JPH0621978U - 塗布具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】塗布具に大きな衝撃がかかっても球状塗布体が
脱落することがなく、製造の簡単な塗布具を提供する。 【構成】球状塗布体１をその一部が先端から臨出した状
態で回転自由に抱持したチップ２がホルダー３を介して
塗布液タンク４に接続され、塗布液タンク４に粘度の高
い造膜性塗布液が充填された塗布具において、球状塗布
体１を可動子６を介してもしくは直接前方に弾発してチ
ップ２の内向きの先端縁 26 に接触させる質量の小さな
スプリング５をチップ２内に配置し、スプリング５の端
部をホルダー３の段部 31 に係止させる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、修正液や化粧液などの粘度の高い塗布液が充填された塗布具に関す るものである。

【０００２】

【従来の技術】

前記の塗布具は、塗布体が可撓性材により成形された塗布液タンクの先端に取 り付けられるとともに、塗布体の後方に弁機構が配置されており、使用に際して は、塗布体先端を塗布面に押圧して開弁し、この状態で塗布液タンクを押圧して 粘度の高い塗布液を塗布体に供給するようにしたものが多い。そして、塗布体が 球状の場合は、先端縁を内向きにかしめたチップ内に球状塗布体を後方から入れ て球状塗布体の一部をチップ先端から露出させ、スプリングで弾発された可動子 の先端面で前方に付勢しているものが多い。つまり、不使用時に、球状塗布体を チップの内向きの先端縁に密着させ、球状塗布体とチップの先端縁で弁構造を構 成して修正液が吐出しないようにしている。

【０００３】 かかる塗布具において、チップの大きさは塗布液タンクに比べてずっと小さい ので、チップをホルダーに取り付け、このホルダーを塗布液タンクに接続してい る。そして、棒状の可動子をホルダー内に配置し、ホルダーの細い先端部分をチ ップ内に挿入し、同じくホルダー内に配置されたスプリングで可動子を弾発して 球状塗布体を前方に付勢している。つまり、可動子やスプリングは球状塗布体に 比べて大きく、質量も大きい。このため、塗布具を床上に落した場合のように、 塗布具に大きな衝撃がかかると、可動子が前方に移動する慣性力が大きくなり、 球状塗布体を強く前方に押圧する。従って、球状塗布体がチップの内向きの先端 縁を打ち破り、脱落してしまうことがある。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

このため、可動子およびスプリングを小さくしてチップ内に配置し、もしくは 可動子を省略して小さなスプリングで球状塗布体を直接弾発することが考えられ る。つまり、可動子およびスプリングの質量が小さいので、塗布具に大きな衝撃 がかかっても可動子およびスプリングの慣性力が小さく、球状塗布体の脱落を防 止できる。

【０００５】 しかし、可動子およびスプリングを小さくしてチップ内に配置するとき、スプ リングの端部を係止する必要がある。このため、チップの端部にかしめなどによ り係止部を形成して、スプリングの端部をこの係止部で係止することが考えられ るが、チップ内に可動子およびスプリングを配置した後にかしめなどでチップに 係止部を形成するのが困難である不具合がある。

【０００６】 そこで本考案は、塗布具に大きな衝撃がかかっても球状塗布体が脱落すること がなく、製造の簡単な塗布具を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

かかる目的を達成するために、本考案の塗布具は、球状塗布体をその一部が先 端から臨出した状態で回転自由に抱持したチップがホルダーを介して塗布液タン クに接続され、該塗布液タンクに粘度の高い造膜性塗布液が充填された塗布具に おいて、球状塗布体を可動子を介してもしくは直接前方に弾発してチップの内向 きの先端縁に接触させる質量の小さなスプリングをチップ内に配置し、スプリン グの端部をホルダーの段部に係止させる。

