JP3632813B2 - 電子制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、マイクロコンピュータシステム(以下、CPUと記す)の暴走を検出するCPU動作監視回路(以下、ウォッチドックタイマと記すことがある)を備えた電子制御装置に係り、詳しくはウォッチドックタイマの動作を確認できるようにした電子制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
CPUから所定周期のパルス信号を発生させ、このパルス信号の周期をウォッチドックタイマで監視し、所定周期を越えてもパルス信号が発生されない場合はCPUの動作が異常であると判断する技術は、特開昭57−50004号公報,特開昭61−23202号公報,特開昭62−70948号公報,特開平2−40735号公報等で知られている。
【0003】
ウォッチドックタイマによってCPUの動作異常(暴走)が検出された場合、CPUをリセットすることが一般に行なわれている。また、CPUの動作異常が連続的に発生した場合には、CPUをリセット状態に保持することでCPUの動作を停止させる技術が、前述の特開昭61−23202号公報に記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来の電子制御装置等では、ウォッチドックタイマが正常に動作しているか否かをチェックする手段を備えていない。このためウォッチドックタイマが故障した状態で、CPUが暴走等した場合にはそれを検出することができない課題がある。
【0005】
この発明はこのような課題を解決するためなされたもので、ウォッチドックタイマの動作を確認できるようにした電子制御装置、ならびに、ウォッチドックタイマが正常に動作できない場合にはCPUの動作を制限できるようにした電子制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するためこの発明に係る電子制御装置は、正常動作状態にあるときは所定周期で動作確認信号を出力するCPU部と、動作確認信号の周期が予め設定した許容周期範囲外であるときに動作異常検出信号を発生するCPU動作監視回路とを備えた電子制御装置において、動作異常検出信号に基づいてCPU部から供給されている電源供給用リレー駆動信号が電源供給用リレー駆動回路へ供給されるのを阻止する異常時出力停止回路と、CPU動作監視回路へ許容周期範囲外のテスト信号を供給する監視動作テスト手段と、電源供給用リレーの動作状態を検出する電源供給用リレー動作状態検出回路を備え、CPU部はテスト信号の供給に伴う電源供給用リレーの動作状態の変化に基づいてCPU動作監視回路の動作をチェックすることを特徴とする。
【0007】
この発明に係る電子制御装置は、CPU動作監視回路によってCPU部の動作異常が検出されると、動作異常検出信号が異常時出力停止回路へ供給され、CPU部から出力される制御信号が被制御部へ供給されるのを阻止する。よって、CPU動作監視回路へテスト信号を供給し、異常時出力停止回路の出力側の状態または被制御部の動作状態を監視することで、CPU動作監視回路が正常に動作しているか否かをチェックすることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。なお、本実施の形態では、電子制御装置の具体例として電動パワーステアリング装置について説明する。図1は電動パワーステアリング装置の一例を示す模式構造図である。電動パワーステアリング装置1は、ステアリング系に電動機10を備え、電動機10から供給する動力を制御装置20を用いて制御することによって、運転者の操舵力を軽減している。
【0009】
ステアリングホイール(操向ハンドル)2に一体的に設けられたステアリング軸3は、自在継ぎ手4a,4bを有する連結軸4を介してラック&ピニオン機構5のピニオン6へ連結される。ラック軸7はピニオン6と噛合するラック歯7aを備える。ラック&ピニオン機構5は、ピニオン6の回動をラック軸7の軸方向への往復運動へ変換する。ラック軸7の両端にタイロッド8を介して転動輪としての左右の前輪9が連結される。ステアリングホイール2を操舵すると、ラック&ピニオン機構5ならびにタイロッド8を介して前輪(操向車輪)9が揺動される。これにより車両の向きを変えることができる。
【0010】
操舵力を軽減するために、操舵補助トルク(アシストトルク)を供給する電動機10をラック軸7と同軸的に配置し、ラック軸7にほぼ平行に設けられたボールねじ機構11を介して電動機10の回動出力を推力に変換して、ラック軸7に作用させている。電動機10のロータには、駆動側ヘリカルギア10aが一体的に設けられている。ボールねじ機構11のねじ軸11aの軸端に一体的に設けられたヘリカルギア11bと駆動側ヘリカルギア10aとを噛合させている。ボールねじ機構11のナット11cはラック軸7に連結されている。
【0011】
ステアリングボックス(図示しない)に設けられた操舵トルク検出器(操舵トルクセンサ)12によってピニオン6に作用する手動操舵トルクを検出し、検出した操舵トルクに応じた操舵トルク信号12aを制御装置20へ供給している。 制御装置20は、操舵トルク信号12aを主信号として電動機10の運転を行なって、電動機10の出力パワー(操舵補助トルク)を制御する。
【0012】
図2は制御装置のブロック構成図である。制御装置20は、CPU部21と、CPU動作監視回路(WDT:ウォッチドックタイマ)22と、異常時出力停止回路23と、ゲート駆動回路24と、H型ブリッジ回路25と、電流検出器26と、A/D変換器27と、異常記憶部28と、定電圧回路(REG)29と、パワーオンリセット回路(POR)30と、電源供給用リレー31と、電動機遮断用リレー32と、各リレー駆動回路33,34と、各動作状態検出回路35,36,37と、各電源供給用ダイオード38,39とからなる。符号40はバッテリ電源、符号41はヒューズ、符号42はイグニッションスイッチ、符号43は車速検出器、符号12は操舵トルク検出器である。
