JP3628117B2 - 離型液の塗布方法および装置 - Google Patents

離型液の塗布方法および装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、生タイヤの内側面に離型液を塗布する方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、加硫金型内に生タイヤを収納した後、該生タイヤの内側空間に配置された加硫ブラダを高温、高圧の加硫媒体により膨張させて生タイヤを加硫し、その後、加硫ブラダを収縮させて該加硫ブラダを加硫済みタイヤの内側面から剥離させている。ここで、前述のような剥離が円滑に行われないと、加硫済みタイヤあるいは加硫ブラダに傷付き等の問題が生じるため、タイヤ業界においては、加硫直前に生タイヤの内側面に離型液を塗布し、加硫後に加硫ブラダの剥離が円滑に行われるようにしている。
【0003】
従来、このような離型液の塗布は、タンク内の離型液を加圧してスプレーガンの噴射口から噴射させながら高圧エアと混合させることにより、霧状に分散した離型液を生タイヤの内側面に吹き付けることで行われていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようなスプレーガンを用いた塗布方法は、離型液が霧状となって周囲に飛散するため、作業環境を悪化させてしまうという問題点がある。このような問題点を解決するため、タイヤ成形装置と加硫装置との間に密閉された塗布ブースを別途設けるとともに、この塗布ブース内で前述のような塗布作業を行ったり、あるいは、塗布装置の近傍に吸塵装置を設置して飛散した霧状の離型液を回収することが行われているが、前者にあっては、大がかりな塗布ブースの設置が必要であり、一方、後者にあっては、高価な吸塵装置が必要となり、総じてタイヤ生産のコストダウンを妨げる要因となっていた。
【0005】
この発明は、作業環境の悪化を防止しながらタイヤ生産のコストダウンを図ることができる離型液の塗布方法および装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、第1に、軸方向一端から軸方向他端に向かうに従い末広がりとなった回転体を生タイヤの内側空間内において軸線回りに回転させながらその内周に離型液を供給するとともに、該生タイヤの軸線方向に移動させることにより、該離型液を遠心力によって回転体の軸方向他端全周から半径方向外側に飛散させて生タイヤの内側面全面に塗布するようにした離型液の塗布方法により、第2に、軸方向一端から軸方向他端に向かうに従い末広がりとなった回転体と、生タイヤの内側空間内に配置された回転体を軸線回りに回転させる回転手段と、該回転している回転体の内周に離型液を連続的に供給する供給手段と、回転体を生タイヤの軸線方向に移動させる移動手段とを備え、回転体の内周に供給された離型液を遠心力によって該回転体の軸方向他端全周から半径方向外側に飛散させて生タイヤの内側面全面に塗布するようにした離型液の塗布装置により達成することができる。
【0007】
生タイヤの内側面に離型液を塗布する場合には、回転体の内周に離型液を供給手段によって連続的に供給するが、このとき、前記回転体は軸方向一端から軸方向他端に向かうに従い末広がりとなるよう構成されており、しかも、この回転体は回転手段に駆動されて軸線回りに回転しているため、前記供給された離型液は回転体の内周を広がりながら遠心力により軸方向他側に流れ、回転体の軸方向他端に到達したとき、該軸方向他端の全周から半径方向外側に滴状となって飛散する。ここで、前記回転体は生タイヤの内側空間内に位置しているため、前記飛散した離型液は生タイヤの内側面に付着し塗布される。このような状態で前記回転体を移動手段によって生タイヤの軸線方向に移動させると、塗布される位置が順次移動し、生タイヤの内側面全面に離型液が塗布される。このように離型液を液体のまま遠心力によって回転体から半径方向外側に向かって飛散させることで塗布するようにしているため、離型液が霧状となって周囲に飛散するようなことはない。この結果、作業環境が良好となるとともに、塗装ブース、吸塵装置の設置が不要となってタイヤ生産のコストダウンを図ることができる。
【0008】
