JP2000198457A - 電動パワ―ステアリング装置 - Google Patents

電動パワ―ステアリング装置

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JP2000198457A
JP2000198457A JP37761498A JP37761498A JP2000198457A JP 2000198457 A JP2000198457 A JP 2000198457A JP 37761498 A JP37761498 A JP 37761498A JP 37761498 A JP37761498 A JP 37761498A JP 2000198457 A JP2000198457 A JP 2000198457A
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慎司 廣中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車載電源の電圧が第一基準値以下となった時
に目標電流信号を徐々に減少させ、さらに、低下して第
二基準値以下となった時に、目標電流信号を0にするよ
うにした電動パワーステアリング装置を提供する。 【解決手段】 制御手段15に、目標電流設定手段2
1、フェードアウト制御手段22、偏差演算手段23、
駆動制御手段24、電源電圧検出手段25を備えた電動
パワーステアリング装置1。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電動機が発生する動
力をステアリング系に操舵補助力として作用させ、ドラ
イバの操舵力を軽減する電動パワーステアリング装置に
係り、特に車載電源の電圧を検出し、この検出電圧に応
じて電動機駆動手段に流れる電流を減少または制限して
エンジンストール等を防止する電動パワーステアリング
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の電動パワーステアリング装置は、
特開昭62−181958号公報に開示されているよう
に、制御装置の停止時に電動機が停止されると、ステア
リング系に作用している補助操舵力がなくなり、手動操
舵力が急に増加して操舵フィーリングが低下するため、
制御装置を停止させる時には電動機の駆動停止を所定時
間で斬減させ、電動機からステアリング系に作用してい
る補助操舵力を徐々に減少させることによって操舵フィ
ーリングの低下を改善させる。
【0003】また、従来の電動パワーステアリング装置
は、特開平8−127355号公報に開示されているよ
うに、車載電源を昇圧して電動機に印加して高電圧仕様
としてモータの小型化を図り、バッテリ変動に対して昇
圧電圧の変動の小さい電動パワーステアリング装置の操
舵アシスト制御中に車載電源を監視し、車載電源の電圧
が第一の所定値以下となった時に、車載電源の電圧低下
の割合に応じて、昇圧電圧を所定の傾斜で徐々に低下さ
せ、負荷の低減を図り車載電源の回復を期待し、また、
車載電源の電圧が第二の所定値以下となった時に、昇圧
電圧を所定の傾斜で徐々に低下させるようにして、さら
にアシスト力を徐々に違和感なく低下させながらフェー
ルセーフを図っているものも知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】特開昭62−1819
58号公報に開示された電動パワーステアリング装置
は、制御停止時に補助操舵力を徐々に減少するため、操
舵フィーリングの低下を改善することができるが、操舵
アシストの制御中であっても車載電源の電圧が急に低下
している状態では、電動機の駆動が停止するまで車載電
源から電流を供給しなければならず、車載電源の電圧低
下が著しい場合には、エンジンを駆動することができな
くなってエンジンストール等を発生するおそれがある。
【0005】また、特開平8−127355号公報に開
示された従来の電動パワーステアリング装置は、操舵ア
シストの制御中に車載電源の電圧が第一の所定値以下と
なった時に電動機に印加する昇圧電圧を所定の傾斜で徐
々に低下させ、第二の所定値以下となった時に、昇圧電
圧を所定の傾斜で徐々に低下させるようにしているが、
昇圧電圧を所定の傾斜で徐々に低下させている間に、急
に車載電源の電圧が低下すると電動パワーステアリング
装置はもとより、電装品等の他のシステムが停止し、さ
らに最悪の場合はエンジンの停止という事態になるとい
う課題がある。
【0006】この発明はこのような課題を解決するため
