JP2004211384A - 弾性下地調整モルタル、及び弾性下地調整モルタルを用いた下地調整工法 - Google Patents

弾性下地調整モルタル、及び弾性下地調整モルタルを用いた下地調整工法 Download PDF

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Abstract

【課題】各種建築物の施工に用いられる例えば充填樹脂系断熱材、木毛セメント板、サイディング目地、或いは合板下地などの各種下地に仕上げ材を塗り付ける際に使用し、特に剛性の小さな下地の乾湿・温冷ムーブメントに対して高い追従性及び制止力を示し、施工に際し、下こすり後塗り厚2〜3mmまで容易に平滑化でき、養生後、下地との付着力が高く、また仕上げ材との付着力も高く、低吸水で硬化乾燥後には伸び弾性により、ひび割れ、外部雨水の浸入を防ぐことができ、衝撃に対しては、高強度の短繊維により緩衝効果を示す弾性下地調整モルタル、及び弾性下地調整モルタルを用いた下地調整工法を提案する。
【解決手段】本発明の弾性下地調整モルタルは、硬化体の面内方向の伸び弾性がダンベル2号で2.0〜5.0mmであり、且つ付着試験による硬化体の面外方向の伸び弾性が1.0〜2.7mmであって、低吸水、高付着力を示し、容易に平滑化でき、硬化後長期間弾性を維持し、下地等の温冷・乾湿の動きに対して追従する柔軟性を有し、ひび割れが起きにくいことを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種建築物の施工に用いられる例えば充填樹脂系断熱材、木毛セメント板、サイディング目地、或いは合板下地などの各種下地に仕上げ材を塗り付ける際に使用し、特に剛性の小さな下地の乾湿・温冷ムーブメントに対して高い追従性及び適度な制止力を示し、施工に際し、下こすり後塗り厚2〜3mmまで容易に平滑化でき、養生後、下地との付着力が高く、また仕上げ材との付着力も高く、低吸水で硬化乾燥後には伸び弾性により、ひび割れ、外部雨水の浸入を防ぐことができ、衝撃に対しては、高強度の短繊維により緩衝効果を示す弾性下地調整モルタル、及び弾性下地調整モルタルを用いた下地調整工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種建築物の施工に用いられる充填樹脂系断熱材、木毛セメント板、サイディング目地、又は合板下地などの各種下地に仕上げ材を塗り付ける際には、樹脂エマルジョンにセメント粉体を混合したものが用いられているが、このようなモルタルは、断熱材に対する付着強度のみが重視されているものであって、断熱材の乾湿・温冷ムーブメントに対して追従したり、衝撃に対して緩衝効果を示すような材料では無かった。また施工に際しても、以下▲1▼〜▲4▼に示すように工法を選択し、断熱材から縁を切る工法が多く、直接断熱材に施工する確定した工法がないという問題があった。
【0003】
▲1▼樹脂系断熱材に対し、樹脂エマルジョン、例えばSBR樹脂、アクリルカチオン樹脂、或いはエチレン・酢酸ビニル共重合樹脂を混和材としたセメントモルタルを下地として施工する下地調整工法。
▲2▼木質系断熱材に対し、樹脂セメントペーストを下塗りし、軽量サンドモルタルにより施工する下地調整工法。
▲3▼樹脂及び木質断熱材を胴縁により縁を切り、ラス工法により軽量モルタルを塗りを行う下地調整工法。
▲4▼断熱材に直接ラスを張り軽量モルタルを塗りを行う下地調整工法。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の▲1▼〜▲4▼の各工法は、それぞれ以下に示すような施工上、品質上の問題点を有していた。
【0005】
前記▲1▼の工法の場合;
(施工上の問題点)
