JP3632175B2 - クランプ機構及びこのクランプ機構を利用する巻取軸 - Google Patents

クランプ機構及びこのクランプ機構を利用する巻取軸 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はクランプ機構に関するものであり、かつこのクランプ機構を利用して紙やフィルム等を巻取る巻取軸に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
紙やプラスチックフィルムまたはアルミ箔等の広幅シートを長手方向に沿って複数の細幅にスリットして、これらを細幅シート毎に巻取るシート巻取軸がある。通常、この巻取軸は複数の巻芯(紙管等)を巻取軸の巻取部に装着して、これら巻芯の上に細幅シートを巻取る。この種の巻取軸は、従来からいろいろな機構、構造のものが提案されているが、一般的にシートを巻取る紙管ホルダを構成するために、クランプ機構またはこれに類する機構を備える。
【0003】
巻取軸に関する先行技術の多くは、駆動される際、流体圧力(特に圧搾空気)を用いて巻取軸の回転トルクを紙管に伝達して動力接断作業を行うように構成されているが、この場合、機構、構造を複雑にする例が多かった。これは、巻取軸を支持するシャフトの内部に軸方向に沿って送気路を形成して圧搾空気をクランプ機構に供給する際に、供給された圧搾空気を用いてクランプ機構を作動させて被固定部材を押圧接する段階において多数の部材を使用していたためである。
【0004】
例えば、特開2000−327182号公報に開示されたものは、巻取部にセットした巻芯の拘束と解放を行うように、巻芯の取付け、取外しを簡単にすることを目的とし、三つの巻取部にて一つの巻芯を保持させており、回転力伝達部と係止解除部から巻取部を構成するとともに、回転力伝達部をピストン、支持環、スライド環、外周環、係止爪及び係止爪付勢手段(ばね)から構成している。
【0005】
また、特開2001−180849号公報に開示されたものは、図17に示すように定置リング1、スライドリング2、チャック用ボール3、リング状ピストン4及びシリンダリング5からクランプ機構(紙管ホルダ)10’を構成して、圧搾空気を用いて紙管Bとの間の動力接断作業を行う巻取軸を提供している。具体的には、シャフトAの軸方向に沿って送気路8を形成し、さらにこの送気路8から各クランプ機構10’のエア室7に連通する分岐送気路8aを形成してエア室7に圧搾空気を供給させて(図17の(A)参照)、リング状ピストン4を介してスライドリング2を軸方向にスライドさせ、これに伴い定置リング1の水平外壁部12内側とスライドリング2の傾斜状外周面22上との間に配置したチャック用ボール3を傾斜状外周面22上に転動させて定置リング1の水平外壁部12に開口形成した係合孔13から突出させている(図17の(B)参照)。
【0006】
しかしながら、特に、特開2000−327182号公報や特開2001−180849号公報の開示例をはじめとする従来の技術は、多数の構成要素からなるため非経済的であり、また、分解に手間取るためメンテナンス性が良好ではなかった。さらに、従来の技術では特に軸方向の幅の大きさを大きく構成していたため、クランプ機構の作用幅が広まり、故に紙管ホルダによる紙管の巻取幅に制限が加えられていた。
【0007】
さらに、巻取軸とこの巻取機能を担うクランプ機構に要求される性能は、近年より高度なものになっている。例えば、電子部品などに使用されるテープに9mmから10mm程度の細幅品が要求されるようになってきた。この細幅品をスリッター等の巻取軸で多数の細幅シートを巻き取るときに、原反側から繰り出されてくる広幅シートの厚みが生産上の厚みムラから一定でないために、巻き取りが進行して行くに従って巻き取り径が異なってくる。この結果、各細幅シート毎の巻取径が異なってくるために、巻取軸上の多数の製品が一様に綺麗に巻き取ることが出来ず不良品を発生させていた。そこで、細幅の紙管を巻き取り中はホルダに固定して、巻き取り終了時にはホルダから解放して紙管の着脱を容易にするとともに、各紙管にシートを適正な張力で巻き取ることを可能にする巻取軸とクランプ機構が求められている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであり、限定された構成要素から構成され、メンテナンス性を向上させ、作用幅をより狭くし、さらに操作を安定させて行うクランプ機構を提供することを目的とするものである。
さらに本発明はこのクランプ機構を利用することで、従来の技術と比較して、より細い幅に広幅シートをスリットして巻取り、また各紙管にシートを適正な張力で巻き取る巻取軸を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明においては、ホルダ、ベアリング及び係止部材から構成されるクランプ機構であって、前記ホルダは偏平円筒状に形成され、内壁の中央から中心に向けて突出形成した突条部により左右対称の二つのチャンバを形成し、各チャンバにそれぞれ前記ベアリングを収容するとともに外表面に開口した係合孔に前記係止部材を出没自在に収容し、また、前記ベアリングの外輪と前記係止部材の少なくともいずれか一方の端部に傾斜状外周面を形成して前記ベアリングの外輪と前記係止部材を直接当接させ、駆動手段により前記ベアリングをスライドさせることにより前記係止部材を前記傾斜状外周面に沿って前記係合孔から突出させることを特徴とする。
この構成では、ホルダ内でベアリングをスライドさせて、該ベアリングのスライド運動を傾斜状外周面に沿って係止部材の突出運動に直接伝達するため、多数の部材から構成されていた従来の技術と比較して、より限られた部材からクランプ機構を構成できるためより経済的であり、分解が容易なためよりメンテナンス性に優れ、さらに作用幅をより狭くできるクランプ機構を提供することができる。
【0010】
さらに請求項2に記載した発明においては、請求項1に記載されたものにおいて、前記ホルダと前記係止部材は各々外表面に渡る溝部を形成し、該溝部内に弾性部材を挿通して前記係止部材を前記ホルダの前記係合孔内に押圧してなることを特徴とする。
この構成では、低コストでかつ簡単な構成によって、非固定状態の係止部材を定位置に保持するとともに押圧接されて突出した係止部材を再度ホルダ内に没入させるクランプ機構を提供することができる。
【0011】
