JP3627806B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、定形用紙と長尺用紙を選択的に給紙可能であるとともに、長尺用紙に画像形成処理を行う際には長尺用紙の処理モードが設定される画像形成装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近、家庭用の複写機等において、定形用紙と長尺用紙を選択的に給紙可能なものが増えつつある。一般に、この種の画像形成装置では、長尺用紙に画像形成処理を行う際には長尺用紙の処理モード(以下、長尺用紙モードと称することもある)が設定され、これに基づいて動作するようになっており、従来は、ユーザが操作パネルで長尺用紙を選択入力すると長尺用紙モードが設定されるようになっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来技術では、長尺用紙に画像形成処理を行う際に操作パネルでいちいち長尺用紙を選択入力しなければならないため、煩雑であった。また、長尺用紙に画像形成処理を行う際に長尺用紙の選択入力を忘れると、装置が誤動作して紙詰まりを起こすことがあった。この場合、長尺用紙を搬送経路から取り除いて初期状態に戻すのに非常に手間がかかるため、改善が望まれていた。本発明の目的は、上述した課題を解決した画像形成装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するために、本発明は、定形用紙と長尺用紙を選択的に給紙可能であるとともに、長尺用紙に画像形成処理を行う際には長尺用紙の処理モードが設定される画像形成装置であって、長さ方向にロール状に巻かれた長尺用紙と、このロール状の長尺用紙を軸線まわりに回転自在に収納するとともに長尺用紙を外部に巻き出すための引出口を有するケーシングと、前記引出口を開閉する扉とを備えた長尺用紙ユニットが装着可能で、前記引出口の開閉状態を検知する検知手段を設け、この検知手段が前記引出口が開いたことを検知したときには自動的に長尺用紙の処理モードが設定されるように構成したことを特徴としている。
【0005】
また、前記検知手段が前記引出口が開いたことを検知したときには、操作入力部で定形用紙の処理モードが設定できないように構成したことを特徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的な実施形態を図面を参照しながら説明する。図1、2は本発明の一実施形態である画像形成装置の外観斜視図、図3は図1、2の画像形成装置の要部縦断面図である。
【0010】
本実施形態の画像形成装置は複写機であって、図1、2において、1は画像形成装置本体で、上面に複写原稿が載置されるコンタクトガラス2を有している。3は自動原稿搬送装置(ADF)で、後端側がヒンジ機構4、4を介して画像形成装置本体1に回動自在に取り付けられていて、図2に示すように、コンタクトガラス2から離れた状態で静止できるようになっている。
【0011】
自動原稿搬送装置3は搬送部90を備えていて、91は複写原稿を載せる原稿載置台、92は複写原稿を搬送方向と直交する方向に規制するガイドである。また、コンタクトガラス2の側方にはADF用コンタクトガラス93が設けられている。
【0012】
そして、自動原稿搬送装置3の底面でADF用コンタクトガラス93に対応する位置にはスリット94が設けられており、原稿がこのスリット94を通過するときに図示しない露光光学系によって原稿が読み取られるようになっている。また、スリット94の側方で、コンタクトガラス2に対応する位置には原稿マット95が設けられている。5は複写情報等を入力するための操作パネルである。
【0013】
6は前カバーで、下端側がヒンジ機構7、7を介して画像形成装置本体1に回動自在に取り付けられていて、手前側に開くと前方に向けてほぼ水平に突出した状態で保持されるようになっている。8はトナーカートリッジ、9はトナー回収タンクである。
【0014】
前カバー6の下方には上下二段の給紙カセット10、11が設けられている。これらは所定サイズにカットされた定形用紙を自動給紙するためのもので、画像形成装置本体1に対して前後方向に出入り自在に取り付けられている。また、前カバー6の上方には、排出部12から排出された複写物を貯留するためのコピー収納部13が設けられている。