前記▲1▼の工法では、断熱材に対する接着力(付着強度)は確保できるが、断熱材のジョイント部下地からの衝撃による断熱材の動き、剛性の小さな断熱材の乾湿・温冷ムーブメントに対しての追従性、緩衝性がないため、クラックを生じ、表層に追従性・防水性の高い複層仕上げ材を選択する必要がある。
(品質上の問題点)
上述のように仕上げ材を厳密に管理しない場合には、断熱材の劣化が起き、断熱材・モルタル層間での接着不良を生じ易い。
【0006】
前記▲2▼の工法の場合;
(施工上の問題点)
現場調合でセメントと接着剤(エチレン酢酸ビニル系、アクリル系、SBR系等の樹脂エマルジョン)を混練りして使用するもので、断熱材に対する接着力は確保できるが、断熱材のジョイント部下地からの衝撃による断熱材の動き、剛性の小さな断熱材の乾湿・温冷ムーブメントに対しての追従性、緩衝性がないため、クラックを生じ、表層に追従性・防水性の高い複層仕上げ材を選択する必要がある。
(品質上の問題点)
製造業者の定める標準の使用方法で使用した場合は品質は安定しているが、配合が数種類に及ぶため、現場での配合管理を怠ると安定した性能を示しにくい。また、仕上げの平滑さにかけ、セメントの配合割合が多いためモルタルの収縮量が大きい。
【0007】
前記▲3▼の工法の場合;
(施工上の問題点)
断熱材下地に胴縁を留め付けラス工法により軽量セメントモルタルで仕上げるため、施工工程の管理が必要であり、胴縁の固定確実にとらないと、モルタルの浮きや収縮クラックが入りやすい。軽量セメントモルタルにも、施工管理が必要である。
(品質上の問題点)
の胴縁及びラス施工管理及び軽量セメントモルタル施工管理を十分に行わないと性能が安定せず、不確実である。
【0008】
前記▲4▼の工法の場合;
(施工上の問題点)
木質系断熱材のみの施工に使用でき、樹脂系断熱材にはラス固定が困難のため不向きである。
(品質上の問題点)
ラスを固定できれば安定した性能が出るが、防水は難しい。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記に鑑み提案されたもので、硬化体の面内方向の伸び弾性がダンベル2号で2.0〜5.0mmであり、且つ付着試験による硬化体の面外方向の伸び弾性が1.0〜2.7mmであって、低吸水、高付着力を示し、容易に平滑化でき、硬化後長期間弾性を維持し、下地等の温冷・乾湿の動きに対して追従する柔軟性を有し、ひび割れが起きにくいことを特徴とする弾性下地調整モルタルに関するものである。
即ち本発明は、弾性下地調整モルタルの検討に際し、薄膜状に形成する硬化体の面内方向(=同一面方向)及び面外方向(=面に直交する方向,厚み方向)のそれぞれにおいてひび割れの原因となる伸張応力、圧縮応力について瞬間的又は遅滞的な作用が加えられた場合を想定し、例えばスポンジ状の発泡樹脂成形体のように単に何れに方向に対しても弾性があれば良いというのではなく、例えば断熱材等の下地や仕上げ材のムーブメントに対して追従でき、且つ該ムーブメントをある程度制止できるような特性が求められ、硬化体の面内方向且つ面外方向の伸び弾性が特定の範囲にあることが最も重要であることを見出して本発明に至った。
【0010】
また、本発明の弾性下地調整モルタルは、剛性の小さな断熱材の乾湿・温冷ムーブメントに対して高い追従性を示し、施工に際し、下こすり後塗り厚2〜3mmまで容易に平滑化でき、養生後断熱材等下地との付着力が高く、また樹脂との付着力も高く、低吸水で硬化乾燥後弾性によりひび割れ、外部雨水の浸入を防ぐことができ、衝撃に対しては高強度の短繊維により緩衝効果を示すことを特徴とし、下地調整工法に好適に使用される。さらに下地調整工法以外の他工法にも他一般のセメントモルタルと同様に使用でき、下地への接着力に優れ、長期安定性に優れている。
