JP3587906B2 - 軸連結機構 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、回転軸を回転筒に連結する軸連結機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、回転軸を回転筒に連結する軸連結機構として、圧延ロールのロール軸を圧延機用ユニバーサルジョイントのロールカップリングに設けた嵌合孔に挿入して連結する装置がある。この装置では、圧延ロールの交換時に圧延ロールを簡単に着脱できるように、上記嵌合孔とロール軸との間に隙間を設けた状態で連結する。
ところが、上記装置では、上記隙間に起因する振動によって被圧延物にチャタマークや波打ちが生ずる等の悪影響を及ぼす恐れがある。特に、冷間圧延機のように精度を要求される圧延機では、上記の振動が大きな問題となる。
【0003】
そこで、図4に示すような、軸連結用の摩擦クラッチが提案されている。この摩擦クラッチ1は、外側部材3と内側部材4との間に円錐形の内周面を有する内部空間5を形成し、この内部空間5内に上記円錐形の軸線方向に移動可能な環状ピストン6を設ける。この環状ピストン6は、圧力媒体によって軸線方向に移動されて、摩擦クラッチ1と軸2との間に半径方向の応力及び摩擦結合を生じさせる。その結果、軸2側の回転トルクが回転体7側に確実に伝達されるのである。また、摩擦クラッチ1と軸2とは摩擦結合によって連結されているので、摩擦クラッチ1と軸2との間には隙間が無く、隙間に起因する振動による不具合は生じないのである。
尚、上記軸2を摩擦クラッチ1から離脱させる場合には、圧力媒体によって環状ピストン6を軸線方向反対側に移動させて、摩擦クラッチ1と軸2との間の摩擦結合を解除する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の摩擦クラッチにおいては、円形断面を有する軸2の周囲に在って略円筒状を有する内側部材4と、回転体7に連結された円錐形の内周面を有する外側部材3との間に、円錐形状の環状ピストン6を嵌合した構造を有している。したがって、軸2の回転トルクは、軸2と内側部材4との間の摩擦力→内側部材4と環状ピストン6との間の摩擦力→環状ピストン6と外側部材3との間の摩擦力によって、外側部材3に伝達される。つまり、上記摩擦クラッチ1は、摩擦クラッチ1を構成する略円筒状を成す各部材間の摩擦力のみによって回転トルクが伝達されるのである。
【0005】
したがって、上記回転体7の駆動時には、上記各部材間の摩擦力が低下しないように、常時、圧力媒体によって、環状ピストン6を円錐形状の内部空間5内における軸線方向先端側に十分に押し付けておく必要がある。
【0006】
すなわち、上記摩擦クラッチ1においては、回転体7の駆動時に、何らかの原因で圧力媒体が抜けた場合には、各部材間の摩擦力が低下して回転トルクの伝達機能を果たすことができないという問題がある。
そこで、上記圧力媒体の漏れ防止対策を完全に行おうとすれば、摩擦クラッチ1の圧力媒体に関する構造が複雑になってコストアップとなる。
【0007】
また、上記摩擦クラッチ1においては、環状ピストン6の軸線方向の位置を特定するために、外側部材3と内側部材4とに、送信シリンダ,受信シリンダ,インジケータおよびセンサー等を備えており、径方向や軸線方向に余分なスペースが必要であって嵩高になるという問題もある。
【0008】
そこで、この発明の目的は、圧力媒体が抜けても機能が失われない簡単な構造の軸連結機構を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、平坦面とこの平坦面に連なる円筒状面とで形成された外周面を有する回転軸を,上記回転軸の平坦面に所定傾斜角度で対向する傾斜平面と上記回転軸の円筒状面に所定傾斜角度で対向する円錐状面とで形成された内周面を有する回転筒に挿入した状態で,上記回転軸および回転筒の何れか一方から他方に回転トルクを伝達する軸連結機構であって、上記回転軸の外周面と上記回転筒の内周面との間に形成された軸方向断面円錐状の環状空間内に軸方向に移動可能に挿入されると共に,上記回転筒の上記傾斜平面および円錐状面に当接可能な外周面と上記回転軸の上記平坦面および円筒状面に摺動する内周面とを有するテーパスリーブと、上記テーパスリーブを,圧力媒体によって上記軸方向に駆動する駆動部を備えて、上記テーパスリーブを上記回転軸と回転筒に楔状に嵌合させるようにしたことを特徴としている。
