JP3626573B2 - テレビドアホン装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、家人が屋内の複数箇所で来訪者を画像によって確認でき且つ家人と来訪者との間で通話ができるテレビドアホン装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、この種のテレビドアホン装置は、図8に示すように、住宅の玄関先に配置されるカメラ付きのドアホン子機10と、屋内に配置されるテレビ付きのドアホン親機20と、ドアホン子機10とドアホン親機20とを接続するケーブル40と、ドアホン親機20と別の部屋に配置されるテレビ付きのドアホン副親機30と、ドアホン親機20とドアホン副親機30を接続するケーブル50とで構成されている。ここに、ドアホン子機10は、接続端子112に接続されたケーブル40を介してドアホン親機20の接続端子219に接続されている。また、ドアホン親機20からの映像信号を受信するドアホン副親機30の接続端子312は、ドアホン親機20の接続端子220にケーブル50で接続されており、来訪者の映像は、ドアホン子機10からドアホン親機20に送られ、さらに、ドアホン親機20からドアホン副親機30に送られる。
【0003】
ドアホン子機10は、図9に示すように、来訪者を撮像するテレビカメラを有するカメラユニット101と、カメラユニット101からの映像信号を変調する映像信号変調回路102と、ドアホン親機20又はドアホン副親機30を介して家人と通話するための受話用スピーカ103及び送話用マイク105と、受話用スピーカ103を駆動する受話アンプ104と、送話用マイク105からの音声を増幅する送話アンプ106と、送話信号と受話信号の2信号を1対の線路で扱うための2線4線変換回路107と、ドアホン親機20からケーブル40を介して供給されるDC電源を安定化してカメラユニット101、映像信号変調回路102、受話アンプ104、送話アンプ106、2線4線変換回路107へ電源を供給する電源回路108と、家人を呼び出すための押釦109と、映像信号と音声信号を2線に多重化するための多重回路110と、ドアホン親機20と接続するための端子112と、接続線(ケーブル40)の接続を無極性にするためのダイオードブリッジ111とを備えている。
【0004】
一方、ドアホン親機20は、図10に示すように、平衡−不平衡変換を行うトランス、バンドパスフィルタなどで構成されドアホン子機10からの映像信号を受信する映像信号受信回路203と、映像信号受信回路203で受信された映像信号を復調する映像信号復調回路201と、映像信号復調回路201にて復調された映像信号による映像を映し出すテレビ202と、ドアホン副親機30へ送出する映像信号を増幅するバッファアンプ204と、ドアホン副親機30へ良好な映像信号を伝送するための不平衡−平衡変換を行うトランス、バンドパスフィルタなどで構成されドアホン副親機30へ映像信号を送出するための映像信号送信回路205と、ドアホン子機10側の来訪者と通話するためのハンドセット209と、ハンドセット209のレシーバ209aを駆動する受話アンプ207と、ハンドセット209のマイク209bからの音声を増幅する送話アンプ208と、送話信号と受話信号の2信号を1対の線路で扱うための2線4線変換回路206と、ドアホン子機10とドアホン副親機30の通話路の接続切り替えを行う通話切り替えスイッチ211と、ドアホン子機10から呼び出されたか否かを認識するための呼出釦押下検出回路212と、呼出釦押下検出回路212から得られた信号に基づいてテレビ202のオン/オフの制御を行うなどのドアホン親機20の内部回路の制御を行うとともにドアホン副親機30へ制御信号を送出するためのCPU213と、ドアホン副親機30へ送出する制御信号を変調するとともにドアホン副親機30から送出された制御信号を復調するための制御信号変復調回路214と、ドアホン子機10への電源を2線に重畳し電源供給するための子機用DC電源重畳回路216と、ドアホン副親機30への電源を2線に重畳し電源供給するための副親機用DC電源重畳回路218と、電源コードを介して接続される商用電源(AC100V)からドアホン親機20の内部電源をつくるとともに子機用DC電源重畳回路216及び副親機用DC電源重畳回路218に電源を供給する電源回路217と、ドアホン子機10からの音声信号及び映像信号を2線から分離するとともにドアホン親機20(またはドアホン副親機30)からドアホン子機10への音声信号を2線に多重化するためのドアホン子機用多重回路210と、ドアホン副親機30からの音声信号と制御信号を2線から分離するととともにドアホン親機20からドアホン副親機30への映像信号及び音声信号及び制御信号を2線に多重化するためのドアホン副親機用多重回路215と、ドアホン子機10と接続するための端子219と、ドアホン副親機30と接続するための端子220とを備えている。