【0013】
CPU部21は、CPU,ROM,RAM,入出力ポート,システムコントローラ等からなるマイクロコンピュータシステムを1チップに集積した1チップマイクロコンピュータを用いて構成している。CPU部21は、ROMに格納された制御プログラムに基づいて電動機10を運転するための各種処理を繰り返し実行するとともに、CPU部21が正常に動作していることを示す動作確認信号(パルス信号)21aを所定周期毎に出力ポートO7から出力する。例えば、CPU部21は、入力処理,演算処理,出力処理等の一連の処理を行なった後に動作確認信号の出力処理を行なうことを繰り返すことで、CPU部21が正常に動作している場合には所定の周期で動作確認信号21aを出力するよう構成している。本実施の形態では、CPU部21が正常に動作している場合には、例えば1.5ミリ秒周期で動作確認信号21aが出力される。
【0014】
CPU動作監視回路(WDT)22は、CPU部21の出力ポートO7から供給される動作確認信号21aの周期を監視し、動作確認信号21aの周期が予め設定した許容周期範囲を外れている場合は、CPU部21の動作が異常であると判断して動作異常検出信号22aを出力する。本実施の形態では、CPU動作監視回路(WDT)22は、動作確認信号21aの周期が、例えば2ミリ秒を越えた場合、ならびに、動作確認信号21aの周期が、例えば1ミリ秒未満となった場合に、CPU部21の動作が異常であると判断して、Lレベルの動作異常検出信号22aを出力する。
なお、以降の説明において、検出信号22aがHレベルの時でも便宜上動作異常検出信号と表現する場合があるが、正確には検出信号22aがLレベルの時が動作異常検出信号である。
【0015】
異常時出力停止回路23は、CPU動作監視回路(WDT)22によってCPU部21の動作異常が検出された際に、その異常検出出力である動作異常検出信号22aに基づいてCPU部21から出力される各種の制御信号が各制御対象へ供給されるのを阻止する。CPU暴走時には正常でない(所望しない)制御信号が出力されることがあるが、異常時出力停止回路23を設けることで正常でない制御信号が各制御対象へ供給されるのを防止することができる。本実施の形態では、CPU部21の各出力ポートO1〜O6から出力される各制御信号に対応して2入力アンド回路(論理積回路)A1〜A6をそれぞれ設け、各2入力アンド回路A1〜A6の一方の入力端子に各制御信号をそれぞれ供給するとともに、各2入力アンド回路A1〜A6の他方の入力端子に動作異常検出信号22aを供給することで、CPU部21が正常動作状態にあるときはCPU部21の各出力ポートO1〜O6から出力される各制御信号が後段の各回路部へ供給され、CPU部21の動作異常が検出された際には各アンド回路A1〜A6の出力がLレベルになるようにして、各制御信号が後段の各回路部へ供給されないようにしている。なお、異常時出力停止回路23は、3ステートバッファ回路を用いて、CPU部21の動作異常が検出された際には3ステートバッファ回路の出力側を高インピーダンス状態にする構成としてもよい。
【0016】
ゲート駆動回路24は、CPU部21の各出力ポートO3〜O6から出力され、各アンド回路A3〜A6を介して供給されるPWM信号に基づいて、H型ブリッジ回路25を構成する電力用の各電界効果トランジスタ(FET)Q1〜Q4のそれぞれのゲートへゲート電力を供給する。
【0017】
電流検出器26は、H型ブリッジ回路25を介して電動機10へ供給される電流を検出し、検出した電流に応じた電圧信号(電動機電流信号)26aを出力する。電流検出器26は、電流検出用の抵抗と、電流検出用の抵抗の両端に発生した電圧を増幅する直流増幅器とで構成している。検出した電流に応じた電圧信号26aはA/D変換器27へ供給される。なお、電流検出器26は、ホール素子を備えた電流センサを利用して構成してもよい。
【0018】
A/D変換器27は、マルチプレクス入力型のものを用いている。A/D変換器27の各入力端子には、車速検出器43から出力される車速に応じた電圧信号(車速信号)43a、操舵トルク検出器12から出力される操舵トルクならびに操舵方向に応じた電圧信号(操舵トルク信号)12a、および、電流検出器26から出力される電動機電流に応じた電圧信号(電動機電流信号)がそれぞれ供給される。CPU部21は、A/D変換器27に対してA/D変換対象入力を指定する情報を、CPU部21のバス入出力端子群BIOに接続されたバス(アドレスバス,データバス,コントロールバス)BUSを介して供給することで、指定した変換対象入力のA/D変換を行なわせ、そのA/D変換結果をバスBUSを介して取り込む。
【0019】
異常記憶部28は、例えばEEPROMやフラッシュメモリ等の不揮発性メモリで構成している。CPU部21は、制御装置20に異常等が発生した場合、その異常内容等を示す情報をバスBUSを介して異常記憶部28へ格納する。また、CPU部21は、異常記憶部28に格納されている異常情報等をバスBUSを介して読み出し、読み出した異常情報等に基づいて制御内容を変更したり、また、読み出した異常情報等を図示しないシリアル通信ポートを介して他の装置へ伝送できるようにしている。
【0020】
定電圧回路(REG)29は、各電源供給用ダイオード38,39を介してバッテリ電源40から供給される直流電源に基づいて、安定化された回路用電源VCC(例えば5ボルト)を出力する。回路用電源VCCは、CPU部21,CPU動作監視回路22,異常時出力停止回路23,電流検出器26,A/D変換器27,異常記憶部28,パワーオンリセット回路30等の各回路部へ供給される。
【0021】