【0010】
上記構成において、上記回転軸を上記回転筒に装着する場合には、上記回転軸の平坦面と上記回転筒の傾斜平面とが対向するように、上記回転筒内に回転軸が挿入される。さらに、上記回転軸の外周面と上記回転筒との間に形成された環状空間内に、テーパスリーブが軸方向に移動可能なように挿入される。そして、駆動部によって、圧力媒体で上記テーパスリーブが先端方向に駆動されて、上記テーパスリーブの外周面が上記回転筒の内周面に当接される。
こうして、上記テーパスリーブが上記回転軸と回転筒に楔状に嵌合されて、以後の駆動時に、上記回転軸および回転筒間の回転トルクの伝達が振動無く滑らかに行われる。
【0011】
ここで、上記テーパスリーブの外周面の傾斜角度が上記テーパスリーブと回転筒との摩擦角よりも小さくなるように設定すれば、駆動時に、上記駆動部による圧力媒体の供給を停止しても上記テーパスリーブは抜けることがなく、上記回転軸と回転筒とに密着し続ける。その結果、駆動時に上記圧力媒体が抜けても、上記回転軸と回転筒とに上記平坦面と傾斜平面を設けていることと相俟って、上記回転軸および回転筒間の回転トルクの伝達機能と振動防止機能とは失われない。
【0012】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明の軸連結機構において、上記テーパスリーブは,先端部が上記軸方向に延在する複数のスリットで分割されていることを特徴としている。
【0013】
上記構成を有することによって、上記駆動部による小さな力で上記テーパスリーブが先端方向に容易に駆動されて、上記テーパスリーブが上記回転軸と回転筒に楔状に嵌合される。
【0014】
また、請求項3に係る発明は、請求項1に係る発明の軸連結機構において、上記駆動部は、上記回転軸と回転筒との間に形成された環状室と、上記環状室の内周面と外周面に摺動する環状ピストンと、上記回転筒に設けられて,上記環状室における上記環状ピストンの両側の室に上記圧力媒体を供給する供給路を有することを特徴としている。
【0015】
上記構成において、上記テーパスリーブを先端方向に駆動して上記回転軸と回転筒とに楔状に嵌合させる際には、上記回転筒に設けられた供給路を介して圧力媒体が上記環状室における上記環状ピストンの一側の室に供給される。そうすると、上記圧力媒体によって上記環状ピストンが押圧されて、上記テーパスリーブが先端方向に移動される。こうして、上記環状のテーパスリーブが、円周方向に均等な力によって滑らかに移動される。
また、請求項4に係わる発明は、請求項1に係わる発明の軸連結機構において、上記テーパスリーブの外周面の傾斜角度は、上記テーパスリーブと回転筒との摩擦角よりも小さくなるように設定されていることを特徴としている。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
図1は本実施の形態の軸連結機構における縦断面図であり、図2は横断面図である。
図3は、上記軸連結機構が用いられた圧延機のカップリングにおける一部欠載図である。このカップリングは、駆動軸が連結される駆動側フィッティングヨーク11、この駆動側フィッティングヨーク11が一端部に結合された調芯用のユニバーサルジョイント12、このユニバーサルジョイント12の他端部に連結されたスプライン軸継手13、このスプライン軸継手13が一端部に連結された調芯用のユニバーサルジョイント14、および、このユニバーサルジョイント14の他端部に連結された被動側フィッティングヨーク15を有している。そして、この被動側フィッティングヨーク15に、圧延ロール16のロール軸17が嵌合されるのである。