【0005】
また、ドアホン副親機30は、図11に示すように、平衡−不平衡変換を行うトランス、バンドパスフィルタなどで構成されドアホン親機20から送られた映像信号を受信する映像信号受信回路301と、映像信号受信回路301にて受信された映像信号を復調する映像信号復調回路302と、映像信号復調回路302にて復調された映像信号による映像を映し出すテレビ303と、ドアホン子機10側の来訪者またはドアホン親機20側の他の家人と通話するためのハンドセット308と、ハンドセット308のレシーバ308aを駆動する受話アンプ306と、ハンドセット308のマイク308bからの音声を増幅する送話アンプ307と、送話信号と受話信号の2信号を1対の線路で扱うための2線4線変換回路305と、ドアホン親機20からの映像信号のキャリア信号の検出または同期信号の検出または制御信号の検出に基づいてテレビ303のオン/オフ制御をするなどのドアホン副親機30の内部回路の制御を行うとともにドアホン親機20へ制御信号を送出するためのCPU310と、ドアホン親機20へ送出する制御信号を変調するとともにドアホン親機20から送出された制御信号を復調するための制御信号変復調回路309と、ドアホン親機20から供給されるDC電圧を安定化してドアホン副親機30の内部回路へ電源を供給する電源回路311と、ドアホン親機20からの音声信号及び映像信号及び制御信号を2線から分離するとともにドアホン副親機30からドアホン親機20への音声信号、制御信号を2線に多重化するための多重回路304と、ドアホン親機20と接続するための端子312とを備えている。
【0006】
次に、この種のテレビドアホン装置の住戸内におけるバス配線の一例について図12及び図13に基づいて説明する。住戸Aの玄関先に取り付けられたドアホン子機10は、ケーブル40を介して住戸A内の一室に設置されたドアホン親機20に接続されている。また、ドアホン親機20から住戸A内の同一階や上位階の他の部屋に設置された複数のドアホン副親機30への配線は、ケーブル50によりバス配線1系統で接続されており、バス配線の終端は、抵抗などで構成される終端装置60により終端されている。終端装置60は、例えば、ケーブル50の特性インピーダンスと等しい大きさの抵抗値を有する抵抗で構成されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来のテレビドアホン装置では、室内バス配線が1系統しかないので、ドアホン副親機30の数を増やして同一階の離れた部屋や上位階に配線する場合、住戸A内に配線を引き回す必要があり、施工性が大変悪かった。
【0008】
本発明は、上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、画質を劣化させることなしにテレビ付きのドアホン親機から同一階の離れた部屋や上位階に設置されたテレビ付きのドアホン副親機へのバス配線の引き回しを少なくすることができ、施工性の向上が図れるテレビドアホン装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、来訪者を撮像するテレビカメラを有するドアホン子機と、前記テレビカメラで撮像された映像を映し出すテレビ付きのドアホン親機と、前記ドアホン親機にケーブルを介して接続され前記ドアホン親機からの映像信号を受信して映像を映し出すテレビ付きのドアホン副親機とを備えたテレビドアホン装置であって、前記ドアホン親機の出力インピーダンスを前記ケーブルの特性インピーダンスよりも大きくし、前記ドアホン親機の1つの副親機用多重回路に直接接続された接続端子の対を経由して接続された2系統のバス配線を設け、前記各バス配線それぞれを終端する終端装置として前記ケーブルの特性インピーダンスと略等しいインピーダンスの終端装置を具備するドアホン副親機を前記各バス配線それぞれの最遠端に設けてなることを特徴とするものであり、ドアホン親機の出力インピーダンスを前記ケーブルの特性インピーダンスよりも大きくし、ドアホン親機の副親機用多重回路に直接接続された接続端子の対を経由して接続され前記ケーブルの特性インピーダンスと略等しいインピーダンスで終端された2系統のバス配線を設けたので、映像信号の反射による画質劣化を防止することができ、画質劣化させることなしに同一階や上位階の他の部屋への配線の引き回しを少なくできるから、施工性を向上させることができる。
