JP3631905B2 - 微細配線の補修方法および微細配線補修体 - Google Patents

微細配線の補修方法および微細配線補修体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体デバイスなどの各種電子デバイスを構成する微細配線の補修方法、およびそれを適用した微細配線補修体に関する。
【0002】
【従来の技術】
DRAMに代表される半導体デバイスの集積度は年々増加している。例えば、DRAMの集積度は64Mbitが一般化しつつあり、また256Mbit−DRAMの実用化が進められていると共に、さらにはGbit以上の集積度を有する半導体デバイスの開発が進められている。
【0003】
半導体デバイスの高集積化には、リソグラフィー技術などの進歩に伴うデザインルールの微細化が大きく貢献している。例えば、16M−DRAMでは 0.5μm 程度であった配線ルールが、64M−DRAMでは 0.3μm 以下の配線ルールが適用されている。さらに、 256M−DRAMや 1G−DRAMなどでは0.18μm ルールを適用することが検討されている。
【0004】
このように高度に微細化された配線(超微細配線)では、ポアや欠落などによる配線不良の発生率が当然高くなる。さらに、エレクトロマイグレーションなどによる断線などの発生率も高くなることが予想される。従来は上記したような不良の発生率を低減することにより、半導体デバイスの製造歩留りを高めることが主として実施されており、また補修については予めリペア回路を用意しておき、不良部分を別の回路で置き換えることが行われていた程度にすぎない。
【0005】
上述したような超微細配線を適用した場合には、不良発生率が大幅に増加することが懸念されており、また半導体デバイスの高機能化や多機能化などによりデバイス 1つ当りのコストも上昇するため、ポアや欠落などによる配線不良を直接補修する必要も生じつつある。しかしながら、現状の技術では 0.3μm ルール、0.18μm ルール、さらには 0.1μm 以下というような配線ルールの超微細配線を、他の部分に影響を及ぼすことなく補修することは到底できない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、半導体デバイスに代表される電子デバイスにおいては、配線幅の超微細化が進められているが、0.18μm ルールやさらには 0.1μm 以下といった配線ルールを適用した場合には、不良発生率の大幅な増加が懸念されている。しかしながら、ポアや欠落などによる配線不良を直接補修するのに有効な技術は見出されていないのが現状である。
【0007】
半導体デバイスは高機能化や多機能化などによりデバイス 1つ当りのコストが上昇しているため、超高集積半導体デバイスの製造歩留りなどを向上させる上で、超微細配線のポアや欠落などによる配線不良を他の部分に影響を及ぼすことなく、直接補修することを可能にする技術の出現が望まれている。
【0008】
本発明はこのような課題に対処するためになされたもので、超微細配線のポアや欠落などによる欠損部分を、他の部分に影響を及ぼすことなく、直接補修することを可能にした微細配線の補修方法、およびそれを適用した微細配線補修体を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の微細配線の補修方法は、請求項に記載したように、微細配線の欠損部分を補修するにあたり、前記欠損部分の上方もしくは側方に薄膜状または微粒子状の補修材料を配置し、前記薄膜状または微粒子状の補修材料に集束性を有しかつ強度が 1 × 10 19 e/cm 2 sec 以上の電子線を照射して、前記補修材料の構成原子を離脱させ、この離脱させた構成原子を前記欠損部分に付着させて埋設することにより、前記欠損部分を補修することを特徴としている。この場合、例えば請求項に記載したように、前記補修材料として金属化合物を用い、かつ前記金属化合物を構成する金属原子を前記欠損部分に付着させる。
【0011】
本発明の第2の微細配線の補修方法は、請求項に記載したように、微細配線の欠損部分を補修するにあたり、前記欠損部分の側方に超微粒子状の補修材料を配置し、前記超微粒子状の補修材料に集束性を有しかつ強度が 1 × 10 19 e/cm 2 sec 以上の電子線を照射しつつ、前記超微粒子状の補修材料を前記欠損部分に誘導すると共に埋設して、前記欠損部分を補修することを特徴としている。この場合、例えば請求項に記載したように、前記超微粒子状の補修材料として金属超微粒子や半導体超微粒子が用いられる
