JP3628417B2 - 構真柱建て込み工法とそれに用いるガイド管 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、杭孔に吊り込んだ角形断面のガイド管を所定の向きに且つ鉛直にセットし、次いで、かかる状態のガイド管に対して構真柱を落としこむことにより、当該ガイド管の内面でガイドさせて、構真柱の向きと鉛直度とを確保するようにした構真柱建て込み工法と、それに用いるガイド管に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
逆打ち工法によって地下躯体を構築する際の仮設支柱として使用される構真柱は、最終的には、地下階の本設柱となるものであるから、所定の位置に正確に建て込む必要があり、精度の確保が特に重要である。
【0003】
ガイド管を用いた上記の構真柱建て込み工法は、特開平6−65924号公報等に見られる通り、構真柱の精度を容易に確保できるようにしたものであって、杭孔内に先行して打設された場所打ちコンクリート杭に根入れした状態に構真柱を建て込むにあたり、図14に示すように、構真柱Aに比して断面が大きくて、撓む恐れがない角形断面の鋼管製のガイド管Bを杭孔Fに所定の向きで且つ鉛直に精度良く設置することにより、その内面に沿わせて構真柱Aを落とし込むだけで、構真柱Aの向きと鉛直度とを確保できるようにした点に特徴がある。
【0004】
尚、図中のEは予め杭孔に建て込まれた円形断面のケーシング、Dは構真柱Aの上部に連結された同一断面形状のヤットコ(建て込み補助治具)、Hは上部芯決め装置であり、ジャッキ10により上面を水平に調整可能な架台11、架台11上に井桁状に載置固定された主桁20a,20b及び副桁21a,21b等により構成されている。Kは、ガイド管Bの側面に装備された鉛直度測定装置であり、水を封入した水管の内部に、当該水管の底面中央部に紐状部材で結び付けたフロートを配置し、水管の上端に目印付きの透明窓を設けて構成されている。Jはガイド管Bの下部側の四周外面に水平に付設した4本のジャッキ9等によって構成した下部芯決め装置である。
【0005】
ガイド管Bを用いた構真柱建て込み工法は、構真柱を吊り下げた際の構真柱自体の鉛直性(垂げ振り効果)を利用した工法や地上にガイド櫓を建て、これを定規として構真柱を建て込む方法などに比して、精度の向上や安全性の確保など、多くの面で優れた利点を有するが、従来では、図15に示すように、角形断面のガイド管Bを、その各辺が、建築物の通り芯に合わせた構真柱Aの座標軸X,Yに合致する状態に設置していたので、次のような問題点があった。
【0006】
例えば、図示のようなクロスH型構真柱Aを例にとって説明すると、構真柱Aをガイド管Bに落とし込むためには、構真柱Aの突起物であるエレクションピース(ヤットコDと称される建て込み補助治具を連結するために、構真柱Aの上端部のフランジ外面に溶接等により固着されたプレート)やウイングプレート(コンクリート杭Cに根入れする構真柱Aの接触面積を確保するために、構真柱A下端部のフランジ外面に溶接等により固着されたプレート)3の先端間の長さL1 以上の径のガイド管Bが必要である。一方、杭軸径L2 となるケーシングEの内面と、ガイド管Bとの間には、下部芯決め装置Jの配置および動作に要する一定のスペースSが必要である。
【0007】
従って、エレクションピースやウイングプレート3を含む構真柱Aの外寸と、ガイド管Bの外寸と、杭軸径とは、概ね次式の関係となる。
【0008】
構真柱外寸<ガイド管外寸<杭軸径/1.4
【0009】
そのため、従来のこの種の構真柱建て込み工法では、杭軸径L2 が構真柱外寸の1.5倍以上あることが、適用可能であることの判断基準とされており、それよりも杭軸径が細い場合には、ガイド管Bによる構真柱建て込み工法は適用できないとされていたのである。
【0010】
また、上記の寸法制約条件により、構真柱寸法によっては、構真柱Aのフランジ外面にエレクションピースを取り付けることができないケースがあり、このような場合には、図17に示すように、構真柱Aの頭部のウエブにヤットコを連結するためのベースプレート2aを取り付けたり、図18に示すように、構真柱Aの頭部のウエブ又はフランジにヤットコ連結用孔2bを加工することになり、ヤットコ側にも、それに対応した加工が必要となる。
【0011】
