JPS6220820A - 高強度高延性鋼帯の製造方法 - Google Patents

高強度高延性鋼帯の製造方法

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JPS6220820A
JPS6220820A JP16074685A JP16074685A JPS6220820A JP S6220820 A JPS6220820 A JP S6220820A JP 16074685 A JP16074685 A JP 16074685A JP 16074685 A JP16074685 A JP 16074685A JP S6220820 A JPS6220820 A JP S6220820A
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Takaaki Yuzushima
柚島 登明
Masaaki Katsumata
勝亦 正昭
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Kobe Steel Ltd
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は冷間加工方法に関する。
(従来の技術) 一般に、冷間圧延や冷間伸線等の冷間加工Gこおいては
、加工率が高くなるにつれて、鋼材の加工性が劣るよう
になり、例えば、熱間圧延板材を冷間圧延する場合は、
端部に微細な割れが発生し、また、線材から銅帯を冷間
圧延にて製造するときは、銅帯の中央部と端部とで加工
度が大幅に異なる結果、加工後の硬度差が著しくなる。
更に、強加工伸線においては、得られる伸線材の表面が
不均一となることが多い。
(発明の目的) 本発明者らは、冷間加工における上記した問題を解決す
るために鋭意研究した結果、冷間加工用鋼材の組織をベ
イナイト、マルテンサイト又はこれらの混合組織からな
る微細な低温変態生成相がフェライト相中に均一に分散
されてなる複合組織とし、冷間加工途中において、その
再結晶温度以下の温度に加熱し、その後に再度、冷間加
工して所要の冷間加工材とするとき、加工限界が改善さ
れ、最終加工品の強度が向上し、或いはこれらが同時に
達成され、更には、従来の方法によれば、加工材が部位
によって加工度が異なるような場合にも、得られる加工
材が均質であり、形状性や耐熱性も向上することを見出
して、本発明に至ったものである。
従って、本発明は、一般には、冷間加工方法に関し、特
に、所定の化学成分組成と複合組織を有する鋼材を冷間
加工するに際して、加工限界を向上させ、得られる冷間
加工材の強度を上昇させ、更には、均質な冷間加工材を
得ることができる冷間加工方法を提供することを目的と
する。
(発明の構成) 本発明による冷間加工方法は、 重量%で C0.02〜0.30%、 Si2.0%以下、 Mn  0.3〜3.0%、 残部鉄及び不可避的不純物よりなり、マルテンサイト、
ベイナイト又はこれらの混合組織からなる低温変態生成
相がフェライト相に対して10〜50%の体積分率でフ
ェライト相中に均一に分散されてなる複合組織を有する
鋼材を冷間加工するに際して、冷間加工途中の加工材に
再結晶温度以下の温度で加熱処理を施し、更に冷間加工
することを特徴とする。
先ず、本発明の方法において用いる冷間加工用鋼材の化
学成分及びその製造について説明する。
尚、以下において、組織が針状(elongated又
はacicular)とは組織粒子が方向性を有するこ
とをいい、塊状(globular)とは粒子が方向性
を有しないことをいう。また、針状粒子の換算粒子径と
は、針状粒子の面積を円に換算したときの直径を意味す
る。
Cは、鋼片を後述する所定の熱処理によって所定の複合
組織を有する冷間加工用鋼材とするために、0.01%
以上を添加することが必要であるが、0.30%を越え
て過多に添加するときは、マルテンサイト、ベイナイト
又はこれらの混合組織からなる低温変態生成相(以下、
単に第2相ということがある。)の延性が劣化するよう
