JP3626443B2

JP3626443B2 - 圧縮機用消音器

Info

Publication number: JP3626443B2
Application number: JP2001284992A
Authority: JP
Inventors: ホワンジョーミュン; インソプリー
Original assignee: エルジー電子株式会社
Priority date: 2001-01-11
Filing date: 2001-09-19
Publication date: 2005-03-09
Anticipated expiration: 2021-09-19
Also published as: US6692238B2; JP2002235524A; DE10145591B4; DE10145591A1; US20020090305A1; CN1364981A; KR100386269B1; CN1177139C; KR20020060486A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧縮機の消音器に係るもので、詳しくは、冷媒の流動を円滑にして、脈動流動を低減し得る圧縮機用消音器に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
一般に、圧縮機に適用される消音器は流体の吸入側又は吐出側に装着されて、流体の吸入時に発生する吸入騒音を減衰するか又は流体の吐出時に発生する吐出騒音を減衰させる役割をする。
そして、吸入側に装着する消音器を吸入消音器といい、吐出側に装着する消音器を吐出消音器という。
【０００３】
又、これら吸入消音器及び吐出消音器は、流体の吸入及び吐出が繰り返されながら発生する周期的な脈動現象を減衰させて圧縮空間に吸入又は吐出される流体を、円滑に流入及び流出される役割をする。
且つ、流体の吸入及び吐出時に発生するバルブ音及び流体の流動騒音が圧縮機構の外部に伝達されることを遮断して圧縮機の騒音を低減させる。
【０００４】
以下、往復運動式圧縮機に適用される吸入消音器を中心として説明する。
従来の密閉形往復運動式圧縮機は、図５に示したように、オイルが所定量満たされる中空円筒状のケーシング１と、該ケーシング１の内部下方収納装着られて外部から供給される電源によって駆動力を発生する電動機構と、該電動機構の上方に装着されて該電動機構の駆動力によりガスを吸入して圧縮させる圧縮機構とを備えて構成されている。
【０００５】
且つ、上記圧縮機構は、ケーシング１の内部中央に支持スプリングＣにより支持された固定子４Ａ及び回転子４Ｂと、それら固定子４Ａ及び回転子４Ｂに支持されたフレーム２と、該フレーム２の一方側に装着されたシリンダ３と、前記フレーム２の中央を貫通して前記回転子４Ｂに圧入された駆動軸５と、該駆動軸５の上段偏心部に係合されて回転運動を往復運動に変換させる接続ロード６と、該接続ロード６に係合されてシリンダ３の内部で往復運動を行うピストン７と、前記シリンダ３に係合されて冷媒の吸入及び吐出を制限するバルブ組み立て体８と、該バルブ組み立て体８に係合されて吐出空間（ＤＳ）を有するヘッドカバー９と、前記バルブ組み立て体８の吸入側に連通されるようにヘッドカバー９の一方側に係合された吸入消音器１０と、前記バルブ組み立て体８の吐出側に連通されるようにシリンダ３に装着された吐出消音器（ＤＭ）と、を包含して構成されている。
【０００６】