【0010】
請求項2の発明は、来訪者を撮像するテレビカメラを有するドアホン子機と、前記テレビカメラで撮像された映像を映し出すテレビ付きのドアホン親機と、前記ドアホン親機にケーブルを介して接続され前記ドアホン親機からの映像信号を受信して映像を映し出すテレビ付きのドアホン副親機とを備えたテレビドアホン装置であって、前記ドアホン親機は、前記ケーブルの特性インピーダンスと略等しいインピーダンスで終端されたバス配線であり少なくとも1つの前記ドアホン副親機が設けられたバス配線を、1系統または2系統接続可能に構成されているとともに、前記バス配線が1系統の場合と2系統の場合とで、映像信号の出力インピーダンスを切り替え可能に構成されていることを特徴とするものであり、テレビ付きのドアホン親機に、室内のバス配線が1系統の場合と2系統の場合とで映像信号の出力インピーダンスを切り替えることができるので、バス配線が1系統でも2系統でも画質を劣化させることがなく、ドアホン副親機の数を増やした場合でも画質劣化なしにドアホン副親機への配線の引き回しを少なくすることができ、施工性を向上させることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
まず、後述の実施形態1,2の参考例を説明し、その後で実施形態1,2を説明する。
【0012】
(参考例)
本参考例のテレビドアホン装置では、図1及び図2に示すように、ドアホン親機20からドアホン副親機30へ、ケーブルの特性インピーダンスと略等しいインピーダンスで終端された2系統のバス配線を設けたことを特徴とするものである。なお、ドアホン子機10、ドアホン親機20、ドホアン副親機30の基本構成はそれぞれ、図9、図10、図11に示した従来構成と略同じなので説明を省略する。
【0013】
住戸Aの玄関先の映像を撮像するカメラ付きのドアホン子機10は、ケーブル40を介して住戸A内に設置されたテレビ付きのドアホン親機20に接続されている。また、住戸A内の同一階の各部屋及び上位階に設置されたテレビ付きのドアホン副親機30は、バス配線でケーブル50を介してドアホン親機20と接続されている。ここに、本参考例では、各ドアホン副親機30へのバス配線は、ドアホン親機20から2系統配線されており、各系統のケーブル50の終端はそれぞれ、終端装置60で終端されている。このため、ドアホン親機20からの映像信号の出力インピーダンスに関らず、各ケーブルの終端での映像信号の反射による画質劣化を生じない。終端装置60は、例えば、ケーブルの特性インピーダンスと等しい大きさの抵抗で構成されている。
【0014】
しかして、本参考例では、ドアホン親機20からドアホン副親機30へ、ケーブル50の特性インピーダンスと略等しいインピーダンスで終端されたバス配線を2系統設けたので、画質劣化なしに同一階や上位階の他の部屋への配線の引き回しを少なくでき、施工性を向上させることができる。
【0015】
(実施形態1)
本実施形態の基本構成は従来構成と略同じであり、ドアホン親機20における映像信号送信回路205を図3に示すような構成とし、ドアホン親機20からドアホン副親機30へのバス配線を1系統と2系統とで切り替えることができるようにした点が相違する。なお、ドアホン子機10、ドホアン副親機30の基本構成はそれぞれ、図9、図11に示した従来構成と略同じなので説明を省略する。また、ドアホン親機20についても従来構成と同じ構成要素には同一の符号を付し説明を省略する。
【0016】
本実施形態におけるドアホン親機20内の映像信号送信回路205は、図3に示すように、映像信号の伝送周波数帯域以外の信号を除去するための映像信号出力バンドパスフィルタ221と、トランジスタQ0などにより構成され映像信号出力バンドパスフィルタ221から出力される映像信号を増幅する増幅回路と、2線伝送路の不平衡−平衡変換を行うための不平衡−平衡変換トランス222と、映像バッファアンプ204に接続するための端子245と、副親機用多重回路215へ接続するための端子246と、バス配線が1系統か2系統かでオンオフを切り替えるスイッチ223とを備えている。
【0017】
