JP2002201057A - 断熱性モルタル - Google Patents

断熱性モルタル

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JP2002201057A
JP2002201057A JP2000400573A JP2000400573A JP2002201057A JP 2002201057 A JP2002201057 A JP 2002201057A JP 2000400573 A JP2000400573 A JP 2000400573A JP 2000400573 A JP2000400573 A JP 2000400573A JP 2002201057 A JP2002201057 A JP 2002201057A
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mortar
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heat insulating
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JP2000400573A
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Yoshito Uramoto
義人 浦本
Yoichi Kono
陽一 河野
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Toagosei Co Ltd
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Toagosei Co Ltd
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    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
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    • Y02W30/91Use of waste materials as fillers for mortars or concrete

Abstract

(57)【要約】 【課題】施工性及び硬化物の機械的特性に優れた断熱モ
ルタルを提供する。 【解決手段】セメント、潜在水硬性物質、中空微粒子、
繊維、水溶性樹脂及び水を含有し、潜在水硬性物質の含
有割合がセメントとの総量を基準にして8重量%以上6
0重量%以下である断熱性モルタル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は断熱性モルタルに関
するものであり、建築物の保温、保冷、結露防止などの
省エネルギーや住環境の向上に広く適用できるものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、住宅の密閉性が上がり壁面や壁内
の結露が問題になっていること、住宅の省エネルギー化
が進展し内外壁面の熱絶縁が重要になってきたことか
ら、断熱材が多用されるようになっている。また、住宅
構造の複雑化と断熱部位が拡大してきていること、住宅
の不燃化が進み火災時の外壁からの熱遮断が重要になっ
てきたことに伴い、現場施工型の不燃性断熱材が要求さ
れてきている。
【0003】従来、建築物の断熱には壁内に若しくは壁
外に接触させて、(1)ブロック状に梱包したロックウ
ール、ガラスウールなどの繊維状充填材を設置する方
法、(2)板状に加工した発泡ポリウレタン、ポリスチ
レンなどの樹脂発泡体を設置する方法、(3)板状に加
工したパーライト、シラスバルーンなどの無機発泡体の
固結体を設置する方法、(4)現場にてポリウレタンな
どの樹脂を発泡させて塗布する方法、(5)現場にてパ
ーライト、ポリスチレンなどの発泡粒子を配合したモル
タルなどを塗布する方法 が有る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上の技術はそれぞれ
次の欠点を有している。即ち(1)は垂直壁の場合、長
期に使用しているうちに断熱材の自重により断熱材が下
部に圧縮されてしまい、壁上部の断熱性が無くなってし
