JP2000290055A - 下地調整用セメントモルタル組成物およびその施工方法 - Google Patents

下地調整用セメントモルタル組成物およびその施工方法

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JP2000290055A
JP2000290055A JP10061299A JP10061299A JP2000290055A JP 2000290055 A JP2000290055 A JP 2000290055A JP 10061299 A JP10061299 A JP 10061299A JP 10061299 A JP10061299 A JP 10061299A JP 2000290055 A JP2000290055 A JP 2000290055A
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Masaki Kobori
雅紀 小堀
Masatoshi Nagahama
雅敏 長浜
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B28/00Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements
    • C04B28/02Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing hydraulic cements other than calcium sulfates
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
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    • Y02W30/91Use of waste materials as fillers for mortars or concrete

Abstract

(57)【要約】 【課題】 一般住宅用の外装を含め建築物の壁構築用材
として、木造や不燃下地にサイディング材を張り付けた
ものを下地とし、そのサイディング材に下地調整材を塗
布するにあたり、目地補強用として使用する繊維ネット
の埋め込み、ひび割れ、目地部の不陸などの問題の解決
を課題とする。 【解決手段】 セメント100重量部、無機系発泡骨材
10〜60重量部、シリカヒューム5〜25重量部、繊
維0.1〜10重量部、及びポリマー1〜20重量部と
なるように混合してなる組成物を水で混練りし、得られ
た混練物をサイディング材の目地部及び表面に塗布し硬
化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、木造や不燃下地に
サイディング材を張り付けたものを下地とする建築物の
壁構築用として好適な下地調整用セメントモルタル組成
物及び該組成物の施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般住宅用の外装を含め建築物の壁構築
用材として、サイディング材に既調合モルタルを水或い
は水及びポリマーエマルションで混練りし、得られた混
練物を塗布、硬化させることが知られている(特公昭5
8−38582号)。また、一般的に建築用としての下
地調整材としては、セメントに微細骨材、細骨材、繊
維、ポリマー等を配合してなるモルタル組成物を水等で
混練りし、得られた混練物を塗布、硬化させるものもあ
る(1995建築仕上剤ガイドブック日本建築仕上工学
会編集 平成7年4月20日発行)。
【0003】しかしながら、前者は目地処理をコーキン
グ剤で行った後、繊維等を埋め込み下地調整用のモルタ
ルを別に用いて下塗りしているため、コーキング剤と下
地調整用のモルタルと2種類の材料を使用することにな
り煩雑であるという問題がある。さらに、目地処理する
ことが可能であるという市販のモルタルは薄塗りしかで
きずにひび割れが起き易いことや目地部の不陸を調整し
難いという問題がある。さらに薄塗りをしてもドライア
ウトし難いようにポリマー固形分濃度を高くしているた
めに鏝作業性が悪いという問題もあった。
【0004】後者の下地調整材をサイディング材に使用
しても、薄塗り用のものはひび割れが起き易いことや目
地部の不陸を調整し難いという問題がある。また、目地
部の不陸を調整できる下地調整材は目地補強用として使
用する繊維ネットを埋め込むことができないという問題
があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、一般住宅用
の外装を含め建築物の壁構築用材として、木造や不燃下
地にサイディング材を張り付けたものを下地とし、その
サイディング材に下地調整材を塗布するにあたり、目地
補強用として使用する繊維ネットの埋め込み、ひび割
れ、目地部の不陸の調整などの課題を解決することを目
的とし、従来のセメントボードやALCなどのサイディ
ング材用のセメントモルタルの持つ性能および施工性を
備えていることはもとより、従来のセメントモルタルよ
り高温時にドラアイアウトを起こすことがない下地調整
用セメントモルタル組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を行った結果、セメントに無機系発泡骨材、シリカヒュ
ーム、繊維及びポリマーを特定量加えて混練りし、得ら
れた下地調整用セメントモルタル組成物を塗布し、硬化
させることにより、目地補強が可能であり、ひび割れを
起こすことなく、平滑で良好な硬化体が形成され、仕上
がり壁面を容易に得ることができることを見出し、本発
明を完成した。
【0007】すなわち、本発明の第1の発明は「木造や
不燃下地にサイディング材を張り付けた後、目地処理を
行い、セメントモルタルで下地調整し、仕上げ材にて仕
上げを行う施工方法に用いる下地調整用セメントモルタ
ルであって、セメント100重量部、無機系発泡骨材1
0〜60重量部、シリカヒューム5〜25重量部、繊維
0.1〜10重量部およびポリマー1〜20重量部の範
囲内に調節してなる下地調整用セメントモルタル組成
物。」を要旨とする。
【0008】本発明の第2の発明は「上記下地調整用セ
メントモルタル組成物100重量部に対し、25〜55
重量部の水と混練りして得られた混練物を繊維ネットを
用いて目地部に埋め込んだ後、サイディング材に塗布し
て硬化させることを特徴とする下地調整用セメントモル
タル組成物の施工方法。」を要旨とする。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明が対象とする下地調整用セ
メントモルタル組成物は、材料配合割合を所定の範囲に
規定して、水硬性を有するセメント、これに特定の粒径
や特定量の無機系発泡骨材、特定量のシリカヒューム及
びポリマー、さらに特定の長さや特定量の繊維、さらに
必要に応じて用いられる硬化調節剤、寸法安定剤、増粘
剤など各種の添加剤から構成され、これに特定量の水を
加え適宜のミキサーで混練して用いることができる。
【0010】本発明で使用する下地となるサイディング
材としては、セメントを基材としたセメントボード、A
LC、ケイ酸カルシウム板、セメント・ケイ酸カルシウ
ム板、スレート板、木片セメント板などが挙げられる。
【0011】本発明で使用する水硬性を有するセメント
としては普通ポルトランドセメント、早強ポルトランド
セメント、中庸熱ポルトランドセメント、高炉セメン
ト、シリカセメント、フライアッシュセメント、アルミ
ナセメント、ジェットセメントなどの各種セメントを用
いることができる。
【0012】本発明で使用する無機系発泡骨材として
は、黒曜石、真珠岩、火成岩、バーミキュライト等の原
石を粒度調整した後、約1000℃で急激に焼成し、発
泡させたもので、これらの一種または二種以上を組み合
わせて用いることができる。無機系発泡骨材の粒径とし
ては1.2mm以下で、かつ無機系発泡骨材の粒径0.
6mm以下の範囲内に95重量%以上であることが良
い。粒径が1.2mmを超えると目地補強用として使用
する繊維ネットを埋め込むことが難しくなる。また、粒
径が0.6mmより大きいものが5重量%を超える率で
含有すると、目地補強用として使用する繊維ネットを埋
め込むことが難しくなる。無機系発泡骨材の配合量は、
その種類や組み合わせなどにより若干異なるが、セメン
ト100重量部に対し10〜60重量部、好ましくは、
15〜50重量部、さらに好ましくは、20〜40重量
部が良い。配合量が10重量部未満では、セメント分が
多くなりひび割れが起こり易くなる。また60重量部を
超えると骨材量が多すぎるために、目地補強用として使
用する繊維ネットを埋め込むことができない。
【0013】本発明で使用するシリカヒュームは、金属
シリコンやフェロシリコン合金などのけい素合金を製造
する際に、集塵装置により回収される副産物であり、そ
の配合量はセメント100重量部に対し5〜25重量
