JP4108165B2 - 樹脂モルタル組成物 - Google Patents

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    • C04B28/00Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements
    • C04B28/02Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing hydraulic cements other than calcium sulfates

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、セメントモルタルにラテックスを添加した樹脂モルタル組成物に関する。本発明の樹脂モルタル組成物は、早期硬化性に優れ、かつ高強度を発現するするものであり、樹脂モルタル工事全般に利用される。
【0002】
【従来の技術】
コンクリート構造物にセメントモルタルを塗り継ぐ際要求される性能は、硬化が早く、下地コンクリートに対する付着性が高いことであり、コンクリート中のアルカリに対する抵抗性が大きく耐久性が良いことである。さらに施工時の作業性が良く、低価格が望まれる。
【0003】
これらの要求性能を満足させるべく、数多くの材料の開発が進んでいるが、性能及び価格面で、普通モルタルにラテックスポリマーを加えた樹脂モルタルの使用頻度が近年一段と増す傾向にある。
樹脂モルタルの性能は普通モルタルに比較し、▲1▼接着強さが高い、▲2▼曲げ引っ張り強さが高く、変形能が向上する、▲3▼透水量及び吸水量が低下し、防水性能が向上する、▲4▼乾燥収縮量が低減する、▲5▼耐衝撃性、耐磨耗性が向上する等、改良点が多く挙げられる。
【0004】
これら多くの特長を持つ樹脂モルタルは、例えば、下地の不陸調整等の下地調整用モルタル、PC板等欠損部箇所の補修用モルタル、サッシ廻り等の詰めモルタル、耐薬品性・耐摩耗性等が要求される床用モルタル、防水性能が要求される防水用モルタル、防水層等の保護モルタル、タイル・大理石等の接着用モルタル、軽量骨材を用いた軽量モルタル、仕上げ用モルタル、吹き付けモルタル等に幅広く利用されている。
【0005】
しかし、ラテックスの添加によりセメントの水和速度が遅延し、早期のモルタルの強度発現性が劣るという重大な欠点を有している。原因は、ラテックス製造時に使用される界面活性剤や水溶性オリゴマーの存在により、さらにはポリマー粒子の存在により、セメント粒子と水との接触が妨げられるためと言われている。この結果、セメントの水和速度は一段と遅延し、特に冬季の施工においては問題となるケースも見受けられる。
【0006】
このため、冬季の施工においては、セメントの急結剤或いは凝結促進剤を併用し施工を実施しているが、強度低下の原因となっている。
一方、樹脂モルタル自身に高い流動性を付与し、流延し施工する方法も行われている。例えば、セリフレベリング床材、グラウト材、塗膜防水材、建築仕上げ材等である。しかし、樹脂モルタル自身に高い流動性を付与する手段として、水量を増す方向にあり、その結果、早期硬化性は劣ることになる。さらに、モルタルに弾性を付与する場合は、樹脂量は多いものとなり、早期硬化性は一段と劣る結果となる。
【0007】
このため、樹脂量が多く流動性が高いモルタルを施工する際は、数回に塗り分け施工したり、アルミナセメントや超速硬セメント等硬化の早いセメントを使用し施工している。しかし、工期が長い、高価な反面所定の硬化性が得られない等の問題が起こっている。
早期に硬化させる樹脂モルタルとして、ガラス転移点が70℃以上のラテックスを混入させる発明が、特開平8−183642号公報に開示されているが、この方法では、モルタル自身の硬化性は改良できる反面、低温時の下地との密着性が低下する。
【0008】
また、CaSO4 と水砕スラグを含む樹脂モルタル組成物が特開平8−183644号公報に開示されているが、初期硬化性は必ずしも満足できるものではない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、一般の建築現場で容易に配合、施工することができ、かつ低温時の施工においてもセメントモルタルを早期硬化せしめ、高強度を発現する樹脂モルタルを提供することを目的とする。
さらには、樹脂含量が著しく多く、樹脂の海の中にセメント粒子が浮かんでいるような樹脂モルタルにおいてさえも、早期に硬化せしめることができ、かつ高強度を発現する樹脂モルタルを提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ラテックス量が多いモルタルにおいて、ラテックス量に対応した適当量の珪酸アルカリを添加することにより樹脂モルタルが早期に硬化し、さらには高強度を発揮することを見いだし、本発明に到達した。