又、上記吸入消音器１０は、図５及び図６Ａに示したように、ケーシング１の内部又は該ケーシング１に貫通された冷媒吸入管ＳＰに直接連通される導入口１１と、該導入口１１を通って流入された冷媒をシリンダ３の圧縮空間に誘導するようにバルブ組み立て体８の吸入側に連通された吐出口１２と、前記導入口１１と吐出口１２の空間を第１、第２及び第３空間Ｓ１、Ｓ２、Ｓ３に夫々区画する第１区画板１３、及び第２区画板１４と、前記第１区画板１３を垂直に貫通して前記第１拡張空間Ｓ１及び第２拡張空間Ｓ２を相互に連通させる第１小口径流路管１５と、前記第１区画板１３及び第２区画板１４を貫通して第２拡張空間Ｓ２を吐出口１２に連通させる第２小口径流路管１６と、該第２小口径流路管１６の中間の周壁に貫通形成されて第３拡張空間Ｓ３と一緒にヘルムホルツ共鳴部を形成するように前記第３拡張空間Ｓ３を導出口１２に連通させる共鳴孔１７と、から構成されている。
【０００７】
図中未説明符号１８及びＯは夫々排油孔及びオイルフィーダーを示したものである。
以下、このように構成された従来の密閉型往復運動式圧縮機の動作について説明する。
先ず、電動機構に電源が印加されると、固定子４Ａ及び回転子４Ｂの作用によって回転子４Ｂ及び駆動軸５が回転され、該駆動軸５の回転運動は該駆動軸５の偏心部に係合された接続ロッド６によって直線往復運動に変換されてピストン７に伝達される。次いで、該ピストン７は、シリンダ３の内部を往復運動しながら冷媒を吸入圧縮して吐出させるが、この過程中発生する脈動圧及び騒音は冷媒の流動方向と反対方向に伝達されて吸入消音器１０によって減衰される。
【０００８】
この場合の圧縮機の動作について詳しく説明すると、上記ピストン７が上死点から下死点に移動する吸入行程では、第２拡張空間Ｓ２の冷媒が吸入バルブ（未符号）を開いて導出口１２を通ってシリンダ３の圧縮空間に吸入されると同時に新しい冷媒が導入口１１、第１拡張空間Ｓ１及び第１小口径流路管１５を順次通って第２拡張空間Ｓ２に流入される一方、前記ピストン７が下死点から上死点に移動する圧縮行程では、吸入バルブ（未符号）が閉じると同時に吐出バルブ（未符号）が開かれて該吐出バルブを通って圧縮ガスがヘッドカバー９の吐出空間ＤＳに吐出される。
【０００９】
このとき、上記冷媒の吸入と吐出が繰り返される過程で、吸入消音器１０及びヘッドカバー９では、反復的かつ持続的に脈動圧力が発生し、位相差を有して吸入消音器１０の各流路を沿って伝達され、上記第２小口径流路管１６、第２拡張空間Ｓ２、第１小口径流路管１５及び第１拡張空間Ｓ１を経由しながら漸次に減衰されて消滅されるため、導入口１１側では、脈動圧力が大分消滅されて冷媒が円滑に流入される。
【００１０】
一方、上記冷媒の吸入時に発生される騒音は、各小口径流路管１５、１６及び拡張空間Ｓ１、Ｓ２を通って熱エネルギーに変換されて減衰されると同時に、上記小径流路管１６の共鳴孔１７及び第３拡張空間Ｓ３にて成るヘルムホルツ共鳴部でヘルムホルツ作用によって特定周波数の騒音が減衰されるため、全ての騒音が減衰される。
【００１１】
又、従来他の吸入消音器においては、図７に示したように、第１小口径流路管（導入口）２１と第２小口径流路管２２とを直角若しくは図８に示したように、第１小口径流路管３１と第２小口径流路管３２と夫々一直線上に配置されて冷媒の流動性を向上させる。
図面中未説明符号２４、３４及び３６は夫々共鳴孔を示し、２５、３５及び３７は夫々共鳴空間を示したものである。
【００１２】
【発明が解決しようとする課題】
然るに、このような従来の圧縮機用吸入消音器においては、図６に示したように、冷媒の吸入流路を構成する導入口１１、第１小口径流路管１５及び第２小口径流路管１６が夫々平行に配置されているため、冷媒が’ジグザグ’状に流動して、冷媒の円滑な流動が阻害されることだけでなく、前記導入口１１、第１小口径流路管１５及び第２小口径流路管１６を夫々通過した冷媒が各拡張空間Ｓ１、Ｓ２、Ｓ３の隔壁にぶつかると同時に速度エネルギーが衝突エネルギーに転換されて、流動損失が発生するという不都合な点があった。
【００１３】
