JP3626126B2 - 乾式外装下地の化粧仕上げ工法 - Google Patents

乾式外装下地の化粧仕上げ工法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば窯業系サイディング下地等の新規又は既設の乾式外装下地に様々な素材感を有する化粧性を付与することができる乾式外装下地の化粧仕上げ工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、乾式施工にて使用される窯業系サイディングボード等は、湿式系にて用いられるモルタル組成物やモルタル組成物を用いた工法において均一な品質が確保されていなかったため外装下地及び外装仕上げ材が各種の耐久特性を有しない過去においては広く使用されていた。そのため、既設の住宅等の各種建築物には膨大量の窯業系サイディングボードが用いられている。
しかし、近年、素材感を有する仕上げが要求されており、優れた耐久特性を有するモルタル組成物やモルタル組成物を用いた工法で仕上げ材が湿式施工にてそれらの要求に適用され、好適に対応している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、新規の外装壁施工において窯業系サイディング等の乾式下地にモルタル組成物や仕上げ材を塗着する場合、或いは既設外装壁の補修又は改修において窯業系サイディングボード等の乾式下地にモルタル組成物や仕上げ材を塗着する場合、温度変化や乾湿等による伸縮(乾式下地との伸縮性の相違)や地震等の外力によって、乾式下地との界面にて剥離が生じたり、亀裂(割れ)が発生し易かった。特に既設外装壁の補修又は改修に際しては、既設のサイディングボードが風雨等により劣化して、表層面が脆くなっていたり、表層面に微細なクラックが発生していたりするため、モルタル組成物や仕上げ材と乾式下地との界面部分にて剥離が生じ易かった。
そこで、新規の外装壁施工については勿論、既設の外装壁の補修又は改修にも適用でき、様々な素材感を有する化粧性を付与することができる仕上げ工法を提案することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記に鑑み提案されたもので、乾式外装下地に、イソシアネート基を0.5〜10重量%及び加水分解性シラン基を(珪素原子を基準として)0.4〜7.5重量%含有して分子量が3000〜50000であるポリマーを主成分とする一液硬化型樹脂組成物、及び/又は150Mpa・s以下の粘性を持つ水系樹脂組成物、及び/又は透湿性ポリマーセメントペースト、及び/又はガラス転移点(Tg)が−20℃〜0℃の合成樹脂エマルジョンを含むポリマーセメントペーストを塗着した後、必要に応じて合成樹脂を混入した軽量モルタル、又は合成樹脂を混入したモルタル組成物を塗着し、質量が40〜250g/mで、引張強度が100kgf/mm以上の網材を乾式外壁材のジョイント部及び/又はモルタルの表面又は内部に埋設し、仕上げ施工することを特徴とする乾式外装下地の化粧仕上げ工法に関するものである。
【0005】
上記の合成樹脂を混入した軽量モルタルとしては、セメント20〜60wt%、無機質混和材20〜60wt%、有機質混和材2〜10wt%で、練り上り時の単位容積質量が1.0〜1.5であるものを用いることが望ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の仕上げ工法では、まず下地処理工程として、スレート板や窯業系サイディングボード等の乾式外装下地に、A.イソシアネート基を0.5〜10重量%及び加水分解性シラン基を(珪素原子を基準として)0.4〜7.5重量%含有して分子量が3000〜50000であるポリマーを主成分とする一液硬化型樹脂組成物、B.150Mpa・s以下の粘性を持つ水系樹脂組成物、C.透湿性ポリマーセメントペースト、D.ガラス転移点が−20℃〜0℃の合成樹脂エマルジョンを含むポリマーセメントペーストの何れか一種、又はA〜Dを適宜に組み合わせて塗着する。