部、好ましくは7〜20重量部、さらに好ましくは10
〜15重量部が良い。配合量が5重量部未満では、サイ
ディング材への水の吸い込みが早く施工性に乏しい。ま
た25重量部を超えると収縮が大きくなり、硬化体に亀
裂が入り易くなる。
【0014】本発明で使用する繊維は、亀裂或いは割れ
を生じさせないために必要なものであり,耐アルカリガ
ラス繊維,炭素繊維、スチールファイバーなどの無機繊
維,ビニロン繊維,ナイロン繊維,ポリプロピレン繊維
などの有機繊維を一種或いは二種以上を組み合わせて用
いることが出来る.また、繊維長は5mm〜15mmが
良い。長さが5mm未満ではひびや割れが生じ易い。ま
た15mmを超えると目地補強用として使用する繊維ネ
ットを埋め込み難いことと、表面に繊維がとびだし好ま
しくない。
【0015】繊維の配合量は、その種類や組み合わせな
どにより若干異なるが、セメント100重量部に対し
0.1〜10重量部、好ましくは、1〜7重量部、さら
に好ましくは、3〜5重量部が良い。配合量が0.1重
量部未満では繊維を添加した効果はなく、亀裂や割れを
生じ易い。また10重量部を超えると繊維が表面に露出
し、表面性が悪くなるのと同時に、作業性も悪くなる。
【0016】本発明で使用するポリマーは、エチレン酢
酸ビニル共重合物、アクリル酸或いはアクリル−スチレ
ン系共重合物、酢酸ビニル系、スチレン−ブタジエン系
共重合物、酢酸ビニル−バーサチック酸ビニル系共重合
物、酢酸ビニル−バーサチック酸ビニル−アクリル系共
重合物、酢酸ビニル−バーサチック酸ビニル−ラウリル
酸ビニル系共重合物等を例示でき、その形態はエマルシ
ョンでも再乳化型の粉末でも良い。また、ポリマーの種
類はエチレン酢酸ビニル共重合物が好ましく用いられ
る。ポリマーの配合量は、セメント重量部に対しポリマ
ー固形分濃度換算で1〜20重量部、好ましくは3〜1
5重量部、さらに好ましくは5〜10重量部が良い。配
合量が1重量部未満では、保水性向上に寄与できず、サ
イディング材への水の吸い込みが早く施工性に乏しい。
また20重量部を超えるとポリマー量が過剰となり、例
えば鏝抑えがし難い、粘度が上昇しベタ付く等、作業性
が悪くなる。
【0017】本発明の下地調整用セメントモルタル組成
物には、さらに珪砂、山砂、川砂、海砂等の重量骨材、
分散剤、増粘剤、凝結調整剤、収縮低減剤を必要に応じ
て加えてもよい。
【0018】本発明で使用可能である珪砂等の重量骨材
としては、粒度調整されているものや粒度分布を持って
いるもの、微粉化しているもの等を使用でき、その骨材
の粒径は無機発泡骨材と同等或いは細かいことが良い。
重量骨材の粒径が粗いと目地補強用として使用する繊維
ネット等を埋め込むことができない。珪砂等の重量骨材
の配合量としては、セメントに対し0〜50重量部の範
囲が良い。配合量が50重量部を超えると、目地補強用
として使用する繊維ネットを埋め込むことが難しくなる
のと同時に、接着性が悪くなる傾向となる。
【0019】本発明で使用可能である分散剤としては、
メラミンホルマリン縮合物スルホン酸塩、リグニンスル
ホン酸塩、βーナフタレンスルホン酸アルデヒド縮合
物、ポリアルキルアリルスルホン酸塩、ポリカルボン酸
塩,アルキルナフタリンスルホン酸塩、アルキルナフタ
レンスルホン酸ホルマリン縮合物塩挙げられ、これらの
一種または二種以上を組み合わせて用いることができ
る。また上記化合物の塩の種類はナトリウム、カリウ
ム、カルシウムなどである。
【0020】本発明で使用可能である増粘剤は、本発明
の組成物の作業性や接着性を向上させる機能を有するも
のであり、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒド
ロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシメチルセル
ロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキ
シメチルセルロースなどのセルロースエーテル類、ポリ
アクリルアミド、ポリエチレンオキサイド、ポリビニル
アルコール、カゼインなどの各種の水溶性高分子が挙げ
られ、これらの一種または二種以上を組み合わせて用い
ることができる。
【0021】本発明で使用可能である凝結調整剤は、硬
化時間や作業できる時間のコントロールを行う機能を有
するものであり、アルミン酸ソーダ、炭酸ソーダ、珪酸
ソーダ、アルミン酸カルシウム類、カルシウムサルホア
ルミネート、硫酸カリウム、硫酸アルミニウム等の硬化
