JPH02298218A - 超微細組織を有する鋼材の製造方法 - Google Patents

超微細組織を有する鋼材の製造方法

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JPH02298218A
JPH02298218A JP1117680A JP11768089A JPH02298218A JP H02298218 A JPH02298218 A JP H02298218A JP 1117680 A JP1117680 A JP 1117680A JP 11768089 A JP11768089 A JP 11768089A JP H02298218 A JPH02298218 A JP H02298218A
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ferrite
austenite
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steel material
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JP1117680A
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Heiji Hagita
萩田 兵治
Kenji Aihara
相原 賢治
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この発明は、少なくとも表面部が超微細で均一な組織と
された鋼材の製造方法に関するものである。
〈従来技術とその課題〉 従来から、鋼材の緒特性(例えば低温靭性、各種の延性
、i伏強度、耐食性、超望性等)はその組織が微細にな
るほど向上するとの事実が良く知られていたが、そのた
め、例えば成分組成調整によって鋼の結晶粒成長粗大化
を抑制する等、これまでに様々な微細組織鋼の製造技術
が開発されてきた。
特に、近年、熱間圧延時の圧延条件を規制することで熱
間圧延鋼材の組織を微細化する技術(所謂“制御圧延技
術勺が著しい発展を見せ、該技術に関する多くの提案が
なされて高品質鉄鋼材料の生産・供給に多大な成果をあ
げていることは周知の通りである。
しかしながら、熱間圧延鋼材の組織微細化に大きな効果
をもたらしたこれら制御圧延の諸技術をもってしても、
未だフェライト粒径が107111以下の均一な微細組
織を得ることは極めて困難であり、ましてやフェライト
粒径が5μ−以下の均一超微細組織を得ることは絶望的
であった。
そこで、制御圧延後の冷却速度をも調整し、これにより
オーステナイトから変態生成するフェライト結晶粒の核
生成数を増大させて更なる組織微細化を図る技術(所謂
“加速冷却技術″)が開発されるに至った。
しかしながら、制御圧延に加速冷却を組み合わせた技術
をもってしても、変態前のオーステナイト組織自体は制
御圧延によって微細化されるだけであって加速冷却の影
響を受けるものではないので、冷却によって変態する前
のオーステナイトの最終粒径には依然として限界があり
、この限界を打破した均一超微細オーステナイト組織を
得ることは不可能であった。それ故、この組織を基にし
て形成される冷却後の鋼材組織にも自ずから微細化限界
が生じるのを如何ともし難かった。即ち、前段階組織で
あるオーステナイト粒の更なる微細化は断念し、せめて
それから生成される変態組織の微細化を推進しようと加
速冷却しても、元のオーステナイト粒自体が大きいため
に生成されるマルテンサイト粒を狙い通りに微細化する
ことは困難だったのである。
しかも、加速冷却の効果を高めようとして冷却を強化す
ると、意に反した“フェライトとマルテンサイトとから
なる半焼大組織”しか得られないと言う致命的な問題が
あった。
なお、同じく制御圧延と加速冷却を組み合わせた技術で
はあるが、最近、低炭素鋼を変態点付近から上の温度で
強加工したときに生じる微細フェライトを利用し、これ
によるオーステナイト再結晶化の防止作用とその後の加
速冷却による生成ベイナイトやマルテンサイトの微細化
作用によって[1〜50%未満の割合で平均粒径5μm
程度のフェライト結晶粒を含むと共に、残部がマルテン
サイト又はベイナイトの焼入&IIVaからなる熱間圧
延鋼材」を得ようとの提案(特公昭62−42021号