になる。従って、本発明においては、C添加量は0.0
1〜0.30%の範囲とする。
Siは、フェライト相の強化元素として有効であるが、
2.0%を越えて過多に添加するときは、変態温度を著
しく高温側にずらせ、また、鋼材の表面の脱炭を起こし
やすくするので、添加量は2゜0%を上限とする。
Mnは、鋼材を強化すると共に、第2相の焼入れ性を高
め、また、その形態を針状化するために0.3%以上を
添加することが必要であるが、3.0%を越えて多量に
添加しても、その効果が飽和するので、Mn添加量は0
.3〜3.0%トスる。
本発明においては、鋼材の金属組織を微細化するために
、Nb、■及びTiから選ばれる少なくとも1種の元素
を鋼に更に添加することができる。
この組織の微細化のためには、いずれの元素についても
0.0 O5%以上の添加を必要とするが、しかし、過
多に添加してもその効果が飽和し、また、経済的にも不
利であるので、その上限は、Nbについては0.2%、
■及びTiについてはそれぞれ0.3%とする。
更に、本発明においては、鋼には、Cr、Mo、N j
 % Cu及びBよりなる群から選ばれる少なくとも1
種の元素を必要に応じて添加することができる。これら
元素の添加量の上限は、Cuは5%以下、MOは2%以
下、Niは6%以下、Cuは1%以下、Bは0.05%
以下である。
次に、本発明における鋼材に不可避的に含まれる元素又
は含まれてもよい元素について説明する。
Sは鋼材中のMnSiを少なくするために、0.005
%以下とするのがよく、これにより鋼材の延性が向上す
る。
Pは粒界偏析の著しい元素であるので、その含有量を0
.01%以下とするのが好ましい。
Nは固溶状態で存在すると、最も時効しやすい元素であ
る。従って、加工中に時効して加工性を阻害し、或いは
加工後にも時効して、冷間加工によって得られる加工品
の延性を劣化させるので、0.003%以下とするのが
好ましい。
Aβは酸化物系介在物を形成し、この酸化物系介在物は
変形し難いために、鋼材の加工性を阻害する場合があり
、鋼材を伸線等の冷間加工する間にこの介在物を起点と
して破断が生しやすい。従つて、Aρの含有量は、通常
、0.01%以下とするのが好ましい。
一方、CaやCe等の希土類元素を添加することによっ
て、MnS介在物の形状を調整することも好ましい。ま
た、/lを添加することにより、固溶CやNを固定する
こともできる。
本発明の方法は、上記した化学成分を有し、且つ、マル
テンサイト、ベイナイト又はこれらの混合組織からなる
低温変態生成相がフェライト相に対して10〜50%の
体積分率でフェライト相中に均一に分散されてなる複合
組織を有する鋼材を冷間加工するに際して、冷間加工途
中の加工材に再結晶温度以下の温度で加熱処理を施し、
更に冷間加工して、均質で高強度の冷間加工材を得るも
のである。特に、本発明の方法においては、冷間加工用
鋼材が微細な針状の低温変態生成相を有する複合組織か
らなることが好ましい。
本発明の方法において用いる複合Mi 織m材は、好ま
しくは、上記所定の化学成分を有する熱間圧延鋼材を所
定の条件にてオーステナイト化して、所定の前組織を有
せしめ、次いで、この鋼材について更に熱処理を行なっ
て、所定の複合組織を有せしめることによって得ること
ができる。
先ず、鋼材における第2相を微細な針状組織とするため
に、前記所定の組成を存する熱間圧延鋼材をA C1〜
A c3 ?A度域に加熱する前に、所定の条件での熱
処理を施こすことにより、その組織を、一部残留オース
テナイトを含有していてもよい旧オーステナイト粒径が
50μ以下、好ましくは35μ以下のベイナイト、マル
テンサイト又はこれらの微細混合組織(以下、これらを
単に前組織ということがある。)とする。前組織をこの
ように微細化することにより、最終組織を微細化して複
合組織鋼材の延性及び靭性を向上させ、かくして所要の
強度を付与することができる。
旧オーステナイト粒径を50μ以下に調整するには、造
塊又は連続鋳造により得られた鋼片を熱間加工するに際
して、オーステナイトの再結晶や粒成長の進行が著しく
遅い温度域、即ち、980℃以下であって、且つ、Ar
