JP3628969B2 - 塗布具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、修正液や化粧液など、顔料が溶媒内に分散した粘度の高い塗布液が充填された塗布具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
塗布体が球状の塗布具は、顔料が溶媒内に分散した粘度の高い塗布液が充填された塗布液タンクの先端に先口を介してチップが取り付けられており、ボールペンと同様に、チップの先端からその一部が先端から臨出した状態で球状塗布体が回転自由に抱持されている。そして、球状塗布体をスプリングで弾発し、不使用時に、球状塗布体をチップの内向きの先端縁に密着させ、球状塗布体とチップの先端縁で弁構造を構成して塗布液が吐出しないようにしている。
【0003】
使用時において、球状塗布体を塗布面に押し付けると球状塗布体がスプリングの弾発力に抗して後退し、球状塗布体とチップの先端縁との間に隙間ができるので、球状塗布体のチップ内の部分に付着した塗布液が球状塗布体の回転に伴ってこの隙間を通ってチップの外側に出て塗布される。
【0004】
ところで、塗布液タンクに充填された粘度の高い造膜性塗布液は、顔料が溶媒内に分散したものであるので、長時間放置しておくと、顔料が溶媒と分離して沈降する。このため、塗布液タンク内に球状や棒状の撹拌部材を配置し、使用に先だって、塗布具を振って上下動する撹拌部材で塗布液を撹拌し、顔料を溶媒に分散させる必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
球状塗布体を回転可能に抱持したチップは先口の中心孔の先端部に嵌着されるが、この先口の中心孔の内径はφ2mm程度である。塗布液タンク内の塗布液はこの先口の中心孔の後方部を通ってチップ内に供給されるが、不使用時には塗布液がこの先口の中心孔内にも滞留し、長時間放置すると先口の中心孔内においても顔料が溶媒と分離して沈降する。従って、使用に先だって、この先口の中心孔の塗布液も攪拌する必要があるが、先口の中心孔の内径が小さいので、攪拌部材が先口の中心孔内に入り込むことができず、この部分で沈降した顔料によって塗布液のチップへの供給が阻害される問題点がある。
【0006】
そこで本発明は、使用に先だって塗布具を上下に振ると、先口の中心孔内の塗布液も攪拌されてチップへの塗布液の供給が阻害されることのない塗布具を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、本発明は、球状塗布体がその一部がチップの先端から臨出した状態で回転可能に抱持されるとともに、球状塗布体がコイルスプリングで弾発されてチップの内向きの先端縁に接触し、チップが塗布液タンクに接続された先口の中心孔の先端部に嵌着され、塗布液タンク内に、粘度の高い造膜性塗布液が充填されるとともに、攪拌部材が配置された塗布具において、コイルスプリングを、球状塗布体に当接する小径部と、チップ内に配置される中径部と、チップから突出して先口の中心孔内に配置される膨大部と、先口の大内径部に突出する衝合部とで構成し、先口内にリを形成し、コイルスプリングの膨大部の尾端側のテーパー部がこのリブに係止し、塗布具を上下に振ると、攪拌部材がコイルスプリングの衝合部に衝突し、膨大部が振動して先口の中心孔内の塗布液を攪拌するようにする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に、図面に基づいて本発明の実施の形態を具体的に説明する。図1において、塗布液タンク1は硬質合成樹脂で成形された有底筒状体であり、その先端開口に先口2が液密に螺着されている。そして、球状塗布体4を回転可能に抱持したチップ3が先口2に保持されている。塗布液タンク1および先口2内部からチップ3にかけて、例えば粘度が30〜40cpsであって、溶媒に顔料が分散した造膜性の高い修正液である塗布液(図示せず)が充填されている。また、球状をした複数個の攪拌部材6が塗布液タンク1ないし先口2内を移動可能に配置されている。
【0009】
合成樹脂で成形された先口2は、図2に示すように、チップ3が嵌め込まれる中心孔21および攪拌部材6が移動可能な大内径部22を有する。そして、中心孔21と大内径部22の境界のテーパー部には、図4に示すように、複数枚の縦リブ23が放射状に形成されている。
【0010】