また、ガイド管Bに対する構真柱Aの振れや回転を阻止して、建て込み精度を確保するためには、構真柱Aの長手方向数カ所において、図16に示すように、四方のフランジに、各々、ガイド管Bの相対向する内面で両端部をガイドするようにした4本の密嵌合用スペーサー4aを取り付ける必要があり、密嵌合用スペーサー4aの取付け作業量が多いという難点もあった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の点に留意してなされたものであって、その目的とするところは、ガイド管利用による構真柱建て込み工法の適用範囲を従来よりも拡大し、杭軸径が細い場合にも、ガイド管による構真柱建て込み工法を適用できるようにすることにある。
【0013】
本発明の他の目的は、ガイド管の入隅部と構真柱のフランジとの間のスペースを利用することにより、構真柱の突起物であるエレクションピースやウイングプレートの取付けが不能となるケースを減少することにある。
【0014】
本発明の他の目的は、ガイド管に対する構真柱の振れや回転を阻止して、建て込み精度を確保するための密嵌用スペーサーの個数を半減し、密嵌合用スペーサーの取付け作業量を低減することにある。
【0015】
本発明の他の目的は、上記の構真柱建て込み工法に使用する新規なガイド管を提供することにある。本発明のその他の目的ないしは効果は、以下の実施例を通して明らかにされる。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明では、角形断面のガイド管を、その各辺が構真柱の座標軸に対して45度回転した位置関係にセットし、このガイド管の内面でガイドさせて、構真柱の向きと鉛直度とを確保するようにしている。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明は、杭孔に吊り込んだ角形断面のガイド管を所定の向きに且つ鉛直にセットし、次いで、かかる状態のガイド管に対して構真柱を落としこむことにより、当該ガイド管の内面でガイドさせて、構真柱の向きと鉛直度とを確保するようにした構真柱建て込み工法において、ガイド管をその各辺が構真柱の座標軸に対して45度回転した位置関係にセットするという形態で実施できる。
【0018】
より具体的には、予め杭孔に建て込まれたケーシングの上部に対応する作業床に設置した上部芯決め装置に、側面に鉛直度測定装置が、下部側には下部芯決め装置が夫々装備された角形断面のガイド管を吊り込み、当該ガイド管を、前記上部芯決め装置と下部芯決め装置とを介して、所定の向きに且つ鉛直にセットし、次いで、かかる状態のガイド管に対して、フランジ外面に密嵌用スペーサーを付設した断面形状がH型又はクロスH型の構真柱を落としこむことにより、当該ガイド管の内面でガイドさせて、構真柱の向きと鉛直度とを確保するようにした構真柱建て込み工法において、ガイド管をその各辺が構真柱の座標軸に対して45度回転した位置関係にセットするという形態で本発明は実施できる。
【0019】
この構成によれば、ガイド管に構真柱を落とし込むことにより、構真柱の突起物であるエレクションピースやウイングプレートが、ガイド管の入隅部の空間に位置することになる。換言すれば、ガイド管の入隅部と構真柱のフランジとの間のスペースが構真柱の突起物であるエレクションピースやウイングプレートの通過空間として利用されることになる。従って、ガイド管外寸が従来工法と同じであれば、従来工法よりも太い構真柱を落とし込むことが可能である。
【0020】
構真柱のフランジ外面に付設する密嵌用スペーサーとしては、従来通り、四方に設けてもよいが、上記の工法では、構真柱の座標軸に対して45度回転した位置関係にある角形断面のガイド管に、構真柱を落とし込んだ状態において、構真柱のフランジが角形断面のガイド管の入隅部と対向することになるため(換言すれば、フランジがガイド管の対角線に対して直角に位置するため)、当該フランジ外面に付設した密嵌用スペーサーの両端部を、ガイド管の互いに直角に隣接する内面でガイドさせることが可能である。従って、相対向する二つのフランジの外面にだけ、密嵌用スペーサーを設けて、密嵌用スペーサーの数を半減することが可能である。
【0021】
上記の構真柱建て込み工法に使用する角形断面のガイド管としては、上部外側部に、対角線方向へ突出した一対のブラケットを設けたものが、好適である。
【0022】