さらに請求項3に記載した発明においては、請求項1または2に記載されたものにおいて、前記ホルダは内部を二つのチャンバに分けて一組の前記ベアリングを回転自在かつ軸方向にスライド自在に収容させて、前記ベアリングの各々を前記係止部材に対して対向する側から前記駆動手段により同時にスライドさせることにより前記係止部材を前記係合孔から突出させることを特徴とする。
この構成では、二つのベアリングの間に一つの係止部材を介在させて、各々のベアリングを同時に対向するようにスライドさせて一つの係止部材を押圧することで、係止部材は揺動を生じさせずに滑らかに突出でき、故に操作を安定させて行うクランプ機構を提供することができる。
【0012】
さらに請求項4に記載した発明においては、請求項1または2に記載されたものにおいて、前記ホルダは内部を二つのチャンバに分けて一組の前記ベアリングを収容させ、この際、一方のベアリングを回転自在かつ軸方向にスライド自在に収容させると共に他方のベアリングを回転自在かつ軸方向不動に固定して収容させて、前記一方のベアリングを前記係止部材に対して前記駆動手段によりスライドさせることにより前記係止部材を前記係合孔から突出させることを特徴とする。
この構成では、二つのベアリングの間に一つの係止部材を介在させて、一方のベアリングのみをスライドさせて係止部材を押圧することで係止部材を突出でき、故に二つのベアリングのうち一方のみを駆動するため駆動手段の数を減らし、さらに二つのベアリングのうち他方を固設するため、このクランプ機構を両側から位置決めする定置リングのうちの少なくとも一方を不要にすることで、より経済的に構成できるクランプ機構を提供することができる。
【0013】
さらに請求項5に記載した発明においては、請求項1〜3のいずれかに記載されたものにおいて、流体圧力で作用する二系統のピストンを用いて、一方のピストンは互いに隣接する前記クランプ機構の間に配置されて前記ベアリングに作用する前記駆動手段として設けられ、他方のピストンは前記クランプ機構の中心付近に前記一方のピストンに対して約90度位相をずらして配置されて前記ホルダと摩擦係合するように設けたことを特徴とする。
この構成では、係止部材を突出させるピストンを互いに隣接するクランプ機構の間に配置することで隣接するクランプ機構のベアリングを直接互いに反対方向に押圧させ、またホルダと摩擦係合するピストンをクランプ機構の中心付近に配置することでホルダとシャフトを一体に駆動させるため、従来の技術と比較して、より無駄なく構成要素を配置するクランプ機構を提供することができる。
【0014】
さらに請求項6に記載した発明においては、請求項1、2または4に記載されたものにおいて、流体圧力で作用する二系統のピストンを用いて、一方のピストンは互いに隣接する前記クランプ機構の間に一つ置きに配置されて前記一方のベアリングに作用する前記駆動手段として設けられ、他方のピストンは前記クランプ機構の中心付近に前記一方のピストンに対して約90度位相をずらして配置されて前記ホルダと摩擦係合するように設けたことを特徴とする。
この構成では、係止部材を突出させるピストンを互いに隣接するクランプ機構の間に一つ置きに配置することで隣接するクランプ機構の一方のベアリングを押圧させ、またホルダと摩擦係合するピストンをクランプ機構の中心付近に配置することでホルダとシャフトを一体に駆動させるため、請求項5に記載の発明と比較してベアリングを駆動するピストンの数を約半分に減らすことができ、故に、より経済的なクランプ機構を提供することができる。
【0015】
そして請求項7に記載した発明においては、請求項5または6に記載の前記クランプ機構を利用する巻取軸であって前記クランプ機構は前記ホルダ上に紙やフィルム等を巻取る紙管を装着してなることを特徴とする。
この構成では、請求項5または6に記載のクランプ機構を利用することで、従来の技術と比較して限定された構成要素から構成され、メンテナンス性を向上させ、さらにより細い幅に広幅シートをスリットして巻取るとともに各紙管にシートを適正な張力で巻き取る巻取軸を提供することができる。
【0016】
本発明に係るクランプ機構とこの機構を利用する巻取軸は基本的には以上のように構成されるが、好適にはベアリングと係止部材の少なくともいずれか一方の端部に傾斜状外周面を形成してベアリングと係止部材を当接させる。この際、傾斜状外周面は曲面状の斜面でもよく、または平面状の斜面でもよい。また、市販のベアリングは外輪の端部に面取り(丸み)を形成している場合が多いため、傾斜状外周面を新たに形成する代わりにこの丸みをそのまま代用させてもよい。また、係止部材は被固定部材を押圧接する面をホルダの外表面に沿って緩やかに湾曲するように形成することが好ましい。好適には、この係止部材は外部形状を駒形状に形成するが、しかし上方に非固定部材である紙管との接触面を形成しかつ下方にベアリングの端部と接触することを特徴とする他の形状に形成してもよい。また上記クランプ機構を操作する駆動機構は二系統のピストンよりなり、かつ好適には空気により作動するが、他の流動体を用いて作動してもよい。そして、本発明に係るクランプ機構は巻取軸以外の産業機器に応用されてもよい。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係るクランプ機構とこのクランプ機構を利用する巻取軸を添付した図を用いて説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るクランプ機構10をシャフトA上に複数並置した状態を示す側面図である。図2は、図1に示したクランプ機構10を単体で取り出して示す斜視図を示している。ただし、図2は図1の符号18に相当する弾性部材(ばね)を省略して示しており、この際、図2の(A)はクランプ機構の非作動状態を示し、図2の(B)はクランプ機構の作動状態を示している。本発明の実施の形態に係るクランプ機構10は、図2の(B)に示すように作動状態に移動することで、隣接する被固定部材(図示略)を放射方向(図2の矢印D2参照)に押圧接させながら一体に回転させる。このため、本発明の実施の形態に係るクランプ機構10は様々な産業機器に応用できる。
例えば、シャフトAの外周に複数個のクランプ機構10を同軸状にそれぞれ軸方向に対して不動でかつ周方向に回転自在に並列せしめて装着し、クランプ機構10の外周に着脱自在式に被固定部材である紙管B(図8参照)を嵌挿装着する巻取軸100に応用できる。この場合、クランプ機構10は紙管ホルダ10として機能する。
以下、まず本発明の実施の形態に係るクランプ機構10について説明し、次に、このクランプ機構を紙管ホルダとして使用する巻取軸100について説明する。