なされたもので、その目的は、操舵アシストの制御中で
あっても車載電源の電圧が第一基準値以下となった時に
目標電流信号を徐々に減少させ、さらに、低下して第二
基準値以下となった時に目標電流信号を0にして制御停
止時の操舵補助力を減少または停止制御する電動パワー
ステアリング装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
この発明に係る電動パワーステアリング装置の制御手段
は、車載電源の電源電圧信号を検出する電源電圧検出手
段と、電源電圧信号を基準値と比較し、電源電圧信号が
第一基準値以下の時には目標電流信号を時間とともに減
少させ、第一基準値より小さい第二基準値以下の時には
目標電流信号を0にするフェードアウト制御手段とを備
えたことを特徴とする。
【0008】この発明に係る電動パワーステアリング装
置の制御手段は、車載電源の電源電圧信号を検出する電
源電圧検出手段と、電源電圧信号を基準値と比較し、電
源電圧信号が第一基準値以下の時には目標電流信号を時
間とともに減少させ、第一基準値より小さい第二基準値
以下の時には目標電流信号を0にするフェードアウト制
御手段とを備えたので、目標電流信号を時間とともに減
少させることにより操舵補助力を徐々に減少させること
ができ、さらに目標電流信号を0にすることによって車
載電源の電圧低下を防止することができる。
【0009】また、この発明に係る電動パワーステアリ
ング装置のフェードアウト制御手段は、電源電圧信号が
第一基準値以下の時には目標電流信号を時間とともに減
少させるとともに、第二基準値以下の時には目標電流信
号を0に制限する係数を発生する係数発生手段と、電源
電圧信号と基準値との比較結果に基づいて目標電流信号
と係数発生手段からの係数で減少または制限した目標電
流信号を切り替える切替手段とを備えたことを特徴とす
る。
【0010】この発明に係る電動パワーステアリング装
置のフェードアウト制御手段は、電源電圧信号が第一基
準値以下の時には目標電流信号を時間とともに減少させ
るとともに、第二基準値以下の時には目標電流信号を0
に制限する係数を発生する係数発生手段と、電源電圧信
号と基準値との比較結果に基づいて目標電流信号と係数
発生手段からの係数で減少または制限した目標電流信号
を切り替える切替手段とを備えたので、係数を変更する
ことによって目標電流信号を時間とともに減少させた
り、0に制限することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を添
付図面に基づいて説明する。なお、本発明は操舵アシス
トの制御中であっても、車載電源の電圧が低下した場合
には、電動機に流す電流を一定時間で徐々に減少させて
電動機の駆動を停止することにより操舵フィーリングの
低下を防止するとともに、車載電源の電圧が低下した時
には、電動機の電流を減少中でも直ちに電流を0にする
ことにより、電圧低下に起因する車両のメイン機能、例
えばエンジンストール等を防止するものである。
【0012】図1はこの発明に係る電動パワーステアリ
ング装置の全体構成図である。図1において、電動パワ
ーステアリング装置1は、ステアリングホイール17、
ステアリング軸2、ハイポイドギア4、ピニオン5aお
よびラック軸5bなどからなるラック&ピニオン機構
5、タイロッド8、操向車輪としての前輪9、補助トル
ク(補助操舵力)をステアリング系に作用する電動機1
0、制御手段15、電動機駆動手段16、電動機電流検
出手段19を備える。
【0013】また、電動パワーステアリング装置1は、
車速を検出し、車速に対応した電気信号に変換された車
速信号Vsを出力する車速センサ14、ステアリングホ
イール17に作用する操舵トルクを検出し、操舵トルク
に対応した電気信号に変換された操舵トルク信号Tsを
出力する操舵トルクセンサ12を備える。
【0014】操舵トルク信号Tsは、大きさと方向を有
し、制御手段15に供給される。なお、操舵トルク信号
Tsの方向は、時計回り方向(右操舵)を正(プラス)
とし、反時計回り方向(左操舵)を負(マイナス)とす
る。
【0015】ステアリングホイール17を操舵すると、
ステアリング軸2に加えられる手動操舵トルクは、ラッ
ク&ピニオン機構5を介してピニオン5aの回転力がラ
ック軸5bの軸方向の直線運動に変換され、タイロッド
8を介して前輪9の操向を変化させる。
【0016】手動の操舵トルクをアシストするため、操
舵トルク信号Tsに対応して電動機10が駆動される