【0011】
尚、上記下地調整工法では、下地調整材として記述したが、応用として塗装下地、防水モルタル、詰めモルタル等にも適用できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明は、前述のように、硬化体の面内方向の伸び弾性がダンベル2号で2.0〜5.0mmであり、且つ付着試験による硬化体の面外方向の伸び弾性が1.0〜2.7mmであることが最も重要であり、前述の弾性下地調整モルタルの種々の問題点を解消し、各種下地に仕上げ材を塗り付ける際に使用し、特に剛性の小さな断熱材の乾湿・温冷ムーブメントに対して高い追従性を示し、施工に際し、下こすり後塗り厚2〜3mmまで容易に平滑化でき、養生後、下地との付着力が高く、また仕上げ材との付着力も高く、低吸水で硬化乾燥後には伸び弾性により、ひび割れ、外部雨水の浸入を防ぐことができ、衝撃に対しては、高強度の短繊維により緩衝効果を示す特性を持たせることができることを見出した。
硬化体の面内方向の伸び弾性がダンベル2号で2.0mmより小さい場合や付着試験による硬化体の面外方向の伸び弾性が1.0mmより小さい場合には、配合成分に大きな制限が与えられることになり、バランスの良い特性を満足する配合が得られ難く、吸水量も高くなる。また、弾性が悪く、圧縮ヤング率も低いため、ひび割れが発生し易い。逆に、硬化体の面内方向の伸び弾性がダンベル2号で5.0mmより大きい場合や付着試験による硬化体の面外方向の伸び弾性が2.7mmより大きい場合には、作業性、特に塗り付け作業が困難となり、圧縮強度や曲げ強度なども低く、靱性も悪く、付着強度も低いものとなる。
【0013】
本発明において、「低吸水」とは、具体的には硬化体の吸水量が2.0g以下であり、より望ましくは0.5g以下である。
「高付着力」とは、具体的には付着強度が0.6N/mm以上であり、より望ましくは1.0N/mm以上である。
「容易に平滑化でき」るとは、具体的には表面仕上げに際してもコテを使用して容易に平滑化できることであり、作業性にて確認される。
「下地等の温冷・乾湿の動きに対して追従する柔軟性を有し、ひび割れが起きにくい」とは、具体的には圧縮ヤング率や曲げ強度、圧縮強度等により確認され、圧縮ヤング率は1.0〜5.5×10−3N/mm、より望ましくは2.5〜4.0×10−3N/mmであり、曲げ強度は2.2N/mm以上、より望ましくは5.0N/mm以上であり、圧縮強度は3.9N/mm以上、より望ましくは10.0N/mm以上である。
【0014】
さらに、それら以外の特性として、以下の要求品質(品質基準JIS A 6916)を満足することが望ましい。
軟度変化:±20以下
耐衝撃性:ひび割れ及びはがれのないこと
透水量:0.5g以下
耐久性:割れ、膨れ及びはがれがなく、付着強さが1.0N/mm以上であること
下地との追従性が良いこと
【0015】
このような特性を有する弾性下地調整モルタルは、以下の組成割合を有し、且つ前記伸び弾性を有するものが選択される。
セメント17〜52wt%と、無機質骨材30〜60wt%と、短繊維0.18〜0.3wt%と、有機質混和剤2.7〜7.3wt%と、ガラス転移点(Tg)が−10℃以下の樹脂8.5〜22wt%を含有する。
【0016】
前記各成分割合の範囲外のモルタルを使用した場合には、前記伸び弾性も特性も殆ど得られない。
例えば前記のようにセメントの配合量は17〜52wt%であるが、17wt%未満では、塗り付け作業が困難となり、圧縮強度、曲げ強度等が低い値となり、付着強度も低くなる傾向がある。逆に52wt%を超えると、弾性が悪く、圧縮ヤング率も低くなり、吸水量も高くなるため、ひび割れが発生し易くなる。望ましくはセメントの配合量は22〜37.5wt%である。