まう欠点が有る。(2)は長期的にも優秀な断熱性を保
持するものの、耐火性に問題が有る。(3)は曲げに弱
く脆いなど取扱いが難しく、壁などの境界構造体として
の力学物性に問題が有る。(4)は断熱性が良い現場施
工型の断熱材であるが、耐火性に問題がある。(5)は
現場施工型の断熱材であるが、代表的なパーライトモル
タルの場合、熱伝導率が0.2kcal/m2hr℃以上
と断熱性が劣り、これより断熱性を上げるため無機や有
機の発泡粒子を多く配合したものは、壁面などに適用す
る場合、硬化物の硬度や圧縮強さが劣り、モルタルやパ
ネルにより表面を保護する必要が出てくる。また、一度
に塗装可能な厚みが制限され、50mm以上の厚みを塗装
する時には日を掛け、重ね塗りする必要があるなどの工
程上の問題が有る。特公平8−5733号、特許275
726号、同2868578号、同2868579号に
示された断熱性のモルタル組成物は、いずれも断熱性は
良いものの硬化物の硬度や圧縮強さが劣り、厚塗りが難
しいものである。本発明は、施工性及び硬化物の機械的
特性に優れた断熱モルタルを提供することを課題とする
ものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するため鋭意検討した結果、潜在水硬性物質を含
むセメント材配合物と、中空微粒子、繊維、水溶性樹
脂、及び水を配合することにより、現場施工型で一度に
厚塗り可能な不燃性断熱材ができることを見出し、本発
明を完成した。即ち、本発明は、セメント、潜在水硬性
物質、中空微粒子、繊維、水溶性樹脂及び水を含有し、
潜在水硬性物質の含有割合がセメントとの合計量を基準
にして8重量%以上60重量%以下である断熱性モルタ
ルである。以下、本発明を詳細に説明する。
【0006】
【発明の実施の形態】(1)断熱モルタルの構成成分 本発明組成物の構成成分につき説明する。 1)潜在水硬性物質 本発明で使用される潜在水硬性物質は、それのみでは水
硬性を発現しないが、ポルトランドセメントなどのセメ
ント材と接触すると、水硬性を発現する性質を有する物
質である。好ましい潜在水硬性物質としてポゾラン及び
酸性白土等がある。好ましいポゾランとして、具体的に
は天然ポゾランである珪酸質火山灰,蛋白石質頁岩,か
焼珪藻土,焼成粘土、及び人工ポゾランであるシリカフ
ューム,高炉水砕スラグ,フライアッシュ等がある。こ
れらの潜在水硬性物質は2種以上併用することが可能で
ある。本発明には、なかでも均質で水溶性が高くポゾラ
ン反応助長性の優れた人工ポゾランが好ましく、更にモ
ルタルとしての強さと硬化の速さを得るためには、シリ
カフューム,高炉水砕スラグが特に好ましい。潜在水硬
性物質の配合量は併用するセメントとの総量に対して、
8重量%以上60重量%以下含むことが必要である。8
重量%未満の場合は、下地に対する密着性が劣り浮きが
生ずる。60重量%を越える場合は、吸水性が強すぎて
コテ塗工性が不良となり、そのため水を多く配合すれば
硬化〜乾燥時のクラックが発生しやすくなること、及び
硬化物の硬度や強さが大幅に減じるなど実用に耐えなく
なる。
【0007】2)セメント 本発明におけるセメントは、前記の潜在水硬性物質と共
に硬化物の機械物性を高めるために必要な水硬性物質で
あり、好ましいセメントは、ポルトランドセメントであ
る。セメントの内で、既に所定量の潜在水硬性物質を含
んでいるもの、即ち、高炉セメント(JIS R521
1におけるA種の一部及びB種),シリカセメント(J
IS R5212におけるB種及びC種),フライアッ
シュセメント(JISR5213におけるB種及びC
種)などは本発明においてそのまま用いることが可能で
ある。高炉セメント,フライアッシュセメント,シリカ
セメントの内、潜在水硬性物質が少ないものや、普通ポ
ルトランドセメント,早強ポルトランドセメント,超早
強ポルトランドセメント,白色ポルトランドセメント,
中庸熱ポルトランドセメント,アルミナセメント,超速
硬化セメント,特殊セメントなどは、所定量の1種また
は2種以上の潜在水硬性物質を配合して「セメント材配
合物」とすることができる。これらのセメント材配合物
は、多種類の潜在水硬性物質やセメント材から適宜選択
することにより必要な硬化速度や色調を調整することが
できる。これらセメント材配合物の量は、塗装時のモル
タルペースト全量に対し25重量%以上で60重量%以
