JP3627537B2 - 自動車用ドアガラスランの取付け構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車ドアに取付けられるガラスラン、特にそのコーナ部の取付け構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車ドアには、ドアフレームおよびドア本体のウエストラインに沿って一連にドアガラスラン(以下、ガラスランという)が取付けられている。そして車種によっては、ドアの窓まわりに丸味をつけたいとするドア外観のデザイン上の要求等から、ドアフレームの縦枠部からウエストラインに移る窓開口のコーナ部を湾曲形状とし、これに沿って湾曲形状としたガラスランのコーナ部を取付けている。
【0003】
図2および図3はその代表例を示すもので、ガラスラン5のうち、ドアフレーム3の後部縦枠部3Aに沿い更に下方へ伸びる押出成形のガラスラン5Aは、上記縦枠部3Aに沿って設け更にドア本体1内を下方へ伸びる断面コ字形のチャンネル部材4に嵌込み取付けられている。
【0004】
ガラスラン5Aの中間部のアウタ側からは、枝分かれするように型成形のコーナ部5CがJ字状に前方へ伸びている。そしてその先端は、ドア本体1の外板1aのウエストライン10に形成され、ドアの補強パネル2と重ねられた上縁フランジ11に沿って取付けたガラスラン5Bの後端末に当接している。コーナ部5Cは、後方へ湾曲しつつ立ち上って上記縦枠部3Aへと連なるフランジ11の後端コーナ部に嵌込まれている。
【0005】
なお、ガラスラン5Aには上記コーナ部5Cと対応してインナ側に型成形のコーナ部5C´が接合している。コーナ部5C´はアウタ側のコーナ部5Cよりも短く、その先端が、ガラスラン5Bと対向してドア本体1の内板の上縁フランジに取付けられたガラスラン(図示略)の後端末に当接している。
【0006】
ドア本体1のウエストラインの前端部では、ガラスラン5B前端末が、縦方向のガラスラン5Dに当接している。図2において、6はドアガラスである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記型成形のコーナ部5Cのように、フレーム縦枠部に沿うガラスランから枝分れしてJ字状に伸びるコーナ部は、それ自体が上下に変形しやすく不安定である。しかも、ガラスランのコーナ部と、これを取付けるドアのコーナ部のフランジとの曲率の不可避的な不一致から両者の嵌合が不完全になりやすい。このため、経時により、また手指等によってガラスランのコーナ部に上方への外力が加えられるとコーナ部がはずれて浮き上ってしまう。
【0008】
本発明は、かかる浮き上りを防止するガラスランの取付構造を実現することを課題としてなされたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ドアフレームの縦枠部に沿う押出成形のガラスランから分岐してJ字状に伸び、上記縦枠部からウエストラインへ移行するドアのコーナ部に取付けられ、その先端がウエストラインに沿うガラスランと連接する型成形のコーナ部を備えたガラスランにおいて、上記型成形のコーナ部にはその湾曲中心部の下面と上記縦枠部に沿うガラスランとの間の隅角をつなぐリブ状のつなぎ部を形成するとともに、つなぎ部の側面に下側の面をゆるやかな傾斜面とした突起を形成する。一方、ドア本体内の上部に設けた補強パネルには、上記突起と対応する位置に係止穴を形成する。そしてガラスランの上記コーナ部を、ドアのコーナ部へ取付けるときに、上記突起を上方から上記係止穴に嵌入させ係止穴の縁部に係止せしめる構造とする。
【0010】
上記つなぎ部を設けたことでガラスランのコーナ部自体が上下に変形しにくくなり、かつガラスランのコーナ部と一体の上記つなぎ部の突起を補強パネルに係止することでガラスランのコーナ部の浮き上りが防止される。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図1および図2により、従来例との相違点を中心に説明する。
【0012】
ドアフレーム3の後部縦枠部3Aに沿って設けられ、下端がドア本体1内へ延出する断面コ字形のチャンネル部材4に取付けられるガラスラン5Aはゴムの押出成形体で、断面コ字形の本体部の左右の側壁51の先端から対向方向に伸びてドアガラス6の縦縁を挟むシールリップ52を備えており、本体部をチャンネル部材4に嵌込むことにより取付けられる。なお、ドアフレーム縦枠部3Aに沿うガラスラン5Aの上半部には、モールリップ53が形成されており、縦枠部3Aの内周縁を覆うようになっている。アウタ側のモールリップ53の下端には、これを延長するように側壁51に沿って下方へ伸びJ字状に湾曲して前方へ伸びる型成形のコーナ部5Cが接続してある。コーナ部5Cの前方への延出部は下方に開口する断面コ字形で、内壁541側にシールリップ55を備えている。
【0013】
なお、インナ側のモールリップ53の下端にもコーナ部5Cと対向する型成形のコーナ部5C´が接続されている。コーナ部5C´の先端はカラスラン5Aから僅かに突出しており、先端は段カット面となっている。
【0014】
