JP4466806B2 - フリクション巻軸 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、プラスチックフィルム、紙、金属の薄板その他の複数の帯状シートを一斉に巻取る巻取装置において各帯状シート毎の巻芯を保持して回転駆動力を伝達するために用いるフリクション巻軸に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、フリクション巻軸には、巻取装置に装着されて回転駆動される回転駆動軸と、回転駆動軸の外周に回転可能に装着した複数の環状の巻取カラー、並びに巻取カラー相互間に配置した巻芯横ズレ防止リングと、前記巻取カラーに回転駆動軸の回転駆動力を伝達するための摩擦伝達機構とからなるものがある。巻取カラーは、巻芯が空回りしないように拘束するためのクラッチ機構を備える。巻芯横ズレ防止リングは、巻芯の横ズレを防ぐためのものであり、巻芯内周に係合する爪部材と、爪部材の係合部がリングから進出させるためのバネ装置と、このバネ装置の付勢力に抗して爪部材の係合部をリング内へ後退させるための、圧縮空気で働く押し戻し装置とを備えている。押し戻し装置に圧縮空気を供給するために、横ズレ防止リングの内周側には一対のリング状のシールを装着し、この一対のシールの相互間に通じる導入孔を回転駆動軸に設けている(特開平11−301893号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述のフリクション巻軸では、巻芯横ズレ防止リングを配置した部位には巻取カラーの相互間隔を保つためのスペーサリングを回転駆動軸の外周に嵌めておく必要がある。このスペーサリングの外周面は巻芯横ズレ防止リングの内周に装着した一対のリング状のシールとの接触面にもなり、これに一対のリング状のシールの間へ圧縮空気を導入するための孔を形成するので、スペーサリングの内周面と回転駆動軸の外周面との隙間から圧縮空気が漏れないようにする必要がある。そこで回転駆動軸の外周面に、前記孔を挟むように配置した二つの溝を形成して夫々シール用のOリングを取り付け、その上に被さるようにスペーサリングを装着する。しかし、このOリングを取り付けるための溝は、回転駆動軸の機械的強度を低下させ、フリクション巻軸の長尺化を阻害する要因になっている。またOリング取付け用の溝の形成や、Oリング及びその上へのスペーサリング、巻芯横ズレ防止リングの装着は、部品加工や組立作業を面倒で手間のかかるものにしている。
【0004】
また、巻芯横ズレ防止リングは、その本体を回転駆動軸に対し直接的に支持する手段を持たないので、回転駆動軸に対して容易に偏心し得る。巻芯横ズレ防止リング上に、装着した巻芯が被さっている場合、その巻芯の内周面に爪部材を係合させることで、巻取カラー上に保持した巻芯に固定し、巻芯と共に回転させることができるが、その場合でも爪部材を付勢するバネ装置や爪部材の加工誤差等があるため、回転駆動軸に対する巻芯横ズレ防止リングの偏心を完全に防ぐことはできない。それゆえ巻芯横ズレ防止リングのシールは、偏心磨耗して寿命が短くなり易い。また、巻取カラーと巻芯横ズレ防止リングとの隙間は、熱膨張、メカロス等を考慮して比較的大きくする必要があり、そのため、巻取中に破断した帯状シートの裁ち屑がフリクション巻軸に巻付いてしまったとき、その裁ち屑が巻芯横ズレ防止リングと巻取カラーとの隙間に入り易く、そのときシールを損傷してしまうという問題も生じる。
【0005】