尚、上記C及びDのポリマーセメントペーストは、後述する下地作り工程に用いられる軽量モルタル又はモルタル組成物を兼ねるものであっても良い。その場合、下地処理工程と下地作り工程とが同時に行われるものとなる。
【0007】
下地処理工程に用いられる前記Aの一液硬化型樹脂組成物は、合成物に各種添加剤を加えたものでも良いし、例えば『ビニロールOLX−5766』(昭和高分子株式会社製)等のような市販品を使用しても良い。この一液硬化型樹脂組成物は、分子量が低いので、一般に固形分10〜20%で粘度10〜30cpsというような低粘度の液体であり、各種乾式下地の微細な空隙への浸透性が優れている。そのため、例えば乾式下地の表層面が脆くなっていたり微細なクラックが発生していてもその表面の微細な空隙に深く浸透して極めて高い接着性を示す。さらに、上記一液硬化型樹脂組成物は、従来のプライマーと比べて数倍の高い透湿性を有する層を形成する。
したがって、この一液硬化型樹脂組成物は、乾式下地に対して極めて高い接着性を有し、新規な乾式外装下地は元より既設の老化した乾式外装下地に対しても優れた密着性を有し、改修、補強効果にも優れ、さらに高い透湿性を有するため、結露水等が界面に溜まることもない。
【0008】
また、下地処理工程に用いられる前記Bの水系樹脂組成物は、150Mpa・s以下の低粘度であるため、下地に対して高い浸透性を有しており、前記Aの一液硬化型樹脂組成物と同様の優れたプライマー効果を発揮する。このような水系樹脂組成物としては、各種のアクリル系樹脂エマルジョンを使用できるが、それ以外にも塩素化ポリエチレン系、アクリル系ディスパージョン、エチレン・酢酸ビニル共重合系エマルジョン、エチレン,酢酸ビニル,スチレン系,アクリル酸エステル系からなる多元系合成樹脂エマルジョン、SBRラテックス、エポキシ樹脂エマルジョン等を使用することもできる。例えば『ポリゾールAP−1350』(昭和高分子株式会社製アクリル系エマルジョン)のような市販品を使用しても良い。
【0009】
また、下地処理工程に用いられる前記Cの透湿性ポリマーセメントペーストは、アクリル系樹脂エマルジョン、エチレン・酢酸ビニル共重合系エマルジョン、エチレン,酢酸ビニル,スチレン系,アクリル酸エステル系からなる多元系合成樹脂エマルジョン、SBRラテックス、エポキシ樹脂エマルジョン等をセメントペーストに混合して透湿性を高めたものであり、さらには曲げ強度や乾式外装下地に対する付着強度に優れ、クラック等を生ずることがない。例えば『ARICE高透湿性接着用ペースト』(富士川建材工業株式会社製SBR系高透湿性接着用ペースト)のような市販品を使用しても良い。
【0010】
また、下地処理工程に用いられる前記DのTgが−20℃〜0℃の合成樹脂エマルジョンを含むポリマーセメントペーストは、例えばブチルアクリレートや2−エチルヘキシルアクリレート等をベースモノマーとして用いたアクリル系樹脂や変性アクリル樹脂等をセメントペーストに混合して粘弾性を高めたものであり、さらには曲げ強度や乾式外装下地に対する付着強度に優れ、クラック等を生ずることがない。
【0011】
下地処理工程においては、前記A〜Dの何れかひとつのみを用いても良いが、適宜に組み合わせて併用しても良い。例えばプライマーとして前記Aの一液硬化型樹脂組成物や前記Bの水系樹脂組成物を塗着させた後、セメントペーストとして前記Cの透湿性ポリマーセメントペーストや前記Dのポリマーセメントペーストを塗布すると、乾式外装下地に対する高い接着強度を得ることができ、しかもさらにその上に塗着する合成樹脂を混入した軽量モルタル、又は合成樹脂を混入したモルタル組成物との接着性をも向上させることができる。
【0012】
本発明の仕上げ工法では、次に下地作り工程として、合成樹脂を混入した軽量モルタル、又は合成樹脂を混入したモルタル組成物を塗着し、網材を乾式外壁材のジョイント部及び/又はモルタルの表層又は内部に埋設する。
尚、前述のように下地処理工程として、前記C又は前記Dのポリマーセメントペーストを用いる場合には、軽量モルタル又はモルタル組成物を兼ねるものであっても良く、その場合、下地処理工程と下地作り工程とが同時に行われるものとなる。
【0013】