ガラスラン5Aのアウタ側のコーナ部5Cの湾曲中心部には、内壁541から下方へ三角形状に延出し、コーナ部5Cよりも下側のガラスラン5Aのシールリップ52の根元に接続してコーナ部5Cとガラスラン5A間の隅角をつなぐつなぎ部56がリブ状に形成してあり、その外側面には傾斜端縁に沿う位置に突起57が形成してある。突起57の下側の面はゆるやかな傾斜面571としてある。
【0015】
上記コーナ部5C、5C´は、これを成形するキャビティを有する金型内に、押出成形されたガラスランの中間部をセットし、キャビティ内にゴム材料を注入することにより形成される。このとき、つなぎ部56も同時に成形される。
【0016】
一方、ドア本体1のウエストライン10には、ドア外板1aの上縁フランジ11が形成してあり、フランジ11の後端は湾曲しつつ上昇してフレーム縦枠部3Aのアウタ側の側縁に連なっている。外板1aの内面には補強パネル2が設けてあり、その上端縁は上記フランジ11に重ねて溶接されている。そして補強パネル2には、取付状態とした上記アウタ側のコーナ部5Cの突起57と対応する位置に四角形状の係止穴21が形成してある。上記フランジ11には、シールリップ55を備えた上記コーナ部5Cの先端と同一断面形の押出成形のガラスラン5Bが嵌め込んである。ガラスラン5Bの後端末は、フランジ11の後端湾曲コーナ部の直前位置としてある。
【0017】
コーナ部5Cは、ガラスラン5Aを上記チャンネル部材4に嵌込むとともに、コーナ部5Cを上記フランジ11の後端湾曲コーナ部に嵌込むことにより取付けられる。このとき、上記つなぎ部56を補強パネル2の内面に沿わせるようにし、下方へ若干の引っ張り力を加えた状態で突起57を補強パネル2の係止穴21にその上方から押込むようにして嵌入し、図1(C)に示すように係止穴21の前縁上部隅角に係止させる。コーナ部5Cの前端末とガラスラン5Bの後端末とは互に当接する位置としてあり、両者は連接する。
【0018】
なお、ドア内板の上縁フランジにも、ガラスラン5Bと対称形状のガラスランが嵌着してあり、その後端末は段カットされ、インナ側のコーナ部5C´の前端末と当接している。
【0019】
上記アウタ側の型成形のコーナ部5Cの取付け構造によれば、コーナ部5Cは、ガラスラン5Aから分かれて前方へ伸びる湾曲中心部が、つなぎ部56によりガラスラン5Aと結合されているから、ガラスラン5Aに対して上下方向に変形しない。しかもコーナ部5Cは、つなぎ部56の突起57が補強パネル2の係止穴21に結合することで下方への引っ張り力が加えられているからフランジ11との嵌合力が強化されている。従ってコーナ部5Cとフランジ11の曲率に不一致があっても、また外力により上方へつさ上げられても、フランジ11からはずれて浮き上りが生じることは全くない。
【0020】
【発明の効果】
本発明によれば、自動車ドアの窓開口の湾曲コーナ部において、これに取付けたガラスランのはずれによる浮き上がりが完全に防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガラスランの取付構造を示すもので、(A)はガラスランのコーナ部の斜視図、(B)はガラスランが取付けられるドアのコーナ部の斜視図、(C)はガラスラン側の突起とドア側の係止穴との係合を示す斜視図である。
【図2】ガラスランが装着されたドアの正面図である。
【図3】従来のドアガラスランのコーナ部の斜視図である。
【符号の説明】
1 ドア本体
10 ウエストライン
2 補強パネル
21 係止穴
3 ドアフレーム
3A ドアフレーム縦枠部
4 チャンネル部材
5 ドアガラスラン
5A 縦枠部に沿うガラスラン
5B ウエストラインに沿うガラスラン
5C ガラスランのコーナ部
56 つなぎ部
57 突起
Claims (1)
- ドアフレーム(3)の縦枠部(3A)に沿って取付けた押出成形のドアガラスラン(5A)から分岐してJ字状に伸び、上記縦枠部(3A)からドア本体(1)のウエストライン(10)に移る湾曲コーナ部に沿って取付けられ、先端が上記ウエストライン(10)に沿って取付けたドアガラスラン(5B)の端末に連接する型成形のコーナ部(5C)を備えた自動車用ドアガラスラン(5)において、上記型成形のコーナ部(5C)の湾曲中心部には、その下面と上記縦枠部(3A)に沿うドアガラスラン(5A)との間の隅角をつなぐリブ状のつなぎ部(56)を形成するとともに、つなぎ部(56)の側面に、下側の面をゆるやかな傾斜面(571)とした突起(57)を形成する一方、ドア本体(1)内の上部に設けた補強パネル(2)には上記突起(57)と対応する位置に係止穴(21)を設け、上記コーナ部(5C)取付け時に上記突起(57)を上方から上記係止穴(21)に嵌入させ該係止穴(21)の縁部に係止せしめることを特徴とする自動車用ドアガラスランの取付け構造。
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- 1998-10-09 JP JP30324398A patent/JP3627537B2/ja not_active Expired - Fee Related
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