本発明は上述のような問題点に鑑み、巻芯を所定位置に確実に保持でき、しかも加工、組立及び保守が容易なフリクション巻軸を提供することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のフリクション巻軸は、複数の帯状シートを一斉に個々の巻芯のまわりに巻取る巻取装置に装着されて回転駆動される回転駆動軸と、前記巻芯の内周を保持するための、前記回転駆動軸の外周面に回転可能に装着した複数の巻取カラーと、前記回転駆動軸の回転力を前記巻取カラーの環状本体にスリップ回転可能に伝達する機構とを備えるフリクション巻軸であって、係合部材を保持して前記巻芯内周へ押圧、離脱させることができる空圧装置を、前記環状本体に形成した凹部に設け、前記係合部材を、前記巻芯の内周面に係合したとき該巻芯の前記環状本体に対する回転を許すと共に該巻芯の軸線方向の動きを妨げるように形成し、前記回転駆動軸の外周面と環状本体の内周面との間で気密を保つためのリング状の一対のシールを前記環状本体の内周に取り付け、前記一対のシールに挟まれた空間から前記空圧装置に通じる圧縮空気の導入孔を前記環状本体に設け、前記回転駆動軸に、前記一対のシールに挟まれた空間へ夫々圧縮空気を供給するための通路を設け、前記巻取カラーの外周に嵌合した巻芯に、該巻芯を前記巻取カラーの環状本体に対して前記回転駆動軸の回転方向と逆方向に回転させる回転力が加わるとき、前記巻芯を前記環状本体と一緒に回転するように拘束し、その拘束された巻芯に、該巻芯を前記環状本体に対して前記回転駆動軸の回転方向に回転させる回転力が加わるとき、前記巻芯の拘束を解くことができるクラッチ機構を、前記環状本体に設けたことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
この発明の実施態様を図面を参照して説明する。図1に示すように、この発明のフリクション巻軸は、複数の帯状シートSを一斉に個々の円筒状の巻芯Cのまわりにロール状に巻取る巻取装置に回転可能に装着されて回転駆動される回転駆動軸1と、その外周に回転することができるように取り付けた複数個の環状の巻取カラー2とを備える。この実施態様の場合、回転駆動軸1を巻取時には巻取位置に回転可能に支持し、巻取終了後は巻取位置から長手方向に抜き去ることができるようにするために、回転駆動軸1の一端に軸受3を設け、巻取装置の一対の機枠には軸受3を保持する軸受保持筒4と、回転駆動軸1の他の一端を支持する回転センタ軸5とを設けている。また巻取位置に支持した回転駆動軸1を回転駆動するために、回転駆動軸1の他の一端に爪クラッチ部材6aを設け、この爪クラッチ部材6aが、回転センタ軸5に固設した爪クラッチ部材6bに噛合うようにすると共に、図示しない巻取モータの回転をベルトを介して回転センタ5の後端に設けたプーリ7に伝達することができるようにしてある。
【0008】
巻取カラー2は、巻芯Cが該巻取カラー2に対して回転駆動軸1の回転と反対方向に回転することにより作動し、巻芯Cが該巻取カラー2と一緒に回転するように該巻取カラー2の回転方向に拘束するためのクラッチ機構8と、巻芯Cが該巻取カラーに対して幅方向へ移動するのを防ぐための巻芯横ズレ防止機構9とを備える。
【0009】
図2及び図3に示すように、回転駆動軸1は中空部1aを備え、回転駆動軸1には、これに取付けた各巻取カラー2に対応する位置に回転駆動軸1の外周から中空部1aに達する開口10を備えており、回転駆動軸1の中空部1a内には弾性体、例えばゴム等で製したホース11が回転駆動軸1の中心軸線に沿って長手方向に伸長し、このホース11内に圧縮空気を供給することができるようにしてあり、ホース11の圧縮空気の供給側と反対側の端部は回転駆動軸1の軸受3に近い端部で閉塞して終わっている。回転駆動軸1の開口10には棒状の摩擦部材12が.開口10の軸線方向に滑動することができるように挿入してあり、摩擦部材12の下端はホース11の外周に接触するようにしてある。
【0010】