下が好ましい。25重量%未満の場合、硬化物の硬度や
強さが低く、また、下地との密着性が劣るなど実用性が
低下する。60重量%を越える場合、硬化物の熱伝導率
が高いので厚い塗膜が必要となる一方、比重が高いため
一度で厚塗りが困難となることから実用性が低下する恐
れがある。
【0008】3)中空微粒子 本発明では、断熱性を付与する材料として中空微粒子を
用いる。好ましい中空微粒子は有機樹脂及び/または無
機化合物により形成されたものである。好ましい有機樹
脂製の中空微粒子は、ポリ塩化ビニリデンバルーン,ポ
リアクリロニトリルバルーン,ポリスチレンバルーン,
ポリエチレンバルーン,ポリプロピレンバルーン及びこ
れらの共重合樹脂バルーンなどである。好ましい無機化
合物製の中空微粒子は、アルミノシリケートバルーン,
パーライトバルーン,シラスバルーン,ガラスバルーン
などである。これらの中空微粒子の好ましい平均粒径は
10μm以上300μm以下である。10μm未満では
配合時の取扱いが不便であり、300μmを超える平均
粒径の中空粒子を用いたモルタル組成物は、塗材として
表面性や塗工性が悪く、必要な断熱性を得るべく多量に
中空粒子を配合したモルタル組成物のコテ塗工性は、ほ
とんど不能となる恐れがある。
【0009】これらの中空微粒子において、有機樹脂系
が断熱性が優れる点で好ましく、有機樹脂バルーンのな
かでは、難燃性の高いポリ塩化ビニリデンバルーンまた
はその共重合体バルーン,ポリアクリロニトリルバルー
ンまたはその共重合体バルーンが特に好ましい。これら
の中空微粒子は見かけ比重(粒子全体としての比重)の
調整のため、あるいは塗装時のモルタルペースト内での
親和性を変えるため、炭酸塩や珪酸塩などの無機塩類、
ポゾラン、界面活性剤、シラン系やチタン系などの有機
金属系カップリング剤などの、有機質,無機質の処理剤
を中空微粒子表面に付着させ、表面処理を施したものを
使用できる。中空微粒子の好ましい配合量は、塗装時の
モルタルペーストの全体積に対し30体積%以上60体
積%以下である。30体積%未満の場合、熱伝導率が大
きくなるため厚い塗膜が必要となるが、比重が大きくな
るため厚塗りが難しくなる。60体積%を越える場合、
コテ作業性が悪く、良好な塗装面と下地との密着性を確
保することが困難である。通常、配合を終えたモルタル
ペーストの水分量は、潜在性水硬物質も含む水硬性成分
の水和反応に必要な量よりも過剰であるが、乾燥収縮を
防止した本発明の断熱モルタルの場合、残存水分は最終
的に空孔となるため、硬化〜乾燥に当って体積収縮はほ
とんど無い。よってモルタルペースト中での各構成成分
の体積比率は、硬化物の見かけ体積中での体積比率にほ
ぼ等しい。
【0010】4)繊維 本発明における繊維は、モルタル塗装材の塗工性を調整
する作用が有り、硬化〜乾燥時におけるクラックの発生
防止効果がある。更に、硬化物を補強する効果がある。
本発明に使用できる繊維の材質としては、有機質のもの
では、例えば、パルプや木綿などのセルロース系,ポリ
プロピレン,ポリエステル,ポリアミド,ビニロン,ポ
リアクリロニトリル,生分解性のポリ乳酸系などが有
り、無機質のものでは、例えば、ピッチ系炭素繊維,ポ
リアクリロニトリル系炭素繊維,ガラス繊維,ロックウ
ール,アルミナ,チタン酸アルカリ繊維,ボロン繊維,
鋼繊維,ステンレス鋼繊維などが有る。無機質のものは
不燃性が有り、難燃性のモルタル塗装材に好ましい材料
である。なかでも安価で軽く扱いやすいピッチ系炭素繊
維とガラス繊維が特に好ましい。これらの繊維は、モル
タルペースト内での分散性を変えるために、界面活性
剤、シラン系やチタン系の有機金属系カップリング剤な
ど、あるいはポゾランのような、有機質,無機質の処理
剤を繊維表面に付着させ、モルタルペーストとの親和性
を調整したものでも良い。繊維の形状は繊維径が200
μm以下で繊維長が2mm以上20mm以下のものが好ま
しい。繊維径が200μmを超えると塗装時の毛羽立ち
が目立ち、良好な表面性が確保できなくなる。繊維長が
2mm未満の場合、硬化〜乾燥時時のクラックが目立ち
実用的でない。繊維長が20mmを越える場合、モルタル
ペースト中にうまく分散しきれずコテ塗工時のムラが多
くなる、また、硬化〜乾燥時にコテ方向にクラックが出
やすくなる。繊維の好ましい配合量は、塗装時のモルタ
ルペーストの全体積に対し、0.05体積%以上で0.
