JPH02163320A - ばね用鋼材とその製造方法 - Google Patents
ばね用鋼材とその製造方法Info
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- JPH02163320A JPH02163320A JP31854888A JP31854888A JPH02163320A JP H02163320 A JPH02163320 A JP H02163320A JP 31854888 A JP31854888 A JP 31854888A JP 31854888 A JP31854888 A JP 31854888A JP H02163320 A JPH02163320 A JP H02163320A
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Landscapes
- Heat Treatment Of Steel (AREA)
- Springs (AREA)
Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
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Description
【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野]
本発明は、ばね、あるいはばねのようにねじりや曲げの
応力下で使用される各種部材等に好適な鋼材と、その製
造方法に関する。
応力下で使用される各種部材等に好適な鋼材と、その製
造方法に関する。
[従来の技術]
ばねのように、ねじりや曲げの応力下で使われる+4料
の耐疲労性を向上させるための一手段として、材料表面
部の圧縮残留応力を増大させることが知られている。圧
縮残留応力を増大化させるための処理としては、(1)
ショットピーニングによるピーニング強さの増強と、(
2)残留オーステナイト瓜の適正化、が考えられている
。第13図にクロム合金鋼の例を示すが、ショットピー
ニング前の残留オーステナイト量を30〜35%にして
おいて高硬度ショットによるピーニングを施すことによ
って、ピーニング後の圧縮残留応力が極大値を示す。
の耐疲労性を向上させるための一手段として、材料表面
部の圧縮残留応力を増大させることが知られている。圧
縮残留応力を増大化させるための処理としては、(1)
ショットピーニングによるピーニング強さの増強と、(
2)残留オーステナイト瓜の適正化、が考えられている
。第13図にクロム合金鋼の例を示すが、ショットピー
ニング前の残留オーステナイト量を30〜35%にして
おいて高硬度ショットによるピーニングを施すことによ
って、ピーニング後の圧縮残留応力が極大値を示す。
その理由は、ショットピーニングによる圧縮残留応力の
生成は残留オーステナイトがマルテンサイトに加工変態
し膨張するためと考えられる。また、残留オーステナイ
トの副次的効果として、圧縮残留応力の生成以外にも、
いわゆるTRIP(変態誘起塑性)現象を示すことが挙
げられる。すなわち第14図に示されるように、ベイナ
イトと残留オーステナイトを含有した組織は、ベイナイ
トのみの組織に比較して、強度が同一でも均−伸びが大
きくなったり、靭性の向上が認められる。
生成は残留オーステナイトがマルテンサイトに加工変態
し膨張するためと考えられる。また、残留オーステナイ
トの副次的効果として、圧縮残留応力の生成以外にも、
いわゆるTRIP(変態誘起塑性)現象を示すことが挙
げられる。すなわち第14図に示されるように、ベイナ
イトと残留オーステナイトを含有した組織は、ベイナイ
トのみの組織に比較して、強度が同一でも均−伸びが大
きくなったり、靭性の向上が認められる。
一般にオーステナイトを安定化させる元素(C。
St、Mn、Niなど)を含んだ合金鋼では、通常の油
焼入れによっても最大25%程度の残留オーステナイト
を生成することが可能である。これ以上の残留オーステ
ナイトを残すための一手段として、歯車等の耐摩耗、耐
疲労性を向上させるために開発された、いわゆる浸炭窒
化とハードショットピーニングを組合わせる方法が知ら
れている。
焼入れによっても最大25%程度の残留オーステナイト
を生成することが可能である。これ以上の残留オーステ
ナイトを残すための一手段として、歯車等の耐摩耗、耐
疲労性を向上させるために開発された、いわゆる浸炭窒
化とハードショットピーニングを組合わせる方法が知ら
れている。
この方法は、浸炭窒化により材料表面に圧縮残留応力を
生じさせて表面を硬化させており、浸炭窒化時に炉の雰
囲気中の炭素、窒素ポテンシャルを調整することによっ
て適正な残留オーステナイト量を生じさせたのちに、焼
入れを行なっていた。
生じさせて表面を硬化させており、浸炭窒化時に炉の雰
囲気中の炭素、窒素ポテンシャルを調整することによっ
て適正な残留オーステナイト量を生じさせたのちに、焼
入れを行なっていた。
また、オーステンパーと呼ばれるベイナイト変態を起こ
す恒温変態熱処理によって適正量の残留オーステナイト
を残す方法もある。オーステンパーは、素材をオーステ
ナイト化温度まで加熱したのち過冷オーステナイト化?
