JPH0412054Y2 - - Google Patents

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JPH0412054Y2
JPH0412054Y2 JP1989026658U JP2665889U JPH0412054Y2 JP H0412054 Y2 JPH0412054 Y2 JP H0412054Y2 JP 1989026658 U JP1989026658 U JP 1989026658U JP 2665889 U JP2665889 U JP 2665889U JP H0412054 Y2 JPH0412054 Y2 JP H0412054Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この考案は紙、プラスチツクフイルム、金属の
箔や薄板などのシート帯を巻き取るために使用す
るシート帯巻取用の回転駆動軸に関する。このシ
ート帯巻取用の回転駆動軸は、特に、中心駆動軸
と、該中心駆動軸に複数並列状に回転可能に外挿
した輪と、上記中心駆動軸の駆動を上記輪に摩擦
伝達するための伝達手段とを有する形式のもので
ある。
(従来の技術) 従来、シート帯を巻き取る筒芯を回転駆動軸と
一体に回転するよう拘束する手段として、例えば
特開昭58−17046号公報が開示するように回転駆
動軸の外周に底が傾斜した複数の円周方向の傾斜
溝を間隔を保つて形成し、各傾斜溝内には、該傾
斜溝の深部から浅部に向けて転動可能であつて浅
部への転動に伴い傾斜溝から外に次第に突出する
ローラを収容したものがある。この筒芯の拘束手
段では、外周に筒芯を嵌めた回転駆動軸を上記ロ
ーラが傾斜溝内を浅部に向かつて転動する方向に
輪を回転させると、ローラが傾斜溝から突出して
筒芯の内周に喰込み、それによつて輪の外周に嵌
めた筒芯が拘束される。
ところが、この筒芯の拘束手段では、多角形状
に配置した半径の小さなローラが直接局部的に筒
芯の内周に喰い込んで生ずる摩擦力により筒芯を
駆動軸と一体に回転駆動するので、筒芯上に大き
な張力でシート帯を巻き取ると、筒芯はローラが
内周に喰い込んだ個所を角とした多角形に変形
し、シート帯に永久歪みが生じて不良品となつた
り、場合によつてはその角から筒芯が破損したり
して、それまで筒芯上に巻き取つたシート帯を無
駄にせざるを得ないという問題が生ずる。そし
て、この傾向は筒芯の外周に巻き取るシート帯が
鉄或るいは非鉄金属の箔や薄板である場合、また
筒芯が紙管等の機械的強度の小さいものである場
合に特に顕著である。また、各ローラが傾斜溝内
を個々に独立して転動し得るので、筒芯の内径と
回転駆動軸の外径との差が大きい場合には、筒芯
の偏心支持を無くすることは困難である。
そこで、傾斜溝に収容したローラの外に複数の
扇形片を隣接状に配置して包囲し、上記複数の扇
形片を拡張可能な保持部材で半径方向外向きに移
動可能に保持し、扇形片で構成された軸の外周に
シート帯巻取用の筒芯を嵌合し、ローラが傾斜溝
内を浅部に向かつて転動する方向に、扇形片で構
成された軸を回転してローラを傾斜溝から外に突
出させ、これにより各扇形片を半径方向外向きに
移動さてシート帯の巻回部或るいは筒芯の内周に
喰込ませて一体に回転駆動できるようにし、シー
ト帯の巻き取りを行うシート帯巻取用の回転駆動
軸を本出願人は特願昭59−131953号で提案した。
このシート帯巻取用の回転駆動軸は、扇形片の幅
が広い場合にはシート帯の巻取を行う点では問題
は無い。
(考案が解決しようとする課題) ところが、扇形片の輪を用いた従来の回転駆動
軸では、扇形片の加工やローラの外に複数の扇形
片を隣接状に配置して包囲するための組立てに手
数がかかる。
更に、中心駆動軸と、該中心駆動軸に複数並列
状に回転可能に外挿した輪と、上記中心駆動軸の
駆動を上記輪に摩擦伝達するための伝達手段とを
有する形式のシート帯巻取用の駆動軸では、多様
な幅の分割シート帯を同時に巻き取る際に巻取張
力制御の精度を向上させるためや、幅の狭い分割
シート帯を巻き取るために、個々の上記輪の幅を