8体積%以下である。0.05体積%未満の場合、硬化
〜乾燥時のクラック防止効果を発揮できない恐れがあ
る。0.8体積%を越える場合、モルタルペーストの混
練性が悪く、コテ塗工性も不良となる恐れがある。
【0011】5)水溶性樹脂 本発明における水溶性樹脂は、モルタルペーストの分散
を改善し、塗工性を高める効果がある。好ましい水溶性
樹脂として、セルロースエーテル系,ポリビニルアルコ
ール系,ポリアクリル酸系,ポリアクリルアミド系,ポ
リヒドロキシアルキルアクリレート系,ポリアクリルア
ミドスルホン酸及びその塩系,親水化ポリエステル系,
親水化エポキシエステル系など及びこれらの共重合樹脂
がある。セルロースエーテル系樹脂は、セルロースのヒ
ドロキシ基及びヒドロキシメチル基の一部をアルキルエ
ーテル又はヒドロキシアルキルエーテル化したもので、
モルタルペーストの塗工性を向上させる効果が大きく、
好ましい樹脂の一つである。具体的にはメチルセルロー
ス,ヒドロキシエチルセルロース,ヒドロキシプロピル
メチルセルロース,ヒドロキシエチルメチルセルロース
などがある。また、ポリアクリル酸及びその共重合樹脂
は、モルタルペーストの分散性を良くする他に、モルタ
ルペーストの見かけ上の硬化を早め、初期の耐水性を上
げる効果を示すため、好ましい樹脂の一つである。具体
的にはポリアクリル酸のアルカリ金属塩,ポリアクリル
酸の一部アルカリ土類金属塩,ポリアクリル酸のアンモ
ニウム塩,ポリアクリル酸のアルカノールアミン塩な
ど、及び、主としてアクリル酸,アクリルアミド,アク
リル酸ヒドロキシアルキルエステル,アクリル酸アルキ
ルエステルから選ばれる単量体から得られた水溶性アク
リル酸共重合樹脂及びその塩などが有る。これらポリア
クリル酸系樹脂は、モルタルペーストの見かけ上の硬化
を早める効果が有る。これは、樹脂中のカルボキシルイ
オンとセメント中のカルシウムなどのアルカリ土類イオ
ンとによるイオン架橋が生じ、モルタルの硬化と不溶化
を進めることが原因であると思われる。水溶性樹脂の好
ましい添加量は、塗装時のモルタルペーストに対して
0.5重量%以上15重量%以下である。0.5重量%
未満の場合、モルタルペーストの分散性が悪くなり、ま
た、コテ塗工性が悪くうまく下地と密着しなくなる。1
5重量%を越える場合、モルタルペーストの性状が粘く
なり、コテ塗工時のムラが多くなる。本発明では、断熱
モルタルの塗工性及び硬化性を高めるには、セルロース
エーテル系とポリアクリル酸系の水溶性樹脂を併用する
のが最も好ましい。
【0012】6)水 水は、中空微粒子,繊維,潜在水硬性物質,セメントの
分散媒となるため、通常の水/セメント材量比(W/C
重量比)から必要とされる水量より水はかなり多めにな
る。本発明では、好ましい水量は、中空微粒子と繊維の
体積の代数和に対し、体積比で60%以上200%以下
である。60%未満ではモルタルペーストが硬過ぎて塗
工不能であり、200%を越える場合モルタルペースト
の粘度が低すぎて垂れを生じやすく、厚塗りが不可能と
なるうえ、硬化物も硬度と強さが劣り実用的でない。
【0013】7)その他の成分 本発明の断熱モルタルには、その他の成分、例えば、
砂,珪砂などの細骨材、種々のセメント添加剤、即ち、
カルシウムスルホアルミネート,石膏及び酸化カルシウ
ムなどからなる膨張剤、塩化カルシウム,塩化アルミニ
ウムなどの硬化促進剤、クエン酸塩,グルコン酸塩など
の硬化遅延剤、リグニンスルホン酸塩,ナフタリンスル
ホン酸塩などの減水剤,AE剤,AE減水剤、亜硝酸
塩,珪弗化塩などの防凍剤、アルミニウム粉などの発泡
剤、及び、有機シラン系エマルションなどの水性吸水防
止剤、界面活性剤、増粘剤、顔料及び染料などを随時添
加することができる。
