JP2835057B2 - ばね用鋼材とその製造方法 - Google Patents

ばね用鋼材とその製造方法

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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、ばね、あるいはばねのようにねじりや曲げ
の応力下で使用される各種部材等に好適なばね用鋼材
と、その製造方法に関する。
[従来の技術] ばねのように、ねじりや曲げの応力下で使われる材料
の耐疲労性を向上させるための一手段として、材料表面
部の圧縮残留応力を増大させることが知られている。圧
縮残留応力を増大化させるための処理としては、(1)
ショットピーニングによるピーニング強さの増強と、
(2)残留オーステナイト量の適性化、が考えられてい
る。第13図にクロム合金鋼の例を示すが、ショットピー
ニング前の残留オーステナイト量を30〜35%にしておい
て高硬度ショットによるピーニングを施すことによっ
て、ピーニング後の圧縮残留応力が極大値を示す。その
理由は、ショットピーニングによる圧縮残留応力の生成
は残留オーステナイトがマルテンサイトに加工変態し膨
張するためと考えられる。また、残留オーステナイトの
副次的効果として、圧縮残留応力の生成以外にも、いわ
ゆるTRIP(変態誘起塑性)現象を示すことが挙げられ
る。すなわち第14図に示されるように、ベイナイトと残
留オーステナイトを含有した組織は、ベイナイトのみの
組織に比較して、強度が同一でも均一伸びが大きくなっ
たり、靭性の向上が認められる。
一般にオーステナイトを安定化させる元素(C,Si,Mn,
Niなど)を含んだ合金鋼では、通常の油焼入れによって
も最大25%程度の残留オーステナイトを生成することが
可能である。これ以上の残留オーステナイトを残すため
の一手段として、歯車等の耐摩耗,耐疲労性を向上させ
るために開発された、いわゆる浸炭窒化とハードショッ
トピーニングを組合わせる方法が知られている。この方
法は、浸炭窒化により材料表面に圧縮残留応力を生じさ
せて表面を硬化させており、浸炭窒化時に炉の雰囲気中
の炭素,窒素ポテンシャルを調整することによって適性
な残留オーステナイト量を生じさせたのちに、焼入れを
行なっていた。
また、オーステンパーと呼ばれるベイナイト変態を起
こす恒温変態熱処理によって適正量の残留オーステナイ
トを残す方法もある。オーステンパーは、素材をオース
テナイト化温度まで加熱したのち過冷オーステナイト化
温度まで冷却し、その温度に保持することによって多量
の残留オーステナイトを残すことができる。例えば自動
車の懸架用ばねなどに使われている低合金鋼の場合、単
なる油焼入れでは最大でも数%の残留オーステナイトが
生成するに過ぎないが、上記のオーステンパーを実施す
ると、例えばSUP6(0.6%C−1.7%Si−0.8%Mn)でベ
イナイト70%,残留オーステナイト30%の組織が得られ
る。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、前述した浸炭窒化の方法では、炉の雰
囲気中の炭素,窒素ポテンシャルを調整することがむず
かしく、安定した量の残留オーステナイトを得にくいと
ともに、熱処理工程が複雑である。一方、オーステンパ
ーも熱処理のみで残留オーステナイト量を規制するた
め、必要に応じて残留オーステナイト量を調整したり所
望の残留オーステナイト分布を得ることに困難を伴う。
なお本発明者らは、ばね材を高強度化させる方法とし
て、オースドローイングと名付けた新規な加工熱処理法
を開発し、特願昭63−116364号として既に出願済みであ
る。本発明者らが開発したこの加工熱処理方法は、オー