と、電動機トルクがハイポイドギア4を介して倍力され
た補助トルク(アシストトルク)に変換されてステアリ
ング軸2に作用し、ドライバの操舵力を軽減する。
【0017】また、車速センサ14は、車両の速度に対
応した周波数の電気的なパルス信号として検出し、車速
信号Vsを制御手段15に提供する。
【0018】制御手段15は、マイクロプロセッサを基
本に各種演算手段、処理手段、信号発生手段、メモリ等
で構成し、車速信号Vsをパラメータとして操舵トルク
信号Tsに対応する電動機制御信号VO(例えば、オン
信号、オフ信号およびPWM信号の混成信号)を発生し
て、電動機駆動手段16を駆動制御する。
【0019】また、制御手段15は、電源電圧検出手
段、フェードアウト制御手段を備え、車載電源11の電
源電圧を検出し、検出した電源電圧信号に基づいて目標
電流信号を減少または制限して操舵アシストの制御中で
も電源電圧が低下した時には、電動機10の駆動を停止
する制御を行う。
【0020】電動機駆動手段16は、例えばFET(電
界効果トランジスタ)等のスイッチング素子4個を用い
たブリッジ回路で構成し、制御手段15から提供される
スイッチオン/オフ信号およびPWM信号からなる電動
機制御信号VOで、対角上の2個をペアとした二対のF
ETのそれぞれのペアを駆動制御することにより、電動
機10に供給する電動機電圧VMの電圧値と方向を設定
する。なお、電動機電圧VMの方向は、制御手段15か
ら出力される電動機制御信号VOの極性に対応して決定
する。
【0021】電動機電流検出手段19は、電動機10と
直列に接続された電流検知素子(例えば、抵抗器)を流
れる電動機電流IMの電圧降下を差動増幅し、増幅した
出力に対応した電動機電流信号IMOを制御手段15にフ
ィードバック(負帰還)し、ステアリングの制御系の帰
還路を形成する。
【0022】図2はこの発明に係る電動パワーステアリ
ング装置の実施の形態要部ブロック構成図である。図2
において、電動パワーステアリング装置1は、車載電源
11、操舵トルクセンサ12、車速センサ14、制御手
段15、電動機駆動手段16、電動機電流検出手段1
9、電動機10とで構成する。なお、操舵トルクセンサ
12、車速センサ14、電動機駆動手段16、電動機電
流検出手段19、電動機10は、図1と同一なので説明
は省略する。
【0023】制御手段15は、目標電流設定手段21、
フェードアウト制御手段22、偏差演算手段23、駆動
制御手段24、電源電圧検出手段25とを備える。
【0024】目標電流設定手段21は、ROM等のメモ
リを備え、予め車速信号Vsをパラメータとした操舵ト
ルク信号Tsと目標電流信号IMSとの対応データを記憶
しておき、車速センサ14が検出した車速信号Vsおよ
び操舵トルクセンサ12が検出した操舵トルク信号Ts
が供給されると、対応する目標電流信号IMSを読み出
し、フェードアウト制御手段22に供給する。
【0025】偏差演算手段23は、減算機能を備え、フ
ェードアウト制御手段22からの演算電流信号IMHと電
動機電流検出手段19からの電動機電流信号IMOとの偏
差を演算し、偏差信号ΔI(=IMH−IMO)を駆動制御
手段24に供給する。
【0026】駆動制御手段24は、PID(比例・積分
・微分)コントローラ、制御信号発生手段を備え、偏差
信号ΔI(=IMH−IMO)にPID制御を施し、PID
制御が施された信号に基づいてPWM信号VPWM、オン
信号VONおよびオフ信号VOFの混成信号からなる電動機
制御信号VOを電動機駆動手段16に供給する。
【0027】フェードアウト制御手段22は、電源電圧
検出手段25からの電源電圧信号Vdを入力して基準値
と比較する比較選択手段、減少係数を発生する係数発生
手段、発生した係数を演算する乗算手段等を備え、目標
電流設定手段21からの目標電流信号IMSに減少係数を
乗算し、切替手段を経由して演算電流信号IMHとして偏
差演算手段23に供給する。
【0028】また、フェードアウト制御手段22は、電
源電圧検出手段25からの電源電圧信号Vdが基準値を
越える時は、目標電流設定手段21からの目標電流信号
IMSをそのまま演算電流信号IMHとして偏差演算手段2
3に出力する。
【0029】電源電圧検出手段25は、電圧検出回路等
で構成し、車載電源11の電源電圧Vcを検出して対応
する電源電圧信号Vdをフェードアウト制御手段22に
供給する。
【0030】図3はこの発明に係るフェードアウト制御
手段の実施の形態要部ブロック構成図である。図3にお
いて、フェードアウト制御手段22は、比較選択手段3