3点以上の温度範囲において減面率30%以上で熱間加
工することが必要である。熱間加工温度が980℃を越
える温度であるときは、オーステナイトが再結晶や粒成
長しやすく、また、加工減面率が30%よりも少ないと
きは、オーステナイト粒径を細粒化することができない
からである。更に、10〜20μ程度のオーステナイト
細粒を得るには、上記加工条件に加えて、最終加工パス
を900°C以下とする必要があり、5〜10μ程度の
極細粒を得るためには、上記最終加工を歪速度300/
秒以上とする必要がある。
尚、旧オーステナイト粒径を調整するための上記熱間加
工後に冷間加工を加えて所望の形状とすることもできる
が、この場合、冷間加工の加工率は40%までとする。
上記前組織に40%よりも大きい冷間加工を加えたとき
は、後述するAc’、〜Ac3温度域への加熱時にマル
テンサイトの再結晶が起こり、目的とする最終組織を得
ることができない。
次に、前組織をベイナイト、マルテンサイト又はこれら
の混合組織とするためには、次の方法によることができ
る。
その第1は、圧延工程中に所要の前組織を得る方法であ
って、鋼片を制御圧延するか、又は熱間圧延した後に加
速冷却する。その冷却速度は5℃/秒以上とすることが
必要である。これよりも小さい冷却速度では、通常のフ
ェライト・パーライト組織となるからである。
前組織を得るための第2の方法は、圧延した鋼材を改め
て熱処理する方法であり、鋼をAC3点以上のオーステ
ナイト域に加熱した後に調整冷却する。この方法による
場合も、加熱温度は、第1の方法について説明したと同
様に、AC3−Ac3+100℃の範囲であることが望
ましい。
このようにAC3〜Ac、域に加熱する前の組織を、従
来のフェライト・パーライト組織に替えて、残留オース
テナイトを含有していてもよいマルテンサイト、ヘイナ
イト又はこれらの混合組織からなる低温変態生成相とし
た圧延鋼材をAc3〜AC3域に加熱することにより、
低温変態生成相のラス境界に存在している残留オーステ
ナイト若しくはセメンタイトを優先核として、初期オー
ステナイト粒が多数生成し、上記ラス境界に沿って成長
する。
次いで、所定の条件下での冷却によってこのオーステナ
イトから変態するマルテンサイト又はヘイナイトを針状
にして、周囲のフェライト相に対して整合性のよいもの
とし、かくして、従来のフェライト・パーライト前組織
に比較して、第2相粒子を格段に微細化する。従って、
Ac、〜Ac3域への加熱及び冷却の条件が重要である
。即ち、条件によっては、第2相が塊状化し、或いは第
2相に塊状の粒子が混在して、強加工性を損なうことと
なるからである。
より詳細に説明すれば、微細なベイナイト、マルテンサ
イト又はこれらの混合組織からなる前組織をオーステナ
イト域に加熱する際の逆変態は、オーステナイト分率が
約20%までは旧オーステナイト粒界から塊状オーステ
ナイトが生成し、また、粒内からは針状オーステナイト
が生成することにより開始されるので、この状態から、
例えば150〜200”C/秒以上の冷却速度で急冷す
ることにより、針状と塊状の低温変態生成相がフェライ
ト中に分散した組織を得る。従って、旧オーステナイト
が細粒であるほど、塊状オーステナイトの生成頻度が高
い。オーステナイト化が更に約15%以上進行すると、
針状オーステナイト粒子相互が合体して塊状オーステナ
イトへと変化するので、この状態から急冷すると、フェ
ライトと粗大な塊状の低温変態生成相との混合組織を形
成する。更にオーステナイト化が約15%以上進行すれ
ば、塊状オーステナイト相互が合体成長してオーステナ
イト化が完了するので、この状態から急冷すれば、低温
変態生成相が主体の組織となる。
そこで、本発明においては、前記前組織に調整した鋼を
Ac、”Ac、域に加熱するに際して、そのオーステナ
イト化をオーステナイト化分率が約15%以上、好まし
くは20%以上とし、この状態から平均冷却速度15°
C/秒以上、好ましくは40〜150°C/秒にて常温
乃至500℃の温度まで調整冷却することにより、冷却