また、側面に鉛直度測定装置が、下部側には下部芯決め装置が夫々装備された角形断面のガイド管であって、上部外側部に、対角線方向へ突出した第一の一対のブラケットと、相対向する2辺の中央部から各辺に対して直角方向へ突出した第二の一対のブラケットとを設けてあるガイド管であれば、角形断面のガイド管を、その各辺が、建築物の通り芯に合わせた構真柱の座標軸に合致する状態に設置する従来工法と、ガイド管をその各辺が構真柱の座標軸に対して45度回転した位置関係にセットする本発明の上記工法とに、共用できる。
【0023】
【実施例】
以下、本発明に係る構真柱建て込み工法とそれに用いるガイド管の実施例を図面に基づいて説明する。図1は、断面形状がクロスH型の鉄骨よりなる構真柱Aを、角形断面(正方形)の鋼管製のガイド管Bに落とし込んで、所定の向きに且つ鉛直に、しかも、場所打ちコンクリート杭Cに根入れした状態に、建て込んだ直後の状態を示している。図中のDは構真柱Aの上端に連結された構真柱Aと同一断面形状のヤットコ(建て込み補助治具)、Eは予め杭孔Fに建て込まれた円形断面の孔壁保護用のケーシング、Gは孔壁安定液、HはケーシングEの上部に対応する作業床(捨てコンクリート等により構成される。)Iに設置された上部芯決め装置、Jはガイド管Bの下部側に設けた下部芯決め装置、Kはガイド管Bの側面に設けた鉛直度測定装置である。LはヤットコDを支持するジャッキ、Mはジャッキ受けを示す。
【0024】
前記構真柱Aは、図2に示すように、断面形状がクロスH型で、上端側には、四方のフランジ1aの外面にエレクションピース2が溶接等により固着されており、下端側には、各フランジ1aの外面に夫々2枚ずつウイングプレート3が溶接等により固着されている。4は、構真柱Aのフランジ1a外面に溶接等により固着した密嵌用スペーサーであり、ガイド管Aの長さよりも短い間隔で上下複数段(図示の例では3段)に設けられている。この密嵌用スペーサー4は、両端部を45度の角度でハの字状に切り落としたフラットバーによって構成されており、ガイド管Aの互いに直角に隣接する内面で、両端部をカイドされるようになっている。そして、密嵌用スペーサー4は、当該密嵌用スペーサー4とその取付け作業を低減するために、4枚のフランジ1aのうち、相対向する2枚のフランジ1aにだけ設けられている。
【0025】
前記ガイド管Bは、図3の(A),(B)に示すように、上部外側部に、対角線方向へ突出した一対のブラケット5a,5aを有し、このブラケット5a,5aを介して前記上部芯決め装置Hに支持されるようになっている。各ブラケット5aには、図1に示すように、ガイド管Bを揚重機で縦姿勢に吊り下げ支持する際に使用するシャックル係止用の孔6が形成されている。図3に示す7aはガイド管Bの主要構成部材である角形鋼管7の上端外周を取り囲んだ状態に固着された補強バンド、7bは上端フランジである。8は輸送等のためにガイド管Bを横向きに吊り上げる際に使用される係止金具である。
【0026】
前記下部芯決め装置Jは、地上からの遠隔操作により水平方向に伸縮動作可能な4個のジャッキ9を、ガイド管Bの各辺中央部に付設して構成されている。前記鉛直度測定装置Kは、水を封入したガイド管Bと平行な水管の内部に、当該水管の底面中央部に紐状部材で結び付けたフロートを配置し、水管の上端に目印付きの透明窓を設けて構成されている。尚、図示の鉛直度測定装置Kは、ガイド管Bと同程度の長さを有するので、ジャッキ9と当たらないように、ガイド管Bの一側面の片側に偏位させて付設してある。
【0027】
前記上部芯決め装置Hは、図4〜図6に示すように、開口枠状で且つ4本のジャッキ10により高さ調節と上面を水平に調整することが可能な架台11と、架台11上に載置固定される2本の桁材12,13とで構成されている。各桁材12,13は、適当な長さに裁断されたH型鋼により構成されており、相対向する側面の中央部には、ガイド管Bにおける対角線方向の角部と嵌合する互いに直角な嵌合面cを有する平面視略M型の位置決め部材12a,13aが溶接等の手段により固着されている。12b,13bは上フランジに溶接された桁材12,13揚重用のブラケットである。
【0028】
上記構成の上部芯決め装置Hを使用すれば、1本の桁材でガイド管Bの二方向の位置を規定することができるので、架台11上面のレベル調整後、架台11の上面に、墨出しを行って、1本の桁材12を所定位置に載置固定すれば、具体的には、図7の(A)に示すように、桁材12を架台11上に、位置決め部材12aの中心が建築物の通り芯に合わせた構真柱の座標軸Xの上に位置し、且つ、桁材12の側面が構真柱の座標軸Yと平行で且つ座標軸Yから所定距離離れて位置するように載置して、万力式のクランプ金物等により架台11に固定すれば、図7の(B)に示すように、ガイド管Bの角部を位置決め部材12aに嵌合させるだけで、ガイド管Bの向きと芯が規定されることになる。