1、係数発生手段32、基準値記憶手段33、乗算手段
34、切替手段35を備える。
【0031】比較選択手段31は、2個の比較機能、論
理演算機能を備え、基準値記憶手段33からの基準値K
(第一基準値K1,第二基準値K2)と電源電圧検出手段
25から供給される電源電圧信号Vdを比較し、比較結
果に基づいて補正信号Veおよび制限信号Vgを係数発
生手段32に供給するとともに、切替信号Cdを切替手
段35に供給する。
【0032】図4はこの発明に係る比較選択手段の一実
施の形態要部ブロック構成図である。図4において、比
較選択手段31は、第一比較手段41、第二比較手段4
2、論理演算手段43を備える。第一比較手段41は、
比較機能を備え、電源電圧信号Vdと第一基準値K1と
を比較し、電源電圧信号Vdが第一基準値K1を越える
(Vd>K1)時には、例えばHレベルの比較信号V1を
論理演算手段43に供給する。
【0033】また、第一比較手段41は、電源電圧信号
Vdが第一基準値K1以下(Vd≦K1)の時には、Lレ
ベルの比較信号V1を論理演算手段43に供給する。な
お、第一比較手段41は、電源電圧信号Vdが第一基準
値K1より低くなった時にノイズによる誤検出や瞬間的
な電圧変動でなく一定時間(例えば100ms)連続し
て低下しているのをタイマを起動して検出し、タイマ出
力と比較器の出力時間に基づいて比較信号V1を出力す
る。
【0034】第二比較手段42は、比較機能を備え、電
源電圧信号Vdと第二基準値K2とを比較し、電源電圧
信号Vdが第二基準値K2を越える(Vd>K2)時に
は、例えばHレベルの比較信号V2を論理演算手段43
に供給する。また、第二比較手段42は、電源電圧信号
Vdが第二基準値K2以下(Vd≦K2)の時には、Lレ
ベルの比較信号V2を論理演算手段43に供給する。
【0035】論理演算手段43は、論理積機能、排他的
論理和機能等を備え、NAND43A、エクスクルーシ
ブOR43B、インバータ43C,43DおよびAND
43Eとで構成し、第一比較手段41から提供される比
較信号V1と第二比較手段42から提供される比較信号
V2とに基づいて論理演算を行い、切替信号Cdを切替
手段35に供給するとともに、補正信号Veおよび制限
信号Vgとを係数発生手段32に供給する。
【0036】NAND43Aは、Hレベルの比較信号V
1とHレベルの比較信号V2とに基づいて否定の論理積演
算を行い、Lレベルの切替信号Cdを切替手段35に供
給する。また、NAND43Aは、Lレベルの比較信号
V1とHレベルの比較信号V2とに基づいて論理演算を行
い、Hレベルの切替信号Cdを切替手段35に供給す
る。さらに、NAND43Aは、Lレベルの比較信号V
1とLレベルの比較信号V2とに基づいて論理演算を行
い、Hレベルの切替信号Cdを切替手段35に供給す
る。
【0037】エクスクルーシブOR43Bは、Hレベル
の比較信号V1とHレベルの比較信号V2とに基づいて排
他的論理和演算を行い、Lレベルの補正信号Veを係数
発生手段32に供給する。また、エクスクルーシブOR
43Bは、Lレベルの比較信号V1とHレベルの比較信
号V2とに基づいて論理演算を行い、Hレベルの補正信
号Veを係数発生手段32に供給する。さらに、エクス
クルーシブOR43Bは、Lレベルの比較信号V1とL
レベルの比較信号V2とに基づいて論理演算を行い、L
レベルの補正信号Veを係数発生手段32に供給する。
【0038】二つのインバータ43C,43Dは、Hレ
ベルの比較信号V1と、Hレベルの比較信号V2とをそれ
ぞれLレベルに反転してAND43Eに入力し、AND
43Eは反転した入力信号に基づいて論理積演算を行
い、Lレベルの制限信号Vgを係数発生手段32に供給
する。また、二つのインバータ43C,43Dは、Lレ
ベルの比較信号V1とHレベルの比較信号V2とをそれぞ
れHレベルとLレベルに反転してAND43Eに入力
し、AND43Eは反転した入力信号に基づいて論理演
算を行い、Lレベルの制限信号Vgを係数発生手段32
に供給する。さらに、二つのインバータ43C,43D
は、Lレベルの 比較信号V1とLレベルの比較信号V2
とをそれぞれHレベルに反転してAND43Eに入力
し、AND43Eは反転した入力信号に基づいて論理演
算を行い、Hレベルの制限信号Vgを係数発生手段32
に供給する。
【0039】図5は第一基準値K1および第二基準値K2
を表わす特性図を示す。この第一基準値K1は、12V
の車載電源11が正常値よりも少し低下した、例えば1