m Kまで冷却し、その温度に保持することによって多
量の残留オーステナイトを残すことができる。例えば自
動車の懸架用ばねなどに使われている低合金鋼の場合、
単なる油焼入れでは最大でも数%の残留オーステナイト
が生成するに過ぎないが、上記のオーステンパーを実施
すると、例えば5UP6(0,[i%C−1,7%5i
−0,8%Mn)でベイナイト70%。
す恒温変態熱処理によって適正量の残留オーステナイト
を残す方法もある。オーステンパーは、素材をオーステ
ナイト化温度まで加熱したのち過冷オーステナイト化?
m Kまで冷却し、その温度に保持することによって多
量の残留オーステナイトを残すことができる。例えば自
動車の懸架用ばねなどに使われている低合金鋼の場合、
単なる油焼入れでは最大でも数%の残留オーステナイト
が生成するに過ぎないが、上記のオーステンパーを実施
すると、例えば5UP6(0,[i%C−1,7%5i
−0,8%Mn)でベイナイト70%。
残留オーステナイト30%の組織が得られる。
[発明が解決しようとする課題]
しかしながら、前述した浸炭窒化の方法では、炉の雰囲
気中の炭素、窒素ポテンシャルを調整することがむずか
しく、安定した量の残留オーステナイトを得にくいとと
もに、熱処理工程が複雑である。一方、オーステンパー
も熱処理のみで残留オーステナイト量を規制するため、
必要に応じて残留オーステナイト量を調整したり所望の
残留オーステナイト分布を得ることに困難を伴う。
気中の炭素、窒素ポテンシャルを調整することがむずか
しく、安定した量の残留オーステナイトを得にくいとと
もに、熱処理工程が複雑である。一方、オーステンパー
も熱処理のみで残留オーステナイト量を規制するため、
必要に応じて残留オーステナイト量を調整したり所望の
残留オーステナイト分布を得ることに困難を伴う。
なお本発明者らは、ばね材を高強度化させる方法として
、オースドローイングと名付けた新規な加工熱処理法を
開発し、特願昭63−116384号として既に出願済
みである。本発明者らが開発したこの加工熱処理方法は
、オーステナイト化温度まで加熱された鋼線を過冷オー
ステナイト化温度まで冷却するとともに、ダイスによっ
てドローイングを行なうに当”らて、ダイス角と減面率
を工夫することにより、残留オーステナイトを極力少な
くして均質なマルテンサイト組織を得ることをねらって
いる。しかしながらこの場合、材料表面部にまで硬いマ
ルテンサイトが生成されるため、一般的なショットピー
ニングでは大きな圧縮残留応力を生じさせることが困難
である。
、オースドローイングと名付けた新規な加工熱処理法を
開発し、特願昭63−116384号として既に出願済
みである。本発明者らが開発したこの加工熱処理方法は
、オーステナイト化温度まで加熱された鋼線を過冷オー
ステナイト化温度まで冷却するとともに、ダイスによっ
てドローイングを行なうに当”らて、ダイス角と減面率
を工夫することにより、残留オーステナイトを極力少な
くして均質なマルテンサイト組織を得ることをねらって
いる。しかしながらこの場合、材料表面部にまで硬いマ
ルテンサイトが生成されるため、一般的なショットピー
ニングでは大きな圧縮残留応力を生じさせることが困難
である。
従って本発明の目的は、ショットピーニング等の表面部
加工によって圧縮残留応力と所望の硬さ分布を生じさせ
ることができるとともに、残留オーステナイトの量や分
布の調整が容易な鋼材と高強度鋼材の製造方法を提供す
ることにある。
加工によって圧縮残留応力と所望の硬さ分布を生じさせ
ることができるとともに、残留オーステナイトの量や分
布の調整が容易な鋼材と高強度鋼材の製造方法を提供す
ることにある。
[課題を解決するための手段]
上記目的を果たすために本発明者が開発した鋼材は、オ
ーステナイト化温度まで加熱されたのちに塑性加工が施
されかつショットピーニングによって表面部に圧縮残留
応力が付与される鋼材において、ショットピーニングが
実施される前の段階で材料表面部に内側よりも多量の残
留オーステナイトが含有されていることを特徴とするも
のである。
ーステナイト化温度まで加熱されたのちに塑性加工が施
されかつショットピーニングによって表面部に圧縮残留
応力が付与される鋼材において、ショットピーニングが
実施される前の段階で材料表面部に内側よりも多量の残
留オーステナイトが含有されていることを特徴とするも
のである。
また、高強度鋼材を得るための第1の本発明方法は、素