狭くすることが必要になる。その場合、輪に筒芯
等を拘束するための扇形片の幅を狭くすることが
必要である。
しかし、扇形片の輪を用いた従来の回転駆動軸
では、扇形片の幅を狭くすると、扇形片の加工や
ローラの外に複数の扇形片を隣接状に配置して包
囲するための組立てに手数がかかるだけでなく、
巻取中や巻取ロールを抜き取るときに扇形片の輪
がばらばらになる等の故障が非常に生じ易いとい
う問題が生ずる。例えば金属シート帯の巻き取り
のように大きな巻取トルクが必要な場合や巻取ロ
ールの重量が大きい場合には、扇形片の輪では十
分な耐久力が得られない。
(課題を解決するための手段) そこで、本考案は、中心駆動軸と、該中心駆動
軸に複数並列状に回転可能に外挿した輪と、上記
中心駆動軸の駆動を上記輪に摩擦伝達するための
伝達手段とを有し、上記それぞれの輪の外周には
底が傾斜した複数の円周方向の傾斜溝を間隔を保
つて形成し、各傾斜溝内には、該傾斜溝の深部か
ら浅部に向けて転動可能であつて浅部への転動に
伴い傾斜溝から外に次第に突出するローラを収容
した回転駆動軸において、上記輪の外周を包囲す
るように設けてあり、かつ各傾斜溝内のローラを
上記輪の半径方向に突出可能に収容する開口部を
所定位置に有する環状の保持器と、上記開口部に
収容したローラを包囲するように設けた一個所に
割目を有する輪であつて、内周の円周方向に平坦
な面で上記ローラの外周に接触し、かつ内周の両
端に鍔を有する環状輪とを備えることを特徴とす
る。
(作用) 従つて、この考案によれば中心駆動軸の回転に
伴い、各傾斜溝内のローラ保持器により保持され
たローラは浅部に向かつて転動して溝から次第に
突出し、一個所の割れ目によつて拡張可能な環状
輪の内周を押して環状輪を拡張させ、該環状輪の
外周と、該環状輪の外周に1回又は数回巻き付け
たシート帯の巻回部或るいは筒芯の内周とを係合
させる。
保持器は、常に各ローラをそれぞれ一定の回転
角度を隔てて保持する。そして、保持器に保持さ
れた各ローラは傾斜溝の深部から浅部へそれぞれ
同じ量だけ転動して同じ量だけ突出し、環状輪を
均等に拡張させる。
環状輪は、ローラの保持器からの脱落を防ぐと
共に、内周の両端の鍔をローラの端面に係合させ
ることにより、それ自体が中心駆動軸の長手方向
へ移動して脱落するのを防ぐ。
(実施例) 第1〜4図に本考案によるシート帯巻取用の回
転駆動軸の一実施例を示す。この実施例において
1は巻取機の対のフレームやアーム2,2間に着
脱可能に支持され、一端部に固定した図示の歯車
やチエンホイルを通じて回転駆動される周知の駆
動軸の本体即ち中心駆動軸を示す。上記中心駆動
軸の外周には、アーム2,2に回転自在に支持さ
れる両端部を除き、中間部のほぼ全長にキー1′
によつて一体に回転する薄い伝達輪3を多数隣接
状に嵌め、各伝達輪の外周には底が傾斜した傾斜
溝4を円周方向に等間隔に例えば6つ有する輪、
即ち溝付き輪5を嵌め、各傾斜溝4にはローラ6
の一部を収容する。
この傾斜溝4は溝付き輪5の外周に円周方向に
形成してあり、この実施例では一端の浅部4aか
ら他端に向かつて溝の底が次第に深くなつてい
る。そして、傾斜溝4に収容したローラ6の両端
面の両側を対向した壁4dと4dとで塞いでい
る。もつとも、上記溝の底面は結果的に一端の浅
部から他端等に向かつて深さが増すような形状が
あれば図示したような平坦面に限定されず、例え
ば、凸曲線状や凹曲線状に湾曲していたり、傾斜
角度がことなる二以上の平坦面を連続的に形成し
たりすることも充分に可能である。
上記各溝付き輪5の外周には、各傾斜溝4中に
一部を収容したローラ6をそれぞれ等間隔に保持
する環状の保持器7を嵌合し、この保持器7の外
には一個所に割目を有する環状輪8を嵌め、ロー
ラ6と保持器7を包囲する。
保持器7は、各ローラを収容するポケツト7′
(開口部)をローラと同数円周方向に等間隔に備
えたものである。この実施例によれば、二つの部
材を軸方向にビス、溶接などで結合し、両部材の
間にポケツトを形成させており、ポケツト7′の
両側は壁7aと7aで塞いでいるが、ポケツトは
片側が開いたものでもよい。そして、各ローラ6