且つ、従来の他の吸入消音器においては、図７に示したように、第１小口径流路管（導入口）２１を通って吸入された冷媒が拡張空間２３の外壁にぶつかった後、第２小口径流路管２２に流入されるため、衝突による流動損失が発生するという不都合な点があった。
【００１４】
又、従来の又他の吸入消音器においては、図８に示したように、第１小口径流路管３１に伝達される脈動流動が、第２小口径流路管３２を通って吸入される冷媒と直接的に衝突して冷媒の流入を妨害するという不都合な点があった。
本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたもので、冷媒の吸入時に吸入流路の流動抵抗及び脈動流動によって発生する流動抵抗を低減し得る圧縮機用消音器を提供することを目的とする。
【００１５】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するため、本発明に係る圧縮機用消音器においては、入口側の小口径流路管の出口端及び出口側の小口径流路管の入口端が拡張空間内で相互連通されて、前記入口側の小口径流路管を通って前記出口側の小口径流路管に流動される流体の流動騒音を減衰させる圧縮機用消音器において、前記入口側の小口径流路管の出口端の流路方向中心線と前記出口側の小口径流路管の入口端の流路方向中心線と所定角ａ（４０°〜５０°）行き違うように形成されることを特徴とする。
【００１６】
又、流体の吸入方向を基準にして入口側の小口径流路管の出口端及び出口側小口径流路管の入口端が拡張空間で相互連通されて、前記入口側の小口径流路管を通って前記出口側の小口径流路管に流動される流体の流動騒音を減衰させる圧縮機用消音器において、前記入口側の小口径流路管の出口端と前記出口側の小口径流路管の入口端間の拡張空間に所定形状に屈曲された第１区画板が立設して形成されることを特徴とする。
【００１７】
又、流体の吸入方向を基準にして入口側の小口径流路管の出口端と出口側の小口径流路管の入口端とが拡張空間で相互連通されて、前記入口側の小口径流路管を通って前記出口側の小口径流路管に流動される流体の流動騒音を減衰させる圧縮機用消音器において、前記入口側の小口径流路管の出口端の流路方向中心線と前記出口側の小口径流路管の入口端の流路方向とが所定角の（４０°〜５０°）行き違うように形成されて、前記入口側小口径流路管の出口端と前記出口側小口径流路管の入口端の拡張空間には所定形状に屈曲された区画板が立設して形成されることを特徴とする。
【００１８】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に対し、図面を用いて説明する。
本発明に係る圧縮機用消音器においては、図１乃至図４にに示したように、圧縮機の内部の消音器の外部から延長された冷媒吸入管（未図示）に連通される導入口１１１が形成された第１小口径流路管１１０と、該第１小口径流路管１１０を通って吸入される冷媒を圧縮機のシリンダ（未図示）の圧縮空間に誘導するように前記圧縮機のバルブ組み立て体（未図示）の吸入側に連通される導出口１２１を有した第２小口径流路管１２０と、前記第１小口径流路管１１０の出口側と第２小口径流路管１２０の入口間に拡張形成された前記拡張空間１３０と、を備えて中空の屈曲された角型タンク状に構成されてある。
【００１９】
このとき、上記第１小口径流路管１１０の流路方向中心線と上記第２小口径流路管１２０の流路方向中心線とは、所定角ａ（４０°〜５０°）行き違うように、第１小口径流路管１１０及び第２小口径流路管１２０が夫々形成されて、前記第１小口径流路管１１０の出口の流路方向中心線が前記第２小口径流路管１２０の入口中心と拡張空間１３０内で交差するように形成することもできるし、前記第１小口径流路管１１０の出口の流路方向中心線が前記第２小口径流路管１２０の入口中心に拡張空間１３０内で交差されないように形成することもできる。
【００２０】