【０００８】

【作用】

質量の小さなスプリング子をチップ内に配置し、このスプリングで球状塗布体 を可動子を介してもしくは直接前方に弾発してチップの内向きの先端縁に接触さ せるので、大きな衝撃がかかった場合にも、球状塗布体はチップの先端から脱落 しないが、スプリングの端部をホルダーの段部に係止させるので、チップに係止 部を形成する必要がなく、製造が簡単になる。

【０００９】

【実施例】

以下に図面に示す実施例に基いて本考案を具体的に説明する。図１において、 砲弾型をしたチップ２は、内部に塗布液通過孔 21 を有し、先端にボールハウス 22 が形成されている。ボールハウス 22 は、中心孔 23 および放射状に形成さ れた縦溝 24 を介して塗布液通過孔 21 と連通している。そして、このボールハ ウス 22 内で、直径が１．０mmφの超硬ボールからなる球状塗布体１が前後方向 に例えば８０〜１００μm 程度の範囲で移動可能に抱持され、チップ２の先端縁 26 からその一部が臨出している。なお、チップ２は、金属パイプからなるもの であってもよい。

【００１０】 チップ２の塗布液通過孔 21 内に質量の小さなスプリング５および可動子６が 配置されている。そして、スプリング５で弾発された可動子６が球状塗布体１を 前方に付勢しており、非使用時には、球状塗布体１はチップ２の先端縁 26 に接 触している。なお、可動子６を省略し、スプリング５の先端を細くしてスプリン グ５で直接球状塗布体１を前方に付勢してもよい。

【００１１】 かかるチップ２がホルダー３で保持されるが、ホルダー３には段部 31 が形成 されており、チップ２の端部とともに、スプリング５の端部も段部 31 に係止し ている。従って、チップ２にはスプリング５を止めるための係止部を形成する必 要がなく、簡単に製造できる。次に、ホルダー３には可撓性材により成形された 塗布液タンク４が接続されている。そして、塗布液タンク４の内部から塗布液通 過孔 21 にかけて、例えば粘度が３０〜４０ｃｐｓであって造膜性の高い修正液 である塗布液が充填されている。

【００１２】 しかして使用に際しては、塗布液タンク４を指先で押圧して内容積を減少させ ると、塗布液が球状塗布体１の外周に付着する。そして、塗布面に沿って押圧し ながら移動させると、球状塗布体１がスプリング５の弾発力に抗して後退し、座 部 25 に接触した状態で回転するので、塗布することができる。

【００１３】 ここで、もしこの塗布具をチップ２を下側にした姿勢で床上に落下させると、 スプリング５にも衝撃がかかり、スプリング５に前方向の慣性力が働くので、球 状塗布体１を前方に押圧する。しかし、スプリング５の質量が小さいので、この 慣性力は強くない。従って、球状塗布体１を前方に押圧する力は弱く、チップ２ の先端縁 26 を変形させることはなくて球状塗布体１は脱落しない。

【００１４】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案の塗布具は、球状塗布体をチップの先端縁に接触 させるスプリングをチップ内に配置してその質量を小さくしたので、塗布具に大 きな衝撃がかかっても球状塗布体がチップから脱落することがないが、スプリン グの端部をホルダーの段部で係止するようにしたので簡単に製造可能な塗布具と するこができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案実施例の断面図である。

【符号の説明】

１ 球状塗布体 ２ チップ ２１ 塗布液通過孔 ２２ ボールハウス ２５ 座部 ２６ チップの先端縁 ３ ホルダー ３１ 段部 ４ 塗布液タンク ５ スプリング ６ 可動子

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 球状塗布体をその一部が先端から臨出し
   た状態で回転自由に抱持したチップがホルダーを介して
   塗布液タンクに接続され、該塗布液タンクに粘度の高い
   造膜性塗布液が充填された塗布具において、 前記球状塗布体を可動子を介してもしくは直接前方に弾
   発してチップの内向きの先端縁に接触させる質量の小さ
   なスプリングが該チップ内に配置され、該スプリングの
   端部がホルダーの段部に係止したことを特徴とする塗布
   具。