は傾斜溝の浅部4a上に位置するとき上記ポケツ
ト7′を通じ保持器の外周から最大に突出し、傾
斜溝中を深部4bに向かつて転動するにつれ保持
器の外周からの突出量を次第に減ずる。そして、
環状輪8は上記ローラの転動に伴い拡径収縮動作
を行う。従つて、環状輪8の割目9の間隔はロー
ラが傾斜溝の深部状に位置するときに最も狭くな
る。
環状輪8は、その内周の円周方向に平坦な面で
ローラ6の外周に接触しており、その内周の両端
には半径方向内向きに張り出した対向する鍔8′
を有している。そして、この鍔8′をローラ6の
端面に係合させることによりローラ6から脱落し
ないようにそれ自身を保持する。尚、環状輪は軟
鋼やプラスチツク等の弾性体を材質として用いて
いるので、拡径されてもそれ自体に収縮力を有す
るが、その収縮動作をより確実にする為には環状
輪の外に円周方向の溝を形成し、該溝内に拡張可
能な弾性保持部材10を嵌めるとよい。この弾性
保持部材は強靱なエラストラマ製の環状バンドで
もよいし、両端を切り離して丸めたピアノ線でも
よい。もつとも、環状輪の収縮力を強く選べば、
中心駆動軸の駆動停止と共に環状輪の収縮力によ
つてローラを傾斜溝内の深部に強制的に戻して、
自動的に筒芯等への固定を解除することができ
る。従つて、第3図に示す環状輪8の代わりに外
周に弾性保持部材や溝を持たない環状輪を用いて
もよい。
この実施例では伝達輪3、溝付き輪5、複数の
ローラ6、保持器7、環状輪8からなる摩擦駆動
用の組立体を、前述した様に中心駆動軸1の両端
を除く中間部のほぼ全長に多数嵌め、本体に固定
した1つのカラー11と、全部の組立体を上記カ
ラー11に向かつて適度な力で押付けるバネや流
体による加圧装置12を挟んで取付け、各溝付き
輪5は、その内周の伝達輪3と軸方向に隣接した
伝達輪に接触してフリクシヨンで個々に回転可能
とし、ローラ6、保持器7、環状輪8は軸方向に
隣接するもの同志及びカラーとの間に微少な間隔
を保つ様にする。
このため溝付き輪5を伝達輪、保持器、環状輪
よりも少し厚くし、伝達輪3には外周に環状の段
3′、溝付き輪5には内周に上記段3′に当接する
環状の段5′を形成し、図示の如く溝付き輪の段
5′を内周の伝達輪の段3′と、軸方向に隣接した
伝達輪の段3′とは反対側の側面との間で挟む。
そして、加圧装置20で伝達輪3をカラー11へ
押し付けると中心駆動軸1の駆動は伝達輪3を介
して溝付き輪5へ伝達される。従つて、この実施
例では、伝達輪3、カラー11及び加圧装置12
が、中心駆動軸1の駆動を溝付き輪5に摩擦伝達
するための伝達手段となる。
伝達輪3は各種繊維を補強用に混合したプラス
チツク、或るいは混合しないプラスチツク、その
他燐青銅、オイルレスメタルで形成し、溝付き輪
5、ローラ6、保持器7は金属から加工し、環状
輪8は上記のようなプラスチツク、又は金属製と
する。もつとも、上記材質等は例示であつて、そ
れらが設計者等の有する周知技術等により適宜に
変更可能であることはいうまでもない。
加圧装置12として、ここでは本体1上に軸方
向に可動なカラー12aを嵌めると共に、環状ピ
ストン12bを備えた環状シリンダ12cを固定
し、そのピストンとカラー12aの間にコイルバ
ネ12dを縮設し、本体の端部には回転ジヨイン
ト12eを取付け、この回転ジヨイントから本体
中に形成したボートを通じ環状シリンダ12c中
に流体圧を供給し、流体圧とコイルバネ12dの
バネ力の双方で全組立体をカラー11に向かつて
加圧している。尚、バネ力だけ或るいは流体圧だ
けで加圧してもよい。
駆動軸上にはシート帯を巻取るため組立体を多
数嵌めた中間部とほぼ同長の長い一本の筒芯を嵌
めてもよいし、図示の如く長さが短い筒芯13を
複数本嵌めてもよい。又、この様に筒芯の上にシ
ート帯を巻取ることに限らず、巻取るべきシート
帯の先端部を1回又は数回環状輪8の外に巻付
け、巻付けた状態に接着剤、粘着テープなどで固
定して巻回部を作つてもよいし、環状輪の外周を
ベルトや、ローラ群で囲み、これらでシート帯の
先端部を環状輪の外周に直接巻付かせてもよい。