【0012】
本発明の第3の微細配線の補修方法は、請求項に記載したように、微細配線の欠損部分を補修するにあたり、前記欠損部分の上方に細孔を有する補修材料を配置し、前記補修材料の細孔内壁に対して集束性を有するイオンビームを斜め上方から照射して、前記補修材料の構成原子を離脱させ、この離脱させた構成原子を前記欠損部分に付着させて埋設することにより、前記欠損部分を補修することを特徴としている。この場合、例えば請求項に記載したように、前記細孔を有する金属ターゲットまたは半導体ターゲットが用いられる。
【0013】
また、本発明の微細配線補修体は、請求項に記載したように、微細配線の欠損部分を、前記微細配線の構成元素と同一の金属元素または半導体元素により補修した補修部分を有する微細配線補修体であって、前記補修部分は前記金属元素または半導体元素のナノ結晶粒の集合体により構成されていることを特徴としている。
【0014】
本発明の超微細配線の補修方法においては、金属化合物粒子や金属超微粒子もしくは半導体超微粒子などの微粒子状の補集材料、あるいは細孔を有するターゲット状の補修材料を用い、これら補修材料への集束性の高エネルギービームの照射に基づいて、補修材料の構成元素を欠損部分に埋設している。
【0015】
このように、補修材料への集束性の高エネルギービームの照射に伴う構成元素の離脱、あるいは高エネルギービーム照射による補修材料の直接的な移動などを利用することによって、例えば幅 0.3μm 以下というような微細配線、さらには幅 0.1μm 以下というような超微細配線のポアや欠落などによる欠損不良を直接補修することができる。この際、高エネルギービームの照射径を絞ったり、またターゲット細孔の径を制御することによって、他の部分への影響を排除することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
【0017】
図1はポアや欠落などによる欠損不良を有する微細配線の一例を示す図である。同図に示す金属配線1の幅は例えば 0.1〜 0.5μm 程度であり、その途中にポア2、欠落3、断線4による欠損不良を有している。なお、補修対象となる欠損不良は製造時のものに限られるものではなく、例えばエレクトロマイグレーションにより生じたポア2、欠落3、断線4などであってもよい。このような金属配線1の欠損不良2、3、4の補修について、以下に詳述する。
【0018】
まず、本発明における第1の微細配線の補修方法を適用した実施形態について、図2を参照して説明する。まず、図2(a)に示すように、金属配線1の欠落3などによる欠損部分の側方に、金属配線1と同種の金属元素の酸化物微粒子11などの化合物微粒子を配置する。この化合物微粒子は金属酸化物微粒子11に限られるものではなく、配線1と同種の金属元素の炭化物、窒化物、硼化物などを用いることも可能である。
【0019】
例えば、Al配線(1)の補修を実施する場合には、Al微粒子が用いられる。特に、以下に詳述する高エネルギービーム12の照射によって、相変態やそれに伴うAl超微粒子の生成が容易な準安定酸化物、例えばθ−Al微粒子を用いることが好ましい。Al以外の金属配線1の補修を行う場合には、対象とする金属配線1と同種の金属元素の酸化物微粒子が用いられ、比較的容易に分解するWO、MoO、CuOなどの使用は有効である。
【0020】
また、金属酸化物微粒子11などの化合物微粒子の粒径は、補修対象の金属配線1の線幅や線間隔などに応じて適宜設定可能であるが、例えば20nm〜 1μm 程度の粒径を有する金属酸化物微粒子11を用いることが好ましい。
【0021】
上述したようなθ−Al微粒子などの金属酸化物微粒子11に対して、真空雰囲気中で高エネルギービーム12を照射する。高エネルギービーム12の照射によって、金属酸化物微粒子11が活性化されると共に、電子線衝撃脱離(ESD:Electron Stimulated Desorption)やスパッタリング効果などにより金属−酸素結合(例えばAl−O,W−Oなど)が切れて、金属原子と酸素とが周囲に飛散する。この際、高エネルギービーム12を真空雰囲気中で照射しているため、金属酸化物微粒子11から飛散した酸素は還元されて、Alなどの金属のみが例えばクラスターとして周囲に付着して金属超微粒子13が生成する。
【0022】
