した素線であれば、前述のごとく冷間加工性が良好で14mm径以上の太径の素線でも冷間コイル成型が可能で、第2熱処理後に高い性能のコイルバネが得られる。
【0010】
この冷間成型したコイルばねを第1熱処理の焼戻し温度より低い温度で低温焼なましを施す。第1熱処理の焼戻し温度より低い温度の焼なましであればコイル素線の強度を低下させることがないからであるが、冷間成型の加工歪みを除去するには焼なまし温度は300℃以上であることが望ましい。即ち、この低温焼なましによりコイルばね冷間成型による加工歪みが除去され、成型後の焼入れにおけるコイルの変形が減少され、通常の引抜き素材を冷間成型後に焼入れした場合には必要となる熱処理後のコイルの歪取り矯正の工程を省くことができる。前述した150℃以上の第1熱処理の焼戻し温度より低い温度の温間加工の場合は加工歪みが減少されるのでこの低温焼なましを省略しても良い。
【0011】
上記の低温焼なまししたコイルばねを、高周波誘導加熱などにより30℃/sec以上の加熱速度で1000℃以下のオーステナイト領域の温度に急速加熱し、120sec以下の短時間保持して急速冷却して焼入れした後、所要の焼戻し硬さが得られるように300〜600℃の温度を選択して焼戻しを行う第2熱処理を施す。このように第1熱処理後に冷間成型して、成型後に第2熱処理を行う2段熱処理が施された150kgf/mm2 以上の高強度のコイルばねは、引抜のままの素材をコイルばね成型して、成型後に通常の焼入・焼戻しの熱処理を行う製造方法に比して、焼入時のコイルばねの変形が少なく、熱処理後のコイルの変形矯正の工程を省くことができ原価が低減できる。また、通常の冷間・熱間成型によるものより組織が微細で耐久性の高いコイルばねが得られる。
【0012】
第2熱処理を施したコイルばね材が150kgf/mm2 〜230kgf/mm2 の引張強さが望ましいのは、150kgf/mm2 以下のコイルばねはコイル成型後に熱処理しなくても、150kgf/mm2 の高周波焼入・焼戻し線材(例えば高周波熱錬株式会社登録商標ITW)を使用して冷間成型が可能だからである。また、230kgf/mm2 を上限としたのは、これ以上では靭性が低下するからである。
【0013】
【実施例】
以下、本発明を一実施例について具体的に説明する。本発明のコイルばねは図1及び表1に示す工程で作成した。
【0014】
【表1】
【0015】
即ち、図1及び表1に示すように、まず素材は第1熱処理工程で高周波誘導加熱により980℃まで急速加熱し、30秒間保持の後水冷して焼入し、連続して高周波誘導加熱により640〜730℃まで急速加熱後、30秒間保持して水冷して焼戻し処理を行いコイル素線を作成した。次にコイルばね成型工程において、この調質された素線をコイルばね成型機を用いて冷間で所定のコイルばね形状にコイル成型した。この成型されたコイルばねは、低温焼きなまし工程で、電気炉を用いて詳細を後述する第1熱処理の焼戻し温度より低い焼きなまし温度に加熱・保持後冷却して低温焼なましを行った。
【0016】
次に第2熱処理工程において、低温焼なましされたコイルばねを高周波誘導加熱により980℃まで65秒で急速加熱して、30秒間保持後急冷して焼き入れした後、電気炉を用いて420℃で40分間保持急冷して焼戻し処理を行った。この第2熱処理を施されたコイルばねは、仕上げ工程において端面研削、ショットピーニング、セッティングを施しコイルばね成品になった。
【0017】
以下にさらに具体的に本発明の実施例について説明する。
第1の実施例の供試ばね材質は表2に示す成分のSAE9254の17mm径の素材を用い、前述した表1に示す条件で供試コイルばねを作成した。
【0018】
【表2】
【0019】
即ち、本発明のコイル素線として、表1に示す条件で製造した130kgf/mm2 (130調質材B)及び150kgf/mm2 (150調質材C)に熱処理した2種類の調質材素線と、比較材として、引き抜きのままの110kgf/mm2 の素線(引抜材A)とを使用し、自動コイルばね成型機を用いて冷間成型により次の仕様のコイルばねを作製した。
このコイルバネ形状を図2に示す。
【0020】