ホース11に圧縮空気を供給すると、ホース11が放射方向に膨脹して、摩擦部材12が押圧され、摩擦部材12の上端が巻取カラー2の環状本体13の内周を押し上げ、回転駆動軸1の回転時に、摩擦部材12によって回転駆動軸1の回転力が巻取カラー2に伝達される。このときの巻取カラー2の回転力は、摩擦部材12と巻取カラー2との摩擦力に比例し、この摩擦力はホース11に供給される圧縮空気の圧力にほぼ比例するので、帯状シートの張力を所要の大きさに調整するために、ホース11に供給される圧縮空気の圧力を、図示しない公知の圧力調整装置により調整できるようにしてある。
【0011】
巻芯横ズレ防止機構9は、図2および図3に示すように、係合部材14と、係合部材14を巻芯Cの内周面に押圧、離脱させることができる空圧装置15からなり、この空圧装置15は、シリンダ部材16と、シリンダ部材16の内周にスライド可能に嵌めたピストン17と、このピストン17に設けたロッド部18と、ピストン17を圧縮空気による移動方向と逆方向に戻すことができる圧縮コイルバネ19とで構成されている。
【0012】
ピストン17は、圧縮空気により係合部材14が巻芯Cの内周面から後退する方向に付勢され、圧縮コイルバネ19により係合部材14が巻取カラー2から突出する方向に付勢される。圧縮コイルバネ19は、その上端部を、ピストン17の下端からロッド部18の内部に形成した穴に挿入して保持してある。係合部材14は、巻芯Cの内周面に係合したとき巻芯Cの環状本体13に対する回転を許すと共に巻芯Cの軸線方向の動きを妨げるためにローラ状に形成し、回転駆動軸1に平行に設けたピン20により回転可能にロッド部18の先端部に装着してある。また係合部材14の両端面はロッド部18の先端部により軸線方向に拘束されている。シリンダ部材16は、環状本体13の外周面に形成した凹部21内に装着して固定してあり、ピストン15を環状本体13の中心から放射方向に案内することができる。このシリンダ部材16の上端部には、ピン20に平行に伸びた案内溝22を形成し、この案内溝22の側面で、ロッド部18から突出したピン20の両端部を案内することにより、係合部材14及びピストン17が、そのピストン17の軸線を中心に回転しないようにしてある。凹部21は回転駆動軸1の中心から放射方向に等角度120度をとって環状本体13の外周面の3箇所に夫々形成してあり、空圧装置15は各凹部21毎に設けてある。
【0013】
環状本体13は、その内周に設けた一対の転がり軸受23により回転可能に回転駆動軸1に装着してある。
【0014】
巻芯横ズレ防止機構9の空圧装置15に圧縮空気を供給するために、環状本体13の内周面に円周方向の溝25を設け、この溝25に一対のリング状のシール26、26を取り付け、環状本体13の内周側かつ一対のシール26、26間の空間から空圧装置15へ通じる圧縮空気の導入孔27を設けてある。また圧縮空気を一対のシール26、26間へ回転駆動軸1を通して導くために、この実施態様の場合、回転駆動軸1の中空部1aに挿入したホース11と回転駆動軸1の内周面との間の空所33を、空圧装置15への圧縮空気の導通穴とし、回転駆動軸1に形成した開口10を導通孔として利用する。そのため、開口10の内周面と摩擦部材12の外周面との間に隙間を設けている。また一対のシール26は、開口10を跨ぐように配置してある。この発明では、回転駆動軸1の回転力を環状本体13に伝達するために、ホース11の代わりに、開口10にピストンを設け、このピストンで摩擦部材を押上るようにし、回転駆動軸1に圧縮空気の導通穴を長手方向に形成すると共に、この導通穴と一対のシールに挟まれた空間とを連通する導通孔を形成することもできる。
【0015】
前述のクラッチ機構8は、図4に示すように、巻取カラーの環状本体13の外周面に形成した、回転駆動軸1の中心から放射方向に等角度を隔てて円周方向に伸長する複数の溝29と、環状本体13の外周面から回転駆動軸1の回転方向(図4の矢印Rの方向)に沿って次第に深く形成した各溝29の底面30と、溝29に個々に配置した複数個の球体31と、球体31を溝29の深い部分29aから浅い部分29bの方向、あるいはこれと反対の方向に回転して移動することができるように保持するための、環状本体13に回転可能に装着した保持部材32とからなる。