このセメントとしては、普通ポルトランドセメント等の各種セメントが使用できる。
【0017】
また、前記のように無機質骨材の配合量は30〜60wt%であるが、30wt%未満では、作業性が悪くなり、60wt%を超えると、粒度分布が悪くなり、水比が上昇し、且つ弾性も小さくなり、強度は低下する。望ましくは無機質骨材の配合量は40〜60wt%である。
この無機質骨材としては、各種骨材が使用でき、特に硅砂、石灰石、シラスバルーン等が好適に使用できる。
【0018】
前記のように短繊維の配合量は0.18〜0.3wt%であるが、0.18wt%未満では、硬化前のモルタルをつなぎ止める効果に欠け、0.3wt%を超えると、混練り時に空気を連行し、強度不足になる。望ましくは短繊維の配合量は0.18〜0.22wt%である。
この短繊維としては、繊維集束型アクリル繊維、ポリオレフィン系補強繊維、耐アルカリガラス繊維、カーボン繊維、ビニロン繊維、ポリエチレン繊維等の繊維が使用できる。望ましくはポリエチレン繊維が良く、繊維カット長は6〜12mmが最適であるが、施工塗り厚により決定すればよい。
【0019】
また、前記のように有機質混和剤の配合量は2.7〜7.3wt%であるが、2.7wt%未満では、接着不良が生じ易く、収縮も悪くなり、7.3wt%を超えると、硬化不良が生じ易く、作業性も低下する。望ましくは有機質混和剤の配合量は3.0〜6.0wt%である。
この有機質混和剤としては、減水剤、増粘剤、収縮低減剤、消泡剤、空気連行剤、硬化遅延剤等を適宜に選択して用いるが、例えば水溶性増粘剤としては、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、エチレンヒドロキシエチルセルロース等、高性能減水剤としては、ナフタリンスルホン酸縮合塩、スルホン化メラミン縮合塩等、収縮低減剤としては、ポリオキシアルキレン化合物、低級アルコールのアルキレンオキシド付加物等、防水剤及び分散剤としてはステアリン酸アルミニウム等の脂肪酸金属塩等が使用できるが、公知の有機質混和剤を適宜に選定して使用することができる。
【0020】
さらに、前記のようにガラス転移点(Tg)が−10℃以下の樹脂の配合量は8.5〜22wt%であるが、8.5wt%未満では、伸び弾性が不足し、下地(断熱材)や仕上げ材のムーブメントに対する追従性が低くなり、ひび割れ、剥離や剥落が生じ易くなり、22wt%を超えると、下地(断熱材)や仕上げ材のムーブメントを制止する効果が低くなり、ひび割れが生じ易くなる。また、この樹脂のガラス転移点(Tg)が−10℃より高いと、伸び弾性を付与する効果が低くなる。望ましくは樹脂のガラス転移点(Tg)は−15℃以下である。
この樹脂としては、エマルジョン型、溶液型等を用いても同等の性能を発揮できるが、特に酢酸ビニル−ベオバ、エチレン酢酸ビニル、アクリル樹脂等の再乳化形樹脂粉末(再乳化形粉末樹脂ともいう)を好適に使用できる。尚、特にこの樹脂においては使用量において著しく作業性の低下を引き起こすため混入量には注意し、作業性が悪くなる場合は低粘性のメチルセルロースを使用するか又は作業性において考慮した樹脂を使用することが望ましい。
【0021】
これらの各成分は何れの成分が欠けたり、また適性範囲でない場合には、前述の特性を得ることができない。特にモルタル成分として一般的に用いられるセメントや無機質骨材、有機質混和剤に対し、短繊維やガラス転移点(Tg)が−10℃以下の樹脂(再乳化形樹脂粉末)の配合は重要である。