パワーオンリセット回路(POR)30は、回路用電源VCCが供給された時点から所定時間の間に亘ってパワーオンリセット信号30aを出力する。パワーオンリセット信号30aは、CPU部21のリセット入力端子RSへ供給される。パワーオンリセット信号30aによってCPU部21のリセット(初期化)がなされる。
【0022】
イグニッションスイッチ42がオン状態に操作されると、バッテリ電源40からヒューズ41,イグニッションスイッチ42,一方の電源供給用ダイオード38を介して定電圧回路(REG)29へバッテリ電源40が供給され、定電圧回路(REG)29から回路用電源VCCが出力される。パワーオンリセット信号30aによってCPU部21のリセットがなされた後に、CPU部21の制御動作が開始される。CPU部21は、以下に述べる初期状態設定処理ならびに初期の異常検出処理を最初に行なう。
【0023】
イグニッションスイッチ42がオン状態に操作されると、イグニッションスイッチ操作状態検出回路35の入力端子にバッテリ電源40が供給される。イグニッションスイッチ操作状態検出回路35は、入力端子に所定電圧以上の電圧が供給されると出力端子にLレベルの信号を出力し、入力端子に所定電圧以上の電圧が供給されていない場合は出力端子にHレベル(VCC)の信号を出力する。イグニッションスイッチ操作状態検出回路35の出力は、CPU部21の入力ポートI3に供給される。これにより、CPU部21のポート入力I3は、イグニッションスイッチ42がオンのときはLレベルになり、イグニッションスイッチ42がオフのときはHレベルとなる。CPU部21は、ポート入力I3の論理レベルをチェックすることで、イグニッションスイッチ42の操作状態(オンまたはオフ)を検出する。
【0024】
CPU部21は、イグニッションスイッチ42がオン状態であることを検出すると、出力ポートO1からHレベルの電源供給用リレー駆動信号21bを出力する。電源供給用リレー駆動信号21bは、2入力アンド回路A1を介して電源供給用リレー駆動回路33へ供給される。電源供給用リレー駆動回路33は、その入力端子がHレベルになると電源供給用リレー駆動回路33内の出力トランジスタがオン状態となるよう構成している。したがって、電源供給用リレー駆動信号21bに基づいて電源供給用リレー31の励磁巻線31aに励磁電流が供給され、電源供給用リレー31の接点31bがオン状態となる。
【0025】
電源供給用リレー31の接点31bがオン状態になると、バッテリ電源40がゲート駆動回路24,H型ブリッジ回路25へ供給されるとともに、他方の電源供給用ダイオード39を介して定電圧回路29へ供給される。他方の電源供給用ダイオード39を介して定電圧回路29へバッテリ電源40を供給する構成にすることで、イグニッションスイッチ42がオフ状態に操作されても、電源供給用リレー31の接点31bがオン状態に駆動されている間は、定電圧回路29を介して各回路部へ回路用電源VCCを供給して、各回路部が動作できるようにしている。
【0026】
また、バッテリ電源40は電源供給用リレー31の接点31bを介して電源供給用リレー動作状態検出回路36の入力端子へ供給される。電源供給用リレー動作状態検出回路36は、入力端子に所定電圧以上の電圧が供給されると出力端子にLレベルの信号を出力し、入力端子に所定電圧以上の電圧が供給されていない場合は出力端子にHレベル(VCC)の信号を出力する。電源供給用リレー動作状態検出回路36の出力は、CPU部21の入力ポートI2へ供給される。これにより、CPU部21のポート入力I2は、電源供給用リレー31が動作状態にあるときにはLレベルになり、電源供給用リレー31が非動作状態にあるときにはHレベルとなる。CPU部21は、ポート入力I2の論理レベルをチェックすることで、電源供給用リレー31の動作/非動作状態を検出する。CPU部21は、出力ポートO1からHレベルの電源供給用リレー駆動信号21bを出力しているにもかかわらず、電源供給用リレー31が動作状態にあることを検出できない場合には、電源供給用リレー31の駆動に異常があることを示す異常情報を異常記憶部28に記憶させる。
【0027】
CPU部21は、電源供給用リレー31が動作状態であることを検出すると、出力ポートO3を所定時間に亘ってHレベルにする。このHレベルの出力は2入力アンド回路A3を介してゲート駆動回路24へ供給され、ゲート駆動回路24から上側アームを構成する一方の電界効果トランジスタQ1のゲートにゲート電力が供給される。CPU部21は、出力ポートO3からHレベルの信号を出力している状態で、A/D変換器27を介して電流検出器26の検出電流値を読み込む。CPU部21は、読み込んだ電流値がゼロでない場合(または所定値を越えている場合)は、下側アームを構成する一方の電界効果トランジスタQ3に短絡障害等が生じているものと判断し、電界効果トランジスタQ3が故障である旨の情報を異常記憶部28へ書き込む。
【0028】
次に、CPU部21は、出力ポートO4からHレベルの信号を出力することで、上側アームを構成する他方の電界効果トランジスタQ2のゲートにゲート電力を供給させ、その状態で電流検出器26の検出電流値を読み込むことで、下側アームを構成する他方の電界効果トランジスタQ4に短絡障害が生じていないか否かをチェックする。また、CPU部21は、出力ポートO5からHレベルの信号を出力することで、下側アームを構成する一方の電界効果トランジスタQ3のゲートにゲート電力を供給させ、その状態で電流検出器26の検出電流値を読み込むことで、上側アームを構成する一方の電界効果トランジスタQ1に短絡障害が生じていないか否かをチェックする。さらに、CPU部21は、出力ポートO6からHレベルの信号を出力することで、下側アームを構成する他方の電界効果トランジスタQ4のゲートにゲート電力を供給させ、その状態で電流検出器26の検出電流値を読み込むことで、上側アームを構成する他方の電界効果トランジスタQ2に短絡障害が生じていないか否かをチェックする。