)もなされたが、この場合であってもやはり変態前のオ
ーステナイト粒の微細化に限界があることから、得られ
る熱間加工鋼材の微細組織化・均一化に係る従前の限界
を打破する技術とはなり得なかった。
つまり、これら従来技術に見られる問題は[熱間加工に
よって作り出されるオーステナイト粒はある程度まで微
細になると実際上もはやそれ以上は微細化できなくなる
」と言う従来の制御圧延技術の限界に由来するものであ
って、十分な微細化が達成されないオーステナイト組織
から加速冷却によって無理やり微細なフェライトを生成
させようとしても、列置、満足し得る均一な超微細組織
は得られないわけである。従って、格別な手段によって
熱間圧延でのオーステナイト組織そのものを一段と超微
細な組織にしない限りは、熱間加工鋼材の微細組織化・
均一化にかかる前記限界を根本的に消し去ることはでき
ないと考えられた。
−方・鋼材の耐食性等の特性はほぼその裏面部特性に左
右されるものであるから、例え表面部のみであっても均
一な超微細組織が実現できればその用途の著しい拡大が
望める。
このようなことから、本発明の主目的は、冷却の前に従
来技術では列置実現が不可能だった均−超微細オーステ
ナイト組織(例えばオーステナイトの平均粒径が15μ
m以下、望ましくは10μm以下)を少なくとも鋼材表
面部に実現し、これによってその後に形成される変態組
織をも均一で超微細なものとなして、表面部或いは中心
部までの全てが均一で超微細な′a織の鋼材を安定に入
手し得るようにした手段を提供することに置かれた。
(課題を解決するための手段〉 本発明者等は前記目的を達成すべく、特に“冷却によっ
て変態する前の熱間オーステナイト結晶粒”を従来技術
による以上に微細化し得る熱間加工手段を見出すべく鋭
意研究を重ねた。
ここで特に留意したことは、[既に存在しているオース
テナイト粒を幾ら加工しても、新たなオ−ステナイト粒
が熱間加工での再結晶によって生成される限りは本発明
が目的とする超微細オーステナイト粒組織は実現できな
い」との事実である。
即ち、細粒を得るのに最も好適な制御圧延にて生成し得
る結晶粒の大きさも結局は圧延前のオーステナイト粒の
大きさに依存してしまうので、何らかの手段によって、
加工を受ける前のオーステナイト粒が徹底的に微細な状
態で生成するような手当てを講じることしか“従来技術
が包含していたオーステナイト粒微細化の限界”を打破
することができないとの観点に立って研究を進めた。
その結果、本発明者等は次に示す(a)〜(e)のよう
な知見を得るに至った。
ta)  特定のC含有量範囲の炭素鋼材又は合金鋼材
であって、しかも少なくとも一部がフェライトから成る
!1JII織の鋼材を準備し、これにショトブラストを
加えつつ変態点の温度以上に温度域に加熱して前記フェ
ライト組織をオーステナイト組織に逆変態させると、従
来の制御圧延等では列置得られないような超微細オース
テナイト組織が実現できる。
(b)  上述のように、フェライト組織にショツトブ
ラストを加えながら昇温し、変態点を超えさせてオース
テナイト組織へ逆変態させる場合、該逆変態を十分°に
完了させるには、ショツトブラストを加えながら実施す
る温度上昇過程が終った後、完全な平衡状態におけるA
1変態点、即ちAe+点の温度以上に一定時間保持する
ことが好ましい。
tc+  このようにして得られた超微細粒オーステナ
イト組織の熱間鋼材は、その後、製品に目的とする特性
を付与すべ〈従来から通用されている各種冷却手段(例
えば放冷、徐冷、保熱、加速冷却、 ゛焼入れ、或いは
それらの組み合わせ等)の何れによって冷却しても従来
技術では得られない均一で超微細な変態組織となる。
(dl  更に、このような処理を施した場合には、鋼
材は[フェライト→オーステナイト→フェライトJの相
変態を潜るので加工中に析出した炭化物や窒化物(これ
らはしばしば鋼の強化のために利用される)はマトリッ
クスとの結晶格子の整合性を無くし、該炭化物や窒化物
による鋼の強化機構は“整合析出強化”から“非整合析
出強化”へと変化することになる。このため、析出強化
を狙った鋼材では、脆化を伴うことなく強化されると言
う極めて好ましい効果がもたらされる。
(e)  従って、上述したショツトブラストを加えな
がらの昇温、十分なオーステナイト組織へ逆変態を行わ
しめるためのAe、点板上の温度領域での保持、並びに