0Vの値で、電動機にアシスト電流を正常に供給できな
くなる電源電圧値であり、第二基準値K2は、さらに低
下した、例えば8Vの値で、電装用品等が起動できない
と推定される電源電圧値である。
【0040】図6にこの発明に係る論理演算手段の入出
力レベル関係図である。論理演算手段43に入力される
比較信号V1,V2の状態によって出力信号の切替信号C
d,補正信号Ve,制限信号Vgは、図6に示す論理出
力となる。
【0041】論理演算手段43の入力は、図5に示す
の範囲の入力の比較信号V1,V2がそれぞれHレベルの
時(Vd>K1,Vd>K2)と、図5に示すの範囲の
比較信号V1がLレベルでV2がHレベルの時(Vd≦K
1,Vd>K2)と、図5に示すの範囲の比較信号V
1,V2がそれぞれLレベルの時(Vd≦K1,Vd≦K
2)の三つの状態がある。
【0042】このときの切替信号Cdは、図5に示す
の範囲の比較信号V1がLレベルでV2がHレベルの時ま
たは図5に示すの範囲の比較信号V1,V2がそれぞれ
Lレベルの時にはHレベルになる。したがって、目標電
流信号IMSを減少または制限をするときには切替信号C
dがHレベルになり切替手段35を切り替える。
【0043】また、補正信号Veは、図5に示すの範
囲の比較信号V1がLレベルでV2がHレベルの時にはH
レベルになる。さらに、制限信号Vgは、図5に示す
の範囲の比較信号V1,V2がそれぞれLレベルの時には
Hレベルになる。
【0044】図3に戻って係数発生手段32は、ROM
等のメモリで構成し、補正信号Veまたは制限信号Vg
がHレベルで入力されると、メモリから係数を読み出し
て乗算手段34に減少制限係数KM(KM1,KM2)と
して供給する。また、係数発生手段32は、補正信号V
eがHレベルで入力されると、予め一定の時間(例えば
2秒)でレシオが100から0に減少する減少係数を、
順次一定の時間間隔(例えば0.5ms)毎にメモリか
ら読み出して乗算手段34に減少係数KM1として供給
する。なお、補正信号VeがLレベルで入力された時
は、メモリからの読み出しは行わず乗算手段34には減
少係数KM1は供給しない。
【0045】さらに、係数発生手段32は、制限信号V
gがHレベルで入力されると、係数0の数値をメモリか
ら読み出して制限係数KM2として乗算手段34に供給
する。また、制限信号VgがLレベルで入力された時
は、メモリからの読み出しは行わず乗算手段34には減
少係数KM2は供給しない。
【0046】このように、係数発生手段32は、補正信
号VeがHレベルで入力された時に乗算手段34に減少
係数KM1を供給し、また制限信号VgがHレベルで入
力された時には、乗算手段34に制限係数KM2を供給
する。
【0047】乗算手段34は、乗算機能を備え、係数発
生手段32から供給される減少制限係数KM(減少係数
KM1,制限係数KM2)と、目標電流設定手段21から
供給される目標電流信号IMSとを乗算し、乗算結果を切
替手段35に目標電流減少制限信号IM(目標電流減少
信号IM1,目標電流制限信号IM2)として供給する。
【0048】目標電流減少信号IM1は、係数発生手段3
2から供給される減少係数KM1と、目標電流設定手段
21から供給される目標電流信号IMSとを乗算した信号
であり、目標電流制限信号IM2は、係数発生手段32か
ら供給される制限係数KM2と、目標電流設定手段21
から供給される目標電流信号IMSとを乗算した信号であ
る。
【0049】図7はこの発明に係る目標電流信号の特性
図である。図7(a)は、目標電流減少信号IM1が10
0から0までt1秒の時間で減少する特性図であり、図
7(b)は、目標電流減少信号IM1が100から0まで
減少する途中t2秒で目標電流制限信号IM2に切り替わ
った特性図であり、図7の(c)は、目標電流減少信号
IM1からすぐのt3秒のときに目標電流制限信号IM2に
切り替わった特性図である。車載電源の異常時には、図
7(a)の特性図のように変化するが、長く使用して劣
化している車載電源では図7(b)または図7の(c)
の特性図のように変化する。
【0050】基準値記憶手段33は、ROM等のメモリ
で構成し、予め第一基準値K1と、第二基準値K2がメモ
リに記憶されていて、比較選択手段31に基準値信号K
(第一基準値K1,第二基準値K2)として供給してい
る。
【0051】切替手段35は、ソフト制御のスイッチ機
能を有し、比較選択手段31からの切替信号CdのLレ
ベル、Hレベルに基づいてスイッチを切り替える。ま
た、切替手段35は、切替信号CdがLレベルの時は、