ここで、本実施の形態における軸連結機構は、ロール軸17と被動側フィッティングヨーク15によって概略構成される。
【0017】
尚、上記スプライン軸継手13は、ユニバーサルジョイント12の他端部に連結された駆動側軸体18と、ユニバーサルジョイント14に連結されると共に、駆動側軸体18に対して一体回転可能な被動側軸体19と、駆動側軸体18と被動側軸体19との間に介在されて被動側軸体19を圧延ロール16側に付勢するスプリング(図示せず)とで構成される。
【0018】
図1は、互いに連結された状態の上記ロール軸17と被動側フィッティングヨーク15との縦断面図である。また、図2は、図1におけるA−A矢視断面図である。
図1および図2において、上記ロール軸17の外周面21は軸に平行に形成されており、互いに対向する一対の平坦面21a,21aと互いに対向する一対の円筒状面21b,21bとを有している。一方、被動側フィッティングヨーク15には、ロール軸17が嵌合される嵌合孔22が形成されている。この嵌合孔22の内周面23には、ロール軸17の一対の平坦面21a,21aの夫々に傾斜して対向する傾斜平面23a,23aと、ロール軸17の一対の円筒状面21b,21bの夫々に対向する円錐状面23b,23bとが形成されている。
【0019】
このように、上記ロール軸17と被動側フィッティングヨーク15の嵌合孔22との関係を、単なる円柱と円筒との関係ではなく、互いに対向する一対の平坦面を有する円柱と円筒との関係にすることによって、被動側フィッティングヨーク15の回転トルクを摩擦力ではなく応力によって確実にロール軸17側に伝達できるのである。
【0020】
上記被動側フィッティングヨーク15の嵌合孔22における内周面23は奥に向かって狭まるように形成されており、ロール軸17の外周面21と嵌合孔22の内周面23との間には円錐状の環状空間24が形成される。この環状空間24によって、ロール軸17を被動側フィッティングヨーク15に対して容易に着脱できるのである。
【0021】
また、本実施の形態においては、上記環状空間24に起因する振動によって被圧延物にチャタマークや波打ちが生ずることを防止するために、環状空間24内には、ロール軸17の外周面21と同一形状の内周面を有する一方、被動側フィッティングヨーク15の内周面23と同一形状の外周面を有して、レーストラック状の断面形状を有するテーパスリーブ25を軸方向に移動可能に挿入する。
そして、上記テーパスリーブ25の外周面と被動側フィッティングヨーク15の内周面23とは互いに摺接する摩擦面を形成し、この摩擦面の傾斜角を被動側フィッティングヨーク15とテーパスリーブ25との摩擦角よりも小さく設定しておくのである。
【0022】
上記テーパスリーブ25の外周面における圧延ロール16側には、半径方向に突出して矩形断面を有する環状ピストン26を設けている。一方、被動側フィッティングヨーク15の内周面23における上記環状ピストン26に対向する位置には、環状ピストン26が軸方向に摺動可能に封入される環状室27を設けている。そして、被動側フィッティングヨーク15には、環状室27内が環状ピストン26で仕切られて形成される2つの室28,29に油圧源(図示せず)からの高圧油を導く油供給路30,31を設けている。
したがって、上記油供給路31を介して室29に上記油圧源からの高圧油を供給すると、環状ピストン26に一体に形成されているテーパスリーブ25は嵌合孔22の奥に向かってロール軸17上を摺動し、やがてロール軸17の外周面21と被動側フィッティングヨーク15の内周面23とによって挟止される。こうして、テーパスリーブ25がロール軸17と被動側フィッティングヨーク15とに楔状に嵌合されて、環状空間24に起因する振動が防止されるのである。
【0023】