【0029】
CPU部21の出力ポートO3からHレベルの信号を出力することで、上側アームを構成する一方の電界効果トランジスタQ1のゲートにゲート電力を供給している状態では、電界効果トランジスタQ1がオン状態に制御される。この状態では、電源供給用リレー31の接点31bを介して供給されているバッテリ電源40が、電界効果トランジスタQ1ならびに電動機遮断用リレー32の接点32bの常閉側を介して電動機遮断用リレー動作状態検出回路37の入力端子へ供給される。電動機遮断用リレー32が動作状態になると、接点32の常閉側は開放状態(オフ状態)となるため、電動機遮断用リレー動作状態検出回路37の入力端子にバッテリ電源40からの電圧が供給されない。
【0030】
電動機遮断用リレー動作状態検出回路37は、入力端子に所定電圧以上の電圧が供給されると出力端子にLレベルの信号を出力し、入力端子に所定電圧以上の電圧が供給されていない場合は出力端子にHレベル(VCC)の信号を出力する。電動機遮断用リレー動作状態検出回路37の出力は、CPU部21の入力ポートI1へ供給される。これにより、CPU部21のポート入力I1は、電動機遮断用リレー32が非動作状態にあるときにはLレベルになり、電動機遮断用リレー32が動作状態にあるときにはHレベルとなる。CPU部21は、ポート入力I1の論理レベルをチェックすることで、電動機遮断用リレー32の非動作/動作状態を検出する。
【0031】
CPU部21は、H型ブリッジ回路25を構成する各電界効果トランジスタQ1〜Q4の異常チェックを終了すると、CPU部21の出力ポートO2からHレベルの信号を出力し、ポート入力I1の論理レベルに基づいて電動機遮断用リレー32が非動作状態(Lレベル)にあることを確認した後に、出力ポートO2にHレベルの電動機遮断用リレー駆動信号21cを出力する。なお、CPU部21は、電動機遮断用リレー駆動信号21cを出力していない状態で、電動機遮断用リレー32が動作状態であること検出した場合には、電動機遮断用リレー32の動作が異常であることを示す異常情報を異常記憶部28へ書き込む。
【0032】
電動機遮断用リレー駆動信号21cは、2入力アンド回路A2を介して電動機遮断用リレー駆動回路34へ供給される。電動機遮断用リレー駆動回路34は、その入力端子がHレベルになると電動機遮断用リレー駆動回路34内の出力トランジスタがオン状態となるよう構成している。したがって、電動機遮断用リレー駆動信号21cに基づいて電動機遮断用リレー32の励磁巻線32aに励磁電流が供給され、その接点32bは常閉側が開状態に、常開側が閉状態に切り替わる。これにより、H型ブリッジ回路25を介して電動機10へ電流を供給できる状態となる。
【0033】
CPU部21は、出力ポートO2から電動機遮断用リレー駆動信号21cを出力したことによって、電動機遮断用リレー32が動作状態になったことを検出すると、次に述べる操舵力アシスト処理を開始する。なお、CPU部21は、電動機遮断用リレー駆動信号21cを出力したにもかかわらず、電動機遮断用リレー32が非動作状態であることを検出した場合には、電動機遮断用リレー32の動作が異常であることを示す異常情報を異常記憶部28へ書き込む。
【0034】
CPU部21は、上述した初期状態設定処理ならびに初期の異常検出処理が完了すると、操舵力アシスト処理を開始する。CPU部21は、A/D変換器27を介して操舵トルク信号12aに対応した操舵トルクデータを取り込むとともに、A/D変換器27を介して車速信号43aに対応した車速データを取り込む。CPU部21は、CPU部21内に設けた操舵トルク−電動機電流変換テーブルを参照して操舵トルクに対応した目標電動機電流を求めるとともに、目標電動機電流を車速に応じて補正して補正電動機電流を演算する。CPU部21は、A/D変換器27を介して電動機電流信号26aに対応した電動機電流データを取り込み、補正電動機電流と電動機10に実際に供給されている電動機電流との偏差を求め、求めた偏差に基づいてPWM信号のデューティを設定し、偏差に対応したデューティのPWM信号を生成して、生成したPWM信号を各出力ポートO3〜O6から出力する。
【0035】
各出力ポートO3〜O6から出力されたPWM信号は、各2入力アンド回路A3〜A6を介してゲート駆動回路24へ供給され、ゲート駆動回路24から各電界効果トランジスタQ1〜Q4のゲートへゲート電力が供給される。これにより、H型ブリッジ回路25からなるインバータ回路を介して電動機10へ供給される電流がスイッチング制御され、電動機10のPWM運転がなされる。
【0036】
CPU部21は、入力ポートI3がHレベルに変化したことに基づいてイグニッションスイッチ42がオフ状態に操作されたことを検出すると、電動機10に供給する電流を徐々に低減させるフェードアウト処理を行なう。電動機10から操舵補助トルクを供給している状態で、その操舵補助トルクを急激にゼロに変化させると、操舵感が急激に変化したり、路面からの反力によってステアリングホイール2が回動されたりすることがある。そこで、電動機10から操舵補助トルクを供給している状態(電動機10へ電流を供給している状態)でイグニッションスイッチ42がオフ状態に操作された場合には、電動機10に供給する電流を徐々に低減させることで、操舵感が急激に変化したりすることを解消するようにしている。
【0037】
CPU部21は、上述のフェードアウト処理を行なった後に、CPU動作監視回路(WDT)22が正常に動作することを確認するためのCPU動作監視回路の動作テスト処理を行なう。CPU部21(この場合、監視動作テスト手段)は、出力ポートO7から所定周期(例えば、1.5ミリ秒)毎に出力していた動作確認信号21aの出力を停止する。または、CPU部21は、出力ポートO7から出力する動作確認信号21aの周期を、許容周期範囲の上限値(例えば、2ミリ秒)よりも長くする。例えば、一連の処理を繰り返すたびに毎回出力していた動作確認信号21aを1回おきに出力することで、所定周期の2倍(例えば、3ミリ秒)で動作確認信号21aを出力するようにしてもよい。