このようにして得られるAl超微粒子などの金属超微粒子13は、表面酸化物を有しない純金属超微粒子であり、その粒径は 0.5〜 200nm程度となる。金属超微粒子13の粒径は、照射する高エネルギービーム12のエネルギー密度、また金属超微粒子13からの距離などにより制御することができる。
【0023】
金属超微粒子13は金属酸化物微粒子11の周囲に飛散するが、当初の金属酸化物微粒子11と欠落3との位置関係、金属酸化物微粒子11に照射する高エネルギービーム12の照射径などを調整することによって、主として欠落3の方向に金属超微粒子13を飛翔させることかできる。具体的には、高エネルギービーム12の照射径を絞ることによって、金属酸化物微粒子11のビーム照射領域の側方に金属超微粒子13を集中的に飛翔させることができる。従って、高エネルギービーム12としては集束性を有するものを使用する。
【0024】
さらに、高エネルギービーム12として電子線を用いると共に、その照射方向と平行な磁場中で、言い換えると電子線の照射軸と一致する軸を有する磁場中で電子線照射を行うことによって、電子線の照射範囲内に存在する金属超微粒子13をローレンツ力で移動させることができる。このようにして、周囲に飛散した金属超微粒子13を欠落3に集中させることも有効である。
【0025】
高エネルギービーム12は、上述したような集束性と金属酸化物微粒子11を分解し得るようなエネルギーを有する、強度が1×1019e/cm2・sec以上の電子線用いられる。
【0026】
高エネルギービーム12として電子線を用いる場合、照射強度が 1×1019e/cm2・sec未満であると、金属超微粒子13が生成し得るほどに金属酸化物微粒子11を活性化できないおそれがある。言い換えると、1×1019e/cm2・sec以上の強度を有する電子線(12)は、特に金属酸化物微粒子11の活性化効果や局所加熱効果などをもたらし、これらによって金属超微粒子13の生成が可能となる
【0027】
高エネルギービーム12の照射雰囲気は、 1×10−3Pa以下の真空雰囲気とすることが好ましく、これによって金属超微粒子13の酸化や残留ガス原子の吸着などを防ぐことができる。高エネルギービーム12の照射は、例えば電子ビームテスタの室温ステージ上などで実施することができ、この場合には金属配線1の検査と補修を同時に実施することができる。また、TEM装置などを利用することも可能であり、特に Field Emission−TEMなどを使用することによって、微小径で高エネルギー密度の電子線を利用することができる。
【0028】
上述したような金属酸化物微粒子11への高エネルギービーム12の照射を適当な時間継続することによって、図2(b)に示すように、金属酸化物微粒子11から飛翔した金属超微粒子13で欠落3を埋めることができる。このようにして得られる補修部分14は、金属超微粒子13の集合体、言い換えると金属元素のナノ結晶粒の集合体により構成されている。
【0029】
図2は補修材料としての金属酸化物微粒子11を金属配線1の欠損不良(例えば欠落3)の側方に配置する場合について説明したが、ポア2のような欠損不良を補修する場合には、例えば図3に示すように、補修材料としての金属酸化物微粒子11をポア2のような欠損不良の上方に配置する。この場合、補修材料は薄膜状の金属酸化物であってもよい。
【0030】
図3ではメッシュ状の保持部15を有する保持治具16上に金属酸化物微粒子11を載置し、この状態でポア2の上方に金属酸化物微粒子11を配置している(図3(a))。このような金属酸化物微粒子11の上方から上述したような高エネルギービーム12を照射することによって、図3(b)に示すように、金属酸化物微粒子11から飛翔した金属超微粒子13でポア2を埋めることができる。このようにして得られる補修部分14は、金属超微粒子13の集合体、言い換えると金属元素のナノ結晶粒の集合体により構成されている。
【0031】
上述したような金属超微粒子13の集合体は、そのままでも金属配線1の一部として機能させることができるが、さらに金属超微粒子13の集合体に対して電子線などを照射することによって、金属超微粒子13同士および金属超微粒子13と金属配線1との融合状態を強化することができる。このようにして得られる補修部分14はナノ結晶膜となり、より一層配線としての機能が向上する。
【0032】