材をオーステナイト化温度まで加熱したのちに過冷オー
ステナイト化温度まで急冷し、かつ材料表面部に残留オ
ーステナイトが生じるようなダイス角と減面率の条件の
もとでドローイングを行なうとともに焼入れを行ない、
その後にショットピーニングを実施することによって材
料表面部の残留オーステナイトをマルテンサイト化させ
ることにより圧縮残留応力を生じさせることを特徴とす
る。更に第2の本発明方法は、素材をオーステナイト化
温度まで加熱したのちに、安定オーステナイト域での圧
延を行なうとともに焼入れを行なうか、または過冷オー
ステナイト温度に保持することによって材料表面部の残
留オーステナイトを増加させ、その後に表面部加工を行
なうことを特徴とするものである。
材をオーステナイト化温度まで加熱したのちに過冷オー
ステナイト化温度まで急冷し、かつ材料表面部に残留オ
ーステナイトが生じるようなダイス角と減面率の条件の
もとでドローイングを行なうとともに焼入れを行ない、
その後にショットピーニングを実施することによって材
料表面部の残留オーステナイトをマルテンサイト化させ
ることにより圧縮残留応力を生じさせることを特徴とす
る。更に第2の本発明方法は、素材をオーステナイト化
温度まで加熱したのちに、安定オーステナイト域での圧
延を行なうとともに焼入れを行なうか、または過冷オー
ステナイト温度に保持することによって材料表面部の残
留オーステナイトを増加させ、その後に表面部加工を行
なうことを特徴とするものである。
[作用]
ばね鋼等の素材をオーステナイト化温度まで加熱したの
ちに、準安定オーステナイト域または安定オーステナイ
ト域でドローイングまたは圧延等の塑性加工を行なうこ
とによって、オーステナイトの安定化が起る。残留オー
ステナイトの量や分布状況は、ダイス角や減面率等の加
工条件によって比較的容易に調整できる。材料表面部の
残留オーステナイトは、後工程でのハードショットピー
ニングによってマルテンサイト化し、所望の硬さ分布と
圧縮残留応力が付与される。なお、ショットピーニング
前の組織はマルテンサイト+残留オーステナイトであっ
ても、あるいはベイナイト+残留オーステナイトであっ
てもよい。本発明は、ばね材料としての用途以外に、車
軸や線材、各種構造材など、ねじりあるいは曲げの応力
下で使用される部材に適用できる。
ちに、準安定オーステナイト域または安定オーステナイ
ト域でドローイングまたは圧延等の塑性加工を行なうこ
とによって、オーステナイトの安定化が起る。残留オー
ステナイトの量や分布状況は、ダイス角や減面率等の加
工条件によって比較的容易に調整できる。材料表面部の
残留オーステナイトは、後工程でのハードショットピー
ニングによってマルテンサイト化し、所望の硬さ分布と
圧縮残留応力が付与される。なお、ショットピーニング
前の組織はマルテンサイト+残留オーステナイトであっ
ても、あるいはベイナイト+残留オーステナイトであっ
てもよい。本発明は、ばね材料としての用途以外に、車
軸や線材、各種構造材など、ねじりあるいは曲げの応力
下で使用される部材に適用できる。
[実施例]
第1図に例示されたオースドローイング装置lを用いて
、線径4m−のswosc (Si−Cr添加オイルテ
ンパー線)Aのオースドローイングを行なう。第2図に
ヒートパターンを示す。この装置1は、加熱手段2と、
冷却槽3と、ダイス4と、冷却手段5と、引抜き用のチ
ャック6などを備えている。ダイス4のダイス角αは4
5″程度以下である。加熱手段2としては急速加熱が可
能な通電加熱装置あるいは高周波誘導加熱装置が適する
が、通常の加熱炉であってもよい。冷却槽3には、冷却
媒体の一例として素材AのMs点以上の温度(350〜
500℃)の溶融鉛7が収容されている。
、線径4m−のswosc (Si−Cr添加オイルテ
ンパー線)Aのオースドローイングを行なう。第2図に
ヒートパターンを示す。この装置1は、加熱手段2と、
冷却槽3と、ダイス4と、冷却手段5と、引抜き用のチ
ャック6などを備えている。ダイス4のダイス角αは4
5″程度以下である。加熱手段2としては急速加熱が可
能な通電加熱装置あるいは高周波誘導加熱装置が適する
が、通常の加熱炉であってもよい。冷却槽3には、冷却
媒体の一例として素材AのMs点以上の温度(350〜
500℃)の溶融鉛7が収容されている。
ダイス4はこの溶融船中に浸漬されている。チャック6
は素材Aを長手方向に引っ張るものであるが、引っ張り
と同時に軸回りに回転させることによって、素材Aをね