【0038】
CPU動作監視回路(WDT)22は、先に動作確認信号21aが供給された時点から許容周期範囲の上限値(例えば2ミリ秒)を越えても次の動作確認信号21aが供給されない場合は、Lレベルの動作異常検出信号22aを出力する。このLレベルの動作異常検出信号22aによって、異常時出力停止回路23はCPU部21から供給されている各リレー駆動信号21a,21bが各リレー駆動回路33,34へ供給されるのを阻止するので、各リレー31,32は共に非動作状態となる。電源供給用リレー31が非動作状態に復帰することによって、制御装置20に対する電源供給が遮断される。
【0039】
CPU動作監視回路(WDT)22が正常に動作しておらず、動作確認信号21aが所定時間以上供給されない状態となっても、動作異常検出信号22aが出力されない場合、制御装置20に対して電源供給が継続される。そこで、CPU部21は、動作確認信号21aの出力を停止した時点または正常でない動作確認信号(テスト信号)を出力した時点から予め設定した時間(例えば、数10ミリ秒〜数100ミリ秒)を経過しても、電源供給用リレー31が動作状態にあることを検出した場合には、CPU動作監視回路(WDT)22の動作が異常である旨の異常情報を異常記憶部28へ書き込んだ後に、電動機供給用リレー駆動信号21bの出力を停止させる。これにより、電動機供給用リレー31が復旧し、制御装置20に対する電源供給が停止される。
なお、動作確認信号21aの出力を停止した時点または正常でない動作確認信号(テスト信号)を出力した時点から予め設定した時間(例えば、数10ミリ秒〜数100ミリ秒)CPU部21が動作していることをもって、CPU動作監視回路(WDT)22の動作が異常であると判断することもできる。この場合、CPU部21が動作状態検出回路に相当する。
【0040】
CPU動作監視回路(WDT)22は、動作確認信号21aの周期が予め設定した許容周期範囲(1〜2ミリ秒)を越えている場合(2ミリ秒を超過)、ならびに、許容周期範囲よりも短い場合(1ミリ秒未満)に動作異常検出信号22aを出力する。このため、それぞれの条件でCPU動作監視回路(WDT)22の動作テストを行なう必要がある。
【0041】
そこで、CPU部21は、CPU動作監視回路の動作テストを行なった際にテスト条件を異常記憶部28へ書き込んでおき、次回の動作テストに先立って異常記憶部28に記憶されている前回のテスト条件を読み出し、前回のテスト条件と異なるテスト条件を設定するようにしている。すなわち、動作確認信号21aの周期が許容周期範囲よりも長くなった場合の異常検出機能のチェックと、動作確認信号21aの周期が許容周期範囲よりも短くなった場合の異常検出機能のチェックとを、電動パワーステアリング装置1が使用されるたびに交互に行なうようにしている。
【0042】
動作確認信号21aの周期が許容周期範囲よりも短くなった場合の異常検出機能をチェックする場合、CPU部21は、1ミリ秒よりも短い周期でテスト用の動作確認信号(テスト信号)を継続して出力させる。そして、CPU部21は、1ミリ秒よりも短い周期の動作確認信号(テスト信号)を出力させた時点から予め設定した時間(CPU動作監視回路22によってCPUの動作異常が検出されるまでの時間とリレーが復旧するまでの遅延時間とを考慮して設定した時間、例えば数10ミリ秒〜数100ミリ秒)を経過しても、電源供給用リレー31が動作状態にあることを検出した場合には、CPU動作監視回路(WDT)22の動作が異常である旨の異常情報を異常記憶部28へ書き込んだ後に、電動機供給用リレー駆動信号21bの出力を停止させる。これにより、電動機供給用リレー31が復旧し、制御装置20に対する電源供給が停止される。
【0043】
なお、本実施の形態では、CPU動作監視回路22へ許容周期範囲外のテスト信号を供給する監視動作テスト手段をCPU部21によって構成する例を示したが、例えばCPU動作監視回路22内にテスト信号を発生させるテスト信号発生回路を設け、イグニッションスイッチ42がオン状態からオフ状態になった際にテスト信号発生回路を起動してテスト信号を発生させて、テスト信号をCPU動作監視回路22へ供給する構成としてもよい。なお、この場合は、CPU部21側から出力される動作確認信号21aがCPU動作監視回路22へ供給されるのを阻止する回路構成をとる。
【0044】
CPU部21は、次に動作状態となったときに異常記憶部28に格納されている異常情報を読み出すことで、各種の異常内容を図示しない表示装置や警報装置を介して運転者等へ表示させる。また、CPU部21は、異常内容によっては電動パワーステアリング装置1の機能を全て停止させることができる。
【0045】
以上説明したように図2に示す制御装置20は、電動パワーステアリング装置1の使用が終了するたびに、CPU動作監視回路(WDT)22ならびに異常時出力停止回路23の動作チェックを行なうことができる。よって、CPU動作監視回路(WDT)22ならびに異常時出力停止回路23の動作異常が検出された場合は、動作異常が発生していることを図示しない表示装置や警報装置を介して運転者等へ表示したり、電動パワーステアリング装置1の運転を停止させることができる。
【0046】
また、図2に示す制御装置20は、CPU動作監視回路(WDT)22によってCPU部21が暴走等したことを検出した場合には、異常検出信号22aが異常時出力停止回路23へ供給され、CPU部21から出力される各種制御信号が各回路部へ供給されるのを阻止するので、CPU部21が暴走等した際に電動機10の運転等を速やかに停止させることができる。
【0047】