又、上記第１小口径流路管１１０の出口端から上記第２小口径流路管１２０の入口端までの距離Ｌは各小口径流路管１１０、１２０の先端の内径の６〜７倍程度に形成することが冷媒の円滑な流動のために望ましい。
又、上記拡張空間１３０は、その内部が屈曲形成された第１区画板１３１及び平板状の第２区画板１３２によって３個の空間部分に夫々分割されて、前記第１区画板１３１及び第２区画板１３２には夫々第１共鳴孔１３１ｂ及び第２共鳴孔１３２ｂが夫々穿孔形成されることで、相互ヘルムホルツ共鳴部を成すように第１共鳴空間１３１ａ及び第２共鳴空間１３２ａが夫々形成される。
【００２１】
又、上記第１区画板１３１は曲面に屈曲形成される一方、上記第２区画板１３２は直線の平板状に形成される。
且つ、上記第１区画板１３１は、第１及び第２小口径流路管１１０、１２０の流路に沿って立設される一方、上記第２区画板１３２は拡張空間１３０の空間部を最大に維持し得るように前記２つの小口径流路管１１０、１２０の流路から相対的に離れて形成される。
【００２２】
又、上記第１小口径流路管１１０の出口の中心と上記第２小口径流路管１２０の入口中心間の第１区画板１３１の曲面を基準として、該第１区画板１３１の屈曲により狭くなる空間側の容積が反対側の広くなった空間の容積の１／５以下になるように形成することが望ましい。
一方、図４に示したように、上記第１区画板１３１を上記第２区画板１３２側と位置かえして形成するか若しくは前記第１区画板１３１及び第２区画板１３２の全てを屈曲して形成することもできる。
【００２３】
以下、このように構成された本発明に係る吸入消音器の動作について説明する。
圧縮機構部の吸入行程時に第１小口径流路管１１０の導入口１１１を通って吸入された冷媒は、前記第１小口径流路管１１０を通って拡張空間１３０に流入された後、第２小口径流路管１２０を通って吐出口１２１に移動して、該吐出口１２１に連結された吸入バルブ（未図示）を開きながら圧縮機構のシリンダ（未図示）に吸入されるが、このとき、上記第１小口径流路管１１０の出口を通って拡張空間１３０に流入された冷媒は、前記第１小口径流路管１１０と第２小口径流路管１２０間に形成された第１区画板１３１の曲面部を沿って前記第１小口径流路管１１０から前記第２小口径流路管１２０に吸入される。
【００２４】
又、上記圧縮機構の圧縮行程時には、上記吸入バルブ（未図示）が閉鎖されるため、上記第２小口径流路管１２０の出口側の冷媒の圧力が急に上昇して、該第２小口径流路管１２０の冷媒が逆流されて、該第２小口径流路管１２０の入口から逆方向に吐出されて、前記第１小口径流路管１１０を通って吸入された冷媒ガスと衝突して反対方向に脈動流動が発生するが、このとき、図３に示したように、前記第１小口径流路管１１０と前記第２小口径流路管１２０とは、所定角ａ（４０°〜５０°）行き違って形成されてあるため、前記吸入側冷媒ガスと逆流側冷媒ガスとの正面衝突が防止されて、脈動流動を減衰させる。
【００２５】
且つ、上記第１小口径流路管１１０の出口端と上記第２小口径流路管１２０の入口端とは十分な間隔を維持するように離隔して形成されるため、前記第１小口径流路管１１０を通って吸入される冷媒ガスの圧力と、前記第２小口径流路管１２０を通って逆流される冷媒ガスの圧力との衝突力がある程度緩和されて脈動流動が低減される。
【００２６】
一方、上記冷媒ガスの吸入時に発生される流動騒音及び吸入バルブ（未図示）の開閉時に発生されるバルブ打音などは、第１共鳴孔１３１ｂを通って第１共鳴空間１３１ａに流入されて１次的に減衰され、その後、再び第２共鳴孔１３２ｂを通って第２共鳴空間１３２ａに流入されることで２次的に減衰されるため、騒音が顕著に低減される。