冷却の工程を含む処理により、表層部或いは中心部まで
の全部が超微細均一組織を有する特性に優れた鋼材が極
めて筒便にかつ安定して実現される。
この発明は、上記知見等に基づいてなされたもので、 「少なくとも表層部がC含有量:2,5重量%以下でフ
ェライト組織を含んでいる鋼材に、ショツトブラストし
つつ該鋼材の少なくとも表面の温度をAc、点板上(好
ましくはAct点以上)の温度域にまで昇温するか、或
いはこの昇温の後Ae、点以上の温α域に1時間超えな
い時間だけ保持することにより、少なくともフェライト
からなる組織の鋼材表面部の一部又は全部をオーステナ
イトに逆変態させ、その後冷却することにより、表層部
或いは中心部までの全部が超微細均一組織を有する鋼材
を安定に製造し得るようにした点」 に特徴を有している。
ここで言う「フェライト組織」とは、オーステナイト相
に対比するフェライト相から成る組織を意味しており、
等友釣なフェライト組織だけではなく、針状フェライト
組織、パーライトml織、ベイナイト組織、マルテンサ
イト組織、焼戻しマルテンサイト組織等、フェライト相
を構成要素とする何れの形態のフェライト組織をも意味
するものである。
なお、このフェライトAIl織は、冷却された鋼材に見
られるものそのままで良いことは勿論であるが、これに
冷間温度域や温間温度域での加工を加えたものや、綱に
通常の熱間加工における如き熱履歴或いは加工履歴を経
させてから一旦1組織の少なくとも一部がフェライト組
織を呈するように温度管理等を行うことで実現したもの
でも良い。
また、素材となる鋼材は、「C含有量が2.5重量%以
下であって少なくとも一部がフェライトから成る組織の
表層部を有する鋼材(中心部まで前記条件を満たす鋼材
を含むことは言うまでもない)」であればその他の構成
成分や組織を問うものではなく、炭素鋼であっても合金
鋼であっても一部に差し支えない。なお、「少なくとも
一部がフェライトからなる組織」とは、“全てがフェラ
イトである組織”は勿論、“フェライトと炭化物、窒化
物、金属間化合物の1種以上とからなる混合組織″。
“フェライトとオーステナイトから成る混合組織”或い
は“フェライトオーステナイトと炭化物。
窒化物、金属間化合物の1種以上とから成る混合組織”
等をも意味するものである。
前述したように、本発明は、まず鋼材にフェライトを含
む組織を現出しておき、この組織にショツトブラストを
加えながら温度を上げて上記フェライトをフェライトか
らオーステナイトへと逆変態させる工程を採用すること
により、従来は実現不可能であった均一超微細組織を少
なくとも鋼材表面部に安定して実現させることを骨子と
しているが、以下、本発明に係る均一超微細組織鋼材製
造の諸条件を前記の如くに限定した理由をその作用と共
に説明する。
〈作用〉 本発明において、鋼素材を「少なくとも表層部のC含有
量=2.5%以下のもの」に限定したのは次の理由によ
る。即ち、Cは鋼を構成する答金元素のうち最も基本的
なものであって、Feヘースの合金、つまり鋼には必ず
目的に合わせた適正量のCが含有されているが、このC
の適正量については本質的には鋼の合金系設計の観点か
ら決められるものである。しかしながら、C含有量が2
,5%を超えると巨大な共晶セメンタイトやグラファイ
トが現れて組織の均一微細化ができなくなる。従って、
本発明においては少なくとも鋼材表面部に超微細粒組織
を確保すべく、鋼材表層部のC含有量の上限を2.5%
と定めた。そして、本発明によれば、“商用の低炭素鋼
”から“従来技術では超微細粒組織を得ることが非常に
困難であった純鉄”に至るまで超微細組織が得られるの
で、C含有量の下限は限定する必要がない。
その上、本発明の手段によれば、炭素鋼だけではなく各
種の合金鋼においてもC以外の成分に格別に影響される
ことなく組織が著しく微細化した新規な強靭性熱間加工
材を実現できることから、炭素鋼又は合金鋼におけるC
以外の成分の組成範囲は特に制限されないことは前述し
た通りである。
本発明において、最終的に超微細組織とする部分の前組
織を「フェライト単独組織又はフェライトを中心とした
混合組織」としたのは、前述したように本発明が鋼にシ
ョツトブラストを加えながらフェライト相からオーステ
ナイト相へ逆変態を起こさせることを主要な要件として
いるからであり、これによって例を見ない微細オーステ
ナイト粒が生成し、その後の冷却により該微細オーステ