【0011】
すなわち、本発明は以下の通りである。
1.セメント、充填剤、ラテックスおよび珪酸アルカリを含有する樹脂モルタル組成物であって、該珪酸アルカリの粒子径が100nm以下であり、該セメント100重量部に対し該充填材が容積比で30〜250であり、該セメント100重量部に対し該ラテックスが固形分換算で2〜150重量部であり、該珪酸アルカリが水溶性またはアルカリ可溶性で該ラテックスの固形分100重量部に対し固形分換算で1〜25重量部である樹脂モルタル組成物。
【0012】
2.ラテックスの粒子径が180〜1500nmである請求項1に記載の樹脂モルタル組成物。
本発明の樹脂モルタル組成物は、セメント、充填材、ラテックス及び珪酸アルカリとを必須成分として含有している。
【0013】
上記成分のうち、セメントとしては、JIS R5210(ポルトランドセメント)、R5211(高炉セメント)、R5212(シリカセメント)、R5213(フライアッシュセメント)に規定されている、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント、高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメントが使用でき、また、社団法人セメント協会が、セメントの常識(1994年3月発行)に記載している、特殊セメント、白色ポルトランドセメント、セメント系固化材、アルミナセメント、超速硬セメント、コロイドセメント、油井セメント、地熱井セメント、膨張セメント、その他の特殊セメント等が使用できる。
【0014】
充填材としては、一般的にセメントモルタルに用いられる砂、珪砂、寒水砂、炭酸カルシウム、天然及び人工軽量骨材等が一種又は二種以上を併用して使用できる。またその使用量は30〜250容積比であり、この範囲より配合量が少ないと、強度は増加するものの、乾燥に伴うひび割れが発生しやすくなる。好ましくは50〜200容積比の範囲である。
【0015】
なお、本発明に言う容積比とは、セメント100重量部の容積に対する充填材の容積の比であり、充填材の種類により、比重が大幅に異なるため容積比表示とした。
本発明の樹脂モルタル組成物に使用するラテックスとしては、各種水硬性組成物と混和して樹脂モルタル組成物に要求される性能を満たすものであれば特に限定されない。一般的には常温で造膜する必要があり、例えば、(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、酢酸ビニル、ベオバ、エチレン、塩化ビニル、ジエン系各モノマーの単独重合又は共重合したラテックス等が使用できる。好ましいものとしては、アクリル系ラテックス、スチレン−ブタジエン系ラテックス及びエチレン−酢酸ビニル系ラテックスである。
【0016】
また、その使用量は、セメント100重量部に対し、ラテックスの固形分換算で2〜150重量部である。好ましくは3〜130重量部の範囲である。下限以上で下地への密着性が十分になるとともに、硬化後のモルタル物性が向上する。上限以下で、施工の作業性が良好となるとともに、経済性の点でも好ましい。
ラテックスの含有量がこの上限に近くなると、ラテックスの固形分量はセメントの量より多くなり、セメントの中にラテックスがあるというよりも、ラテックスの海の中にセメント粒子が浮いているような状態であると考えられる。しかし、本願発明によれば、まったく意外なことに、このような状態の樹脂モルタル組成物であっても早期に硬化せしめることが可能になる。
【0017】
なお、ラテックスのTgは−60〜10℃の範囲が好ましい。Tgは用途に応じ選択すれば良い。
ラテックスの粒子径は、180〜1500nmの範囲であることが好ましい。さらに好ましくは250〜1000nmの範囲である。下限以上でモルタルが早期に強度を発現することができ、上限以下でモルタルの流動性が良好となる。このような比較的粒子径の大きいラテックスは、例えば、通常のシード乳化重合で得られたラテックスを、シード乳化重合のシードとし利用し、再び重合を行う、以下、必要に応じこれを繰り返す、という方法で得ることが出来る。
【0018】
珪酸アルカリとしては、Li、Na、K、Cs、NH4 等を有する一般市販品の珪酸塩が特に制限無く使用できる。珪酸アルカリは一種で使用しても良いし、二種以上併用しても良い。
