JP3280310B2 - 自動施釉装置と、その自動施釉装置を用いた円筒状被施釉物の内周面の施釉方法 - Google Patents

自動施釉装置と、その自動施釉装置を用いた円筒状被施釉物の内周面の施釉方法

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JP3280310B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動施釉装置と、
その自動施釉装置を用いた円筒状被施釉物の内周面の施
釉方法、さらに詳しくは、たとえば化学反応槽や攪拌槽
等の内面にグラスライニングを自動的に施すための自動
施釉装置と、その装置を用いて化学反応槽や攪拌槽等の
円筒状被施釉物の内周面を自動的に施釉する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、上記のような化学反応槽や攪拌槽
等の内面にグラスライニングを自動的に施す場合には、
施釉のためのスプレーガンを把持した作業員が化学反応
槽等の内部に入り、スプレーガンを噴霧することによっ
て手作業で施釉を行っていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、その作業が煩
雑であるとともに、グラスライニングの層を略均一に噴
霧するためにはある程度の熟練を要し、また手作業であ
る故に、熟練の作業員といえども略均一に噴霧するには
限界があった。
【0004】また、作業員が手作業でスプレーガンを噴
霧することによって作業を行うため、人体に対する影響
も無視できなかった。
【0005】従って、手作業によることなく、機械的,
自動的に施釉を行うことが要望されていた。
【0006】一方、琺瑯等の技術においては、ケース状
被施釉物の中に釉薬を入れて回転させることにより、た
とえば電子レンジの内面側を施釉する、いわゆるディッ
ピング法と称される技術がある。
【0007】また、ガラスの粉末を帯電させ、その帯電
させた粉末を金属の表面に吹き付け、静電気によって粉
末を金属の表面に付着させる、いわゆる静電施釉法も琺
瑯の技術として用いられている。
【0008】さらに、琺瑯の浴槽等には、多関節ロボッ
トを使用して施釉を行う方法が採用されている。
【0009】しかし、これらの施釉手段は、いずれも量
産可能な比較的小型の対象物に対して琺瑯の技術として
採用されているもので、グラスライニング、特に化学反
応槽や攪拌槽等、大型の槽の内面を施釉する必要があ
り、また量産されずに一品ごとに製作されるような少量
多品種の対象物に対しては、到底適用できない。
【0010】本発明は、このような問題点をすべて解決
するためになされたもので、上記のような化学反応槽や
攪拌槽等、大型の槽の内面を施釉する必要性のある少量
多品種の対象物に対して自動的,機械的にグラスライニ
ングを行うことができるような自動施釉装置を提供する
ことを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような課
題を解決するために、自動施釉装置と、その自動施釉装
置を用いた円筒状被施釉物の内周面の施釉方法としてな
されたもので、自動施釉装置としての特徴は、円筒状被
施釉物の内周面を施釉するための自動施釉装置であっ
て、該円筒状被施釉物の入口部13から内部に挿入可能
で、上下に昇降自在且つ前後に移動可能に構成された昇
降体4が装置本体1に具備され、該昇降体4の先端側に
小アーム4aが回動自在に取り付けられ、且つ該小アーム
4aに、釉薬が吐出可能なスプレーガン5が回動自在に
り付けられてなることにある。
【0012】装置本体1としては、たとえば、基台2
と、該基台2上に立設された支柱3と、該支柱3に昇降
自在に取付けられた昇降体4とで構成される。
【0013】
【0014】また、自動施釉装置を用いた円筒状被施釉
物の内周面の施釉方法としての特徴は、上下に昇降自在
且つ前後に移動可能に構成された昇降体4の先端側に
アーム4aが回動自在に取り付けられ、且つ該小アーム4a
に、釉薬が吐出可能なスプレーガン5が取り付けられて
構成された自動施釉装置の前記昇降体4を、円筒状被施
釉物の入口部13の位置に合わせて昇降させてスプレーガ
ン5の位置を設定した後、該スプレーガン5を円筒状被
施釉物内に挿入し、円筒状被施釉物を回転さるととも
にスプレーガン5から釉薬を噴射させて、該円筒状被施
釉物の内周面を施釉することにある。
【0015】円筒状被施釉物の回転は、正逆両方向に間
欠的に行うことが好ましい。
【0016】また、円筒状被施釉物が、直面状の胴部