【0018】
クランプ機構の説明
図2に示すように、本発明の実施の形態に係るクランプ機構10は、主にホルダ20、ベアリング30及び係止部材40から構成される。好適には、ホルダ20は偏平円筒形状で、内部にベアリング30を収容するとともに外表面に開口した係合孔に係止部材40を出没自在に収容する。そして、ホルダ20は図1に示したように、外部の駆動機構(図示略)によって回転駆動されるシャフトA(図1参照)の外周にベアリング30の内輪32を介して摺動自在に取付けられる。この際、ベアリング30と係止部材40の少なくともいずれか一方の端部に傾斜状外周面を形成してベアリング30と係止部材40をホルダ20内で当接させる。そして、駆動手段(図示略)によりベアリング30をスライドさせる(図2の矢印D1、D1参照)ことで、ベアリング30により押圧接された係止部材40を傾斜状外周面に沿って係合孔から突出させる(図2の矢印D2参照)出没操作を行う。
【0019】
本発明の実施の形態に係るクランプ機構10は、主にベアリング30の収容状態によって、第一の実施の形態と第二の実施の形態に分けることができる。
本発明に係る第一の実施の形態では、クランプ機構10は、図2及び図3に示すように、2つのベアリング30の各々を係止部材40に対して対向する側から同時にスライドさせる(図2、図3の矢印D1a、D1b参照)ことにより係止部材40を係合孔から突出させる(図2、図3の矢印D2参照)。
一方、本発明に係る第二の実施の形態では、クランプ機構10は、図4に示すように、2つのベアリング30のうち、一方のベアリング30aを回転自在かつ軸方向不動に固定して収容させると共に、他方のベアリング30bのみを回転自在かつ軸方向にスライド自在に収容させ、この軸方向に移動可能なベアリング30bのみを係止部材40に対してスライドさせる(図4の矢印D1参照)ことにより係止部材40を係合孔から突出させる(図4の矢印D2参照)。
従って、本発明に係る第一の実施の形態(図3参照)と第二の実施の形態(図4参照)の相違は、二つのベアリング30のうちの一方を止め輪(スナップリング)39により軸方向の移動を固定することにある。このため、本発明に係る第二の実施の形態(図4参照)では、ベアリング30をスライド移動させる手段の数は第一の実施の形態(図3参照)と比較して約半数でよく、また端部のクランプ機構10を位置決めする定置リング15(図1参照)が不要になるという効果を奏するが、具体的には後述する。
【0020】
いずれにしても、本発明の実施の形態を図17に示した特開2001−180849号公報に開示された従来の技術と比較すると、本発明の実施の形態に係るクランプ機構10はより構成要素の数を限定し、特に図17に示した定置リング1、スライドリング2を採用しないことによって、軸方向の幅をより狭くし、故に作用幅をより狭くする。
このことは、特にベアリング30と係止部材40のうち少なくともいずれか一方の端部に傾斜状外周面(図3または図4の符号33、43参照)を形成してベアリング30と係止部材40を直接当接させ、駆動手段によりベアリング30をスライドさせることにより係止部材40を上記傾斜状外周面に沿って係合孔26から突出させることで可能となる。
この際、上記傾斜状外周面33、43はベアリング30と係止部材40の双方の端部に形成してもよく、係止部材40の端部のみに形成してもよく、またはベアリング30の端部のみに形成してもよい。さらに、各状態において、この傾斜状外周面は曲面状の外周面でもよく、または平面状の外周面でもよい。ただし、これら傾斜状外周面の大きさは任意である。これら組合せの内、傾斜状外周面33、43をベアリング30と係止部材40の双方の端部に形成するとともに、該傾斜状外周面を曲面状の傾斜状外周面として構成する場合が最も滑らかに、ベアリング30のスライド運動を係止部材40の突出運動に転換しやすい。ただし、市販のベアリング30はこの軸受外径面と側面との交わる位置で角を取り除くように面取り(丸み)を形成している場合があるため、この部位を直接利用することで、係止部材40の端部のみに曲面状または平面状の傾斜状外周面43を形成して、ベアリング30のスライド運動を係止部材40の突出運動に転換させてもよい。
【0021】
ここで、本発明の実施の形態に係るクランプ機構10を構成するホルダ20、ベアリング30及び係止部材40について説明する。
まず図5を参照して、本発明の実施の形態に係るホルダ20について説明する。ただし、図5は、本発明の実施の形態に係るホルダ20の(A)正面図と(B)該正面図のV−V線に沿った断面図を示している。図示されるように、ホルダ20は偏平円筒状に形成され、内壁23中央から本体中心に向けて突条部24を突出形成して中空室(空隙部)27(図5の(A)参照)を左右対称の二つのチャンバ(室)27a、27b(図5の(B)参照)に分ける。この際、各々のチャンバ27a、27bにベアリング30a、30b(図2、図3及び図4参照)を収納する。さらに、突条部24の側面に停止面25を形成して、軸方向にスライドするベアリング30に対して停止機能を備える。この際、停止面25を突条部24より若干手前に形成し、スライドするベアリング30a、30bが直接突条部24に当接することを防止する。またホルダ20は外表面21上に少なくとも二個以上の係合孔26を放射方向に適宜間隔を置いて形成して、この係合孔26に係止部材40(図2、図3及び図4参照)を放射方向に出没自在に備える。
【0022】
次に主に図3を参照して、本発明の実施の形態に係るベアリング30について説明する。具体的には、図3に示すように、ベアリング30はホルダ20のチャンバ27の水平内壁部23(図5参照)とスライド自在に密着するように外輪31を定め、かつシャフトAに対して周方向に回転自在に密着するように内輪32を定め、ホルダ20により回転自在に嵌合される。ただし、本発明の第一の実施の形態に係る一組のベアリング30はいずれも軸方向にスライド自在に配置されるため、各々のベアリング30ともベアリング固定用の止め輪(スナップリング)を備えない。しかし、本発明の第二の実施の形態に係る一組のベアリング30は、図4に示すように、一方は軸方向にスライド自在に配置されるが、他方は軸方向に固定されるため、この軸方向に固定されるベアリング30aはベアリング固定用の止め輪39を備える。
【0023】
