JP6153824B2 - タイヤ内面塗装装置及びタイヤ内面塗装装置における塗装方法 - Google Patents
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Description
従来の塗装装置は、離型剤が連続的に供給される塗装ガン10Aと、離型剤を飛散させるための円板14Aと、塗装ガンを未加硫タイヤの中心に沿って移動させる図示しない駆動機構等からなっている。塗装時には、塗装ガン10Aを、支持体12Aで支持されて水平に配置した未加硫タイヤ(以下単にタイヤという)Tの中心に沿って上下動させて離型剤をタイヤ内面に塗布する。その際、塗装ガン10Aから吐出した離型剤を回転する円板14Aにより全周方向に飛散させながら、タイヤTの内面に離型剤を塗布する。
即ち、(i)タイヤTはその幅方向における内径が一定ではないため、塗装ガン10Aをタイヤ内面でその中心線に沿って上下動させると、塗装ガン10Aとタイヤ内面との間の距離が変化する。
したがって、仮に、塗装ガン10Aを一定速度で上下動させると、その距離の差に基づき塗布される離型剤の濃淡つまり塗り斑(距離が近いと濃く、遠いと薄くなる)が発生する。
(iii)離型剤は飛散させて塗布するため、塗装ガン10Aを単純に上下動させただけでは、タイヤ内面において離型剤が当たらない部分ができる。
即ち、図示のように、タイヤTのサイド部内面は飛散液と平行になるため、離型剤が当たり難く、この部分では離型剤をうまく塗布することができない。
図1Aは、本発明の実施形態に係る塗装装置をタイヤ内面に配置した状態を模式的に示す図であり、図1Bはタイヤ内面における塗装ガン10とその塗装液(ここでは離型剤)の吐出方向を模式的に示す図である。
本実施形態の塗装装置では、塗装ガン10によりタイヤTの内面に離型剤を塗布するため、ロボットアーム20を用いている。
即ち、本実施形態の塗装装置は、図示のように、基台30の上に装着された多軸(多関節型)のロボットアーム20と、ロボットアーム20の先端に取り付けられたフード15付きの塗装ガン10、及び塗装ガン10の先端の適宜の位置に取り付けられた、例えば、超音波を用いた非接触距離センサS、これらを制御する制御手段40(図2)を備えている。なお、図示していないが、塗装装置は、離型剤を収容したタンク、タンクと塗装装置を接続する離型剤の供給管路、供給管路に配置した電磁弁、後述する制御手段で制御される電磁弁作動部等も備えている。
即ち、塗装ガン10は、図1Bに示すように、その方向を変えながら、タイヤTの内面形状に沿って移動しつつ離型剤の塗布を行う。ロボットアーム20は、次に説明する制御手段40の制御により行われる。なお、塗装ガン10のフード15は、先端に向かって開いた円錐形をなしている。
制御手段40は、図示のように、互いにバス50で接続された、CPU(Central Processing Unit)41、ROM(Read Only Memory)42、RAM(Random Access Memory)43を備えたコンピュータと、記憶手段44、ユーザI/F(インタフェース)45、ロボットアーム駆動部46(1)を制御するロボットアーム駆動制御部46と、電磁弁作動部47(1)を制御する電磁弁作動制御部47、超音波距離センサSなどの外部機器に接続された外部機器I/F48等を備えている。
記憶手段44は、例えばNVRAM(Non Volatile RAM)で構成されており、ティーチング(目標経路設定)により得られた塗装対象となるタイヤの目標経路(内面形状)データ等を保存する。塗装ガン10は、このティーチングされたタイヤ内面形状(目標経路)に沿って塗装を行う。
本実施形態では、タイヤTのサイズ(大型タイヤである)や旋回精度を考慮して塗装ガン10を回転させて、静止したタイヤの内周に離型剤を塗布するようにしている。なお、逆に、塗装ガン10を静止してその周りでタイヤTを回転させてもよい。
したがって、本実施形態によれば、従来のような塗装ガン10とタイヤ内面との距離が変化することに起因する塗りむら(斑)の発生を防止することができる。
