JP3634040B2 - 自動車のコンソールボックス - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車のコンソールボックスに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車内には、運転席と助手席の間に物品収容のためのコンソールボックスが設けられることが多い。そのコンソールボックスは、上面が開口した平面略長方形の物品収容凹部を有するボックス本体と、そのボックス本体にヒンジで開閉可能に連結された蓋体とよりなる。
【0003】
前記物品収容凹部は、種々のものを収容できるように何等仕切られていないのが一般的である。そのため、缶飲料やカセットテープあるいはコンパクトディスク(CD)等を、コンソールボックスに入れて走行すると、缶飲料等が転がって互いに衝突したり、コンソールボックスの内壁に衝突する音が発生し、乗員に不快感を与える。また、飲みかけの缶飲料をコンソールボックス内に立てて走行すると、走行時の振動や停車等によって缶飲料が倒れる問題がある。
【0004】
なお、缶飲料やカセットテープ等についてはコンソールボックスとは別に車内に設ける専用のホルダーやケースが既に知られている。しかし、その缶飲料ホルダーやカセットテープ等のケースは、車内での設置場所に困るのみならず車内を狭くする問題もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は前記の問題を解決し、缶飲料やカセットテープ等を自動車走行時に転がらないように、しかも効率よく収容できるコンソールボックスを提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上面が開口して平面略長方形とされた物品収容凹部を有するボックス本体と、該ボックス本体に開閉可能に連結された蓋体とよりなるコンソールボックスにおいて、前記ボックス本体の物品収容凹部内にその長手方向と直交させて缶飲料を寝かして置いた際に、該缶の下側側面にその周方向に離れる2か所で上端が当接する第一リブを、該物品収容凹部の内底面にその長手方向に対して直交し、かつ該長手方向に対して所定間隔で立設するとともに、前記物品収容凹部の長手方向と平行な二つの長い内壁面の一方に前記缶の一端が当接するようにして該缶を物品収容凹部内に寝かした際に、該缶の他端と先端が接触または接近する第二リブを、前記第一リブ間に所定間隔でしかも前記缶の一端と当接する長い内壁面に向けその反対側の内壁面から突設したことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下添付の図面に従ってこの発明を詳細に説明する。
図1はこの発明の一実施例に係るコンソールボックスの斜視図、図2は同実施例の平面図、図3は図2の3−3断面図、図4は同実施例における使用状態を示す平面図、図5は図4の5−5断面図、図6は同実施例における他の使用状態を示す断面図、図7は他の実施例を示す平面図である。
【0008】
図1ないし図3に示すこの発明の一実施例のコンソールボックス10は、ボックス本体11と蓋体21とからなる。なお、このコンソールボックス10は、蓋体21のヒンジ22側を自動車内の後部座席へ向けた状態で、自動車のインストルメントパネル(図示せず)下部に連接して設けられる。
【0009】
ボックス本体11は、プラスチックからなるもので、平面が略長方形、側面が略台形をしており、上面が開口した物品収容凹部12とその長手方向A両端に上面の開口した缶保持部18とを内部に有する。
【0010】
前記物品収容凹部12は、缶飲料やカセットテープあるいはコンパクトディスク等を収容するためのもので、平面略長方形からなる。この物品収容凹部12の寸法は、その長手方向Aと直交する方向Bの幅bが、対象とする缶飲料の缶の高さよりも大とされ、また深さ(上下高さ)が蓋体21を閉じた際にコンパクトディスクまたはカセットテープを立てて収納できる深さとされる。この実施例の物品収容凹部12は、350ccまたは250cc入りの缶飲料を横にして収納できるように、幅bが350ccまたは250cc入り缶の高さよりも大きい145mm、深さが90mm、長さaが230mmとされている。なお、350cc入りの缶は、外径が略65mm、高さが略120mmであり、一方、250cc入りの缶は、外径が略52mm、高さが略120mmである。
【0011】
前記物品収容凹部12の内底面13には、第一リブ16と第二リブ17が形成されている。