前記3種類の強度の素線(以下、引抜材A、130調質材B、150調質材Cという)から成型したコイルばねを表1に示すように、それぞれについて低温焼なましを行わないものと、400℃×40分、及び500℃×40分の低温焼なましを行ったものの3条件のコイルばねを作成した。このコイルばねを、横置きした状態で高周波誘導加熱により980℃まで加熱して急冷し焼入した。その後、電気炉を用い420℃×40分加熱後冷却して焼戻しした。このときの機械的性質は表1に示すように、いずれも引張り強さ:1814N/mm2 (185kgf/mm2 )が得られた。
【0021】
前記の冷間成型加工後の高周波焼入前と焼入後のコイルばねの寸法変化を測定した。その結果を図3及び図4に示す。図の結果を要約すると、以下のようになる。
【0022】
図3のコイル外径の変化は、引抜材Aは低温焼きなましの有無に拘らず外径が約1mm大きくなる。130調質材B及び150調質材Cは、低温焼きなましなしの場合は外径が約1.3mm小さくなるが、400℃及び500℃の低温焼なましを行ったものはいずれの焼なまし温度でも外形変化は少なくほぼ0.3mm以下になった。
【0023】
図4の自由高さの変化は、引抜材Aは焼入後の高さの変化が大きく、低温焼きなましの有無に拘らず約5mm減少しその変動も大きい。130調質材Bは、低温焼なまし温度の高い方が変化が少ないが、400℃の低温焼なましでも変化量の値は0.5〜1.5mm程度である。150調質材Cは、低温焼なましの有無に関係なく変化量は約0.1mmと非常に少ない。
【0024】
前記表1に示す130調質材Bから製造した図2に示すの形状の強度1814N/mm2 (185kgf/mm2 )のコイルばねを端面研削した後、下記条件でコイルばね疲労試験を行った。
試験条件
試験機:定ひずみ型疲労試験機 繰返数:5Hz
試験条件:τ=588±490N/mm2 (65±50kgf/mm2 )
試験本数:5本
5本の試験片は、すべて30万回で折損せず、その耐疲労値は少なくとも他の製法によるコイルばねと同様又はそれ以上であることが認められた。
【0025】
前記第1の実施例は円筒型コイルばねについて寸法変化を実験したが、第2の実施例として、焼入れで変形しやすい、たる型ばねについて実験した。その条件は下記の通りである。
使用素線
材質: SAE9254
線径: 17.0mm
引張り強さ:1270N/mm2 (129.5kgf/mm2 )
第1の実施例と同様の方法により第1熱処理した調質材たる型コイルばね形状(図6に示す)
コイル最小内径:53.0mm
コイル最大外径:150.0mm
総巻数:4.8巻
自由高さ:207mm
低温焼なまし条件:400℃×40min
第2熱処理:焼入れ;高周波誘導加熱;加熱温度:925℃
保持時間:60sec.後、急冷
焼戻し;電気炉加熱;400℃×40min
硬さ:HRC 52
引張り強さ:1910N/mm2 (194.8kgf/mm2 )
【0026】
この、たる型コイルばねの高周波焼入の前後の寸法変化を表3に示す。その結果は、焼入れ後に最大内・外径とも平均で0.22mm減少し、自由高さの変化も1.16mm減少したのみで焼入れによる変化が少なく、従来の引き抜き材から冷間または熱間コイル成型後に熱処理したコイルばねに比し大幅に変形が低減され熱処理後の変形矯正工程が大幅に軽減できた。
【0027】
【表3】
【0028】
上記のたる型コイルばねを下記条件でコイルばね疲労試験を行った。
試験条件
試験機:定ひずみ型疲労試験機 繰返数:5Hz
試験条件:τ=735±441N/mm2 (81±45kgf/mm2 )
試験本数:8本
5本の試験片は、すべて50万回で折損せず、その耐疲労値は少なくとも他の製法によるコイルばねと同様又はそれ以上であることが認められた。
【0029】
上記の試験結果から、引抜きのままの引抜材Aからコイルばねに成型したばねよりも、130調質材B、及び150調質材Cの調質後に成型したコイルばねのほうが焼入れ後の変形が少ないことが見出だされた。また変形しやすいたる型ばねについても同様の結果が得られた。通常コイルばねは、熱処理後に熱処理変形を修正する矯正工程がとられるが、ばねの強度が高くなるとこの矯正は困難であり、とくに150kgf/mm2 以上の高強度ばねでは、冷間の矯正は極めて困難である。本発明によれば、前述のように焼入れによる変形が非常に少ないので、熱処理後の変形を修正する矯正工程が簡単になるか、または不要になるという利点があり、とくに剛性の大きい高強度のばねや変形が大きく矯正が困難なたる型コイルばねなどでこの利点が大きい。