中の変態過程において塊状オーステナイトからフェライ
トと針状オーステナイトとを分離させ、この針状オース
テナイトを低温変態生成相に変態させることにより、一
部残留オーステナイトを含有していてもよい針状ヘイナ
イト、マルテンサイト又はこれらの混合Miv@からな
る微細な低温変態生成相がフェライト相中に均一に分散
された最終金属組織を得るのである。上記調整冷却方法
としては、水冷又は油冷を採用し得る。
平均冷却速度は上記のように限定される。冷却速度が1
5℃/秒よりも遅い場合には、塊状オーステナイトから
ポリゴナルフエライトが生成し、残留する塊状オーステ
ナイト粒子は塊状第2相に変態し、一方、冷却速度が1
50℃/秒よりも速い場合には、上記したように塊状第
2相が生成するからである。また、本発明においては、
フェライト相中における第2相の体積分率は10〜50
%、好ましくは15〜40%の範囲とする。第2相の体
積分率がこの範囲にあるとき、第2相粒子は針状であり
、且つ、その平均換算粒子径が3μ以下となり、かくし
て、得られる線材は、従来にない独特の複合組織を有す
るために、すぐれた強加工性を有する。また、第2相の
体積分率が上記範囲をはずれるとき、上記条件下での冷
却によっても、最終組織中に塊状第2相が混入しやすい
冷却停止温度は常温乃至500°Cである。これは、低
温変態生成相としてヘイナイト、マルテンサイト又はこ
れらの混合組織を得るためであると共に、この温度範囲
内で冷却速度を遅くし、又は停止することによって、生
成した第2相の焼戻しを兼ねさせることもできるからで
ある。
以上のように、本発明において用いる鋼材は、低炭素鋼
の組織を予めベイナイト、マルテンサイト又はこれらの
微細混合組織とし、これより逆変態した塊状オーステナ
イトを所定の冷却条件下に変態させて、針状の低温変態
生成相が10〜50%の体積分率にてフェライト相中に
均一に分散されてなる従来にない特異な微細複合m織を
有し、かくして、冷間加工において、再結晶温度以下の
温度への熱処理を施すことによって、加工限界を改善し
、最終加工品の強度を向上し、或いはこれらを同時に達
成することができる。更に、加工材が部位によって加工
度が異なるような場合にも、得られる加工材の均質化を
図り、形状性にすぐれた回向材を得ることができ、また
、耐熱性も向上する。
本発明の方法において、上記熱処理とは、加工方向に伸
長したフェライトとマルテンサイトの2相が形成する組
織フローを破壊しない程度の温度及び時間にて加熱する
ことを意味し、従って、この熱処理時、加工材の実体が
再結晶温度以下の温度に加熱されることを意味する。加
熱温度は、加熱時間にもよるが、通常、200〜700
℃の範囲であり、好ましくは300〜600℃の範囲で
ある。
一般に、鋼材は、冷間加工によって、組織中の各相が加
工方向に伸長して、所謂組織フローを形成し、また、ミ
クロ的には各和尚に転位等による下部組織が生じ、これ
らの変化に伴って冷間加工材の強度が上昇する。本発明
の方法によれば、冷間加工の途中でこの組織フローを破
壊しない程度に加熱することによって、下部組織が一部
回復すると共に、C,N等の元素の微細析出が各和尚に
起こる。そこで、かかる熱処理を施された冷間加工材を
更に冷間加工するとき、下部組織中に存在する上記析出
物を核として新たな下部組織が形成されて発達し、他方
、m織フローはその前の冷間加工に引き続いて、各冷間
工程ごとに発達していくので、この結果とし人、鋼材の
冷間加工限界が改善され、また、冷間加工材の強度も高
められるとみられる。
従って、熱処理前の冷間加工によって組織フローと下部
組織とを形成させ、発達させるために、最小の冷間加工
度が規定され、また、熱処理後の冷間加工においては、
新たな下部組織を形成させ、発達させるために、最小の
冷間加工度が規定されることとなるが、本発明者らの研
究によれば、上記した最小加工度はいずれも、大略50
〜80%程度である。また、加熱処理時の下部組織の回
復の度合や、C,N等の元素の析出状態によって、加熱
処理後の強度や、その後の加工による加工硬化率が変化