上述したように、金属酸化物微粒子11への高エネルギービーム12の照射に基づく金属超微粒子13の生成を利用することによって、例えばサブミクロンオーダーの金属配線1のポア2や欠落3などの欠損不良を直接補修することができる。また、補修材料として用いた金属酸化物微粒子11自体は絶縁体であるため、例えば金属配線1の側方にそのまま放置しても特に問題となることはない。なお、金属酸化物微粒子11は、当然ながら補修後に除去してもよい。
【0033】
次に、本発明における第2の微細配線の補修方法を適用した実施形態について、図4を参照して説明する。まず、図4(a)に示すように、金属配線1の欠落3などによる欠損部分の側方に、金属配線1と同種の金属元素の超微粒子(金属超微粒子)21を補修材料として配置する。
【0034】
金属超微粒子21は、前述したような金属酸化物微粒子への高エネルギービームの照射、また後述する細孔を有するターゲット材への高エネルギービームの斜め照射などを利用して生成することができる。なお、これら以外の金属超微粒子の生成方法を適用することも可能である。金属超微粒子21の粒径は 0.5〜 200nm程度であることが好ましく、このような金属超微粒子21は高エネルギービーム22の照射により比較的容易に移動させることができる。
【0035】
次いで、上述したような金属超微粒子21に対して高エネルギービーム22を照射し、高エネルギービーム22を操作することによって、金属超微粒子21を欠落3まで誘導する。高エネルギービーム22は前述した実施形態と同様な電子線が用いられ、また照射雰囲気なども同様とすることが好ましい。このようにして、図4(b)に示すように、金属超微粒子21で欠落3を埋めることができる。このようにして得られる補修部分23は、金属超微粒子21の集合体、言い換えると金属元素のナノ結晶粒の集合体により構成されている。
【0036】
このような金属超微粒子21の集合体は、そのままでも金属配線1の一部として機能させることができるが、さらに金属超微粒子21の集合体に対して電子線22′などを照射することによって、金属超微粒子21同士および金属超微粒子21と金属配線1との融合状態を強化することができる。このような補修部分は、図4(c)に示すようにナノ結晶膜24となり、より一層配線としての機能が向上する。
【0037】
なお、補修材料としての超微粒子は、場合によっては半導体超微粒子であってもよい。補修材料として半導体超微粒子を用い、これを電子ビームなどで誘導設置することによって、半導体部分の補修も可能である。
【0038】
次に、本発明における第3の微細配線の補修方法を適用した実施形態について、図5を参照して説明する。まず、図5(a)に示すように、金属配線1のポア2などによる欠損部分の上方に、金属配線1と同種の金属からなるターゲット材31を補修材料として配置する。このターゲット材31は細孔32を有しており、この細孔32がポア2などの欠損部分の位置に対応するようにターゲット材31を配置する。そして、この細孔32の内壁32aに対して高エネルギービーム33を斜め上方から照射する。
【0039】
細孔32を有するターゲット材31としてはメッシュ材を用いたり、あるいは金属フィルムにエッチングやレーザビームなどで細孔32を形成したものを使用する。ターゲット材31の細孔32は、金属超微粒子34の形成位置を提供するものであり、その内壁32aから金属超微粒子34の形成材料、すなわちターゲット材31の構成原子などが供給される。
【0040】
従って、細孔32の直径および配置位置、ターゲット材31の厚さ、さらに高エネルギービーム33の入射角などを制御することによって、所望の金属超微粒子34を形成することができる。例えば、細孔32の直径は 0.1〜 1×10μm 、ターゲット材31の厚さは 0.2〜 1×10μm 程度とすることが好ましい。高エネルギービーム33の入射角は、例えば直径 1〜 100nm程度の超微粒子を得る上で、20〜45°の範囲となるように設定することが好ましい。
【0041】
上述したようなターゲット材31の細孔内壁32aに対して高エネルギービーム33を上方斜め方向から照射すると、ターゲット材31の構成原子などが離脱(図中、点線矢印で示す)して、これらが金属配線1のポア2などに付着して金属超微粒子34となる。この際、ターゲット材31は金属配線1(それが形成されたいる半導体基板)と共に回転させてもよい。
【0042】