本実施形態では、ケーブル50(2線平衡ケーブル)の特性インピーダンスがr0の場合、図3中の抵抗R0の抵抗値をr0に設定する。また、図3中のチョークコイルLは、映像信号の伝送周波数帯域で、そのインピーダンスがケーブル50の特性インピーダンスr0よりも十分大きな値(Z1)となるように構成されている。
【0018】
本実施形態では、住戸内のバス配線が1系統の場合は、施工者が、スイッチ223を操
作してオン状態にするようになっている。スイッチ223がオン状態になると、映像信号送信回路205の出力インピーダンスは、チョークコイルLと抵抗R0の合成インピーダンス(r0と同程度の値)となり、ケーブル50の特性インピーダンスと略等しいインピーダンスとすることができる。
【0019】
ところで、図3に示す回路では、抵抗R01の抵抗値はr0/2に設定されており、映像信号は、増幅率が2(=R0/R01)に設定された上述の増幅回路によって2倍に増幅しているが、これは、終端装置60(インピーダンスr0)で終端したバス配線の端部では信号が2分の1になってしまうからである。
【0020】
また、住戸内のバス配線が2系統の場合は、施工者が、スイッチ223を操作してオフ状態にするようになっている。スイッチ223がオフ状態になると、映像信号送信回路205の出力インピーダンスはZ1となり、ケーブル50の特性インピーダンスr0よりも大きなインピーダンスにすることができる。
【0021】
また、ドアホン親機20に、2系統のケーブルが接続されているか否を検知する構成を設けて、スイッチ223を制御するように構成してもよい。図4にその構成例を示す。図4に示すドアホン親機20では、2系統目のケーブル50が接続端子224に接続されているか否かを2系統接続検出回路225により検出しており、CPU213が、2系統接続検出回路225からの検出信号に基づいてスイッチ223をオン/オフする制御信号を出力するようになっている。
【0022】
すなわち、このドアホン親機20には、1系統目のバス配線(ケーブル50)を接続する接続端子220の他に、2系統目のバス配線(ケーブル50)を接続するための接続端子224が設けられ、接続端子224に2系統目のケーブル50が接続されているかを検知する2系統接続検出回路225が設けられている。接続端子224は、接続端子220と同様に、副親機用多重回路215に接続されている。2系統接続検出回路225は、例えば、接続端子224にケーブル50が挿入されたことを機械的なスイッチで検出するように構成してもよいし、接続端子224に接続されるケーブル50の線間電圧などを測定して電気的に2系統目のケーブル50を検出するようにしてもよい。
【0023】
しかして、本実施形態では、映像信号送信回路205における増幅回路の出力インピーダンスを、住戸内におけるバス配線が1系統の場合はケーブル50の特性インピーダンスと略等しいインピーダンスとし、バス配線が2系統の場合はケーブル50の特性インピーダンスよりも大きなインピーダンスにすることにより、住戸内におけるバス配線が1系統であっても2系統であっても、映像信号の反射による画質劣化を防止することができるのである。
【0024】
(実施形態2)
図5に本実施形態のテレビドアホン装置の概略構成図を示す。なお、ドアホン子機10及びドアホン副親機30の基本構成は従来構成と同じなので、説明を省略する。図5におけるドアホン親機20は、図6に示すような構成であって、本実施形態では、接続端子220にバス配線(ケーブル50)が2系統接続され、各バス配線にドアホン副親機30が接続され、各系統は終端装置60により短絡されている。なお、図5中の音声回路229は、図6の2線4線変換回路206、ハンドセット209、通話切替スイッチ211、受話アンプ207、送話アンプ208により構成される。また、図5中の制御回路230は、図6の呼出釦押下検出回路212、CPU213、制御信号変復調回路214により構成される。また、図5中の電源回路231は、図6の子機用DC電源重畳回路216、電源回路217、副親機用DC電源重畳回路218により構成される。なお、本実施形態におけるドアホン親機20は、映像信号出力回路70以外の構成は従来構成と同じなので、従来と同一の構成要素には同一の符号を付してあり、説明を省略する。
【0025】
映像信号出力回路70は、図7に示すように、映像信号帯域フィルタ226を通過した映像信号を増幅する映像信号増幅回路227と、映像信号出力トランス回路228とで構成してある。なお、映像信号帯域フィルタ226は、映像信号(FM映像信号)の伝送周波数帯域のみを通過させ不要輻射を出さないようにするためのフィルタである。
【0026】