するので、熱処理の温度及び時間は、目的に応じて最適
に設定されるのが好ましい。
尚、従来、加工限界近くまで加工した伸線を再結晶温度
以上に加熱し、加工組織を消却させて、加工前の状態に
戻し、再度、加工する方法が知られている。しかし、こ
の場合の加熱処理は、所謂焼なまし処理であり、他方、
本発明の方法における熱処理は、再結晶温度以下への加
熱であるので、従来の焼なまし処理とは異なる。本発明
の方法において、熱処理温度を再結晶温度以上とすると
きは、熱処理後の強度が低下すると共に、その後に再度
、冷間加工を行なっても、強度は向上せずに、単に加工
のみが可能となるにすぎない。
(発明の効果) 本発明の方法によれば、所定の複合組織を有する鋼材を
冷間加工するに際して、冷間加工途中にて、その再結晶
温度以下の温度に加熱処理することによって、加工限界
を向上させ、得られる冷間加工材の強度を上昇させ、更
には、均質な冷間加工材を得ることができる。
(実施例) 以下に参考例及び実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例によって何ら限定されるものでは
ない。
参考例 (複合組V&鋼材の製造及び性質) 第1表に示すように、本発明で規定する化学組成を有す
る鋼A及びBを圧延後に水冷して、前組織を微細なマル
テンサイト組織としたものをそれぞれA1及びB1とし
、比較鋼として、mAを圧延後空冷して、前組織をフェ
ライト・パーライト組織としたものをA2とする。旧オ
ーステナイト粒径はいずれも20μ以下である。
次に、上記AI及びB1を異・なるオーステナイト分率
を有するようにA CI−A (3域に3分間加熱保持
し、種々の平均冷却速度にて常温まで冷却した。加熱温
度及び冷却速度に対する第2相粒子の形態とその体積分
率を第1図に示す。実線はフェライトと針状第2相との
均一な混合組織を有し、破線はフェライトと塊状第2相
、又はフェライトと針状若しくは塊状第2相との混合組
織を示す。
平均冷却速度125°C/秒又は80°C/秒で冷却し
たとき、鋼材の第2相形態は針状であって、組織はこの
第2相がフェライト相中に均一に分散して形成されてお
り、また、第2相の体積分率は加熱温度にかかわらずに
ほぼ一定である。これに対して前組織が同しであっても
、平均冷却速度が170℃/秒以上のときは、第2相形
態は塊状、又は塊状と針状の混合物となり、更に第2相
分率は加熱温度が高いほど多くなる。
第2図は最終組織に含まれる第2相体積分率と第2相粒
子の平均換算粒子径の関係をマルテンサイト前組織のA
1及びB1、並びにフェライト・パーライト前組織A2
及びB2についてそれぞれ示す。ここで、平均換算粒子
径は、いずれの形態についても、前記したように面積を
円に換算したときの平均直径を意味する。
いずれの鋼材についても、第2相粒子の粒子径は第2相
体積分率の増加に伴って大きくなるが、第2相分率が同
一である場合は、マルテンサイト前m織から得られる粒
子の粒子径はフェライト・パーライト前組織から得られ
る粒子の粒子径に比べて著しく小さい。即ち、同一の組
成を有する鋼片であっても、前組織をフェライト・パー
ライトからマルテンサイト組織に調整することにより、
第2相粒子を格段に微細化できる。この第2相粒子の微
細化により、鋼材の延性は大幅に改善されるが、必ずし
も強加工性に冨むとは限らない。即ち、本発明に従って
、第2相の体積分率を10〜50%、好ましくは15〜
40%の範囲とすることによって、第2相の形態は針状
が主体となり、且つ、第2相が平均換算粒子径3μ以下
の微細な針状粒子からなり、更に、このような微細な針
状第2相がフェライト中に均一に分散分布されるために
強加工性にすぐれるのである。勿論、上記は第2相が針
状ベイナイト又はこれとマルテンサイトとの混合組織の
場合にも当てはまる。
次に、鋼材AI及びA2について、加熱及び冷却条件、
最終組織並びに機械的性質を第2表に示す。前組織が微
細なマルテンサイトであるA1をオーステナイト化分率
が20%以上となるようにA C1〜ACn域に加熱し
た後、125℃/秒で冷却して得られた鋼番号3.4.