【0014】(1)配合及び練り混ぜ 本発明の断熱モルタルは全成分を一度に配合してモルタ
ルペーストとして使用することもできるが、事前に調合
した2材を直前に混合してモルタルペーストとし、使用
することが作業効率上好ましい。2材の一方は、水を含
みセメントを含まない配合物、即ち、中空微粒子の全部
または一部、繊維の全部または一部、水溶性樹脂の全部
または一部、水、及び潜在水硬性物質の所望量を主成分
とする配合物(以下、主材という)である。2材の他方
は、セメントを含み水を含まない配合物、即ち、中空微
粒子、繊維及び水溶性樹脂の所望量、潜在水硬性物質の
全部または一部及びセメントを主成分とする配合物(以
下、硬化材という)である。
【0015】1)主材の配合 主材の混合は、水を適量加えてディスパー攪拌機のよう
な高速攪拌機にて行う。繊維は分散性が悪いので、全量
を水を含んだ主材中で高速攪拌機にて配合するのが好ま
しい。上記の好ましい割合で配合した主材の仕上がりは
ペースト状となる。
【0016】2)硬化材の配合 セメントを含む成分は、ミキサー,タンブラーなどの通
常の粉末混合機にて混合することができる。繊維は分散
性が悪いので硬化材配合に入れない方が好ましい。ま
た、液状物をセメント材配合物などの粉体に添加すると
ブロッキングが生じるため、液状の水溶性樹脂や液状の
添加剤は硬化材配合に入れない方が好ましい。
【0017】(1)施工 本発明の断熱モルタルは、コンクリートや表面処理鋼な
どの表面に左官コテ,櫛コテ,ヘラなどで塗工すること
ができる。下地処理は、コンクリートの場合は水洗を施
し汚れを除去するなど、鋼材の場合はサンディングなど
の密着性処理と防錆処理を施すなど、通常の処理を行う
ことが望ましい。本発明の断熱モルタルは、垂直壁面に
一度に50mm以上の厚みに良好にコテ塗工できる大き
な特長を持っており、また、硬化物は表面硬度も硬く、
圧縮や衝撃にも強いため、美観や防水などの必要がある
場合以外は、特に上塗りモルタルなどの保護塗装を必要
としない。
【0018】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げ、本発明をよ
り具体的に説明する。以下において特に断らない限り
「部」とは重量部を意味し、「%」とは重量%を意味す
る。以下の実施例及び比較例において使用した各種材料
は以下の通りである。 (硬化材) ・潜在水硬性物質:シリカヒュームUD(商品名 SK
Wイーストアジア(株)製品) ・セメント:普通ポルトランドセメント(JIS R5
210) ・潜在水硬性物質を含むセメント:B種高炉セメント
(JIS R5211)70重量部と普通ポルトランド
セメント(JIS R5210)30重量部の混合品 (主材) ・中空微粒子: (a) マイクロスフェアー30STI(松本油脂製薬
(株)の商品名、アクリロニトリルとビニリデンを主モ
ノマーとする共重合体バルーン,平均粒径20μm,見
かけ比重0.20) (b) マイクロスフェアー100CA(松本油脂製薬
(株)の商品名、 アクリロニトリルとアクリル酸系モ
ノマーを主モノマーとする共重合体バルーン,平均粒径
100μm,見かけ比重0.13) (c)ASB((株)リボールの商品名,アルミノシリケ
ートでできた無機バルーン,平均粒径130μm,見か
け比重0.78) (d)マイクロスフェアー80GCA(松本油脂製薬
(株)の商品名 アクリロニトリルとアクリル酸系モノ
マーを主モノマーとする共重合体バルーン,平均粒径2
0μm,見かけ比重0.20) (e) マイクロスフェアー80CA(松本油脂製薬(株)
の商品名,アクリロニトリルとアクリル酸系モノマーを
主モノマーとする共重合体バルーン、平均粒径100μ