ステナイト化温度まで加熱された鋼線を過冷オーステナ
イト化温度まで冷却するとともに、ダイスによってドロ
ーイングを行なうに当って、ダイス角と減面率を工夫す
ることにより、残留オーステナイトを極力少なくして均
質なマルテンサイト組織を得ることをねらっている。し
かしながらこの場合、材料表面部にまで硬いマルテンサ
イトが生成されるため、一般的なショットピーニングで
は大きな圧縮残留応力を生じさせることが困難である。
従って本発明の目的は、ショットピーニング等の表面
強加工によって圧縮残留応力と所望の硬さ分布を生じさ
せることができるとともに、残留オーステナイトの量や
分布の調整が容易なばね用鋼材とその製造方法を提供す
ることにある。
[課題を解決するための手段] 上記目的を果たすために本発明者が開発したばね用鋼
材は、オーステナイト化温度まで加熱されたのちに塑性
加工が施されかつショットピーニングによって表面部に
圧縮残留応力が付与される鋼材において、ショットピー
ニングが実施される前の段階で材料表面部に内側よりも
多量の残留オーステナイトが含有されていることを特徴
とするものである。
また、高強度ばね用鋼材を得るための第1の本発明方
法は、素材をオーステナイト化温度まで加熱したのちに
過冷オーステナイト化温度まで急冷し、かつ材料表面部
に材料内部よりも多量の残留オーステナイトが生じるよ
うなダイス角と減面率の条件のもとでドローイングを行
なうとともに焼入れを行ない、その後にショットピーニ
ングを実施することによって材料表面部の残留オーステ
ナイトをマルテンサイト化させることにより圧縮残留応
力を生じさせることを特徴とする。更に第2の本発明方
法は、素材をオーステナイト化温度まで加熱したのち
に、安定オーステナイト域での圧延を行なうとともに焼
入れを行なうか、または過冷オーステナイト温度に保持
することによって材料表面部の残留オーステナイトを材
料内部よりも増加させ、その後にショットピーニング等
の表面強加工を行なうことによって材料表面部の残留オ
ーステナイトをマルテンサイト化させることを特徴とす
るものである。
[作用] ばね鋼等の素材をオーステナイト化温度まで加熱した
のちに、準安定オーステナイトすなわち過冷却状態のオ
ーステナイト(過冷オーステナイト)域または安定オー
ステナイト域でドローイングまたは圧延等の塑性加工を
行なうことによって、オーステナイトの安定化が起る。
残留オーステナイトの量や分布状況は、ばね鋼において
所定の加工温度や加工速度のもとでのダイス角や減面率
等の加工条件によって比較的容易に調整でき、材料表面
部の残留オーステナイトが材料内部の残留オーステナイ
トよりも多くなるように調整される。材料表面部の残留
オーステナイトは、後工程でのハードショットピーニン
グによってマルテンサイト化し、所望の硬さ分布と圧縮
残留応力が付与される。なお、ショットピーニング前の
組織はマルテンサイト+残留オーステナイトであって
も、あるいはベイナイト+残留オーステナイトであって
もよい。本発明は、ばね材料としての用途以外に、車軸
や線材,各種構造材など、ねじりあるいは曲げの応力下
で使用される部材に適用できる。
[実施例] 第1図に例示されたオースドローイング装置1を用い
て、線径4mmのswosc(Si−Cr添加オイルテンパー線)A
のオースドローイングを行なう。第2図にヒートパター
ンを示す。この装置1は、加熱手段2と、冷却槽3と、
ダイス4と、冷却手段5と、引抜き用のチャック6など
を備えている。ダイス4のダイス角αは45゜程度以下で
ある。加熱手段2としては急速加熱が可能な通電加熱装
置あるいは高周波誘導加熱装置が適するが、通常の加熱
炉であってもよい。冷却槽3には、冷却媒体の一例とし
て素材AのMs点以上の温度(350〜500℃)の溶融鉛7が