下地作り工程に用いられる合成樹脂を混入した軽量モルタルとしては、特にその原材料及び組成について限定するものではないが、セメント20〜60wt%、無機質混和材20〜60wt%、有機質混和材2〜10wt%を含有し、練り上り時の単位容積質量が1.0〜1.5である軽量セメントモルタルを使用することが望ましい。尚、上記無機質混和材としては、ドロマイトプラスター、フライアッシュ、高炉スラグ粉末、パーライト、珪砂等の1種以上を使用することができ、上記有機質混和材としては、EVA−炭酸カルシウム発泡骨材、スチレン発泡骨材、増粘剤、ビニロン繊維、アクリル繊維等の1種以上を使用することができる。前記範囲の軽量セメントモルタルは、外壁を施工した場合にモルタルの乾燥収縮が小さく、ゴム弾性等を有し、ひび割れが発生しにくく、耐久性能を確保でき、また防火性能、防火構造・準耐火構造の確保ができるという利点がある。
【0014】
また、下地作り工程に用いられる合成樹脂を混入した軽量セメントモルタル又は合成樹脂を混入したモルタル組成物は、アクリル系樹脂エマルジョン、エチレン−酢酸ビニル共重合系エマルジョン、エチレン−酢酸ビニル−スチレン系,アクリル酸エステル系からなる多元系合成樹脂エマルジョン、SBRラテックス、エポキシ樹脂エマルジョン等をモルタル組成物中に混合して透湿性を高めたものである。
【0015】
乾式外装材のジョイント部及び/又は前記軽量モルタル又はモルタル組成物の表面又は内部に埋設する網材としては、その材質や目付は限定しないが、質量40〜250g/mのもので、引張強度が100kgf/mm以上の網材を使用する。この網材を乾式外壁材のジョイント部に跨るように及び/又はモルタルの表面又は内部に埋設することにより、外壁を施工した場合にひび割れの発生がなく、またその表面に塗着する仕上げ材も含めて耐久性の向上及び美観上の点で優れたものとなる。
【0016】
したがって、本発明の乾式外装下地の化粧仕上げ工法は、従来から多様されている種々の乾式外装下地金属系、窯業系、合成樹脂系等の新旧下地に容易に質感のある湿式外装仕上げを施し、化粧仕上げを行う事ができる画期的なモルタル及び工法である。
即ち従来では、乾式工法で施工したサイデイングボードが各種の外的要因により劣化し、その表面の塗装が当初の意匠性、化粧性を損なったり、雨水等の浸入により内部断熱材等が機能を消失した状態になった場合、全て取り外し新しくしなければならなかった。これに対し、本発明は、劣化した外装面に前述のA〜Dの各種プライマーやポリマーセメントペースト、或いはそれら適宜に組み合わせて塗着する下地処理工程、前述のC,Dのポリマーセメントペースト又は軽量モルタル又はモルタル組成物を塗着すると共に前述の網材を乾式外壁材のジョイント部及び/又はモルタルの表層又は内部に埋設する下地作り工程、さらにその表面に施す仕上げ工程を行うことにより、全く新しい種々の化粧性を有する外観の外壁を施工することができる。そして、下地処理工程では、旧劣化塗膜に対する付着強度を確保することができ、下地作り工程ではクラック等を生ずることがない靱性の高い下地を作成でき、種々の化粧仕上げを行う。尚、旧既存サイデイングボードに対しての施工を例にして説明したが、前述のように新規なサイデイングボード、新規外装パネルに対しても行う事ができる。
【0017】
【実施例】
次に、本発明の乾式外装下地の化粧仕上げ工法の実施例について説明する。
【0018】
プライマーとして、前記Aの一液硬化型樹脂組成物1種、前記Bの水系樹脂組成物4種を用い、乾式外装下地に対する密着性、耐水性、耐久性について試験を行い、表1の結果を得た。
各試験の方法については、常態密着性試験は、塗装面に2mm間隔の碁盤目(25マス)の切れ目を入れた後セロテープ(R)(ニチバン(株)製)を貼り付け、1時間後にセロテープ(R)をめくり、密着性を評価した。
耐水性については、試験片を1週間水に浸漬し、表面状態の観察、及び密着性試験をおこなった。
耐凍害性については、塗装板の側面をシーリングし、−20℃×2時間気中凍結、20℃×1時間水中融解を1サイクルとしたサイクル試験を60サイクル行い、表面状態の観察及び密着性試験を行った。