促進剤、また、クエン酸、クエン酸三ソーダ、糖類、乳
酸、アルコール類等の硬化遅延剤を各種用いることがで
きる。
【0022】本発明で使用可能である収縮低減剤として
は、JIS A6202「コンクリート用膨張材」で規
定される物を使用でき、これらを一種または二種以上組
み合わせて用いることができる。
【0023】次に、本発明の施工方法について説明す
る。
【0024】本発明の施工方法においては、上記下地調
整用セメントモルタル組成物100重量部当たり水を2
5〜55重量部、好ましくは30〜45重量部を添加し
て混練りし、得られた混練物をサイディング材に塗布或
いは吹き付けすることができる。混練水が25重量部未
満では、混練物を均一な状態にできないか均一にできて
も粘度が高く作業性が悪くなる。また、55重量部を超
えると、混練水過剰となりひび割れが入り易く、さらに
強度低下を招くことがある。組成物に水を添加し混練り
する際の混練りの程度は均一に分散され十分に水と馴染
んでいればよいが、粉末状のポリマーを使用した場合は
2〜3分間混練りすることが好ましい。混練りにあって
はハンドミキサー、タライミキサー等のミキサー類を用
いる或いは煉瓦鏝、練りスコ等のいわゆる手練りで混練
りすることができる。
【0025】こうして得られた混練物をサイディング材
の目地部に、繊維ネットを埋め込むように塗布して目地
処理を行う。繊維ネットとしては、耐アルカリガラス繊
維、ビニロン繊維、ナイロン繊維、ポリプロピレン繊維
などの繊維ネット使用することができる。目地処理を行
ったサイディング材に上記で得られた混練物を塗布する
際の厚みは2mm以上が良い。2mm未満でも作業する
に必要な時間は確保できるが、2mm〜5mmとするこ
とで十分な作業時間が得られるとともに保水性も十分に
得られるため好ましい。混練物の目地処理や塗布にあた
っては、鏝やヘラなどを用いて塗布してもよく、混練物
を吹き付け機等で吹き付け塗装してもよい。また上記セ
メントモルタル混練物の塗布を行う際に、鏝やブラシ等
でしごく工程が入ることが好ましい。さらに仕上げを行
う際は、鏝等の表面均し道具を用いて均し、硬化させる
ことが好ましい。
【0026】
【実施例】以下に実施例、比較例を用いて本発明を更に
詳しく説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、
以下の実施例に限定されるものでない。
【0027】なお、実施例において、セメントとして普
通ポルトランドセメントを用いた例を示すが、セメント
として早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランド
セメント、高炉セメント、シリカセメント、フライアッ
シュセメント、アルミナセメント及びジェットセメント
の何れを用いても以下の実施例と同様、優れた下地調整
用セメントモルタルとなる。
【0028】また、実施例において下地となるサイディ
ング材としてセメントボードを用いた例を示すが、その
他のサイディング材であるALC、ケイ酸カルシウム
板、セメント・ケイ酸カルシウム板、スレート板、木片
セメント板などを用いても以下の実施例と同様、施工可
能である。
【0029】実施例1〜10、比較例1〜18 セメントとして普通ポルトランドセメントを用い、これ
と、無機系発泡骨材、シリカヒューム、繊維及びポリマ
ーをそれぞれ表1に示す量配合した組成物に、表1に示
す配合比で水を加えてJIS R 5201に規定され
るモルタルミキサーを用いて3分間混練りし、各種の混
練物を得た。なお、エマルションはエマルション原液を
105℃で恒量となるまで乾燥し、乾燥前後の重量から
下記式で固形分濃度を算出して、その値からポリマー量
及び水の量が表1の値となるようにエマルション及び添
加する水の量を定めた。
【0030】固形分濃度[wt%]={乾燥後重量/乾
燥前重量}×100
【0031】図1(a)、(b)に示すように、45c
m×91cmのセメントボード1、三菱レイヨン社「デ
ラクリートボード」、2枚を木枠2に張り付け、その目
地部に上記で得られた各種の混練物3を用いて鏝で塗布
し、その塗布面に繊維ネットとして、幅10cm、目開
き2mmのガラス繊維テープ4を張り、鏝でガラス繊維
ネットを埋め込む。そのネット面に得られた各種の混練
物3を薄く塗布した際の目地部の塗布作業性を評価し
た。 ○・・・目地部に均一に塗布でき、さらにガラス繊維ネ
ットを容易に埋め込むことができるもの。 ×・・・目地部に均一に塗布できない、或いはガラス繊