本発明の実施の形態では、クランプ機構10を限られた構成要素から構成することで、ベアリング30をホルダ20から容易に着脱することができるため、手動による潤滑等のメンテナンスが容易となる。例えば、図17に示した従来の技術のように多数の構成要素からクランプ機構10’を構成する場合には、ホルダの解体は困難になり、故にベアリング等の機械部品の潤滑作業が手間取るのに対して、本発明の実施の形態ではこのような不都合が生じるのを避けることができる。このため、従来の技術と比較して、本発明の実施の形態ではメンテナンス作業に要する時間を短縮させ、ベアリング30を良好な状態に保つことがより容易になり、実務上好適である。
【0024】
尚、添付した図ではベアリング30としてボールベアリングを示しているが、これは本発明の実施の形態に係るクランプ機構10は主に放射方向に力を受けるためである。しかしながら、実施の形態によってはボールベアリング以外の種類のベアリング30を使用することは可能であって、またベアリング30の具体的な種類によって本発明の請求の範囲は変動しないことを理解されたい。
【0025】
次に、図6を参照して本発明の実施の形態に係る係止部材40について説明する。図6は、本発明の実施の形態に係る係止部材40の(A)正面図と(B)側面図を示している。係止部材40は短棒状に形成されて、図2、図3及び図4に示すようにホルダ20から突出することで、隣接する紙管B(図8参照)の内面を押圧接してクランプ機構10の回転トルクを直接紙管Bに伝達して動力接断作業を行う。好適には、駒形状に係止部材(チャック駒)40を形成する。また、好適には、係止面41下方に傾斜状外周面43を形成してベアリング30の外輪31の端部33と当接させる。この際、係止面41の下方に略円錐台形状の軸部42を形成して曲面状の傾斜状外周面43を提供してもよく、またはこの短棒状の軸部42に曲面状または平面状の傾斜状外周面43を適宜形成してもよい。さらに、好適には、図6の(B)に示すように紙管B(図8参照)を直接押圧接する係止部材40の係止面(押圧接面)41をホルダ20の外表面21(図5参照)に沿って湾曲するように形成する。この際、係止部材40をホルダ20の外表面21に没入させるときに、係止面41がホルダ20の外表面21と整列(図3参照)するように係止面41を形成してもよく、または係止面41が幾分外表面21の内側に没入する(図示略)ように係止面41を形成してもよい。後者では係止面41を外表面21より突出させず操作上摩擦が少ないため前者より好適である。また、係止部材40は突出時に係止面41をホルダの外表面21から一定高さ突出(図3、図4参照)させるが、この係止部材40の突出高さは、適宜実施の形態に従って定められる。
【0026】
尚、図2及び図5に示した実施の形態では、合計4個の係止部材40を約90°の間隔をおいてホルダ20の係合孔26内に配置することを示しているが、しかしながらこの個数は常に4個に限定されず、少なくとも2個以上であればよいことを理解されたい。
【0027】
尚、従来の技術では係止部材40として剛球3(図17参照)のように球形状のものが一般的に使用されていた。これは出没動作が球面に沿って転動して行えるため有利であったことを一因とするが、しかし球面上の点接触のため滑りを生じさせ、また圧力を必要以上に増加させて圧接される側の紙管Bの接触面上に窪んだ痕を残す短所もあった。実施の形態によっては、商品性を考慮した場合、この状況は好ましくなかった。本発明の実施の形態では、滑らかに湾曲する面41から係止部材40と紙管Bを接触させることで、操作後の紙管Bの接触面上に不本意な滑りを生じさせず、また必要以上の圧力を与えて窪んだ痕を残すことを避け、さらなる商品性の向上を可能にする。
【0028】
上記係止部材40はホルダの外表面21上で非固定状態に収容されるため、好適にはホルダ20と係止部材40の各々の外表面に渡る溝部28(図2、5参照)、溝部48(図2、6参照)を形成し、該溝部28、48内に弾性部材18(図1参照)を挿通して係止部材40をホルダ20の係合孔26内に押圧させる。具体的には、弾性部材18は細長く螺旋状に延びるばねである。しかしながら弾性部材18としてばね以外に、弾性を有する紐やOリング等を使用することは可能である。ただし、これら弾性部材18の弾力の大きさは、突出した係止部材40を没入状態に戻す作用を有し、また係止部材40の突出操作に支障を与えないものとする。
【0029】
次に、本発明の実施の形態に係るクランプ機構10を操作する駆動手段について説明する。本発明の実施の形態に係る駆動手段は、好適には圧搾空気である流体圧力により作用し、二系統からなる。一方の駆動手段はベアリング30を軸方向にスライド移動させて係止部材40をホルダ20から突出させ、他方の駆動手段はホルダ20とシャフトAを摩擦係合させて両者を一体に回転させる。この駆動手段は、主に送気路9a、9b及び9cと、ピストン50、ピストン60から構成される(図7参照)。
【0030】
再度図1を参照して説明すると、本発明の好適な実施の形態ではシャフトAの軸方向に沿って三つの送気路9a、9b及び9cを形成する。これら三つの送気路9a、9b及び9cのうち、中央の送気路9aは図7に示すように送気路9aから分岐送気路17を形成して流体圧力をピストン50に供給する。またこの両脇の二つの送気路9b及び9cは流体圧力をピストン60に供給する。このようにして、シャフトA内部に流体圧力を供給するための送気路9a、9b及び9cを形成してピストン50、ピストン60を駆動し、紙管Bを適宜必要な時に回転、停止させ、或いはクランプ機構10の回転トルクを適宜調節する。
ただし、送気路9a、9b及び9cと、ピストン50、60の間に、他適切な形状の分岐送気路を形成してもよい。
以下、ピストン50を第一ピストン50として説明し、ピストン60を第二ピストン60として説明する。また、第一ピストン50と連通する送気路9aを第一送気路9aとして説明し、第二ピストン60と連通する送気路9b及び9cを第二送気路9b及び9cとして説明する。第一ピストン50と第一送気路9aを用いて、クランプを作動状態に移動させ、第二ピストン60と第二送気路9b、9cを用いて、クランプを摩擦係合状態に移動させる。
ただし、第一の実施の形態と比較して、第二の実施の形態では一組のベアリング30のうち片方のみを移動すれば足りるため、第二の実施の形態に用いる第一ピストン50の数は第一の実施の形態に用いる第一ピストン50の数のほぼ半数で足りる。
【0031】
ここで、図3及び図7〜図11を参照して、本発明の第一の実施の形態に係るクランプ機構10の駆動方法について説明する。