【0016】
溝29は、環状本体13の外周面に、回転駆動軸1の中心から放射方向に夫々60度の間隔をおいた6箇所であって、巻取カラー2の両側面の各々に近接する位置に2列に形成してある。
【0017】
図5に示すように、保持部材32の外周面には球体31を挿入するための空所33が形成してあり、適当な部位に環状本体13の溝29と連絡し、ピン34を挿入することができるピン孔35が形成してある。また巻芯横ズレ防止機構9に対応する箇所に夫々長窓36を設けて、保持部材32を環状本体13に装着したとき係合部材14が保持部材32から突出でき、かつ保持部材32が環状本体13に対して一定角度の範囲内で回動できるようにしてある。なお、環状本体13の一方の側面にフランジ37を形成し、保持部材32が環状本体13のフランジ37と接触する側面と反対側には、止め輪を挿入するための細溝38が形成してあり、溝29の深部29a側の底面30と環状本体13の側面とは連絡溝39で連通してある。
【0018】
球体31を保持部材32で支承するには、空圧装置15を凹部21に装着する前に、保持部材32を環状本体13にあてがい、球体31をフランジ側の溝29に挿入し、保持部材32を環状本体13に挿入してフランジ側の球体31を空所33に収容させる。
【0019】
次に、保持部材32のフランジ37と反対側の空所33を環状本体13の連絡溝39の位置に合わせて、細溝38側の球体31を夫々連絡溝39を通して空所33並びに溝29に差し込み、保持部材32を溝29の浅い方へ少し回転させる。
【0020】
以上の操作の後に、保持部材32を環状本体13から抜け出すことがないように、細溝38に止め輪40を装着し、保持部材32のピン孔35にピン34を差し込んで固定する。
【0021】
巻芯Cを巻取カラー2に嵌合して巻芯Cに図4の矢印Rと逆方向の回転力を加えると、巻芯Cは、環状本体13に対して矢印Rの方向と逆方向に回転し、各球体31は巻芯Cの内周面との摩擦力によって、相互に間隔を保ちながら溝29の深い部分29aから浅い部分29bの方向に移動し、保持部材32の外周面から、それぞれ同一の高さで外方に突出する。従って、クラッチ機構8は巻取カラー2の外周に嵌合した巻芯Cと巻取カラー2との相対的な回転によって作動し、巻芯Cを巻取カラー2と同心に回転させることができる。回転駆動軸1の回転を停め、巻芯Cに図4の矢印Rの方向の回転力を加えると巻芯Cは環状本体13に対して矢印Rの方向に回転し、各球体31は溝29の浅い部分へ移動し、球体32が保持部材32内へ後退し、巻芯Cの拘束が解かれる。
【0022】
以上に述べたクラッチ機構8によると、球体31を巻芯Cの内周に接触させるため、巻芯内周を損傷する虞がなく、巻芯を長手方向に容易に移動させることができる。また巻芯Cを支持する球体31は、回転駆動軸1の軸線と平行であって、しかも2列に配置されているため、巻芯の幅が最小限度のものであっても、これを確実に、偏心させることなく支持することができる。なお、球体31の代わりに、コーナをフィレットしたローラを使用することもできる。
【0023】
図1に示すように、回転駆動軸1に連続して取付けた複数個の巻取カラー2は、回転駆動軸1の大直径部分1bの端面と、止めネジ(図に示してない)で回転駆動軸1の外周に固定した円筒体41の端面との間に設けられている。
【0024】
圧縮空気は、必要に応じて、圧縮空気源(図に示してない)から導管を通り回転駆動軸1の回転センタ軸5側の後端に取り付けた回転継手42を経由して、回転センタ軸5の導入孔5a、回転駆動軸1の導入孔43を介して回転駆動軸1の内部に設けたホース11に送り込まれ、または回転駆動軸1の軸受3側の一端に取り付けた回転継手44を経由して、回転駆動軸1の圧縮空気導入孔45を介してホース11と回転駆動軸1の内周との間の空所33に送り込まれる。