ナイト粒から均一で超微細な変態組織が発生するように
なるからである。なお、フェライトが多い方が本発明の
効果は大きいが、鋼種や状5?、(例えば熱間加工途上
と言ったような状況)によっては“フェライトが100
%”或いは“フェライトと炭化物(窒化物やその他の析
出物の場合もある)が100%”と言う組織を実現する
ことが困難であることもあり、また製品によっては“フ
ェライトとオーステナイト”又は“フェライトとオース
テナイトと炭化物(場合によっては窒化物1或いはその
他の化合物や析出物と言うこともあり得る)”となるも
のもあるが、何れの場合にもフェライトの体積率は20
%以上、好ましくは50%以上であることが望ましい。
ショツトブラストは被処理鋼材に塑性加工歪を与えるた
めに実施されるものであり、線材等に対しても効果的に
所望歪を付与できる簡便な手段であるが、鋼材の全面に
ショットがなされるように上下左右4方向から研掃材が
投射される方式を採用するのが良い。なお、研掃材は冷
間で脱スケールのために用いられる通常のスチールボー
ルで良いが、ショツトブラストを高温状態で実施するの
でスチールボールの焼きが戻る恐れがあることから、研
掃材としてスチールボールを使用する場合には、ショツ
トブラスト時の温度を考慮してその材質を選択する必要
がある。また、研掃材の粒径は、ショツトブラスト後の
被処理材の表面粗さ等の観点から出来るだけ小さくする
のが好ましい。
ここで、ショツトブラストによる研掃材の投射密度は次
の3つの作用を生起させる点で重要である。即ち、1つ
はフェライトを加工することにより加工硬化したフェラ
イトから非常に微細なオーステナイトの結晶粒が誘起さ
れて生成する作用であり、2つ目は、フェライトがオー
ステナイトに変態する変態点にまで被加工材の温度を上
昇させるための加工発熱を発生する作用であり、3つ目
は、生成した微細なオーステナイトの結晶を加工硬化さ
せ、その後のフェライト生成に際して更に微細なフェラ
イト粒を加工誘起変態生成させる作用である。
しかるに、ショツトブラストによる研掃材の投射密度が
100kg/rrr未溝の場合には鋼材に付加される歪
量が少なく、フェライトからオーステナイトに変態させ
ても微細なオーステナイト粒の加工による誘起生成が不
十分であって、生成するオーステナイト結晶粒を目標と
する15μm以下にすることが難しくなるので、研掃材
の所要投射密度は100kg/m”以上とするのが望ま
しい。なお、この研掃材の投射による被処理鋼材の温度
上昇はそれほど顕著ではなく (勿論、投射密度を例え
ば500kg/nf以上程度にすると投射速度等によっ
ては比較的目立つ温度上昇効果が得られる)、基本的に
は被処理鋼材の温度上昇は補助加熱手段によるものとす
るのが良い。
このため、「ショツトブラストを行いながら鋼材の温度
をAc+点以上の温度域に昇温する手段」としては、被
処理鋼材をまずAc、点直下の温度に加熱し、続いてシ
ョツトブラストを施して加工熱により温度上昇させる方
法を採用しても良いが、ショツトブラストのみによって
は鋼材温度がAc+点以上の所望温度にまで上昇しない
場合には補助加熱手段が適用される。例えば、高周波加
熱炉とショツトブラスト機を複数台タンデムに配置し、
高周波加熱炉による加熱とショツトブラストによる加工
を繰り返す方法等が採用できる(この場合、複数個の加
熱炉は設備の入側から出側にかけて順次加熱温度を高く
し、最終のショツトブラスト出側の被処理鋼材温度がA
c、点板上になるように調整するのが良い)。
被処理鋼材の温度は、フェライトがオーステナイトに逆
変態する温度、即ちAc、点板上にまで上昇させること
が必須である。勿論、Ac、点板上の温度域であっても
その温度がAc、点未満であるとフェライトとオーステ
ナイトの二相混合組織になるが、本発明に係る方法では
温度上昇させながらショツトブラストを加えるので、A
c3点未満の温度域であっても結晶粒は加工歪と再結晶
によって十分に微細化する。しかしながら、[フェライ
トをショツトブラストによって加工し、加工硬化したフ
ェライトから非常に微細なオーステナイトの結晶粒が加
工により誘起されて生成する」という本発明に係る方法
での特徴的な作用・効果を十分に発揮さ・to・るため
には、できればA C3点以上にまで昇温することが望
ましい。もっとも、製品によってはフェライトとオース