収容されている。ダイス4はこの溶融鉛中に浸漬されて
いる。チャック6は素材Aを長手方向に引っ張るもので
あるが、引っ張りと同時に軸回りに回転させることによ
って、素材Aをねじりながらダイス4を通過させるよう
にしてもよい。冷却手段5は、ダイス4から引出された
減面後の材料A′を過冷オーステナイト化温度まで急冷
するのに使われ、一例として低温の空気を吹付けるノズ
ルと水等の冷却媒体を吹付けるノズルなどを備えてい
る。
オースドローイングを行なうには、チャック6によっ
て素材Aを引っ張りながら加熱手段2によって素材Aを
高周波誘導でオーステナイト化温度の950〜1100℃(例
えば1050℃)まで急速加熱するとともに、冷却槽3に導
入された素材Aを溶融鉛7によって過冷オーステナイト
化温度(例えば450゜)まで急冷する。こうして過冷オ
ーステナイト化(準安定オーステナイト化)された素材
Aを、鉛浴に浸漬されたダイス4によって減面率r=20
%以上でドローイングを行なう。引抜き速度は例えば30
mm/secである。ダイス4から引抜かれた減面後の材料
A′は、冷却手段5によって直ちにMs点以下の温度まで
急冷・焼入れされることによって短時間で組織が凍結さ
れる。
上記オースドローイング装置1において、加工条件
(ダイス角αと減面率r)を適宜に組合わせることによ
って所望の残留オーステナイトを生じさせることができ
る。減面率rは、入口径d0,出口径d1としたとき、r=
[1−(d1/d0]×100%で表わされる値である。
第3図と第4図に、残留オーステナイトの量と加工条
件との関係が示されている。材料はswoscである。第3
図に示されるように、ダイス角αが15゜付近の時に残留
オーステナイト量が最少となり、ダイス角αが増加する
に従って残留オーステナイト量も増大する。このためダ
イス角αは大きいほどよいが、αが大きくなるとダイス
面圧と付加的せん断ひずみが急増するため一般のダイス
では45゜位が限度である。また、第4図に示されるよう
に、減面率rを20%以上にすると、材料表面部での残留
オーステナイトを25%以上残すことができる。
第5図は材料の横断面内の残留オーステナイトの分布
状況を示している。従来の油焼入れ材の残留オーステナ
イト量は数%で平坦な分布であったが、本実施例による
オースドロー材A′の残留オーステナイト量は外表面で
最大であり、内側(中心側)ほど減少するといった分布
になる。このような残留オーステナイト分布を与えるこ
とにより、ねじりや曲げなどの応力下で使われる材料
A′の最表面を強化できる。なお、前述した従来の油焼
入れ、オーステンパーでは、本実施例のような残留オー
ステナイト分布をもたすことは不可能であるし、残留オ
ーステナイト量も少ない。
前記オースドローイング工程を経ることにより表面部
に多量の残留オーステナイトが生成された材料A′は、
そのままではへたりを生じやすい。ばねの場合には耐疲
労性以外に耐へたり性も重要な要素であるから、この材
料A′にショットピーニングを施すことによって耐へた
り性を向上させる。ショットピーニングを行なうことに
よって、材料表面部の残留オーステナイトがマルテンサ
イトに加工変態し、膨張することにより表面部に圧縮残
留応力が生じる。従って、ショットピーニング前の残留
オーステナイトは、その後に行なわれるショットピーニ
ングでマルテンサイトへ変態するに充分な量が必要であ
り、しかも表面から内部に向って残留オーステナイト量
が漸減するような分布が好ましい。第6図に、以上の一
連の工程の概略を示す。
第7図は第6図の工程において破線で示されるショッ
トピーニングを行なった場合のショットピーニング前後
の硬さ分布を比較したものである。ショットピーニング
条件は、φ0.8カットワイヤ(Hv630),アークハイト0.