ここに、映像信号増幅回路227は、トランジスタQ1を含むエミッタ接地増幅回路と
、トランジスタQ2を含むエミッタフォロア回路とで構成される。エミッタ接地増幅回路は、映像信号をハイインピーダンスで出力することによる電力ロスおよび後述のトランスT1の挿入損を補うためのものであり、エミッタフォロア回路は、トランジスタQ1のベース・エミッタ間の容量によるインピーダンスの低下によって映像信号増幅回路227と映像信号帯域フィルタ226との間でインピーダンス不整合が生じるのを防ぐためのインピーダンス変換回路を構成するものである。
【0027】
映像信号出力トランス回路228は、トランスT1の二次側がコンデンサC2,C3及び副親機用多重回路215を介してケーブル50に接続される。ここで、ケーブル50には、図5に示したように少なくとも1つのドアホン副親機30が接続されている。
【0028】
トランスT1は、1次側が抵抗R4とトランジスタQ1のコレクタとの間に直列に接続される。抵抗R4は、電源Vccの電圧とトランジスタQ1のコレクタ電圧の電圧差が映像信号の振幅よりも大きくなるようにして、映像信号が飽和しないように映像信号増幅回路227の動作点を設定するためのものである。
【0029】
ところで、トランスT1は、そのインダクタンス値が映像信号の周波数帯域において、ケーブル50の特性インピーダンスZ0よりも十分大きなインピーダンスZを有するように構成してある。なお、インピーダンスZは、映像信号の周波数をf、トランスT1のインダクタンス値をLとすると、Z=2πfLとなる。
【0030】
いま、映像信号増幅回路227の直流利得をGd、トランジスタQ1のエミッタ抵抗REの抵抗値をre、抵抗R4の抵抗値をr4とすると、Gd=r4/reとなる。
【0031】
抵抗R4に並列接続されるコンデンサC1は、映像信号増幅回路227の交流利得GがトランスT1の一次側のインピーダンスZとエミッタ抵抗REの抵抗値reの比となるよう映像信号の周波数帯域で抵抗R4をバイパスするためのものであり、映像信号の周波数帯域において十分小さいインピーダンス値を有する。したがって、映像信号の周波数帯域での交流利得Gは、G=Z/reとなる。
【0032】
ところで、上述のように各ケーブル50は終端装置60によって短絡されているが、終端装置60は、ケーブル50の特性インピーダンスZ0と等しいインピーダンスで短絡されている。一方、上述のインピーダンスZはインピーダンスZ0よりも十分大きなインピーダンスなので、トランスT1の一次側のインピーダンスZは、Z≒Z0/2となる。したがって、映像信号出力回路70からケーブル50側をみたインピーダンスは略Z0/2となり、ケーブル50側から映像信号出力回路70側を見たインピーダンスはZ0よりも十分大きな(例えば10倍以上の)値となる。
【0033】
しかして、本実施形態においても、画質劣化なしに同一階や上位階の他の部屋への配線の引き回しを少なくでき、施工性を向上させることができる。
【0034】
また、本実施形態のテレビドアホン装置においてドアホン副親機30が接続されるバス配線(ケーブル50)をドアホン親機20より1系統しか配線しない場合は、ケーブル50の最遠端をケーブル50の特性インピーダンスZ0と等しいインピーダンスを有する終端装置60で終端するとともに、ドアホン親機20の出力端子(接続端子220)間にもケーブル50の特性インピーダンスZ0と等しいインピーダンスを有する素子を接続することにより、ケーブル50の両端をインピーダンス整合すればよい。したがって、バス配線が1系統の場合と2系統の場合とで実施形態1のようにドアホン親機20の回路を切り替える必要がなく、終端インピーダンスの脱着のみで変更できるから、回路構成が簡単になり、低コスト化が図れる。
【0035】
【発明の効果】
請求項1の発明は、来訪者を撮像するテレビカメラを有するドアホン子機と、前記テレビカメラで撮像された映像を映し出すテレビ付きのドアホン親機と、前記ドアホン親機にケーブルを介して接続され前記ドアホン親機からの映像信号を受信して映像を映し出すテレビ付きのドアホン副親機とを備えたテレビドアホン装置であって、前記ドアホン親機の出力インピーダンスを前記ケーブルの特性インピーダンスよりも大きくし、前記ドアホン親機の1つの副親機用多重回路に直接接続された接続端子の対を経由して接続された2系統のバス配線を設け、前記各バス配線それぞれを終端する終端装置として前記ケーブルの特性インピーダンスと略等しいインピーダンスの終端装置を具備するドアホン副親機を前記各バス配線それぞれの最遠端に設けてなることを特徴とするものであり、ドアホン親機の出力インピーダンスを前記ケーブルの特性インピーダンスよりも大きくし、ドアホン親機の副親機用多重回路に直接接続された接続端子の対を経由して接続され前記ケーブルの特性インピーダンスと略等しいインピーダンスで終端された2系統のバス配線を設けたので、映像信号の反射による画質劣化を防止することができ、画質劣化させることなしに同一階や上位階の他の部屋への配線の引き回しを少なくできるから、配線の自由度が増し、施工性を向上させることができるという効果がある。