【0029】
従って、架台11に載置した他の1本の桁材13をガイド管B側に移動させて、その位置決め部材13aを、図7の(C)に示すように、ガイド管Bの対角線方向の角部に嵌合させ、この状態で、当該桁材13を架台11に同様な手段で固定することにより、ガイド管Bの上部の芯決め作業が完了することになる。
【0030】
次に、本発明に係る構真柱建て込み工法の施工手順の概略を説明する。
図8に示すように、場所打ちコンクリート杭Cのための杭孔Fを公知の方法で、地上から掘削し、図外の杭用鉄筋籠を吊り込んだ後、ケーシングE周囲の作業床Iに上部芯決め装置Hを設置し、揚重機によって縦姿勢に吊り下げたガイド管BをケーシングE内に降ろす。そして、上部芯決め装置Hと下部芯決め装置Jを介して、ガイド管Bを所定の向きに且つ鉛直に建て込む。この場合、ガイド管Bの芯は、地下躯体の設計上の柱芯(後の工程で建て込むべき構真柱Aの芯)と合致させることは当然であるが、本発明においては、更に、図6、図7、図11に示すように、ガイド管Bを、その各辺が建築物の通り芯に合わせた構真柱Aの座標軸X,Yに対して45度回転した位置関係にセットする。尚、図11におけるX’,Y’は、構真柱Aの座標軸X,Yに対して45度回転したガイド管Bの座標軸を示す。
【0031】
しかる後、あるいは、ガイド管Bのセットに先立つ適当な時点で、図外のトレミー管により杭孔Fにコンクリートを打設して、場所打ちコンクリート杭Cを構築し、この場所打ちコンクリート杭Cがまだ固まらない間に、構真柱Aを上記の状態にセットされたガイド管Bに落とし込む。ガイド管Bに対する構真柱Aの振れや回転は、図6に示すように、ガイド管Bの互いに直角に隣接する内面と前記密嵌用スペーサー4の両端部との当接により阻止されるので、構真柱Aをガイド管Bに落とし込みさえすれば、構真柱Aの向きと鉛直度とを確保することができ、構真柱Aが、図1で示した状態に建て込まれることになる。
【0032】
場所打ちコンクリート杭Cがある程度硬化したら、ガイド管Bの引上げと上部芯決め装置Hの解体撤去を行い、次いで、図9に示すように、構真柱Aの周囲を土砂Nで埋め戻すと共に、ヤットコDを撤去し、しかる後、図10に示すように、杭孔Fを完全に埋め戻して、養生を行うのである。
【0033】
上記の構成によれば、ガイド管Bをその各辺が構真柱Aの座標軸X,Yに対して45度回転した位置関係にセットするので、ガイド管Bに構真柱Aを落とし込むことにより、図11に示すように、構真柱Aの突起物であるエレクションピースやウイングプレート3が、ガイド管Bの入隅部の空間に位置することになり、ガイド管Bの入隅部と構真柱Aのフランジ1aとの間のスペースがエレクションピースやウイングプレート3の通過空間として利用されるので、構真柱Aのフランジ1a幅よって若干の差異はあるが、エレクションピース2やウイングプレート3を含む構真柱Aの外寸と、ガイド管Bの外寸と、コンクリート杭Cの杭軸径とは、概ね、次式の関係となる。
【0034】
構真柱外寸<ガイド管外寸<杭軸径/1.2
【0035】
従って、上述した本発明のガイド管による構真柱建て込み工法は、寸法制約条件が軽減され、杭軸径が構真柱外寸の約1.2倍まで、適用範囲が拡がることになる。
【0036】
因に、図11に仮想線で示すように、ガイド管Bの各辺を構真柱Aの座標軸X,Yに沿わせて配置する従来工法によれば、杭軸径がL2 の場合、ガイド管Bに落とし込むことのできる構真柱Aは、構真柱Aの突起物であるエレクションピースやウイングプレート3の先端間の長さがL1 までの太さに制限され、それ以上に太い構真柱Aを使用できないが、ガイド管Bを構真柱Aの座標軸X,Yに対して45度振って配置する本発明工法によれば、同じ杭軸径L2 で、且つ、同じ太さのガイド管Bであるにもかかわらず、エレクションピースやウイングプレート3の先端間の長さがL3 までの構真柱Aを挿入できることになる。
【0037】
また、上記の通り、寸法制約条件が軽減される結果、エレクションピース2の取付けが不可能になるケースが減り、図17や図18で示したような構真柱Aやヤットコに対する加工が不要になるばかりでなく、ガイド管サイズの選定によっては、エレクションピースやウイングプレートよりも突出量の大きい鉄骨梁取付け用ガセットプレートの先行取付けも可能である。