即ち、上記第１小口径流路管１１０の出口端と上記第２小口径流路管１２０の入口端間の第１区画板１３１の屈曲面を沿って吸入される冷媒ガスが円滑に流動されると共に、前記第２小口径流路管１２０の入口端と上記第１小口径流路管１１０の出口端とから夫々逆流及び吸入される冷媒ガスの衝突が緩和されて脈動流動が顕著に低減される。
【００２７】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る圧縮機用消音器においては、上記第１小口径流路管の出口側流路方向中心線と第２小口径流路管の入口側流路方向中心線とが所定角ａ（４０°〜５０°）行き違うように形成し、且つ、前記第１小口径流路管の出口端と前記第２小口径流路管の入口端間の空間に屈曲された第１区画板を形成することで、それら第１小口径流路管を通って第２小口径流路管に流入される冷媒の流動を円滑にさせ、前記第２入口側小口径流路管から逆流される冷媒と第１小口径流路管から流入される冷媒との衝突を緩和して、脈動流動を低減させることで圧縮機の効率を向上し得るという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る圧縮機用消音器１実施例の内部構造を示した概略縦断面図である。
【図２】本発明に係る圧縮機用消音器の第１及び第２小口径流路管の行き違い角ａを示した断面図である。
【図３】本発明に係る圧縮機用消音器の動作説明図である。
【図４】本発明に係る圧縮機用消音器の他の実施例の構造を示した概略縦断面図である。
【図５】従来の圧縮機用消音器が装着された往復動圧縮器の内部構造を示した縦断面図である。
【図６】従来の圧縮機用消音器の一例を示した縦断面図である。
【図７】従来の圧縮機用消音器の一例を示した縦断面図である。
【図８】従来の圧縮機用消音器の一例を示した縦断面図である。
【符号の説明】
１１０…第１小口径流路管
１１１…導入口
１２０…第２小口径流路管
１３０…拡張空間
１３１…第１区画板
１３１ａ…第１共鳴空間
１３１ｂ…第１共鳴孔
１３２…第２区画板
１３２ａ…第２共鳴空間
１３２ｂ…第２共鳴孔

Claims

流体の吸入方向を基準にして入口側の小口径流路管の出口端と出口側の小口径流路管の入口端が拡張空間内で相互連通されて、上記入口側の小口径流路管を通って上記出口側の小口径流路管に流動される流体の流動騒音を減衰させる圧縮機用消音器であって、
前記入口側の小口径流路管の出口端の流路方向中心線と、前記出口側の小口径流路管の入口端の流路方向の中心線とが、所定角度ずれて形成され、
前記拡張空間には、第１区画板及び第２区画板が夫々立設され、それら第１、第２区画板には夫々第１共鳴孔及び第２共鳴孔が穿孔形成されて、上記拡張空間及び第２共鳴孔によって連通される第２共鳴空間と、上記出口側の小口径流路管及び第１共鳴孔によって連通される第１共鳴空間とが追加形成される、
ことを特徴とする圧縮機用消音器。
上記入口側小口径流路管の流路方向中心線は、前記出口側小口径流路管の入口の中心と前記拡張空間内で交差されるように形成されることを特徴とする請求項１記載の圧縮機用消音器。
上記入口側小口径流路管の流路方向中心線は、前記出口側の小口径流路管の入口の中心と前記拡張空間内で交差されないように形成されることを特徴とする請求項１記載の圧縮機用消音器。
上記入口側小口径流路管の出口から前記出口側の小口径流路管の入口までの距離は、前記小口径流路管の先端の内径の６〜７倍程度に形成されることを特徴とする請求項１記載の圧縮機用消音器。
前記入口側の小口径流路管の出口端と前記出口側の小口径流路管の入口端間の拡張空間に所定形状に屈曲された第１区画板が立設して構成されることを特徴とする請求項１記載の圧縮機用消音器。
上記入口側の小口径流路管の出口の中心と上記出口側の小口径流路管の入口中心間の第１区画板の曲面により狭くなる空間側の容積が反対側の広くなった空間の容積の１／５以下になるように形成されることを特徴とする請求項５記載の圧縮機用消音器。