筒芯を使用する場合には、筒芯を嵌めたら、本
体の各端部を巻取機の対のアーム2,2間に取付
け、シート帯の先端を筒芯の外周に粘着テープな
どで留める。他方、巻回部を作つたり、シート帯
を直接巻き付かせるには、本体の各端部をアーム
2,2間に取付けて行う。それからシート帯を巻
取るために第2図で時計方向に本体を回転駆動す
る。これにより伝達輪3は本体1と一体に回転
し、溝付き輪5は伝達輪との間のフリクシヨンで
同方向に回転を開始するが溝付き輪の傾斜溝4の
深部上に位置していたローラ6はシート帯の張力
によつて生じる環状輪8と傾斜溝4の間の摩擦作
用により浅部4aに向かい保持器7を伴つて転動
し、傾斜溝から多く突出する。そして、保持器7
の外を取り囲んでいる環状輪8……も保持器と一
緒に反回転方向に移動し、上述の様に傾斜溝中を
浅部に向かつて転動し、傾斜溝から突出するロー
ラで半径方向外向きに押されて割目9を拡げ、そ
の外周を筒芯13や巻回部の内周と係合させ、そ
の後は溝付き輪5と一体になつて筒芯や巻回部を
一体に回転駆動し、その外周にシート帯を巻取ら
せる。
この場合、図示の様に外周に筒芯や巻回部を有
する組立体の環状輪は筒芯の巻回部内周と係合
し、その環状輪を半径方向外向きに押すローラは
傾斜溝中で浅部の手前に位置する。また、拡径し
た環状輪8は、その外周に嵌めた筒芯13の内周
を、ローラのある部分だけでなく、その筒芯13
の内周の円周方向におけるほぼ全域にわたり支持
することができる。
なお、ローラが傾斜溝の浅部上に位置している
ときの環状輪の外径を、ローラが深部上に位置し
ているときの外径より直径で例えば10mm大きくな
る様にしておけば、ローラが深部上に位置してい
るときの環状輪の外径よりも内径10mm未満の範囲
で大きな筒芯や巻回部であつても、駆動軸に同心
に支持して、より円滑に回転駆動することができ
る。
筒芯や巻回部の外周にシート帯を所要長さない
し所要量巻取つたら回転を止め、アーム間から駆
動軸を外し、中心駆動軸の端部を把持しているシ
ート帯と筒芯又は巻回部をローラが傾斜溝の深部
に転動する方向に相対的に回す。これによつて、
当初、環状輪8……は筒芯や巻回部と一緒に回動
してローラ6を傾斜溝の深部に向かつて転動さ
せ、ローラが深部に近づき、傾斜溝からの突出量
が減少すると、自身の弾性や、弾性保持材の収縮
力で半径方向内向きに動き、筒心や巻回部の内周
から離れる。
従つて、駆動軸を筒心や巻回部から引抜けばよ
い。
この実施例では伝達輪、溝付き輪、保持器、環
状輪の幅を狭くして中心駆動軸上に隣接状に多数
嵌め、伝達輪は本体と一体に、溝付き輪はフリク
シヨンで伝達輪と同方向に回転する様にしてある
ため、筒芯や巻回部が長い程筒芯や巻回部を外周
に嵌める環状輪の軸方向の数は多くなり、これに
よつて筒芯や巻回部の長さに応じて所定の巻取り
トルクで筒芯や巻回部を回転駆動することができ
る。また、溝付き輪5、複数のローラ6、保持器
7、環状輪8からなる摩擦駆動用の組立体を一つ
のユニツトに纏めているので中心駆動軸1の装
着、修理のための取り外しが容易になる。
以上、一実施例について説明したが、その実施
態様は設計条件により設計者の公知技術により多
様に変化し得るものである。
例えば、溝付き輪及び、中心駆動軸の駆動を溝
付き輪に摩擦伝達するための伝達手段は、第1図
ないし第4図に示すものに限らない。即ち、第5
図に示すように、溝付き輪5は中空の中心駆動軸
1外周に、第5図の紙面に垂直方向に多数個隣接
して嵌めてもよい。また、溝付き輪の傾斜溝4は
軸の円周方向の両端に浅部4a、中央に深部4b
を有しているものでもよい。この場合、シート帯
を巻取るために本体1を正逆どちらの方向に回転
しても、外周と筒芯や巻回部の内周とを係合させ
ることができる。そして、伝達手段は、中心駆動
軸1の中空の筒壁に各溝付き輪5の内周に対応し
て放射状の貫通孔を円周方向に等間隔に複数個
(第5図の実施例では三つ宛)開設し、各貫通孔
中には放射方向に移動可能にピン14を通し、中
心駆動軸1の中空部には一端が密封された可とう
チユーブ15を収容し、中心駆動軸1中に設けた