維ネットを埋め込むことができないもの。
【0032】さらに、目地処理を行った箇所が硬化した
後、セメントボードに混練物を2mmの塗布厚となるよ
うに鏝で塗布した時の鏝作業性を評価した。 ○・・・混練物が均一に伸び、塗布した際に、こぼれや
剥がれ落ちる等がなく良好であるもの。 ×・・・混練物が均一に伸びない、或いは塗布した際
に、こぼれや剥がれ落ちるなどが生じたもの。
【0033】混練物を2mmの塗布厚となるように鏝で
塗布し、作業性を評価した後、塗布後30分経過した時
の塗布面を指触し保水性を評価した。 ○・・・指の跡が付く、或いは表面に水分が浮いてくる
状態であるもの。 ×・・・指の跡が付かず、塗布面が締まっている或いは
乾いている、硬化している状態であるもの。
【0034】硬化体の評価の平滑性は、目地処理を行っ
たセメントボードに混練物を2mmの塗布厚となるよう
に鏝で塗布し鏝作業性を評価した供試体を硬化・養生
し、1日後、28日後の硬化体表面を目視で観察し評価
した。 ○・・・凹凸・不陸がなく、硬化体の塗布厚が均一で良
好であるもの。 ×・・・凹凸・不陸があり、硬化体の塗布厚に斑が生じ
ているもの。
【0035】表面性は、平滑性と同様に、目地処理を行
ったセメントボードに混練物を2mmの塗布厚となるよ
うに鏝で塗布し鏝作業性を評価した供試体を硬化・養生
し、1日後及び28日後の硬化体表面を目視で観察し評
価した。 ○・・・亀裂・白華・剥がれがなく、繊維の飛び出しが
なく良好であるもの。 ×・・・亀裂・白華・剥がれ、繊維の飛び出しが生じて
いるもの。
【0036】総合評価として、何れの項目も○であるも
のを総合評価○、また何れかの項目に×があるものを総
合評価×とした。
【0037】
【表1】
【0038】なお、表1において、無機系発泡骨材欄の
−は無添加、aは黒曜石系パーライト、芙蓉パーライト
社製、「フヨーライト0号(規格外品として販売) bは黒曜石系パーライトで粒径1.2mm〜0.6mm
の範囲に、3重量部となるように調製したもの、芙蓉パ
ーライト社製、「フヨーライト0号(規格外品として販
売)とフヨーライト1号を上記割合となるように混合し
て得た」 cは真珠岩系パーライト、太平洋セメント社製、「アサ
ノパーライトS」、dは粒度が1.2mm〜0.6mm
である黒曜石系パーライト、太平洋セメント社製、「ア
サノパーライト4号」、eは黒曜石系パーライトで粒径
1.2mm〜0.6mmの範囲に、7重量部となるよう
に調製したもの、芙蓉パーライト社製、「フヨーライト
0号(規格外品として販売)とフヨーライト1号を上記
割合となるように混合して得た」を示す。
【0039】繊維欄において、−は無添加、Aは耐アル
カリガラス繊維5mm、Bはナイロン繊維5mm、Cは
ビニロン繊維10mm、Dは耐アルカリガラス繊維15
mm、Eは耐アルカリガラス繊維3mm、Fは耐アルカ
リガラス繊維18mmを示す。
【0040】ポリマーの欄において、−は無添加、Wは
アクリル系エマルションポリマー、旭化成工業社製「ペ
トロック150」、Xはエチレン/酢酸ビニル共重合系
エマルションポリマー、日本化成社製「NSハイフレッ
クスHF−1000」、Yはスチレン/ブタジエン共重
合系ラテックス、武田薬品社製「クロスレンCMX−0
2」、Zは酢酸ビニル/ビニルバーサテート/アクリル
酸共重合系粉末ポリマー、日本エヌエスシー社製「エロ
テックスAP−200」を示す。
【0041】実施例1〜10は、本発明の要件を満たす
条件で試験されたので、いずれも良好な塗布作業性能が
得られ、良い硬化体が得られた。比較例1、4と9は、
無機系発泡骨材の配合が10重量部未満であるために硬
化後の表面に亀裂が見られた。比較例2〜3は、シリカ
ヒュームを添加しなかったために、保水性がないこと
と、鏝抑えがし難かったために硬化後の表面に鏝斑が生
じた。比較例5と7は、ポリマーを配合しなかったため
に保水性がないことと、硬化後の表面に鏝斑が生じてい
た。比較例6は繊維を添加しなかったために、硬化体表
面に亀裂が生じた。比較例8は無期刑発泡骨材の配合が
60重量部を超えたために、目地部補強用の繊維ネット
が埋め込めないことと、強引に目地材を埋め込み塗布し
ても硬化後、目地部に凹凸が生じること、或いは亀裂や
剥がれが生じた。比較例10は、混練り水量が規定量よ
り少ないために混練り物が硬くなり、作業性が悪く、更
に硬化体に凹凸が生じた。比較例11は混練り水量が規
定範囲量より多いために、硬化体表面に白華・亀裂が生