また、請求項2、5、6に記載のように構成すれば、ほぼ半径方向に延びる生タイヤのサイドウォール部の内側面にも離型液を確実に塗布することができる。さらに、タイヤ成形装置から加硫装置に向かう生タイヤの搬送は、通常、起立している(縦置きの)生タイヤをフックに吊り下げて行っているが、請求項3、7に記載のように構成すれば、この搬送時の姿勢のままで塗布作業を行うことができ、作業能率が向上する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1、2において、11はタイヤ成形装置であり、このタイヤ成形装置11は回転可能で拡縮径可能な成形ドラム12を有する。そして、この成形ドラム12は、その周囲にカーカス層を巻き付けるとともに、該カーカス層を略半円状に膨張させ、その後、該カーカス層の外側にベルト層、トレッドゴムを装着することでラジアルタイヤ用の生タイヤMを成形する。13は成形ドラム11から離れて設置された生タイヤ保管台であり、この生タイヤ保管台13はL字形をしたフレーム14と、このフレーム14に基端が固定された複数の水平な支持ロッド15とから構成され、各支持ロッド15には生タイヤMが引っ掛けられた状態で支持される。
【0010】
16はタイヤ成形装置11、タイヤ保管台13の上方を水平に貫くよう設置された水平な取付けビームであり、この取付けビーム16の下面にはタイヤ成形装置11からタイヤ保管台13まで延びるレール17が取り付けられている。18は前記レール17に移動可能に支持された搬送装置であり、この搬送装置18は下端部に起立状態(軸線がほぼ水平となった縦置き状態)の生タイヤMを吊り下げることができるフック19を有し、このフック19は水平面内で首振り可能であるとともに、昇降可能である。21は前記タイヤ成形装置11とタイヤ保管台13との間に設置されたタイヤ置き台であり、このタイヤ置き台21上には前記搬送装置18によってタイヤ成形装置11から搬送されてきた生タイヤMが搬送時の姿勢のまま、即ち起立状態で載置される。
【0011】
25はタイヤ置き台21の近傍に設置された離型液の塗布装置であり、この塗布装置25は上下方向に延びるフレーム26を有し、このフレーム26の上端には離型液Rを貯留しているタンク27が取り付けられている。このタンク27の上端にはモータ28が固定され、このモータ28の回転軸29はタンク27内に挿入されるとともに、その先端には離型液Rを攪拌する攪拌羽根30が固定されている。34は前記フレーム26の上端部に支持されたラックであり、このラック34は前記置き台21上の生タイヤMの軸線と平行に延びている。35はフレーム26に取り付けられたステッピングモータであり、このステッピングモータ35の回転軸36の先端にはラック34に噛み合うピニオン37が固定されている。この結果、前記ステッピングモータ35が作動してピニオン37が回転すると、ラック34は置き台21上の生タイヤMの軸線に沿って移動する。前記ラック34の生タイヤMに最も近接する先端には上下方向に延びる取付けプレート38が固定され、この取付けプレート38と前記フレーム26との間のラック34の周囲には蛇腹39が配置されている。前記取付けプレート38にはラック34に平行に延びる支持ロッド41の基端が固定され、また、この支持ロッド41の上方には支持ロッド41に平行に延びるシリンダ42が設置されるとともに、そのヘッド側は前記取付けプレート38に回動可能に連結されている。前記支持ロッド41の先端およびシリンダ42のピストンロッド43の先端にはほぼ上下方向に延びる傾斜プレート44が回動可能に連結されている。この結果、前記シリンダ42が作動してピストンロッド43が突出したり引っ込んだりすると、傾斜プレート44は支持ロッド41との連結位置を中心として垂直面内で傾斜する。
【0012】
図1、2、3において、前記傾斜プレート44の下端部には回転手段としてのモータ47が取り付けられ、このモータ47の回転軸48は前記シリンダ42にほぼ平行に延びている。この回転軸48の先端には該回転軸48と同軸の回転体49が固定され、この回転体49は軸方向一端(先端)49aから軸方向他端(基端)49bに向かうに従い末広がりとなっており、ここでは薄肉円錐状を呈している。そして、この回転体49は置き台21上の生タイヤMの内側空間K内に配置されているとき、前記モータ47の作動によって軸線回りに回転する。なお、前述したラック34、ステッピングモータ35、ピニオン37は全体として、前記回転体49を生タイヤMの軸線方向に移動させる移動手段50を構成し、また、支持ロッド41、シリンダ42、傾斜プレート44は全体として、前記回転体49の軸線を生タイヤMの軸線に対して傾斜させる回転体傾斜手段51を構成する。
【0013】