【0036】
請求項2の発明は、来訪者を撮像するテレビカメラを有するドアホン子機と、前記テレビカメラで撮像された映像を映し出すテレビ付きのドアホン親機と、前記ドアホン親機にケーブルを介して接続され前記ドアホン親機からの映像信号を受信して映像を映し出すテレビ付きのドアホン副親機とを備えたテレビドアホン装置であって、前記ドアホン親機は、前記ケーブルの特性インピーダンスと略等しいインピーダンスで終端されたバス配線であり少なくとも1つの前記ドアホン副親機が設けられたバス配線を、1系統または2系統接続可能に構成されているとともに、前記バス配線が1系統の場合と2系統の場合とで、映像信号の出力インピーダンスを切り替え可能に構成されているので、テレビ付きのドアホン親機に、室内のバス配線が1系統の場合と2系統の場合とで映像信号の出力インピーダンスを切り替えることができ、バス配線が1系統でも2系統でも画質を劣化させることがなく、ドアホン副親機の数を増やした場合でも画質劣化なしにドアホン副親機への配線の引き回しを少なくすることができ、施工性を向上させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例を示し、住戸内におけるバス配線の説明図である。
【図2】同上を示し、住戸内におけるバス配線の他の説明図である。
【図3】実施形態1に用いる映像信号送信回路を示すブロック図である。
【図4】実施形態1に用いる親機を示すブロック図である。
【図5】実施形態2を示す概略ブロック図である。
【図6】同上におけるドアホン親機のブロック図である。
【図7】同上におけるドアホン親機の要部回路図である。
【図8】従来のテレビドアホン装置の一例を示すブロック図である。
【図9】同上に用いるドアホン子機の一例を示すブロック図である。
【図10】同上に用いるドアホン親機の一例を示すブロック図である。
【図11】同上に用いるドアホン副親機の一例を示すブロック図である。
【図12】同上の住戸内におけるバス配線の説明図である。
【図13】同上の住戸内におけるバス配線の他の説明図である。
【符号の説明】
10 ドアホン子機
20 ドアホン親機
30 ドアホン副親機
40 ケーブル
50 ケーブル
60 終端装置
A 住戸
Claims (2)
- 来訪者を撮像するテレビカメラを有するドアホン子機と、前記テレビカメラで撮像された映像を映し出すテレビ付きのドアホン親機と、前記ドアホン親機にケーブルを介して接続され前記ドアホン親機からの映像信号を受信して映像を映し出すテレビ付きのドアホン副親機とを備えたテレビドアホン装置であって、前記ドアホン親機の出力インピーダンスを前記ケーブルの特性インピーダンスよりも大きくし、前記ドアホン親機の1つの副親機用多重回路に直接接続された接続端子の対を経由して接続された2系統のバス配線を設け、前記各バス配線それぞれを終端する終端装置として前記ケーブルの特性インピーダンスと略等しいインピーダンスの終端装置を具備するドアホン副親機を前記各バス配線それぞれの最遠端に設けてなることを特徴とするテレビドアホン装置。
- 来訪者を撮像するテレビカメラを有するドアホン子機と、前記テレビカメラで撮像された映像を映し出すテレビ付きのドアホン親機と、前記ドアホン親機にケーブルを介して接続され前記ドアホン親機からの映像信号を受信して映像を映し出すテレビ付きのドアホン副親機とを備えたテレビドアホン装置であって、前記ドアホン親機は、前記ケーブルの特性インピーダンスと略等しいインピーダンスで終端されたバス配線であり少なくとも1つの前記ドアホン副親機が設けられたバス配線を、1系統または2系統接続可能に構成されているとともに、前記バス配線が1系統の場合と2系統の場合とで、映像信号の出力インピーダンスを切り替え可能に構成されていることを特徴とするテレビドアホン装置。
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