【0025】
圧縮空気導入孔45より空所33に送り込まれた圧縮空気は、図3に示す開口10から環状本体13の内周に設けた1対のシール26,26の間へ導かれ、更に導入孔27を経由してシリンダ部材16の内部へ導かれてピストン17を押し下げる方向に作用する。
【0026】
この発明のフリクション巻軸は、以上に詳しく述べたように構成してあるので、回転駆動軸1を回転センタ軸5と反対の方向に軸線方向に移動して、回転駆動軸1や部を回転センタ軸5より離してから、圧縮空気を回転継手44を経て導入孔45へ供給する。すると、圧縮空気はホース11の外周と回転駆動軸1の内周との間の空所33および開口10を経由して環状本体13の内周側の1対のシール26、26の間に送られて、図2の左下に示すようにピストン17が作動し係合部材14が凹部21内へと移動する。次で、回転駆動軸1の回転センタ軸5から離れている端部から巻芯Cを回転駆動軸1に挿入して、巻軸カラー2に取付け、導入孔45への圧縮空気の供給を停止する。このようにすると、図3に示すように、係合部材14がバネ19によって押し上げられて、巻芯Cの内周に係合し、巻芯Cは横方向に移動することのないように保持される。
【0027】
そこで、回転駆動軸1の端部を回転センタ軸5に接続し、巻芯Cの外周に帯状シートSの先端部を取付け、回転駆動軸1を図4の矢印Rの方向に回転させ、圧縮空気を導入孔43を経てホース11に送り、ホース11を放射方向に膨脹させて、図2に示すように摩擦部材12を巻取カラー2の内周に圧接させる。これによって、巻取カラー2が回転する。この際に、巻芯Cは帯状シートに接続しているので、帯状シートより張力を受け、巻取カラー2の環状本体13に対して、回転駆動軸1の回転と逆方向に回転しようとする。これに対して、巻芯横ズレ防止機構9の係合部材14はバネ19の作用により巻芯Cの内周を押圧しており、環状本体13と共に回転する。しかし係合部材14はピン20により回転可能に支持されているので、巻芯Cが環状本体13に対して回転駆動軸1の回転方向と逆方向に回転することを可能にする。したがって、図4に示すように、クラッチ機構8の球体31が溝29の深い部分29aから浅い部分29bへ移動して、巻取カラー2の外周より突出し、巻芯Cが環状本体13に確実に固定され、回転駆動軸1の回転と共に回転し、帯状シートSが巻芯Cに巻取られる。圧縮空気を巻芯横ズレ防止機構9の空圧装置15へ供給してピストン17を作動させない限り、その係合部材14は巻芯Cの内周面を押圧しているので、運転を停止しても巻芯Cは不当に横方向に移動することがない。また巻取運転中は、帯状シートの巻取張力の大きさに応じて巻芯Cの回転を制止する方向のトルクが大きくなり、そのトルクが摩擦部材12と巻取カラー2との摩擦力による摩擦伝達トルクよりも大きくなると、巻取カラー2が回転駆動軸1に対してスリップ回転し、摩擦伝達トルクより大きいトルクが巻芯Cに作用しないので、帯状シートの巻取張力が過大になるのを防ぐことができる。
【0028】
帯状シートSを巻付けた巻芯Cを巻取りカラー2から取り外すには、回転駆動軸1の運転を停止し、回転駆動軸1の先端を回転センタ軸5から離脱させ、圧縮空気を導入孔45から回転駆動軸1の内周とホース11の外周との空所33および導入孔27を経て巻取カラー2の環状本体13の内周側のシール26、26の間に供給した後、回転駆動軸1の先端と回転センタ軸5との離間した部位から取り出す。
【0029】
本発明によれば、必要応じて、前述のローラ状の係合部材14を、図7に示すように、巻芯の内周面への面圧を大きくして巻芯横ズレ防止効果を高めるために、巻芯の内周面と接触する幅の狭い外周部分14aを有する回転体14としてもよく、また図8に示すように巻芯の内周面と確実に係合するように、外周に複数の突起14bを持つ回転体14としてもよい。
【0030】