耐温冷繰り返し性については、試験体を20℃×18時間水中浸漬、−20℃×3時間気中凍結、50℃×3時間気中融解を1サイクルとしたサイクル試験を10サイクル行い、表面状態の観察及び密着性試験を行った。
評価方法については◎、○、△、×とし、◎は優良、○は良、△は可、×は不可とした。
尚、乾式外装下地については、新設の乾式外壁材を想定した表面状態の良好なもの、劣化した既設の乾式外壁材を想定した表面状態の脆弱なもの、表面に劣化した塗膜が存在するものの3種にて行った。
【表1】
Figure 0003626126
【0019】
ポリマーセメントペーストとして、前記Cの透湿性ポリマーセメントペースト1種、前記Dのポリマーセメントペースト3種を用い、曲げ強度及び付着強度を測定し、評価し、配合と共に表2に示した。尚、樹脂を配合しないセメントペースト2種を比較例1,2として同様に試験、評価し、併せて表2に示した。
曲げ強度や付着強度の測定方法については、曲げ強度試験は、JASS 15 M−102 既調合セメントモルタルの品質規準に準じて行なった。
付着強度試験は、JIS A 6916 セメント系下地調整塗材の試験方法に準じて行なった。
尚、プライマーとポリマーセメントペーストに対する付着強度も表2に併せて示した。評価方法については◎、○、△、×とし、◎は優良、○は良、△は可、×は不可とした。
【表2】
Figure 0003626126
【0020】
次に、表2に示す配合組成のポリマーセメントペースト(C−1)を用い、新及び旧サイデイングボード仕上げ材に使用される樹脂系仕上げ塗膜2種との付着力を、標準状態と耐久性試験後についてそれぞれ測定し、表4に示した。
【表3】
Figure 0003626126
【表4】
Figure 0003626126
【0021】
網材の補強効果を調べるため、配合例3の軽量モルタルを用い、網材5種を、埋設して試験体を作製し、その強度を測定し、表5に示した。
(試験体の作製及び養生)
試験体(n=3)は、配合例3の軽量モルタルを混練り後、合板型枠300mm×75mm×厚さ20mmの大きさに打設し、その後、その表面に各網材(繊維ネット)を置き、軽くコテで押え、湿空養生室(温度20℃±2℃、湿度80%以上)に48時間静置し、その後脱型し、材令14日まで恒温恒湿室(温度20℃±2℃、湿度65±10%)中で養生したものを試験体とした。
(試験方法)
そして、得られた試験体を図1に示すように、オートグラフ(島津AG−5000C)にセットし、クロスヘッド速度0.5mm/minで1点曲げ荷重を加え、最大荷重、ひび割れ発生時の荷重及び試験開始から試験終了時(フルスケールの0.5%荷重まで)までのエネルギー値を求めた。尚、ガラス繊維ネット等の補強のないものを比較例として評価した。
(試験結果)
【表5】
Figure 0003626126
【0022】
(ジョイント部への補強効果確認)
さらに、ジョイント部への補強効果を調べるため次のような試験をした。
試験基板の作製方法;モルタル基板の作製は100mm×600mm×厚さ30mmの合板型枠にセメント520部、標準砂1040部、水338部の割合で調合したモルタルを練り混ぜた後打設し、試験室中で24時間湿空養生後に脱型した。その後6日水中養生したものを試験基板とした。基板作製にあたり、フロー値の測定及び曲げ強度用供試体(40mm×40mm×160mm n=3)を作製し、養生後、4週強度を測定した。
(試験体の作製及び養生)
試験体は、モルタル基板(試験基板)養生終了後オートグラフ(島津AG−5000C)にセットし、長手方向の中心部に載荷して2分割し、その破断部を付き合わせて型枠面側の上に、『ARICE透湿性接着用ペースト』、『ARICE透湿性SBR系特殊モルタル』(共に富士川建材工業(株)製)、グラスファイバーネット:TD5×5日本電気硝子(株)製)を施工し、恒温恒湿室(温度20℃±2℃、湿度65±10%)中で7日間養生し、試験体とした。
(試験方法)
試験方法は、養生の終了した試験体(試験基板を打設した日から14日経過)を、図2に示す要領で、オートグラフ(島津AG−5000C)にセットし、クロスヘッド速度1mm/minで中心載荷した。最大荷重になるまで載荷を継続し、その時点の最大荷重、変位、破断状況を調べた。この結果を表6に示した。