さらに、CPU動作監視回路(WDT)22は、動作確認信号21aが周期が許容範囲よりも長くなった場合のみならず周期が許容範囲よりも短くなった場合にも、CPU部21の動作異常を検出する構成としているので、CPU部21の動作が無限ループ等に入って動作確認信号21aが供給されなくなる異常の他に、CPU部21が特定の処理を行なわないために一連の処理周期が短くなる異常も検出することができる。
【0048】
図3はCPU動作監視回路の一具体例を示すブロック構成図である。CPU動作監視回路22は、計時用のクロックパルスを発生するクロックパルス発生回路51と、第1のカウンタ回路52と、第2のカウンタ回路53と、第1のオア回路(論理和回路)54と、セット−リセット型のフリップフロップ回路55、第2のオア回路56と、Lレベルがリセット状態を示すパワーオンリセット信号30aを反転してHレベルがリセット状態を示す信号を発生するインバータ回路57とからなる。なお、Hレベルがリセット状態を示すパワーオンリセット信号が供給される場合には、インバータ回路57は不要である。
【0049】
クロックパルス発生回路51は、水晶発振回路等のマスタクロック発生器と、マスタクロック発生器で発生させたマスタクロックを分周する分周回路等を備え、例えば0.01ミリ秒周期のクロック51a、ならびに、例えば10ミリ秒周期のクロック51bを出力する。
【0050】
第1のカウンタ回路52は、パワーオンリセット信号30aがインバータ回路57ならびに第2のオア回路56を介してリセット端子Rに供給されてカウンタ値がリセットされた後に、クロック入力端子CKに供給される0.01ミリ秒周期のクロック51aによって歩進され、第2のオア回路56を介してリセット端子Rに供給される動作確認信号21a(図2に示したCPU部21から供給される)によってリセットされる。第1のカウンタ回路52は、カウンタ値が200を越えた時点でキャリーアウト出力端子COからHレベルのオーバーフロー信号52aを出力する。したがって、動作確認信号21aの周期が2ミリ秒を越えた場合には、カウンタ値が200を越えてHレベルのオーバーフロー信号52aが出力される。
【0051】
第2のカウンタ回路53は、リセット入力端子Rに供給される10ミリ秒周期のクロック51bの立上がりまたは立下りエッジでリセットされ、クロック入力端子CKに供給される動作確認信号21aによって歩進される。第2のカウンタ回路53は、カウンタ値が10を越えた時点でキャリーアウト出力端子COからHレベルのオーバーフロー信号53aを出力する。したがって、動作確認信号21aの周期が1ミリ秒よりも短い場合には、第2のカウンタ回路53がリセットされる周期10ミリ秒内にカウンタ値が10を越えてHレベルのオーバーフロー信号53aが出力される。
【0052】
各オーバーフロー信号52a,53aは第1のオア回路54を介してフリップフロップ回路55のセット入力端子Sへ供給される。フリップフロップ回路55は、インバータ回路57を介してリセット入力端子Rに供給されるパワーオンリセット信号30aによって反転出力端子NQがHレベルに初期設定される。そして、いずれかのカウンタ回路52,53からオーバーフロー信号52a,53aが、オア回路54を介してフリップフロップ回路55のセット入力端子Sへ供給されると、反転出力端子NQがLレベルにセットされ、この反転出力端子NQの出力がLレベルの動作異常検出信号22aとして図2に示した異常時出力停止回路23へ供給される。
【0053】
本実施の形態では、イグニッションスイッチ42がオン状態からオフ状態になった際に、CPU動作監視回路22の動作テストを行なう例を示したが、イグニッションスイッチ42がオフ状態からオン状態になった際、すなわち、制御装置20の電源が投入された時点でCPU動作監視回路の動作テストを行なう構成としてもよい。
【0054】
図4は電源投入後の初期状態でCPU部側から供給されるテスト信号に基づいて動作チェックを行なうようにしたCPU動作監視回路(WDT)の一具体例を示すブロック構成図である。図4に示すCPU動作監視回路(WDT)60は、パワーオンリセット信号30aがインバータ回路57を介して第2のフリップフロップ回路61ならびに第3のフリップフロップ回路62のリセット入力端子Rへ供給されることによって各フリップフロップ回路61,62がリセットされ、各フリップフロップ回路61,62の出力QがLレベルとなる。各フリップフロップ回路61,62の出力Qは3入力アンド回路63へ供給している。このため、初期状態では、3入力アンド回路63の出力である動作異常検出信号22aはLレベルとなる。
【0055】
CPU部21(この場合、監視動作テスト手段)は、リセット処理が終了した後に、例えば0.5ミリ秒周期の不正な動作確認信号(テスト信号)を11パルス以上連続的に発生させて、図4に示した第2のカウンタ回路53をオーバーフローさせた後に、動作確認信号の出力を例えば3ミリ秒の間停止させることで図4に示した第1のカウンタ回路52をオーバーフローさせる。第2のカウンタ回路53のオーバーフロー信号53aによって第3のフリップフロップ回路62はセットされ、その出力QはHレベルとなる。第1のカウンタ回路52のオーバーフロー信号52aによって第2のフリップフロップ回路61はセットされ、その出力QはHレベルとなる。
【0056】
動作チェック回路64(セルフチェック回路)は、パワーオンリセット信号30aが解除された時点から例えば10ミリ秒周期のクロック信号51bに基づいて経過時間を監視し、予め設定した時間(例えば、0.5秒)以内に第2および第3のフリップフロップ回路61,62の出力Qが共にHレベルとなった場合には、各カウンタ回路52,53(CPU動作監視機能)が正常に動作しているものと判断し、内部リセットパルス信号64aを発生する。この内部リセットパルス信号64aは2入力オア回路65を介して第1のフリップフロップ回路55のリセット入力端子Rへ供給される。これにより、内部リセット信号64aによって第1のフリップフロップ回路55がリセットされ、第1のフリップフロップ回路55の反転出力NQがHレベルになる。第2および第3のフリップフロップ回路61,62の出力Qは共にHレベルとなっているので、3入力アンド回路63を介して出力される動作異常検出信号22aはHレベルとなる。また、内部リセットパルス信号64aは3入力オア回路66を介して第1のカウンタ回路52のリセット入力端子Rへ供給される。これにより、第1のカウンタ回路52がリセットされる。