即ち本発明の弾性下地調整モルタルの薄膜状の硬化体において、ガラス転移点(Tg)が−10℃以下の樹脂(再乳化形樹脂粉末)の配合は、硬化体に柔軟性、撓み性、伸び性を付与する。そのため、硬化体の上側に位置する仕上げ材と下側に位置する下地とが面方向に相対的にずれ動く場合、ゆっくりとした動きであれば追従することができる。しかし、瞬間的なずれ動き(衝撃)に対しては、配合された短繊維が、コテ塗りなどにより横方向(面内方向)に向いた状態でマトリックス中に存在しているため、その横方向のずれ動き(衝撃)を面内方向及び面外方向の弾性で吸収する役割を果たし、仕上げ材と下地の何れかにひび割れが生じたり、剥離や剥落などが生ずることを抑止する。また、下地にクラックが入った場合も、短繊維の強度でクラックの開きを最小限に制止して仕上げ材にひび割れが生ずることを抑止することができる。
【0022】
こうして得られた本発明の弾性下地調整モルタルは、前述の特性を有するが、樹脂として再乳化型樹脂粉末を用いた場合には一粉型の既調合モルタルとなるため、弾性下地調整工法における弾性下地調整材としてモルタル混練り時のセメント及び骨材、樹脂等の計量ミスが防止でき、常に安定した品質が得られ、現場での資材等の運搬や混練りの作業性が向上することができる。
【0023】
本発明の弾性下地調整モルタルは、実際の要求性能により、前記範囲において各種物性、作業性等を考慮し、配合を適宜に選定すれば良い。
【0024】
【実施例】
表1に示す6種の組成を有する弾性下地調整モルタルを用い、各種物性試験を行い、表1に併記した結果を得た。尚、樹脂(再乳化形樹脂粉末)については、4種のガラス転移点のものを配合例3の組成にて予め行った表2の結果を受け、ガラス転移点(Tg)が−20℃のものを用いた。また、短繊維については、ナイロン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、アクリル繊維を配合例3の組成にて予め曲げ強度、曲げエネルギーを測定した結果を受け、最も優れていたポリエチレン繊維を用いた。
【0025】
各試験及び評価の方法については、JIS A 1916(建築仕上げ塗材用下地調整塗材)に規定される試験方法により行った。
作業性の評価は4段階とし、×不可、△可、○は良、◎は優であり優良可不可を詳細に判別できるよう細分化して表示した。
◎は作業性良く(コテサバキが軽い)、一定面積を短時間に施工できる。
○は作業性は普通で一定面積施工も標準的である。
△は作業性がやや悪く(コテサバキがやや重い)一定面積の施工に時間を要す。×は作業性が悪い(コテサバキが重扱いにくい)。
面内方向弾性の評価はダンベル2号を用い、毎分1mmの速度で伸ばした時の伸び変位を4段階とし、×不可、△可、○は良、◎は優であり優良可不可を詳細に判別できるよう細分化して表示した。
◎は非常に良く伸びる。
○は良く伸びる。
△は伸びる。
×はやや伸びる。
面外方向弾性の評価は付着試験を用い、毎分1mmの速度で伸ばした時の伸び変位を4段階とし、×不可、△可、○は良、◎は優であり優良可不可を詳細に判別できるよう細分化して表示した。
◎は非常に良く伸びる。
○は良く伸びる。
△は伸びる。
×はやや伸びる。
長期弾性の評価は硬化後の柔軟性を維持できる期間を4段階とし、×不可、△可、○は良、◎は優であり優良可不可を詳細に判別できるよう細分化して表示した。
◎は1ヶ年以上。
○は1ヶ年以下。
△は6ヶ月以下。
×は2ヶ月以下。
靱性の評価はモルタルの物理的強度(曲げ及び圧縮強度)について4段階とし、×不可、△可、○は良、◎は優であり優良可不可を詳細に判別できるよう細分化して表示した。
◎は強度大。
○は強度中。
△は強度小。
×は強度微小。
【0026】
【表1】
Figure 2004211384
【表2】
Figure 2004211384
【0027】
上記弾性下地調整モルタルを用いた下地調整工法に関する施工を実際の現場において実験検証した。
【0028】