じりながらダイス4を通過させるようにしてもよい。冷
却手段5は、ダイス4から引出された減面後の材料A′
を過冷オーステナイト化温度まで急冷するのに使われ、
−例として低温の空気を吹付けるノズルと水等の冷却媒
体を吹付けるノズルなどを備えている。
は素材Aを長手方向に引っ張るものであるが、引っ張り
と同時に軸回りに回転させることによって、素材Aをね
じりながらダイス4を通過させるようにしてもよい。冷
却手段5は、ダイス4から引出された減面後の材料A′
を過冷オーステナイト化温度まで急冷するのに使われ、
−例として低温の空気を吹付けるノズルと水等の冷却媒
体を吹付けるノズルなどを備えている。
オースドローイングを行なうには、チャック6によって
素材Aを引っ張りながら加熱手段2によって素材Aを高
周波誘導でオーステナイト化温度の950〜1100°
C(例えば1050℃)まで急速加熱するとともに、冷
却槽3に導入された素材Aを溶融鉛7によって過冷オー
ステナイト化温度(例えば450°)まで急冷する。こ
うして過冷オーステナイト化($安定オーステナイト化
)された素材Aを、鉛浴に浸漬されたダイス4によって
減面率r ’= 2096以上でドローイングを行なう
。引抜き速度は例えば3Drn/seaである。ダイス
4から引抜かれた減面後の材料A′は、冷却手段5によ
って直ちにMs点以下の温度まで急冷・焼入れされるこ
とによって短時間で組織が凍結される。
素材Aを引っ張りながら加熱手段2によって素材Aを高
周波誘導でオーステナイト化温度の950〜1100°
C(例えば1050℃)まで急速加熱するとともに、冷
却槽3に導入された素材Aを溶融鉛7によって過冷オー
ステナイト化温度(例えば450°)まで急冷する。こ
うして過冷オーステナイト化($安定オーステナイト化
)された素材Aを、鉛浴に浸漬されたダイス4によって
減面率r ’= 2096以上でドローイングを行なう
。引抜き速度は例えば3Drn/seaである。ダイス
4から引抜かれた減面後の材料A′は、冷却手段5によ
って直ちにMs点以下の温度まで急冷・焼入れされるこ
とによって短時間で組織が凍結される。
上記オースドローイング装置1において、加工条件(ダ
イス角αと減面率「)を適宜に組合わせることによって
所望の残留オーステナイトを生じさせることができる。
イス角αと減面率「)を適宜に組合わせることによって
所望の残留オーステナイトを生じさせることができる。
減面率rは、入口径don 出口径d1としたとき、r
= [1−(d+ /do ) 2] X100%で表
わされる値である。
= [1−(d+ /do ) 2] X100%で表
わされる値である。
第3図と第4図に、残留オーステナイトの量と加工条件
との関係が示されている。材料はswoscである。第
3図に示されるように、ダイス角αが15″付近の時に
残留オーステナイト量が最少となり、ダイス角αが増加
するに従って残留オーステナイト量も増大する。このた
めダイス角aは大きいほどよいが、aが大きくなるとダ
イス面圧と付加的せん断ひずみが急増するため一般のダ
イスでは45″位が限度である。また、第4図に示され
るように、減面率rを20%以上にすると、材料表面部
での残留オーステナイトを25%以−L残すことができ
る。
との関係が示されている。材料はswoscである。第
3図に示されるように、ダイス角αが15″付近の時に
残留オーステナイト量が最少となり、ダイス角αが増加
するに従って残留オーステナイト量も増大する。このた
めダイス角aは大きいほどよいが、aが大きくなるとダ
イス面圧と付加的せん断ひずみが急増するため一般のダ
イスでは45″位が限度である。また、第4図に示され
るように、減面率rを20%以上にすると、材料表面部
での残留オーステナイトを25%以−L残すことができ
る。
第5図は材料の横断面内の残留オーステナイトの分布状
況を示している。従来の油焼入れ材の残留オーステナイ
ト量は数%で平坦な分布であったが、本実施例によるオ
ースドロー材A′の残留オーステナイ+1は外表面で最
大であり、内側(中心側)はど減少するといった分布に
なる。このような残留オーステナイト分布を与えること
により、ねじりや曲げなどの応力下で使われる材料A′
の最表面を強化できる。なお、前述した従来の油焼入れ
やオーステンパーでは、本実施例のような残留オーステ
ナイト分布をもたすことは不可能であるし、残留オース
テナイト量も少ない。
況を示している。従来の油焼入れ材の残留オーステナイ