【0057】
初期チェックが終了した以降に、CPU部21から供給される動作確認信号21aの周期が所定の範囲を外れた場合は、第1または第2のカウンタ回路52,53からオーバーフロー信号52a,53aが出力される。いずれかのオーバーフロー信号52a,53aが出力されると、2入力オア回路54を介して第1のフリップフロップ回路55がセットされるため、第1のフリップフロップ回路55の反転出力NQがLレベルとなる。これにより、3入力アンド回路63を介してLレベルの動作異常検出信号22aが出力される。
【0058】
図4に示したCPU動作監視回路(WDT)60は、初期状態で動作異常検出信号22aをLレベルにし、CPU部21側からテスト信号が供給されそのテスト信号に基づいてCPU動作監視回路(WDT)60が正常に動作することを確認した以降に、動作異常検出信号22aをHレベルに復旧させる構成である。よって、CPU動作監視回路(WDT)60が正常に動作している場合にのみ、CPU部21から出力される制御信号を被制御部へ供給することができる。
【0059】
動作チェック回路64は、パワーオンリセット信号30aが解除された時点から所定時間内に各フリップフロップ回路61,62の出力Qが共にHレベルとなった場合に、各カウンタ回路52,53が正常に動作しているものと判断する構成としたが、時間監視を行なわずに、各フリップフロップ回路61,62の出力Qが共にHレベルとなった時点で、各カウンタ回路52,53が正常に動作しているものと判断するようにしてもよい。
【0060】
CPU部21は、前述の2種類のテスト信号を供給した後に、例えば電源供給用リレー駆動信号21bを出力しても、電源供給用リレー31が動作状態にならない場合は、CPU動作監視回路22が異常であると判断することができる。
【0061】
図5は他の制御装置のブロック構成図である。図5に示す制御装置70は、セルフチェック機能を備えたCPU動作監視回路(WDT)80を備える。セルフチェック機能を備えたCPU動作監視回路(WDT)80は、パワーオンリセット信号30aが供給されると、CPUリセット信号80aをリセット状態に保持したままセルフチェックを行ない、内部回路が正常に動作したことを確認した後に、CPUリセット信号80aをリセット状態から非リセット状態へ復旧させる。CPU部21は、CPU動作監視回路(WDT)80のセルフチェックが完了した時点から動作を開始することになる。すなわち、CPU動作監視回路(WDT)80が正常に動作している場合にのみCPU部21が動作できる。
【0062】
図5に示す制御装置70は、ゲート駆動回路24の入力信号(2入力アンド回路A3の出力信号)をCPU部21の入力ポートI5へ供給するとともに、ゲート駆動回路24の出力信号(電界効果トランジスタQ1のゲート信号)をゲート駆動状態検出回路71を介してCPU部21の入力ポートI4へ供給するようにしている。このような構成をとることにより、CPU部21は出力ポートO3の論理レベルと各入力ポートI4,I5の論理レベルとに基づいて、異常時出力停止回路23ならびにゲート駆動回路24がそれぞれ正常に動作しているかを確認することができる。なお、図5では、4系統のPWM信号(出力ポートO3〜O6の出力信号)のうち特定の1系統についてのみ各回路部23,24の動作状態を検出する構成を示したが、4系統の全てのついて各回路部23,24の動作状態を検出する構成としてもよい。さらに、マルチプレクサ(入力信号選択切換回路)等を用いて、動作状態を検出する箇所を選択的に切り替えるようにしてもよい。マルチプレクサ(入力信号選択切換回路)等を用いることで、1つの入力ポートで複数箇所の動作状態を選択的に検出することができる。また、動作状態検出回路を共通に使用することができる。
【0063】
CPU部21は、出力ポートO3からHレベルの信号を出力している状態で、CPU動作監視回路(WDT)80に対して正常でない周期の動作確認信号21aを供給し、その結果CPU動作監視回路(WDT)80からLレベルの動作異常検出信号22aが出力され、このLレベルの動作異常検出信号22aによって異常時出力停止回路23内の2入力アンド回路A3の出力がLレベルに変化することに基づいて、CPU動作監視回路(WDT)80が正常に動作していることを確認することができる。
【0064】
図5に示す制御装置70は、電源供給用リレー72に2組の常開接点72b,72cを備えたものを用いて、一方の接点72bによってバッテリ電源40の供給/遮断の切り替えを行なうとともに、他方の接点72cによって電動機10の接続/非接続の切り替えを行なうようにしている。励磁巻線72aに励磁電流が供給されると各接点が共に閉状態となり、一方の接点72bを介してH型ブリッジ回路25等へバッテリ電源40が供給されるとともに、他方の接点72cを介して電動機10へ電流が供給できる状態となる。
【0065】
電動パワーステアリング装置1が動作していない状態で、ステアリング操作がなされこのステアリング操作によって電動機10が回動されると、電動機10が発電機として作用し、電動機10の巻線に誘導起電圧が生ずる。他方の接点72cは、誘導起電圧がH型ブリッジ回路25側へ供給されるのを阻止するために設けている。なお、誘導起電圧がH型ブリッジ回路25側へ供給さることを許容できる場合には、電動機10を切り離すための接点72cを設けないでよい。