〔施工例1〕
表1に示す配合例3の弾性下地調整モルタル(富士川建材工業(株)製)を用い、東京都西早稲田においてRC造3階木毛セメント板(MKボード:(株)エム・ケー製)200mm外壁下地調整平均塗り厚3mmを行い、1週間養生後、無機仕上げ材(レーヴ外装用:富士川建材工業(株)製)8mm施工を行った。施工時の作業性・外観及び性能性能には問題等なく3ヶ月経過するがひび割れ及び剥落等欠陥はない。
【0029】
〔施工例2〕
表1に示す配合例2の弾性下地調整モルタル(富士川建材工業(株)製)を用い、茨城県結城市においてRC造2階1階南部分約10m、外壁樹脂断熱板下地調整平均塗り厚3mmを行い、2時間養生後、無機仕上げ材(キャンドル:富士川建材工業(株)製)3mm施工を行った。施工時の作業性・外観及び性能には問題等なく6ヶ月経過するがひび割れ及び剥落等欠陥はない。
【0030】
〔施工例3〕
表1に示す配合例3の弾性下地調整モルタル(富士川建材工業(株)製)を用い、北海道札幌市において木造1階1階南部分合板下地約50m、弾性外壁下地調整モルタル平均塗り厚2mmを行い、1日間養生後下地プラスター塗り(SSプラスター:富士川建材工業(株)製)2時間後、漆喰(白い壁:富士川建材工業(株)製)施工を行った。施工時の作業性も良く、1年経過するがタイル浮き及び剥落等欠陥はない。
【0031】
以上本発明を実施例に基づいて説明したが、本発明は前記した実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した構成を変更しない限りどのようにでも実施することができる。
【0032】
【発明の効果】
本発明の弾性下地調整モルタル、及びそれを用いた下地調整工法は、充填樹脂系断熱材や木毛セメント板等の各種下地に仕上げ材を塗り付ける際に使用し、特に剛性の小さな下地の乾湿・温冷ムーブメントに対して高い追従性を示し、施工に際し、下こすり後塗り厚2〜3mmまで容易に平滑化でき、養生後、下地との付着力が高く、また仕上げ材との付着力も高く、低吸水で硬化乾燥後弾性によりひび割れ、外部雨水の浸入を防ぐことができ、衝撃に対しては高強度の短繊維により緩衝効果を示すので、各種建築物の施工に好適に利用することができる。

Claims (5)

  1. 硬化体の面内方向の伸び弾性がダンベル2号で2.0〜5.0mmであり、且つ付着試験による硬化体の面外方向の伸び弾性が1.0〜2.7mmであって、低吸水、高付着力を示し、容易に平滑化でき、硬化後長期間弾性を維持し、下地等の温冷・乾湿の動きに対して追従する柔軟性を有し、ひび割れが起きにくいことを特徴とする弾性下地調整モルタル。
  2. 硬化体の吸水量が2.0g以下であり、付着強度が0.6N/mm以上であり、作業性に優れ、圧縮ヤング率は1.0〜5.5×10−3N/mmであり、曲げ強度は2.2N/mm以上であり、圧縮強度は3.9N/mm以上であることを特徴とする請求項1に記載の弾性下地調整モルタル。
  3. セメント17〜52wt%と、無機質骨材30〜60wt%と、短繊維0.18〜0.3wt%と、有機質混和剤2.7〜7.3wt%と、ガラス転移点が−10℃以下の樹脂8.5〜22wt%を含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の弾性下地調整モルタル。
  4. 短繊維はポリエチレン繊維であることを特徴とする請求項3に記載の弾性下地調整モルタル。
  5. 下地調整工法に、請求項1〜4の何れか一項に記載の弾性下地調整モルタルを下地調整材として用いることを特徴とする弾性下地調整モルタルを用いた下地調整工法。
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