なお、この塗装ガン10のタイヤ内面に対する方向についてもティーチングにより目標経路と共に事前に設定(記憶)しておくことができる。
また、本実施形態では、塗装ガン10をタイヤ塗装面に近づけ吐出して塗布するため、離型剤の塗布の濃淡を容易に制御することができる。また、本塗装装置では、従来のように離れた位置から離型剤を飛散させて塗布する場合に比べて、塗装のための時間を短くでき、従来のように離型剤の液だれを抑制することもできる。
Claims (7)
- タイヤ内面に塗装液を塗布するタイヤ内面塗装装置であって、
基台にZ軸回りで旋回可能な第1アームと、一端部が第1アームとY軸回りで回動可能な第2アームと、第2アームの他端部に対してY軸回りで回動可能であると共に、第2アームとの連結部の回りで旋回可能な第3アームとを有する多軸のロボットアームと、
前記多軸のロボットアームの先端に取り付けられ、塗装液を吐出する塗装ガンと、
前記塗装ガンに取り付けられ、先端に向かって開いた円錐形状のフードと、
前記塗装ガンに取り付けられ、タイヤの塗装面との距離を測定する1つの非接触距離センサと、
前記塗装ガンの目標経路を設定する手段と、
設定した前記目標経路のデータを格納する記憶手段と、
CPU、ROM、RAMを備えたコンピュータと、記憶手段と、ユーザI/Fと、ロボットアーム駆動部を制御するロボットアーム駆動制御部と、電磁弁作動部を制御する電磁弁作動制御部と、外部機器I/Fとを備えるとともに、前記非接触距離センサ及び前記目標経路のデータに基づき前記多軸のロボットアームを制御して、前記塗装ガンをタイヤの塗装面から一定距離に維持し、前記目標経路に沿って前記タイヤに対して相対移動させる制御を行う制御手段と、
を有するタイヤ内面塗装装置。 - 請求項1に記載されたタイヤ内面塗装装置において、
前記非接触距離センサは超音波距離センサであるタイヤ内面塗装装置。 - 請求項1又は2に記載されたタイヤ内面塗装装置において、
前記塗装液は、離型剤であるタイヤ内面塗装装置。 - 基台にZ軸回りで旋回可能な第1アームと、一端部が第1アームとY軸回りで回動可能な第2アームと、第2アームの他端部に対してY軸回りで回動可能であると共に、第2アームとの連結部の回りで旋回可能な第3アームとを有する多軸のロボットアームの先端に取り付けられ、先端に向かって開いた円錐形状のフードを取り付けた塗装液を吐出する塗装ガンでタイヤ内面に塗装液を塗布するタイヤ内面塗装装置における塗装方法であって、
前記塗装ガンに取り付けられた1つの非接触距離センサで、タイヤの塗装面との距離を測定する工程と、
前記塗装ガンの目標経路を設定する工程と、
設定した前記目標経路のデータを記憶手段に格納する工程と、
CPU、ROM、RAMを備えたコンピュータと、記憶手段と、ユーザI/Fと、ロボットアーム駆動部を制御するロボットアーム駆動制御部と、電磁弁作動部を制御する電磁弁作動制御部と、外部機器I/Fとを備える制御手段において、前記非接触距離センサ及び前記目標経路のデータに基づき前記多軸のロボットアームを制御して、前記塗装ガンをタイヤの塗装面から一定距離に維持し、前記目標経路に沿って前記タイヤに対して相対移動させる制御を行う制御工程と、
を有するタイヤ内面塗装装置における塗装方法。 - 請求項4に記載されたタイヤ内面塗装装置における塗装方法において、
前記塗装ガンを回転させて、静止したタイヤの内周に塗装液を塗布する塗布工程を有するタイヤ内面塗装装置における塗装方法。 - 請求項4又は5に記載されたタイヤ内面塗装装置における塗装方法において、
前記塗装ガンの目標経路を設定する工程は、制御手段のユーザI/Fの表示画面にタイヤ内面の形状データを表示し、オペレータが表示画面上で目標経路を設定する工程であるタイヤ内面塗装装置における塗装方法。 - 請求項4又は5に記載されたタイヤ内面塗装装置における塗装方法において、
前記塗装ガンの目標経路を設定する工程は、塗装装置の位置を検出するセンサを塗装ガンに取り付け、オペレータが塗装ガンを目標経路に沿って手動で移動させることで、その目標経路を記憶させて設定する工程であるタイヤ内面塗装装置における塗装方法。
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