5及び6の鋼材は、フェライト相中に微細な針状マルテ
ンサイト(第2相)が体積分率15〜40%の範囲内で
均一に混合分散されてなる複合組織を有し、強度・延性
バランスに格段にすぐれていることが明らかである。
一方、前組織はマルテンサイトであるが、鋼番号1はA
 C1〜A (3域に加熱後の冷却速度が遅いために、
また、鋼番号2はA(1〜AC3域に加熱した際のオー
ステナイト化分率が小さいために、いずれもその組織が
フェライトと塊状及び針状マルテンサイトとの微細な混
合組織であり、上記鋼番号3〜6に比べれば、強度・延
性バランスにやや劣る。
これに対して、前組織がフェライト・パーライトである
鋼材A2は、加熱及び冷却条件にかかわらずに、第2相
の形態が塊状である鋼番号10.11又は12を与え、
これらはいずれも強度・延性バランスに劣っている。ま
た、鋼番号7〜9はいずれもフェライトと塊状マルテン
サイトの混合mmであって、強度・延性バランスに劣る
次に、本発明による6、41径線材に冷間伸線による強
加工を加えた。この加工後の性質を第3表に示す。加工
度90%にて引張強度90kgf/mm”、破断絞り5
8%である21麿径の極細鋼線を得ることができ、加工
度99%によって一層鋼強度の0゜7鰭径の極細鋼線を
得ることができる。
次に、第1表に示すように、本発明で規定する化学組成
を有するiB及びCを本発明に従ってフェライトと針状
マルテンサイトの均一な微細複合組織を有する5、5鰭
線径の線材とした。これらをそれぞれB1及びCIとす
る。このB1及びCIの機械的性質及びこれらを1.0
龍以下の線径の極細鋼線に強加工した伸線材の機械的性
質を第4表に示す。
B1及びC1は共に高延性を存し、99.9%の強加工
が可能であり、このようにして得られる極細鋼線も高強
度及び高延性を有する。また、鋼C1を加工率97%で
伸線して線材(線径0.95mm)とし、これを300
〜400°Cの温度で低温焼鈍した後の機械的性質をも
第4表に示す。線材が低温焼鈍によって延性が改善され
ていることが明らかである。強度低下は認められない。
実施例1 (冷間圧延材の製造) 第5表に示す化学成分を有する鋼記号1を熱間圧延した
後、350℃にて低温巻取して、フェライトと体積分率
26%の塊状マルテンサイトと少量のへイナイトを含む
組織を有する厚さ3.2 +nの熱延鋼板を製造した。
この熱延鋼板を更に800℃のオーステナイト・フェラ
イト2相域に加熱した後、冷却することによって、フェ
ライトと針状マルテンサイトからなる複合組織を有する
熱延鋼板1aを得た。この熱延鋼板におけるマルテンサ
イト体積分率は約30%であった。
上記熱延鋼板1aを加工率69%にて冷間圧延して、厚
さ1.Q 鶴の冷延鋼板とした後、460℃の温度で1
分間加熱し、冷却する熱処理を施した、この後、更に、
厚さ0.35 amに冷間圧延した(合計加工率89%
)。次に、加工条件の比較のために、上記熱延鋼板1a
を途中で熱処理を施すことなく、厚さ0.35tmに冷
間圧延した。これを鋼板1alとする。冷間圧延率と得
られた冷間圧延材の引張強度との関係を第3図に示す。
1aとIa’とを比較すると、1aの方が高強度化され
ていることが明らかであ“る。
次に、前記熱延鋼板を2相域加熱及び冷却処理なしにて
、同様の条件で冷間圧延した結果を第3図に1bにて示
す。更に、加工性の比較のために、1bの熱延鋼板につ
いて、途中で熱処理を施すことな(、厚さ0.35 m
mまで冷間圧延したところ、端部に微小な割れが観察さ
れた。この結果から、本発明の方法による加工材が加工
性にすぐれていることが明らかである。
このように、本発明の方法による冷間加工材は高強度で
あり、且つ、加工性もすぐれている。
実施例2 (冷間圧延材の装造) 第5表に示す化学成分を有する鋼記号2を熱間圧延した
後、直接焼入れにてマルテンサイトを主体とする7、5
−■径の線材とした。旧オーステナイト粒径は約15〜
20μであった。次いで、この線材をフェライト・オー
ステナイト域に加熱後、焼入れして、マルテンサイト分
率約30%のフェライト・マルテンサイトMi HJi
とした。ここに、マルテンサイトの粒子形状は針状と塊
状とが混合したものであった。
ごの線材を平圧延して厚さ2msの銅帯とした後、50
0℃の温度に1分間加熱後、冷却する熱処理を施し、更
に、74%まで冷間圧延した。加工工程におりる銅帯端
部及び中央部の硬度変化を第4図に示す。本発明の方法
によれば、最終加工材の中央部と端部の硬度差が極めて
少なく、均質なものを得ることができるので、高強度で
均質な冷間加工材を得ることができる。
実施例3 第5表に示す化学成分を有する鋼記号3〜5を熱間圧延
し、直接焼入れにて5.5市径線材とした。
これらの線材は、いずれもマルテンサイト主体の組織を
有し、旧オーステナイト粒径はいずれも35μ以下であ
った。これらの線材を810℃の温度で2分間加熱した
後、調整冷却して、フェライト中に針状マルテンサイト
が均一に分散された複合組織とした。マルテンサイト体
積分率は、線材3及び4については約20%、線材5は
約25%であった。
これら5.5龍径線材を1. On+径(加工度96.