54は前記モータ47の先端部に取り付けられた切換弁であり、この切換弁54には回転軸48に平行に延びる供給パイプ56の基端が連結されている。そして、この供給パイプ56は前記回転体49の軸方向一端部内周に対向する位置まで延びるとともに、その先端には供給口55が形成されている。57は前記タンク27の下端部に取り付けられた切換弁であり、この切換弁57と前記切換弁54とは接続ホース58によって接続されている。この結果、前記切換弁57が開位置に切換えられ、また、接続ホース58と供給パイプ56とが連通する位置に切換弁54が切換えられると、タンク27内の離型液Rは接続ホース58、供給パイプ56内を通過して供給口55から回転中の回転体49の軸方向一端部内周に連続的に供給される。前述した切換弁54、57、供給パイプ56、接続ホース58は全体として、回転している回転体49の内周に離型液Rを連続的に供給する供給手段59を構成する。60は切換弁54と図示していないエア源とを接続するエアホースである。そして、離型液Rの塗布作業を長時間に亘って中止する場合には、接続ホース58内における離型液Rの詰まりを防止するため、前記エアホース60と接続ホース58とが連通する位置に切換弁54を切換え、接続ホース58内の離型液Rをエアによってタンク27内に押し戻す。
【0014】
次に、この発明の一実施形態の作用について説明する。
まず、成形ドラム12の周囲にカーカス層を巻き付けるとともに、該カーカス層を略半円状に膨張させ、その後、該カーカス層の外側にベルト層、トレッドゴムを装着して生タイヤMを成形する。次に、搬送装置18を作動してフック19を成形ドラム12の直前まで移動させた後、成形ドラム12を縮径して成形された生タイヤMを該成形ドラム12からフック19に受渡す。これにより、生タイヤはフック19に引っ掛けられ該フック19に起立状態で支持される。次に、搬送装置18によって生タイヤMを成形ドラム12からタイヤ置き台21まで搬送し、該タイヤ置き台21上に搬送時の姿勢で、即ち起立状態のまま(縦置きで)載置する。次に、搬送装置18を生タイヤMから離脱させ上方で待機させる。
【0015】
次に、該生タイヤMの内側面に離型液Rを塗布するが、この場合には、まず、切換弁57を開とし、攪拌羽根30によって攪拌されている離型液Rを接続ホース58を通じて切換弁54まで導く。次に、ステッピングモータ35を作動してピニオン37を回転させ、ラック34、回転体49を生タイヤMの軸線に沿って軸方向一側に移動させる。このとき、モータ47を作動し回転軸48、回転体49を一体的にこれらの軸線回りに回転させる。
【0016】
そして、回転体49の軸方向他端49bが生タイヤMの内側面の他端(他側のビード部Mbのビードトウ)に重なり合う位置に到達すると、接続ホース58と供給パイプ56とが連通する位置に切換弁54が切換えられ、接続ホース58、供給パイプ56を通じて供給口55から回転体49の一端部内周に離型液Rが連続的に供給される。このとき、前記回転体49は軸方向一端49aから軸方向他端49bに向かうに従い末広がりとなる薄肉円錐状に構成されており、しかも、この回転体49は前述のようにモータ47に駆動されて軸線回りに回転しているため、供給された離型液Rは回転体49の内周を広がりながら遠心力により軸方向他側に向かって流れ、回転体49の軸方向他端49bに到達したとき、遠心力によって該軸方向他端49bの全周から半径方向外側に向かって垂直面内を滴状になりながら飛散する。ここで、前記回転体49は生タイヤMの内側空間Kの他側端に位置しているため、前記飛散した離型液Rは生タイヤの内側面の他端に付着し塗布される。また、タイヤ成形装置11からの生タイヤMの搬送は、前述のように起立している(縦置きの)生タイヤMをフック19に吊り下げて行っているが、この実施形態では前述のように生タイヤMを搬送時の姿勢のまま(縦置き状態)で塗布作業を行うことができるため、塗布作業に先立って生タイヤMの姿勢を変更する、例えば縦置き状態から横置き状態に姿勢を変更する作業は不要となり、作業能率が向上する。このような状態で前記回転体49を移動手段50によって生タイヤMの軸方向一側に移動させると、塗布される位置が一側に徐々に移動する。
【0017】