また、表7に使用した網材(繊維ネット)の特性を示した。
(試験結果)
【表6】
Figure 0003626126
【表7】
Figure 0003626126
【0023】
表1及び表2より明らかなように、本発明に用いるプライマー、ポリマーセメントペーストは何れも優れた性能を有し、下地処理効果が得られた。特にA−1及びB−1の各プライマーは表面状態が脆弱な乾式外壁材に対しても優れた補強効果が確認された。
これに対し、比較例1,2のセメントペーストは、平均的な性能を示すものの付着力が劣るものであり、改修下地には不向きであった。
また、表4より明らかなように透湿性ポリマーセメントペーストと新及び旧サイデイングボード仕上げ材に使用される樹脂系仕上げ塗膜との付着力は高く、仕上げ塗膜の剥離等を生じないことが確認された。
さらに、表5より明らかなように軽量セメント下地に対する網材の著しい補強効果も確認された。
【0024】
〔施工実験〕
乾式外装下地に対する化粧仕上げ工法施工実験を実際の現場にて下記の項目において実験した。
【0025】
1.乾式外装下地;新サイデイングボード
塗材;SBR系セメントペースト+無機系仕上げ
千葉県茂原市新築戸建て住宅180mにて施工試験を行った。新サイデイングボードにSBR系セメントペースト(『ARICE高透湿性接着用ペースト』富士川建材工業(株)製)を塗布し、ジョイント部に網材(グラスファイバーネット;TD5×5質量130g/m,日本電気硝子(株)製)を伏せ込み、養生後、無機系仕上げ(『レーヴ』外装用,富士川建材工業(株)製)を行った。
1年6ヶ月経過したがクラックや剥離等の欠陥はみられなかった。
【0026】
2.乾式外装下地;新サイデイングボード
塗材;アクリル系セメントペースト+樹脂系仕上げ
埼玉県旧大宮市新築戸建て住宅175mにて施工試験を行った。新サイデイングボードにアクリル系セメントペースト(『ヨドゾールAF943』日本エヌエスシー(株)製の原液26.5%を前記表2のD−1のポリマーセメントペースト混入)を塗布し、ジョイント部に網材(グラスファイバーネット;TD5×5質量130g/m,日本電気硝子(株)製)を伏せ込み、養生後、樹脂系厚塗り仕上げ(『ジョリパット300』アイカ工業(株)製)を行った。
1年10ヶ月経過したがクラックや剥離等の欠陥はみられなかった。
【0027】
3.乾式外装下地;旧サイデイングボード
塗材;アクリル系プライマー+SBR系セメントペースト+無機系仕上げ
神奈川県横浜市にて外壁改装戸建て住宅150mにて施工試験を行った。旧サイデイングボード下地の高圧洗浄を行い、乾燥後アクリル系プライマー(『ポリゾールAP−1350』昭和高分子(株)製)を塗布し、SBR系セメントペースト(『ARICE高透湿性接着用ペースト』富士川建材工業(株)製)を塗布し、ジョイント部に跨るように網材(グラスファイバーネット;TD5×5質量130g/m,日本電気硝子(株)製)を伏せ込み養生後、無機系仕上げ(『レーヴ』外装用,富士川建材工業(株)製)を行った。
2年経過したがクラックや剥離等の欠陥は見られなかった。
【0028】
4.乾式外装下地;旧サイデイングボード
塗材;アクリル系プライマー+アクリル系セメントペースト+樹脂系仕上げ神奈川県川崎市外壁改装戸建て住宅200mにて施工試験を行った。旧サイデイングボード下地の高圧洗浄を行い、乾燥後アクリル系プライマー(『ポリゾールAP−1350』昭和高分子(株)製)を塗布し、アクリル系セメントペースト(『ヨドゾールAF943』日本エヌエスシー(株)製の原液26.5%を前記表2のD−1のポリマーセメントペーストに混入)を塗布し、ジョイント部に網材(グラスファイバーネット;TD5×5質量130g/m,日本電気硝子(株)製)を伏せ込み養生後、樹脂系樹脂系厚塗り仕上げ(『ジョリパット300』アイカ工業(株)製)を行った。
2年1ヶ月経過したがクラックや剥離等の欠陥は見られなかった。
【0029】
5.乾式外装下地;旧サイデイングボード
塗材;SBR系セメントペースト+軽量モルタル+無機系仕上げ