【0015】
14は手差し給紙部で、手差しトレイ15を有している。手差しトレイ15は基端部が支軸(不図示)を介して画像形成装置本体1に回動自在に取り付けられていて、図1に示すように側方に向けてほぼ水平に突出した状態と、ほぼ垂直に起立して画像形成装置本体1の側面に密着した状態とをとることができるようになっている。
【0016】
そして、本実施形態では、図3に示すように、手差し給紙部14に長尺用紙ユニット16を着脱自在に装着できるようになっている。この長尺用紙ユニット16は、長さ方向にロール状に巻かれた長尺用紙17と、この長尺用紙17を軸線まわりに回転自在に収納するとともに長尺用紙17を外部に巻き出すための引出口18aを有するケーシング18と、引出口18aを開閉する扉19とを備えている。長尺用紙17は、ケーシング18の底面等に設けられた開口部(不図示)を介してケーシング18に出し入れできるようになっている。扉19は、その一端がヒンジ20を介してケーシング18に回動自在に取り付けられている。
【0017】
ケーシング18内の引出口18aの近傍の部位には二対のローラ21、21;22、22が設けられている。これらは図示しない駆動機構によって回転駆動されるようになっており、これらが回転すると、長尺用紙17におけるロ−ル状に巻かれた部分が軸線まわりに回転して長尺用紙17がケーシング18の外部に向けて搬送されるようになっている。また、引出口18aの近傍にはセンサー23が設けられていて、引出口18aが開くとこのセンサー23により検知されるようになっている。
【0018】
また、ローラ21、21とローラ22、22の間には、長尺用紙17を切断するカッター24が設けられている。このカッター24は、長尺用紙17の搬送経路を挟み込むように対向配置された一対の刃が接離して長尺用紙17を幅方向に切断するようになっている。
【0019】
ローラ21、22の駆動機構、センサー23、カッター24はケーシング18の外面に設けられたコネクタ(不図示)に電気的に接続されていて、長尺用紙ユニット16を手差し給紙部14に装着すると、このコネクタが手差し給紙部14に設けられたソケット(不図示)に係合し、前記駆動機構、センサー23、カッター24が画像形成装置本体1の制御回路(不図示)に接続されるようになっている。
【0020】
手差し給紙部14の給紙口25には給紙コロ26が設けられ、その下方にはリフト板27及びさばき機構28が設けられている。リフト板27は図示しない駆動機構により図の左側の端部を支点として回動し、給紙コロ26の外周部に対して接離するようになっている。さばき機構28は、摩擦パッド29、ソレノイド30、及びこれらを連結するリンク31等から成っている。
【0021】
摩擦パッド29は摩擦係数の高い材料により形成され、一端が支軸32を介して画像形成装置本体1に回動自在に取り付けられていて、給紙コロ26の外周部に対して接離するようになっている。なお、摩擦パッド29は、図示しないバネを介して給紙コロ26に接する方向に付勢されている。摩擦パッド29の他端には支持部33が設けられていて、この支持部33にはピン34を介してリンク31の一端が回動自在に取り付けられている。
【0022】
ソレノイド30は可動鉄心30aを上方に向けて画像形成装置本体1に固定されていて、可動鉄心30aにはピン35を介してリンク31の他端が回動自在に取り付けられている。ソレノイド30に通電すると可動鉄心30aが引き込まれてリンク31が摩擦パッド29を給紙コロ26から離れる方向に回動させる。
【0023】
給紙コロ26の上方にはレジストローラ36、37が設けられている。これらは用紙の搬送経路を挟むように対向配置され、図示しない駆動機構によりローラ36が回転駆動されるようになっている。そして、これらの下方には用紙の通過を検知するレジストスイッチ38が設けられていて、制御回路は、このレジストスイッチ38から与えられる信号に応じてレジストローラ36を駆動する。
【0024】
レジストローラ36、37の上方には画像形成部39が設けられている。画像形成部39は、表面にトナー像が形成される感光体ドラム40と、その周囲に回転方向に沿って配設されたクリーニングユニット41、帯電器42、現像ユニット43、転写ローラ44等を有している。
【0025】