【0030】
上述したように、本発明のコイルばねは、引抜材を成型後に熱処理する従来工程に比し熱処理による変形が少なく、高強度では困難である熱処理後の矯正を省略または簡単にすることができ、かつコイルばね成型後に炉加熱により熱処理を行う従来の製造方法よりも表面脱炭が少なく耐疲労性が向上する。これにより、高強度・高靭性のコイルばねの製造コストを低減し、性能の高い信頼性あるコイルばねが得られる。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の高強度・高靭性コイルばねの製造方法によれば、コイルばねの熱処理後の矯正が省略できるので、従来方法では工数のかかる高強度高靭性のコイルばねが冷間成型により製造でき原価低減される。これにより重車両用の大径・高強度のコイルばねの製造が容易になり、高性能の自動車のサスペンションばねなどのばね寸法を縮減できて軽量化が可能になり、省エネルギが達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例のコイルばねの製造工程を図示した図である。
【図2】本発明第1実施例のコイルばねの外観寸法図である。
【図3】本発明第1実施例のコイルばねの焼入れによる外径変化を示す図である。
【図4】本発明第1実施例のコイルばねの焼入れによる自由高さの変化を示す図である。
【図5】本発明第2実施例のたる型コイルばねの外観寸法図である。
【符号の説明】
1 コイルばね
2 たる型コイルばね
Claims (4)
- 焼入可能な鋼線材を高周波誘導加熱又は直接通電加熱により50℃/sec以上の加熱速度で急速加熱し、1100℃以下のオーステナイト領域の温度に60sec以下の短時間の保持後、急速冷却して焼入れした後、高周波誘導加熱又は直接通電加熱により前記加熱速度で急速加熱して400〜700℃の温度範囲に60sec以下の短時間の保持後、急速冷却して焼戻しを行う第1熱処理工程と、この第1熱処理を施した線材を室温においてコイルばねに成型する成型工程と、この成型したコイルばねを第1熱処理の焼戻し温度より低い温度で低温焼なましを施す低温焼なまし工程と、この低温焼なまししたコイルばねを高周波誘導加熱又は直接通電加熱により30℃/sec以上の加熱速度で急速加熱し、1000℃以下のオーステナイト領域の温度に120sec以下の短時間の保持後、急速冷却して焼入れした後、300〜600℃の温度範囲で加熱保持して焼戻しを行う第2熱処理工程とを有する高靭性・高抗張力コイルばねの製造方法。
- 焼入可能な鋼線材を高周波誘導加熱又は直接通電加熱により50℃/sec以上の加熱速度で急速加熱し、1100℃以下のオーステナイト領域の温度に60sec以下の短時間の保持後、急速冷却して焼入れした後、高周波誘導加熱又は直接通電加熱により前記加熱速度で急速加熱して400〜700℃の温度範囲に60sec以下の短時間の保持後、急速冷却して焼戻しを行う第1熱処理工程と、この第1熱処理を施した線材を150℃以上で前記第1熱処理工程の焼戻し温度より低い温度においてコイルばねに温間成型する成型工程と、この成型したコイルばねを高周波誘導加熱又は直接通電加熱により30℃/sec以上の加熱速度で急速加熱し、1000℃以下のオーステナイト領域の温度に120sec以下の短時間の保持後、急速冷却して焼入れした後、300〜600℃の温度範囲で加熱保持して焼戻しを行う第2熱処理工程とを有する高靭性・高抗張力コイルばねの製造方法。
- 請求項1または2に記載された工程により製造された高靭性・高抗張力コイルばね。
- 前記第1熱処理を施した線材は、130kgf/mm2 以上150kgf/mm2 以下の引張強さを有し、第2熱処理を施したコイルばねは150kgf/mm2 〜230kgf/mm2 の引張強さを有する請求項3に記載の高靭性・高抗張力コイルばね。
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