モルタルの早期強度発現性を良好なものとするに、珪酸アルカリとしては、水溶性又はコロイド状の珪酸アルカリを使用することが好ましい。コロイド状の珪酸アルカリとしては、アルカリ性で可溶性の珪酸アルカリが好ましい。
【0019】
珪酸アルカリを添加する際は、溶液状、コロイド状のいずれの形態のものを用いても良いが、コロイド状の珪酸アルカリは粉末状にして用いても良い。粉末状またはコロイド状の場合は、その粒子径が100nm以下であることが望ましい。
粒子径が100nm以下であれば、溶解までに時間がかからず、モルタルが早期に強度を発現することができる。
【0020】
珪酸アルカリの使用量は、ラテックス固形分100重量部に対し固形分換算で1〜25重量部である。好ましくは、ラテックス固形分100重量部に対し2〜10重量部であり、下限以上でモルタルの強度は早期に発現する。一方、上限以下でモルタルは異常凝結を起こしにくくなる。
本発明の樹脂モルタル組成物を調整する際における水の配合量は、施工方法により異なるが、鏝塗り施工の場合、JIS R5201(セメントの物理試験方法)、10.7、フロー値の測り方で160〜190mmに対応する量が望ましい。この範囲では、適切な流動性を有し鏝塗り作業性が良好であり、また、水比が適切でモルタルの早期強度の発現が容易となる。
【0021】
一方、高い流動性が要求される樹脂モルタルの場合水の配合量は、例えば、住宅・都市整備公団発行の仕様書「セリフレベリング床材の品質試験基準値」のフロー値で240mm以下が好ましい。240mmを超えると材料が分離する傾向が生じ、また、モルタルの早期硬化性はやや劣る傾向となる。さらに好ましくは、230mm以下である。
【0022】
なお、本発明の樹脂モルタル組成物の水の配合量は、特に限定されるものではなく、材料の施工方法や作業性で決定されるものである。
本発明の樹脂モルタル組成物に、セメントの減水剤或いは流動化剤を用いることができる。セメントの減水剤或いは流動化剤としては、一般的に用いられているリグニン系、ナフタレン系、メラミン系、カルボン酸系等の一種若しくは二種以上の使用が可能であり、ナフタレン系、メラミン系の減水剤或いは流動化剤がより好ましい。
【0023】
本発明の樹脂モルタル組成物には、上記以外の他の成分を添加しても良い。例えば、収縮低減剤(グリコールエーテル系、ポリエーテル系等)、耐寒剤(塩化カルシウム等)、防水剤(ステアリン酸等)、防錆剤(リン酸塩等)、粘度調整剤(メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール等)、凝結調整剤(リン酸塩等)、膨張剤(エトリンガイト系、石灰系等)、着色剤(酸化鉄、酸化クロム等)、消泡剤(シリコン系、鉱油系等)、補強材(鋼繊維、ガラス繊維、合成繊維等)等である。
【0024】
本発明の樹脂モルタル組成物の硬化をさらに促進するため、例えば、亜硝酸塩等、セメントの硬化促進剤を併用してもかまわない。
本発明の樹脂モルタルは、樹脂モルタル施工工事全般の材料として有用である。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、実施例及び比較例を示して本発明について説明する。
なお、本発明の実施例、比較例中で用いた各種物性の測定方法は下記の通りである。
▲1▼ フロー試験
JIS R5201(セメントの物理試験方法)、10.7、フロー値の測り方に準じ試験した。なお、実施例、比較例で用いたモルタルはフロー値160〜190mmに調整して使用した。
▲2▼ 作業性試験
モルタル施工時の鏝離れ、鏝伸び等を総合して、以下の基準で評価した。
【0026】
5:良好
3:やや不良
1:不良
▲3▼ 曲げ強さ試験
10×25×150mmの供試体を作製し、JIS R5201(セメントの物理試験方法)、10.6.2曲げ強さに従って、3点曲げ試験により曲げ強さを測定した。
▲4▼ 流動性試験
住宅・都市整備公団の規格仕様書「セリフレベリング床材の品質試験基準」に準じて試験した。なお、実施例、比較例で用いたモルタルはフロー値190〜230mmに調整して使用した。
▲5▼ 硬化性試験
JIS R5201(セメントの物理試験方法)、8.凝結試験に準じ始発時間を測定し、硬化性とした。
【0027】
【製造例1】
性能評価に使用したアクリル系試作品ラテックスAの製造例を示す。試作品ラテックスは、2−エチルヘキシルアクリレート−スチレン共重合アクリル系ラテックス(固形分45%、計算Tg約−10℃)である。これを以下の様にして作成した。
【0028】