ただし、図7は、図1に示したクランプ機構10のY−Y線に沿った断面図を示し、図8の(A)は、図1に示したクランプ機構10のX−X線に沿った断面図を示す。この際、図8に示すクランプ機構10は紙管Bを非作動状態で装着している。また、この紙管Bを押圧接した作動状態のクランプ機構10を図9に示す。尚、図7のp−p線に沿った断面から眺めた図を図8と図9に示し、図7のq−q線に沿った断面から眺めた図を図10と図11に示す。ただし、図10は非摩擦係合状態のクランプ機構10を示し、図11は摩擦係合状態のクランプ機構10を示す。ここで、作動状態はクランプ機構10が紙管Bを押圧接する状態を指し、摩擦係合状態はクランプ機構10とシャフトAとが一体に回転する状態を指す。ただし、この摩擦係合状態にはシャフトAに対してクランプ機構10がスリップして各々の周速度を変化させる状態を含む。
【0032】
本発明の第一の実施の形態に係るクランプ機構10は次の段階から紙管Bを押圧接するように、非作動状態(図8参照)から作動状態(図9参照)まで変化する。
A.送気路9aから第一ピストン50に圧搾空気を供給し、
B.第一ピストン50を一組のベアリング30a、30bの各々と当接させ、そして
C.第一ピストン50をさらにスライドさせて、押圧力を及ぼしてベアリング30a、30bをシャフトAの軸方向に沿って対向して移動させて、ベアリング30a、30bと当接する係止部材40を放射方向にホルダ20から突出させる(図3の(B)参照)。
ただし、A〜Cに示した段階は説明上区別されているが、実際の操作では各段階は一連の作業によって行われ、例えば、段階Bと段階Cとを区別しないでもよい。また、好適には、図8及び図9に示すように、一組のベアリング30a、30b同士を隣り合わせに配置し、異なる組み合わせの隣り合うベアリング30a、30bの隙間に第一ピストン50の先端部53を挿入するのが好ましい。
【0033】
また、本発明の第一の実施の形態に係るクランプ機構10は次の段階からシャフトAとクランプ機構10のホルダ20を摩擦係合させるように、非摩擦係合状態(図10参照)から摩擦係合状態(図11参照)まで変化する。
D.送気路9b、9cから第二ピストン60に圧搾空気を供給し、
E.第二ピストン60をチャンバ69の内壁と密着状態で放射方向にスライドさせて先端部63をホルダ20の突条部24の内周面に対して当接させ、そして
F.ホルダ20とピストン60の間に摩擦係合を生じさせて、シャフトAとホルダ20を一体に回転させる。
ただし、D〜Fに示した段階は説明上区別しているに過ぎない。以上、本発明に係る第一の実施の形態では上記A〜C及びD〜Fの段階を経て、シャフトA、クランプ機構10及び紙管Bを同一方向に一体に回転する。ただし、この状態には、突条部24の内周面と第二ピストン60の先端部63との係合をスリップさせて、シャフトAとクランプ機構10の周速度を異なるようにシャフトA、クランプ機構10及び紙管Bを一体に回転させる状態を含む。
【0034】
次に、図12及び図13を参照して、本発明の第二の実施の形態に係るクランプ機構10を操作する駆動手段について説明する。
ただし、図12は、図8の(A)に示した第一の実施の形態に係るクランプ機構10と対比させて示した拡大図である。また、図13は、図10の(A)に示した第一の実施の形態に係るクランプ機構10と対比させて示した拡大図である。
本発明の第二の実施の形態に係るクランプ機構10は次の段階から紙管Bを押圧接するように、非作動状態から作動状態まで変化する。
A’.送気路9aから第一ピストン50に圧搾空気を供給し、
B’.第一ピストン50を一組のベアリング30a、30bのうち、片方のベアリング30bのみと当接させ、そして
C’.第一ピストン50をさらにスライドさせて、押圧力を及ぼしてベアリング30bをシャフトAの軸方向に沿って移動させて、ベアリング30bと当接する係止部材40を放射方向にホルダ20から突出させる(図4の(B)参照)。
ただし、A’〜C’に示した段階は説明上区別しているに過ぎず、また、好適には、図12に示すように、一組のベアリング30a、30b同士を隣り合わせに配置し、異なる組み合わせの隣り合うベアリング30b、30bの隙間に第一ピストン50の先端部53を挿入するのが好ましい。この場合、第二の実施の形態では、第一の実施の形態と比較して約半数の第一ピストン50を使用すれば足りる。
尚、シャフトAとクランプ機構10のホルダ20を摩擦係合させるように、非摩擦係合状態から摩擦係合状態まで変化させる方法は、上記第一の実施の形態、第二の実施の形態の双方とも共通する。
故に、本発明に係る第二の実施の形態では上記A’〜C’及びD〜Fの段階を経て、シャフトA、クランプ機構10及び紙管Bを同一方向に一体に回転する。ただし、この状態には、突条部24の内周面と第二ピストン60の先端部63との係合をスリップさせて、シャフトAとクランプ機構10の周速度を異なるようにシャフトA、クランプ機構10及び紙管Bを一体に回転させる状態を含む。
【0035】
尚、紙管BをシャフトAから取外す方法は、ピストン50を元の位置に復帰させると同時に弾性部材18を用いて係止部材40を再度ホルダ20内に押圧させ、ホルダ20と、ピストン50は送気路9aから負圧を加えられて元の位置まで吸引される。この操作は、上記第一及び第二の実施の形態とも同様である。
【0036】
ここで図14を参照して、シャフトA内部の上記送気路9a、9b及び9cに流体圧力として圧搾空気を供給する方法について具体的に説明する。本発明に係る好適な実施の形態では、シャフトA内に圧搾空気を供給するためにシャフトAの端部側にロータリージョイント部70を隣接配置する(図1参照)。好適には、ロータリージョイント部70はハウジング71とこのハウジング71の両脇と当接する側部72a、72bからなり、各々の側部72a、72bは内部にベアリングを備えてロータリージョイント部70をシャフトA上に位置決めする。ロータリージョイント部70は外表面上に送気孔19a、19b及び19cを形成して、外部から取り込んだ空気を第一送気路9aと第二送気路9b及び9cにそれぞれ送る。この際、圧搾空気に漏れが発生するのを防ぐため、ハウジング71内部の各々の第一送気路9aと第二送気路9b及び9cに対してオイルシール73とシールリング74を備え、さらにシャフトAと接続する側の反対側を栓77で塞ぐ。尚、送気孔19a、19b及び19cから送られる圧搾空気は一旦シャフトAのまわりを360度にわたって覆う溝部75に入り、この後、回転するシャフト内の送気路9a、9b及び9cの各々の連通孔76に送られる。このため、シャフトAの回転状況に依存せず、ロータリージョイント部70は外部からシャフトAの内部に空気を供給できる。ただし、ロータリージョイント部70は空気以外の流体を送気路9a、9b及び9cに送るように構成されてもよい。