ここで、生タイヤMがラジアルタイヤ用である場合には、図2に示すようにサイドウォール部Msがほぼ半径方向に延びているため、前述のように離型液Rが垂直面内を滴状に飛散すると、このサイドウォール部Msの内側面に対する離型液Rの塗布が不十分となる。このため、この実施形態においては、左右のサイドウォール部Ms、ここでは他側のサイドウォール部Msの上側と一側のサイドウォール部Msの下側とを斜めに結ぶ直線上に回転体49が到達したとき、シリンダ42を作動してピストンロッド43を引っ込める。これにより、傾斜プレート44は支持ロッド41の先端を中心として時計回りに旋回し、回転体49が生タイヤMに対し図2に仮想線で示す上方位置Izまで傾斜して、回転軸49の軸線に垂直な平面と前記斜めに結ぶ直線とが平行となる。この結果、回転体49の軸線と生タイヤMの軸線とは所定角度で交差し、回転体49の軸方向他端49bから飛散した離型液Rは左右のサイドウォール部Msを斜めに結ぶ平面内を通過してサイドウォール部Ms、ここでは他側のサイドウォール部Msの上側および一側のサイドウォール部Msの下側の内側面にそれぞれ塗布される。このように回転体49の軸線を生タイヤMの軸線に対して傾斜させる回転体傾斜手段51を設け、ほぼ半径方向に延びる生タイヤMのサイドウォール部Msの内側面に離型液Rを塗布する際、回転体49の軸線と生タイヤMの軸線とを所定角度で交差させるようにすれば、ほぼ半径方向に延びる生タイヤMのサイドウォール部Msの内側面にも離型液Rを確実に塗布することができる。ここで、回転体が平坦な円板である場合には前述のように回転体の軸線が水平であると、回転体の側端面に供給された離型液は側端面からはじき飛ばされたり、あるいは側端面に触れることなく下方に落下し、生タイヤMの内側面に塗布することは困難である。しかしながら、この実施形態のように回転体49を末広がりの薄肉円錐状に構成し、しかも、軸線回りに回転させると、回転体49の軸線がどのような角度であっても、即ち水平、垂直、斜めに傾斜していても、離型液Rは回転体49の内周を広がりながら軸方向他側に向かって流れ、最終的にその軸方向他端49bから半径方向外側に向かって飛散するため、回転体49の姿勢に拘らず離型液Rを塗布することができるのである。
【0018】
そして、前述のようなサイドウォール部Msにおける塗布が終了すると、シリンダ42のピストンロッド43を突出させて回転体49をその軸線が生タイヤMの軸線に平行になるまで傾斜させる。ここで、生タイヤMのクラウンMc部付近は内径がビード部Mb、サイドウォール部Msより大径で塗布面積がより広いため、回転体49の移動速度および供給口55からの離型液Rの供給量が一定であると、クラウンMc部付近における離型液Rの塗布膜厚が薄くなるおそれがある。このため、クラウン部Mc付近に離型液Rを塗布する場合には、回転体49の移動速度をビード部Mb、サイドウォール部Msの塗布時より減速、あるいは供給口55からの供給量をビード部Mb、サイドウォール部Msの塗布時より増大させ、離型液Rの塗布膜厚を一定とすることが好ましい。
【0019】
そして、回転体49の軸方向他端49bが生タイヤMの内側面の一端(一側のビード部Mbのビードトウ)に重なり合う位置に到達すると、ステッピングモータ35を逆方向に回転させ、ラック34を引っ込める。これにより、回転体49が軸方向他側に向かって移動し、生タイヤMの内側面に離型液Rが重ねて塗布される。このような塗布の最中に回転体49が他側のサイドウォール部Msの下側と一側のサイドウォール部Msの上側とを斜めに結ぶ直線上に到達すると、シリンダ42のピストンロッド43を突出させ、回転体49を生タイヤMに対して図2に仮想線で示す下方位置Ikまで傾斜させる。この結果、回転体49の軸方向他端49bから飛散した離型液Rは他側のサイドウォール部Msの下側および一側のサイドウォール部Msの上側の内側面にそれぞれ塗布される。このようにして生タイヤMの内側面全面に離型液Rが塗布され、回転体49が塗布開始位置に復帰してくると、接続ホース58から供給パイプ56が遮断される位置に切換弁54を切換える。その後、モータ47、ステッピングモータ35の作動を停止させ、回転体49の回転および軸方向移動を停止させる。次に、離型液Rが塗布された生タイヤMを搬送装置18によってタイヤ置き台21から生タイヤ保管台13に移送し支持ロッド15に引っ掛け、その後、加硫工程へと搬送する。そして、この実施形態においては、前述のように離型液Rを液体のまま遠心力によって回転体49から半径方向外側に向かって飛散させることで生タイヤMに塗布するようにしているため、離型液Rが霧状となって周囲に飛散するようなことはなく、この結果、作業環境が良好となるとともに、従来必要であった塗装ブース、吸塵装置の設置が不要となってタイヤ生産のコストダウンを図ることができる。
【0020】