目標電流設定手段21から供給される目標電流信号IMS
を、そのまま偏差演算手段23に演算電流信号IMHとし
て供給する。さらに、切替手段35は、切替信号Cdが
Hレベルの時は、乗算手段34から供給される目標電流
信号IMSを減少または制限する目標電流減少制限信号I
M(目標電流減少信号IM1,目標電流制限信号IM2)を
出力するように切り替えて偏差演算手段23に演算電流
信号IMHとして供給する。
【0052】なお、車載電源の電源電圧信号Vdが低下
して目標電流信号IMSを減少補正している間に、電源電
圧信号Vdが上昇してK1以上に復旧した時は、図示し
ないフェードイン制御手段により減少係数と反対の増加
係数により緩やかに目標電流信号IMSを増加させて操舵
フィーリングの低下を防止している。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、この発明に係る電
動パワーステアリング装置の制御手段は、車載電源の電
源電圧信号を検出する電源電圧検出手段と、電源電圧信
号を基準値と比較し、電源電圧信号が第一基準値以下の
時には目標電流信号を時間とともに減少させるととも
に、第一基準値より小さい第二基準値以下の時には目標
電流信号を0にするフェードアウト制御手段とを備え、
目標電流信号を時間とともに減少させることにより操舵
補助力を徐々に減少させることができ、さらに目標電流
信号を0にすることによって電動パワーステアリング装
置の制御を停止するため車載電源の電圧低下を防止する
ことができるので、エンジンストール等のシステムの停
止が防止できる。
【0054】また、この発明に係る電動パワーステアリ
ング装置のフェードアウト制御手段は、電源電圧信号が
第一基準値以下の時には目標電流信号を時間とともに減
少させるとともに、第二基準値以下の時には目標電流信
号を0に制限する係数を発生する係数発生手段と、電源
電圧信号と基準値との比較結果に基づいて目標電流信号
と係数発生手段からの係数で減少または制限した目標電
流信号を切り替える切替手段とを備え、係数を変更する
ことによって目標電流信号を時間とともに減少させた
り、0に制限することができるので、目標電流信号によ
る電動機駆動の制御が容易にできエンジンストール等の
システムの停止が防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る電動パワーステアリング装置の
全体構成図
【図2】この発明に係る電動パワーステアリング装置の
実施の形態要部ブロック構成図
【図3】この発明に係るフェードアウト制御手段の実施
の形態要部ブロック構成図
【図4】この発明に係る比較選択手段の一実施の形態要
部ブロック構成図
【図5】この発明に係る第一基準値K1および第二基準
値K2を表わす特性図
【図6】この発明に係る論理演算手段の入出力レベル関
係図
【図7】この発明に係る目標電流信号の特性図
【符号の説明】
1…電動パワーステアリング装置、2…ステアリング
軸、4…ハイポイドギア、5…ラック&ピニオン機構、
5a…ピニオン、5b…ラック軸、8…タイロッド、9
…左右の前輪、10…電動機、11…車載電源、12…
操舵トルクセンサ、14…車速センサ、15…制御手
段、16…電動機駆動手段、17…ステアリングホイー
ル、19…電動機電流検出手段、21…目標電流設定手
段、22…フェードアウト制御手段、23…偏差演算手
段、24…駆動制御手段、25…電源電圧検出手段、3
1…比較選択手段、32…係数発生手段、33…基準値
記憶手段、34…乗算手段、35…切替手段、41,4
2…第一比較手段、43…論理演算手段、43A…NA
ND、43B…エクスクルーシブOR、43C,43D
…インバータ、43E…AND。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年1月20日(2000.1.2
0)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
この発明に係る電動パワーステアリング装置は、ステア
リング系に補助操舵力を付加する電動機と、ステアリン
グ系の操舵トルクを検出する操舵トルクセンサと、前記
電動機に流れる電動機電流を検出して電動機電流信号を
出力する電動機電流検出手段と、少なくとも前記操舵ト
ルクセンサからの操舵トルク信号に基づいて目標電流信
号を設定する目標電流設定手段、目標電流信号と電動機
電流信号の偏差を演算する偏差演算手段、この偏差演算
手段からの偏差信号に基づいて電動機制御信号を出力す