【0037】
このようにして供給された圧搾空気は送気路9a、9b及び9c内を通って第一ピストン50、第二ピストン60に送られる。この際、図1に示すように、送気路9a、9b及び9cはロータリージョイント部70と反対側の端部9a’、9b’及び9c’を塞いで、圧搾空気の漏れを防ぐ。
【0038】
ここで、図15を参照して、第一送気路9aと連通する第一ピストン50について説明する。図7に示すように、好適には、第一ピストン50は第一送気路9aの放射方向に配置され、かつシャフトA内部に形成されるチャンバ59内にスライド自在に収容される。図15に示すように、好適には、第一ピストン50は略円柱形状の本体51と略円錐形状の作用部52を備え、該作用部52をシャフトAの外表面に向けて配置する。この際、図15に示すように、第一ピストン50は本体51の側部に溝部54を形成して内部にOリング58(図7参照)を配置しチャンバ59(図7参照)内での気密性を保持する。さらに、作用部52の中央に先端部53を形成する。該先端部53は、隣接するベアリング30a、30bの各々の外輪の端部を押圧接するように形状を定める。
第一ピストン50の先端部53は、この移動方向に対してほぼ垂直方向にベアリング30を移動できるように、ベアリング30との当接面を傾斜状に構成するのが好ましい。また、ベアリング30と先端部53は、各々任意の手段により、当接面の強度を向上させて、耐久性を高めてもよい。
【0039】
次に、図16を参照して、第二送気路9b及び9cと連通する第二ピストン60について説明する。第二ピストン60は、シャフトAとホルダ20を摩擦係合させるクラッチ作用を及ぼす。図7に示すように、第二ピストン60は第二送気路9b、9cの軸方向に対して放射方向に配置され、かつシャフトA内部に形成されるチャンバ69内にスライド自在に収容される。図16に、第二ピストン60の(A)正面図、(B)側面図及び(C)平面図を示す。図示されるように、好適には、第二ピストン60は略円柱形状の本体61と作用部62を備える。また、本体61に溝部64を形成して内部にOリング68(図7参照)を配置しチャンバ69(図7参照)内での気密性を保持する。さらに、作用部62の中央に摩擦係合用に突出する先端部63を形成する。該先端部63は、ホルダ20の突条部24の内周面と当接するように形状を定める。
第二ピストン60の先端部63は、このほぼ移動方向に対してホルダ20の突条部24の内周面と当接するように、当接面を曲面状に構成するのが好ましい。また、ホルダ20の突条部24の内周面と先端部63は、各々任意の手段により、当接面の強度を向上させて、耐久性を高めてもよい。
【0040】
尚、第一ピストン50と第二ピストン60は機能を異にするため、通常これらピストン50、60は部材、表面処理、強度等を異にする。また、クランプ機構10をよりコンパクトに構成するため、本発明の実施の形態では第一ピストン50と第二ピストン60を約90度の角度で位相をずらして配置させている(図7参照)。このため、好適には第二ピストン60には二つの送気路9b、9cが使用される。
【0041】
以上記載のように、本発明の第一及び第二の実施の形態に係るクランプ機構10は主にホルダ20、ベアリング30a、30b及び係止部材40から構成され、そして送気路9a、9b、9c、第一ピストン50、及び第二ピストン60を用いて駆動される。ただし、送気路9a、9b、9cに圧搾空気を送るロータリージョイント部70は、図14に示した実施の形態に限定される必要はない。また、図15に示した第一ピストン50は、特に先端部53にてベアリング30を軸方向に移動させるように押圧力を及ぼすことを特徴とし、これ以外の形状に構成することは任意である。そして、図16に示した第二ピストン60は、特に先端部63にてホルダ20の突条部24の内周面と摩擦係合することを特徴とし、これ以外の形状に構成することは任意である。
【0042】
ただし、本発明の第一の実施の形態に係るクランプ機構10では、ホルダ20を軸支する二つのベアリング30a、30bの双方とも軸方向にスライド自在に設けるため、クランプ機構10を定位置に位置決めするためには、この端部に定置リング15を固設する必要がある(図1、図8〜図11参照)。一方、本発明の第二の実施の形態に係るクランプ機構10では、ホルダ20を軸支する二つのベアリング30a、30bのうち、片方30aを止め輪(スナップリング)で固設するため、この端部に定置リング15を固設する必要をなくすことができる(図12及び図13参照)。尚、符号16及び39にて示した部材は、同一部材でもよい。
【0043】
故に、本発明の第一及び第二の実施の形態に係るクランプ機構10はいずれも従来の技術と比較して、以下の優れた長所を有する。
限られた部材から構成でき経済的であり、
軸方向の幅を小さくまとめるため同一空間内により多数のクランプ機構を配置でき、
分解が容易でメンテナンス性に優れ、
係止部材40に揺動を生じさせずに安定したクランプ機能を提供し、
機構を小さくまとめることでより細い幅の紙管B等を保持できるため実用性が高く、さらに
紙管B等の被押圧面上に窪みを残さないため商品性に優れるという長所を備える。
このため、本発明の第一及び第二の実施の形態に係るクランプ機構10は様々な産業機器に応用できる。
【0044】
巻取軸の説明
以下、上記クランプ機構10を利用して、クランプ機構10の外周に紙管Bを嵌挿装着して紙やフィルム等を巻き取る巻取軸100について説明する。
尚、説明の重複を避けるため、上記第一の実施の形態に係るクランプ機構10を利用した巻取軸100について説明するが、第二の実施の形態に係るクランプ機構10を利用した巻取軸100は同様に構成可能であることを理解されたい。
【0045】
図1に示したように、本発明の実施の形態に係る巻取軸100は複数のクランプ機構10をシャフトAの外周に同軸状にそれぞれ軸方向に対して不動でかつ周方向に回転自在に並列して装着させて、長手方向に沿って複数の細幅にスリットされた紙やプラスチックフィルムまたはアルミ箔等の広幅シートを細幅シート毎に巻取る。以下、クランプ機構10を紙管ホルダ10として説明する。
【0046】