その際に、上述の如く、上記テーパスリーブ25と被動側フィッティングヨーク15との摩擦面(つまり、テーパスリーブ25の外周面)の傾斜角は摩擦角よりも小さく設定されている。したがって、一旦テーパスリーブ25がロール軸17の外周面21と被動側フィッティングヨーク15の内周面23とによって挟止された後は、油供給路31から室29への高圧油の供給を停止しても、テーパスリーブ25が圧延ロール16側に抜けることは無いのである。
すなわち、本実施の形態においては、上記ロール軸17の被動側フィッティングヨーク15への装着時にのみ油供給路31から室29に高圧油を供給すればよく、圧延ロール16の駆動時には上記油圧源からの高圧油を必要とはしない。したがって、何らかの原因で高圧油が抜けたとしても、テーパスリーブ25の外周面と内周面との被動側フィッティングヨーク15の内周面23とロール軸17の外周面21とへの密着機能は失われることがなく、上記高圧油の漏れ防止構造を簡素化できるのである。
【0024】
尚、上記ロール軸17を被動側フィッティングヨーク15から取り外す場合には、油供給路30を介して室28に上記油圧源からの高圧油を供給する。そうすると、テーパスリーブ25は嵌合孔22の開口側に向かってロール軸17上を摺動して、ロール軸17とテーパスリーブ25との間、および、被動側フィッティングヨーク15とテーパスリーブ25との間に、隙間が生ずるのである。
【0025】
ここで、上記被動側フィッティングヨーク15は、環状室27の中央で圧延ロール16側とユニバーサルジョイント14(図3参照)側とに2分割可能になっている。こうして、環状空間24内へのテーパスリーブ25の挿入を容易にしている。
【0026】
また、上記テーパスリーブ25における環状ピストン26よりも先端側には、周方向に等間隔に、軸線方向に延在する割り溝32,32,…を設けている。このように、テーパスリーブ25の先端部に割り溝32,32,…を設けることによって、テーパスリーブ25をロール軸17と被動側フィッティングヨーク15とに楔状に嵌合させる際の力を小さくでき、上記高圧油の圧力を低くできる。
さらに、上記割り溝32,32,…を設けることによってテーパスリーブ25の先端部が撓み易くなり、テーパスリーブ25がロール軸17と被動側フィッティングヨーク15とに楔状に嵌合される際に、テーパスリーブ25の表面が容易にロール軸17の外周面21あるいは被動側フィッティングヨーク15の内周面23とに密着できるのである。
尚、図1におけるテーパスリーブ25の断面は、図2におけるB−B矢視断面である。また、夫々の割り溝32の根元には径方向に円弧状の溝(図示せず)を設けて、テーパスリーブ25の先端部が円周方向に撓む際に割り溝32の根元に応力が集中しないようにしている。
【0027】
上述のように、本実施の形態においては、上記ロール軸17の外周面21には互いに対向する一対の平坦面21a,21aを設ける一方、上記被動側フィッティングヨーク15の嵌合孔22における円錐状の内周面23には上記平坦面21a,21aに対向する傾斜平面23a,23aを設けている。そして、ロール軸17と被動側フィッティングヨーク15との間の円錐状の環状空間24には、テーパスリーブ25を軸方向に移動可能に挿入している。
さらに、上記テーパスリーブ25の外周面における圧延ロール16側には環状ピストン26を設け、上記油圧源からの高圧油を室29に供給することによってテーパスリーブ25を先端側に移動させ、ロール軸17と被動側フィッティングヨーク15とに楔状に嵌合されるようにしている。
したがって、上記被動側フィッティングヨーク15とロール軸17との隙間がテーパスリーブ25によって密閉されて、環状空間24に起因する振動が確実に防止される。
【0028】