ポートから可とうチユーブ15内に流体圧を供給
してチユーブを膨張させ、このチユーブで各ピン
14を半径方向外向きに加圧してピンの外端を各
溝付き輪5の内周に押しつけ、溝付き輪をピンと
のフリクシヨンで本体と同方向に回転させるよう
にしたものでもよい。
また、環状輪の割れ目は半径方向であることに
限定されず、例えば半径方向に対して傾斜してい
たり、或るいは軸方向に対し傾いていてもよい。
また、環状輪の外周面は必ずしも平坦面でなくて
よい。例えば、環状輪の外周にローレツト加工を
するなどして摩擦面とし、その上に嵌める筒芯の
内周との摩擦を高めてもよい。
また、筒芯等を偏心しないように支持できるも
のであれば、傾斜溝相互の間隔は等間隔に設けた
ものに限らない。
(考案の効果) 本考案によれば、環状輪は一個所だけに割目を
有している構造なので、従来の複数の扇形片から
なる輪に比べ加工や組立てが簡単であり、しかも
非常に丈夫である。そして、シート帯の幅に応じ
た正確な巻取張力を得るために、傾斜溝を形成し
た輪の幅を狭くして環状輪の幅を狭くしても、そ
れに加わる大きな巻取トルクや巻取ロールの抜き
取り時の大きな力に十分耐えるようにすることが
できる。従つて、故障が少なく耐久性がある回転
駆動軸を提供することができる。
また、環状輪は、ローラがある部分だけでなく
ローラとローラの間の部分でも筒芯の内周を支持
するようにすることができるので、筒芯の変形を
防ぐことができ、しかも筒芯の内周との接触面積
を大きくすることができる。更に、その環状輪自
体の鍔で脱落を防止するので、回転駆動軸の長手
方向への移動を拘束するための側壁が、傾斜溝を
形成した輪には不要である。それゆえ、環状輪の
幅を傾斜溝を形成した輪とほとんど同じ幅にする
ことができるので、筒芯内周との接触面積を大き
くすることができる。従つて、変形や破壊が生じ
易い機械的強度の小さい筒芯を用いて巻き取る場
合にも適用できる。
また、保持器を設けて環状輪を均等に拡張させ
るので、筒芯を支持したとき筒芯等の偏心量が極
めて少ない。
従つて、筒心又はシート帯の巻回部を確実かつ
正確に拘束することができ、耐久性があり組立の
簡単なシート帯巻取用の回転駆動軸を提供するこ
とができる。そして、この回転駆動軸を用いるこ
とにより巻取不良を少なくし、生産性を向上させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の一実施例の一部を断面にした
正面図、第2図は同上の要部の一部を断面にした
拡大側面図、第3図は同上の縦断正面図、第4図
は同上の分解状態の縦断正面図、第5図は溝付き
輪及び、中心駆動軸の駆動を溝付き輪に伝達する
伝達手段の他の実施態様を示す縦断正面図で、図
中、1は中心駆動軸、4は傾斜溝、5は溝付き
輪、6はローラ、7は保持器、8は環状輪、9は
環状輪の割れ目、8′は鍔、13は筒芯を示す。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 中心駆動軸と、該中心駆動軸に複数並列状に回
    転可能に外挿した輪と、上記中心駆動軸の駆動を
    上記輪に摩擦伝達するための伝達手段とを有し、
    上記それぞれの輪の外周には底が傾斜した複数の
    円周方向の傾斜溝を間隔を保つて形成し、各傾斜
    溝内には、該傾斜溝の深部から浅部に向けて転動
    可能であつて浅部への転動に伴い傾斜溝から外に
    次第に突出するローラを収容した回転駆動軸にお
    いて、 上記輪の外周を包囲するように設けてあり、か
    つ各傾斜溝内のローラを上記輪の半径方向に突出
    可能に収容する開口部を所定位置に有する環状の
    保持器と、 上記開口部に収容したローラを包囲するように
    設けた一個所に割目を有する輪であつて、内周の
    円周方向に平坦な面で上記ローラの外周に接触
    し、かつ内周の両端に鍔を有する環状輪とを備え
    ることを特徴とするシート帯巻取用の回転駆動
    軸。
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