JPH0621774U - 塗布具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】組立時にボール押圧子やスプリングをチップの
内孔にスムーズに入れることが可能であり、製造の簡単
な塗布具を提供する。 【構成】球状塗布体１がその一部がチップ２の先端から
臨出した状態でチップ２のボールハウス 22 内に回転自
由に抱持されるとともに、球状塗布体１がチップ２の内
孔 21 内に配置されたスプリング５で直接またはボール
押圧子６を介して弾発されてチップ２の内向きの先端縁
26 に接触し、粘度の高い造膜性塗布液が充填された塗
布液タンク４にチップ２が接続された塗布具において、
チップ２の内孔 22 をボールハウス 22 に通じる小径の
中心孔 23 に向けてテーパー状で縮径し、内孔 21 の壁
面を段部を形成することなく中心孔 23 と連続的に接続
させる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、修正液や化粧液などの粘度の高い塗布液が充填された塗布具に関す るものである。

【０００２】

【従来の技術】

塗布体が球状の塗布具は、塗布液が充填された塗布液タンクの先端に先口を介 してチップが取り付けられており、ボールペンと同様に、チップの先端からその 一部が先端から臨出した状態で球状塗布体が回転自由に抱持されている。そして 、球状塗布体をスプリングで弾発し、不使用時に、球状塗布体をチップの内向き の先端縁に密着させ、球状塗布体とチップの先端縁で弁構造を構成して塗布液が 吐出しないようにしている。

【０００３】 かかる塗布具において、チップの大きさは塗布液タンクに比べてずっと小さい ので、チップをホルダーに取り付け、このホルダーを塗布液タンクに接続してい る。そして、棒状のボール押圧子をホルダー内に配置し、ホルダーの細い先端部 分をチップ内に挿入し、同じくホルダー内に配置されたスプリングでボール押圧 子を弾発して球状塗布体を前方に付勢している。つまり、ボール押圧子やスプリ ングは球状塗布体に比べて大きく、質量も大きい。このため、塗布具を床上に落 した場合のように、塗布具に大きな衝撃がかかると、ボール押圧子が前方に移動 する慣性力が大きくなり、球状塗布体を強く前方に押圧する。従って、球状塗布 体がチップの内向きの先端縁を打ち破り、脱落してしまうことがある。

【０００４】 このため、ボール押圧子およびスプリングを小さくしてチップ内に配置し、も しくはボール押圧子を省略して小さなスプリングで球状塗布体を直接弾発するこ とが考えられる。つまり、ボール押圧子およびスプリングの質量が小さいので、 塗布具に大きな衝撃がかかってもボール押圧子およびスプリングの慣性力が小さ く、球状塗布体の脱落を防止できる。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、チップの従来例を図２に基づいて説明すると、球状塗布体１を抱持 するボールハウス 22 と塗布液が通過する内孔 21 が小径の中心孔 23 で連結さ れているが、従来からボールペンで使用されていたものを転用することもあって 、内孔 21 の形状はストレートであり、複数箇所の段部 29 を介して内径を小さ くして中心孔 23 と連結されていた。従って、組立時に、かかるチップの内孔に その尾端側からボール押圧子とスプリングを入れるとき、ボール押圧子やスプリ ングの先端が段部 29 にひっかかり易く、ボール押圧子ないしスプリングの先端 がスムーズに中心孔 23 に入らない不具合がある。このため、組立に大きな手間 を要して製造が困難であった。

【０００６】 そこで本考案は、組立時にボール押圧子やスプリングをチップの内孔にスムー ズに入れることが可能であり、製造の簡単な塗布具を提供することを目的とする ものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

かかる目的は、球状塗布体がその一部がチップの先端から臨出した状態でチッ プのボールハウス内に回転自由に抱持されるとともに、球状塗布体がチップの内 孔内に配置されたスプリングで直接またはボール押圧子を介して弾発されてチッ プの内向きの先端縁に接触し、粘度の高い造膜性塗布液が充填された塗布液タン クにチップが接続された塗布具において、チップの内孔をボールハウスに通じる 小径の中心孔に向けてテーパー状で縮径し、内孔の壁面を段部を形成することな く中心孔と連続的に接続させることによって達成される。