スチレン45重量部、2−エチルヘキシルアクリレート50重量部、メタクリル酸5重量部、アルキルベンゼンスルホン酸Na0.2重量部、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(HLB=16.2)3重量部、過硫酸アンモニウム0.5重量部、水108.3重量部の混合物を常法に従った乳化重合法で重合してアクリル系試作品ラテックスAを得た。電子顕微鏡でラテックスの粒子径を測定したところ165nmであった。
【0029】
【製造例2】
性能評価に使用したアクリル系試作品ラテックスBの製造例を示す。試作品ラテックスは、2−エチルヘキシルアクリレート−スチレン共重合アクリル系ラテックス(固形分45%、計算Tg約−10℃)である。これを以下の様にして作成した。
【0030】
試作品ラテックスAの100重量部(固形分換算)をシードとし、スチレン45重量部、2−エチルヘキシルアクリレート50重量部、メタクリル酸5重量部、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(HLB=16.2)3重量部、過硫酸アンモニウム0.5重量部、水122.2重量部の混合物を乳化重合して試作品ラテックスBを得た。ラテックスの粒子径は200nmであった。
【0031】
【製造例3】
性能評価に使用したアクリル系試作品ラテックスCの製造例を示す。試作品ラテックスは、2−エチルヘキシルアクリレート−スチレン共重合アクリル系ラテックス(固形分45%、計算Tg約−10℃)である。これを以下の様にして作成した。
【0032】
試作品ラテックスAの6重量部(固形分換算)をシードとし、スチレン45重量部、2−エチルヘキシルアクリレート50重量部、メタクリル酸5重量部、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(HLB=16.2)3重量部、過硫酸アンモニウム0.5重量部、水122.2重量部の混合物を乳化重合して試作品ラテックスCを得た。ラテックスの粒子径は425nmであった。
【0033】
【製造例4】
性能評価に使用したアクリル系試作品ラテックスDの製造例を示す。試作品ラテックスは、2−エチルヘキシルアクリレート−スチレン共重合アクリル系ラテックス(固形分45%、計算Tg約−10℃)である。これを以下の様にして作成した。
【0034】
試作品ラテックスAの6重量部(固形分換算)をシードとし、スチレン45重量部、2−エチルヘキシルアクリレート50重量部、メタクリル酸5重量部、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(HLB=16.2)3重量部、過硫酸アンモニウム0.5重量部、水122.2重量部の混合物を乳化重合して試作品ラテックスCを得た。ラテックスの粒子径は1200nmであった。
【0035】
【製造例5】
性能評価に使用したアクリル系試作品ラテックスEの製造例を示す。試作品ラテックスは、2−エチルヘキシルアクリレート−スチレン共重合アクリル系ラテックス(固形分50%、計算Tg約−45℃)である。これを以下の様にして作成した。
【0036】
試作品ラテックスAの6重量部(固形分換算)をシードとし、メチルメタアクリレート18重量部、2−エチルヘキシルアクリレート80重量部、メタクリル酸2重量部、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(HLB=16.2)3重量部、過硫酸アンモニウム0.5重量部、水102.9重量部の混合物を乳化重合して試作品ラテックスCを得た。ラテックスの粒子径は444nmであった。
【0037】
【実施例1〜8】
セメント100重量部に対し、表1に記載の配合で樹脂モルタル組成物を調整し、フロー試験、作業性試験、曲げ強さ試験を行った。なお、以下の実施例、比較例の中でのラテックス及び珪酸アルカリの配合量は水を含んだ量で表示している。評価結果を表2に示す。
【0038】
また、使用した原材料の詳細は下記の通りである。
普通セメント:普通ポルトランドセメント
(秩父小野田セメント(株)製)
早強セメント:早強ポルトランドセメント
(秩父小野田セメント(株)製)
ラテックス :アクリル系ラテックス(試作品A〜D)
:スチレン−ブタジエン系ラテックス
(DL−460、旭化成工業(株)製、45%に調整)
珪酸Li :商品名LSS−45、固形分26%
(粒子径10nm以下のもの、日産化学工業(株)製)
珪酸Na :商品名スノーテックス30、固形分30%
(粒子系15nmのもの、日産化学工業(株)製)
珪酸Na :商品名スノーテックスZL、固形分40%
(粒子系85nmのもの、日産化学工業(株)製)
珪酸Na :商品名PC−500、固形分21%