ト量は数%で平坦な分布であったが、本実施例によるオ
ースドロー材A′の残留オーステナイ+1は外表面で最
大であり、内側(中心側)はど減少するといった分布に
なる。このような残留オーステナイト分布を与えること
により、ねじりや曲げなどの応力下で使われる材料A′
の最表面を強化できる。なお、前述した従来の油焼入れ
やオーステンパーでは、本実施例のような残留オーステ
ナイト分布をもたすことは不可能であるし、残留オース
テナイト量も少ない。
前記オースドローイング工程を経ることにより表面部に
多量の残留オーステナイトが生成された材料A′は、そ
のままではへたりを生じやすい。
多量の残留オーステナイトが生成された材料A′は、そ
のままではへたりを生じやすい。
ばねの場合には耐疲労性以外に耐へたり性も重要な要素
であるから、この材料A′にショットピーニングを施す
ことによって耐へたり性を向上させる。ショットピーニ
ングを行なうことによって、材料表面部の残留オーステ
ナイトがマルテンサイトに加工変態し、膨張することに
より表面部に圧縮残留応力が生じる。従って、ショット
ピーニング前の残留オーステナイトは、その後に行なわ
れるショットピーニングでマルテンサイトへ変態するに
充分な量が必要であり、しかも表面から内部に向って残
留オーステナイト量が漸減するような分布が好ましい。
であるから、この材料A′にショットピーニングを施す
ことによって耐へたり性を向上させる。ショットピーニ
ングを行なうことによって、材料表面部の残留オーステ
ナイトがマルテンサイトに加工変態し、膨張することに
より表面部に圧縮残留応力が生じる。従って、ショット
ピーニング前の残留オーステナイトは、その後に行なわ
れるショットピーニングでマルテンサイトへ変態するに
充分な量が必要であり、しかも表面から内部に向って残
留オーステナイト量が漸減するような分布が好ましい。
第6図に、以」二の一連の工程の概略を示す。
第7図は第6図の工程において破線で示されるショット
ピーニングを行なった場合のショットピニング前後の硬
さ分布を比較したものである。
ピーニングを行なった場合のショットピニング前後の硬
さ分布を比較したものである。
ショットピーニング条件は、φo、8カットワイヤ(B
y 630 ) 、アークハイト0.4.シE ット速
度73m/seeである。ショットピーニングによって
最表面は硬さが上昇し、耐疲労性にとって好ましい硬さ
分布となっている。
y 630 ) 、アークハイト0.4.シE ット速
度73m/seeである。ショットピーニングによって
最表面は硬さが上昇し、耐疲労性にとって好ましい硬さ
分布となっている。
また第8図は、第6図の工程において焼入れと焼戻しの
間でショットピーニングを行なった場合(実線で示され
るショットピーニングを行なった場合)の硬さ分布の変
化を示している。ショットピーニング条件は上記と同様
である。この場合もショットピーニングによって最表面
の硬さが上昇し、耐疲労性にとって好ましい硬さ分布が
得られている。従って、ショットピーニングを行なう時
機は、1凋質前あるいは調質後のいずれでもよく、必要
に応じて選択する。残留オーステナイト量が30%のS
Cr 420鋼の場合、第9図と第10図に示される
ように、ショットピーニングを行なうことによって、ビ
ッカース硬さが約300近くも増加するとともに、圧縮
残留応力がほぼ120 kg f / m+m 2に達
する。
間でショットピーニングを行なった場合(実線で示され
るショットピーニングを行なった場合)の硬さ分布の変
化を示している。ショットピーニング条件は上記と同様
である。この場合もショットピーニングによって最表面
の硬さが上昇し、耐疲労性にとって好ましい硬さ分布が
得られている。従って、ショットピーニングを行なう時
機は、1凋質前あるいは調質後のいずれでもよく、必要
に応じて選択する。残留オーステナイト量が30%のS
Cr 420鋼の場合、第9図と第10図に示される
ように、ショットピーニングを行なうことによって、ビ
ッカース硬さが約300近くも増加するとともに、圧縮
残留応力がほぼ120 kg f / m+m 2に達
する。
なお、前記・実施例では過冷オーステナイト域でオース
ドローイングを実施する場合について述べたが、これ以
外に、例えば板ばねのモディファイドφオースフォーミ
ングすなわち安定オーステナイト域での圧延を行なうこ
とによっても、表面部の残留オーステナイトを増加させ