埼玉県深谷市外壁改修戸建て住宅200mにて施工試験を行った。旧サイデイングボード下地の高圧洗浄を行い、SBR系セメントペースト(『ARICE高透湿性接着用ペースト』富士川建材工業(株)製)を塗布し、ジョイント部に網材(グラスファイバーネット;質量130g/m,日本電気硝子(株)製)を伏せ込み、軽量モルタル25kg(『ラスモル』富士川建材工業(株))に合成樹脂エマルジョン(『シーレックス』富士川建材工業(株)製)1kg混入による下地調整を行い、全面に網材(グラスファイバーネットTD5×5;質量130g/m,日本電気硝子(株)製)を伏せ込み養生後、無機質仕上げ(『レーヴ』外装用,富士川建材工業(株)製)を行った。軽量モルタルを施工する事により改修前と比較するとジョイント及び段差の無い平滑面に仕上げることができた。
施工2年が経過したがクラックや剥離等の欠陥は見られなかった。
【0030】
6.乾式外装下地;旧サイデイングボード
塗材;アクリル系プライマー+アクリル系セメントペースト+軽量モルタル+樹脂系仕上げ
広島県福山市外壁改装戸建て住宅150mにて施工試験を行った。施主の希望により重量感のある外壁の希望により旧サイデイングボードに高圧洗浄を行い、アクリル系プライマー(『ポリゾールAP−1350』昭和高分子(株)製)を塗布し、アクリル系セメントペースト(『ヨドゾールAF943』日本エヌエスシー(株)製の原液26.5%を前記表2のD−1のポリマーセメントペーストに混入)を塗り付け、ジョイント部には網材(グラスファイバーネットTD5×5質量130g/m,日本電気硝子(株)製)を伏せ込んだ後軽量モルタル25kg(『ラスモル』富士川建材工業(株))に合成樹脂エマルジョン(『シーレックス』富士川建材工業(株))1kg混入、を塗り付け、全面に網材(グラスファイバーネットTD5×5;質量130g/m,日本電気硝子(株)製)を伏せ込み、樹脂系仕上げ(『弾性リシン ビオ』富士川建材工業(株)製)を行った。
施工1年が経過したがクラックや剥離等の欠陥は見られなかった。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の乾式外装下地の化粧仕上げ工法は、従来から多様されている種々の乾式外装下地金属系、窯業系、合成樹脂系等の新旧下地に容易に質感のある湿式外装仕上げを施し、化粧仕上げを行う事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例における網材の補強効果(強度)を測定するための測定方法を示す側面図である。
【図2】実施例におけるジョイント部の補強効果(強度)を測定するための測定方法を示す側面図である。

Claims (2)

  1. 乾式外装下地に、イソシアネート基を0.5〜10重量%及び加水分解性シラン基を(珪素原子を基準として)0.4〜7.5重量%含有して分子量が3000〜50000であるポリマーを主成分とする一液硬化型樹脂組成物、及び/又は150Mpa・s以下の粘性を持つ水系樹脂組成物、及び/又は透湿性ポリマーセメントペースト、及び/又はガラス転移点が−20℃〜0℃の合成樹脂エマルジョンを含むポリマーセメントペーストを塗着した後、必要に応じて合成樹脂を混入した軽量モルタル、又は合成樹脂を混入したモルタル組成物を塗着し、質量が40〜250g/mで、引張強度が100kgf/mm以上の網材を乾式外壁材のジョイント部及び/又はモルタルの表面又は内部に埋設し、仕上げ施工することを特徴とする乾式外装下地の化粧仕上げ工法。
  2. 合成樹脂を混入した軽量モルタルは、セメント20〜60wt%、無機質混和材20〜60wt%、有機質混和材2〜10wt%で、練り上り時の単位容積質量が1.0〜1.5であることを特徴とする請求項1に記載の乾式外装下地の化粧仕上げ工法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011137300A (ja) * 2009-12-28 2011-07-14 Housing Yamachi Co Ltd 木造建築物における外壁の形成方法

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