(水溶液のもの、日産化学工業(株)製)
珪酸K :商品名スノーテックスK、固形分20%
(水溶液のもの、日産化学工業(株)製)
珪酸Ca :CAS登録番号10101−39−0のもの、
非水溶性粉末、固形分100%
珪砂6号 :一般市販品
水 :水道水
【0039】
【比較例1〜4】
セメント100重量部に対し、表3に記載の配合でモルタル組成物を調整し、フロー試験、作業性試験、曲げ強さ試験試験を行った。結果を表4に示す。
使用した原材料は実施例1〜8で使用したものと同様である。
【0040】
【実施例9】
試作ラテックスEの100重量部に、珪酸Li:LSS−45を20重量部、普通セメント50重量部、炭酸カルシウム29.4容積比、珪砂7号16.7容積比を混合し、水を加えて流動性を200mmに調整して樹脂モルタル組成物を得た。この樹脂モルタル組成物の硬化性を測定した結果、始発時間は8時間であった。
【0041】
なお、新たに使用した原材料は以下の通りである。
炭酸カルシウム:商品名SS30(白石カルシウム(株)製)
珪砂7号 :一般市販品
使用したその他の原材料は実施例1〜8で使用したものと同様である。
【0042】
【比較例5】
試作ラテックスE100重量部に、普通セメント50重量部、炭酸カルシウム29.4容積比、珪砂7号16.7容積比を混合し、水を加えて流動性を210mmに調整して樹脂モルタル組成物を得た。この樹脂モルタル組成物の硬化性を測定した結果、始発時間は24時間以上であった。
【0043】
なお、使用した原材料は実施例9で使用したものと同様である。
【0044】
【実施例10】
試作ラテックスEの120重量部に、スノーテックスK25重量部、超速硬セメント50重量部、炭酸カルシウム29.4容積比、珪砂7号16.7容積比を混合し、水を加えて流動性を218mmに調整し樹脂モルタル組成物を得た。この樹脂モルタル組成物の硬化性を測定した結果、始発時間は1時間であった。
【0045】
新たに使用した原材料は以下の通りである。
超速硬セメント:商品名ドクターQ((株)マノール製)
なお、使用したその他の原材料は実施例9で使用したものと同様である。
【0046】
【比較例6】
試作ラテックスE120重量部に、超速硬セメント50重量部、炭酸カルシウム29.4容積比、珪砂7号16.7容積比を混合し、水を加えて流動性を225mmに調整して樹脂モルタル組成物を得た。この樹脂モルタル組成物の硬化性を測定した結果、始発時間は12時間以上であった。
【0047】
なお、使用した原材料は実施例10で使用したものと同様である。
【0048】
【実施例11】
試作ラテックスE120重量部に、スノーテックス30を30重量部、普通セメント50重量部、炭酸カルシウム47.1容積比、珪砂7号6.7容積比を混合し、水を加えて流動性を200mmに調整して樹脂モルタル組成物を得た。この樹脂モルタル組成物を、平らなポリエチレンシート上に3mm厚で流延し、20℃65%RHの条件下で48時間養生し、JIS K6301(加硫ゴム物理試験方法)に準じ、引っ張り強さ及び伸び率を測定した。この結果、引っ張り強さは10.6Kg/cm2 、伸び率は127%であった。
【0049】
【比較例7】
珪酸アルカリを用いなかった以外は実施例11と同様にして樹脂モルタル組成物を調整し評価を試みた。しかし、硬化が不十分であり評価試験はできなかった。
【0050】
【表1】
Figure 0004108165
【0051】
【表2】
Figure 0004108165
【0052】
【表3】
Figure 0004108165
【0053】
【表4】
Figure 0004108165
【0054】
【発明の効果】
早期硬化性に優れかつ高強度を発現する樹脂モルタルが得られる。特に樹脂含量が多くとも早期硬化性等に優れる樹脂モルタルが得られる。また下地との密着性も優れており、低温時の施工や厚塗り施工も可能である。

Claims (2)

  1. セメント、充填剤、ラテックスおよび珪酸アルカリを含有する樹脂モルタル組成物であって、該珪酸アルカリの粒子径が100nm以下であり、該セメント100重量部に対し該充填材が容積比で30〜250であり、該セメント100重量部に対し該ラテックスが固形分換算で2〜150重量部であり、該珪酸アルカリが水溶性またはアルカリ可溶性で該ラテックスの固形分100重量部に対し固形分換算で1〜25重量部である樹脂モルタル組成物。
  2. ラテックスの粒子径が180〜1500nmである請求項1に記載の樹脂モルタル組成物。
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