【0066】
図6はセルフチェック機能を備えたCPU動作監視回路の一具体例を示すブロック構成図である。図6に示すCPU動作監視回路80は、図4に示したCPU動作監視回路60に対して、セルフチェック回路81と、入力信号切替回路82と、CPUリセット信号発生用のフリップフロップ回路83とを追加してなる。
【0067】
CPUリセット信号発生用のフリップフロップ回路83は、インバータ回路57を介して供給されるパワーオンリセット信号30aによってリセットされる。これにより、CPUリセット信号発生用のフリップフロップ回路83の出力端子QからLレベルのCPUリセット信号80aが出力される。
【0068】
セルフチェック回路81は、インバータ回路57を介してパワーオンリセット信号30aが供給されると、例えばHレベルの入力信号切替信号を出力して入力信号切替回路82をテスト入力側(図示点線側)へ切り替える。そして、セルフチェック回路81は、テスト信号64bとして、周期0.01ミリ秒のクロック信号51aを例えば11パルス出力して、第2のカウンタ回路53をオーバーフローさせる。ついで、セルフチェック回路81は、2ミリ秒以上に亘ってLレベルを保持する信号をテスト信号64bとして出力して、第1のカウンタ回路52をオーバーフローさせる。セルフチェック回路81は、第2および第3のフリップフロップ回路61,62の出力Qが共にHレベルであることに基づいて、各カウンタ回路52,53(CPU動作監視機能)が正常に動作しているものと判断し、内部リセットパルス信号64aを発生する。また、セルフチェック回路81は、例えばLレベルの入力信号切替信号を出力して入力信号切替回路82を動作確認信号21aを入力できる状態(図示実線側)へ切り替える。
【0069】
内部リセットパルス信号64aによって、CPUリセット信号発生用のフリップフロップ回路83はセットされる。これにより、CPUリセット信号発生用のフリップフロップ回路83の出力端子QはHレベルとなる。これにより、CPUリセット信号80aがHレベルに復帰し、CPU部21のリセット状態を解除させる。なお、CPUリセット信号発生用のフリップフロップ回路83の出力Qに基づいて入力信号切替回路82の入力切り替えを行なう構成としてもよい。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したようにこの発明に係る電子制御装置は、CPU動作監視回路によってCPU部の動作異常が検出されると、動作異常検出信号が異常時出力停止回路へ供給され、CPU部から出力される制御信号が被制御部へ供給されるのを阻止する構成としたので、CPU部の動作が異常になった際に正常でない制御信号が被制御部へ供給されるのを防止できる。さらに、CPU部は、CPU動作監視回路へテスト信号を供給し、異常時出力停止回路の出力側の状態または被制御部の動作状態を監視することで、CPU動作監視回路が正常に動作しているか否かをチェックすることができる。
【0071】
また、この発明に係る電子制御装置は、CPU動作監視回路にセルフチェック機能を設け、セルフチェックによってCPU動作監視機能が正常に動作することが確認された後に、CPU部を動作可能状態に制御し、または、CPU部から出力される制御信号が被制御部へ供給されるの許可する構成としたので、CPU動作監視回路が正常に動作している場合にのみCPU部の制御動作が可能となる。
【0072】
さらに、この発明に係る電子制御装置は、CPU動作監視回路へテスト信号を供給してCPU動作監視回路が正常に動作することが確認された場合に、CPU部から出力される制御信号が被制御部へ供給されるの許可する構成としたので、CPU動作監視回路が正常に動作している場合にのみCPU部の制御動作が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電動パワーステアリング装置の一例を示す模式構造図
【図2】電動パワーステアリング装置の制御装置のブロック構成
【図3】CPU動作監視回路の一具体例を示すブロック構成図
【図4】電源投入後の初期状態でCPU部側から供給されるテスト信号に基づいて動作チェックを行なうようにしたCPU動作監視回路の一具体例を示すブロック構成図
【図5】電動パワーステアリング装置の制御装置の他の構成例を示すブロック構成
【図6】セルフチェック機能を備えたCPU動作監視回路の一具体例を示すブロック構成図
【符号の説明】
1…電動パワーステアリング装置、20,70…制御装置、21…CPU部、22,60,80…CPU動作監視回路(WDT)、23…異常時出力停止回路、35…イグニッションスイッチ操作状態検出回路、36…電源供給用リレー動作状態検出回路、37…電動機遮断用リレー動作状態検出回路、64…動作チェック回路、81…セルフチェック回路。

Claims (1)

  1. 正常動作状態にあるときは所定周期で動作確認信号を出力するCPU部と、動作確認信号の周期が予め設定した許容周期範囲外であるときに動作異常検出信号を発生するCPU動作監視回路とを備えた電子制御装置において、
    動作異常検出信号に基づいて前記CPU部から供給されている電源供給用リレー駆動信号が電源供給用リレー駆動回路へ供給されるのを阻止する異常時出力停止回路と、
    前記CPU動作監視回路へ許容周期範囲外のテスト信号を供給する監視動作テスト手段と、
    電源供給用リレーの動作状態を検出する電源供給用リレー動作状態検出回路を備え、
    前記CPU部はテスト信号の供給に伴なって前記電源供給用リレーの動作状態が変化するか否かに基づいて前記CPU動作監視回路の動作ならびに異常時出力停止回路の動作をチェックすることを特徴とする電子制御装置。
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