と、曲面状の底部とを有するようなものである場合に
は、胴部に対してはスプレーガン5を下向きにした状態
で噴霧し、底部に対しては該スプレーガン5の傾斜角度
を変えて噴霧することが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面に従って説明する。
【0018】図1において、1は自動施釉装置の装置本
体で、この装置本体1は、基台2と、該基台2上に立設
された支柱3と、その支柱3に昇降自在に且つ前後に移
動可能に取付けられたアーム4とで構成されている。
【0019】このアーム4は、チェーン(図示せず)で
吊り下げられて昇降自在であるとともに、ラックやピニ
オン(図示せず)によって前後に移動可能とされてい
る。
【0020】そして、このような装置本体1のアーム4
の先端側に、小アーム4aを介してスプレーガン5が取り
付けられている。
【0021】6は、前記アーム4の昇降を駆動させるた
めのモータを示す。
【0022】前記アーム4は、角筒状に形成され、その
内部には、図示しないが、上釉圧送用のチューブ、下釉
圧送用のチューブ、釉薬吹付エアーを圧送するためのチ
ューブが内装されている。
【0023】図2において、5aは、スプレーガン5の先
端部で、中央には釉薬の流路8が形成され、また両側に
はエアーの流路9,9が形成されている。
【0024】10は、先端の吐出口を示し、8aはニードル
を示す。
【0025】そして、このような構成からなる自動施釉
装置11を、反応槽のグラスライニングの施釉に使用する
場合について説明する。
【0026】先ず、図3に示すように、反応槽12の入口
部13から、自動施釉装置11のアーム4の先端に取り付け
られたスプレーガン5を挿入する。
【0027】この場合、先ず、アーム4を支柱3に対し
て昇降させて、スプレーガン5が反応槽12の入口部13か
ら挿入されるように、アーム4の高さを調整する。
【0028】次に、図4に示すように、小アーム4aをア
ーム4に対して90度回動させて、スプレーガン5を下向
きに位置させる。
【0029】さらに、図5に示すように、スプレーガン
5を小アーム4aに対して90度回動させて、水平な向きに
位置させる。
【0030】この状態で、スプレーガン5から釉薬を噴
霧するとともに、施釉の対象物である反応槽12を正方向
(図6の矢印イ方向)に回転させる。
【0031】この反応槽12は、4個の転動体14,…上に
載置されており、その4個の転動体14,…のうちの駆動
輪となる転動体14を駆動させることによって、回転させ
ることができるのである。
【0032】そして、釉薬の噴霧と同時に反応槽12を一
回転した後、一旦反応槽12の回転を停止し、次に、スプ
レーガン5を水平に向いた状態から、図7に示すよう
に、わずかに下向きとなるように所定角度(本実施形態
では9度)傾斜させ、その状態で反応槽12を逆方向(図
5の矢印ロ方向)に一回転しながら釉薬を噴霧する。
【0033】そして、順次所定角度(9度)ずつスプレ
ーガン5を回動し、スプレーガン5をその所定角度の傾
斜状態に維持して上記のように反応槽12を正逆両方向に
間欠的に回転させながら、スプレーガン5から釉薬を噴
霧する。
【0034】このようにして、所定角度ずつスプレーガ
ン5の傾斜角度を変えながら、反応槽12の回転と釉薬の
噴霧とを順次繰り返すと、反応槽12の底部16に釉薬が好
適に塗着されることとなる。
【0035】この場合において、反応槽12の底部16は、
円弧面ではなく、楕円状の弧面に形成されているため、
上記のように所定角度ずつスプレーガン5の傾斜角度を
変えて釉薬を噴霧した場合、スプレーガン5の吐出口か
ら反応槽12の底部16の壁面までの距離が変わることとな
る。
【0036】従って、スプレーガン5からの釉薬の吐出
量が同じである場合には、スプレーガン5からの反応槽
底部壁面までの距離が短いほど、塗着される釉薬の厚み
が厚く形成されることとなる。
【0037】この結果、反応槽底部においては、グラス
ライニング槽の厚さが不均一になるおそれがあるため、
スプレーガン5からの釉薬の吐出量を、反応槽底部壁面
までの距離に応じて変える必要がある。
【0038】たとえば、図5のように、スプレーガン5
が水平に位置している場合には、反応槽底部壁面までの
距離が最も近くなるため、吐出量を少なくする必要があ
る。
【0039】このように、スプレーガン5からの釉薬の
吐出量を、反応槽底部壁面までの距離に応じて変えるこ
とにより、反応槽底部に塗着される釉薬の厚みをほぼ均
一にすることができるのである。
【0040】上述のような反応槽底部壁面までの距離に