図1に示すように、本発明の実施の形態に係る巻取軸100を使用するために、先ずシャフトAに複数個の紙管ホルダ10を嵌装する。この際、これら紙管ホルダ10の端部に定置リング15を嵌装するが、定置リング15は固定用ビス(図示略)でもってシャフトAに固着されてもよく、または止め輪16(図8参照)でもってシャフトAに固着されてもよい。そして、図8に示すように紙管ホルダ10の外周に紙管Bを回転自由に嵌装セットする。ただし、紙管Bは紙管ホルダ10の幅毎に巻き取ることができる(図8参照)とともに、複数の紙管ホルダ10に渡って巻き取る(図示略)こともできる。尚、図8に示した状態では、シャフトAを回転させても紙管BにはシャフトAの回転トルクは伝達されない。
【0047】
次に、紙管Bを押圧接させるために、紙管ホルダ10を非作動状態(図8参照)から作動状態(図9参照)に切り替えるように第一送気路9aから第一ピストン50に圧搾空気を供給する。この場合、図9に示すように隣接する紙管ホルダ10のベアリング30a、30bは圧搾空気により作動した第一ピストン50の先端部53によって押圧されるため、紙管ホルダ10内の一組のベアリング30a、30bはシャフトAの軸方向に沿って各々向かい合うようにスライドする(図2及び図3参照)。これに伴いホルダ20とベアリング30a、30bの間に配設されたチャック駒(係止部材)40が押圧されてホルダ20の外表面21に開口形成した係合孔26から外方に突出して、チャック駒40が紙管Bの内面に圧接係合する。さらに、図10及び図11に示すように、第二送気路9b、9cから第二ピストン60に圧搾空気を供給して、エア圧力により作動した第二ピストン60の先端部63によって突条部24を押圧接触して、ホルダ20とシャフトAを摩擦係合する。
この結果、紙管ホルダ10がシャフトAと同一体に回転すると同時に紙管Bが紙管ホルダ10と一体に回転するため、紙管Bの外周に紙やフィルム(図示略)が巻き取られる。
【0048】
ただし、ホルダ20とシャフトAの摩擦係合状態は一定ではなく、シャフトAに対してホルダ20がスリップすることで、両者の周速度に変化を生じさせることができる。このため、本発明の実施の形態に係る巻取軸100で細幅シートを巻き取る際に、原反側(図示略)から繰り出されてくる広幅シートの厚みが生産上の厚みムラから一定でないために、巻き取りが進行して行くに従って巻き取り径が異なる場合でも、径の相違に基づいてホルダ20がスリップすることで周速度を変化させるため、これらシートを巻取軸上に綺麗に巻き取ることができる。
【0049】
紙管Bの外周に紙やフィルムの巻き取りが完了したら、送気路9a内の空気を吸引して第一ピストン50用のチャンバ59の内部を負圧にする。すると、第一ピストン50が吸引されて紙管ホルダ10内の一組のベアリング30a、30bは各々スライドして元の位置に復帰し、かつ弾性部材18(図1参照)の弾力によってチャック駒40が元の位置に復帰する。この結果、チャック駒40がホルダ20の係合孔26内に没入するので紙管ホルダ10と紙管Bとが分離される。最後に、シャフトAの回転を停止させて巻取軸100から紙管Bを引き抜く。
【0050】
このように、本発明の実施の形態に係る紙管ホルダ10は従来の技術と比較して限定された構成要素から構成されるため、巻取幅を大幅に限定することが可能になる。具体的に説明すると、図17に示した特開2001−180849号公報に開示された従来の技術と比較して、例えば定置リング1、スライドリング2を廃したため、本発明の実施の形態に係る紙管ホルダは、図17に示した従来の技術では幅38mmまでの紙管Bしか保持することができなかったのに対して、幅9mmまでの紙管Bを保持することが可能になる。
【0051】
また、本発明の実施の形態に係る紙管ホルダ10はほぼこのベアリング30a、30bの巻き張力だけで紙管Bを保持することができ、故に本発明の実施の形態に係る巻取軸100は従来の技術と比較して、より低い張力で紙管Bを保持することができる。このため、従来の技術では厚さの薄いフィルムにしわが入っている場合には綺麗に巻き取ることができないものが多かったが、本発明に係る巻取軸100ではこの状況でもフィルムを綺麗に巻き取ることが可能になる。
【0052】
本発明は以上説明したように構成したので、請求項1に記載した発明によれば、ホルダ内でベアリングをスライドさせて、該ベアリングのスライド運動を傾斜状外周面に沿って係止部材の突出運動に直接伝達するため、多数の部材から構成されていた従来の技術と比較して、より限られた部材からクランプ機構を構成できるためより経済的であり、分解が容易なためよりメンテナンス性に優れ、さらに作用幅をより狭くできるクランプ機構を提供することが可能になる。
【0053】
次に、請求項2に記載した発明によれば、請求項1に記載した発明の奏する効果に加え、低コストでかつ簡単な構成によって、非固定状態の係止部材を定位置に保持するとともに押圧接されて突出した係止部材を再度ホルダ内に没入させるクランプ機構を提供することが可能になる。
【0054】
さらに、請求項3に記載した発明によれば、請求項1または2に記載した発明の奏する効果に加え、二つのベアリングの間に一つの係止部材を介在させて、各々のベアリングを同時に対向するようにスライドさせて一つの係止部材を押圧することで、係止部材は揺動を生じさせずに滑らかに突出でき、故に操作を安定させて行うクランプ機構を提供することが可能になる。
【0055】
さらに、請求項4に記載した発明によれば、請求項1または2に記載した発明の奏する効果に加え、二つのベアリングの間に一つの係止部材を介在させて、一方のベアリングのみをスライドさせて係止部材を押圧することで係止部材を突出でき、故に二つのベアリングのうち一方のみを駆動するため駆動手段の数を減らし、さらに二つのベアリングのうち他方を固設するため、このクランプ機構を両側から位置決めする定置リングのうちの少なくとも一方を不要にすることで、より経済的に構成できるクランプ機構を提供することが可能になる。
【0056】
そして、請求項5に記載した発明によれば、請求項1〜3のいずれかに記載した発明の奏する効果に加え、係止部材を突出させるピストンを互いに隣接するクランプ機構の間に配置することで隣接するクランプ機構のベアリングを直接互いに反対方向に押圧させ、またホルダと摩擦係合するピストンをクランプ機構の中心付近に配置することでホルダとシャフトを一体に駆動させるため、従来の技術と比較して、より無駄なく構成要素を配置するクランプ機構を提供することが可能になる。