チップ3は、ステンレスにて砲弾型に成形されたものであり、その先端のボールハウス内に、外径が例えばφ1.0mmの超硬ボールからなる球状塗布体4がその一部がチップの先端から臨出した状態で回転可能に抱持されている。なお、チップ3は金属パイプからなるものであってもよい。このチップ3が先口2の中心孔21の先端部分に嵌着されて固定されている。従って、先口2の中心孔21の後方部分にはチップ3は存在しない。球状塗布体4は次に説明するコイルスプリング5で前方に弾発されており、不使用時にはチップ3の内向きの先端縁31に圧接しており、塗布液が不意に吐出しないようになっている。そして、塗布時には球状塗布体4が後退して先端縁31との間に隙間ができ、この隙間を通って塗布液が吐出される。つまり、球状塗布体4とチップ3の内向きの先端縁31とで弁機構を構成している。
【0011】
コイルスプリング5は、図3に示すように、先端の小径部51、小径部51に連設された中径部52、テーパーを介して中径部52に連設された膨大部53、尾端側テーパー部55を介して連設された衝合部54からなる。因みに、中径部52の外径はφ0.90mmであって、チップ3の内径よりも小さく、膨大部53の外径はφ1.54mmであって、チップ3の内径よりも大きく、かつ先口3の中心孔21の内径よりも小さい。
【0012】
コイルスプリング5の中径部52は、図2に示すように、チップ3内に配置され、小径部51の先端が球状塗布体4に当接して前方に弾発している。外径がチップ3の内径よりも大きく先口3の中心孔21の内径よりも小さな膨大部53はチップ3から突出して先口3の中心孔21内に位置している。また、衝合部54は先口3の大内径部22に突出している。そして、尾端側テーパー部55が先口3の縦リブ23に当接してコイルスプリング5が尾端側に抜けないようになっている。
【0013】
しかして、使用に先だって塗布具を上下に振ると、塗布液タンク1内の塗布液は上下動する攪拌部材6によって攪拌され、溶媒と分離した顔料は再び溶媒内に分散する。このとき、攪拌部材6はコイルスプリング5の衝合部54に衝突し、コイルスプリング5が上下に振動する。つまり、先口3の中心孔21内において膨大部53が上下に振動するので、従来は攪拌することができなかった先口3の中心孔21内の塗布液も攪拌され、溶媒と分離した顔料は再び溶媒内に分散する。これにより、塗布具内の全ての塗布液が攪拌され、チップ3への塗布液の供給をスムーズに行うことかできる。
【0014】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、球状塗布体がその一部がチップの先端から臨出した状態で回転可能に抱持されるとともに、球状塗布体がコイルスプリングで弾発されてチップの内向きの先端縁に接触し、チップが塗布液タンクに接続された先口の中心孔の先端部に嵌着され、塗布液タンク内に、粘度の高い造膜性塗布液が充填されるとともに、攪拌部材が配置された塗布具において、コイルスプリングを、球状塗布体に当接する小径部と、チップ内に配置される中径部と、チップから突出して先口の中心孔内に配置される膨大部と、先口の大内径部に突出する衝合部とで構成し、先口内にリブを形成し、コイルスプリングの膨大部の尾端側のテーパー部がこのリブに係止し、塗布具を上下に振ると、攪拌部材がコイルスプリングの衝合部に衝突し、膨大部が振動して先口の中心孔内の塗布液を攪拌するので、先口の中心孔内の塗布液も攪拌されてチップへの塗布液の供給が阻害されることのない塗布具とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の断面図である。
【図2】同じく要部の断面図である。
【図3】コイルスプリングの正面図である。
【図4】図2のA−A線における断面図である。
【符号の説明】
1 塗布液タンク
2 先口
21 中心孔
22 大内径部
23 縦リブ
3 チップ
31 チップの先端縁
4 球状塗布体
5 コイルスプリング
51 小径部
52 中径部
53 膨大部
54 衝合部
55 テーパー部
6 攪拌部材
Claims (1)
- 球状塗布体がその一部がチップの先端から臨出した状態で回転可能に抱持されるとともに、該球状塗布体がコイルスプリングで弾発されてチップの内向きの先端縁に接触し、該チップが塗布液タンクに接続された先口の中心孔の先端部に嵌着され、該塗布液タンク内に、粘度の高い造膜性塗布液が充填されるとともに、攪拌部材が配置された塗布具において、
前記コイルスプリングは、球状塗布体に当接する小径部と、チップ内に配置される中径部と、チップから突出して先口の中心孔内に配置される膨大部と、先口の大内径部に突出する衝合部からなり、
前記先口内にリブが形成され、該コイルスプリングの膨大部の尾端側のテーパー部が該リブに係止し、
塗布具を上下に振ると、該攪拌部材がコイルスプリングの衝合部に衝突し、該膨大部が振動して先口の中心孔内の塗布液を撹拌することを特徴とする塗布具。
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