応じたスプレーガン5の位置の設定は、スプレーガン5
に取り付けられた超音波式変位センサーによって行われ
る。
【0041】従って、作業員が反応槽の内部に入らなく
とも、スプレーガン5の位置設定を自動的に行うことが
できるのである。
【0042】次に、反応槽12の底部16の施釉作業が終了
した後は、反応槽12の胴部15の周方向内面の施釉作業を
行う。
【0043】上記のような反応槽12の底部16の施釉作業
が終了した時点では、スプレーガン5は下向きの状態と
なっているが、その状態で上記底部16の内周面への噴射
の場合と同様に、反応槽12を正逆両方向に間欠的に回転
させるとともに、アーム4を前後に移動させながら、ス
プレーガン5から釉薬を噴霧する。
【0044】このように、反応槽12を正逆両方向に間欠
的に回転させるとともに、アーム4を手前側に移動させ
ることによって、反応槽12の胴部15の周方向の内面に釉
薬が塗着されることとなる。
【0045】この場合において、反応槽12は正逆両方向
に間欠的に回転させるため、噴霧当初においても塗着さ
れない部分が生ずることもなく、また多数回回転させる
ことによっても、反応槽12が転動体14に対して位置ずれ
することもなく、よって、転動体14から反応槽12が不用
意に落下するおそれもないのである。
【0046】次に、本実施形態では、釉薬を圧送するた
めに外部に設けられたタンク(図示せず)とは別に、定
量供給ポンプ(図示せず)が設けられており、この定量
供給ポンプが設けられていることにより、粘性の高い釉
薬を、アーム4の先端側に設けられたスプレーガン5に
好適に圧送することができるのである。
【0047】上記のような施釉作業によって反応槽12の
内周面に塗着される釉薬としては、下釉と上釉との2種
類があり、先ず下釉が上記反応槽12の胴部15及び底部16
の内周面に塗着された後、焼成され、その後、冷却,補
修等されてから、上釉が同様にして反応槽12の胴部15及
び底部16の内周面に塗着されることとなる。
【0048】尚、上記のような自動施釉装置による施釉
作業は、反応槽12の胴部15及び底部16の内周面のみに対
して行われ、上部側に対しては行われない。
【0049】これは、反応槽12の上部側には、軸封部、
原料流入口、蒸気吐出口等の各開口部が形成されてお
り、自動的な施釉作業が困難と認められるからである。
【0050】従って、反応槽12の上部側に対しては、従
来と同様に手作業による施釉作業が行われることとな
る。
【0051】尚、釉薬としては、ガラスの粉と、粘土
と、亜硝酸ナトリウムのような電解質と、水とからなる
ものが用いられる。
【0052】以上のような作業により、自動施釉装置に
よる反応槽の施釉作業が終了するが、釉薬自体は粘性が
高く、チューブが詰まるおそれがあるので、チューブ内
を洗浄する必要がある。
【0053】具体的には、スプレーガン5の吐出口10を
閉鎖し、その状態でチューブ内に残存して付着した釉薬
を、流路9からのエアー圧により釉薬の流路8に沿って
逆流させる。
【0054】その後、流路8に水を通して噴霧すること
で、流路中の釉薬が洗浄、除去される。
【0055】ここで、洗浄に用いられた水が釉薬の流路
8に残存している場合には、その流路が錆びるおそれが
あるので、エアによって水を吹き飛ばす。
【0056】尚、上記のような自動施釉装置とは別に、
図9に示すような粉塵吸引用ダクト17を反応槽内に設置
してもよい。
【0057】この粉塵吸引用ダクト17は、同図のよう
に、ジャバラ状のホース18と、その先端に取付けられた
吸引口19は、アーム4に取り付けるための取付部20とか
らなり、スプレーガン5から噴霧され、反応槽12の内壁
に付着されなかった粉塵を除去するためのものである。
【0058】すなわち、反応槽12の内壁に付着されなか
った釉薬の粉塵が、上記粉塵吸引用ダクト17によって吸
引除去されることによって、グラスライニング製品とし
ての品質が向上するのである。
【0059】尚、上記実施形態では、基台2と、該基台
2上に立設された支柱3と、その支柱3に昇降自在に且
つ前後に移動可能に取付けられたアーム4とで装置本体
1が構成されていたが、装置本体1の構造はこれに限定
されるものではなく、要は、上記アーム4のように、先
端側に釉薬が吐出可能なスプレーガン5を取り付けるこ
とができ、略円筒状被施釉物の高さに合わせて昇降しう
るような昇降体が具備されていればよいのである。
【0060】また、該実施形態では、装置本体1のアー
ム4を被施釉物である反応槽12の内部に挿入した後に、
アーム4を前後に移動させることによって、反応槽12の