高エネルギービーム33としては、加速電圧2〜5kV、ビーム電流0.1〜1mA程度のアルゴンイオンビームやガリウムイオンビームのようなイオンビーム用いられる。このようなイオンビームをターゲット材31の細孔内壁32aに照射することによって、その衝撃によりターゲット材31の構成原子などを離脱させることができる。
【0043】
そして、上述したような高エネルギービーム33の照射を一定時間継続し、連続的に金属超微粒子34を形成することによって、図5(b)に示すように、金属超微粒子34でポア2を埋めることができる。このようにして得られる補修部分35は、金属超微粒子34の集合体、言い換えると金属元素のナノ結晶粒の集合体により構成されている。
【0044】
このような金属超微粒子34の集合体は、そのままでも金属配線1の一部として機能させることができるが、さらに金属超微粒子34の集合体に対して電子線などを照射することによって、金属超微粒子34同士および金属超微粒子34と金属配線1との融合状態を強化することができる。このようにして得られる補修部分35はナノ結晶膜となり、より一層配線としての機能が向上する。
【0045】
上述したように、細孔32を有するターゲット材31への高エネルギービーム33の照射に基づく金属超微粒子34の生成を利用することによって、例えばサブミクロンオーダーの金属配線1のポア2や欠落3などの欠損不良を直接補修することができる。そして、細孔32の大きさ、ターゲット材31の厚さ、高エネルギービーム33の入射角度などを調整することによって、補修部分35の形状を制御することができるため、種々の形状の欠損不良(ポア2、欠落3、断線4など)を他の部分に影響を及ぼすことなく良好に補修することができる。
【0046】
なお、補修材料としてのターゲット31は、場合によってはSiなどからターゲットであってもよい。補修材料として半導体ターゲットを用い、その細孔内壁にイオンビームなどを照射して半導体超微粒子を形成することによって、半導体部分の補修も可能である。
【0047】
上述した各実施形態で得られる微細配線補修体、すなわち微細配線1の欠損部分(2、3、4)をそれと同一の金属元素(または半導体元素)で補修した補修部分を有する微細配線補修体において、補修部分は金属元素(または半導体元素)のナノ結晶粒の集合体、さらにはナノ結晶膜により構成されている。このような補修部分は多くの結晶粒を有することから、例えば微細配線のエレクトロマイグレーションやストレスマイグレーションなどに対する耐性を向上させることができる。
【0048】
【実施例】
次に、本発明の実施例について述べる。
【0049】
実施例1
補修対象の微細配線としてSi基板上に形成されたAl配線を用い、このAl配線の欠落による欠損部分を以下のようにして補修した。
【0050】
まず、Al配線の欠損部分の側方に、補修材料としてθ−Al微粒子を配置した。このθ−Al微粒子はアセトン溶媒に分散させ、ピンセットの先端に付けて塗布、乾燥させることにより配置した。このようなθ−Al微粒子に、 1×10−5Pa程度の高真空雰囲気中にて 1×1020e/cm・sec の強度を有する電子線を照射した。
【0051】
このような強度の電子線をθ−Alに照射すると、準安定酸化物であるθ−Alが活性化され、その構成元素であるAlおよびOが周囲に飛散する。この際、電子線照射時の雰囲気が高真空雰囲気であることなどに基づいて、飛散した酸素は還元され、Alのみがクラスターなどとして欠損部分に付着する。このようにして、補修材料としてのθ−Alの構成元素であるAlで微細配線の欠損部分を補修した。
【0052】
実施例2
補修対象の微細配線としてSi基板上に形成されたAl配線を用い、このAl配線の欠落による欠損部分を以下のようにして補修した。
【0053】
まず、Al配線の欠損部分の上に、直径 5μm 程度の細孔を有するAlメッシュを配置した。この際、Alメッシュは欠損部分に対応する細孔を除いて、マスクで覆っておく。このAlメッシュを上部に配置したSi基板を、真空室内の室温ステージ上にセットした。
【0054】
次いで、AlメッシュをSi基板と共に 2rpm で回転させながら、Alメッシュの細孔内壁に、加速電圧 3.0kV、ビーム電流0.25mAのArイオンビームを斜め方向から照射した。Arイオンビームの入射角は40°とした。また、Arイオンビーム照射時の雰囲気は 1×10−3Pa程度の真空(Arを含む)とした。
【0055】
上記したArイオンビームの照射後にAl配線の欠損部分を観察したところ、欠損部分には多数のAl超微粒子が形成されており、これら多数のAl超微粒子で欠損部分が埋められていることが確認された。このようにして、補修材料としてのAlメッシュの構成元素であるAlで微細配線の欠損部分を補修した。