m,見かけ比重0.13) ・繊維: (a)クレカチョップC−106T(呉羽化学工業(株)
の商品名,ピッチ系炭素繊維、繊維径18μm,繊維長
6mm,真比重1.63) (b)ECS06B−153(ユニチカグラスファイバー
(株)の商品名,ガラス繊維、繊維径10μm,繊維長
6mm,真比重2.39) (c)ユニチカビニロンFA(ユニチカ(株)の商品名,
繊維径13μm,繊維長6mm,真比重1.28) (d)クレカチョップC−110T(呉羽化学工業(株)
の商品名,ピッチ系炭素繊維繊、維径18μm,繊維長
10mm,真比重1.63) (e)クラテックRF350((株)クラレの商品名,ビ
ニロン繊維繊維径200μm,繊維長12mm,真比重
1.3) ・水溶性樹脂: (セルロースエーテル系) (a)HECダイセルSP600(ダイセル化学工業
(株)の商品名,ヒドロキシエチルセルロース) (b)メトローズ90SH4000(信越化学工業(株)
の商品名,ヒドロキシプロピルメチルセルロース) (ポリアクリル酸系) (c)A−6001(東亞合成(株)の商品名,アクリル
酸ナトリウム系共重合体) (d)HD−5(東亞合成(株)の商品名,アクリル酸ア
ンモニウム系共重合体) ・水 また、各実施例又は比較例で得られたモルタルペースト
を用いて、分散性、コテ塗工性、厚塗り性、硬化性、密
着性及び耐乾燥クラック性の各種特性を評価した。評価
方法は以下の通りある。 ・分散性(目視) ・コテ塗工性(コンクリート板上に約20mm厚みに塗
布して判定) ・厚塗り性(垂直コンクリート板上に塗布。塗布厚みは
一度に塗布できる最大厚みを意味し、乾燥塗膜の上に重
ね塗りする工程は採用しない) ・硬化性(コンクリート板上に約20mm厚みに塗布。
23℃室内放置にて指触硬化する時間を24時間毎に測
定) ・密着性(コンクリート板上に約20mm厚みに塗布。
室内養生21日後、23℃でコンクリート下地からの引
き剥がし強さを建築研究所式引張り試験機にて測定) ・耐乾燥クラック性(コンクリート板上に約20mm厚
みに塗布。室外にて正午から南面45°に塗布面を設定
し放置、翌日クラック発生状況を目視観察して相対評
価) また、モルタルペーストを内寸で縦160mm,横85
mm,高さ40mmの型枠に入れ、室温で3日間硬化〜
養生させた後、型から取り出し、18日間室内養生させ
たものからテストピースを切り出して、表面硬度、圧縮
強さ、熱伝導度及び耐水性の各特性を評価した。評価方
法は以下の通り。 ・表面硬度(ジュロメーターCのゴム硬度計で測定) ・圧縮強さ(JIS A1108にて測定) ・熱伝導率(JIS R2618にて測定) ・耐水性(縦85mm,横40mm,高さ40mmのサ
ンプルを室温の水に1ヶ月浸漬し外観を判定。40℃で
24時間乾燥した後の圧縮強さをJIS A1108に
て測定)
【0019】○実施例1〜2及び比較例1〜2 断熱モルタルにおける潜在水硬性物質の配合量を変化さ
せて、表1の配合割合で所定の成分を混合して各種断熱
モルタルを調製した。なお、表1における量は、モルタ
ルペーストの総重量又は総体積を基準にした百分率を表
している。得られたモルタルペーストを用いて、分散
性、コテ塗工性、厚塗り性、硬化性、密着性、耐乾燥ク
ラック性、表面硬度、圧縮強さ、熱伝導度及び耐水性の
各種特性を評価した。これらの評価結果を表2に示し
た。表2の結果から、潜在水硬性物質が少なすぎると密
着性が不足し、多すぎるとコテ塗工性が不良となること
がわかる。また、潜在水硬性物質が適量含有させた場合
は、この成分が多いほど厚塗り性、密着性、表面硬度及
び圧縮強さが向上することがわかる。
【0020】○実施例3〜5 断熱モルタルにおけるセメント材配合物の配合量を変化
させて、表1の配合割合で所定の成分を混合して各種断