【0057】
そして、請求項6に記載した発明によれば、請求項1、2または4に記載した発明の奏する効果に加え、係止部材を突出させるピストンを互いに隣接するクランプ機構の間に一つ置きに配置することで隣接するクランプ機構の一方のベアリングを押圧させ、またホルダと摩擦係合するピストンをクランプ機構の中心付近に配置することでホルダとシャフトを一体に駆動させるため、請求項5に記載の発明と比較してベアリングを駆動するピストンの数を約半分に減らすことができ、故に、より経済的なクランプ機構を提供することが可能になる。
【0058】
そして、請求項7に記載した発明によれば、請求項5または6に記載のクランプ機構を利用することで、従来の技術と比較して限定された構成要素から構成され、メンテナンス性を向上させ、さらにより細い幅に広幅シートをスリットして巻取るとともに各紙管にシートを適正な張力で巻き取る巻取軸を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施の形態に係るクランプ機構を利用した巻取軸を示す側面図である。
【図2】本発明の第一の実施の形態に係るクランプ機構を非作動状態(A)と作動状態(B)に分けて示す斜視図である。
【図3】図2に示した、本発明の第一の実施の形態に係るクランプ機構の非作動状態(A)と作動状態(B)を拡大して示す図である。
【図4】本発明の第二の実施の形態に係るクランプ機構の非作動状態(A)と作動状態(B)を拡大して示す図である。
【図5】ホルダを示す正面図(A)と図5(A)のV−V線に沿った断面図(B)である。
【図6】係止部材を示す正面図(A)と側面図(B)である。
【図7】図1のY−Y線に沿った断面図である。
【図8】本発明の第一の実施の形態に係るクランプ機構を利用した非作動状態の巻取軸の図7のp−p線に沿った断面図(A)と図8(A)のI−I線に沿った断面図(B)を示す図である。
【図9】本発明の第一の実施の形態に係るクランプ機構を利用した作動状態の巻取軸の図7のp−p線に沿った断面図(A)と図9(A)のII−II線に沿った断面図(B)を示す図である。
【図10】本発明の第一の実施の形態に係るクランプ機構を利用した非摩擦係合状態の巻取軸の図7のq−q線に沿った断面図(A)と図10(A)のIII−III線に沿った断面図(B)を示す図である。
【図11】本発明の第一の実施の形態に係るクランプ機構を利用した摩擦係合状態の巻取軸の図7のq−q線に沿った断面図(A)と図11(A)のIV−IV線に沿った断面図(B)を示す図である。
【図12】本発明の第二の実施の形態に係るクランプ機構を利用した非作動状態の巻取軸を示す図である。
【図13】本発明の第二の実施の形態に係るクランプ機構を利用した非摩擦係合状態の巻取軸を示す図である。
【図14】ロータリージョイント部を示す断面図である。
【図15】第一ピストンを示す側面図である。
【図16】第二ピストンを示す正面図(A)、側面図(B)及び平面図(C)である。
【図17】従来技術に係る非作動状態の巻取軸(A)と作動状態の巻取軸(B)を示す図である。
【符号の説明】
A シャフト
B 被固定部材(紙管)
9a、9b、9c 送気路
10 クランプ機構(紙管ホルダ)
15 定置リング
18 弾性部材(ばね)
20 ホルダ
30 ベアリング
33、43 傾斜状外周面(端部)
39 止め輪(スナップリング)
40 係止部材(チャック駒)
50 第一ピストン
60 第二ピストン
70 ロータリージョイント部
100 巻取軸

Claims (7)

  1. ホルダ、ベアリング及び係止部材から構成されるクランプ機構であって、前記ホルダは偏平円筒状に形成され、内壁の中央から中心に向けて突出形成した突条部により左右対称の二つのチャンバを形成し、各チャンバにそれぞれ前記ベアリングを収容するとともに外表面に開口した係合孔に前記係止部材を出没自在に収容し、また、前記ベアリングの外輪と前記係止部材の少なくともいずれか一方の端部に傾斜状外周面を形成して前記ベアリングの外輪と前記係止部材を直接当接させ、駆動手段により前記ベアリングをスライドさせることにより前記係止部材を前記傾斜状外周面に沿って前記係合孔から突出させることを特徴とするクランプ機構。
  2. 前記ホルダと前記係止部材は各々外表面に渡る溝部を形成し、該溝部内に弾性部材を挿通して前記係止部材を前記ホルダの前記係合孔内に押圧してなることを特徴とする請求項に記載のクランプ機構。
  3. 前記ホルダは内部を二つのチャンバに分けて一組の前記ベアリングを回転自在かつ軸方向にスライド自在に収容させて、前記ベアリングの各々を前記係止部材に対して対向する側から前記駆動手段により同時にスライドさせることにより前記係止部材を前記係合孔から突出させることを特徴とする請求項1または2に記載のクランプ機構。
  4. 前記ホルダは内部を二つのチャンバに分けて一組の前記ベアリングを収容させ、この際、一方のベアリングを回転自在かつ軸方向にスライド自在に収容させると共に他方のベアリングを回転自在かつ軸方向不動に固定して収容させて、前記一方のベアリングを前記係止部材に対して前記駆動手段によりスライドさせることにより前記係止部材を前記係合孔から突出させることを特徴とする請求項1または2に記載のクランプ機構。
  5. 流体圧力で作用する二系統のピストンを用いて、一方のピストンは互いに隣接する前記クランプ機構の間に配置されて前記ベアリングに作用する前記駆動手段として設けられ、他方のピストンは前記クランプ機構の中心付近に前記一方のピストンに対して約90度位相をずらして配置されて前記ホルダと摩擦係合するように設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のクランプ機構。
  6. 流体圧力で作用する二系統のピストンを用いて、一方のピストンは互いに隣接する前記クランプ機構の間に一つ置きに配置されて前記一方のベアリングに作用する前記駆動手段として設けられ、他方のピストンは前記クランプ機構の中心付近に前記一方のピストンに対して約90度位相をずらして配置されて前記ホルダと摩擦係合するように設けたことを特徴とする請求項1、2または4に記載のクランプ機構。
  7. 請求項5または6に記載の前記クランプ機構を利用する巻取軸であって前記クランプ機構は前記ホルダ上に紙やフィルム等を巻取る紙管を装着してなることを特徴とする巻取軸。
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