第一リブ16は、このコンソールボックス10の使用状態を示す図4及び図5に示すように、物品収容凹部12内にその長手方向Aと直交させて缶飲料の缶41,42を寝かして置いた際に、缶41,42の下側側面41a,42aの周方向に離れる2か所で缶の下側側面41a,42aと当接して該下側側面41a,42aを支持し、それにより、自動車走行時に缶41,42が転がらないようにするためのものである。符号41は350cc入りの缶、42は250cc入りの缶を示す。
【0012】
前記第一リブ16は、物品収容凹部12の内底面13にその長手方向Aに対し直交し、かつ該長手方向Aに対し所定間隔で複数立設されている。この実施例の第一リブ16は幅cが130mm、厚みが2mm、間隔d(第一リブ16同士の中心間隔)が缶の直径より小さい34mm、高さが6mmからなって、物品収容凹部12の長手方向Aに沿う長い内壁面14,14から僅か離して形成されている。また、物品収容凹部12の長手方向Aに対して直交する短い内壁面15,15と、前記長手方向両端の第一リブ16a,16a中心との間隔eは30mmとなっている。
【0013】
第二リブ17は、図4に示すように、物品収容凹部12内にその長手方向Aと直交させて寝かせて収容した缶41,42が、その缶41,42の両端41c,41d,42c,42d方向にスライドしてがたつくのを防ぐため、また、缶41,42が配置されない第一リブ16間にカセットテープやコンパクトディスク45を立てて保持するためのものである。
【0014】
この第二リブ17は、長い内壁面14,14の一方14aに前記缶41,42の一端41c,42cを当接させて缶41,42を物品収容凹部12内に寝かした際に、該缶41,42の他端41d,42dと先端が接触または接近するように、前記一方の内壁面14a(または14b)に向けて他方の内壁面14b(または14a)から突設されている。この実施例の第二リブ17は、物品収容凹部12内底面からの高さが10mm、内壁面14b(または14a)からの突出長さが10mm、間隔が12.5mmとされて、第一リブ16間に2本づつ形成されている。なお、この実施例の第二リブ17は、その突設される内壁面14(14aまたは14b)が第一リブ16の両側で反対となっているが、それに限られるものではなく全て同一側の内壁面から突出するようにしてもよい。
【0015】
缶保持部18は、図4及び図5に示すように缶43を立てて保持するために、ボックス本体11の長手方向A両端に形成されたもので、特に飲みかけの缶飲料に対し有効なものである。この缶保持部18は、前記物品収容凹部12の長手方向Aに対し直交する前記短い内壁面15とボックス本体11の外周側面11aとの間の周縁上面11bに、上面が開口した穴形状で形成されている。その缶保持部18の径は66mmとなっている。なお、この実施例の缶保持部18は、ボックス本体11の長手方向A寸法が大になるのを防ぎ、しかも、物品収容凹部12の内容積が小さくなるのを防ぐため、図1及び図2に示すように、前記短い内壁15側で開口18aしており、図4に示すように、缶43を立てて保持した際に缶43の側面の一部43aが、前記内壁面15の開口18aから物品収容凹部12内に突出するようになっている。また、前記缶保持部18はボックス本体11の長手方向A一端のみに設けてもよい。
【0016】
蓋体21は前記ボックス本体11の物品収容凹部12の蓋として用いられるもので、プラスチックからなり、前記ボックス体11の上部一端に形成されたヒンジ固定部11cに、ヒンジ22を介して開閉可能に連結されている。この蓋体21の深さは、物品収容凹部12にカセットテープ類を立てて収容した場合でも物品収容凹部12に蓋をできる寸法が好ましい。
【0017】
前記構造のコンソールボックス10は、図4及び図5のように、物品収容凹部12内の第一リブ16上に缶41,42が寝かせて配置される。その際、缶41,42は物品収容凹部12の長手方向Aに対して直交する方向Bにされるとともに、缶41,42の一端41c,42cが長い内壁面14,14の一方14a(または14b)に当接するようにされ、それによって、缶41,42の他端41d,42dが第二リブ17の先端と当接または接近するようにされる。
【0018】
また、缶41,42が配置されない第一リブ16間ではその第一リブ16と第二リブ17間、あるいは第二リブ17間にカセットテープやコンパクトデスク45が立てて挟持される。その際、カセットテープやコンパクトディスク45の幅は、缶41,42の高さ(寝かした際の長さ)と略同じかそれ以下であるため、カセットテープ類45の端部と一方の内壁面14a(または14b)間には隙間Sができる。したがって、カセットテープ類45を取り出す際に前記隙間Sに指を差し込むことができ、取り出しを容易に行なえる。さらに、必要に応じて前記缶保持部18には缶43が立てて保持される。
【0019】