画像形成部39の上方には定着部45が設けられている。この定着部45は、用紙の搬送経路を挟むように対向配置された一対のローラ46、47を有しており、これらの間に用紙を挟み込んで加圧するとともに加熱し、用紙上に転写されたトナー像を溶融せしめて用紙上に定着させる。
【0026】
定着部45の上方には前記排出部12が設けられている。この排出部12は、用紙の搬送経路を挟むように対向配置された一対の排出ローラ48、49を有しており、定着部45を通過した用紙を排出ローラ48、49で挟み込んでコピー収納部13内に排出する。
【0027】
また、本実施形態では、長尺用紙ユニット16が画像形成装置本体1に装着され、引出口18aが開いてセンサー23がこれを検知すると、長尺用紙に対する画像形成処理に適した長尺用紙モードが自動的に設定されるようになっている。この長尺用紙モードの内容は、具体的には、▲1▼レジストスイッチ38を用いたジャム(用紙の重送)の検知を行わないか検知時間を長くする、▲2▼画像メモリを分割しない、▲3▼さばき機構28が動作しない、という三つの要素から成っている。これらについて、以下に詳細に説明する。
【0028】
まず、▲1▼について説明する。用紙の搬送方向先端部がレジストスイッチ38に達するとレジストスイッチ38がONとなり、その用紙の搬送方向後端部がレジストスイッチ38を通過するとレジストスイッチ38がOFFとなる。このONからOFFまでの時間は用紙のサイズによって決まり、制御回路は、この時間が所定時間を超えると重送が生じていると判定して運転を停止する。定形用紙を連続して搬送する場合には、用紙間に隙間が生じるため、このような処理が可能であるが、長尺用紙は連続しているため、カットされない限りレジストスイッチ38はONのままで、定形用紙の場合と同じ長さの時間で判定すると誤動作となる。そこで、長尺用紙モードにおいては、このような処理を行わないか、または検知時間を長くして誤動作を防ぐようにしている。
【0029】
次に、▲2▼について説明する。定形用紙に画像形成を行う場合、制御回路のCPUは、スキャナーから読み込んだデータを一旦ビットマップメモリーに展開する。このビットマップメモリーでは、原稿のデータをページ毎に領域を確保して展開しているが、長尺用紙モードでは、CPUは、このページ毎の領域の区切りを無くし、メモリ全体を一つの領域として確保するようにしている。
【0030】
次に、▲3▼について説明する。さばき機構28は、摩擦パッド29で給紙コロ26との間に重なり合った用紙を挟圧し、摩擦係数の高い摩擦パッド29の作用により摩擦パッド29に接している用紙の搬送を阻止し、これによって重なり合った二枚の用紙を分離するものである。長尺用紙の場合には、重送が生じないため、長尺用紙モードにおいては摩擦パッド29が給紙コロ26から離れるようになっている。
【0031】
なお、本実施形態では、長尺用紙ユニット16が画像形成装置本体1に装着され、かつ引出口18aが開いてセンサー23がこれを検知した場合には、ユーザが操作パネル5で定形用紙を選択入力しても定形用紙の処理モードが設定されないようになっている。
【0032】
次に、実際にコピーを行う場合について説明する。
まず、長尺用紙ユニット16を画像形成装置本体1に装着し、蓋19を開方向に回動させて引出口18aを開く。これによってセンサー23がONになり、長尺用紙モードが設定される。長尺用紙17の先端部を給紙口25に差し込み、原稿載置台91に長尺の複写原稿をセットして操作パネル5のプリントボタンを押すと、複写原稿が長さ方向に送られ、ADF用コンタクトガラス93の下方に配置された露光光学系で原稿の画像が読み取られる。また、リフト板27が上方に回動して長尺用紙17を給紙コロ26に押し付けるとともに給紙コロ26が回転して長尺用紙17の先端部を画像形成装置本体1内に引き込む。このとき、摩擦パッド29は給紙コロ26から離れている。
【0033】
長尺用紙17の先端部は搬送経路内を上昇し、レジストスイッチ38を通過してレジストローラ36、37間に突き当たって停止する。また、画像形成部39では、帯電器42によって感光体ドラム40の表面が帯電され、感光体ドラム40が回転し、前記露光光学系で読み取られた複写原稿の画像の反射光が感光体ドラム40の表面に照射され、感光体ドラム40の表面にこの画像の静電潜像が形成される。そして、現像ユニット43が感光体ドラム40の表面にトナーを付着させてこの静電潜像を現像する。
【0034】