テナイトとの二相組織にする必要があるものもあり、こ
のような製品に対しては昇温温度をAc、点未満の温度
域で留めておくことが必要であることは言うまでもない
フェライトからオーステナイトに変態させる際にショツ
トブラストを加えながら昇温するのは、先にも説明した
ように“フェライト域での加工によるフェライト粒微細
化”、′加工硬化フェライト粒からの微細オーステナイ
ト粒の加工誘起生成″並びに“オーステナイト粒の加工
による微細化”、更には“加工硬化オーステナイト粒か
らの微細フェライト粒の歪誘起変態促進”を図るためで
あり、本発明に係る方法においては、これらの詩作用と
それによる効果が「ショツトブラストを加えながら昇温
する」という技術の中に連続的にalilされて現れる
わけである。
また、逆変態前の“前組織”が炭化物を含んでいる場合
には、上記ショツトブラストによって炭化物が機械的に
破砕され微細分散するようになることに加えて、この炭
化物がフェライトからオーステナイトへの変態核となっ
て一層微細な逆変態オーステナイト組織化が促進される
。なお、この場合、ショツトブラストを施すことによっ
て炭化物の分解固溶が促され、オーステナイトへの逆変
態が促進される効果も大きくなる。
更に、ショツトブラストを施しながら昇温しでフェライ
トをオーステナイトへ逆変態させる工程は、次のような
作用・効果をももたらす。即ち、従来の制御圧延では[
圧延中に微細な炭化物や窒化物が歪誘起析出して鋼を強
化する]と言う作用も利用されているが、この析出強化
作用は同時に鋼の脆化を招くものであった。そして、該
脆化は、析出物がマトリックスと結晶学的に整合性を持
っているため析出物の周りのマトリックスが弾性歪場を
持つようになることに起因したものであり、析出硬化に
は必ず伴う現象である。これに対し、本発明に係る方法
によると、析出物と整合性を持ったマトリックスは一旦
オーステナイトへ逆変態し、更にまたフェライトへ変態
するため完全に析出物との整合性を喪失してしまい、従
って脆化をもたらさなくなる。
さて、被処理鋼材にショツトブラストを加えながらAc
、点板上の温度域に昇温した後、A e r点板上の温
度域に1時間を超えない時間保持することは、均一微細
なオーステナイト組織を得るために極めて重要な要素と
なるので必要に応じて採用すべき有用な手段である。
つまり、本発明の方法に従い被処理鋼材にショツトブラ
ストを加えながら昇温してオーステナイトへ逆変態させ
る場合、実際作業では生産性の点で急速昇温を採用せざ
るを得ない場合が多く、オーステナイトへの逆変態が進
行する時間的余裕に乏しいことが懸念される。従って、
ショツトブラスト終了後に直ちに被処理鋼材冷却すると
加工を受けたフェライト粒がオーステナイトに未だ変態
し切らないうちに冷却される恐れがあり、逆変態を経る
ことなしに大きなフェライトがそのまま残留してしまう
ことも考えられる。これでは、本発明が狙いとする前述
の作用・効果が十分に得られず、本発明の目的を十分に
果たし得ないことにもつながる。そこで、このような問
題を無くするには、所要の条件で逆変態工程を終了した
後、加工歪を内蔵したフェライト粒がオーステナイトに
逆変態するための時間的余裕を持たせるべく、圧延終了
後Ae+点以上の温度域で保持することが極めて有効と
なる。なお、保持温度がAs2点を下回るとフェライト
は熱力学的にもはやオーステナイトへの変態を起こし得
ないため、保持温度の下限値は必然的にAe、点の温度
となることは言うまでもない。
また、Ae、点板上の温度域での所要保持時間は処理条
件や鋼種によって著しく相違しており、高純度鉄では実
用上はぼ瞬時とも言える秒単位でも十分であるが、高合
金鋼になると数十分を要するものがある。そこで、保持
時間はこれらを十分にカバーでき、かつ作業性等の面か
らも容認できる1時間を上限とし、下限値は特に限定し
なかった。
次に、本発明を実施例に基づいてより具体的に説明する
(実施例〉 まず、第1表に示した成分組成を有し、直径が16nφ
の線材を準備した。
次いで、第1図に概要を示す設備にて上記各線材にショ
ツトブラストを施しつつ昇温した後水冷するか、一部に
ついて昇温後その温度に所定時間保持してから水冷する
処理を施した。
即ち、第1図における符号1はペイオフリールを、2は
被処理線材を、3は高周波加熱炉を、4はショツトブラ
スト機を、5は保熱炉を、6は水冷ノズルを、そして7