る駆動制御手段を有する制御手段と、電動機制御信号に
より前記電動機を駆動する電動機駆動手段と、を備えた
電動パワーステアリング装置において、前記制御手段
は、車載電源の電源電圧信号を検出する電源電圧検出手
段と、電源電圧信号を基準値と比較し、電源電圧信号
電圧値が第一基準値以下の時には目標電流信号を時間と
ともに減少させ、電動機の電流を時間とともに減少させ
ることにより補助操舵力を徐々に減少させるが、第一基
準値より小さい第二基準値以下の時には目標電流信号を
0にすることにより電動機の電流を直ちに0にするフェ
ードアウト制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】この発明に係る電動パワーステアリング装
によれば、電源電圧信号が第一基準値以下の時には目
標電流信号による電動機の電流が時間とともに減少する
ため、操舵補助力が徐々に減少する。電動機の電流が
らに小さい第二基準値以下の時には目標電流信号を0に
することにより電動機の電流が直ちに0になる。このた
、車載電源の電圧低下を防止することができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正内容】
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、この発明に係る電
動パワーステアリング装置によれば、電源電圧信号の電
圧値が第一基準値以下になると、操舵補助力を徐々に減
少させるため、操舵フィーリングの低下を防止できる。
また、さらに小さい第二基準値以下になった場合には、
電動機の電流を直ちに0にすることによって、車載電源
の電圧低下を防止できるので、エンジンストール等のシ
ステムの停止が防止できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 向 良信 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 河島 光則 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 Fターム(参考) 3D032 CC08 CC50 DA15 DA23 DA64 DA65 DC01 DC02 DC03 DC07 DC09 DC33 DC34 DD02 DD10 DD17 DD20 DE02 DE09 EA01 EB11 EC23 GG01 3D033 CA13 CA16 CA20 CA21 CA27 CA31

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステアリング系に補助操舵力を付加する
    電動機と、ステアリング系の操舵トルクを検出する操舵
    トルクセンサと、前記電動機に流れる電動機電流を検出
    して電動機電流信号を出力する電動機電流検出手段と、
    少なくとも前記操舵トルクセンサからの操舵トルク信号
    に基づいて目標電流信号を設定する目標電流設定手段、
    目標電流信号と電動機電流信号の偏差を演算する偏差演
    算手段、この偏差演算手段からの偏差信号に基づいて電
    動機制御信号を出力する駆動制御手段を有する制御手段
    と、電動機制御信号により前記電動機を駆動する電動機
    駆動手段と、を備えた電動パワーステアリング装置にお
    いて、 前記制御手段は、車載電源の電源電圧信号を検出する電
    源電圧検出手段と、電源電圧信号を基準値と比較し、電
    源電圧信号が第一基準値以下の時には目標電流信号を時
    間とともに減少させ、第一基準値より小さい第二基準値
    以下の時には目標電流信号を0にするフェードアウト制
    御手段と、を備えたことを特徴とする電動パワーステア
    リング装置。
  2. 【請求項2】 前記フェードアウト制御手段は、電源電
    圧信号が第一基準値以下の時には目標電流信号を時間と
    ともに減少させるとともに、第二基準値以下の時には目
    標電流信号を0に制限する係数を発生する係数発生手段
    と、電源電圧信号と基準値との比較結果に基づいて目標
    電流信号と前記係数発生手段からの係数で減少または制
    限した目標電流信号を切り替える切替手段と、を備えた
    ことを特徴とする請求項1記載の電動パワーステアリン
    グ装置。
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