4,ショット速度73m/secである。ショットピーニングに
よって最表面は硬さが上昇し、耐疲労性にとって好まし
い硬さ分布となっている。
また第8図は、第6図の工程において焼入れと焼戻し
の間でショットピーニングを行なった場合(実線で示さ
れるショットピーニングを行なった場合)の硬さ分布の
変化を示している。ショットピーニング条件は上記と同
様である。この場合もショットピーニングによって最表
面の硬さが上昇し、耐疲労性にとって好ましい硬さ分布
が得られている。従って、ショットピーニングを行なう
時機は、調質前あるいは調質後のいずれでもよく、必要
に応じて選択する。残留オーステナイト量が30%のSCr4
20鋼の場合、第9図と第10図に示されるように、ショッ
トピーニングを行なうことによって、ビッカース硬さが
約300近くも増加するとともに、圧縮残留応力がほぼ120
kg f/mm2に達する。
なお、前記実施例では過冷オーステナイト域でオース
ドローイングを実施する場合について述べたが、これ以
外に、例えば板ばねのモディファイド・オースフォーミ
ングすなわち安定オーステナイト域での圧延を行なうこ
とによっても、表面部の残留オーステナイトを増加させ
ることが可能である。この場合には、第11図に示される
工程と第12図に示されるヒートパターンを経ることによ
って高強度ばね材料を得ることができる。なお、表面強
加工としてはショットピーニングが一般的であるが、場
合によってはローラによって強くしごいたり、あるいは
ワイヤブラシによるブラッシングなどが適用されてもよ
い。また、ドローイングや圧延以外の塑性加工によって
減面させるようにしてもよい。
このように本発明では、従来、ばね鋼に寿命低下等の
悪影響を及ぼすと考えられてきた残留オーステナイトに
注目し、材料表面部の残留オーステナイトを積極的に利
用して材料表面部のマルテンサイト化を図ることによ
り、比較的容易に高強度ばね材料が得られるようにして
いる。従来のモディファイド・オースフォーミングは、
オーステナイトを加工し強度したのち、焼入れを行うこ
とによって、強化をマルテンサイト組織に継承すること
をねらっており、本発明のように主として材料表面部に
存在する残留オーステナイトをマルテンサイト化するも
のではなかった。
本発明の対象となる鋼材はJIS(日本工業規格)でい
うばね用鋼(工具鋼や軸受鋼,構造用合金鋼にも適用可
能)である。その材料成分としては、C:0.47〜1.10%、
Si:0.15〜2.20%、Mn:0.30〜1.15%、Cr:0.60〜1.60
%、Mo:0.10〜0.45%、Ni:0.35〜3.00%の範囲が対象と
なる。母材硬さは、ばねとしての耐久性を考慮するとビ
ッカース硬さで少なくともHV550以上は必要である。硬
さの上限は焼入れ硬さ(ばね鋼の場合、通常はHV800程
度)までである。残留オーステナイトの生成は、ある範
囲の加工温度(過冷オーステナト温度)および加工速度
のもとでのダイス角および減面率に左右される。すなわ
ち残留オーステナイトは上部ベイナイト域(例えばSUP7
では350〜500℃,SUP12Vでは400〜500℃)で最も多くな
り、その温度域より高温のフェライト+パーライト域で
はほとんど残留しないし、その温度域より低温の下部ベ
イナイト域(例えばSUP7では250〜350℃,SUP12Vでは250
〜400℃)では上部ベイナイト域ほど多くは残留しな
い。このことにより、本発明の残留オーステナイト分布
を得るための条件としての加工温度は、Ms点(ばね鋼の
場合、低いものでも250℃程度)以上、ノーズ温度(通
常500℃程度)以下とする。加工速度(ひずみ速度)に
ついては、低速では加工後の冷却が遅くなるため残留オ
ーステナイトが増大する傾向となり、表面部の残留オー
ステナイトを材料内部よりも多く残すためには、ある程
度ひずみ速度を遅くする必要がある。但し、あまり低速
すぎると母材がベイナイト変態を起こして強度が低下す
るので、最低1mm/secは必要である。速すぎると材料が
破断するため、500mm/secが限界である。
なお、ダイス角は加工時の破断応力に影響を及ぼし、
ダイス角が5゜より小さいとダイスと材料との接触長さ
が長くなりすぎて引抜き応力が過剰となり破断を生じ
る。ダイス角が45゜を越えると、付加的せん断変形量が
大きくなり、やはり引抜き応力が増大して材料が破断す
る。このためダイス角は5゜以上,45゜以下とする。減
面率に関しては、20%を越えると引抜き応力が増大して
破断を生じ、減面率が5%を下回ると加工度が不足して
加工の効果が生かされない。これらのことから本発明に
おける減面率は5%以上,20%以下とする。なお、第9
図と第10図および第13図は、日本材料学会第190回疲労
部門委員会検討資料,1988,p7(小島,三輪氏)からの抜