【0038】
しかも、ガイド管Bを構真柱Aの座標軸X,Yに対して45度振って配置することにより、ガイド管Bの互いに直角に隣接する内面で、一つの密嵌用スペーサー4の両端部をガイドすることが可能であるから、図2や図6で示したように、構真柱Aにおける4枚のフランジ1aのうち、相対向する2枚のフランジ1aにだけ密嵌用スペーサー4を設けて、密嵌用スペーサー4の数を半減し、密嵌用スペーサー4の取付け作業量を半減することができる。
【0039】
また、上記の実施例のように、上部芯決め装置Hを、架台11と、相対向する側面の中央部に、ガイド管Bの角部と嵌合する互いに直角な嵌合面cを有する平面視略M型の位置決め部材12a,13aが固着された2本の桁材12,13とで構成すれば、主桁と副桁を2本ずつ井桁状に組んでいた従来の上部芯決め装置に比して、桁材の使用本数が半減し、桁材の揚重、現地での小運搬、架台に対する位置調節等の諸作業を簡略化することができ、ガイド管Bの設置時間を短縮することが可能である。
【0040】
図12の(A),(B)は、本発明工法に用いるガイド管Bの他の実施例を示す。このガイド管Bは、上部外側部に、対角線方向へ突出した第一の一対のブラケット5a,5aと、相対向する2辺の中央部から各辺に対して直角方向へ突出した第二の一対のブラケット5b,5bとを設けた点に特徴がある。
【0041】
従って、構真柱建て込み工法として、ガイド管Bを構真柱Aの座標軸X,Yに対して45度回転した位置関係にセットする本発明工法を採用する場合には、第一のブラケット5a,5aを上部芯決め装置Hの桁材12,13に支持させ、ガイド管Bの各辺を構真柱Aの座標軸X,Yに沿わせて配置する従来工法を採用する場合には、上部芯決め装置として、主桁と副桁を井桁状に組んだ構成のものを使用すると共に、第二のブラケット5b,5bをその副桁に支持させることができ、一つのガイド管Bを、本発明工法と従来工法とに共用できる利点がある。
【0042】
尚、ガイド管Bが角形断面(正方形)であること、側面に鉛直度測定装置Kを、下部側には下部芯決め装置Jを夫々付設すること等、他の構成については、図3で示したガイド管Bと同じであるが、この実施例では、鉛直度測定装置Kの長さを短くして、その下端を下部芯決め装置Jのジャッキ9よりも上方に位置させたので、図示のように、鉛直度測定装置Kをガイド管Bの一側面の中央に配置しても、ジャッキ9が邪魔にならない。
【0043】
図13は、本発明工法の他の実施例を示す。この実施例は、ガイド管Bを、その各辺が構真柱Aの座標軸X,Yに対して45度回転した位置関係にセットする点は、先の実施例と同じであるが、上部芯決め装置Hを、従来工法における上部芯決め装置と同じように、架台11と、その上に井桁状に組まれて載置固定される2本の主桁20a,20bと2本の副桁21a,21bとから構成した点に特徴がある。この実施例では、副桁21a,21bでガイド管Bを支持することになるので、ガイド管Bとしては、図12に示した第二のブラケット5b,5bを持ったガイド管Bや、相対向する2辺の中央部から各辺に対して直角方向へ突出した一対のブラケットだけを持った従来のガイド管が使用されることになる。その他の構成は、先の実施例と同じであるため、説明を省略する。
【0044】
尚、上記の各実施例では、いずれも、構真柱Aとして、断面形状がクロスH型のものを示したが、断面形状がH型の構真柱Aについても、本発明が適用可能であることは、勿論である。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ガイド管を構真柱の座標軸に対して45度振って配置することにより、ガイド管による構真柱建て込み工法についての寸法制約条件を軽減緩和して、ガイド管を用いた構真柱建て込み工法の適用範囲を拡大できる効果がある。
また、本発明によれば、ガイド管の入隅部と構真柱のフランジとの間のスペースを構真柱の突起物であるエレクションピースやウイングプレートの通過空間として利用できるので、エレクションピースやウイングプレートの取付けが不能となるケースを減少することが可能である。
また、請求項3によれば、ガイド管を構真柱の座標軸に対して45度振って配置することにより、ガイド管の互いに直角に隣接する内面で、一つの密嵌用スペーサーの両端部をガイドすることが可能であるから、構真柱における4枚のフランジのうち、相対向する2枚のフランジにだけ密嵌用スペーサーを設けて、密嵌用スペーサーの数を半減し、密嵌用スペーサーの取付け作業量を低減できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る構真柱建て込み工法とそれに用いるガイド管の実施例を示す縦断側面図である。