熱モルタルを調製した。得られたモルタルペーストを用
いて、実施例1と同様に各種の特性について評価して、
その結果を表2に示した。表2の結果から、セメント材
配合物の配合量が多いほど、密着性、表面硬度及び圧縮
強さが向上することがわかる。
【0021】○実施例6〜9及び比較例3 断熱モルタルにおける中空微粒子の配合量を変化させ
て、表1の配合割合で所定の成分を混合して各種断熱モ
ルタルを調製した。このとき使用したセメントは、B種
高炉セメントと普通ポルトランドセメントを、モルタル
ペースト基準で各々28重量%と12重量%配合したも
のを使用した。得られたモルタルペーストを用いて、実
施例1と同様に各種の特性について評価して、その結果
を表2に示した。表2の結果から、中空微粒子の配合量
が多いほど、厚塗り性及び断熱性が向上することがわか
る。
【0022】○実施例10〜12及び比較例4 断熱モルタルにおける繊維の配合量を変化させて、表1
の配合割合で所定の成分を混合して各種断熱モルタルを
調製した。得られたモルタルペーストを用いて、実施例
1と同様に各種の特性について評価して、その結果を表
2に示した。表2の結果から、繊維を配合しないと厚塗
り性及び耐乾燥クラック性が不良となることがわかる。
【0023】○実施例13〜18及び比較例5 断熱モルタルにおける水溶性樹脂の配合量を変化させ
て、表1の配合割合で所定の成分を混合して各種断熱モ
ルタルを調製した。得られたモルタルペーストを用い
て、実施例1と同様に各種の特性について評価して、そ
の結果を表2に示した。表2の結果から、水溶性樹脂を
配合しないと、分散性、コテ塗工性、厚塗り性、密着性
が不良となり、ポリアクリル酸系水溶性樹脂を配合しな
いと硬化性が低下することがわかる。
【0024】
【表1】モルタル塗装材組成
【0025】
【表2】モルタル塗装材及びその硬化物の物性評価
【0026】
【発明の効果】本発明の断熱性モルタル塗装材組成物
は、現場施工型の不燃性断熱材であり、建築物の保温、
保冷、結露防止などの省エネルギーや住環境の向上に広
く適用できる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C04B 16:06 C04B 16:06 Z 24:38) 24:38) D

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セメント、潜在水硬性物質、中空微粒子、
    繊維、水溶性樹脂及び水を含有し、潜在水硬性物質の含
    有割合がセメントとの総量を基準にして8重量%以上6
    0重量%以下である断熱性モルタル。
  2. 【請求項2】潜在水硬性物質が人工ポゾランであること
    を特徴とする請求項1記載の断熱性モルタル。
  3. 【請求項3】中空微粒子が有機樹脂及び/又は無機化合
    物よりなり、平均粒径が10μm以上300μm以下で
    あることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の断熱
    性モルタル。
  4. 【請求項4】水溶性樹脂が水溶性セルロース化合物及び
    水溶性アクリル酸重合体を含むことを特徴とする請求項
    1〜請求項3記載の断熱性モルタル。
  5. 【請求項5】主材と硬化材を混合してなる断熱モルタル
    であって、主材が中空微粒子、繊維、水溶性樹脂、水及
    び所望量の潜在水硬性物質からなり、硬化材がセメント
    及び潜在性水硬性物質からなることを特徴とする請求項
    1〜4記載の断熱モルタル。
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