じた。比較例12はシリカヒュームの配合量が規定範囲
量を超えたために、硬化体表面に亀裂が生じた。比較例
13は、ポリマーの量が多いために混練物の粘度が上が
り、鏝で均一に塗布できないために、硬化体表面に凹凸
・不陸が生じた。比較例14は繊維の長さが短いため
に、硬化体表面の目地部付近に亀裂を生じた。比較例1
5と17は、粒度1.2mm〜0.6mmの範囲に5重
量部を超えて無機系発泡骨材が配合してあることから、
目地材を埋め込むことができず、しごき難いために作業
性も悪い。更に2mmに均一に塗布することができない
ために、硬化体表面に凹凸・不陸を生じた。比較例16
は繊維の長さが長いために、目地材を埋め込み難いこと
と、硬化体表面に繊維の飛び出しが生じた。比較例18
は、繊維量が多いために混練り物が均一に塗布し難く、
かつ硬化体表面に繊維が飛び出した。
【0042】実施例11〜13、比較例19 サイディング材の目地部に繊維ネットを使用しない場合
に関しても、上記と同様に実施・評価を行った。その結
果を表2に示す。
【0043】
【表2】
【0044】さらに、28日後の硬化体表面を目視で観
察し評価した供試体を、木枠からはずした際の状況を目
視で観察し評価した。 ○・・・亀裂・剥がれ、割れがなく、良好な1枚の硬化
体であるもの。 ×・・・亀裂・剥がれ、割れが生じているもの、或いは
2枚の硬化体に別れたもの。
【0045】なお、表2において繊維ネットの欄は、l
は目開き2mmの耐アルカリガラス繊維、mは目開き4
mmのビニロン繊維、nは目開き1mmのナイロン繊維
を示す。
【0046】実施例11〜13は、本発明の要件を満た
す条件で試験されたので、いずれも良好な塗布作業性能
が得られ、良い硬化体が得られた。比較例19は、目地
部に繊維ネットで補強をしなかったために2枚に割れ
た。
【0047】
【発明の効果】本発明は、次の効果を奏する。 1)サイディング材にセメントモルタル組成物を塗布或
いは吹き付け、表面を均す作業に於いて、セメントモル
タルの保水性が優れるため、十分に作業することがで
き、作業性を大幅に改善することができる。 2)従来のサイディング材用の下地調整材と比較して、
目地処理が可能で、かつサイディング材の表面にも塗布
可能であることから、大幅に施工性が改善され、作業効
率が向上した。 3)サイディング材の目地部に繊維ネットを埋め込んで
も、亀裂及び割れがなく平滑で良好な硬化体が形成さ
れ、平滑で表面性の良好な壁面を容易に得ることがで
き、建築物の外壁仕上げ材として、今までにない大きな
一枚壁を作ることを可能とし、仕上がり壁面の品質の安
定化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)正面図および(b)断面図
【符号の説明】
1 セメントボード 2 木枠 3 混練物 4 繊維ネット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C04B 14:42 22:06 24:26 )

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木造や不燃下地にサイディング材を張り
    付けた後、目地処理を行い、セメントモルタルで下地調
    整し、仕上げ材にて仕上げを行う施工方法に用いる下地
    調整用セメントモルタルであって、セメント100重量
    部、無機系発泡骨材10〜60重量部、シリカヒューム
    5〜25重量部、繊維0.1〜10重量部およびポリマ
    ー1〜20重量部の範囲内に調節してなる下地調整用セ
    メントモルタル組成物。
  2. 【請求項2】 無機系発泡骨材が、粒径として1.2m
    m以下、かつ、粒径0.6mm以下の範囲内が95重量
    %以上である請求項1記載の下地調整用セメントモルタ
    ル組成物。
  3. 【請求項3】 繊維が、繊維長として5mm〜15mm
    である請求項1又は2記載の下地調整用セメントモルタ
    ル組成物。
  4. 【請求項4】 上記下地調整用セメントモルタル組成物
    100重量部に対し、25〜55重量部の水と混練りし
    て得られた混練物を繊維ネットを用いて目地部に埋め込
    んだ後、サイディング材に塗布して硬化させることを特
    徴とする請求項1乃至3いずれか1項記載の下地調整用
    セメントモルタル組成物の施工方法。
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