は巻取リールをそれぞれ示しているが、ショツトブラス
トの研掃材にはスチールボールが用いられ、また線材は
最終のショツトブラスト機を通過した時点で所定の研掃
材投射密度に達するように、かつ最終の高周波加熱炉で
もって所定温度となるように調整された。なお、ショツ
トブラストは線材の円周方向全体に研掃材が投射される
よう上下左右2方向から実施した。
続いて、上記処理が施された線材につき表層1鶴での冷
却後の組織を観察し、その結果を具体的処理条件と共に
第2表に示した。なお、第2表中の「旧オーステナイト
粒径」とは、急冷によって固定したオーステナイト粒径
から冷却前の粒径を予測した値である。
第2表に示された結果からは次のことが明らかである。
即ち、従来例である試験番号1〜4は、鋼材組織の微細
化に最も有効であるとされていた従来の制御圧延・加速
冷却法に準じた処理であるが、この方法によっもオース
テナイト粒径で20u+a前後、フェライト粒径で10
pm前後の組織しか得られていない。
これに対して、本発明に係る試験番号5〜20では、オ
ーステナイト粒径で1.5〜8μ−前後、フェライト粒
径で0.5〜3μ1前後の極めて微細な組織が得られて
おり、また粒の大きさも均一に揃っていることがt+i
taされた。また、本発明に係る上記効果は、極低炭素
のフェライト単相鋼からフェライト+パーライト鋼の中
炭素鋼にまで幅広く具現される上、フェライト+炭化物
等の混合組織の場合も同様であることも(1’ffl 
UEされた。
他方、比較例である試験番号13及び14は、ショツト
ブラストでの研掃材の投射密度が70kg/m”の場合
には線材に導入される歪量が少ないためにフェライトか
らオーステナイトへの完全なる逆変態が生でおらず、オ
ーステナイト粒径もフェライト粒径も十分に微細化され
ていない。
く効果の総括〉 以上に説明した如く、この発明によれば、フェライト粒
径が5踊を下回る均一な超微細組織を有した鋼材を簡便
かつ安定して製造することができ、鋼材適用分野の更な
る拡大が可能となるなど、産業上極めて有用な効果がも
たらされる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例で使用した線材処理設備の概要を示し
た模式図である。 図面において、 1・・・ペイオフロール、  2・・・被処理線材。 3・・・高周波熱炉、  4・・・ショツトブラスト機
。 5・・・保熱炉、    6・・・水冷ノズル。 7・・・巻取リール。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)少なくとも表層部がC含有量:2.5重量%以下
    でフェライト組織を含んでいる鋼材に、ショットブラス
    トしつつ該鋼材の少なくとも表面の温度をAc_1点以
    上の温度域にまで昇温することにより、少なくともフェ
    ライトからなる組織の鋼材表面部の一部又は全部をオー
    ステナイトに逆変態させ、その後冷却することを特徴と
    する、超微細組織を有する鋼材の製造方法。
  2. (2)少なくとも表層部がC含有量:2.5重量%以下
    でフェライト組織を含んでいる鋼材に、ショットブラス
    トを施しつつ該鋼材の少なくとも表面の温度をAc_1
    点以上の温度域にまで昇温してAe_1点以上の温度域
    に1時間超えない時間だけ保持することにより、少なく
    ともフェライトからなる組織の鋼材表面部の一部又は全
    部をオーステナイトに逆変態させ、その後冷却すること
    を特徴とする、超微細組織を有する鋼材の製造方法。
JP1117680A 1988-12-05 1989-05-11 超微細組織を有する鋼材の製造方法 Pending JPH02298218A (ja)

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JP2007197800A (ja) * 2006-01-30 2007-08-09 Nissanki:Kk 金属成品の表面加工熱処理方法
JP2012110978A (ja) * 2010-11-19 2012-06-14 Keio Gijuku 表面処理装置及び表面処理方法

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