その際に、上記テーパスリーブ25の外周面と被動側フィッティングヨーク15の内周面23とで形成される摩擦面の傾斜角を摩擦角よりも小さく設定しておくので、一旦テーパスリーブ25の外・内周面がロール軸17の外周面21と被動側フィッティングヨーク15の内周面23とに密着した後は、高圧油の供給を停止してもテーパスリーブ25が圧延ロール16側に抜けることは無い。したがって、ロール軸17の装着時にのみ室29に高圧油を供給すればよく、圧延ロール16の駆動時には高圧油の供給を必要とはしない。
つまり、駆動時に何らかの原因で高圧油が抜けたとしても、ロール軸17の外周面21および被動側フィッティングヨーク15の内周面23に平坦面21aおよび傾斜平面23aを設けたことと相俟って、上記駆動軸から圧延ロール16への回転トルクの伝達機能は失われない。さらに、ロール軸17と被動側フィッティングヨーク15とにテーパスリーブ25を密着させる機能も失われない。
【0029】
また、上記テーパスリーブ25における先端側には軸線方向に延在する割り溝32,32,…を設けている。したがって、テーパスリーブ25をロール軸17と被動側フィッティングヨーク15とに楔状に嵌合させる際の力を小さくでき、低い油圧でテーパスリーブ25の外・内周面をロール軸17の外周面21および被動側フィッティングヨーク15の内周面23に容易に密着させることができる。
【0030】
また、本実施の形態におけるテーパスリーブ25は、ロール軸17の外周面21と被動側フィッティングヨーク15の内周面23とによって挟止されるまで押し込めばよいので、図4に示す摩擦クラッチのように、テーパスリーブ25の軸線方向の位置を特定する必要がない。したがって、被動側フィッティングヨーク15にテーパスリーブ25の軸線方向の位置を特定するための各種手段を設ける必要がなく、被動側フィッティングヨーク15におけるロール軸17との結合部の寸法は、環状ピストン26を含むテーパスリーブ25を収納可能な寸法であればよい。
すなわち、高圧油の配管構造や漏れ防止対策を簡素にでき、軸連結機構を簡単でコンパクトな構成にできる。
【0031】
尚、上記実施の形態においては、上記ロール軸17の外周面21には平坦面21aを一対設ける一方、被動側フィッティングヨーク15の嵌合孔22における内周面23には上記平坦面21aに対向する傾斜平面23aを一対設けている。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、ロール軸17の平坦面21aと被動側フィッティングヨーク15の傾斜平面23aとから成る組は、一組以上在ればよいのである。
また、上記実施の形態においては上記環状ピストン26と環状室27と油供給路30,31とで上記駆動部を構成していが、この発明はこれに限定されるものではない。例えば、テーパスリーブ25の末端面と先端面とに圧縮空気を供給するようにしてもよい。
【0032】
また、上記実施の形態においては、この発明の軸連結機構を圧延機のカップリングに適用した場合を例に説明している。しかしながら、この発明の軸連結機構は、上記圧延機のカップリングのみならず、回転軸と回転筒とから構成されるあらゆる軸継ぎ手に適用可能である。
【0033】
【発明の効果】
以上より明らかなように、請求項1に係る発明の軸連結機構は、回転軸の外周面に平坦面を設ける一方、上記回転軸が装着される回転筒の内周面には上記平坦面に所定傾斜角度で対向する傾斜平面を設け、上記回転軸の外周面と上記回転筒の内周面との間に形成された環状空間内に軸方向に移動可能に挿入されたテーパスリーブを駆動部によって圧力媒体で上記軸方向に駆動させるので、上記回転軸を回転筒に装着する場合には、上記圧力媒体によって上記テーパスリーブを先端側に移動させることによって上記テーパスリーブを上記回転軸と回転筒に楔状に嵌合させることができる。したがって、以後の駆動時に、上記回転軸と回転筒との間の隙間に起因する振動が生ずることが無い。