7%)に伸線した後、350〜650°Cで1分間加熱
後、冷却し、この後、更に伸線して、最小0.3811
径伸線とした。比較のために、途中の熱処理なしに、上
記線材を伸線加工した。
第5図に熱処理の加熱温度と得られた伸線材の引張強度
との関係を示す。加熱温度と加工度とを適切に選ぶこと
によって、高強度の冷間伸線材を得ることができる。ま
た、本発明の方法による冷間伸線材は、比較のための伸
線材に比べて、靭性もすぐれていた。
図示したような5.5鳳■径線材から0.38 in径
線材への加工度は99.5%であって、極めて強加工で
あるので、多数の伸線ダイスによる繰返し加工を必要と
し、表面の不均一加工の度合も著しくなるが、本発明の
方法によれば、伸線加工の途中における熱処理の結果、
上記のような不均一加工部が均質化されるので、最終伸
線)オの延性や線くせが改善される。
また、第6図は、本発明の方法に従って、線材3.4及
び5の伸線途中にて熱処理を行なって得た最終伸線材(
合計加工度98%)の耐熱性を示す。本発明の方法によ
れば、高炭素鋼線材よりも耐熱性がすぐれることが理解
される。なかでも、Si量の最も多い線材5が最も耐熱
性にすぐれる。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明で規定する組成を有する鋼をA、〜A0
域に加熱し、冷却したときの加熱温度と平均冷却速度と
に対する低温変態生成相の形態とそのフェライト相中に
おける体積分率の関係を示すグラフ、第2図は第2相の
体積分率と、第2相の形態及び粒子の平均換算粒子径と
の関係を示すグラフ、第3図は熱間圧延板を本発明の方
法に従って、冷間圧延したときの冷延板の引張強度の変
化を示すグラフ、第4図は複合組織線材を本発明の方法
に従って冷間圧延したときの銅帯中央部と端部のビッカ
ース硬度の変化を示すグラフ、第5図は本発明の方法に
従って複合組織線材を熱処理したときの熱処理温度と、
得られた伸線の引張強度との関係を示すグラフ、第6図
は本発明の方法による伸線の耐熱性を示すグラフである
。 特許出願人  株式会社神戸製鋼所 代理人 弁理士  牧 野 逸 部 第1図 カリ 熱5品度  (・す 第2図 第3図 xi’y/ 第4図 第5図 セ処理溢友と°C) 第6図 力ロ裏δよ昆i((°り

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)重量%で C0.01〜0.30%、 Si2.0%以下、 Mn0.3〜3.0%、 残部鉄及び不可避的不純物よりなり、マルテンサイト、
    ベイナイト又はこれらの混合組織からなる低温変態生成
    相がフェライト相に対して10〜50%の体積分率でフ
    ェライト相中に均一に分散されてなる複合組織を有する
    鋼材を冷間加工するに際して、冷間加工途中の加工材に
    再結晶温度以下の温度で加熱処理を施し、更に冷間加工
    することを特徴とする冷間加工方法。
  2. (2)重量%で (a)C0.01〜0.30%、 Si2.0%以下、 Mn0.3〜3.0%、及び (b)Nb0.005〜0.2%、 V0.005〜0.3%、及び Ti0.005〜0.3% よりなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含有し
    、残部鉄及び不可避的不純物よりなり、マルテンサイト
    、ベイナイト又はこれらの混合組織からなる低温変態生
    成相がフェライト相に対して10〜50%の体積分率で
    フェライト相中に均一に分散されてなる複合組織を有す
    る鋼材を冷間加工するに際して、冷間加工途中の加工材
    に再結晶温度以下の温度で加熱処理を施し、更に冷間加
    工することを特徴とする冷間加工方法。
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