【図2】構真柱の斜視図である。
【図3】図3の(A)はガイド管の斜視図、(B)は当該ガイド管の平面図である。
【図4】上部芯決め装置の斜視図である。
【図5】上部芯決め装置に用いる桁材の斜視図である。
【図6】上部芯決め装置でガイド管を支持し、当該ガイド管に構真柱を落とし込んだ状態を示す要部の一部切欠き平面図である。
【図7】上部芯決め装置の作用の説明図である。
【図8】本発明に係る構真柱建て込み工法の施工手順を説明する縦断側面図である。
【図9】本発明に係る構真柱建て込み工法の施工手順を説明する縦断側面図である。
【図10】本発明に係る構真柱建て込み工法の施工手順を説明する縦断側面図である。
【図11】本発明に係る構真柱建て込み工法とその効果を説明するための要部の模式的平面図である。
【図12】本発明の構真柱建て込み工法に用いるガイド管の他の例を示し、図11の(A)はガイド管の斜視図、(B)は当該ガイド管の平面図である。
【図13】本発明に係る構真柱建て込み工法の別実施例を示す要部の概略平面図である。
【図14】従来例を説明する縦断側面図である。
【図15】従来例の問題点を説明するための要部の模式的平面図である。
【図16】従来例の問題点を説明するための要部の平面図である。
【図17】従来例の問題点を説明するための要部の平面図である。
【図18】従来例の問題点を説明するための要部の側面図である。
【符号の説明】
A…構真柱、B…ガイド管、X,Y…構真柱の座標軸。
Claims (5)
- 杭孔に吊り込んだ角形断面のガイド管を所定の向きに且つ鉛直にセットし、次いで、かかる状態のガイド管に対して構真柱を落としこむことにより、当該ガイド管の内面でガイドさせて、構真柱の向きと鉛直度とを確保するようにした構真柱建て込み工法において、ガイド管をその各辺が構真柱の座標軸に対して45度回転した位置関係にセットすることを特徴とする構真柱建て込み工法。
- 予め杭孔に建て込まれたケーシングの上部に対応する作業床に設置した上部芯決め装置に、側面に鉛直度測定装置が、下部側には下部芯決め装置が夫々装備された角形断面のガイド管を吊り込み、当該ガイド管を、前記上部芯決め装置と下部芯決め装置とを介して、所定の向きに且つ鉛直にセットし、次いで、かかる状態のガイド管に対して、フランジ外面に密嵌用スペーサーを付設した断面形状がH型又はクロスH型の構真柱を落としこむことにより、当該ガイド管の内面でガイドさせて、構真柱の向きと鉛直度とを確保するようにした構真柱建て込み工法において、ガイド管をその各辺が構真柱の座標軸に対して45度回転した位置関係にセットすることを特徴とする構真柱建て込み工法。
- 密嵌用スペーサーの両端部を、ガイド管の互いに直角に隣接する内面でガイドするように構成したことを特徴とする請求項2に記載の構真柱建て込み工法。
- 側面に鉛直度測定装置が、下部側には下部芯決め装置が夫々装備された角形断面のガイド管であって、上部外側部に、対角線方向へ突出した一対のブラケットを設けてあることを特徴とするガイド管。
- 側面に鉛直度測定装置が、下部側には下部芯決め装置が夫々装備された角形断面のガイド管であって、上部外側部に、対角線方向へ突出した第一の一対のブラケットと、相対向する2辺の中央部から各辺に対して直角方向へ突出した第二の一対のブラケットとを設けてあることを特徴とするガイド管。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP03261296A JP3628417B2 (ja) | 1996-01-26 | 1996-01-26 | 構真柱建て込み工法とそれに用いるガイド管 |
Applications Claiming Priority (1)
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---|---|---|---|
JP03261296A JP3628417B2 (ja) | 1996-01-26 | 1996-01-26 | 構真柱建て込み工法とそれに用いるガイド管 |
Publications (2)
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