図9及び図10に巻取カラーの別の実施態様を示す。図9は巻取カラーの一部分を省略して示す平面図、図10は巻取カラーの一部を断面で示す側面図である。巻取カラーの環状本体13の外周に等しい間隔をとって複数、例えば3個の凹部21が形成してあり、この各凹部21に、レバー状の係合部材14がその中央付近をピン47で枢着してある。係合部材14の一方の端部上面には、巻取カラーの円周方向に伸びた突条14cを有しており、この突条14cが巻芯Cの内周面を押圧するように、環状本体13には、係合部材14上の突条14cの下方に第1の空所に圧縮コイルバネからなる押上装置19が設けてあり、また係合部材14上の突条14cと反対側の下方には突条14cを巻芯Cの内周面から離脱させるための空圧装置15が設けてある。押上装置19は、係合部材14上の突条14c側を押し上げるように作動する。また凹部21には、突条14cの反対側に第2の空所が形成してあって、この空所にピストン17が収容してあり、このピストン17に、環状本体13の内周面側から、前述の図1ないし図4に示す実施態様と同様に圧縮空気が供給され、この圧縮空気の作用によりピストン17が作動して、係合部材14の突条14cと反対側の部分を押し上げ、突条14cによる巻芯Cの内周面の押圧を解除する。係合部材14上の突条14cの上面は、これを巻芯の内周面に押し付けたとき、巻芯回転方向の摺動抵抗が小さくなるように巻芯の回転方向に滑らかに仕上げてある。
【0031】
クラッチ機構8は、図10に示すように環状本体13の外周の幅方向の略半分の部分に、球体31を収容する複数の溝29と、球体31を溝29から脱落しないように保持する、環状本体13に回転可能に装着した保持部材32とを配置している。そして残りの部分に巻芯横ズレ防止機構9を配置している。
【0032】
【発明の効果】
この発明では、巻芯の空回りを阻止するためのクラッチ機構と、巻芯の軸線方向への移動を阻止するための巻芯横ズレ防止機構を共通の巻取カラーに備えることにより、大きな巻取トルクが巻芯に作用する場合でも簡素な機構で巻芯を空回りしないように確実に拘束することができると共に、例えば巻取ロール完成前の一時的な巻取停止により巻芯がクラッチ機構による拘束から解放されたとしても、巻取運転の再開時に巻芯の横ズレを防ぐことができる。しかも空圧装置へ供給する圧縮空気の圧力を低く抑えることができるため、圧縮空気漏れが起こりにくくなる。また、従来のような巻芯横ズレ防止リングを巻取カラー間に設けた場合のような、回転駆動軸の外周に溝を形成してシール用のOリングを装着し、その上にスペーサリングを装着するという作業が不要になり、フリクション巻軸の部品加工、組立作業が簡単になる。そしてOリング用の溝加工が不要であるため回転駆動軸の機械的強度を損なわないから、従来より長いフリクション巻軸が得られるようになる。また一対の軸受で支持した巻取カラーの内周に、リング状のシールを設けるので、シールが偏磨耗したり容易に損傷したりするという問題も解消される。したがって、巻芯を所定位置に確実に保持でき、巻芯の着脱を円滑に行うことができ、寿命が長く、加工、組立及び保守が容易で安価なフリクション巻軸を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様に係るフリクション巻軸の全体平面図である。
【図2】図1における切断線X−X沿いの断面を矢印Aの方向に見た断面図である。
【図3】図1における一点鎖線U−U及びV−Vで挟まれた部分の、回転駆動軸の中心軸線沿いの断面を示す断面図である。
【図4】図1における切断線Y−Y沿いの断面を矢印Bの方向に見た断面図である。
【図5】保持部材の斜視図である。
【図6】巻取カラーの環状本体の斜視図である。
【図7】係合部材の別の実施態様を示す斜視図である。
【図8】係合部材の更に別の実施態様を示す斜視図である。
【図9】巻取カラーの別の実施態様を、部分断面で示す側面図である。