長尺用紙17が停止して所定時間経過すると、レジストローラ36、37が回転して長尺用紙17が再び上昇する。そして感光体ドラム40と転写ローラ44の間を通る際に感光体ドラム40の表面のトナー像が長尺用紙17上に転写される。そして、長尺用紙17は定着部45に至り、ローラ46、47間で加圧されるとともに加熱され、これによってトナー像が溶融して長尺用紙17上に定着する。そして、画像が形成された長尺用紙17は排出部12に至り、排出ローラ48、49によりコピー収納部13に排出される。
【0035】
なお、長尺用紙17は、所定の長さだけ搬送された時点でカッター24により幅方向に切断される。その後、ローラ21、22が所定時間駆動されて長尺用紙17の切断縁が引出口18aから突出する。そして、原稿載置台91上に新しい複写原稿をセットし、長尺用紙17の切断縁を給紙口25に差し込んでプリントボタンを押すと、長尺用紙ユニット16から長尺用紙17が巻き出され、上述した動作が繰り返されて次のコピーが行われる。
【0036】
本実施形態では、長尺用紙ユニット16を装着して引出口18aを開くと自動的に長尺用紙モードが設定され、この状態において操作パネル5で定形用紙を選択入力しても定形用紙モードが設定されることはないので、長尺用紙にコピーを行う際に定形用紙の重送検知システムが作動して紙詰まりを起こすことがなく、ミスコピーも生じない。
【0037】
また、本実施形態では、長尺紙ユニット16が装着可能であるため、コピーを行う毎にいちいち長尺用紙を装着する必要がなく、給紙の手間が低減する。また、長尺用紙17はケーシング18内に収納されているため、床面上に垂れ落ちることがなく、長尺用紙17が傷付いたり、汚れたりすることがない。
【0040】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で上述した実施形態に種々の変形を施すことができる。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、自動的に長尺用紙の処理モードが設定されるように構成したことにより、長尺用紙に画像形成処理を行う際に操作入力部でいちいち長尺用紙を選択入力する必要がないため、手間が低減する。また、長尺用紙の処理モードの設定ミスによる紙詰まりを防ぐことができる。
【0042】
また、長さ方向にロール状に巻かれた長尺用紙を巻き出し可能に収納した長尺用紙ユニットが装着可能であることにより、長尺用紙に画像形成処理を行う毎に長尺用紙をセットする必要が無いため、長尺用紙の給紙に要する手間が低減する。また、長尺用紙が床面上に垂れ落ちることがないため、長尺用紙が傷付いたり、汚れたりすることがない。また、操作入力部で定形用紙の処理モードを設定できないように構成したことで、長尺用紙に画像形成処理を行う際に誤って定形用紙の処理モードを設定して紙詰まりが起こるのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である画像形成装置の外観斜視図。
【図2】本発明の一実施形態である画像形成装置の外観斜視図。
【図3】図1、2の画像形成装置の要部縦断面図。
【符号の説明】
1 画像形成装置本体
5 操作パネル(操作入力部)
16 長尺用紙ユニット
17 長尺用紙
18 ケーシング
18a 引出口
23 センサー(検知手段)
Claims (2)
- 定形用紙と長尺用紙を選択的に給紙可能であるとともに、長尺用紙に画像形成処理を行う際には長尺用紙の処理モードが設定される画像形成装置であって、
長さ方向にロール状に巻かれた長尺用紙と、このロール状の長尺用紙を軸線まわりに回転自在に収納するとともに長尺用紙を外部に巻き出すための引出口を有するケーシングと、前記引出口を開閉する扉とを備えた長尺用紙ユニットが装着可能で、
前記引出口の開閉状態を検知する検知手段を設け、この検知手段が前記引出口が開いたことを検知したときには自動的に長尺用紙の処理モードが設定されるように構成したことを特徴とする画像形成装置。 - 前記検知手段が前記引出口が開いたことを検知したときには、操作入力部で定形用紙の処理モードが設定できないように構成したことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
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