その際に、上記テーパスリーブの外周面の傾斜角度を上記テーパスリーブと回転筒との摩擦角よりも小さく設定しておけば、駆動時に上記駆動部による圧力媒体の供給を停止しても上記テーパスリーブは抜けることがなく、上記回転軸と回転筒とに密着し続ける。つまり、この発明によれば、上記回転軸と回転筒とに上記平坦面と傾斜平面とを設けていることと相俟って、駆動時に上記圧力媒体が抜けても、上記回転軸および回転筒間の回転トルクの伝達機能と上記振動防止機能とは失われないようにすることが可能となるのである。
【0034】
また、上記テーパスリーブを上記回転軸と回転筒とに楔状に嵌合させる場合には、上記テーパスリーブの位置を特定する必要はない。したがって、上記装着時に上記テーパスリーブの位置を制御する手段を上記回転筒に設ける必要がなく、上記圧力媒体の制御機構を含む軸連結機構を簡単でコンパクトな構成にできる。
【0035】
すなわち、この発明によれば、圧力媒体が抜けても機能が失われない簡単な構造の軸連結機構を提供できるのである。
【0036】
また、請求項2に係る発明の軸連結機構は、上記テーパスリーブの先端部が上記軸方向に延在する複数のスリットで分割されているので、上記テーパスリーブを上記回転軸と回転筒とに楔状に嵌合させる際の力を小さくできる。
したがって、この発明によれば、上記テーパスリーブを駆動する圧力媒体の圧力を低くすることができる。
【0037】
また、請求項3に係る発明の軸連結機構は、上記駆動部を、上記回転軸と回転筒との間に形成された環状室と、上記環状室の内周面と外周面に摺動する環状ピストンと、上記回転筒に設けられて上記環状室に圧力媒体を供給する供給路で構成したので、上記テーパスリーブを上記回転軸と回転筒とに楔状に嵌合させる際に、円周方向に均等な力によって上記環状のテーパスリーブを滑らかに移動できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の軸連結機構における一実施の形態を示す縦断面図である。
【図2】図1におけるA−A矢視断面図である。
【図3】図1および図2に示す軸連結機構が用いられた圧延機のカップリングの一部欠載図である。
【図4】従来の摩擦クラッチにおける部分断面図である。
【符号の説明】
15…被動側フィッティングヨーク、17…ロール軸、
21a…平坦面、 23a…傾斜平面、
24…環状空間、 25…テーパスリーブ、
26…環状ピストン、 27…環状室、
32…割り溝。

Claims (4)

  1. 平坦面とこの平坦面に連なる円筒状面とで形成された外周面を有する回転軸を、上記回転軸の平坦面に所定傾斜角度で対向する傾斜平面と上記回転軸の円筒状面に所定傾斜角度で対向する円錐状面とで形成された内周面を有する回転筒に挿入した状態で、上記回転軸および回転筒の何れか一方から他方に回転トルクを伝達する軸連結機構であって、上記回転軸の外周面と上記回転筒の内周面との間に形成された軸方向断面円錐状の環状空間内に軸方向に移動可能に挿入されると共に、上記回転筒の上記傾斜平面および円錐状面に当接可能な外周面と上記回転軸の上記平坦面および円筒状面に摺動する内周面とを有するテーパスリーブと、上記テーパスリーブを、圧力媒体によって上記軸方向に駆動する駆動部を備えて、上記テーパスリーブを上記回転軸と回転筒に楔状に嵌合させるようにしたことを特徴とする軸連結機構。
  2. 請求項1に記載の軸連結機構において、上記テーパスリーブは、先端部が上記軸方向に延在する複数のスリットで分割されていることを特徴とする軸連結機構。
  3. 請求項1に記載の軸連結機構において、上記駆動部は、上記回転軸と回転筒との間に形成された環状室と、上記環状室の内周面と外周面に摺動する環状ピストンと、上記回転筒に設けられて、上記環状室における上記環状ピストンの両側の室に上記圧力媒体を供給する供給路を有することを特徴とする軸連結機構。
  4. 請求項1に記載の軸連結機構において、上記テーパスリーブの外周面の傾斜角度は、上記テーパスリーブと回転筒との摩擦角よりも小さくなるように設定されていることを特徴とする軸連結機構。
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