図4はこの発明の他の実施形態を示す図である。この実施形態においては、前記一実施形態における回転体傾斜手段51の代わりに、タイヤ置き台21の上端に生タイヤMの軸線を回転体49の軸線に対して傾斜させる生タイヤ傾斜手段62を設けている。ここで、前記生タイヤ傾斜手段62は、生タイヤMを下方から支持する支持部63を有するとともに、一端がタイヤ置き台21に回動可能に連結された傾斜プレート64と、ヘッド側がタイヤ置き台21の中央部にブラケット65を介して連結された上下方向に延びるシリンダ66と、シリンダ66のピストンロッド67の先端に回動可能に連結されるとともに傾斜プレート64の他端に固定されたブラケット68とから構成されている。そして、回転体49によってほぼ半径方向に延びる生タイヤMのサイドウォール部Msの内側面に離型液Rを塗布する場合には、シリンダ66のピストンロッド67を突出あるいは引っ込ませて生タイヤMを縦置き状態から傾斜させ、回転体49の軸線と生タイヤMの軸線とを所定角度で交差させる、即ち、生タイヤMの左右のサイドウォール部Msを斜めに結ぶ直線と回転体49の軸線に垂直な平面とを平行とする。これにより、ほぼ半径方向に延びる生タイヤMのサイドウォール部Msの内側面にも離型液Rを確実に塗布することができるのである。
【0021】
なお、前述の実施形態においては、回転体49が薄肉円錐状であったが、この発明においては、軸方向一端から軸方向他端に向かうに従い末広がりとなっているラッパ状等であってもよい。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、作業環境の悪化を防止しながらタイヤ生産のコストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態を示す一部が破断された全体正面図である。
【図2】塗布装置の一部が破断された要部正面図である。
【図3】回転体近傍の正面断面図である。
【図4】この発明の他の実施形態を示す生タイヤ傾斜手段近傍の一部が破断された正面図である。
【符号の説明】
25…塗布装置 47…回転手段
49…回転体 49a…軸方向一端
49b…軸方向他端 50…移動手段
51…回転体傾斜手段 59…供給手段
62…生タイヤ傾斜手段 R…離型液
M…生タイヤ K…内側空間
Ms…サイドウォール部

Claims (7)

  1. 軸方向一端から軸方向他端に向かうに従い末広がりとなった回転体を生タイヤの内側空間内において軸線回りに回転させながらその内周に離型液を供給するとともに、該生タイヤの軸線方向に移動させることにより、該離型液を遠心力によって回転体の軸方向他端全周から半径方向外側に飛散させて生タイヤの内側面全面に塗布するようにしたことを特徴とする離型液の塗布方法。
  2. ほぼ半径方向に延びる生タイヤのサイドウォール部の内側面に離型液を塗布する際、回転体の軸線と生タイヤの軸線とを所定角度で交差させるようにした請求項1記載の離型液の塗布方法。
  3. 前記離型液の塗布を、生タイヤの軸線がほぼ水平となった縦置き状態で行うようにした請求項1記載の離型液の塗布方法。
  4. 軸方向一端から軸方向他端に向かうに従い末広がりとなった回転体と、生タイヤの内側空間内に配置された回転体を軸線回りに回転させる回転手段と、該回転している回転体の内周に離型液を連続的に供給する供給手段と、回転体を生タイヤの軸線方向に移動させる移動手段とを備え、回転体の内周に供給された離型液を遠心力によって該回転体の軸方向他端全周から半径方向外側に飛散させて生タイヤの内側面全面に塗布するようにしたことを特徴とする離型液の塗布装置。
  5. 前記回転体の軸線を生タイヤの軸線に対して傾斜させる回転体傾斜手段をさらに設け、ほぼ半径方向に延びる生タイヤのサイドウォール部の内側面に離型液を塗布する際、回転体の軸線と生タイヤの軸線とを所定角度で交差させるようにした請求項4記載の離型液の塗布装置。
  6. 前記生タイヤの軸線を回転体の軸線に対して傾斜させる生タイヤ傾斜手段をさらに設け、ほぼ半径方向に延びる生タイヤのサイドウォール部の内側面に離型液を塗布する際、回転体の軸線と生タイヤの軸線とを所定角度で交差させるようにした請求項4記載の離型液の塗布装置。
  7. 前記回転体をその軸線がほぼ水平となるよう配置するとともに、離型液が塗布される生タイヤをその軸線がほぼ水平となった縦置きに配置した請求項4記載の離型液の塗布装置。
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