【0056】
実施例3
補修対象の微細配線としてSi基板上に形成されたAl配線を用い、このAl配線の欠落による欠損部分を以下のようにして補修する。
【0057】
まず、Al配線の欠損部分の側方に、補修材料としてのAl超微粒子を配置した。このAl超微粒子は、実施例1によるθ−Alへの電子線照射を応用して形成した。
【0058】
次に、上記したAl超微粒子に例えば直径10nm程度まで絞った電子ビームを 1×10−3Pa程度の真空雰囲気中で照射し、この電子ビームを操作してAl超微粒子を欠損部分まで移動させた。そして、欠損部分にAl超微粒子を付着させることによって、欠損部分を補修した。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の微細配線の補修方法によれば、超高集積半導体デバイスなどに用いられる微細配線のポアや欠落などによる欠損不良を、他の部分に影響を及ぼすことなく直接補修することができる。従って、超高集積半導体デバイスの製造歩留りなどを後工程で向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の微細配線の補修方法の実施形態において補修対象とした微細配線の一例を示す図である。
【図2】本発明の微細配線の補修方法の第1の実施形態による微細配線の補修状態を示す図である。
【図3】図2に示す微細配線の補修方法の変形例を示す図である。
【図4】本発明の微細配線の補修方法の第2の実施形態による微細配線の補修状態を示す図である。
【図5】本発明の微細配線の補修方法の第3の実施形態による微細配線の補修状態を示す図である。
【符号の説明】
1……金属配線(微細配線)
2、3、4……欠損部分
11……補修材料としての金属酸化物微粒子
12、22、33……高エネルギービーム
13、34……金属超微粒子
14、23、35……補修部分
21……補修材料としての金属超微粒子
31……補修材料としてのターゲット材

Claims (7)

  1. 微細配線の欠損部分を補修するにあたり、
    前記欠損部分の上方もしくは側方に薄膜状または微粒子状の補修材料を配置し、前記薄膜状または微粒子状の補修材料に集束性を有しかつ強度が 1 × 10 19 e/cm 2 sec 以上の電子線を照射して、前記補修材料の構成原子を離脱させ、この離脱させた構成原子を前記欠損部分に付着させて埋設することにより、前記欠損部分を補修することを特徴とする微細配線の補修方法。
  2. 請求項記載の微細配線の補修方法において、
    前記補修材料として金属化合物を用い、かつ前記金属化合物を構成する金属原子を前記欠損部分に付着させることを特徴とする微細配線の補修方法。
  3. 微細配線の欠損部分を補修するにあたり、
    前記欠損部分の側方に超微粒子状の補修材料を配置し、前記超微粒子状の補修材料に集束性を有しかつ強度が 1 × 10 19 e/cm 2 sec 以上の電子線を照射しつつ、前記超微粒子状の補修材料を前記欠損部分に誘導すると共に埋設して、前記欠損部分を補修することを特徴とする微細配線の補修方法。
  4. 請求項記載の微細配線の補修方法において、
    前記超微粒子状の補修材料として、金属超微粒子または半導体超微粒子を用いることを特徴とする微細配線の補修方法。
  5. 微細配線の欠損部分を補修するにあたり、
    前記欠損部分の上方に細孔を有する補修材料を配置し、前記補修材料の細孔内壁に対して集束性を有するイオンビームを斜め上方から照射して、前記補修材料の構成原子を離脱させ、この離脱させた構成原子を前記欠損部分に付着させて埋設することにより、前記欠損部分を補修することを特徴とする微細配線の補修方法。
  6. 請求項記載の微細配線の補修方法において、
    前記補修材料として、前記細孔を有する金属ターゲットまたは半導体ターゲットを用いることを特徴とする微細配線の補修方法。
  7. 微細配線の欠損部分を、前記微細配線の構成元素と同一の金属元素または半導体元素により補修した補修部分を有する微細配線補修体であって、前記補修部分は前記金属元素または半導体元素のナノ結晶粒の集合体により構成されていることを特徴とする微細配線補修体。
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