【図10】図9に示す巻取カラーの部分平面図である。
【符号の説明】
C 巻芯
1 回転駆動軸
2 巻取カラー
8 クラッチ機構
9 巻芯横ズレ防止機構
10 開口
11 ホース
12 摩擦部材
13 環状本体
14 係合部材
15 空圧装置
16 シリンダ部材
17 ピストン
19 圧縮コイルバネ
20 ピン
21 凹部
26 シール
27 導入孔
28 導入穴
29 溝
30 溝の底面
31 球体
32 保持部材
Claims (10)
- 複数の帯状シートを一斉に個々の巻芯のまわりに巻取る巻取装置に装着されて回転駆動される回転駆動軸と、前記巻芯の内周を保持するための、前記回転駆動軸の外周面に回転可能に装着した複数の巻取カラーと、前記回転駆動軸の回転力を前記巻取カラーの環状本体にスリップ回転可能に伝達する機構とを備えるフリクション巻軸であって、係合部材を保持して前記巻芯内周へ押圧、離脱させることができる空圧装置を、前記環状本体に形成した凹部に設け、前記係合部材を、前記巻芯の内周面に係合したとき該巻芯の前記環状本体に対する回転を許すと共に該巻芯の軸線方向の動きを妨げるように形成し、前記回転駆動軸の外周面と環状本体の内周面との間で気密を保つためのリング状の一対のシールを前記環状本体の内周に取り付け、前記一対のシールに挟まれた空間から前記空圧装置に通じる圧縮空気の導入孔を前記環状本体に設け、前記回転駆動軸に、前記一対のシールに挟まれた空間へ夫々圧縮空気を供給するための通路を設け、前記巻取カラーの外周に嵌合した巻芯に、該巻芯を前記巻取カラーの環状本体に対して前記回転駆動軸の回転方向と逆方向に回転させる回転力が加わるとき、前記巻芯を前記環状本体と一緒に回転するように拘束し、その拘束された巻芯に、該巻芯を前記環状本体に対して前記回転駆動軸の回転方向に回転させる回転力が加わるとき、前記巻芯の拘束を解くことができるクラッチ機構を、前記環状本体に設けたことを特徴とするフリクション巻軸。
- 前記空圧装置は、シリンダ部材と、シリンダ部材の内周に嵌めたピストンと、該ピストンに設けた、前記係合部材を保持するロッド部と、ピストンを圧縮空気による移動方向と逆方向に戻すことができるバネとからなる請求項1記載のフリクション巻軸。
- 前記ピストンは、圧縮空気により前記係合部材が凹部内へ後退する方向に付勢され、前記バネにより前記係合部材が巻取カラーから突出する方向に付勢される請求項2記載のフリクション巻軸。
- 前記係合部材は、回転駆動軸に平行な軸線を中心として回転可能にロッド部の先端に保持される請求項2記載のフリクション巻軸。
- 前記係合部材を回転体とした請求項4記載のフリクション巻軸。
- 前記係合部材を、外周に複数の突起をもつ回転体とした請求項4記載のフリクション巻軸。
- 前記クラッチ機構を、前記環状本体の外周に複数の溝を設けると共に、該溝の底面を当該環状本体の外周面から前記回転駆動軸の回転方向に沿って次第に深く形成し、前記溝に夫々球体を前記溝の深い部分と浅い部分との間を移動可能に収容することにより構成した請求項1記載のフリクション巻軸。
- 前記複数の溝を2列に設けた請求項7記載のフリクション巻軸。
- 前記球体をローラに代えた請求項7記載のフリクション巻軸。
- 前記空圧装置を、前記環状本体に形成した凹部に枢着したレバー状の係合部材と、前記巻芯の内周面に係合したとき該巻芯の前記環状本体に対する回転を許すと共に該巻芯を軸線方向の動きを妨げるように前記係合部材の一端付近に形成した、巻芯内周面との係合部と、前記係合部材の係合部側下方に設けた、前記係合部に作用する押上装置と、前記係合部材の係合部と反対側下方に設けた、係合部を巻芯の内周面から離脱させることができる空圧装置とに代えた請求項1記載のフリクション巻軸。
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