内部において釉薬を塗着すべき位置を設定したが、これ
とは逆に、装置本体1のアーム4の位置は固定した状態
のままで、反応槽12を載置した載置台21を移動すること
によって、反応槽12の内部において釉薬を塗着すべき位
置を設定することも可能である。
【0061】この場合、載置台21には、キャスター22が
具備されているため、そのキャスター22を転動させるこ
とによって容易に移動させることができる。
【0062】さらに、上記実施形態では、被施釉物であ
る反応槽12を正逆両方向に間欠的に回転させたため、塗
着されない部分が生ずることがなく、また反応槽12が転
動体14に対して位置ずれすることもないという好ましい
効果が得られたが、このように回転させず、同方向のみ
に回転させながら施釉作業を行うことも可能である。
【0063】また、上記実施形態では、装置本体1の外
部に設けられたタンクとは別に、定量供給ポンプを設け
たため、粘性の高い釉薬を、アーム4の先端側のスプレ
ーガン5に好適に圧送することができるという好ましい
効果が得られたが、このような定量供給ポンプを設ける
ことは本発明に必須の条件ではない。
【0064】さらに、上記実施形態では、被施釉物とし
て反応槽12を使用する場合について説明したが、被施釉
物の種類はこれに限定されるものではなく、たとえば攪
拌槽に適用することも可能であり、その他、グラスライ
ニングが必要な各種の化学機械類に適用することも可能
である。
【0065】また、本発明では、グラスライニングで施
釉することを主眼とするが、グラスライニングに限ら
ず、たとえば琺瑯を施釉する被施釉物に本発明を適用す
ることも可能である。
【0066】要は、被施釉物としては、内周面に施釉可
能な略円筒状のものが用いられていればよいのである。
【0067】さらに、上記実施形態では、反応槽12の底
部16を施釉する場合に、スプレーガン5の傾斜角度を順
次9度ずつ変えて、その傾斜角度でスプレーガン5から
釉薬を噴霧したが、この角度は該実施形態の9度に限定
されるものではなく、スプレーガン5からの反応槽12の
底部16までの距離や、底部の曲率等に応じて任意に変更
することができる。
【0068】また、該実施形態では、反応槽12のように
曲面状の底部16を有する被施釉物に対して適用したた
め、上記のようにスプレーガン5の角度を変えながら釉
薬の噴霧する必要があったが、このような曲面状の部分
を有さず、反応槽12の胴部15のような直面状の部分のみ
有するような被施釉物の場合には、スプレーガン5を傾
斜される必要はない。
【0069】従って、スプレーガン5の傾斜角度を変え
ながら施釉することは本発明に必須の条件ではない。
【0070】さらに、該実施形態では、釉薬として、ガ
ラスの粉と、粘土と、電解質(亜硝酸ナトリウム)と、
水とからなるものを用いたが、釉薬の種類はこれに限定
されるものではない。グラスライニング,琺瑯等の種類
に応じて任意のものを使用することが可能である。
【0071】さらに、上記実施形態では、反応槽12をグ
ラスライニングするために、上釉及び下釉の2種類の釉
薬を塗着し、従って、2回の施釉工程を必要としたが、
このように2回施釉することは必須の条件ではなく、上
釉及び下釉の施釉が必要でない場合には、1回の施釉工
程のみでもよい。
【0072】また、グラスライニングに要求される耐蝕
性等の性能を得るために、3回以上の施釉工程を行って
もよい。
【0073】さらに、上記実施形態では、釉薬の噴霧後
に水で洗浄し、さらに、残存する水をエアーで排出した
が、このような洗浄やエアーによる排出の工程も本発明
に必須の工程ではない。
【0074】
【発明の効果】昇降体の先端側にスプレーガンが取り付
けられて構成された自動施釉装置の昇降体を、円筒状被
施釉物の入口部の位置に合わせて昇降させてスプレーガ
ンの位置を設定した後、スプレーガンを円筒状被施釉物
内に挿入し、円筒状被施釉物を回転させるとともにスプ
レーガンから釉薬を噴射させるため、スプレーガンの位
置を固定させたままの状態で噴射することによって、回
転する円筒状被施釉物の内周面の全周が自動的に施釉さ
れることとなる。
【0075】このため、化学反応槽や攪拌槽等、大型で
密閉された内面を施釉する必要性のある少量多品種の被
施釉物に対しても、従来のように施釉のためのスプレー
ガンを把持した作業員が内部に入って手作業で施釉を行
う必要がなく、また作業に熟練を要することもなく、外
部からの操作で機械的,自動的に施釉を行うことが可能
になるという効果がある。
【0076】また、被施釉物のみを回転させて、スプレ