前記物品収容凹部12に寝かせて配置された缶41,42は、その周方向に離れる2か所で下側側面41a,42aが第一リブ16と当接して支持されるため、自動車走行時に缶41,42が物品収容凹部12の長手方向に移動するのが防止される。しかも、その缶41,42の両端41c,42cが物品収容凹部12の長い内壁面14a(または14b)と第二リブ17間で保持されるため、自動車の回転等の際に缶41,42がその両端方向に大きく移動することがない。さらに、カセットテープやコンパクトディスク45は前記第一リブ16と第二リブ17、あるいは第二リブ17間で端部が挟持されるため、自動車走行時にがたつくおそれがない。また、前記缶保持部18に立てて保持された缶43も確実に保持され、倒れることがない。
【0020】
なお、前記物品収容凹部12には缶のみ、あるいはカセットテープ類のみ、または他のものを収容してもよい。図6は、缶41のみを寝かせて収容した場合を示し、この場合には缶41を山積みにしても缶41が転がるおそれがないため、よりたくさんの缶を物品収容凹部12に収容できる。
【0021】
図7は他の実施例のボックス本体31を示す平面図である。この実施例のボックス本体31は、缶41を立てて保持するための缶保持部38を物品収容凹部32内に設けたもので、その他の構造については、前記図1ないし図6の実施例と同じである。
【0022】
すなわち、この実施例では、物品収容凹部32の長手方向Aと直交する短い内壁面35と対面する第一リブ36aの中央部に上下方向に沿う分断部39を設けて、前記短い内壁面35と第一リブ36a間に缶41を立てて挿入した際に該缶41の側面の一部が前記分断部39に嵌まって位置固定されるようにしたのである。それにより、前記缶41は内壁面35と第一リブ36a間で確実に挟持され、自動車走行時に倒れないうようになる。この実施例において、前記分断部39の隙間は40mmとされ、またその分断部39が形成された第一リブ36aの高さは20mmからなり、他の寸法は図1ないし図6の実施例と同じである。
なお、前記缶保持部38は缶41を保持しない場合、他の物品の収容部として用いることができる。符号34は長い内壁面、36は第一リブ、37は第二リブ、31cは蓋体のヒンジ固定部である。また、内壁面35に缶41の側面が嵌まる凹部を設けてもよい。
【0023】
【発明の効果】
以上図示し説明したように、この発明のコンソールボックスによれば、缶飲料やカセットテープ等を効率よく収容でき、しかも自動車走行時に缶飲料等が転がらないようにできるため、きわめて実用的効果が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係るコンソールボックスの斜視図である。
【図2】図2は同実施例の平面図である。
【図3】図2の3−3断面図である。
【図4】同実施例における使用状態を示す平面図である。
【図5】図4の5−5断面図である。
【図6】同実施例における他の使用状態を示す断面図である。
【図7】他の実施例を示す平面図である。
【符号の説明】
10 コンソールボックス
11 ボックス本体
12 物品収容凹部
14 長手方向に沿う長い内壁面
15 長手方向と直交する短い内壁面
16 第一リブ
17 第二リブ
18 缶保持部
21 蓋体
Claims (3)
- 上面が開口して平面略長方形とされた物品収容凹部を有するボックス本体と、該ボックス本体に開閉可能に連結された蓋体とよりなるコンソールボックスにおいて、
前記ボックス本体の物品収容凹部内にその長手方向と直交させて缶飲料を寝かして置いた際に、該缶の下側側面にその周方向に離れる2か所で上端が当接する第一リブを、該物品収容凹部の内底面にその長手方向に対して直交し、かつ該長手方向に対して所定間隔で立設するとともに、
前記物品収容凹部の長手方向と平行な二つの長い内壁面の一方に前記缶の一端が当接するようにして該缶を物品収容凹部内に寝かした際に、該缶の他端と先端が接触または接近する第二リブを、前記第一リブ間に所定間隔でしかも前記缶の一端と当接する長い内壁面に向けその反対側の内壁面から突設したことを特徴とする自動車のコンソールボックス。 - 請求項1において、物品収容凹部の長手方向に対し直交する短い内壁面とボックス本体の外周側面との間に上面が開口した缶保持部を有することを特徴とする自動車のコンソールボックス。
- 請求項1において、物品収容凹部の長手方向と直交する短い内壁面と対面する第一リブの中央部に上下方向に沿う分断部を設けて、前記短い内壁面と第一リブ間に缶を立てて挿入した際に該缶の側面の一部が前記分断部に嵌まるようにしたことを特徴とする自動車のコンソールボックス。
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