粋、第14図は篠田,山田氏らの文献(熱処理20巻7号,1
980,p326からの抜粋である。
[発明の効果] 本発明のばね用鋼材とその製造方法は、従来、ばね鋼
に寿命低下等の悪影響を及ぼすと考えられてきた残留オ
ーステナイトに注目し、主に材料表面部に生成された残
留オーステナイトを積極的に利用することを狙い、材料
表面部の残留オーステナイトをショットピーニング等の
表面加工によって効果的にマルテンサイトに分解させて
圧縮残留応力分布を生じせしめ、かつ、最終的に残留オ
ーステナイトがほとんど残らないようにしている。すな
わち本発明によれば、油焼入れやオーステンパー処理以
上の残留オーステナイトを、ばねの高強度化に効果の高
い材料表面部に多量に存在させ、この残留オーステナイ
トをショットピーニング等の強加工によってマルテンサ
イト化させることにより、比較的容易な工程によってば
ね鋼の耐疲労性と耐へたり性を向上させる上で効果的な
圧縮残留応力分布と硬さ分布が得られ、しかも最終的な
残留オーステナイト量を減らすことができる。しかも加
工条件に応じて適正な残留オーステナイトの量や分布の
状態を調整することが可能であり、しかも浸炭窒化処理
に比べて熱処理工程の簡略化が図れる。そして耐疲労性
と耐へたり性にとって好ましい圧縮残留応力分布と硬さ
分布が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図はオースドローイング装置の略縦断面図、第2図
はオースドローイングを行なう際のヒートパターンを示
す図、第3図はダイス角と残留オーステナイト量との関
係を示す図、第4図は減面率と残留オーステナイト量と
の関係を示す図、第5図はオースドローイング後の残留
オーステナイトの分布状態を示す図、第6図はオースド
ローイングとショットピーニングが行なわれる場合の工
程説明図、第7図は焼戻し材にショットピーニングを行
なった場合の硬さ分布を示す図、第8図は焼入れ材にシ
ョットピーニングを行なった場合の硬さ分布を示す図、
第9図は残留オーステナイト量とショットピーニングに
よる硬さ変化を示す図、第10図は残留オーステナイト量
とショットピーニングによる最大残留応力との関係を示
す図、第11図は本発明の他の実施例方法を示す工程説明
図、第12図は第11図に示された工程におけるヒートパタ
ーンを示す図、第13図はショットピーニング前の残留オ
ーステナイト量とショットピーニング後の残留応力値と
の関係を示す図、第14図は残留オーステナイトを含有す
る材料の強度−延性バランスを示す図である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−287223(JP,A) 特開 昭63−145714(JP,A) 特開 昭60−89553(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C21D 8/06 B24C 1/10 C21D 9/02 B21D 11/10 B21F 35/00 C21D 7/06

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】オーステナイト化温度まで加熱されたのち
    に塑性加工が施されかつショットピーニングによって表
    面部に圧縮残留応力が付与されるばね用鋼材において、
    ショットピーニングが実施される前の段階で材料表面部
    に材料内部よりも多量の残留オーステナイトを含有して
    なることを特徴とするばね用鋼材。
  2. 【請求項2】ばね用鋼材をオーステナイト化温度まで加
    熱したのち過冷オーステナイト化温度まで急冷し、かつ
    材料表面部に材料内部よりも多量の残留オーステナイト
    が生じるようなダイス角と減面率の条件のもとでドロー
    イングを行なうとともに焼入れを行ない、その後にショ
    ットピーニングを実施することによって材料表面部の残
    留オーステナイトをマルテンサイト化させることにより
    圧縮残留応力を生じさせることを特徴とする高強度ばね
    用鋼材の製造方法。
  3. 【請求項3】ばね用鋼材をオーステナイト化温度まで加
    熱したのちに、安定オーステナイト域での圧延を行なう
    とともに焼入れまたは過冷オーステナイト温度に保持す
    ることによって材料表面部の残留オーステナイトを材料
    内部よりも増加させ、その後に表面強加工を行なうこと
    によって材料表面部の残留オーステナイトをマルテンサ
    イト化させることを特徴とする高強度ばね用鋼材の製造
    方法。
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