【０００８】

【作用】

スプリングもしくはスプリングとボール押圧子が配置されるチップの内孔が、 ボールハウスに通じる小径の中心孔に向けてテーパー状で縮径されて内孔の壁面 が中心孔と連続的に接続しており、段部が存在しないので、組立時に、チップの 内孔にその尾端側からスプリングないしボール押圧子とスプリングを入れるとき 、ボール押圧子やスプリングの先端がひっかかることなく、スムーズに入れるこ とができる。

【０００９】

【実施例】

以下に図面に示す実施例に基いて本考案を具体的に説明する。図１において、 砲弾型をしたチップ２は、内部に塗布液通過孔である内孔 21 を有し、先端にボ ールハウス 22 が形成されている。ボールハウス 22 は、中心孔 23 および放射 状に形成された縦溝 24 を介して内孔 21 と連通している。そして、このボール ハウス 22 内で、直径が１．０mmφの超硬ボールからなる球状塗布体１が前後方 向に例えば８０〜１００μm 程度の範囲で移動可能に抱持され、チップ２の先端 縁 26 からその一部が臨出している。

【００１０】 チップ２の内孔 21 内に質量の小さなスプリング５およびボール押圧子６が配 置されている。そして、スプリング５で弾発されたボール押圧子６が中心孔 23 に挿入されて球状塗布体１を前方に付勢しており、非使用時には、球状塗布体１ はチップ２の先端縁 26 に接触している。なお、ボール押圧子６を省略し、スプ リング５の先端を細くしてスプリング５で直接球状塗布体１を前方に付勢しても よい。

【００１１】 ここで、内孔 21 はテーパー部 27 によって内径が連続的に縮小している。つ まり、内孔 21 には段部が形成されておらず、内孔 21 の壁面は連続的に中心孔 23 に連なっている。従って、組立時にスプリング５とボール押圧子６を内孔 2 1 の尾端開口 28 から入れるとき、ボール押圧子６の先端は段部にひっかかるこ となく、テーパー部 27 に沿って落下して中心孔 23 にスムーズに入る。従って 、組立がきわめて容易になる。なお、ボール押圧子６を省略してスプリング５の みを入れる場合も事情は同じである。

【００１２】 かかるチップ２がホルダー３で保持され、ホルダー３には可撓性材により成形 された塗布液タンク４が接続されている。そして、塗布液タンク４の内部から内 孔 21 にかけて、例えば粘度が３０〜４０ｃｐｓであって造膜性の高い修正液で ある塗布液が充填されている。

【００１３】 しかして使用に際しては、塗布液タンク４を指先で押圧して内容積を減少させ ると、塗布液が球状塗布体１の外周に付着する。そして、塗布面に沿って押圧し ながら移動させると、球状塗布体１がスプリング５の弾発力に抗して後退し、座 部 25 に接触した状態で回転するので、塗布することができる。

【００１４】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案の塗布具は、スプリングもしくはスプリングとボ ール押圧子が配置されるチップの内孔をボールハウスに通じる小径の中心孔に向 けてテーパー状で縮径して段部を形成しないので、組立時に、チップの内孔にそ の尾端側からスプリングないしボール押圧子とスプリングを入れるとき、ボール 押圧子やスプリングの先端がひっかかることなく、きわめて容易に組み立てるこ とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案実施例の断面図である。

【図２】チップの従来例の説明図である。

【符号の説明】

１ 球状塗布体 ２ チップ ２１ 内孔 ２２ ボールハウス ２３ 中心孔 ２６ チップの先端縁 ２７ テーパー部 ２９ 段部 ３ ホルダー ４ 塗布液タンク ５ スプリング ６ ボール押圧子

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 球状塗布体がその一部がチップの先端か
   ら臨出した状態でチップのボールハウス内に回転自由に
   抱持されるとともに、該球状塗布体がチップの内孔内に
   配置されたスプリングで直接またはボール押圧子を介し
   て弾発されてチップの内向きの先端縁に接触し、粘度の
   高い造膜性塗布液が充填された塗布液タンクに該チップ
   が接続された塗布具において、 前記チップの内孔は、ボールハウスに通じる小径の中心
   孔に向けてテーパー状で縮径され、内孔の壁面が段部を
   有することなく該中心孔と連続的に接続されていること
   を特徴とする塗布具。