ーガンを一定の高さに位置決めした状態で噴霧できるた
め、ヘッド圧の変動による吐出量のバラツキがなく、従
って、施釉すべき釉薬を均一な厚さで塗着させることが
できるという効果がある。
【0077】また、装置も簡単な構造で、故障も少ない
という効果がある。
【0078】さらに、昇降体を前後に移動可能に構成し
ため、被施釉物を位置決めした状態のまま、その被施
釉物の内周面を施釉することができるという効果があ
る。
【0079】さらに、円筒状被施釉物の回転を、正逆両
方向に間欠的に行う場合には、一方向のみに被施釉物を
回転させる場合に比べて塗着されない部分が生ずること
もなく、また被施釉物が位置ずれすることもないという
利点がある。
【0080】さらに、スプレーガンの傾斜角度を変えて
噴霧する場合には、たとえば反応槽等のように、曲面状
の底部を有するような被施釉物の場合であっても、その
曲面状の部分に合致するように釉薬を塗着させることが
できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態の自動施釉装置の概略正面図。
【図2】スプレーガンの先端部の構造を示す拡大断面
図。
【図3】スプレーガンを反応槽内部に挿入した状態の概
略正面図。
【図4】小アーム及びスプレーガンを下向きに傾斜させ
た状態の概略正面図。
【図5】反応槽の底部への噴霧時を示す要部概略正面
図。
【図6】反応槽を回転させる状態を示す概略側面図。
【図7】スプレーガンを下向きに回動させた状態の要部
概略正面図。
【図8】反応槽の胴部への噴霧時を示す要部概略正面
図。
【図9】粉塵吸引用ダクトの概略正面図。
【符号の説明】
1…装置本体 4…アーム 5…スプレーガン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上田 秀雄 兵庫県加古川市平岡町土山1168−1 リ ベール土山II709 (72)発明者 古賀 昭彦 兵庫県明石市魚住町住吉2丁目26−3 神鋼パンテツク株式会社 魚住寮 (56)参考文献 実開 昭60−93760(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23D 5/02 B05B 13/06

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状被施釉物の内周面を施釉するため
    の自動施釉装置であって、該円筒状被施釉物の入口部(1
    3)から内部に挿入可能で、上下に昇降自在且つ前後に移
    動可能に構成された昇降体(4) が装置本体(1) に具備さ
    れ、該昇降体(4) の先端側に小アーム(4a)が回動自在に
    取り付けられ、且つ該小アーム(4a)に、釉薬が吐出可能
    なスプレーガン(5) が回動自在に取り付けられてなるこ
    とを特徴とする自動施釉装置。
  2. 【請求項2】 装置本体(1) が、基台(2) と、該基台
    (2) 上に立設された支柱(3) と、該支柱(3) に昇降自在
    に取付けられた昇降体(4) とで構成されている請求項1
    記載の自動施釉装置。
  3. 【請求項3】 上下に昇降自在且つ前後に移動可能に
    成された昇降体(4)の先端側に小アーム(4a)が回動自在
    に取り付けられ、且つ該小アーム(4a)に、釉薬が吐出可
    能なスプレーガン(5) が取り付けられて構成された自動
    施釉装置の前記昇降体(4) を、円筒状被施釉物の入口部
    (13)の位置に合わせて昇降させてスプレーガン(5) の位
    置を設定した後、該スプレーガン(5) を円筒状被施釉物
    内に挿入し、円筒状被施釉物を回転さるとともにスプ
    レーガン(5) から釉薬を噴射させて、該円筒状被施釉物
    の内周面を施釉することを特徴とする自動施釉装置を用
    いた円筒状被施釉物の内周面の施釉方法。
  4. 【請求項4】 前記円筒状被施釉物の回転は、正逆両方
    向に間欠的に行う請求項3記載の円筒状被施釉物の内周
    面の施釉方法。
  5. 【請求項5】 前記円筒状被施釉物は、直面状の胴部(1
    5) と、曲面状の底部(16) とを有し、胴部(15)に対し
    ては前記スプレーガン(5) を下向きにした状態で噴霧
    し、底部(16) に対しては該スプレーガン(5) の傾斜角
    度を変えて噴霧する請求項3記載の円筒状被施釉物の内
    周面の施釉方法。
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