ることが可能である。この場合には、第11図に示され
る工程と第12図に示されるヒートパターンを経ること
によって高強度ばね材料を得ることができる。なお、表
面部加工としてはショットピーニングが一般的であるが
、場合によってはローラによって強くしごいたり、ある
いはワイヤブラシによるブラッシングなどが適用されて
もよい。また、ドローイングや圧延以外の塑性加工によ
って減面させるようにしてもよい。
ドローイングを実施する場合について述べたが、これ以
外に、例えば板ばねのモディファイドφオースフォーミ
ングすなわち安定オーステナイト域での圧延を行なうこ
とによっても、表面部の残留オーステナイトを増加させ
ることが可能である。この場合には、第11図に示され
る工程と第12図に示されるヒートパターンを経ること
によって高強度ばね材料を得ることができる。なお、表
面部加工としてはショットピーニングが一般的であるが
、場合によってはローラによって強くしごいたり、ある
いはワイヤブラシによるブラッシングなどが適用されて
もよい。また、ドローイングや圧延以外の塑性加工によ
って減面させるようにしてもよい。
[発明の効果]
本発明によれば、通常の油焼・入れやオーステンパー処
理以上の残留オーステナイトを残すことができ、しかも
加工条件に応じて適正な残留オーステナイトの量や分布
の状態を工整することが可能であり、しかも浸炭窒化処
理に比べて熱処理工程の簡略化が図れる。そして耐疲労
性と耐へたり性にとって好ましい圧縮残留応力分布と硬
さ分布が得られる。
理以上の残留オーステナイトを残すことができ、しかも
加工条件に応じて適正な残留オーステナイトの量や分布
の状態を工整することが可能であり、しかも浸炭窒化処
理に比べて熱処理工程の簡略化が図れる。そして耐疲労
性と耐へたり性にとって好ましい圧縮残留応力分布と硬
さ分布が得られる。
第1図はオースドローイング装置の略縦断面図、第2図
はオースドローイングを行なう際のヒートパターンを示
す図、第3図はダイス角と残留オステナイトaとの関係
を示す図、第4図は減面率と残留オーステナイト量との
関係を示す図、第5図はオースドローイング後の残留オ
ーステナイトの分布状態を示す図、第6図はオースドロ
ーイングとショットピーニングが行なわれる場合の工程
説明図、第7図は焼戻し材にショットピーニングを行な
った場合の硬さ分布を示す図、第8図は焼入れ材にショ
ットピーニングを行なった場合の硬さ分布を示す図、第
9図は残留オーステナイト量とショットピーニングによ
る硬さ変化を示す図、第10図は残留オーステナイト量
とショットピーニングによる最大残留応力との関係を示
す図、第11図は本発明の他の実施例方法を示す工程説
明図、第12図は第11図に示された工程におけるヒー
トパターンを示す図、第13図はショットピニング前の
残留オーステナイト量とショットピニング後の残留応力
値との関係を示す図、第14図は残留オーステナイトを
含存する材料の強度−延性バランスを示す図である。
はオースドローイングを行なう際のヒートパターンを示
す図、第3図はダイス角と残留オステナイトaとの関係
を示す図、第4図は減面率と残留オーステナイト量との
関係を示す図、第5図はオースドローイング後の残留オ
ーステナイトの分布状態を示す図、第6図はオースドロ
ーイングとショットピーニングが行なわれる場合の工程
説明図、第7図は焼戻し材にショットピーニングを行な
った場合の硬さ分布を示す図、第8図は焼入れ材にショ
ットピーニングを行なった場合の硬さ分布を示す図、第
9図は残留オーステナイト量とショットピーニングによ
る硬さ変化を示す図、第10図は残留オーステナイト量
とショットピーニングによる最大残留応力との関係を示
す図、第11図は本発明の他の実施例方法を示す工程説
明図、第12図は第11図に示された工程におけるヒー
トパターンを示す図、第13図はショットピニング前の
残留オーステナイト量とショットピニング後の残留応力
値との関係を示す図、第14図は残留オーステナイトを
含存する材料の強度−延性バランスを示す図である。
Claims (3)
- (1)オーステナイト化温度まで加熱されたのちに塑性
加工が施されかつショットピーニングによって表面部に
圧縮残留応力が付与される鋼材において、ショットピー
ニングが実施される前の段階で材料表面部に内側よりも
多量の残留オーステナイトが含有されていることを特徴
とする鋼材。 - (2)素材をオーステナイト化温度まで加熱したのちに
過冷オーステナイト化温度まで急冷し、かつ材料表面部
に残留オーステナイトが生じるようなダイス角と減面率
の条件のもとでドローイングを行なうとともに焼入れを
行ない、その後にショットピーニングを実施することに
よって材料表面部の残留オーステナイトをマルテンサイ
ト化させることにより圧縮残留応力を生じさせることを
特徴とする高強度鋼材の製造方法。 - (3)素材をオーステナイト化温度まで加熱したのちに
、安定オーステナイト域での圧延を行なうとともに焼入
れまたは過冷オーステナイト温度に保持することによっ
て材料表面部の残留オーステナイトを増加させ、その後
に表面部加工を行なうことを特徴とする高強度鋼材の製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63318548A JP2835057B2 (ja) | 1988-12-19 | 1988-12-19 | ばね用鋼材とその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63318548A JP2835057B2 (ja) | 1988-12-19 | 1988-12-19 | ばね用鋼材とその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02163320A true JPH02163320A (ja) | 1990-06-22 |
JP2835057B2 JP2835057B2 (ja) | 1998-12-14 |
Family
ID=18100360
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63318548A Expired - Fee Related JP2835057B2 (ja) | 1988-12-19 | 1988-12-19 | ばね用鋼材とその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2835057B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008245709A (ja) * | 2007-03-29 | 2008-10-16 | Nhk Spring Co Ltd | ゴルフシャフトおよびゴルフクラブ |
CN109281214A (zh) * | 2018-12-03 | 2019-01-29 | 江苏兴达钢帘线股份有限公司 | 一种钢帘线及其制造方法及具有此钢帘线的轮胎 |
CN113667810A (zh) * | 2021-08-18 | 2021-11-19 | 江苏大学 | 一种提高钢质冷作模具尺寸稳定性的方法 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63145714A (ja) * | 1986-12-09 | 1988-06-17 | Nhk Spring Co Ltd | ばね用鋼材の製造方法 |
-
1988
- 1988-12-19 JP JP63318548A patent/JP2835057B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63145714A (ja) * | 1986-12-09 | 1988-06-17 | Nhk Spring Co Ltd | ばね用鋼材の製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008245709A (ja) * | 2007-03-29 | 2008-10-16 | Nhk Spring Co Ltd | ゴルフシャフトおよびゴルフクラブ |
CN109281214A (zh) * | 2018-12-03 | 2019-01-29 | 江苏兴达钢帘线股份有限公司 | 一种钢帘线及其制造方法及具有此钢帘线的轮胎 |
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Publication number | Publication date |
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JP2835057B2 (ja) | 1998-12-14 |
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